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研究領域
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第1章 自己身体はどのように脳内で表現されているのか? P28
これについてギャラガーは、最も基本的な自己感として、身体保持感(sense of self-ownership)と運動主体感(sense of self-agency)の2つを挙げている(Gallagher, 2000)。
身体保持感は「この身体はまさに自分のものである」という感覚であり、運動主体感は「この身体の行為を引き起こしたのはまさに自分自身である」という感覚である。
身体保持感は「この身体はまさに自分のものである」という感覚である。
前提となる学問・研究領域
身体・境界・個体・個人・自然人
- リタ・カーター「脳と意識の地形図」第七章 私は私? P233
この「私」という感覚は基本中の基本なので、それを抜きにした状態など想像できない。
(中略)
こうした概念のなかで筆頭に挙がるのが、境界に関するものだ。
(中略)
それに伴って、経験の所有感覚――この見えかた、この考え、この痛みは自分のものであって、ほかの誰かのものではない――も生じてくる。
次は主体の概念である。
(中略)
そうしたのは自分であって、隣の人ではないし、腕の先についている手でもないとわかることだ。
そして最後が統一の概念だ。
これには、自分はひとりしかいないという瞬間的なものと、いまある「私」は明日の「私」でもあるという時間にまたがったものがある。
この本でいうところの経験の所有感覚は、身体保持感としてとらえることができるが、これは境界に基づく。
視覚野・体性感覚野・運動野・時間感覚
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第1章 自己身体はどのように脳内で表現されているのか? P46
まず身体に関する視覚刺激が視覚野(後頭葉)へと入力されEBAにおいて身体部位として同定される。
一方で、体性感覚野等からの内在性感覚情報及び運動野由来の運動情報(遠心性コピーと呼ばれる)が頭頂葉(ないしEBA)へと投射される。
そして頭頂葉(特に右半球)のいくつかの領域において、主に時間的整合性をベースとしてこれらの情報の統合あるいはマッチングが行われる。
(中略)
マッチングの結果、体性感覚・触覚等あるいは遠心性コピーと時間的整合性のある視覚的身体が自己身体として認識され、身体保持感はこのときに感じられる。
身体保持感は視覚野・体性感覚野・運動野・時間感覚に基づく。