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研究領域
- wikipedia 防衛機制
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%B2%E8%A1%9B%E6%A9%9F%E5%88%B6防衛機制(ぼうえいきせい - defence mechanisms)とは精神分析で用いられる用語であり、欲求不満などによって社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる自我の再適応メカニズムを指す。
- クリストファー・ボーム『モラルの起源』第5章 太古の祖先をいくつか再現する 祖先の「社会統制」 P137-138
チンパンジーが飼育下の大集団で暮らしている場合、事態は雌にとって決定的なまでに変化する。
(中略)
このように団結した雌は、身近な雌を叩いてフラストレーションをぶちまけたがる雄に集団で襲いかかる傾向がとりわけ強い――野生の状態ではかなりよくある行動だ。
フランス・ドゥ・ヴァールは、アルファ雄がはるかに地位の低い雄に対して攻撃的になったときに起きた、そうした出来事について語っている。
ジモーは、ヤーキーズ・フィールド・ステーション[ヤーキーズ国立霊長類研究所の野外調査拠点]の集団で現在アルファ雄となっているが、あるとき若い雄のソッコと、ジモーの大好きな雌のひとりが、こっそり交尾しているのを見つけた。
(中略)
ふだんなら、この年配の雄はただ罪人を追い出すだけなのだが、なぜか――ひょっとしたらその雌がその日、ジモーとの交尾を何度も拒絶したためかもしれないが――このときは全速力でソッコを追い回しつづけた。
- クリストファー・ボーム『モラルの起源』第5章 太古の祖先をいくつか再現する 類人猿は「罪悪感を抱く」のか? P149-150
この期間、心理学者のロジャー・ファウツがルーシーにサインのやりとりを教えに来ていて、言語のレッスンの直前、ほかのだれも部屋にいないときに、ルーシーがテマーリンの家の居間で床のど真ん中に粗相をした。
(中略)
ルーシーが粗相の責任をどこかへ押しつける「戦術的欺瞞」をしようとしたのは、埋まった果物を探すふりをしたり、恐怖のしかめ面を覆い隠したりするのと同じカテゴリーに入るようにも思われる(55)。
- クリストファー・ボーム『モラルの起源』第5章 太古の祖先をいくつか再現する 類人猿は「罪悪感を抱く」のか? P150
テマーリンは、ルーシーが飼育者を欺こうとしたほかのケースについても語っている。
そんなとき、ルーシーはとてもよく知っているサインを「理解しなくなる」のだ。
防衛機制とは欲求不満などによって社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる自我の再適応メカニズムである。
心理学において主流とは言えなくなった精神分析学の概念ではあるが、防衛機制は臨床でも用いられる考え方なので、あえて採用する。
類人猿においては、八つ当たり(置換の萌芽)、嘘(合理化の萌芽)、理解しなくなる(退行の萌芽)などの防衛機制の萌芽が見られる。
前提となる学問・研究領域
過去に位置する学問・研究領域
原因となる学問・研究領域
解決すべき問題となる学問・研究領域
欲求不満・フラストレーション
防衛機制は欲求不満によって引き起こされるものであり、これによる適応上の問題を解決するためのものである(ただし方法によっては解決されるとは限らない)。
目的となる学問・研究領域
適応
防衛機制は適応するためのものである(ただし方法によっては適応できるとは限らない)。