債権・債務

Last-modified: 2015-05-31 (日) 11:52:10
 

研究領域

  • wikipedia 債権
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%82%B5%E6%A8%A9

    債権(さいけん:独Schuldrecht)とは、主に大陸法の法律用語であり、ある者(債権者:独Gla"ubiger)が特定の相手方(債務者:独Schuldner)に対して一定の行為(給付)をするよう要求できる権利をいう。

    債務者の側から見た場合はこれは債権者に対する義務であり、債務(さいむ:英仏obligation、独Schuld(独・墺))と呼ばれる。

    また、債権者と債務者のこのような法律関係のことを、債権債務関係(英仏 obligation、独Schuldverha"ltnis、独Obligation(スイス法))という。

    いずれも視点が異なるのみで、内容を異にするものではない。

    日本では、「債権」という言い方が通常で、「債権債務関係」はあまり用いられないが、欧米では「債権債務関係」に相当する表現(obligationやSchuldverha"ltnis)がむしろ通常である。

債権は、ある者(債権者)が特定の相手方(債務者)に対して一定の行為をするよう要求できる権利のこと。

前提となる学問・研究領域

対人関係・人間関係

債権・債務は対人的な排他的効力を持つ。

サービス

債権・債務は相手方の一定の行為を要求する。相手方は意識的に行動することで債務を果たすため、債権・債務はサービスを前提としているといえる。

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

属する全体である学問・研究領域

権力

  • wikipedia 権力
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E5%8A%9B

    権力(けんりょく、英語 power、フランス語 pouvoir、ドイツ語 Macht)とは一般にある主体が相手に望まない行動を強制する能力である[1]。

権力とは相手に望まない行動を強制することである。
後述の理由で、債権・債務は、一般に考えられているように権利・義務ではなく、権力であると考えた方が筋が通る部分がある。

規範

後述の理由で、債務の属する全体であるものを指す用語として「義務」を採用できない。
ただし、債権・債務は単なる権力ではなく、基本的に力ずくによらず自主的に弁済されることが期待されているものでもある。
すなわち、債務は「べきである」という規範に保障されているものであり、義務に属するというより、規範に属すると考えた方が筋が通る部分がある。

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

前提となる学問・研究領域(疑いあり)

法学・法

債権・債務は法で規制されるが、ある者が相手方に対して一定の行為を要求できる権利は法以前から存在する。

権利・資格

権利・資格とは、ある行為をしてよい、またはしなくてよい地位のことである。
債権は自分の行為の地位的な保障であるというより、特定の相手方に対して一定の行為をするよう要求するものであり、権利・資格ではなく、権力として捉える方が筋が通る部分がある。

道徳・義務

  • ヒース「ルールに従う」イントロダクション P5

    道徳は、何らかの報酬を予想するからでなく、それ自身のために遂行されなければならない行為という形で義務を課するものである。

  • ヒース「ルールに従う」イントロダクション P15

    私は、「道徳的」問題と「倫理的」問題との間の、ますます標準的となりつつある用語上の区別に従うことにする。

    すなわち、「道徳」は何が正しく(right)、間違っている(wrong)か、許され、許されないのかという問題(すなわち、義務論的形式を帯びた規範的判断)に関連するのに対して、「倫理」は価値、善の概念(いわゆる価値倫理学的問題)に関連するものである。

  • ヒース「ルールに従う」第3章 義務的制約 3.2 原理 P125

    われわれは今や完全な意思決定の木を持っている。

    状態に結びついた信念、行為に結びついた原理、結果に結びついた欲求である。

    実践的合理性の観点からは、これらの志向的状態のそれぞれは「主観的」なものとして扱われうる。

    こうして、信念は事実に対し、原理が規範に対し、おそらくは欲求が善に対する。

  • ヒース「ルールに従う」第4章 志向的状態 4.1 言語論的転回 P165

    信念、欲求、そして原理はすべて志向的状態である。

  • ヒース「ルールに従う」第4章 志向的状態 4.1 言語論的転回 P168

    どのみち、われわれの思考が内容を持つ限り、それには言語的表現を与えることもできる。

    このように志向的状態の集合は命題的内容を持つ状態の集合でもある。

    言語的パースペクティブの根幹にあるのは、心的状態の志向性がそれに内容を与える命題から派生したかもしれないという示唆なのである。

  • ヒース「ルールに従う」訳者解説 本書の基本的主張 P125

    第1に、期待効用理論のような合理的意思決定の標準的理論の中に、主体が規範的行為に対して一定の重みづけをしている状態(本書では「原理[principle]」と呼ばれる)を組み込むことの方がより適切な表現の仕方となる。

ヒースの説によると、道徳または義務は、言語的な心的状態を持つ人間が、状況や結果と区別される行為に対して抱く重みづけ、すなわち原理の産物であり、言語以前の状況では用いることができない。