物乞い

Last-modified: 2015-09-09 (水) 22:37:27
 

研究領域

  • クリストファー・ボーム『モラルの起源』第6章 自然界のエデンの園 「原初のチンパンジー属」の狩猟と分配のパターン P170

    チンパンジーとボノボの狩りは気まぐれで、かなりまれで、飛び道具をもたずに小ぶりの獲物を追う(19)。

    ボノボは、チンパンジー以上に狩りをすることが少なく、また、個々に狩りをしがちだ。

    一方で、チンパンジーの雄は、魅力的な新鮮な肉を探し求めるときには、集団で狩りをすることもあるらしい(20)。

    どちらの種も、食べたり分配したりするときには、脂肪分の多い脳を喜ぶようだ。

    そしてゴンベで私が惹きつけられたのは、最大で十数頭ほどの興奮した類人猿がこうした獲物の肉を分け合う特別な方法だった。

    チンパンジーとボノボは同じようなやり方でこれをおこなう。

    通常は、獲物の肉を確保した地位の高い個体が、その後もしっかり所有して一番多く取り、近づいてきてせびる仲間のうち一部にだけ残りを分け与える――だが、ほかの仲間には決して分け与えないのだ。

  • クリストファー・ボーム『モラルの起源』第6章 自然界のエデンの園 容認される盗みか、社会的な絆をもつ味方作りか? P172

    フラックと私は、肉の所有者は肉をしっかり支配するのに必要な味方(同盟者)を確保するため、最小限の数の仲間とは肉を分け合うが、肉が欲しいとしきりに訴えて物乞いの列に少しでも前に並ぼうとするほかの多くの者とは分け合わないのではないかと提唱した。

  • クリストファー・ボーム『モラルの起源』第6章 自然界のエデンの園 容認される盗みか、社会的な絆をもつ味方作りか? P173-174

    野生のチンパンジーを観察して、私がいつも気づいたのは、分配のプロセスというものが、競い合って肉を求める物乞いのあいだでは大いに緊張と敵意をもたらすようだが、同時にまた、分け合う仲間のあいだでは緊張と親睦を、ときにはまぎれもない友情すらもたらすように見えたということである(あくまで印象だが)。

  • クリストファー・ボーム『モラルの起源』第9章 道徳的多数派の働き 調停は大変 P316

    クン族では言葉による攻撃がよく見られる。実は、所有物がほぼいつでも公平に分配されるのは、もたざる者が声高に要求するからなのだ。

類人猿や人類においては、持たざる者が持つ者に対して食物分配の要求をする。当wikiではこれを権威者から非権威者に対して行う要求と区別して、物乞いと呼ぶ。

前提となる学問・研究領域

占有権

物乞いは、持つ者に対して持たざる者が行なう。

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

食物分配

物乞いは、持つ者に対して持たざる者が行なう。ただし、食物分配がなされることとなされないことがある。

肉食

チンパンジーにおいてもボノボにおいても、物乞いは肉を巡って行われる。

属する全体である学問・研究領域

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

前提となる学問・研究領域(疑いあり)