社会化・内面化

Last-modified: 2015-08-29 (土) 08:31:09
 

研究領域

  • wikipedia 社会化
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%8C%96

    社会化(しゃかいか)とは、社会学の用語で、子供や、その社会の新規参入者が、その社会の文化、特に価値と規範を身に付けることを指す。

    遺伝子により先天的に獲得されたものではなく、学習により後天的に獲得されるものである。

  • wikipedia 内面化
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%9D%A2%E5%8C%96

    内面化(ないめんか)とは、その社会が有する価値と規範を、自分の価値と規範として、受け入れることを指す。

    内面化により、集団は円滑に集団目標を遂行できるようになり、個人は円滑に集団から受容されるようになる。

    安定した精神構造をもたらすメカニズムであり、これが働くことで人間関係における精神状態を形成することがある。[1]。

    内面化により、賠償金や刑罰などの手段で、規範を外部から個人に強制する必要はなくなる。

    違反行為は、個人が道徳により内面で裁くからである。

    また、ある価値と規範を受容した個人は、それを受容しない個人に嫌悪・憎悪などの感情を抱き、内面化を他者にも強制するようになる。

社会化・内面化とは、社会の価値と規範を身に着けることである。

前提となる学問・研究領域

文化人類学・文化・評価・価値観・感性・直感・学習学・学習

社会化・内面化とは、社会の文化、特に価値と規範を学習によって後天的に獲得することである。
ただし後述する理由で、社会と規範に関しては前提として疑いがある。

習慣・同調性・役割

  • wikipedia 社会化

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%8C%96

    第1次社会化

    幼児期から、児童期にかけて行われる。

    言語や、基本的な生活習慣を習得する。

    この時期に社会化された事柄は、その後の学習の基本になる。

    社会化の担い手は、主に家族である。特に、生まれたばかりの赤ん坊にとっての社会とは、母親との1対1の関係であり、そこから次第に社会が広がっていく。

    第2次社会化

    児童期後期から、成熟期にかけて行なわれる。

    この時期には、社会的役割を習得する。

    社会化の担い手は、家族を離れ、学校・同世代・メディア・職場となる。

  • ヒース「ルールに従う」第3章 義務的制約 3.1 社会規範 P113

    これは、心理学者と社会学者が通常、1次的社会化(主体たちが社会規範に同調するために必要な基本的性向を獲得あるいは発達させる)と2次的社会化(主体たちが特定の文化的環境の特定的規範を学習する)を区別させることの理由となっている。

社会化には二つの段階があり、前半では言語・習慣・同調性を、後半では役割・文化を獲得する。
ただし後述する理由で、言語については前提として疑いがある。

サンクション・態度・愛着

  • ヒース「ルールに従う」第3章 義務的制約 3.1 社会規範 P114

    一般的な主張は、子供たちは当初、規範の違反に関連付けられたサンクションを単なる懲罰と報酬として経験するのだが、徐々に感情的カセクシスを特定のサンクションから、サンクションをしている人のより一般的な態度へと移行させるというものである。

    このことは正しい種類の行為を遂行するインセンティブだけでなく、文化的親の是認を獲得しようとするインセンティブをも生み出す。

    一般化のこのプロセスは1次的社会化の過程を通して継続し、子供たちはますます広範な「価値志向」の集合を獲得する。

    (中略)

    この理論は、これよりも粗い行動主義的な理論に対して、2つの主要な利点を持っている。

    第1に、われわれが人間の幼児の心理学的発達と社会化に関して知っているものに対して、より正当な取り扱いをしているということである。

    とりわけ、子供たちが彼らの最初の文化的両親に対して強く安定的な感情的愛着を形成することがどうして重要なのか、そしてなぜこれらの両親と協力的で愛情のある関係を築かない子供たちが社会化の一般的失敗に苦しむのかをパーソンズは説明することができるのである。

社会化においては、好き嫌いを、特定のサンクションから、サンクションしている人のより一般的な態度へと移行させること、そして愛着が社会化を左右することがみられる。

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

属する全体である学問・研究領域

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

人類学・人類・人間性

ペットの犬や猫においても、幼い頃に「社会に慣れる」「同種や人間に友好的になる」前提として、社会や同種や人間と触れ合うことが推奨される社会化期が存在する。

内面化によって、規範(規範がない場合は同調性や文化)を罰によって強制する必要がなくなる。
しかし、これは人間だけの都合であって、人間が介在しない場合の犬や猫においてはこの種の都合は存在しない。

前提となる学問・研究領域(疑いあり)

社会学・社会・規範

  • 山極寿一「家族進化論」第3章 性と社会の進化 6 子育てとインセストの回避 P157

    人間の社会での観察事例が増えるにしたがい、ウェスターマーク効果が実在することがたしかになった。

    そして、それは霊長類から受け継いだ生物学的性質なのだということも明らかになった。

    ではなぜ、人間の社会はインセストをタブーとして制度化する必要があったのだろう。

    それは、レヴィ=ストロースが予言したように、インセストを禁止することによって人間の社会が自然の養成にもとづかない新たな枠組みを創造できるからだ。

    おそらく複数の家族を共同体に組み込む過程で、性交渉を保証される男女と禁止される男女を区別する必要が生じたのだろうと思う。

    家族はその両方から成り立っている。

    家族のなかで夫婦は性交渉を独占し、ほかのいかなる組み合わせにおいてもそれは禁止されるからである。

    それが守られている限り、家族はいくらでも大きくなることができ、ほかの家族と手を組むことができる。

  • ヒース「ルールに従う」第6章 意志の弱さ 6.5 規範同調性 P319

    もしこの分析が正しいならば、人間の超社会性の背後にある利他主義は、遺伝的に不適応で、文化的に伝達されたこうした行動パターンの1つであることが判明するかもしれない。

  • ヒース「ルールに従う」第8章 意志の弱さ 8.3 応用 P414-415

    第6章と第7章の議論が示しているように、適切な仕方で社会化した大人は規範同調的な選択性向を持っており、これが彼らの行為に際して、かなりの大きさの熟慮上の重みづけを社会規範に対して付与させる。

山極の説によれば、超家族的な社会や共同体は、性的規範が家族と群れを両立させることで生じる。
ヒースの説によれば、文化的に伝達された(同調的な)超社会性を含む規範は、内面化によって優先的に行為される。
社会や規範が内面化の前提であるというより、むしろこれらが内面化によって成り立つと考えるべきである。

自然言語・言語学

犬や猫における社会化で言語が必要とされているようには見えない。