道具使用

Last-modified: 2015-09-12 (土) 18:45:00
 

研究領域

道具とは、物をつくったり、あるいはなにかを行うために用いる器具の総称である。
道具使用はいくつかの動物でみられる。

前提となる学問・研究領域

生活科学・手段的日常生活動作・人工

道具とは、対象への人工的なはたらきかけの際に用いるものである。

文化人類学・文化

  • wikipedia 道具 1 概説
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%93%E5%85%B7#.E6.A6.82.E8.AA.AC

    道具は文化の重要な側面の一つである。

    道具の分類として道具を作るための道具を「二次道具」として区別する説[誰?][いつ?]がある。

    かつては「道具を使うのはヒトだけ」と言われた。

    だが現在では動物が道具を使用する例も多く知られており、特にチンパンジーは何通りもの道具を使うことが知られている。

    カラスが木の枝を釣り針のように加工して毛虫をつる行動が確認されている[要出典]。

    そこで、そのような道具と人間の道具を比較した結果、「二次道具を使うのはヒトだけ[要出典]」と言うようになった。

    「文化 (動物)」も参照

道具使用は文化の重要な側面の一つである。

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

食事・採集・安全・危険・興味・関心・期待・探索行動・好奇心・配偶システム

  • wikipedia オランウータン
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%B3

    スマトラ島では、小枝を使って堅いドリアンの実を開けて、栄養豊富な種を食べる。

    また枝を木の洞に差し込んで、アリやシロアリなどを釣って食べる。

    飼育下やリハビリテーションセンターではよく道具を使用するが、野生での道具使用の例は、最近まで発見されていなかった。

    なおボルネオ島では道具使用の報告はほとんどない。

  • PLOS Biology: First Observation of Tool Use in Wild Gorillas
    http://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.0030380

    We first observed an adult female gorilla using a branch as a walking stick to test water deepness and to aid in her attempt to cross a pool of water at Mbeli Bai, a swampy forest clearing in northern Congo.

    (webmaster訳)

    我々は北コンゴに広がる湿地が多い森"Mbeli Bai"で、水の深さを測り、水溜りを横断しようとするための杖として枝を使っている成体雌のゴリラを最初に観察しました。

  • wikipedia ボノボ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%8E%E3%83%9C

    知性

    本種の知性はチンパンジーよりも高いと考えられているが、野生での道具使用は報告されていない。

    (中略)

    プロジェクトで飼育したボノボは以下の事を自ら、若しくは人間に声のみによる指示を受け行う。

    ・薪を集め、マッチで火をつけ、たき火をする。

    ・そのたき火でマシュマロを焼く。

    ・特殊なキーボードを使い、人間と会話する。

    ・ルールを正確に理解し、パックマン(ビデオゲーム)で遊ぶ。など[6]。

  • wikipedia チンパンジー
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BC

    蟻塚に棒を差込みシロアリを捕食する、石や倒木を使って堅い果実の殻を割る、木の葉を使って樹洞に溜まった水を飲む、木の葉を噛みちぎる音を使って求愛するなど様々な用途で道具を使う[2]。

    これらの道具および行動には地域変異があり、文化的行動と考えられている[2]。

  • 山極寿一『家族進化論』第1章 家族をめぐる謎 4 狩猟仮説の魅力と誤り P29

    先端を尖らせた動物の骨がみつかっており、おそらく地面を掘って根茎類を食べていただろうと推測される。

類人猿や初期人類においては、道具使用の用途は食事・採集が多いが、安全確認や求愛もある。

属する全体である学問・研究領域

本質的な部分である学問・研究領域

問題解決

  • 西田利貞『人間性はどこから来たか』第8章 文化の起源 ④霊長類における社会的伝達 3 ヒトの社会的伝達の特徴 ティーチング P201

    クリストーフ・ボッシュによると、象牙海岸のチンパンジーの母親が、五-六歳の子に石器を使って堅果を叩き割る方法を教えた。

    母親は堅果を台石の上におくやり方と、ハンマー石の握り方を示したという。

    ボッシュはこれを「積極的なティーチング」と呼んでいる。

    しかし、数年に渡る観察期間中にたったの二度だけである。

    ハンマー石と台石と堅果の三つを揃えて、子どもに作業場をあけ渡したという観察はずっと多い。

    母親は子ども以外にはこういう格好で仕事場を明け渡すことはないということは、教育を示唆している。

チンパンジーにおいて通常、道具使用とは、道具や対象の各要素の組合せにより、試行錯誤による学習によって獲得されるものである。

非本質的な部分である学問・研究領域

教育学・教育・教示

チンパンジーにおいて、教育によって道具使用が獲得されることがあるが、一般的であるとは言えない。

前提となる学問・研究領域(疑いあり)

人類学・人類・人間性

動物にも道具使用は存在する。
チンパンジーは石器を使ってアブラヤシの種子を割ったり、木の枝でシロアリを釣ったりする。
よって道具は人類を前提とする、とは限らないのではないだろうか。

知能・知性

  • 西田利貞『人間性はどこから来たか』第10章 知能の進化 ③生態仮説 4 道具仮説 P250

    第一に、道具使用はかならずしも知能的行動ではない。

    道具使用行動は、カリウドバチ、テッポウウオ、ハゲタカ、カラス、キツツキフィンチ、マングース、ラッコなど系統を異にするさまざまな動物で観られ、この行動自体は、かならずしも知能を要しない。

道具使用は道具の使用者に知能が存在していることを表すとは限らない。