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研究領域
- アントニオ・R・ダマシオ「無意識の脳 自己意識の脳」第一章「脳の中の映画」とは何か P43
要するに、意識という関係作用の中にある有機体は生ける存在の全ユニット――「身体」――ではあるけれども、「脳」と呼ばれる有機体の一部が、その内側に、そのユニットの完全な雛形を保持しているということである。
(中略)
私は、この、脳の中に表象されている有機体こそ、最終的に捉えがたい自己感になるものに対する生物学的前兆ではないか、そう結論づけるようになった。
アイデンティティや人格を備えた複雑な自己も含め、自己の根元は、生存のために身体の状態を継続的かつ「非意識的に」狭い範囲で比較的安定した状態に保っている脳のさまざまな装置の中に見いだされるはずだ。
これらの装置は、生体の状態と生体の多くの特質を継続的かつ「非意識的に」表象している。
そのようなさまざまな装置全体の活動状態を、私は「原自己」[proto-self]と呼んでいる。
(中略)
これらの作用は、有機体全体の状態を刻々と知らせてくる知覚のニューラル・マップからの情報に依存している。
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第1章 自己身体はどのように脳内で表現されているのか? P29
自己感によって、身体の状態そのものが重要な情報源なのか、あるいは脳などに表現された身体の内的表象のほうが重要であるのかは検証が必要であるが、後で詳しく見ていくように後者である可能性が高い。
このような身体の内的表象は一般に「身体イメージ」と呼ばれている。
身体イメージ・原自己とは、自己感の情報源となる身体の内的表象である。
前提となる学問・研究領域
イメージ
身体イメージ・原自己とは内的表象である。
解決すべき問題となる学問・研究領域
目的となる学問・研究領域
時間的に前提となる学問・研究領域
一般的な学問・研究領域
本質的な要素となる学問・研究領域
身体保持感・運動主体感
- 「ミラーニューロンと<心の理論>」第1章 自己身体はどのように脳内で表現されているのか? P28
これについてギャラガーは、最も基本的な自己感として、身体保持感(sense of self-ownership)と運動主体感(sense of self-agency)の2つを挙げている(Gallagher, 2000)。
身体保持感は「この身体はまさに自分のものである」という感覚であり、運動主体感は「この身体の行為を引き起こしたのはまさに自分自身である」という感覚である。
自己感としての身体イメージは、基本的には身体保持感と運動主体感の2つに支えられている。