感情

Last-modified: 2016-03-19 (土) 14:58:55
 

研究領域

感情は物事などに感じて抱く気持ちのこと。

前提となる学問・研究領域

情動・身体イメージ

  • アントニオ・R・ダマシオ「無意識の脳 自己意識の脳」第九章 情動と感情の基盤は何か P338

    要約すると、情動、感情、そして感情の感情まで、事象の推移はつぎの五段階に分けることができよう。

    (中略)

    (3)情動誘発部位は、身体と他の脳の部位に向けての多数の反応を始動させ、情動を構成する身体と脳の反応を全面的に解き放つ。

    (4)皮質下ならびに皮質部における一次のニューラル・マップは、それが「身体ループ」によるものか、「あたかも身体ループ」によるものか、あるいは両者の組み合わせによるものかには無関係に、身体状態の変化を表象する。

    こうして感情が浮上する。

ダマシオ説では、感情は、身体反応である情動による身体状態の変化を、身体イメージが表象したときに発生するものである。

自動思考

気分障害の認知行動療法においては、自動思考という概念がある。
自動思考とは、思い浮かぶ思考のことであり、特に何らかの気分につながる重要な思考のことである。
自動思考は感情に影響を与え、自動思考が非適応的な思考から適応的な思考になることで気分障害を改善しうる。

過去に位置する学問・研究領域

原因となる学問・研究領域

解決すべき問題となる学問・研究領域

目的となる学問・研究領域

属する全体である学問・研究領域

本質的な部分である学問・研究領域

非本質的な部分である学問・研究領域

ミラーニューロン・間主観性・表情

  • マルコ・イアコボーニ「ミラーニューロンの発見」第4章 私を見て、私を感じて P143

    まず、ミラーニューロンが当人に考えさせる間もなく自動的に他人の表情のシミュレーション(本書でときどき使っている言葉で言うなら「脳内模倣」)を行わせる。
    このシミュレーションの過程には、擬態される表情の意図的かつ明白な認識は必要とされない。

    これと同時に、ミラーニューロンは大脳辺縁系に位置する感情中枢に信号を送る。このミラーニューロンからの信号によって誘発された大脳辺縁系の神経活動が、観察された表情とかかわりのある感情を私たちに感じさせる。

イアコボーニ説ではミラーニューロンが表情を脳内模倣することで感情が感じられるとされる。
ただし、霊長類等ではない、特にミラーニューロンが確認されているとはいえないが、感情があると思われる動物の存在を説明できなくなるため、このwikiでは、ミラーニューロンは感情に影響を与えうるが、決定的な要因ではないものとして扱う。
また、後述する理由で、このwikiではここでは模倣は行われていないとみなす。

前提となる学問・研究領域(疑いあり)

模倣

脳内模倣という語は比喩的に使われており、真の意味で模倣であるとは言えない。
また模倣をしないが感情があると思われる動物の存在を説明できなくなるため、このwikiではここで起こっているミラーニューロンの活動(脳内模倣)を模倣と同一視しない。