ハロウィン/2023年

【デザイン過程】

• プランナーの構想
  前回の宴会の後、時間を遡れる懐中時計が起動されたものの、エネルギーが不安定なため一同は十月城に移動されていました。
  毎年、この町の十月祭ではカーニバルを行います。
  生者と死者の世界が最も近くなる時で、あの世にいる故人の霊がこの世に戻ってくると人々は信じているのです。
  隠者が演じるのは十月城の芸術協会の首席顧問で、芸術協会の管理に携わるほか、このカーニバルを主催しながらも、亡霊と生者の「交流」を繋ぐという神秘な役目もあります。
  衣装のデザイン面では三重になった螺旋の符号を取り入れ、生と死の循環を表現し、隠者のもう一つの神秘的な身分を暗示しています。
  黒猫はハロウィンの象徴の一つともいえます。
  黒猫といえば、自然に画像の様な軽やかに歩く姿や、真夜中の霧の中にかすかに見える姿が思い浮かびます。
  このどことなく神秘的でありながら迫ってくるような危険なオーラが、衣装を制作する時に伝えたいイメージと雰囲気でした。
  今回のデザインでは黒猫の要素を取り入れることで、衣装にまつわるストーリーにより広い想像の幅を与えました。

• デザイナーの構想
  首席顧問のストーリー背景にあわせて、刺繍模様を重ねたベルサイユ風のロングコートにしました。
  重なる模様と金糸刺繍をバランスよく配しています。
  左右の肩の部分は異なるデザインにして、アシンメトリーな感覚を作り出すと同時に、五分の袖にベルサイユ風のレースをつけ、さらに色鮮やかなタッセルのベルトを斜めにかけ、胸に着けたバッジに彼の身分を表す金属を用いました。
  下半身はキュロットと靴紐付きのロングブーツ、さらに腰につける飾り物は猫の尻尾形のフックになったデザインで、猫から変化した「ハンター」であることを表しています。
  顔も黒猫の顔をイメージし、目と唇のメイクで猫の特徴を引き出し、ベルサイユ模様の猫耳も被っています。
  これで第1案ができました。
  
  その中から右の原稿を選び、ブラッシュアップしました。
  顔色の調整、衣装の表現をより豊かにし、キャラクターの輪郭をぐっとインパクト感を出して、ハロウィンが舞台である季節感に合わせました。
  
  これで右案の最終版が完成です。
  

• ディテール
  
  金色の縁で飾られた黒猫の耳はびんと立ち、青緑の目がぐっと細長くなり、攻撃に身を構えます。
  顔には黒色の模様が徐々に伸びてきています。彼はある方向を静かに見つめていて、まるで獲物をロックしたかのようです。
  
  軽やかな黒のリボンが細い首にまかれて、サイドで黒の蝶々結びにされています。
  シルクのシャツにレースの標の組合わせ、袖口と裾には上品な刺繍、さらに華やかなロングコートとフードも金糸の模様で飾られ、この全てが首席顧問の尊い身分を表しています。
  掻き傷がある古びた手袋だけがこの服装とマッチしていません。
  
  黒猫は杖の上に座り、尻尾を高くあげ、浮いている水晶玉をコントロールしているように見えます。
  淡い光が黒猫の周りで漂っていて、猫の目は主人をちらりと見下ろし、命令を待っているようです。

• ゲーム内プレビュー
  
  首席顧問が上品で優雅な仕草で短いステップを終えてお辞儀をすると、そのすぐ後にダンスパートナーの姿が消えました。

• 対戦時プレビュー
  
  水晶玉から青い光が放たれ、杖をくるくるとたどって下まで流れていき、さらに杖を持つ人物の周りにも漂っていきます。

(参考1、参考2)