ベルスタインの靄事件調査/第一章

Last-modified: 2023-11-30 (木) 07:13:46
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イベントストーリー

※衣装はこちら

第一章-生育不良の苗

7月6日、晴れ。
客船の長い汽笛の音とともに、ベルスタインと外の世界の唯一の繋がりが断たれた。
7月の島は、モネが描く青い睡蓮のように、静かな水面に浮かんでいる。
花は徐々に開花するようには見えず、逆にゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと閉じていくようだ……

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  • 1.港
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    Missトゥルース:今年の歓迎儀式では大祭司が初めて遅刻したらしいわ。島で起こった殺人事件に関係しているのかしら?
    Mr.リーズニング:(会話していると、周りが突然静まりかえった。人々の目線を追うと……美しく若い女性が歩いてくるのが見えた。)

    ローズマリーの観察
    1.頭に紫色のローズマリーの花を着けている。
    2.ぼんやりとした瞳で虚空を見つめ、誰とも目を合わせない。
    3.肩に淡紫色の花の印がある。
    4.腕には白い布が巻かれている。トゥルース曰く、これは女性のファッションらしい。
    私には理解できない。
    5.白いスカートは風に揺れると花の香りがする。
    6.足にも同じように白い布が巻かれている。
    トゥルース曰く、これは彼女も見たことがないファッションらしい。
    お洒落な隣国から伝わったのかもしれない。

    Mr.リーズニング:(人々は私と同じように、この美しい女性の歓迎の挨拶を待っていた。しかし彼女は微笑んで手振りをするだけだった。彼女の手振りは完全な文章にすらならず、いくつかの単語を当てはめることしかできなかった。)
    Mr.リーズニング:(幸い手話は少し分かるため、トゥルースに訳すことができた。)
    ローズマリー:ようこそ、ベルスタイン、花、王国、楽しい、幸せ
    Mr.リーズニング:(私がトゥルースに手話を訳していた時、スラっとした人物が大祭司・ローズマリーの背後から現れた。まるで木陰から太陽の下に出るように……)

    夜来香の観察
    1.頭上の帽子は島民の身なりとそぐわない。
    2.彼の表情は全て仮面の下に隠されており、仮面の後ろで動く眼球からしか感情の変化を読み取れない。
    3.左手の鋭利なハサミは花の下に隠されている。
    4.右手は黒の革手袋に隠されている。
    5.服の刺繡はとてもこだわりがある。
    6.唯一革靴を履いた島民。

    夜来香:ようこそ、花の国へ。
    夜来香:(夜来香は美しい言葉でローズマリーが示した単語を言い直した。)
    夜来香:花の光と影が交差する場所は、大自然の翼が覆う土地であり、夢の島、幸福の天国、そしてベルスタインである。
    ローズマリー:(ローズマリーは空虚な瞳をしており、誰とも交流しなかった。だが夜来香が口を開くたび、彼女は視線を遠くから戻していた。)
    ローズマリー:植物、選択、名前。ない、標本。
    夜来香:皆さん、植物の中から好きなものを選んで身に着けてくださいーー植物の名前が島での呼び名になります。また、今年はこちらの都合により、大祭司特製の植物標本は配布いたしません。
    Mr.リーズニング:(トゥルースと私はそれぞれ植物を選び終え、旅客が散るのを待つと、事件の調査を始める準備をした。)
    Missトゥルース:リーズニング、依頼書の事件についてもう少し詳しく教えてくれない?
    Mr.リーズニング:(私はそれに頷いて依頼書を開いた。)

    ……
    もちろん、この手紙はベルスタインという美しい景色の島について紹介するために書いたわけではありません。
    あなたに手を貸していただきたい大事な要件がありますーー私個人の名義で、ベルスタインで起こった奇妙な事件の調査を依頼させてください。
    あの島の人間は全て謎に包まれています。
    あの島の珍しい鮮やかな花と同じように、嘘と秘密はいつも華やかな外面の下に隠されているのです。
    私がこの依頼書を出した2日前、大祭司ローズマリーと島民たちは、ベルスタイン島の相続人ーーダチュラさんの家の中で身元不明の死体を見つけました。
    現在、ダチュラさんは容疑者として牢に入れられています。
    数日後、島の外の法官が島に上陸し、この事件について開廷審理するでしょう。
    私はダチュラさんが無実であると信じています。
    ですが私にそれを証明する力はありません。
    それどころか、島であなたを迎え出ることもできません。
    しかしいざという時、私はあなたのDeus ex machinaとなりましょう。
    これは私からの約束です。

    Mr.リーズニング:これが依頼書の内容だ。捜査しやすいよう、開廷審理まではできる限り正体を明かさないでおこう。不要なトラブルは無いに越したことはない。
    Missトゥルース:(トゥルースの意地の悪いまなざしが私のポケットの植物に向けられた。)
    Missトゥルース:そういえば、島のルール通りに植物を選んだ今、あなたのことはどう呼べば……?
    Mr.リーズニング:(私は聞こえないふりをした。)
    Mr.リーズニング:とりあえず、容疑者ダチュラに会ってみよう。

  • 2.地方監獄
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    Mr.リーズニング:(私とトゥルースはダチュラを閉じ込めている牢屋にやってきた。しかし私の予測通り、事の進展はあまり良くないようだ。)
    夜来香:(それまで優雅な物腰だった夜来香が牢屋に現れ、詩を歌うような口調で私たちの訪問要求を断った。)
    夜来香:確かめる必要もありません。ここには確かに悪魔が住んでおりますーーほら、彼女はあそこに。多くの混乱は全て彼女が原因で起こったのです。
    Mr.リーズニング:(狭いガラス窓から監獄の中に光が射し込んだ。1匹の蜘蛛がガラス窓の外側に止まっており、地面に大きく、醜くその影を落とした。影の後ろには古びた椅子があり、ダチュラはその椅子に座っている。)

    ダチュラの観察
    1.帽子には枯れたダチュラの花が数輪ある。
    2.目は黒い被り物に隠され、彼女がどこを見ているか永遠に知り得ない。
    3.手は黒い手袋を着けている。
    4.腰元にはダチュラの花の形のバッグがある。
    5.スカートはまるで下向きのダチュラの花のようだ。
    6.黒いヒール靴。

    ダチュラ:(訪問客には気付いているはずなのに、彼女が顔を上げることはなかった。)
    Mr.リーズニング:(一言も発さないのか?……罪を黙秘する容疑者ーー面白い事件だ。)
    Missトゥルース:ダチュラさん、何か言いたいことはありませんか?あの事件は……
    夜来香:(夜来香がダチュラと私たちの間に割って入った。)
    夜来香:あの恐ろしい夜を、残酷な出来事を無理に思い出させる必要があるのですか?
    夜来香:ベルスタインの美しい景色に目を向けようではありませんか。世の素晴らしいものに囲まれて時を過ごすべきなのです。

  • 3.ダチュラの住居
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    Mr.リーズニング:(監獄を去った後、私たちはすぐに事件現場ーーダチュラの家へ向かった。)
    Mr.リーズニング:(家の外に見張りはおらず、扉は開かれていた。事件が起こった後、この家も放棄されたようだ。)
    Missトゥルース:ここが死体発見現場ね?
    Mr.リーズニング:ああ。地面から観察を始めようーー床の足跡に注意しろ。
    泥付きの靴跡.png
    Mr.リーズニング:地面には2種類の足跡がある:きれいなものと、泥が付いたもの。
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    Mr.リーズニング:きれいな足跡は2足分。1足は9.5インチ、泥が付いた足跡の模様と一致する。
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    Mr.リーズニング:もう1足は10センチ、模様は異なる。
    Mr.リーズニング:テーブルには食器が2セットあり、食べ物は腐っているーー事件が起こった時、2人は食事の準備をしていたのか。
    Mr.リーズニング:現場には血の跡が残っていないから、初歩的に外傷による致命傷は除外できるな。
    Missトゥルース:どういうこと?リーズニング。
    Mr.リーズニング:外傷で死んだ場合、島民が死体を移動させた時に血の跡が残るだろう。
    Missトゥルース:なるほど!
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    Missトゥルース:見て!ここには綺麗な箱がある……オルゴールかな?オルゴールの中は蜂の巣みたいね。上に泥も付いてるし。
    Mr.リーズニング:……地下にある蜂の巣の一種だ。アジアの兵役中に見たことがある。何者かがオルゴールの中の部品を取り出し、ここの蜂の巣を入れたんだろう。だが部屋の中に蜂の痕跡はない。誰かが処理したのかもしれない。
    テーブルクロス.png
    Mr.リーズニング:ここのテーブルクロスには手形がある。短時間で激しい痛みを感じ、両手で強くテーブルクロスを掴んだようだ。手形の傍には汚れもある……ひどい匂いだな、嘔吐物か。
    Mr.リーズニング:嘔吐物の横には粉状の粒があり、それが何かは分からない。
    Missトゥルース:(指で粒を押してみた)この粉末には見覚えが……そう、化粧品よ!もし死者が厚化粧をしていて、顔がずっとテーブルクロスに付いていたのなら、化粧品が写ってしまった可能性もあるわ。
    Mr.リーズニング:厚化粧をした死者か。なら女性なのかもしれないな。
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    Mr.リーズニング:テーブルの下に紫色の花びらがある。
    Missトゥルース:この花びらの形に明確な特徴はない。判断が難しいわね。でも、ダチュラの花びらではないのは確かよ。
    Missトゥルース:見て!花びらにドロッとした黄色い液体があるわ。とても不思議な香りーー蜂の何らかの分泌物みたい。前に見つけたオルゴールと関係があるのかも。
    Mr.リーズニング:この植物に毒があるか分かるか?
    Missトゥルース:花びらだけでは分からないわ。
    ここの謎は思っていたよりも多いみたい……事件当日の夜の状況について、島民に訊ねてみましょう。
    Mr.リーズニング:(私はますます探偵らしく振舞うトゥルースを連れて、ダチュラさんの家を出た。)

  • 4.島民の住居
    Missトゥルース:あそこに老人がいるわ。恰好を見るに、島民のようね。
    ザミオクルカス:(1人の老人がダチュラの家の外をうろついていた。)
    Mr.リーズニング:こんにちは、私たちはさっき島に上陸したばかりの旅客だ。いくつか聞きたいことがーー
    ザミオクルカス:(老人はぼんやりと徘徊し続けていた。自分の落胆の中に浸っているようで、こちらに構う様子はない。)
    Missトゥルース:こんにちは、眼鏡のお花が素敵ね。ザミオクルカスの花かしら?えっと……それじゃあ、あなたの名前はザミオクルカス?
    ザミオクルカス:(ザミオクルカスという名前を聞き、彼の瞳に光が宿った。ようやく元気が出たようだ。)
    ザミオクルカス:ああ、そうだ。ザミオクルカス、ザミオクルカス。……仕事がなくなってから、自分の名前すらきれいさっぱり忘れてしまったよ。
    Missトゥルース:ザミオクルカスさん、あの家はどうして荒れてしまったの?何かあったかしら?私たち、道に迷ってしまって、休める場所を探していたの。
    ザミオクルカス:ふん、迷っただと?私と同じ暇人が……数年前、私は儀式で大祭司の代わりに旅客たちに美しい植物標本を配っていた。あの標本の香りと言ったら……嗅いだだけで20歳も若返られるんだぞ!だが後になって、あのひげ野郎が私をのけ者にした。そのせいで私はこの家の見張りをするしか……ふん、あいつも今は夜来香に乗っ取られてやがる。今は……もうあの家に私の見張りなんか必要ない。最悪な人間と最悪な出来事ばかりだ!
    ザミオクルカス:ーーちょっと待て!道を聞きに来たようには見えないな。何か情報を探りに来たんじゃないのか?なんてことだ、大祭司に報告しなければ!
    ザミオクルカス:(そう言い、老人は私とトゥルースを置いてイライラした様子で去っていった。)

  • 5.ダチュラの住居(2)
    Mr.リーズニング:(老人が人を呼んでくることを懸念し、私たちは早く部屋へ戻って捜査を続けることにした。)
    Mr.リーズニング:島民は皆この事件を隠そうとしているな……
    待て!誰か部屋にいる!

    菖蒲の観察
    1.まるでパーティーに参加しに行く貴族のように頭に華麗な帽子をかぶっている。
    顔の右半分は帽子に隠れている。
    2.コートの材質はとても高価な革だ。
    3.両手に黒い手袋を着けている。
    4.シャツにタイトな黒い革ズボンを着ており、さっぱりとしている。
    5.右足には……トゥルース曰く、これも私が理解できないファッションらしい。
    だが私は、何らかの特殊な道具を身に着けるための物だと信じている。
    6.紫色のロングブーツ。これは確かに何らかのファッションだろう。

    Missトゥルース:旅客の菖蒲さんよ。私たちと同じ客船に乗っていたわ。確か、港の儀式で菖蒲を選んでた。
    Mr.リーズニング:菖蒲?君は何をしている?
    菖蒲:あなたたちの方こそ誰?ここで何を?私を問いただす資格があるの?
    Missトゥルース:私はトゥルース。こっちは私のパートナー、Mr.リーズニングよ。元軍人で少し口が悪いの。どうか気にしないで。
    菖蒲:(菖蒲は私たちに離れる意思がないと分かり、数枚の手紙を差し出した。)
    菖蒲:これが私の依頼書。私は事件の調査に来たの。
    Mr.リーズニング:(事件調査の依頼書?トゥルースは私と目くばせした。)
    菖蒲:(菖蒲は私とトゥルースを見つめながら、疑いの表情を浮かべた。)
    Mr.リーズニング:(どうやらここに残って事件の調査をしたければ、私たちの身分を証明できるものを示さなければならないようだ。)

    ◆間違った選択肢の場合
    菖蒲:探偵をもっと重要視してくれないかな!

    菖蒲:あなたたちも調査を依頼されたの?なら、あなたたちに手紙を書いたのはーー
    Mr.リーズニング:それは答えられない。さっき君は本棚を見ていたようだが、何か発見はあったのか?
    菖蒲:中の本は全部植物と昆虫に関係するものだった。家主であるダチュラさんは、どうやら植物や昆虫に興味を抱いているようね。
    菖蒲:(菖蒲はそう言い終えると、本棚に手を伸ばして開けようとした。)
    Mr.リーズニング:手で直接現場の物に触れるな!この新しい手袋を着けてくれ。
    菖蒲:手袋なら着けているけど。
    Mr.リーズニング:君の手袋には花粉が少し付着している。この事件は植物に関係している可能性が高い。現場の情報をその花粉に紛らわさられるのは御免だ。
    菖蒲:(菖蒲はしばらく迷うそぶりを見せ、嫌々黒い手袋を脱いだ。)
    指.png
    Missトゥルース:菖蒲さん、その手はどうしたの?指先が紫色だけど……
    菖蒲:ここへ来る道中、綺麗な花を触ったの。その時に残ったものよ。
    菖蒲:(菖蒲は答えを濁し、話題を変えた。)
    菖蒲:同じ事件の依頼調査なら、一緒に捜査しない?この本棚は私に任せて。
    Missトゥルース:私も植物には興味があるから、菖蒲さんと一緒に本棚を確認するわ。
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    Missトゥルース:見て、この本。表紙には『自然を楽しむご案内』って書かれているのに、中身は日記みたいだよ。
    日記帳.png
    菖蒲:(菖蒲はこの日記にとても興味があるようで、受け取るとペラペラとページをめくりはじめた。)うーん……そもそもそういう題材の本じゃない?自然学者が日記の体で毎日植物に対する新しい発見を記録する、みたいな。
    Mr.リーズニング:君はもしかして、手書きと印刷の区別もつかないのか……?
    菖蒲:ああ、そうか……ここは暗いから、インクの跡が見えなかったんだ……
    Mr.リーズニング:インクが紙に滲んだ痕跡はとても小さい。使われている高級紙はラロシェット地域で生産されたものーーしかし、ラロシェット町はここから遠く離れている。
    裏表紙.png
    Mr.リーズニング:外殻を取り替えた日記……内容は全てベルスタインに関係している。去年の7月から書き始めたようだ。
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    Mr.リーズニング:壁のこの絵は……見おぼえないな。
    菖蒲:この絵は『アルケスティスの死』、古代ギリシャの有名な悲喜劇よ:ある国王が許されざる罪で運命の女神に死刑を宣告された。太陽神は国王のために生きるチャンスを掴んでくれたけれど、誰かが国王の代わりに死ななければならなかった。両親も兄妹も国王の代わりに犠牲になろうとはしなかった。唯一彼の妻、アルケスティスだけが名乗り出た。冥界へ進む最後の瞬間、アルケスティスに問いかけた。本当に良いのか?と。
    菖蒲:アルケスティスは迷わず頷き、振り向きもせずに冥界へ向かった。ヘラクレスはこの話を聞いてひどく感動し、地獄へ赴いて死神と戦い、冥界からアルケスティスを助け出したらしい。
    国王は生き返った妻を抱きしめた。でもアルケスティスは二度と言葉を発さなかった。……彼女にとって、ここが運命のゲッセマネだったのかもしれないわね。
    菖蒲:(菖蒲がこの話をしている間、不自然な哀傷が顔をよぎった。)
    Mr.リーズニング:(私は思わずこの感傷が溢れる絵に手を伸ばした。指が絵の中央、色の暗い場所をかすめた時、私は油絵そのものに属さない痕跡を見つけた。)
    Mr.リーズニング:紫色の痕跡がある。油絵の顔料ではないな。
    Missトゥルース:なんだか変な匂いがするわ。嗅いだことのない匂いーーさっきの紫色の花びらの香りとも違う。
    Mr.リーズニング:(これはいったい何なんだ?)
    Mr.リーズニング:(アルケスティスの悲しい物語の中、私たちは菖蒲と別れて今日の捜査を終えた。)

  • 6.トゥルースの捜査ノート
    Mr.リーズニング:トゥルース、今日の捜査ノートを整理してくれ。
    Missトゥルース:ええ……

    7月6日、私とMr.リーズニングがベルスタインを訪れた1日目。
    依頼書にあった通り、この島は「鮮やか」な植物でいっぱいだった。
    私たちは依頼書の重要人物ーー大祭司ローズマリーに会った。
    彼女は手話しか話せない優し気な女性だった。
    大祭司の傍にいた夜来香さんは、優美な言葉で彼女の手話を訳していた。
    事件の容疑者ダチュラさんは、沈黙を貫くもう1人の重要人物だ。
    私たちは旅客の菖蒲さんに出会った。彼女も事件調査の依頼を受けていた。
    それと、ダチュラ宅を見張っていたのはザミオクルカスさん。
    事件現場で、私たちは2種類の異なる足跡、蜂の巣が入ったオルゴール、蜂の分泌物がついた紫色の花びら、
    1冊の日記帳、テーブルの手形、嘔吐物、化粧品の跡、絵に付着した紫色の香りの痕跡を見つけた。

    Mr.リーズニング:悪くない、とても細かく記入されている。それで、次はどの調査を行うべきだと思う?
    Missトゥルース:今日の調査で残った疑問点以外に、私は大祭司のローズマリーに興味があるわ。ダチュラさんは相続人であるにも関わらず、島の人たちに疎まれているようだった。ザミオクルカスさんは無遠慮に「ダチュラ」と呼んでいたのに、ローズマリーさんのことは「大祭司」と呼んでいた。それに、私たちは匿名の依頼人と会えていないーー菖蒲さんの依頼人と同一人物なのかしら?
    Mr.リーズニング:分からない。だが、菖蒲さんの行動には注意すべきだな。できる限り一緒に調査を行おう。


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地図

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キャラ情報

  • 菖蒲
    菖蒲.png
    • 菖蒲
      彼女が選んだ花の名前は菖蒲。
      その花言葉通り、太陽はベルスタインの土地を隅々まで照らすだろう。
    • 旅客
      菖蒲、ベルスタインの旅客。
    • 他人に字を見せたがらない
      菖蒲は自分の字を人に見せようとしない。
    • 菖蒲の結末(1)
      菖蒲は冷たい後ろ姿だけを残し、正式に別れの挨拶は告げなかった。
      「菖蒲」という身分が役目を果たしたことによって、彼女はどの姿で別れを告げて良いか分からなかったのかもしれない。
      トゥルースは最後まで彼女のことを信じていたが、自分が信頼した相手の素性を知ることはなかった。
    • 菖蒲の結末(2)
      菖蒲ーープリニウスによると、それは遠く離れている人間すらも引き寄せられる、
      繊細かつ独特な香りを放つらしい……
      (According to Pliny, a particularly fine scent which attaracts people even from a long way off…)
  • 夜来香
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    • 夜来香
      彼が選んだ花の名前は夜来香。
      その花言葉の通り、最後の日差しがベルスタインの土地から消えた時こそ、夜来香は開花の時期を迎える。
    • ローズマリーの傍にいる紳士
      夜来香、ローズマリーの傍に仕える優雅な紳士
    • ローズマリーの通訳者
      ローズマリーの通訳。旅客にローズマリーの手話を訳している。
    • ダチュラに会う
      夜来香は毎日ダチュラに会いに監獄へ行く。
    • 自身がある夜来香
      夜来香は事件を調査されることを恐れていないようだ。
    • 命令を下す
      夜来香はローズマリーの花を使って島で指示を出している。
    • 夜来香は後から島に来た
      夜来香は大祭司がベルスタインを管理するようになった後、ここへやってきた。
    • 夜来香の結末(1)
      彼からもらった最後の手紙によると、彼は青い海岸線に逃げたらしい。
      局印も差出人もないため、信憑性は薄い。
    • 夜来香の結末(2)
      夜来香ーー遠い国からやってきた。
      幼少時代の良い記憶を思い出させる香りがするが、それに浸りすぎると……
  • ローズマリー
    ローズマリー.png
    • ローズマリー
      彼女はこの花の王国の創始者だ。
      ローズマリーはいずれ枯れるが、ベルスタインは思い出の中で永遠に咲き続ける。
    • 大祭司
      ローズマリー、島の大祭司
    • 植物標本を配布
      大祭司は毎年旅客に植物の標本を配布する。
    • 島に来たばかり
      ローズマリーがベルスタインにやってきたのは数年前のことだ。
    • ローズマリーの結末(1)
      ベルスタインを「管理」していた間、ローズマリーは常に島の灯台を通して対岸の人間とやり取りをしていた。
      この者たちは彼女を監視していたのかもしれないし、彼女の命令を聞いていた可能性もある。詳細を知るにはより詳しい調査が必要だ。
      そしてローズマリー本人は、すでにベルスタインから逃げ出した可能性が高いだろう。
    • ローズマリーの結末(2)
      ローズマリーーー初代神々の王ウラノスが敗れ、体をエーゲ海に投げ捨てられると、
      海面に白い泡が浮かび、その泡が崖の縁でローズマリーに化したと言われている。
      それ以降、ローズマリーは「海の露」と呼ばれるようになった。
  • ダチュラ
    ダチュラ.png
    • ダチュラ
      彼女が与えられた花の名前はダチュラだ。
      闇に眠る脇役。花の妖精を呼び起こすには、
      ほんの少しの鮮血を浴びせなければならないのかもしれない……
    • 事件容疑者
      ダチュラ、依頼人が無実だと信じている容疑者。
    • 友人関係
      被害者とは友人の関係。
    • 関係
      被害者はダチュラに協力的だった。
    • ダチュラの結末(1)
      逮捕しなかった場合:ダチュラは忘れ去られた小屋に戻った。
      この相続人は、最初から存在していなかったかのようにベルスタインの島民に忘れ去られてしまった。
      ダチュラは今後一生、棺桶の中から外の鮮やかな世界を眺めることになるだろう。
      逮捕した場合:物語の最後、ダチュラはホセ警官の管轄下の監獄に連行された。
      はたして彼女が愛しきベルスタインに戻れる日は訪れるのだろうか。
    • ダチュラの結末(2)
      ダチュラーー言い伝えによると、黒いダチュラの花には妖精が住んでいるらしい。
      それは願いを叶えることができるが、代償としてあなたの熱い血を求める。
  • ザミオクルカス
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    • ザミオクルカス
      彼は瞳いっぱいにザミオクルカスの花を貼り付けた。
      見ぬもの清し。
    • ダチュラの住居の見張り
      島民ザミオクルカス、ダチュラの住居の見張りを担当している。
  • ダリヤ
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    • ダリヤ
      彼はかつて皇后の唯一のお気に入りだった。
      物語の最後に彼が現れなかったら、「裏切り」が彼の新しい名前になることはなかっただろう。
    • ダリヤ
      島民ダリヤ。
    • ローズマリーの島の見張り
      ローズマリーが住んでいる島の見張り人。
  • ノウゼンカズラ
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    • ノウゼンカズラ
      彼は花の香りの中で何ものにも囚われない自由を得ようとした。
      彼にその全てを与えてくれたのは大祭司だけだった。
    • ローズマリーの擁護者
      島民ノウゼンカズラ、ローズマリーの擁護者。
  • クマツヅラ
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    • クマツヅラ
      彼は沈黙の中、夕焼けが沈むのを待っていた。
      涙を流すベルスタインはあまりにも痛ましい。
    • クマツヅラ
      島民クマツヅラ。
    • ダチュラの擁護者
      クマツヅラはダチュラの擁護者である。
    • 依頼書と一致する言葉
      クマツヅラの言葉は依頼書の内容と一致する。
  • 黒百合
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    • 黒百合
      彼女はこの場所に属さない。
      ただ、起こってはいけないことを容認できないだけだ。
  • Mr.リーズニング
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    • エキウム
      エキウムーー西暦13世紀、とある城が外部の軍隊から襲撃を受けた。
      しかし軍隊は誤ってエキウムーー長い棘を全身に生やした植物に触れ、
      軍人たちが悲鳴を上げたため、城内の軍隊は敵軍に気付き、危険を逃れた。
      彼は出征する度にエキウムの花を胸につけていた……最後の一回以外は。
      そしてベルタインのエキウムは、これほどまでになじみ深い!
  • Missトゥルース
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    • アルメリア
      アルメリアーー彼女はいつも他人の感情に敏感だ。
      たとえ軍を離れた後、性格が大きく変わったMr.リーズニングに対してもそうだった。
  • フキ
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    • フキ
      彼は、ホセ警官は、本日ベルスタインに向かい、この怪しい島を調査することにした。

ストーリーの大まかなまとめ

  • 数年前、ベルスタインは活気のない漁村だった。
    しかしローズマリーが訪れ、特殊な技術を使い島民を支配し、多くの花を植えて植物を崇める島に作り変えた。
    ローズマリーは大司祭として本来の相続者のダチュラに代わり実質的な島の支配者となった。
    ベルスタインは青年貴族たちの人気観光地となった。
  • リーズニングとトゥルースがベルスタインに訪れる1年前、夜来香と菖蒲が旅客としてベルスタインに訪れる。
    夜来香はDMの依頼でローズマリーの植物標本の作り方を調べるため、菖蒲はベルスタインの調査のために男に変装していた。
    菖蒲は調査の途中にダチュラと友人となり、ローズマリーから圧力を受けて住居に閉じ込められている彼女の助けになるためにローズマリーに不利な情報を探していた。
    その中で標本の作り方を手に入れた彼女は、島外の警察へローズマリーが島民を洗脳している証拠として提出しようとしていた。
    一方で夜来香はローズマリーに近づくもなかなか上手く行っていなかった。
    雪地で偶然菖蒲の足跡を見つけた彼は、菖蒲を利用して揉め事を起こしローズマリーの信用を得ることを思いつく。
  • 夜来香はダチュラに近付き菖蒲への不信感を駆り立て、彼女に蜂を仕込んだオルゴールを手渡した。
    ダチュラは菖蒲が手に入れた標本技術と引き換えに夜来香と手を組み、菖蒲は蜂に刺され昏倒し、ダチュラは菖蒲を殺した犯人として牢獄に幽閉された。
    現場の人間は夜来香が設置した特殊な顔料により全員記憶が朧げになり、事件の詳細の把握が困難になった。
    菖蒲は死者として埋葬されるも実は仮死状態になっていただけで、自力で土から出た後に島外のトゥルースとリーズニングに匿名の依頼人として助けを求めた。
  • ダチュラの無実の証明を願う匿名の依頼状を受け、Mr.リーズニングと見習い探偵のMissトゥルースが旅客としてベルスタインを訪れる。
    同時に菖蒲も変装を解き、旅客としてベルスタインを訪れ、「別の調査依頼」を受けている体で2人と共同で調査を進めた。
    3人は島で集めた証拠を手にダチュラの裁判に臨み、菖蒲が自分の身分を明かしたこともあり、ダチュラの無実を証明することができた。
  • 裁判後、リーズニングとトゥルースは、本当はダチュラが夜来香と組んで事件を起こしたことを知る。
    裁判は夜来香が犯人という判決が下されたが、これは夜来香が計画した「ローズマリーの信用を得る」手段だった。
    (夜来香はダチュラとの取引を成功させて菖蒲を殺し標本技術を得る、元のプラン通りにローズマリーの危機を演出し助けることで彼女から標本技術を得る、2つのプランを想定していた)
    彼は逮捕後、面会に来た彼女に植物標本の作り方を教えてもらったことで本来の目的を達成した。
    菖蒲は裁判後、ダチュラが自分を裏切っていたことを知ったが、彼女を責めることはなく、別れを告げてベルスタインを去った。
    ダチュラは裁判に勝つも、島民たちが自由選挙制を採用したため、「元相続者」のまま暗い住居で過ごし続けることとなった。
    ローズマリーは夜来香との面会後、行方不明になった(夜来香曰く、島の対岸の彼女の助けとなる人間は全てDMの手下にすり変えた)。


コメント

  • まとめありがとうございます。結局菖蒲の目的は何だったんだろう、ダチュラは菖蒲のことを信じきれなかったけど菖蒲からダチュラへの行動は本当に全て打算的なものだった? -- 2023-11-30 (木) 07:04:50
  • キャラ情報の載ってある「Mr.リーズニング」の説明のエキウムについてなのですが、アザミだと思います。ちなみに説明に書いてる通り、詳しく言うと、「夜の闇にまぎれてスコットランドを攻撃しようと裸足で身を潜めていたヴァイキングたちが、アザミのとげを踏み、その痛さに思わず声をあげたことによって、スコットランドの人々が侵略の危険を察知した」という言い伝えがあり、「フラワー・オブ・スコットランド」と呼ばれるほどです。 -- 2023-03-13 (月) 13:21:41
    • そのあたりは真髄ページに記載しています -- 管理人? 2023-03-13 (月) 15:26:30
      • 分かりました。ありがとうございます! -- 2023-03-14 (火) 07:53:45
      • すみません、真髄ページのどこら辺に載ってますか?(すみません…) -- 2023-03-14 (火) 07:56:48
      • テーマのところです -- 管理人? 2023-03-14 (火) 19:58:06