【ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】

Last-modified: 2020-10-03 (土) 21:44:44

・DQ本編シリーズ

DQ1DQ2DQ3DQ4DQ5DQ6DQ7DQ8DQ9DQ10DQ11

DQ1・2DQ1・2・3BSDQ1

DQ7関連一覧
キャラクター - 地名 - 職業 - 呪文 - 特技 - 装備品(武器/よろい/たて/かぶと/装飾品) - 道具 - モンスター - すれちがい石版 - 音楽 - 台詞 - 裏技

作品データ

『ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち』
オリジナル版
発売日2000/8/26
対応環境PlayStation
媒体CD-ROM(2枚組)
型番SLPM 86500~1
価格(税5%込)8,190円
移植・リメイク
対応環境発売日
ニンテンドー3DS2013/2/7
iOS,Android2015/9/17
廉価版
対応環境発売日
PS one Books
PlayStation2005/2/3
アルティメットヒッツ
PlayStation2006/7/20
ニンテンドー3DS2015/4/16
海外版
対応環境発売日
PlayStation北米 2001/10/31
ニンテンドー3DS欧米 2016/9/16
豪州 2016/9/17

海外版タイトル
<PS版>
(英語)DRAGON WARRIOR VII
<3DS版>
(英語)DRAGON QUEST VII Fragments of the Forgotten Past

概要

【ドラゴンクエストシリーズ】第7作。
発売日は2000年(平成12年)8月26日。対応機種はPlayStation。開発は【ハートビート】【アルテピアッツァ】。20世紀最後のDQ本編新作となった。
CD-ROM2枚組で提供され、ストーリーが進むとDISCを入れ替えるという当時主流の方式を採用した。
MSXシリーズを除けば、ナンバリングタイトルで初めて任天堂以外のハードで発売された作品。また本作以降、現状ではDQ10とリメイク・移植を除いたナンバリングタイトルは一機種につき一作になっている。
 
3次元コンピュータグラフィックス、所謂3Dの描画機能を搭載したPSにプラットフォームを移したことにより、回転可能なマップなど、シリーズで初めて3D要素を取り入れた。
また、2つの世界を行き来した前作に対し、今作ではマップを集めて世界を広げるという発想から「石版システム」を採用。最初は島一つから始まり、石版を集めることで新たな土地が徐々に増えていくというシナリオが採用された。
このほかパソコンのオンラインゲームのように他人と一緒に旅をしている感じを擬似的に出す試みとして、連れている仲間と会話ができる新システムを導入。
モンスター職やモンスターパーク・移民の町などのやり込み要素も多く登場し、移民の町ではユーザ間の交換要素をナンバリング作で初めて導入した。
CD-ROMとなったことで容量を気にせずにシナリオを作成できるようになり、その結果ストーリーの長さはそれまでの歴代最長となり、平均的なプレイ時間は100時間超となった。
 
"DRAGON WARRIOR VII" としてオリジナル版ではDQ4以来の海外展開も行われた。
後にニンテンドー3DSとスマホ向けにリメイク版が発売されている。

開発

任天堂のスーパーファミコンで前作が発売された1995年時点で、既に各社から次世代32ビット機が出揃い覇権争いの真っ只中であったが、【堀井雄二】が任天堂後継機であるNINTENDO64向けDQの開発意思を示していた(後述)こともあって、DQ次回作の対応ハードは当初、N64が有力視されていた。
しかし1996年、DQと並ぶ有名RPGのファイナルファンタジーシリーズを発売していたスクウェアが次回作(FF7)をソニーのPS向けに開発していることを発表。この発表以降、据置ゲーム機の主力はPSへと移っていき、本体発売の出遅れや開発の難しさがネックとなったN64は劣勢となった。
当初【エニックス】はこの動きを静観し「PSが500万台売れればソフト供給を検討する」としていた(『週刊ファミ通』1996年3月15日号)が、年が明けた1997年初頭にPS参入を発表。そして間もない1月14日、DQ7の対応ハードをPSとすることを発表した。
理由についてはエニックス広報曰く「当社では以前からそのときいちばん売れているハードでDQを出すという方針で開発しており、今回もそれに基づいて決めた」としている。
 
DQ7の開発にあたっては、「映画は目指さず、インタラクティブ性を重視」「やっていて楽しいゲームにする」という制作方針が挙がった。
シナリオは、最初は島1つで城・町もそれぞれ1つで「狭く、深い」物語を考え、追加されるマップは10枚ほどに収めるつもりであったが、最終的にマップは18枚、シナリオ量は前作の約3倍の16,000ページ(うち仲間会話が3,000ページ)に及び、平均プレイ時間は100時間以上、戦闘と寄り道要素を除いても60時間はかかるという長さにのぼった。
本作ではシナリオスタッフを大量に増員し、個々の町の話を任せるようになったものの、シナリオを一言一句読んで、修正を延々やったので、結局のところ堀井が大変な仕事量であることに変わりはなかったそうだ。
この長さには発売当時から批判の声も多く、2016年になって堀井自身も本作を振り返って「長すぎた」と語っている。
なおシナリオやデータの製作をすべて紙上に手書きで行ったのは、本作が最後となった。
また、この当時の他のRPGの多くはストーリー重視で、プレイヤーは見るだけで話が進んでいくというタイプが多くなっていたが、それに反して本作は自分で謎を解く手応えを感じてほしいとのことで、最初の遺跡に代表されるような謎解きが多く用意された。
 
グラフィックはポリゴンを前面に出した作り方ではなく「ゲームを面白くするためにその技法を使う」として、リアルさは追求せず、DQならではの手触りや温かみを進化させる方向で制作。
【鳥山明】のキャラをポリゴンで3D表現することについてはスクウェアの格ゲー『TOBAL』シリーズで既に実現されていたが、1つのマップに多くの人物を置かなくてはならないDQでは、PSの性能上の都合でキャラは3D描写しないことになった。
戦闘のグラフィックも、PSの性能ではポリゴンがカクカクになってしまい鳥山明の絵が活きないという理由で、開発初期からモンスターは3D描写しない方針であった。
戦闘画面に主人公たちを表示させることについては検討されたものの、モンスターの表示が小さくなってしまうことから今作では見送られた。
 
長いシナリオを考慮し、ストレスを感じさせないようにCD-ROMの読込みは高速化が図られ、ROMカセットにも劣らない画面切り替え時間の短さを実現した。これについては【山名学】名義で特許申請も行われた。
その反面、一度に読み込むデータ量を少なくするため、グラフィックパーツは16色のみで描画している。CD-ROMとなったことで容量はDQ1の1万倍となったものの、一度に2MBしか読み込めないというメモリの制限はなお障壁として残っており、これに悩まされることになった。
 
なお、石版システムは当初、メモリーカードを使ってプレイヤー同士で交換する構想があったが、それではストーリーが破綻するという理由で、形を変えてゲーム内で進行する形になった。
その代わりとして、移民の町のキャラをメモリーカードで交換するシステムが導入されている。
 
本作は、構想に時間をかけたことによるスケジュールの遅延や作業量の膨大化などにより、DQ9と並んで発売延期回数の多い作品となった(後述の沿革を参照)。この延期はスクウェアの『ファイナルファンタジーⅨ』の発売日決定にも影響を及ぼしている。
また、雑誌に掲載する事前情報は、本来はネタバレ防止のために必ず堀井がチェックしていたが、今回は1999年末の追い込みの際、多忙な堀井は開発側に専念して広報を完全にエニックスに任せるという体制を取った。
しかしその矢先に詳細な情報を載せすぎてしまったこと(『週刊少年ジャンプ』2000年1号などにそれが掲載)、また開発チームが報連相を十分せず独断でシステムを作り上げてしまったことなどで堀井は憤り、個人サイトに一時的にではあるが抗議のコメントを掲載するに至った。
なおこの件は発売延期には関係ないと堀井自身が語っている。
最終的に発売されたのは前作から約4年8カ月後。既に次世代機のPlayStation2も発売された後となってしまった。
 
本作の【テレビCM】には男性アイドルグループの【SMAP】を起用。これは、メンバーがDQシリーズのファンであることがきっかけで、2000年6月には本作のCMがCM好感度第1位を獲得している。
以降SMAP出演のCMはユニット解散前のDQ10まで4作・12年にわたって続いた。
 
(参考:『週刊ファミ通』1997年4月4日号、1998年3月6日号、2000年6月2日号・6月9日号・8月18.25日合併号・9月8日号、【月刊Vジャンプ】1997年6月号、2000年3月号、『週刊ジョージア』2016年4月26日記事、【ニコニコ生放送】2016年5月26日)

沿革

前作から本作発売までの経緯を以下にまとめる。

月日出来事
199512月堀井雄二が64DDでの書込み可能なDQ作品を、1年半をメドに作成することを示唆
12/9DQ6発売
19961/31(スクウェアがPSで開発中のFF7発表)
12/6SFC版DQ3発売(SFCでのDQ最終作)
19971/9エニックスがPS参入発表
1/14DQ7をPSで開発すると発表。「1998年4月以降に発売」とする
3/13スタッフ制作発表記者会見。「1998年夏から遅くとも年末に発売」とする
19985/29発売時期を「1999年夏」に延期
7/21画面写真と主要キャラクターを初公開
19991月「早く出ますように」と願う【テレビCM】がSCE(現SIE)によって流される
8/18エニックス東証一部上場社長会見で「今冬発売予定」と発表
8月サブタイトル発表
10/8「1999年12月29日発売」と決定
11/17決めていた発売日を撤回、「今冬発売予定」に戻る
12/8堀井雄二が広報などに対する抗議コメントをHP上に掲載
12/18【ジャンプフェスタ2000】のエニックスブースに試遊バージョンを出展
20001/28「2000年春発売」に延期
3月発売日を「未定」と白紙化
5月「2000年8月26日発売」と最終決定
5/27SMAP出演のテレビCM放映開始
8/26発売

作品の特徴(オリジナル版)

本作ではそれまでのDQシリーズで最長のストーリーも相まって、さらに仲間会話システムが導入されたことによりメッセージテキストの量が膨大となった。
パーティ組み換えが終盤以外ではできなくなった反面、イベントシーンでも仲間キャラが喋る場面は前作までより大幅に増えている。
モンスターの総数も300種を超え、一部は1998年に発売されたDQMから逆輸入されたものもある。
コマンドUI面ではSFC版DQ3での改良点の多くを引き継いでいる。
 
育成関連は基本的に前作のシステムをほぼそのまま継承し、それに新要素をプラスアルファした形に留まったが、職歴と新職業の追加、モンスター職の大量追加によって育成面での自由度は増した。
一方で仲間モンスターと馬車(スタンバイシステム)の廃止によってストーリー途中のパーティの自由度が無くなり、強制入れ替えもあることから、転職には前作よりも慎重さや計画性が求められるようになった。
 
本作のインタフェースやグラフィックは後のPS版DQ4に受け継がれ、またDS天空シリーズにはそれをマイナーチェンジさせたものが共通仕様として取り入れられた。これらの作品のドット絵は多くが本作からの流用となっている。

演出面

移動時は従来通りのトップビューではあるが、地形がポリゴンで3D描写された。
これによりマップには縦横だけでなく「高度」の概念も生まれ、平面だけでなく斜面も移動できるようになった。【聖風の谷】【始祖たちの村】のような3Dを活かした構造の場所も登場した。
建物やオブジェはテクスチャマッピングによって、この頃のポリゴン特有のカクカクをあまり感じさせないような工夫がされている。
一方、キャラクターは従来のような2Dのドット絵で描画し(実際には透明の平らなポリゴンにドット絵をテクスチャとして描いている)、それらを3Dのマップと組み合わせて表示している。ドット絵の1キャラ1方向あたりのパターンは前作までの2パターンから3パターン(中立・左足前・右足前)に増え、向きは【プレイヤーキャラクター】の場合は斜めを加えた8方向に増加、【NPC】は前後左右の4方向のみ。
また、プロローグとストーリー中の6カ所にプリレンダリングムービーが採り入れられた。
 
戦闘画面は前作から見た目大きな変化はなく、この時代のRPGでは既に少数派になっていた "一人称視点で文字メッセージ主体の戦闘システム" を維持。従来同様、味方の姿は表示されず、敵モンスターが横一列に表示される。
背景と一部の呪文・特技エフェクトは3D描写となり、呪文・特技やモンスターのアクションによってはカメラアングルが変わる演出もある。一方モンスターは2Dドット絵の表示であり、カメラアングルが変わっても正面を向いたままである。
戦闘メッセージウィンドウは2行分に縮小され、メッセージは「行動」と「結果」の2段階に分けて表示。各種アニメーションは「行動」メッセージと同時に始まり、「結果」では与えたダメージと「◯◯を たおした!」が同時に表示されるようになるなど、テンポが改善された。
 
解像度が細かくなった影響でフォントも従来のものから一新され、小型フォントにも漢字が使用できるようになった。これに伴い、モンスター・アイテム・特技の名称も一部が漢字表記となった。
また戦闘中・移動中のすべてのウィンドウが半透明化された。
今作独自の仕様として、複数ページに跨るリストウィンドウでは、最下部に青いスクロールバーが表示される。
 
BGMはCD-ROMでの音楽再生機能を使わず、全て内蔵音源によるものとなっている。

主なシステム

パーティ

登場するプレイヤーキャラクターは6人であるが、【パーティ】は最大4人。今回は【馬車】によるスタンバイシステムや【ルイーダの酒場】は無くなり、ストーリー進行に応じてメンバーが加入・離脱を繰り返しながら3~4人のパーティで話が進められていく。
最終盤になると4人の仲間の中から3人を連れていく形になり、【フィッシュベル】にて1人を待機メンバーと交代させることが可能。
 
上記とは別に、ストーリー進行により一時的に同行するNPCが多く登場する。
彼らも会話システム(後述)の対象であり、戦闘に参加するキャラもいるが、ステータスは表示されず、並べ替えも対象外となっている。

職業・転職

前作の【転職】システムが継承された。
基本的なルールは前作と同じ。序盤は職業なしでレベルアップによってキャラ各々の呪文や特技を覚え、中盤からは自由に転職ができ、【熟練度】を上げて呪文・特技を覚えていく。
今作は基本職10種・上級職10種のほか、【仲間モンスター】に代わる位置づけとして全34種の【モンスター職】が登場。
モンスター職は同名モンスターのドロップなどから入手できる【モンスターの心】を所持することで転職でき、人間職と同じように複数のモンスター職を極めることで中級職・上級職にもなれる。モンスター職を極めると、フィールドマップ上での外見がそのモンスターの姿に変わる。
 
また各キャラの能力を画一化させないようにする狙いで「職歴」システムも導入され、つよさウィンドウに職歴が記録されるようになった。
2つの人間職を連続して一定の経験を積むことで、直前の職業と現在の職業の両方の経験を活かした呪文や特技(【職歴技】)を習得できる。

移動中の新アクション

マップがトップビュー方式の3Dとなった本作は、デフォルトでは従来どおり北が上側となっているが、L・Rボタンで視点を回転させることができる。町や塔などでは360°回転できるが、洞窟など一部の地形では30°程度にとどまる。回転させながらの移動も可。
また、町などでは□ボタンを押すと上空の視点からマップ広域が映り、その状態での移動はできないが回転は可能。
今作では建物の裏側や側面に扉があったり、壁の死角に階段や宝箱があったりする事も多いため、あらゆる場所で視点回転を試してみることが必要となる。
主人公たちPCは上下左右に加え、新たに斜めを含めた8方向に動かせるようになった。3Dマップ化により前作までのようなマス単位移動の概念は廃止された。
 
また、【便利ボタン】【壷】【樽】【花】などの物を調べると【持ち上げ】をし、もう一度ボタン押下で投げるようになった。壷や樽は投げると壊れ、中にアイテムがあればそれと同時に入手できる。この動作を使わないと進めない場所もある。

仲間会話システム

今作では移動中に仲間キャラと話す【会話システム】が導入された。前作までは仲間の台詞は主にイベント時のみであったが、今作からはこのシステムにより日常的に聞くことができるようになった。
 
目の前に人物がいないときに【はなす】コマンドを使うことで仲間の誰かがランダムで会話を始める。
台詞は町などに着いたときの印象や、人との会話・イベントに対する意見・感想などといったものが多いが、時には攻略のヒントが聞けたり、キャラの意外な面がわかったりすることもある。
また本作では戦闘中のメインコマンドにも「はなす」があり、ターンを開始する前に仲間と話すことができる。

各種お楽しみ要素

今作ではさまざまな寄り道・やり込み要素が登場した。
 
●移民の町
移民を集めることで発展していく移民の町が登場。
各地の特定の地点にランダムで出現する移民キャラに町の存在を教えることで、そのキャラが町に移住して住民の数が増え、人口に応じて町が発展していく。
町は最大第8段階まで発展するほか、特定のキャラを多く集めると出来る特殊形態もあり、そこでしか買えないレアアイテムが店に並んだりする。
取り外し可能なPSのメモリーカードを活かした、他人の冒険の書との移民の交換もできる。
 
●モンスターずかん
戦ったモンスターを記録する機能が【モンスターずかん】として初登場。ザコだけでなく、一部の【ボス級モンスター】も記録される。
モンスターのアクションや報酬データ・【ドロップアイテム】・討伐回数などが見られる。
 
●モンスターパーク
【まものならし】を使うなどによって戦闘後に起き上がったモンスターを、【モンスターパーク】に送ることができる。
パークではモンスターごとに生息する区域が定められており、【まものせいそく図】を手に入れることで区域を増やすことができる。
全280種をコンプリートすると報酬があるほか、指定したモンスターばかりを小屋に集めることもできる。
 
●世界ランキング協会
前作の【ベストドレッサーコンテスト】のアレンジ版として、【世界ランキング協会】が登場。
パーティキャラの【ちから】【かしこさ】【かっこよさ】のいずれかを選んで登録し、1位を取れば部門と性別に応じた景品を貰える。
このランキングに関連したサブイベントもある。

その他の変更点

全般

  • 【プレイ時間】が計測・表示されるようになった。冒険の書にはセーブ時点の時間が表示され、ゲーム中では【つよさ】コマンドで「ぜんいん」にカーソルを合わせると見られる。
  • 【表示速度】の変更が開始メニューから削除され、ゲーム内の戦闘中(メインコマンドで左右のキーを押し「はい」を選択)のみ可能となった。

キャラ・育成関連

  • 全ステータスの最大値が999に統一された。
  • 装備品による【呪い】が復活。DQ4以前同様、装備すると自力では外せず、【教会】で呪いを解くと消滅する仕様に戻った。

アイテム関連

  • 【ふくろ】に入る個数が1アイテムにつき50個に減少。またSFC版DQ3と同じく、ふくろの中から直接アイテムを使えるようになった。
  • 各アイテムにカーソルを合わせると、アイテムの分類と、アイテムごとの簡単な解説文が表示されるようになった。

移動中

  • 何もない場所で【便利ボタン】を押しても、何もメッセージが出なくなった。
  • アイテムやゴールドが見つかったとき、SEとともにアイコンが飛び出すようになった。SFC版DQ3と違い、発見した瞬間にアイコンが飛び出す。
  • 【本棚】で読むことのできる本が増加。内容はストーリーを補完する文章や、本筋とは関係の無い連載モノなど様々。【トラップモンスター】が出る本棚もある。
  • 【宝箱】はカギを使って開けるタイプが登場。【とうぞくのカギ】【まほうのカギ】は宝箱専用のカギとなった。
  • 【ルーラ】は完全な屋外でないと使えなくなり、町などでも建物の中では頭をぶつけるようになった。
  • イベントでキャラクターが会話する際には誰の台詞かわかりやすくするため、該当するキャラが手足を動かしたりジャンプをしたりする演出がある。
  • CD-ROM化の関係により【記憶システム】が削除。
  • 【時間経過システム】は前作と同じく非採用。

施設・寄り道関連

戦闘

  • 【作戦】は主人公以外の各キャラごとに個別に指定する方式になった。これに伴い【みんながんばれ】【バッチリがんばれ】に変更。他の作戦は前作と同じ。
    なお戦闘中の作戦名表示はスペースの関係で削除されている。
  • メインコマンドに「いれかえ」に代わって「はなす」が追加。個別コマンドは前作と同じだが、本作独特の仕様として呪文・特技のリストが「ダメージ/かいふく/そのた」の3カテゴリに分かれて表示される。
  • 補助呪文や【麻痺】は数ターンで効果が消える仕様に変更された。これに伴い全員麻痺でも全滅とはならなくなった。

設定

舞台

本作の世界は従来の【ロトシリーズ】【天空シリーズ】とは別の世界となっており、時間的・空間的な関連は作中で一切語られない。
 
最初、世界(現代)は中央に【エスタード島】があるのみでそれ以外は全て海となっているが、マップを集めるというコンセプトである本作は【ふしぎな石版】【なぞの神殿】に集めて地方の地図を完成させることでその地方の過去へ行くことができ、ボスを倒すなどして封印を解けば、現代にその地方の陸地が復活する。
この2つの時代を何度も往復することで、前作同様の2重構造の世界で物語が展開されていく。
世界はエスタード島を除くと18の地方に分かれており、過去と現代では基本的に地形が同じだが、どちらか一方にしかない施設があったりする。
過去に存在した町などは、現代でもほとんど変化がない所もあれば、大幅な発展・変化を遂げ、もしくは逆に衰退し滅びる場所もある。復活した土地では、過去における主人公たちの活躍が語り継がれているケースが多いが、中には【レブレサック】のように事実と異なる話が信じられている場所も。
 
現代は当初は魔物のいない平和な世界である。海上や一部のダンジョンで戦闘が起きるものの、過去に比べるとイベントは少なめ。
しかし終盤になり魔王による支配が始まると地上でもエンカウントが発生するようになり、以前訪れた地域で新たなイベントが起こるようになる。
 
上述のような世界設定の関係上、【船】が最序盤から手に入るのも本作の特徴だが、終盤には物語上重要な位置づけでもある海賊船【マール・デ・ドラゴーン】が登場する。
それ以外の乗り物は、DQ5以来引き継がれている低空飛行の【魔法のじゅうたん】と、通常飛行手段の【飛空石】があり、これらは現代のみで使用できる。
また、なぞの神殿には石版の台座とは別に、【四精霊】によって護られた各地へ通じる【旅の扉】があり、終盤での重要な移動手段となる。

キャラクター

初期は主人公・キーファ・マリベルの3人パーティで冒険するが、シナリオが進むと徐々にメンバーが入れ替わっていく。
最終的にはキーファを除いた5人の中から主人公+仲間3人を連れて行ける。

 
上記のほか、今作ではエスタード島で暮らす主人公の家族【ボルカノ】【マーレ】【ホンダラ】とグランエスタード王家の【バーンズ】【リーサ】にも、鳥山明による公式イラストが設定された。
事前情報ではまず1998年に主人公・マリベル・キーファの3人が公開され、それに続いて発表されたのは上記のエスタード島住民である。残るパーティメンバーであるガボ・メルビン・アイラの公開は翌1999年の後半であった。

ストーリー

プロローグ

魔物のいない平和な小さな島、エスタード島。世界にはこの島ただひとつ。人々はこの平和が永遠に続くものと信じていた。
ある日、島の片隅にある寂れた遺跡では、二人の少年たちの話し声が。彼らは漁師の息子主人公と城の王子キーファ。
彼らの好奇心が、後に世界を大きく変えることになろうとは知る由もなかった。

シナリオ

章の概念はオリジナル版では無いが、リメイク版のあらすじ機能では4つの章に分かれているため、それもここで併記する。
 
●DISC1(第1章・第2章)
主人公たちはエスタード島で遺跡の謎を解いて石版のかけらを発見し、なぞの神殿に石版をはめると、見知らぬ土地へ飛ばされる。そこで初めて見た魔物たちとの戦いを終えて戻ってくると、自分たちの実行したことの意味が明らかになる。
その後、石版を集めて過去と現代を行き来しながら大陸を増やしていくが、その過程では様々な出会いや別れがあり、並行して、陸地を封印した張本人である魔王【オルゴ・デミーラ】、およびそれと戦った【神】の存在が徐々に明らかになっていく。
最後の石版の地、【コスタール】で主人公は自分の生い立ちに関連した事実を知り、そして現代にも現れつつあった魔物の脅威を鎮めるため、オルゴ・デミーラと戦う。
●DISC2(第3章・第4章)
全大陸を復活させた主人公たちは、ユバールの儀式により神を復活させたかに見えたが、後日、いくつかの陸地が何者かによって再び封印される。
主人公たちはなぞの神殿の旅の扉を使って火土風水の【四精霊】に会い、彼らの力を借りて陸地を元に戻す。
そしてニセの神の正体が実は生き延びていた魔王であることが判明し、主人公たちは魔王オルゴ・デミーラに最後の戦いを挑む。
 
「平和な世界」という従来とは違った雰囲気でのスタートとされたことが今回のシナリオの特徴であり、主人公の何気無い"日常"から冒険が始まっていき、そして最後もまた"日常"で終わる物語となっている。
最序盤はフィールドマップに出ても戦闘は発生しない代わりに遺跡をめぐる謎解きの連続となり、最初の戦闘は最初の石版を揃えて過去に飛ばされた後となる。
今作は石版や旅の扉で一地方ずつ訪れていく関係上、オムニバス的なストーリーが展開され、その一つ一つが「町→ダンジョン→ボス→町」などという、お使い形式のシナリオとなっている。
前作では町の人の心情を追うショートストーリーが多く取り入れられるようになったが、今作ではその流れがさらに加速。心理的な争いや醜い部分を見せつけられるような話や、後味が悪い・暗くて重い・鬱展開等と言っても差し支えないストーリーも多い。
各ストーリーの詳細はこちらのリストから各町などの頁を参考にしてほしい。
 
各台座ごとの石版を入手する順番については序盤の一部を除いて自由であるものの、石版を揃えないと新たな場所へ行けない構造のため、全体的なシナリオ進行の自由度は低めである。
ストーリー中で手に入れなくても良い石版というものは基本的には無く、過去現代含めてほぼ全ての町やダンジョンが訪問必須となっており、攻略の順番もほぼ一本道である。
ただし、過去ハーメリア地方の攻略後しばらくは石版が大量に手に入り、その後に行く3地方は攻略順序が一定ではなく、メルビンをどのタイミングで仲間にするかもある程度自由に決められる。
旅の扉が複数使えるようになる終盤の海賊イベント後も、2つの大陸をどちらから攻略するかを選択可能。
一方、地域によってはボスを倒すまで過去世界に閉じこめられて現代に戻れなかったり、現代でもルーラが封じられて自由に動き回れなくなるなど、行動範囲が縛られる場面も多い。
 
また各場所のイベントは、主人公が自動で動くシーンを極力なくす方向性で作られた結果、プレイヤー操作で複数の人物に話しかけていくつものフラグ立てをしないと先に進めない場面が多く、悪く言うなら非常に手間がかかることになっている。
これらのおかげで、本作の一般的なプレイ時間は従来の作品より大幅に長くなっている。

人気と評価

出荷本数は約412万本を記録し、PSソフト国内第1位を記録。DQ3の持っていたシリーズ最高記録も更新した。
また、本作が発売された頃には前作から約4年の間にインターネットの普及が大幅に進んでおり、一般向けホームページサービスを利用した私設の攻略サイトが次々と立ち上げられた。
 
本作の評価については、石版システムの煩わしさや、クリア時間の長さ、【キーファ】の永久離脱、頻発する【フリーズ】【恐怖のムービー】等の点が不満点として挙げられることが多い。
DQ3以来のシリーズファンである【レベルファイブ】社長の【日野晃博】も本作の石版システムには不満を抱いていたが、そのことをエニックスに出向いて訴えたところ堀井雄二に会うことを許され、このことが次作の開発にレベルファイブが携わるキッカケの一つとなった(『ファミ通.com』2018年12月8日付記事)。
 
一方、長い間楽しむことができる、非常に考えさせられるストーリー、豊富なやりこみ要素、やりごたえのある高い難易度や【マリベル】との会話、等により支持する者も少なくない。
特にストーリーはかなり鬱だが深さは頭抜けており、また前述の鬱展開の中でも最終的には救われる話もいくつかあり、仲間との会話も含めて深い感動を与えられることもある。
その為名作との呼び声もまた高い。
よって、「ムービー見せとけ、綺麗な画面見せとけ。それさえやっとけばクソでも売れる」という傾向が強まっていた時代背景で、昔ながらの「ドラクエらしさ」や「ゲームらしさ」を残す内容から、それまでDQに興味を示さなかった人やDQを避けてきた人に「DQ7をきっかけにシリーズのファンになった」という声を出させた事も事実である。
 
同様の理由で、本作は国による「文化庁メディア芸術祭」において大賞をもらっている。受賞理由は以下。

リアルな表現をあえて抑えた演出は、ゲームの面白さが決して見かけの写実性によるものではないことを改めて印象づけた。しっかりしたシナリオに基づく物語の完成度はさらに磨きがかかり、まさにロールプレイングゲームとは何であるかを再確認させた作品となった。
(文化庁メディア芸術祭HPより引用)

また、『週刊ファミ通』のクロスレビューでは次のように評価されていた(一部を抜粋)。点数は9+10+10+9=38/40点満点。

3Dになって違和感大。しょぼいCGムービーにも興味わかず。ヤバイよ、これ。……以上が数時間遊んだ感想。しかし遊べば遊ぶほどマイナスの思いは消えていく。暖かみのある世界観、ホッとするシナリオ、戦闘バランスのよさ。恥ずかしいくらい王道、でも『ドラクエ』だからアリかと。

(前略)この世界にいて、人と話すだけで素敵な気持ちにしてくれるRPGはこれだけ。唯一気になったのは、グラフィックが古くさいこと。でも、これも『ドラクエ』らしさかな。

(前略)新機軸を呈しつつも、結果『ドラクエ』としか表現できない作りに。LRボタンを駆使するモノ探しは方向音痴の僕には正直辛い。パースも混乱の一因か。ドット絵の魅力、弱いかも。

 
このように、本作は他作品に比べてもプレイヤーを選ぶ作品といえ、Amazon.co.jpのレビューが★1から★5まで均等に並ぶほど賛否両論である。
 
『週刊ファミ通』でのランキング結果は以下(ランクイン圏内に入った企画のみ記載)。

  • 900号記念(2006年)「読者が選ぶ心のベストゲーム100」9位(シリーズ中3位/8作)
  • 1000号記念(2008年)「未来に伝えたいゲーム」76位(シリーズ中最下位)
  • 2014年12月18日号「印象に残ったPSタイトルTOP50」(PS4までとPSP・Vitaが対象)8位

海外版・リメイク

北米版 (PS)

2001年10月31日に北米地域で翻訳版が発売された。この時点ではDQ5とDQ6が北米でまだ発売されていない状態であったものの、本作のナンバーの変更は行われていない。
北米でのDW7の発売はGBC版DW3やモンスターズ2よりも後であり、結果として本作が "DRAGON WARRIOR" としての最後の作品となった。
 
ストーリーやシステムに変更は無いが、同時期に発売されたGB版ロトシリーズと同じく、アイテム名などが絵文字を用いた短縮形になっているという特徴がある。詳細はこちらを参照。

ニンテンドー3DS版

PS版から約12年半後の2013年2月7日に発売。ナンバリングタイトル初の3DSソフトで、パッケージ版・ダウンロード版の双方で販売されている。
開発は【アルテピアッツァ】で、開発期間は約2年半。
2013年内に約122万本が出荷された。
テキスト量の多さから当初は海外展開の予定は無かったが、強い要望を受けて3年遅れて2016年9月に欧米などで発売された。
 
「全員終われるDQ7」を目標として、石版探しを簡単にするなど難易度を低下させる工夫がなされたり、その他システムも一部仕様変更されている。
長大なストーリーについては一部を削る案が堀井雄二から出されたりもしたが、結局はユーザーに納得してもらうために全編をリメイクすることになった(【月刊Vジャンプ】2013年3月号)。
通信機能を使用した追加要素も登場。【すれちがい通信】のほか、本編リメイク作品としては初の【DLC】(無料)を採用。これに伴いアイテムやモンスターも多数追加され、特にモンスターに関しては総計400種を超えた。
アップロードした冒険の書と連動するメンバーズサイトの設置もされ、【メンバーズクエスト】も行われた。
一方、2011年に発生した東日本大震災を受けた後の国民への配慮と思われる変更点もあり、特技「つなみ」の削除や、ハーメリア地方で大陸が水没する演出の変更が行われている。
 
なお本作は、ダウンロード版でもセーブデータのバックアップに対応していない。
また、呪文やイベント等で派手なエフェクトが生じると時々処理落ちすることがある。
 
HOME画面でのアイコンはパッケージイラストの主人公。カーソルを合わせると【間奏曲】のイントロが鳴る。上画面にはロゴとスライムが表示され、スライムが動き回って「Ⅶ」の文字を回転させている。

演出面

グラフィックはキャラ・モンスターも含めてフル3Dに変更。キャラクターはDQ9のように顔部分が大きめに描かれデフォルメされている。イベントシーンではキャラたちがアップで映るようになり、口パクも行う。
下画面がメインだったDS天空シリーズとは逆に、今作では移動中・戦闘中とも立体視のある上画面をメインとし(ゲーム全編が立体視対応)、下画面に地図やステータス表示など補助的な役割が当てられている。
DS天空シリーズではタッチペン対応を想定していたかのような独特なUIデザインだったが、今回はDQの標準的なウィンドウデザインに回帰。それに加えてカーソルが指し示すキャラやアイテムのイメージアイコンを表示する枠が追加された。なお本作もタッチ操作には対応していない。
メッセージフォントは「TBUD丸ゴシックB」を使用し、漢字にはDQ9と同様にルビが振られるようになった。カーソル形状は本作独特の錨マーク。
 
戦闘も上画面で展開され、下画面にはステータスと作戦・指示内容が表示される。メッセージは上画面下部の帯状部分にセンタリング表示される。
上画面では手前側に主人公たちの姿が映り、敵味方とも行動時・待機中やダメージを受けた際の各種モーションを行う。モンスターのサイズも敵によって異なる。
ダメージや回復・能力値変化の数値がキャラクター上に表示されるようになり(DQ8のような色の区別は無い)、複数対象の場合はダメージ・回復・補助系を問わず全員一度にエフェクトと数値が表示され、メッセージ欄では最大値と最小値が表示される。
カメラ視点はほぼ固定でDQ8やDQ9のような視点変更は少なく、全体的に戦闘の高速化が図られている。
 
BGMはオーケストラ音源を全面的に採用。演奏は【東京都交響楽団】(『交響組曲ドラゴンクエストⅦ』収録)。
ただし海外版にはオーケストラではなくシンセサイザー音源(スマホ版と同じもの)が使われているバージョンと、日本版と同じくオーケストラ音源を採用したバージョンとが存在する模様。

主要な追加・変更要素

●転職システムの仕様変更
人間の上級職で覚えた呪文・特技は、その職業に就いている間しか使えないようになった。これにより、状況に応じて一度マスターした職業にも再度就く戦略性が求められるようになった。
また職歴システムが削除され、職歴で覚えていた呪文・特技の習得条件は各職業に分散された。
人間職の職業レベルアップに必要な戦闘回数も変更された。
 
●キャラクターの外見変化
人間職の場合、職業によって見た目が変わるようになった(【ゆめのキャミソール】での着せ替えは職業姿よりも優先される)。また人間の姿の時は、戦闘中は装備品のうち武器と盾がグラフィックに反映される。
モンスター職は、極めなくても姿が変わるようになり、フィールドマップ上だけでなく戦闘中もそのモンスターの姿になる。町などではデフォルトの人間の姿となる。
 
●ふしぎな石版に関する変更
【ふしぎな石版】の探索や設置が容易になるような工夫がされた。
近くの石版に反応する「石版レーダー」やヒント機能の強化のほか、石版を設置する際には新キャラ【石版案内人】に話しかけてカーソルでの選択によって台座(石柱)を選べるようになり、いちいち移動したり台座の繋がりを調べたりする手間がカットされた。
また一部の石版の入手方法が変更。これに関連して現代【レブレサック】のイベント体験が必須となった。
 
●すれちがい石版
特定のモンスターが詰め込まれたダンジョンでアイテムを発見できたりする【すれちがい石版】が登場。【移民の町】【モンスターパーク】は、ともにこのすれちがい石版に関わるように仕様が変更された。
移民からもらったり、パークに集めたモンスターを使って自作したりできるほか、すれちがい通信やインターネット接続による交換も可能。
DLCとして配信されている「トクベツな石版」もあり、そこでしか出会えない【トクベツなモンスター】が多数追加された。
すれちがい石版でしか手に入らない新アイテムも多数追加。一部装備品には【装備レベル】が設定された。

シナリオの変更点

●最序盤部分の簡略化
ゲーム開始から最初の石版が揃うまでが大きく簡略化された。

  • 【プロローグ】の舞台が【謎の遺跡】から【海辺のほこら】(村内にあった洞窟が移転したもの)に変更。PS版のOPで使われていたBGM【エデンの朝】は削除された。
  • 【ホットストーン】または【しんじゅ玉】を遺跡に持っていき試行するプロセスがカット。
  • 謎の遺跡内部に捧げる聖者のアイテムの入手方法が変更。従来は遺跡内にある多数の謎解きをして入手していたが、リメイク版ではこれらが全て削除され、代わりに島内北部に新設された2つの遺跡で簡単な仕掛けを解いて取ってくる形になった。

●その他の救済措置
上記以外でも、DS版DQ6と同様に各所でゲームの難易度を下げるための変更が行われている。

  • 序盤の一部の移動シーンや、【天使の涙】など重要アイテムを使用する場面に関しては、自動になったり、確認が出るようになった。
  • 中盤の難所として知られた【ハーメリア地方】では水没中も現代世界に戻れるようになり、転職して出直すことが可能になった。

●ストーリー石版
クリア後は、配信されている「ストーリー石版」をダウンロードすることで、PS版では語られなかったサイドストーリーを見ることができるようになる。
ストーリー石版は【なつかしき友の記憶】【若き日の英雄】【幼き大神官の思い出】の3種。

その他の変更点

全般

  • 【中断】機能を搭載。再開後もデータは消えない。
  • ステータスウィンドウはDS天空シリーズ同様にキャラごとの個別ウィンドウが横に並ぶスタイル。【HP・MPゲージ】が数値の下に併せて表示される形式になった。

キャラ・育成・特技関連

  • レベルアップ時のステータス上昇値がランダム化。
  • 【ガボ】が移動中・戦闘中ともオオカミに乗っているようになった。
  • 一部移動系特技や【しっぺ返し】【つなみ】が削除。代わってDQ8・DQ9の特技が一部輸入された。PS版でつなみを使っていた敵は代わりに【ハリケーン】を使うようになった。
  • マリベルがレベルアップで覚える呪文に【イオ】が追加。
  • MP消費特技の増加、【どとうのひつじ】弱体化など、呪文や特技の効果・消費MPに調整が入った。

アイテム関連

移動中

  • フィールドマップ・町・ダンジョンともに下画面には常に地図が表示される。町ではDS天空シリーズと同様にショップリストも表示可能。地図機能が標準搭載されたため【ふしぎなちず】は削除。
  • フィールドマップはDQ8に近い感じのフロントビューになり、街道や宝箱が配置された。乗り物使用中はトップビューだが視点回転に対応。
  • 町やダンジョンなどに入ったときやゲームを再開したときなどには、画面右上に小さなウィンドウで地名が表示される。
  • 【持ち上げ】アクションが廃止され、壷・樽はDS各作品と同様、調べるとその場で割るようになった。
  • メインコマンドがDQ10に合わせられ、【そうび】がサブコマンドからメインに移動、【せんれき】が追加。
    • そうびコマンドでは専用画面が用意され、キャラの外見を確認できるようになった。攻撃力・守備力以外のパラメータ変化も確認できる。
    • せんれきコマンドでは石版のヒントや入手した石版のリスト、直近と過去のストーリーを振り返られる機能などが搭載。なお1ターン最大ダメージなどの従来の戦歴に相当する要素は【つよさ】で表示される。
    • 【さくせん】コマンドに「せってい」が追加され、表示速度やボリューム、カメラモードなどの設定ができる。
  • 仲間会話はBボタンでも行えるようになった。ただし下ネタおよび暴言、差別的と捉えられる可能性のある発言は削除された(例1例2)。一方でPS版で台詞未設定であったラストダンジョンや裏ダンジョンでの台詞が追加された。

寄り道要素

  • 移民の町は特殊形態がなくなり、DS版DQ4同様にヒントに従ってキャラを集めるほか、すれちがい石版を通信機能で手に入れると住民が増えていく。管理人は【シム】じいさんから女性【ティア】に変更され、町の命名はできなくなった。
  • DS天空シリーズと同様に【ちいさなメダル】がどうぐ欄に入らず「つよさ」で枚数を確認できる。
  • カジノは各ゲームとも、ルールが一部変更された(スロットのリーチ・ボーナスゲーム廃止、ポーカーのダブルアップ方式一部変更、ラッキーパネルの全パネル景品化など)。

戦闘

  • エンカウント方式が【シンボルエンカウント】に変更(海上および【風の迷宮】【烈風の神殿】を除く)。
  • メインコマンドは「はなす」が削除され「たたかう/にげる/さくせん/せってい」の4択に。個人コマンドは「そうび」が「どうぐ」に統合され「にげる」が追加されたが【個人逃げ】は不可能。
  • 固定モンスターとメタル系以外からの獲得経験値・ゴールドが1.5倍になった。

マップ関連

スマホ版

DQシリーズ8作品のスマホ展開の一環として2015年9月17日から配信。本作が8作の中で最後の配信となった。
iOS、Androidに対応。3DSベースであるためアプリ容量は1.8GBでDQ8よりも若干大きく、8作品の中でも最大である(2017年3月現在)。購入の際はストレージの空き容量に注意。
Android版はGoogle Playのほか、2017年3月からはAmazonアプリストアでも配信されている。
なお海外での配信は行われていない。
 
基本的に3DS版のベタ移植で、ハード固有の機能以外はトクベツな石版も含めてほぼ全てが移植されている。
DQ1~DQ8のスマホ版の中で唯一、ネットを介した他ユーザーとの交換要素(モンスター石版)を有する作品ともなっている。
 
UIは片手でも操作可能な縦持ち前提の仕様。アルテピアッツァが開発した天空シリーズとほぼ共通のUIとなっている(こちらを参照)。
ただし移動パッドが画面上に表示されておりそれをなぞる形だった他作とは異なり、本作は移動パッドが表示されておらず、画面上のどこでもドラッグした場所が移動パッドの中心に当たる形で操作ができる。設定の変更により移動パッドを画面に表示させることもできるが、目印程度の小さいもののみ。
【オートセーブ】機能や冒険の書のクラウドセーブ機能も搭載。
 
グラフィックは解像度の関係上3DS版よりも滑らかに見えるようになった。ただしイベントシーンは3DS版からそのまま映像を持ってきている関係で、縦長画面のスマホ版では上下に黒い余白ができる。
移動視点は3DS版に比べて高めになっているが、フィールドマップの森林地帯ではカメラが木の葉に掛かってしまい見辛くなるのが欠点。
BGMは、バトルロードシリーズなどと共通のシンセサイザー音を使用している。
 
その他、以下の点が変更された。

  • 【アクションアイコン】を導入。また、町などではNPCをすり抜けることができるようになった(道を塞いでいるキャラは除く)。
  • 他のスマホ版に合わせ、非シンボルエンカウントに戻された。
  • 「どうぐせいり」「ふくろせいり」が「どうぐ」コマンドからでもできるようになった。ただし全員一括のどうぐせいりは「さくせん」コマンドからしかできない。
  • 元々僅かな角度しかできなかったダンジョン内での視点回転が、全くできなくなった(視点変更ボタン自体が消える)。
  • ふしぎな石版の台座画面では、「置く」ボタンを押すだけで、持っている石版を一度にはめられるようになった。
  • すれちがい石版が「モンスター石版」に名称変更。すれちがい機能がなくなったが、インターネット酒場での交換やダウンロードの機能、石版の自作機能は健在。石版の廃棄が一括してできるなどUIも若干改善された。
    • モンスターパークからもインターネット酒場に接続できるようになった。
    • 3DS版で企業タイアップものだった配信石版は、名称が変更されている。

(参考)NINTENDO64での計画

本作との関連は不明ながらも、一時期はNINTENDO64でのDQ作品が計画されていたことがある。
 
1995年に前作DQ6が発売される直前の頃、【堀井雄二】は当時の任天堂社長山内博からの「書き込みできるDQを」という提案に興味を持ち、約1年半でそれを開発すると意思表示していた(『ファミコン通信』1995年12月22日号)。これは、当時任天堂が計画していたN64のメディア「64DD」の利用を想定したものである。
ただし、後日のインタビューにて堀井はこの企画について「DQ7だとはまだハッキリとは言えない。N64でDQの外伝のようなゲームを作る」と発言している(『週刊ファミ通』1996年1月19日号)。
1997年、DQ7についてはPSで出すことが発表されたものの、堀井はそれとは別に64DDについて「面白いゲームが作れそうなものなら、何らかの形でDQシリーズを作りたい。可能性が無くなったわけではない」としていた(『週刊ファミ通』1997年4月4日号)。
しかし結局この企画は消滅し、N64でDQが発売されることは無かった。その後も後継機のニンテンドーゲームキューブまで任天堂据置機でのDQ関連ゲームの発売はリメイク・外伝含めても皆無となり、再開されたのは約10年後のWiiのDQソードからである。
 
なお上記の1995年当時は、DQシリーズの外伝作品はタイトルにDQを冠さない『トルネコの大冒険』しかなく、「DQの新作」と聞けば「ナンバリングの次回作」が真っ先に思いつく時代であった。このことから「DQ7が64DD用として開発される」との噂が広まったようだ。
この噂はその後も独り歩きし、「64DDでディスクへの書き込みを活かした石版システムの原型が生み出され、PSへの変更に伴いストーリー内で集める仕様に変更された」という説も流れている。
しかし実際には上記のように、64DDでの企画がDQ7であることは堀井自身が肯定しておらず、PS移籍発表後の『月刊Vジャンプ』1997年6月号でもDQ7の開発進捗については「もう全然。頭の中でモヤモヤしているだけ」と語っている。
64DDでの計画が具体的にどんなものであったかは現在のところ信頼できるソースが見つかっていないため、DQ7との関連は不明である(現在公式に言われているボツ構想はあくまで「メモリーカードによる石版の交換」である)。

関連作品