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【ドラゴンクエストII 悪霊の神々】

Last-modified: 2018-05-11 (金) 15:16:54

・DQ本編シリーズ

DQ1DQ2DQ3DQ4DQ5DQ6DQ7DQ8DQ9DQ10DQ11

DQ1・2DQ1・2・3BSDQ1

概要 Edit

1987年1月26日、ファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された【ドラゴンクエストシリーズ】第2作。開発は【中村光一】率いる【チュンソフト】
ソフトの容量が前作の倍の1メガビット(128KB)に増え、マップの大きさ約6.5倍、モンスター数2倍、呪文総数2.3倍などボリュームが増加した。
 
ストーリーは前作から100年後という設定で、主人公たちは前作の勇者の子孫である。
今作は高度なRPGを体験してもらうという方針から、複数人によるパーティプレイを導入。
従来のパソコンのRPGでは予めパーティのキャラクターを決めてからゲームを始めていたのに対し、本作ではRPG初心者も考慮して最初は一人旅で、ストーリー内で1人ずつ仲間が増えていくという、当時としては画期的な形式が取られた。
キャラクターには各々得意分野と苦手分野があって役割が分けられており、旅の中でプレイヤーは物理攻撃でしか倒せない敵や魔法がないと厳しい状況に遭遇し、RPGにおける物理と魔法のバランスの重要性やパーティを組む意義に自ずと気付かされるように設計されている。
一方で復活の呪文は最大で2.6倍、そして後述するようにシリーズ中でも非常に高いゲーム難易度を持つという事態に陥った。
シリーズ内でも珍しい試みとして、歌手【牧野アンナ】とのタイアップも行われている。
 
MSX/MSX2パソコンにも移植されたほか、海外では "DRAGON WARRIOR II" のタイトルで発売されている。
またスーパーファミコン以降の様々なマシン向けにリメイク版が発売されている。

開発 Edit

DQ2の開発は、前作DQ1の発売日直前の1986年4月から始まった。
 
パーティプレイ導入にあたっては、復活の呪文の長さ、見た目重視の方針(複数人で冒険するならしっかりその人数分のキャラを表示する)、FCのグラフィック性能(スプライトの表示限界)などを考慮した結果、人数は3人となった。
シナリオとゲームデザインを担当した【堀井雄二】は、【ファミコン神拳奥義大全書 復刻の巻】で、次のように語っている。

ゲームの中で言えば、パーティになった分、いろいろ考えましたね。最初は慣れないだろうから、だんだん増やしていったほうが、わかりやすいんじゃないかとかね。

また、【ドラゴンクエストマスターズクラブ】では、

II の男の子ふたりに女の子ひとりってゆーパターンは、心のあやとかがあったりして、けっこうドラマを作りやすい状況だったんですけどね。

とも語っている。
 
1986年7月にシステムの検討やメモリの割り振りの作業が終わり、マップやセリフ、モンスターデータの作成に入った。
前掲の『ファミコン神拳奥義大全書・復刻の巻』によると、A4サイズの5ミリ方眼紙で、厚さ15センチの原稿を書いたとのことである。
また広大なフィールドマップはパソコンを使って作成している。
前作が徐々に売り上げを伸ばしている中での開発ということもありスタッフの力が非常に弱く、スタッフたちは前作以上にギリギリの作業を強いられた。
 
10月21日発売の【週刊少年ジャンプ】47号での第一報を皮切りに雑誌での情報公開も始まり、発売時期は「12月下旬」と発表。11月初旬には一通りの完成を果たす。
この時期に公開された画面では、湖に囲まれた城(おそらく【サマルトリア】)や水路の行き止まりにある塔、【ロンダルキアへの洞窟】1Fに水溜りがあちこちにある、【ハーゴンの神殿】の近くに毒沼があるなど製品版では見られない点が散見された。
しかし、いざテストプレイをしてみると最初のローレシア周辺の時点でゲームバランスが既に崩壊している事が判明。バランス調整のため、発売日を翌年1月26日に延期することとなった。
モンスターの同時出現数を減らしたり、キーアイテムの配置を変更したり、などテストプレイが進めば進むほど作業が雪だるま式に増加。
これ以上遅らせまいと考えた堀井雄二は満足度90%の状態で完成させてDQ2を世に送り出したが、これが後述するような高難易度に繋がってしまったようだ。
なお、堀井雄二は本作製作中、エニックスから催促電話がかかってくる度に胃が痛くなり、完成直後には胃潰瘍で倒れている。
 
本作に限ったことではないが、容量の関係でボツになった要素も多い。【取扱説明書】のあらすじページにあるドットで描かれた一枚絵もその一つであるほか、町も1つ削られ、ダンジョン内の人物の配置も減らされている。
モンスターは当初は前作(40種)の倍以上の100種ほどが登場予定だったが、容量の都合により80種に減少。【ひとくいばこ】【テンタクルス】(色は【クラーゴン】のもの)など本作でボツになり後の作品で登場を果たしたモンスターも多い。
 
(参考:『ファミコン通信』1986年創刊13号、1987年8号・14号 など)

作品の特徴(オリジナル版) Edit

パーティ制導入に伴って多くのシステムが前作から刷新され、アイテムや装備、戦闘といったシステムの基礎が本作で確立された。
以降これらはDQ8までほぼ変わらずに継承されている。

演出面 Edit

容量の倍増によりグラフィック強化が行われ、キャラは前向きに加えてアクションゲームと同様に左・右・後ろ向きのパターンが追加され、進行方向を向くようになった。
テキストでは使用できるカタカナが前作より増加している。
 
マップは【フィールドマップ】【町】【城】の内部、【ダンジョン】内部とで異なるグラフィックが使われるようになった。
マップチップのパターンも増え、フィールドマップでは町や城のシンボルがリアル化し、【茂み】【浅瀬】、海岸線なども追加された。町では前作より立体感が増して【椅子】【テーブル】などのオブジェも登場し、【玉座】にも専用グラフィックが与えられた。
ダンジョン内の描写は依然としてシンプルだが2マス×2マス単位での構成となり、前作と比べてマップが大型化した。
 
一方FCの性能の都合上、パーティバトルとなった戦闘画面の表示方法が大きく変更された。
前作では2Dでの一般的なキャラ表示手段であったスプライトによってモンスターが表示されていたが、今作ではマップや文字などと同じBG(背景)層を用いての描画に変更(一部はスプライトを併用。【4色】の項目も参照)。
そのため風景画が削除されて画面全体が黒一色の背景となり、前作にあったモンスターの反転表示も廃止された。
モンスターのイメージは画面の中央段に横一列に並んで表示され、その上にステータスウィンドウ、下にコマンドウィンドウとモンスターのリストが表示される。
ターン中は画面下部がメッセージウィンドウに切り替わり、進行状況は前作同様に文章で解説されるが、メッセージ表示は文字単位から行単位になり高速化された。原則として「行動」と「結果」が同一ウィンドウに表示され、表示しきれない場合は「行動」部分はそのまま残され「結果」部分のみ表示が切り替わる。
 
サウンド面では【宿屋】のMEが今作から定番のものになり、【教会(治療)】【仲間(出会い)】のMEが新たに登場。前作からの各種MEやコマンド入力音・メッセージ音・呪文の音などのSEもマイナーチェンジし、以降DQ4まで同じものが使われる。
塔や船の登場などにより【BGM】の曲数も増え、ループも全体的に前作より長めになっている。

主なシステム Edit

初のパーティプレイ Edit

今作は【パーティ】制を導入した初の作品となった。最初は1人旅で、シナリオを進めていくにつれて人数が増えていく。
パーティを構成する【プレイヤーキャラクター】は主人公の【ローレシアの王子】と、仲間の【サマルトリアの王子】【ムーンブルクの王女】の3人。
主人公の【名前】は前作同様にプレイヤーが名付け、それによって仲間2人の名前が自動的に決まるが、裏ワザを使えば自分で付けられる。

所持金(【ゴールド】)はパーティで共通だが、【経験値】【レベル】【HP】【MP】、その他ステータスは各キャラごとに個別に設定されている。
前作のような名前による成長パターンの変化は無くなり、ステータスの成長幅はキャラごとに固定となった。最大レベルはローレシアの王子から順に50・45・35。
ローレシアの王子は全ての武具を装備できる代わりに【呪文】は覚えない。サマルトリアの王子・ムーンブルクの王女はそれぞれ決められた呪文を覚えていくが、サマルは一部の武具を装備できず、ムーンはサマルよりもさらに装備可能品が少ない。
打撃タイプと魔法タイプをバランスよく配置しており、RPGの基本を押さえた形となっている。
HPが0になったキャラは【死亡】するが、1人でも生き残っていればそのまま冒険が続行される。【全滅】した場合はゴールドが半減し、前回復活の呪文を聞いた場所で主人公のみが復活する。

呪文の数も倍以上に増加し、ステータス変動呪文や、謎の呪文【パルプンテ】も登場した。

アイテム管理 Edit

【アイテム】はキャラごと個別に所持し、各キャラ8枠分まで持てる。前作にあった【やくそう】のまとめ持ちは廃止され、1つにつき1枠を使うようになった。
移動中は【どうぐ】コマンドで、各キャラのアイテムをそのキャラが生存している限り自由に使え、サブコマンド【わたす】【すてる】によってキャラ間での受け渡しやその場での破棄も可能になった。
一方戦闘中は各キャラそれぞれ自分が持っている道具しか使えず、受け渡しもできない。

今作から【武器】【防具】【道具】と同じ枠で扱われるようになり、「装備する」「道具として使う」の2通りの使い方ができるようになった。
【こうげき力】【しゅび力】に反映させるには【そうび】コマンドで、自分の所持品の中から装備するアイテムを選択する必要がある。装備中のアイテムは小さな「E」マークで識別できる。
戦闘中に「どうぐ」コマンドで使うことで、呪文などと同様の特殊効果を発揮する武具も登場した。
なお防具の分類には新たに「かぶと」が登場し、「よろい」「たて」と合わせて3部位となった。
道具の中にも【かぜのマント】など装備することで効果を発揮できるもの(後に【装飾品】として分類されるもの)があるが、これらは「どうぐ」の「つかう」で装備する。

【呪い】の装備品も増加し、今作から装備品ごとに呪いのデメリットが異なるようになった。装備した場合、外すには教会で呪いを解いてもらわなければならない。

移動手段の増加 Edit

今作の【ルーラ】【キメラのつばさ】は、前回復活の呪文を聞いた場所に移動する仕様になった。
また徒歩に加えて新たに「船」と「旅の扉」が移動手段に加わった。

【船】は冒険中盤のイベントで入手できる。
これに乗ることで海の上を移動でき、徒歩では行けなかった新大陸へ行くことが可能となる。上陸は【岩山】【浅瀬】がなければどこでも可能。
ただし乗船中でもモンスターはどんどん襲ってくる。
船は一旦降りるとその場所に止まっているが、ルーラを唱えると船も行き先の町の近くに移動するようになっている。

【旅の扉】は世界各地のほこらや城・町などにあり、これを使うことで、離れた場所へ瞬間移動できる。ただし多くは鍵が必要。
鍵さえあれば船を使わずに大陸間を渡ることができるほか、空を飛ぶ乗り物が無い本作では、外界から岩山に囲まれた地域へ初めて移動する際は、この旅の扉が唯一の手段となる。

ダンジョン Edit

今作ではダンジョンのバリエーションも増加した。
前作にあった【洞窟】に加えて、入口から上へ登っていく形の【塔】のダンジョンが初登場。塔では縁から飛び降りることで脱出できる。
また洞窟・塔とも明かりを灯す必要はなくなったが、フロアが区画ごとに区切られ、今いる区画のみが見える形式になった。
【落とし穴】【無限ループ】【溶岩】のダメージ床、【わな】の宝箱など手強い仕掛けも登場した。

ターン制戦闘 Edit

敵もパーティを組んで出現するようになり、同じ種のモンスターが複数いる場合はA・B・C・・・とアルファベットを付けて区別される。
パーティ戦闘となったのに伴い、複数を対象とした呪文や特殊攻撃も登場した。一度に複数の敵にダメージを与えられるのは呪文ならではの利点である。

戦闘の進行は【ターン】の最初に全員分のコマンド入力を一斉に行い、ターン内に【すばやさ】とランダム値に基づいて決められた順で各キャラが1回ずつ行動していくという『ウィザードリィ』に倣った方式になり、以降継承される戦闘方式の基礎が出来上がった。
なお【不意打ち】は最初のターンで一方的に敵に行動されるという仕様になり、逆にこちらが一方的に動ける【先制攻撃】が初登場した。
敵側には【グループ】の概念が採用され、物理攻撃や攻撃呪文(全体呪文を除く)を選んだ場合はグループ単位で相手を指定し、単体単位での指定はできない。【オートターゲット】機能は無いため、行動時に指定したグループが既に無くなっている場合は【行動空振り】が起こる。

戦闘の報酬 Edit

戦闘に勝利すると前作と同じく経験値とゴールドを得られる。これらは倒したモンスターすべての合算となるが、経験値に関しては本作独特の【経験値割り増しシステム】がある。
経験値はパーティ全員が同じ値を得られるが、死亡しているキャラには経験値が入らない。

また経験値・ゴールドのほか、モンスターが一定確率でアイテムを落とすようになった。このドロップでしか手に入らないレアアイテムもある。

その他の変更点 Edit

全般

  • 【復活の呪文】は前作の20文字固定長から最大52文字の可変長になり、パーティ人数が増えるにつれて長くなる。復活の呪文の発行と冒険再開のできる場所は7箇所に増えた。

キャラ・ステータス関連

  • ステータスウィンドウは、名前とレベル・HP・MPが各キャラごと横一行に表示され、人数が増えるにしたがって行数が増える形式となった。ウィンドウから除外された経験値・ゴールドは、【つよさ】や戦闘終了時に確認可能に。
  • 歩くとHPが減り続ける【毒】のステータス異常が初登場。

移動中

  • コマンドウィンドウは画面右上から左上に、ステータスウィンドウは画面左上から右下に表示位置が変更。
  • メニューコマンドの変更。前述した【そうび】が追加された代わり、以下3つが削除された。
  • 【NPC】との会話は相手の方向を向いて【はなす】を実行する方式になり、方角指定が削除。会話が終わると自動で動いて主人公たちを導くタイプのNPCも登場した。
  • 【ポーズ】機能、フィールドマップの山地で引っかかるようにスクロールする仕様、武器・盾の装備で外見が変わる仕様は廃止された。
  • 移動不可の地形に向かって方向キーを押しても衝突音が鳴らなくなった。

施設関連

戦闘関連

設定 Edit

舞台 Edit

本作は、前作からおよそ100年後の物語であるが、正確にはどの時点から数えておよそ100年後かは定かではない(詳しくはこちら)。
 
ワールドマップの広さは前作の約6.5倍となっており、前作の舞台【アレフガルド】を含めた世界全体が本作の舞台(広告などでは「4倍」とされていたが実際は6.5536倍)。
ロトの子孫が治める【ローレシア】【サマルトリア】【ムーンブルク】の三ヵ国をはじめとする5つの城(ダンジョン除く)、7つの町、12箇所のダンジョン、12箇所のほこらが存在する。
複数の大陸や島々からなり、アレフガルドをはじめ中盤以降で訪れる地域に行くには船に乗る必要がある。【ザハン】【精霊のほこら】のように、大海原の中の小さな島にポツンと存在する施設もあり、海上をくまなく探さなくてはならない。
アレフガルドそのものは前作と比べて縮小されており、前作で登場した町は【ラダトーム】を除いて本作では無くなっている。
世界の中央南ほどの岩山に囲まれた地域は敵地である【ロンダルキア】で、ここへ行くには旅の扉を使い、さらに長く複雑難解な洞窟を抜けなくてはならない。

ストーリー Edit

プロローグ Edit

アレフガルドを恐怖に陥れた【竜王】は、ロトの血を引く勇者によって倒された。
勇者はその後、ラダトームの【ローラ姫】と共に旅立ち、彼女の名を冠したローレシアという新たな国を建てる。
やがて、第2代ローレシア国王のきょうだい2人が独立して、サマルトリアとムーンブルクの2ヵ国が創られた。
 
それから、およそ100年の時が流れたある日、ローレシアの城に傷ついた一人のムーンブルクの兵士が辿り着いてこう言った。邪教の大神官【ハーゴン】の軍勢によって襲撃され、我らがムーンブルクの城は壊滅した、と。
ロトの血を引く主人公【ローレシアの王子】は、ハーゴンを討つため旅立つことを決意する。
こうして、ロトの血を引く新たな勇者たちの冒険が始まるのであった。

シナリオ Edit

最初はローレシアの王子1人で旅立ち、同じくロトの末裔たる【サマルトリアの王子】、行方不明となっている【ムーンブルクの王女】を探し出して仲間にすることが目的となる。
仲間が3人そろったら港町で船を入手し、竜王のひ孫の言葉に従って世界各地に散らばる【5つの紋章】を集めることが次の目的。
最後に敵地ロンダルキアへ乗り込み、ハーゴン、そして後に控える破壊の神【シドー】との決戦に挑む。
 
最初から物理的にほとんどの場所に行くことのできた前作とは異なり、今作では序盤のうちは行動範囲が制限されており、仲間を増やしたり船を手に入れたりすることで探索範囲が広がるという仕組みになっている。
仲間を増やさないと【関所】で阻まれて次の場所へ進めないので、サマルトリアの王子を無視してムーンブルクの王女を先に仲間にしたり、1人のみで船を入手するといったことは不可能である。
船を入手した後は、ロンダルキアと一部ダンジョンを除くほとんどの場所に一挙に行けるようになるため、紋章探しはどの順番でも可能となっている。
ただし一部は鍵が必要となるため、鍵の入手方法がわかっているなら早いうちに入手しておけば攻略が楽になる。
なお、今作では必ずしも行く必要のない城・町はムーンブルク城とラダトームぐらいであり、それ以外は一度は訪れる必要がある。

人気と評価 Edit

口コミによって前作の知名度が上がっており、発売当日には行列ができ完売となった店が続出した。
出荷本数も前作より大幅に上がり、約240万本を記録。週刊誌などの取材などもあり社会現象となったのもこの作品からである。
なお、本作が発売される前の時期、人気の低いファミコンソフトの在庫が大量に余るという事態が発生したため、問屋がそれを警戒してソフトの発注を制限するようになった。
本作もその煽りを受けたことで発売直後は40万本しか発注がなされず、各地の小売店で品切れが発生し入手が困難な状況になっていた。
 
『ファミコン通信』の1987年度ベストヒットゲーム大賞では前年の前作に続いて連覇を達成。
さらに『ファミリーコンピュータMagazine』による'87年度ファミマガゲーム大賞では30点満点中28.02点とほぼ満点と言える程の高評価を得てグランプリを受賞。
これは更に大きな社会現象となった次作DQ3でさえ27.30点と本作の得点を上回ることはできず、更にその後ビッグタイトルとなるソフトも数多く発売されたが、とうとうこの記録は破られなかった。
同誌でその後扱ったSFCやGBも含めて28点超えは唯一。まさに大金字塔とも言える記録である。
総合点のみならず同年度は「キャラクタ」「音楽」「お買い得度」「操作性」「熱中度」「オリジナリティ」全部門で1位を独占、文字通りの完全制覇となった。
FC全体でも「操作性」のみ2位(1位は前作)だが他の5部門は全て1位。
 
その後の『週刊ファミ通』の記念読者投票企画では以下の順位となっている。

  • 900号記念 心のベストゲーム(2006年) :17位(シリーズ中6位/8作)
  • 1000号記念 未来に伝えたいゲーム(2008年):35位(シリーズ中6位/8作)
  • 30周年記念 機種別 思い出のゲーム FC部門(2016年):5位
  • 1500号記念 ゲーム総選挙(2017年):79位(シリーズ6位/10作)

難易度 Edit

本作を語る上で避けて通れないのは、その難度である。
これは開発スタッフも認めており、雑誌『WiLL』の増刊号である『すぎやまこういちワンダーランド』内での対談コーナー「2人で話そう! VS 中村光一」では、次のような対談がなされている。

中村 「I」の時は時間に少しゆとりがあったので、最後にしっかりバランスを取るための時間があったんです。だから、ゲームとしてのバランスが整っているのですが、大変だったのが「II」。私も堀井さんも時間の余裕が全くなくて、実は完成版のマスターロムを任天堂に入れた時点で、誰一人、最初から最後まで「通し」でゲームをやってなかったんです。
すぎやま えーっ、そうだったんですか!?
中村 考えられませんよね(笑)。さすがに、「この地域はこれくらいのレベルで、このくらいの武器があればいいだろう」と、部分部分ではある程度バランスが取れていると思うんです。だから、船を手に入れてアレフガルドに渡るあたりまではきれいにバランスが取れているんですが、海の向こうへ渡った途端に、「なんじゃこりゃ!!!」という状況でして(笑)。
すぎやま そうだよ。僕も行った途端に、瞬殺(笑)。
中村 まさに瞬殺でしたね(笑)。
すぎやま あっという間に全滅(笑)。
中村 「II」は、いまなら相当な「ムズゲー」ですよ(笑)。バランスがひどいなんてもんじゃない。そのうえ、すごい難しい謎解きもありました。「ここ掘れワンワン」の金のカギや、ラゴスの居場所など、これがまた極端に難しい(笑)。作っている私たちはもちろんわかっていますけど、一般のユーザーの方には相当、難しかったみたいですね。
(後略)

 
上記のインタビューの通り、船を入手する前の段階ではかなり細かいバランス調整が行われており、『ファミコン神拳奥義大全書・復刻の巻』によると、スタッフ間でも「1人のときがキツイ」という認識があったようで、

といった変更点があったようだ。
 
ただ、これ以外でもノーヒントに近い謎解きなど本作には理不尽といえる要素は数多い。具体的には以下の通り。

  • 開始直後は主人公の一人旅だが、モンスターは最序盤から複数で出現する。
    (但し、ローレシア大陸のみ最大で三体までしか出てこない。ムーンブルク以降の地域では三体以上出現するようになる)
  • 出現時期に対して強すぎる敵が多い。序盤に出てくる【マンドリル】など。
  • ムーンペタからルプガナまでの極めて長い道のり。しかも途中ダンジョンのドラゴンの角を挟むため実質的な距離はそれ以上。
  • ダンジョンの構成が複雑。分岐路や階段の数が尋常ではない。
  • 【ふしぎなおどり】1回で最大MPの1/3~1/6も吸い取られる。特に【海底の洞窟】は不思議な踊り使いが多く出続ける難所。
  • スクルトやルカナン(守備力の8~17%変化)、マヌーサ(命中率25%ダウン)など、補助呪文の性能が低い。
  • ベギラマの威力が約25ダメージとバギ並みに低い。
  • 【サマルトリアの王子】が他2人と比べ弱い。(詳細はキャラクター項目を参照)
  • 謎解きがわかりにくい。どこで使うのか分からない【じゃしんのぞう】、入手法のわかりにくい【たいようのもんしょう】など。
  • 最大52字という復活の呪文を有し、記録・入力が難しい。
  • 味方の死者蘇生時のHPは1。【ザオリク】も戦闘中には使えない。一方で敵は戦闘中にザオリクを使う上にHP100%で復活する。
  • 一度落ちた落とし穴は元のフロアに戻ると埋まっており、場所がわからない。
  • 1人が持てる道具は装備品含めて8つだけ。

 
しかしながら、この難易度ゆえにクリアしたときに達成感を感じるのだというプレイヤーも少なくない。
先述の『すぎやまこういちワンダーランド』の対談記事では、すぎやまこういち自身が次のように語っているほどである。

すぎやま とにかく難しかったからね(笑)。オーケストラコンサートで「II」のエンディング曲「この道わが旅」を演奏すると、涙を流しているお客さんが何人もいるんですが、それだけ「II」をクリアするまでの厳しい道のり、激しい戦い、クリアした時の感動の印象がものすごく強いんだろうね。楽曲の力だけじゃなくて、そういう思い出の力もあると思う。本当に大変なゲームでした(笑)。

 
また、【堀井雄二】も『ドラゴンクエストマスターズクラブ』のインタビュー記事で、ロンダルキアへの洞窟は、デバッグのためとはいえスタッフでさえ苦しめられたものの「何度も行ったので覚えている」と発言している。

移植・リメイク Edit

MSX版・MSX2版 Edit

前作に続き、FC版をホビーパソコン用に移植したもの。1988年2月6日にMSX版、5月27日にMSX2版が発売された。
 
これらはFCよりグラフィック処理能力が低いため、グラフィック面でオリジナルより劣化している。
スクロールは前作同様に滑らかではなくカクカクしており、またMSX版ではスプライトの表示制約がFCよりもさらに厳しいことからキャラも背景扱いで描かれているため、キャラのいるマスは周辺が黒くなる。
BGMは全体的にトーンが低くなっている。
しかしスクロール単位(移動単位ではない)は1/2マス単位と細かくなり、SEに関してはFC版に近い音が再現されているなど、前作に比べて改善されている点もある。
また、アイテムリストが2列×4行で表示されるという点が他機種に無い独特な点である。
 
MSX/MSX2限定の要素として、FC版では容量の都合でボツになった【あぶないみずぎ】(ムーンブルクの王女専用)が登場し、敵を見とれさせて行動を封じる効果をシリーズで初めて実装した。
さらにMSX版のみ、装備すると水着を着た王女の一枚絵という伝説のサービスカットが挿入される。
 
ゲーム面では敵の出現数が増加するなど、ただでさえ難しいFC版よりも更に難易度がアップしている。当時のコンピューターRPGの平均的な難易度がかなり高めに設定されていたことが窺えるだろう。
 
復活の呪文はFC版と共通で使用できるが、あぶないみずぎを入手した後の復活の呪文はFC版では使えなくなる。

海外版(NES) Edit

FC版の海外移植版。タイトルは "DRAGON WARRIOR II"。
言語の変更のみならず、前作同様、復活の呪文に代わってバッテリーバックアップによる【冒険の書】を採用。
タイトル画面もアニメーション付きのものに変更されたほか、スタート直後にムーンブルク城が襲撃される【プロローグ】が追加され、これは後述の国内リメイク版にも逆輸入されている。

スーパーファミコン版 Edit

オリジナルから約7年後の1993年12月18日に、シリーズ初のリメイクとして【ドラゴンクエストI・II】にDQ1とともに収録された。
 
DQ2のゲーム内では敵の行動パターンやステータスの弱体化、味方キャラ(主にサマルトリアの王子)の強化、町の人の配置やセリフの一部変更等、ゲームバランスに大幅な介入がされ難易度が下げられた。
復活の呪文は廃止され、NES版同様に冒険の書にセーブを行う方式に変更されている。
グラフィックやサウンドはSFCの性能に合わせてグレードアップされ、インタフェースに関しては当時の最新作であるDQ5のものを反映している。

シナリオの変更点 Edit

NES版に準じ、ムーンブルク襲撃のプロローグが追加された。内容はNES版と変わらないが、シリーズ初のプロローグ専用BGM【パストラール~カタストロフ】が作られた。
 
またFC版でボツになっていた、サマルトリアの王子が【ハーゴンの呪い】によりパーティを離脱するイベントが追加された。これによりFC版ではあり得なかったローレ+ムーンの2人パーティという状況が発生する。その状態のままでもクリアは可能。

その他の変更点 Edit

DQ1と共通のグラフィックやUI面についてはI・IIのページを参照。
 
キャラ・育成・呪文関連

  • 【みのまもり】のステータスが追加され、守備力の計算方法が変更。
  • ムーンブルクの王女が【トラマナ】に代わり【ザオリク】を修得し、 終盤の蘇生が容易に。
  • 死者蘇生時にHPが満タンまで回復するようになった。

アイテム関連

  • 所持できるアイテムが1人あたり10枠に増加。
  • ステータスを上昇させる種・木の実の導入。
  • サマルトリアの王子が装備可能な武器が増加した。
    また一部の武器・防具の性能が変更。【みずのはごろも】はギラ系と炎系しか軽減しなくなったが、それ以外は全体的に強化されている。

移動中

  • 宝箱はDQ3以降と同様に一度しか中身を取れなくなった。これに伴い一部の宝箱の中身が変更。また新たに追加された【壷】【タンス】でもアイテムが取れるほか、地面に落ちている隠しアイテムも配置された。
  • 現在位置を確認できる【せかいちず】が追加。ザハンなどの離れ小島を見つけやすくなった。

施設関連

戦闘関連

  • 【オートターゲット】機能を搭載。
  • モンスターのステータス・行動パターン・呪文耐性などが変更され、多くの敵が弱体化。得られる経験値・ゴールドは全体的に増加。
  • 敵側にもMPの概念が登場。
  • 【メタル系スライム】は、1ずつしかダメージを与えられないが莫大な経験値が得られるというDQ3以降の仕様に。
  • 【スクルト】【ルカナン】【ベギラマ】などの呪文が強化。
  • 炎ブレスの名称がDQ5に合わせて段階別に変更された。

マップ関連

ゲームボーイ版 Edit

1999年9月23日発売の『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』にSFC版と同じくDQ1とのセットで収録された。
基本的にはSFC版を踏襲しており、【中断】機能など携帯機で遊びやすいような工夫がされている。
 
DQ2での主な変更点は以下。(DQ1と共通のグラフィックやUI面についてはI・IIのページを参照)

ガラケー版 Edit

DQ1に続いての携帯アプリ作で、iアプリ用が2005年7月29日、EZアプリ版が2006年1月19日、S!アプリ版が2006年12月1日に配信。初期のiアプリ版のみ前編アプリと後編アプリに分けての配信となった。
プレイするにはガラケーのWebサービス(iモード等)を契約中であり、かつ【ドラゴンクエスト for MOBILE】の会員である必要があったが、同サービスが2018年3月31日をもって終了し、現在はDLおよびプレイはできない。
 
SFC版をベースとしてDQ1と同様の変更が施され、後年のスマホ版以降のベースともなった。
各マップの構造自体はSFC版DQ2からそのままに、グラフィックがSFC版DQ3レベルのものに差し替えられ、キャラの大型化や高速化などのグレードアップがされた。
ただし塔での背景が無くなって真っ青に戻っているなど劣化点もある。
モンスターは複数で出現する都合上、DQ1よりもサイズが小さくなっている。
音楽と効果音はGB版準拠。
 
変更点は以下のとおり。

  • 最大レベルが3人とも50に統一。これに伴い一部呪文の習得レベルが変更された。なおステータスは強化されたわけではなく、パラメータ上昇が細かくなっただけである。
  • 一部呪文の効果が変更。
    • 【ギラ】【ベギラマ】はDQ3以降と同じ敵味方ともにグループ対象に変更。
      早いうちからグループ攻撃ができるようになった反面、序盤にギラを使うモンスターたちが強敵となった。
    • 【ルーラ】は行き先の指定が可能となった。GB版までのルーラでは行けなかった町も選択できる。
  • 呪文・道具でのHP回復時には回復後のHPの値(満タンの時は「全快」)が表示される。
  • 【取扱説明書】の代わりとして【たびのこころえ】という簡単なヘルプ機能が追加。
  • 海上に出てくる【ゆうれい】【しにがみ】に変更。
  • ロンダルキアへの洞窟へは【ルビスのまもり】がないと行けなくなり、【いのちのもんしょう】の入手場所が変更された。
  • アイテム入手に関するバグは削除された(二者択一でしか取れないアイテム、装備させてもらうと福引き券が入手できないなど)。

Wii版 Edit

2011年9月15日にWiiで発売された『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』に、FC版DQ2およびSFC版『DQ1・2』がほぼそのまま収録された。
こちらの記事、およびFC版SFC版の記述を参照。

スマホ版 Edit

DQシリーズ8作品のスマホ展開の一環として、DQ1・DQ8・DQ4に次いで4作目として2014年6月26日に配信。開発は【マトリックス】
【ドラゴンクエスト ポータルアプリ】(iOS/Android)のコンテンツとして配信され、DLすれば同アプリの起動ボタンからゲームを起動できる。
ポータルアプリ版では2017年3月のアップデートから、スクエニIDを用いてのサーバ保存が可能になった(方法はDQ公式サイトを参照)。
また2016年10月よりAndroid/Fire版がAmazonアプリストアで単独配信されている。
【タイトルロゴ】はオリジナル版以来初めてマイナーチェンジされた(初リメイクがDQ1とのセットであった本作は『DQ1・2』としてのロゴは作られたが、DQ2単独のロゴは長らくそのままだった)。
海外では "DRAGON QUEST II Luminaries of the Legendary Line" として単独配信されている。
 
内容はシステム・シナリオ・グラフィックともほぼガラケー版のベタ移植。DQ1と違って最大レベルもガラケー版からそのままである。
スマホ版DQ1と共通のエンジンを使用しており、タッチパッドの位置・大きさのカスタマイズや【オートセーブ】機能が利用可能。
移動単位は配信当初から1マス単位になっており、また2014年秋のバージョンアップ(V2.0.0)からはDQ1ともども、画面上の任意の場所をドラッグしてキャラ移動できるようになった。
 
その他ガラケー版との違いは以下。
 
インタフェース面(DQ3と共通)

  • 移動中はステータスとコマンドのウィンドウが一体化して画面下部に配置。ステータス部は各キャラのデータが人数分縦に並び、呪文・道具使用時のキャラ選択ボタンも兼ねるようになっている。キャラグラフィックも添えられた。
  • 【アクションアイコン】を導入。アイコンが出ていない場所では話したり調べたりする事自体ができなくなった。
  • 移動中の「そうび」「たびのこころえ」が【さくせん】のサブコマンドになった。
  • 戦闘中のステータスウィンドウはキャラごとに分割され、指示した行動内容がウィンドウの下に表示されるようになった(DS天空シリーズと同じ仕様)。

その他

  • サマルトリアの王子・ムーンブルクの王女の名前をスタート直後のローレシア王との会話で変更可能。裏技を使わなくても必ず名前変更の機会を得られる代わりに、変更の機会は1回きりで何度も変更することはできない。
  • 一部呪文の習得レベルと消費MPが変更。ルーラの消費MPは1に。
  • 【装飾品】がDQ6以降と同様に1人1つのみの装備となった。
  • 世界地図が最初から利用可能となり、アイテムとしての「せかいちず」は削除された。画面上の表示ボタンタップで閲覧できる。
  • 宝箱でも人物でもない、何も無いところに重要アイテムが落ちている場所は光るようになった。
  • ダンジョン内の扉が【ぎんのカギ】専用になった。したがってアバカムを習得しない限り、ぎんのカギが必須となった。
  • シドーの炎が強力になった。

PlayStation4版・ニンテンドー3DS版 Edit

DQ11に関連して、2017年8月10日から同作と同じ2機種でDQ1と同時にダウンロード専用で配信。開発は【ビー・トライブ】
スマホ版を最適化して移植したもの。
PS4版は【トロフィー】機能に対応しているが、それほど難易度の高いものは無く、ゲームをクリアできれば一通り獲得できる。