オーケアノスの航路/第四章

Last-modified: 2024-04-29 (月) 07:24:56
オーケアノスの航路.jpg
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第四章・伝説の果て

重要な写真

波を掠める鳥たちは嘘をつかない。どの現象にも必ず理由はある。


  • 1.宴会ホール/接待係
    Mr.リーズニング:(嵐の間以外、宴会ホールに通りかかる度に私は中で食事や飲み物を準備している接待係さんを見かけていた。今回も例外ではない)
    接待係:こんにちは、コレクターさん!何か食べていく?今日の午後には最後の目的地にたどり着くそうだから、お祝いのご馳走を用意したのよ。
    Mr.リーズニング:ありがとう、だが船酔いで少し気分が悪いんだ……後で昼食を私の部屋まで届けてくれないか?
    接待係:もちろん構わないわ、しっかり休んでちょうだい。特に要望がなければ、12時30分前後に食事を届けに行くから。
    Mr.リーズニング:届けてもらう場合、献立はここで食べるものと同じか?
    接待係:もちろんよ、安心して。料理は全部一緒に作られていて、盛り付けの時にホールに出すものと部屋まで届けるものに分けているだけ。あの機関士にも食事を出しに行かなければならないから、昼間は少しの間ここにいないけど……
    接待係:聞きたいことがあったら、直接食事を届ける船員に……あるいは、しばらくしてからまたここへ来てくれれば、私が答えるわ。
    Mr.リーズニング:(私は接待係さんに礼を言い、再び食事の処理に戻った彼女を見送った)
    Mr.リーズニング:(全員分一緒に作られている料理の中で対象を狙って毒を盛るのは難しい。可能なタイミングは、盛り付けと配膳の最中だろう)
    Mr.リーズニング:(毒を盛るチャンスなら、彼女には山ほどある。だが、昨晩の接待係さんにはほぼ完ぺきなアリバイがあったーー
    Mr.リーズニング:彼女は午後からずっと厨房にいた。酒を飲みながら嵐をやり過ごし、酔いが醒めると食事の点検を行いつつ料理を作り始め、そのまま夜の10時間前後になってようやく短い間厨房を離れたようだ。厨房を出入りした船員も、ずっと宴会ホールにいた音声学者さんや記者さんも彼女のアリバイを証明できる。
    Mr.リーズニング:(彼女に製図士さんを襲う機会はなかったが、機関士さんに毒を盛った可能性は高い……しかし、その証拠を見つけるのは難しいだろう)
    Mr.リーズニング:(だが、機関士さんに毒を盛るのは明らかに真犯人を擁護する行為だ。本当に接待係さんが機関士さんに毒を盛ったのなら、彼女と製図士さんを襲って犯人には何らかの利害関係があると考えられる)
    Mr.リーズニング:(出航から今まで、接待係さんが誰かと親しくしている様子はなく、船員たちに聞いても似たような返答が返ってきた)
    Mr.リーズニング:(個人的に時間を取らなくても堂々と接待係さんに接触でき、周りからも怪しまれない人物。同時に、毒薬を用意する手段も持っているとなると……海洋生物や医療機器に触れる機会があった標本士さん、そして接待係さんに食事の配膳を任せた主催者さんも怪しく見えるな)
    Mr.リーズニング:(丁度2人とも今は宴会ホールにいる。私から遠いため、何を話しているのかはよく聞き取れない)
    Mr.リーズニング:(私は窓の外の海面を観察するふりをして、彼らとの距離を詰めた)

  • 2.宴会ホール/標本士
    標本士:……もうすぐ着くのね。独特な小さい生命体を見るのが本当に楽しみだわ。
    主催者:もうあと半日ほどで目的地に到着する。すでにこの不思議な海域に入っているから、理論上、今日引き上げるサンプルでは25年前の先駆者たちが目にした特殊な生物が見られるはずだ。
    Mr.リーズニング:(2人はかなり仲が良いようだ。このような光景は今回が初めてではなく、以前も標本士さんが主催者さんに新しく見つけた海洋生物の特徴について話している姿を見たことがあった……)
    Mr.リーズニング:(2人が会話の途中で手に取った機械に目を向けると、針は安定して目盛りを指していたーー船の食事と飲み物に疑いを持ち始めたことから、私は食事をしている他の者たちの様子も観察し始めたのだが、衰弱のみならず、その多くに指の震えや動きのぎこちなさを確認できた)
    Mr.リーズニング:(音声学者さんはペンをしっかり握れず、記者さんは何もないところで転びかけたことがある。そしてこの可能性を疑い始めた私自身も、手に力を入れようとすると指先が小刻みに震えるようになっていた。意識的に止めることはできない)
    Mr.リーズニング:(だが、標本士さんと主催者さんの手はそれらしい影響を一切受けていないようだ)
    主催者:コレクターさん、しばらくこちらを見ていたようだが、私たちの会話に興味があるのか?
    Mr.リーズニング:ああ、少し話が聞こえて、思わず私もオーケアノスがどのようなものか想像し始めてしまったよ。以前も製図士さんと似たような話をしたんだが……共にそれを見届けられないと思うと、少し残念だ。
    標本士:コレクターさんは優しいのね。先ほど主催者さんに聞いたのだけど、これから目的地で7日ほど滞在して採集作業を行うそうよ。製図士さんは順調に回復しているから、このままなら帰りまでにオーケアノスの寄観をその目で見ることができるんじゃないかしら。
    Mr.リーズニング:それはよかったーー優しさというよりも、これは単なる同情に近い。私も、必死に手に入れようとしたコレクションを逃がしたら残念に思うだろうからな……今も少し船酔いしたくらいで、これからの予定に支障が出るのではと心配していたところだ。
    標本士:あら、船酔い?最近は確かに船酔いの症状を訴える人が増えているわ。長期の航海、そしてこの前の嵐も、症状を悪化させる要因となるでしょう。まだ少し常用薬があるから、どうしても耐えられなくなったら取りに来てちょうだい。
    Mr.リーズニング:ありがとう。だが、遠洋航海中は物資を補給できないだろう?薬品の蓄えは足りるのか?
    標本士:それなら、寛大な主催者さんのおかげで問題なさそうよ。容器や包装は25年前の薬品を模しているけれど、薬そのものは最新のもので、効き目も数も十分。だからコレクターさんも、体調が悪くなったら遠慮せずに言って。
    Mr.リーズニング:製図士さんの治療に使った薬も、準備されていた薬品に含まれていたものか?
    Mr.リーズニング:(標本士さんは数秒間沈黙した後、いつもと同じ笑顔を浮かべた)
    標本士:……ええ。主催者さんがちょうど彼女の症状に効く解毒剤を用意していたの。あれがなかったら、普通の常用薬だけで製図士さんの命を救うことはできなかったでしょう。
    Mr.リーズニング:(標本士さんは注射器と毒に触れる機会が最も多く、それを利用すれば製図士さんを襲うこともできたはずだ。しかし昨夜はほとんど1人で行動したことがなく、重要な証拠品も出ているーー彼女が犯人だとすれば、少なくとも共犯者が1人以上存在することを証明できるもの……)
    Mr.リーズニング:犯人を指し示す鍵となるアイテム。それは……

    針のない注射器.jpg証拠品:針のない注射器
    針のない注射器。中身は空っぽだ。

    Mr.リーズニング:船で用意された注射器。針の部分は見つかっておらず、中身は空。注射器の押子は一番奥まで押し込まれており、中に液体は1滴も残されていない。
    Mr.リーズニング:(これだ。機関士さんが犯人ではないという前提で考えると、この注射器は彼のものではないはずだ。実際は真犯人が彼の留守を狙って部屋に入り、罪を擦り付けようとした……だが機関士さんが見回りに出てから主催者さんが注射器を持って姿を現すまで、標本士さんの傍には常に誰かがいた)
    Mr.リーズニング:(少なくとも、この注射器を部屋に置いた人物はこの事件の全貌を知っている。それどころか……その人物こそが真の黒幕である可能性もある)
    Mr.リーズニング:(主催者さん……接待係さんに食事を届けさせたのも、標本士さんに薬を用意したのも、そして操舵手さんと話し合って船の航路を調整したのも彼だった。どうも存在感が強すぎる。毒薬の準備も注射器の入手も、投資家であり実際にこの船を統べる立場にある彼が望めば、標本士、接待係、機関士よりも簡単に手を回すことができるはず)
    Mr.リーズニング:(こうしてあちこちで関わっている以上、彼が製図士さんの事件について何も知らないとは信じがたい。彼はあの時何をしていたか、もう一度詳しく聞いてみるべきかもしれない。)

  • 宴会ホール/主催者
    Mr.リーズニング:ところで、主催者さんは昨夜どこにいたんだ?
    主催者:昨日か?昨日は操舵手さんのところで航路を調整した。その後体調が悪くなり、標本士さんに薬をもらってから部屋に戻ったーー事が起きて気象学者さんが扉をノックしに来るまで、ずっと部屋の中にいたよ。
    主催者:その後は犯人の隔離を手配していた。このあたりはあの場にいたコレクターさんも覚えているだろう?
    Mr.リーズニング:昨夜の6時に主催者さんがどこにいたのか知りたいんだ。その頃標本士さんはすでに気象学者さんと合流していたが、2人とも主催者さんの名前は出していなかった。薬を取りに行った時間はもっと前なのでは?
    Mr.リーズニング:(今のところ、他の全員には製図士さんの事件が起こった時のアリバイがある。もし主催者さんが犯行十分な時間を確保できる状態にあったとしたら……そう考えた時、予想外の人物に口を挟まれた)
    報道記者:6時頃なら、私が主催者さんを見ているわ。
    報道記者:あれはちょうど、彼が甲板から降りてくるところだったと思う。鳥が海面の魚の群れを追って、霧を抜けて羽ばたいて……とても美しい光景だったから、写真も撮ったのよ。
    報道記者:宴会ホールにいた接待係さんと音声学者さんは気づかなかったようだけどーーはい、これ。
    写真.jpg
    Mr.リーズニング:(一昨日に見た標本士さんの写真と似た構図だ。どうやら昨日の悪天候も、記者さんの習慣には影響を与えなかったようだな)
    報道記者:ここ数日のこの時間帯は、決まって甲板で鳥の群れを撮影するようにしていたの。写真は毎日バックアップを取っているから、この写真が昨日撮られたものだということも証明できる……これで十分かしら?
    Mr.リーズニング:(記者さんは口には出さなかったが、私が彼女が言わんとしていることがよく分かった。彼女は私が主催者を疑っていることに気づいており、彼の容疑が晴れたのか確認しているのだ)
    Mr.リーズニング:(これは予想外だった。記者さんと主催者さんの交流はあまりなかったように見えたが、突然主催者さんを庇いだすとは……本当に彼が犯人ではないのか?そう思った時、私は主催者さんの顏にも同じ驚きがよぎったのを見逃さなかった)
    Mr.リーズニング:(なぜ彼まで……?)
    主催者:……そうだ。記者さんの言う通り、その時は操舵手さんと航路の調整について話し合った後に自分の部屋に戻ろうとしていたところだ。あなたがそこまで詳しく事が起こった時の私の行動を聞くのは……私を疑っているからか?
    Mr.リーズニング:ただの個人的な好奇心だ、気に障ったならすまない。
    主催者:構わない、コレクターさんの気持ちを理解できる。製図士さんの一件が起こってから、彼女のことをずいぶんと気にかけているようだったからね。
    主催者:しかし私目線では、すぐに製図士さんの部屋に駆けつけていたあなただって……こうしよう。代わりに、私の好奇心も少し満たしてくれないか?質問の交換だーー事件現場へ赴く前、コレクターさんはどこで何をしていたのかな?
    Mr.リーズニング:(主催者さんの口調は穏やかだったが、その内容は鋭さを帯びていた……私が現場に駆けつく前、つまり製図士さんが襲われた時、私は自分の部屋にいた。実際のところ、私もアリバイのない容疑者の一人と言える)
    Mr.リーズニング:その時は船酔いがして、自分の部屋にいた。
    主催者:つまり、製図士さんの一件の前にあなたの姿を目撃した人はいない、とーーこれは失礼、ちょっとした冗談だ。あなたの思考に沿って返しただけだよ。6時以降に一人だった者の中から真犯人を見つけたいなら、あなた自身もそのリストに名が載るだろう。
    主催者:しかしコレクターさんも分かっているとは思うが、それだけで誰かの罪を決めつけることはできない。さもなければ、あなただって機関士さんと同じ容疑者になってしまう……まあ実際は、彼が製図士さんを狙って犯行に及んだというのが真実だ。違うか?
    Mr.リーズニング:(話はそこで打ち切られた。私は主催者さんに相槌を打つことしかできなかったが、心の中ではどうやって彼の調査を続けるか考えていた)
    Mr.リーズニング:(……時間は精確とは限らない。あの写真にも時間の参照となる物は写っていなかった。唯一参考になるのは、夕方になると我々の頭上を旋回し、海面に浮かぶ海洋生物を狙う海鳥だ。海鳥が一斉に飛んでいるのは、海面に大量の生物が集まっていることを意味する)
    Mr.リーズニング:(写真自体に偽りはないが、本当にその時間に撮られたものは限らない。彼が犯人なら、それを証明する手掛かりを見つける必要がある)

葬られた真実

25年前の記憶は、海底に沈んだ命と共に消えたわけではない。
それを片時も忘れなかった人間がいるのだ。


  • 1.甲板
    Mr.リーズニング:(海洋生物の習性に対する知識は、出発前に頭に叩き込んだ資料によるものだ。その程度の蓄えでは、この船にいる他の学者たちに遠く及ばない。そのため、私は予定されている研究時間よりも前に甲板を訪れ、じきに現れる生物たちを観察することにした)
    Mr.リーズニング:(これまでの写真に写った海鳥は、毎日の夕方に生物が集まる奇妙な現象に惹きつけられていた。今日は少し観察し、今日は少し観察し、これらの生物が集まる具体的な時間を確認しようと思ったのだが……時間が早すぎたのか、海面でそのような現象が起こる気配はなかった。その代わり、私は別の奇妙な光景を目の当たりにしたーー)
    Mr.リーズニング:(常に船を覆う海霧が太陽を遮っているにも関わらず、海面にかすかな光が浮かび上がったのだ。細かい光の粒が波の起伏に混じり、キラキラと美しい輝きを放っている。中には透明なクラゲも少量混じっていて、同じような淡い光を放ちながら流れに身を任せていた)
    Mr.リーズニング:(船は流れる光の上を進んでおり、おとぎ話のような美しさがあった。だが、私はそれを楽しめるような心境ではなかった。この光景が現れたということは、ついにこの航海の最終目的地付近までたどり着いたーー主催者さんはきっとそう考えるだろう)
    主催者:こんにちは、コレクターさん。ずいぶん早かったのだな。私たちはすでに今回の航海の最終目的地、オーケアノスの中心に入った。この海があなたを失望させないことを祈るよ。
    Mr.リーズニング:ブラウンリー教授が語ったものとは確かに違うが、私にとっては十分不思議な体験だーー不思議で、そして美しい。
    主催者:物語と現実には違いがあって当然だ。引き上げ作業の準備が済むまで、もう少し待っていてくれ。
    Mr.リーズニング:(操舵手さんも操縦室から出て、乗組員たちに指示を出していたのが見えた。彼らは主催者さんを中心に研究に必要な機械を点検し、一部の再起動と方向調整を行った後、海に放つ準備を着々と進めている)
    Mr.リーズニング:(前回故障した設備がまだ修理されていなかったのか?違う。故障ではなく、ただ起動していないように見える。注意深く観察してみると、彼らは機械構造のものや、磁力パーツ、電子パーツが使われた機器だけを確認していた。覚えのある感覚に、私は眉をひそめた)
    Mr.リーズニング:(これはただの嵐による影響というより、もっと別の……先日磁場が強い海域を通った時の状況に近い。しかし、我々はすでにそこを抜けているはずーー待てよ、海面には方角の判定に使える目印が少なすぎる。太陽が霧に覆われてからは、それが更に難しくなっていった。つまり……)
    Mr.リーズニング:(私はコンパスを取り出した。針がグルグルと不規則に回り、全く止まる気配がないのを見て、心の中の推測が徐々に形になっていくのを感じた。地図上では一度しか通らないはずの強力な磁場を持つ海域……だが、船は方向を変えることができる。そしてちょうど、昨日は航路を変える機会があった)
    Mr.リーズニング:(嵐による船の揺れは偽装できない。船が昨日折り返し、もう一度あの磁場の強い海域を通ったことで機械に異常が起こったのなら、船が折り返したタイミングは……)
    Mr.リーズニング:今回の方向転換は嵐の後に起こったことだ。波の揺れを利用すれば船の方向転換角度は誤魔化せるし、強い磁場を通過した時に故障した機械も、嵐による影響という理由で筋は通る。
    Mr.リーズニング:乗組員は公共の場にある機械を直すことができたが、乗客の部屋にある物までは修理できなかった。その結果、船が2回折り返して強力な磁場を通過した時間を記録した品がある。それは……
    Mr.リーズニング:部屋の掛け時計だ。その針の止まった時間こそ、船が強力な磁場の海域を通過したタイミングだろう。

    630で止まった時計.jpg証拠品:6:30で止まった時計
    故障した時計。針は6:30の位置で止まっている。

    Mr.リーズニング:(私の部屋の時計、その針は6時30分の位置で止まっていた)
    Mr.リーズニング:(この方向転換は一切公表されずに行われた。昨晩の6時30分から……あるいはもっと早い段階から、イセムバード号の航路は計画されていた航路からずれていた可能性がある)
    Mr.リーズニング:(そしてそれは、これまで私たちが海域や生物の生態から得た証拠がもはや意味をなさないことを示す。例えばあの重要な証言だ。今なら証明できるかもしれない……)

    3月20日の写真.jpg証拠品:3月20日の写真
    主催者が甲板から立ち去ろうとしており、背後で鳥が濃い霧の中へと姿を消そうとしている。

    Mr.リーズニング:(記者さんは空を飛ぶ海鳥を見ただけで、海面の浮遊生物やそれに引き寄せられた魚の群れは見ていないと述べていた。故に彼女は、先日この海域で観察された法則をもとに、この写真の撮影時間が6時前、あるいは6時になった直後で、生物たちがまだ完全に現れていない時間帯だと判断していた)
    Mr.リーズニング:(だが実際のところ、「船が方向を変えてこの海域を離れていた」という条件を加えれば……「まだ6時になる前で、生物が完全に現れていない」という結論にも違和感が生まれる)
    Mr.リーズニング:(何日も海鳥を観察し続けた記者さんは、精確な時間に行動する生物たちの習性によって無意識に「当たり前」を植え付けられていた。周りに時刻を知る術がないのであれば、彼女は自ずと生物を通して判断するようになるだろう)
    Mr.リーズニング:(しかし、この写真の実際の時間は6時ではなかった。記者さんは自身の経験が災いし、写真の中に隠された大事な手掛かりを見逃してしまっていたのだ)
    Mr.リーズニング:(この写真には、前日の写真とは異なる部分が2か所ある……)
    写真2.jpg
    Mr.リーズニング:鳥の群れは画面の左側に向かって飛んでおり、一部は魚やエビを咥えている。
    Mr.リーズニング:主催者のコートの裾は風で右側に靡いている。
    Mr.リーズニング:記者さんが前日に撮った写真と比較すると、この写真の鳥の群れは同じ方向に向かって飛んでいるが、多くの鳥が魚やエビを咥えている。
    Mr.リーズニング:一方19日の写真では、標本士さんのスカートは左側に靡いている……この写真とは真逆だ。
    Mr.リーズニング:(この2日間の風向きは変わっていない。ならば19日の写真に違いが生じた原因は、イセムバード号が逆方向へ進み始めたからとしか考えられない)
    Mr.リーズニング:(軽やかな足取りの足音が聞こえた。誰かが私の傍に来たようだ)

  • 2.甲板/主催者
    主催者:コレクターさん、どうかしたのか?もうすぐオーケアノスの中心にたどり着くというのに、何を思い悩むことがある?
    Mr.リーズニング:主催者さん。
    Mr.リーズニング:(偶然かどうかは分からないが、今甲板にいるのは私たち2人だけだった。先ほど機械を設置していた乗組員たちも、いつの間にか別の場所へ行っていた)
    Mr.リーズニング:昨夜製図士さんの部屋に行き、彼女を襲った犯人は君だな。
    主催者:おかしなことを言うな。記者さんが私のアリバイを証明してくれたばかりだろう?
    Mr.リーズニング:記者さんは気づいていないが、昨夜この船は一度方向を変えている。故に、彼女が推測した時間も本当の時間ではない。なぜなら彼女はカメラを構えた時、イセムバード号はもう一度あの強力な磁場を通過していた……違うか?
    主催者:記者さんの証言への否定も、航路に対する疑いも……コレクターさん、証拠もなしに勝手な発言をするのはどうかと思うが。
    Mr.リーズニング:(もちろんこの仮説を証明できる証拠はある。主催者さんの写真に矛盾が存在することを証明できる証拠品は……)

    航海日誌2.jpg証拠品:航海日誌2
    機関士:機関室。燃料の供給、蒸気機関や機械装置の正常な稼働を確認。

  • 3.甲板/主催者
    リーズニングと主催者.jpg
    Mr.リーズニング:航海日誌の記録によれば、昨日の風向きと海の環境は一昨日と同じだった。しかし昨日の写真には、一昨日に撮られた標本士さんの写真とは異なる部分がある……それが、風の向きだ。
    Mr.リーズニング:ここ数日はずっと東風が吹いていた。なら、なぜ主催者さんのコートの裾は右側に靡いているのに、標本士さんのスカートは左側に靡いているのか。
    Mr.リーズニング:そこから、我々の方が移動したのではないかと推測した。海面には位置の参考になる目印が少ない。そのため、方向が変わったことに気づくのは難しい。
    Mr.リーズニング:この写真にあるもう一つの違いがその推測を確かなものにした。写真上の海鳥は一昨日の写真と同じ方向に飛んでいるが、嘴には魚やエビが咥えられている。
    Mr.リーズニング:獲物を捕り、巣に帰る途中なのだろう。そしてもちろん、鳥たちの巣はあの独特な環境の海域の外にある。帰る方向が餌を探しに出た時と同じわけがない。
    Mr.リーズニング:真逆の方向に飛んでいるにも関わらず、2枚の写真は同じ構図になった。風向きの問題と合わせて考えた結果……イセムバード号が昨日に一度方向転換を行ったという理由しか説明がつかなかった。
    主催者:コレクターさんは船や海の生態に対して深い理解をお持ちのようだな。私の予想を遥かに上回った。製図士さんが意識を取り戻すまで、イセムバード号の航路修正をあなたに任せても良いくらいだ。
    Mr.リーズニング:主催者さん、昨日イセムバード号が方向を変えたと認めるのか?方向転換が事実なら、この写真によるアリバイも無効になる。
    Mr.リーズニング:(この写真は船が再びあの強い磁場の海域を通った後に撮影されたものだ。その時間は先ほど確認した……)

    630で止まった時計.jpg証拠品:6:30で止まった時計
    故障した時計。針は6:30の位置で止まっている。

    Mr.リーズニング:船の設備を再起動させることはできたが、全員の部屋までは手が行き届かなかっただろう。
    Mr.リーズニング:時計は6時30分で止まっている。これが、イセムバード号が方向転換した時間だ。記者さんの写真はその後に撮影された。主催者さん、これで昨晩6時のあなたのアリバイはなくなった。
    主催者:確かに私の傍には誰もいなかったかもしれないが、それはあなたも同じではないか?それだけで私を犯人だと指摘するのなら、あなただって私の共犯者になり得る。
    主催者:製図士さんの海図と案内のおかげで、我々はかなりの時間を短縮できた。彼女が昏睡状態に陥った今、乗組員は航路を見失わないよう、これまでよりも多くの時間をかけて方向を確認している。航海の途中で私が我々の「海上ガイド」を手にかける理由などないと思うが。
    Mr.リーズニング:(ピースは全部つながった。私は25年間続いた霧の中に足を踏み入れ、25年前の、そして現在の、全ての真相に近付いている……そんな予感がする)
    Mr.リーズニング:(「海上ガイド」か。今なら主催者さんの身分が誰に当てはまるか分かるはずだ。あの物語で対応する人物が分かっていないのは、「クラーケン」と「プリスター」の2人のみ。その中で主催者さんと関係があるのは……
    Mr.リーズニング:海に沈んだ船上ガイド。「クラーケン」は命よりも高貴なものがあると信じていたが、乗客のほとんどはそれに気づけなかった。
    Mr.リーズニング:(主催者さんは方向を決める「クラーケン」だ。そして頼れる存在であり、替えの利かない役回りを担っていたのは、船で唯一身体の状況を確認できる船医……つまり、標本士さんのことだろう)
    Mr.リーズニング:もちろん航行の途中でガイドを手にかけるはずがない。しかし製図士さんは海図の一部を提供しただけで、イセムバード号の進む先を決める本当の「ガイド」は君だった……ブラウンリー教授の物語に登場した「クラーケン」のように。
    Mr.リーズニング:(物語の中の「クラーケン」とは、25年前にチームを組織して研究を始めた海洋生物を愛するリーダーのこと。今のイセムバード号では、主催者さんがその位置にいる)
    主催者:物語に登場した「クラーケン」は乗組員を傷つけたりせず、むしろ彼らに方向を示していたようだが。
    Mr.リーズニング:確かにそうだ。だからこそ君に聞きたい。過去に他人が犯した罪のために、新たな犯罪に手を染めるのか?
    Mr.リーズニング:主催者さん、君は「クラーケン」本人ではない。同じ役割を担い、同じ身分を使い……同じ血が流れていたとしても、君はシェリン教授とは違う人間だ。
    主催者:面白い推測だな。
    Mr.リーズニング:まだ仮説に過ぎないが……反論はしないのか。
    Mr.リーズニング:知識は学び、習慣は真似ることができる。25年前の人間を演じろという要求もある程度のミスリードとなった。しかし偶然がいくつも重なれば、それは偶然ではなくなる。
    主催者:私がシェリン教授の学識や観点を尊敬していて、彼の研究を続けているという可能性もあるだろう?
    Mr.リーズニング:(シェリン教授の学説はもう受け継がれていない。なぜなら……)

    証言:絶たれた伝承
    シェリン教授の教え子は全員海難事故で命を落とした。
    シェリン教授の子供も当時はまだ幼かったらしい。

    Mr.リーズニング:25年前、シェリン教授とその生徒は皆、海で命を落とした。学会は今でもその学説が途絶えてしまったことを惜しんでいる。
    Mr.リーズニング:そしてシェリン教授の幼い息子が、唯一の親族として取り残された……幼すぎる年齢ゆえか、その後の報道ではあまり彼の情報が掲載されていなかった。25年が経過した今、その子供が無事に成長したなら、ちょうど主催者さんくらいの年齢だろう。
    主催者:学業を終えてから正式に研究を始める時間は誰でも似たようなものだ。これらの推測は全て年齢だけに基づいているのか?
    Mr.リーズニング:もちろん違う。君の趣味や行動が25年前のリーダー、シェリン教授ととても似ていること、25年前のイセムバード号をこうして再現できるほどの資料を持っていたこと、そして製図士さんに海図の残りを提供し、完璧に復元させることすらできたことーー
    Mr.リーズニング:本来であれば、事故と無関係の人間がこんな内部資料を手に入れるのは極めて困難だったはずだ。なぜなら……

    研究成果秘密保持契約書.jpg証拠品:研究成果秘密保持契約書
    依頼人ワーシントン氏を始めとする研究者たちは、ブラウンリー教授が起案した秘密保持契約書に署名した。

    Mr.リーズニング:当時の生還者は全員、ブラウンリー教授と秘密保持契約書を締結していた。だから資料も情報もほとんど残されていない。主催者さんが持っていた資料は、製図士さんが持っていたものとは方向性が異なるが全く不備はなく、各客室の具体的な配置まで細かく記されていた。
    Mr.リーズニング:これだけなら、主催者さんが外部に公開されていない秘密の資料を偶然見つけたと説明することもできる。だが、その胸元にあるクラゲの形のブローチを見た時にふと思った。それはシェリン教授が大切にしていた、一族の伝承を意味するネックレスを改造したものではないのかと。
    主催者:ああ、確かにあのネックレスはシェリン教授に大切にされていた。だから学界にも印象に残っていた学者がたくさんいて、私は彼らに話を聞き、似た形の装飾品を模造しただけだ。
    Mr.リーズニング:ならそのブローチの裏を見せてもらえるか?
    主催者:何があると言うんだ?
    Mr.リーズニング:ちょっとした推測だ。シェリン教授のクラゲのペンダントには、特殊な痕跡が残っていたはず……

    証言:修復されたペンダント
    シェリン教授のペンダントには修復された痕跡があり、繋ぎ目が残されている。

    Mr.リーズニング:25年前、機関士さんの友人……マーティンという名の船乗りは、シェリン教授の恩に報いるために、友人から教わった方法で折れてしまったペンダントの先端を直そうとしたらしい。
    Mr.リーズニング:機関士さんが彼に教えたその方法は、金属の断裂部分が元に戻せるが、接合部に小さな痕が残るというものだった。心優しいマーティンさんはきっと、接合部を一番目立たない裏に選んだはず。
    Mr.リーズニング:この方法を知っているのは、機関士さんとその友人だけだ。あとからシェリン教授のペンダントをモデルに模造品を作ったのなら、そこまで再現するのはあり得ない。
    Mr.リーズニング:(これは賭けだ……もし主催者さんが本当にシェリン教授の息子で、この装飾を見につけているということは、それが彼にとっても同じく伝承の意味を持つものであることを示す……これまでに彼が見せた矜持を見る限り、偽りの模造品を作ることはしないはずだ)
    主催者:……確認の必要はない。

真相と航路

正しい航路はまだ霧の中だが……私に彼を説得できるだろうか?


  • 1.甲板
    主催者:まさか最初にそれに気づいたのが製図士さんではなく、あなただったとは。
    Mr.リーズニング:機関士さんが持ち込んだ資料を私に見せた時から、こうなることは想定できただろう。彼は友人のために真相を探るべく、かなり周到に資料を集めていた。
    主催者:「他人が過去に犯した罪のために自分の手まで汚すな」と言ってきた理由はそれか?オーケアノスで起こったのは不幸な海難事故だけだ。推理に長けたコレクターさん、興味があるんだが、なぜあなたは私にああ言ったのだ?
    Mr.リーズニング:(ブラウンリー教授の物語に登場した全員の身分が明らかになった。ここ数日手に入れた資料と照らし合わせてみれば、確かに25年前の死と時によって封じられた……物語に隠された真相を読み解くことができる)
    Mr.リーズニング:(主催者さんの動揺を狙えるなら……)
    Mr.リーズニング:あれが本当に単なる海難事故だったのなら、話は違っただろう。しかし、海は無暗に不幸の宣告を下さない。25年前にイセムバード号がオーケアノスで沈没し、ほぼ全員が海の藻屑となったのは、謎の超自然生物のせいでも、嵐や波のせいでもなかった。チームの内部で……彼らに毒を盛った人物がいたからだ。
    Mr.リーズニング:製図士さんは本当にそれを知らず、父親の話を鵜呑みにしたのかもしれない。だが主催者さん、君は全てわかっていたはずだ。研究が始まった時から、君は当時の事件の核心が毒であることを示唆していた……

    証言:幻覚が生まれる法則性
    記者を観察したところ、彼女の幻覚は現実が元になった感覚の歪みである可能性が高い。

    Mr.リーズニング:これらの生体に含まれる微量の毒素が幻覚の原因だ。航海の初期ではほんのわずかしか摂取していなかったため、明確な体調不良には陥らなかった。せいぜい四肢の軽度な痺れや幻覚、幻聴などの症状が現れたくらいだ。しかしオーケアノスの特殊な生態環境によって、ここに住まう生物に蓄積された毒素も増えていった。
    Mr.リーズニング:ブラウンリー教授の供述は全て噓だったわけではない。不思議な怪物や叫び声は、横切った岩礁や波の音だったのかもしれない。
    Mr.リーズニング:シェリン教授は確かに優秀な海上ガイドだった。視界が霧に覆われ、ナビゲーション機器が故障した中でも、全員を連れてオーケアノスの中心を見つけたのだから。さらに、船上の人々に奇妙な症状が現れた原因まで分析していた。
    Mr.リーズニング:しかし、症状が出た者は全員研究の引き上げ作業に参加したメンバーで、シェリン教授は彼らが不注意に毒素を含む海洋生物に触れ、その過程で毒を摂取したのだろうと考えた。そのため、緊張が走る雰囲気の中、異常な行動を取っていたブラウンリー教授にすら気づけなかったのだ。
    主催者:だが第三者から見れば、ブラウンリー教授の手口には綻びも多い。そうだろう?
    Mr.リーズニング:……シェリン教授は自分が作業中に刺されたことがあったから、他人の中毒原因に対する判断を誤ったのかもしれない。それに、使用した注射器をそのまま他人の部屋に置くのも、擦り付けの手段としてはかなり単純と言える。
    君は25年前の真相を知っていた……ならばこうして同じ船を作り、同じ構成の研究チームで海に出て、再びオーケアノスを訪れたのは、まさか当時の惨劇を再現するためか?
    主催者:(両手を上げて拍手した)見事な推理だ、コレクターさん。
    主催者:今となってもここまではっきり思考をめぐらせることができ、それに見合う勇気を持ち合わせているとは……本当に驚いた。乗船前の身体検査で得たデータ通りなら、出航から今までの薬剤投与量を考えても、すでに他の参加者と同じように意識を失っているはずなのだがな。
    Mr.リーズニング:(……推理の途中でその件には気づいていた。今までにないほど思考が鈍くなっており、海風に運ばれた霧の湿気と潮の匂いがその感覚を増幅させているような気がする。気を抜けばすぐに気絶しそうだ)
    Mr.リーズニング:(小さな光が点滅する海面は渦を巻き起こし、ロープの下にある朧げな影はその束縛から逃れようと蠢いているように見えた。必死に変化し続ける光景から意識を引き離し、目の前の主催者との会話に集中しようとした)
    Mr.リーズニング:主催者さんには……過去の罪を裁くために、新たな罪を犯してほしくない。ここで製図士さんを殺すより、25年前の真相を公にする方がシェリン教授も喜ぶはずだ。
    主催者:あなたが心配しているようなことは起こらない。元々そんな自己満足のためにこの航海を計画したわけではない。新薬の被験者として、この精錬された毒素の効果は25年前のものよりもかなり改善されたと思わないか?
    主催者:製図士さんに関しては、もっと父親からの贈り物に感謝すべきだ。無論、あの海図だけではない。彼女自身もブラウンリー教授の研究の代表作と言える。
    主催者:昨夜の耐性テストには少し問題があったが、これからも彼女は引き続き私の力となってくれるだろう。あなたに至っては……「探偵」さん、楽しい推理はここまでだ。
    Mr.リーズニング:主催者さん、君が探し求めていたクラゲは25年前に研究チームが到達した終着点、オーケアノスの中心にあるのだろう?本当にそれを見つけたいのなら、これ以上製図士さんに手を出さないほうが良い。
    Mr.リーズニング:今の海図は間違っている。この船は制御不能の未知の航路へと向かっているんだ。君にはまだ……この船にはまだ、彼女が必要だ。
    主催者:イセムバード号が方法を変えたことすら推理できたのなら、物語の結末を読むのも容易いのでは?
    主催者:不幸にも、製図士さんが持っていた海図には少々誤差があったようだが……それはすでに修正済みだ。
    Mr.リーズニング:(不幸と言いつつも微笑みを浮かべる彼の姿を見る限り……最初から製図士さんが本物の海図を完成させないよう図ったのだろう)
    Mr.リーズニング:(製図士さんは確かにそれに気づけなかった。彼女は自分の知る全ての情報を頼りに、全身全霊を込めて完全な海図を描き上げた。だが時に、そんな偶然が……)
    Mr.リーズニング:海図にあった間違いは、それだけではない。

    復元された海図.jpg証拠品:復元された海図
    主催者の協力と、製図士自身の調査結果をもとに再現された25年前の海図。

    Mr.リーズニング:主催者さんは、製図士さんが話していた奇妙な生物やその伝説を詳しく聞いたことはないだろう。航路が見やすいよう、製図士さんは海図から生物のイメージを取り除いていたが、彼女はそれらの存在を信じていた。
    Mr.リーズニング:その存在を信じていた製図士さんは、当然新しい地図を描いた時も、その物語の地形を父が残した海図に取り入れたはずだ。
    Mr.リーズニング:彼女は決して嘘をついていない。新しいイセムバード号が想像上の……オーケアノスの中心に向かえるよう、自分が思う最も完全な海図に補完した。
    Mr.リーズニング:だから製図師さんが提供した海図は、路線も地形も全て間違っている。最初の海図に何を描き込んだのかを知っているのは……彼女だけだ……
    Mr.リーズニング:(眩暈がひどくなり、私は欄干を掴んで身体を支えようとしたがあまり意味を成さなかった。薄れゆく意識の中で必死に最後まで言葉を紡ぎ……主催者さんを止める切り札になってくれればと切に願った)
    Mr.リーズニング:「ガイド」がいない状態では、オーケアノスの中心までどれくらいかかるのか知る者もいない。帰ろうとしても……唯一安全だと証明された、ブラウンリー教授が帰還に使った航路も、製図士さんしか……
    Mr.リーズニング:(単語を口にするのがこれほど難しいと思ったことはなかった。自分が最後まで喋れたのかすら分からないまま……私は身体と意識が深い闇の奥へと落ちていくのを感じた)

    地図

    地図.jpg

    キャラ紹介

    • 主催者
      幽霊船の帆.png
      • 1. 25年前の遭難船を作り直した謎の主催者。
      • 2. 貴族らしき青年。今回の航海イベントの責任者で、これまで公の場に姿を現したことはない。
      • 3. 主催者は25年前の航海プロジェクトをこの船で再現しようと、25年前の乗客の身分に近い参加者を選出していた。
      • 4. 熟練した実験技術を持っているようで、船では科学者の役割を担っている。
      • 5. 主催者はクラゲのサンプルの処理にかなり慣れている。
      • 6. 主催者は徐々に疲労感や無気力を見せるようになった。
      • 7. 製図士さんに手を出した犯人。25年前に研究チームが向かった終着点の精確な座標を手に入れようとしていた。

    • 標本士
      プリザーブドフラワー.png
      • 1. 標本士さんは今回の航海の船医も兼任している。
      • 2. 標本士さんは超自然的な噂に否定的な態度を取っている。
      • 3. 標本士さんは徐々に愉悦と、この雰囲気を楽しむような素振りを見せた。他のメンバーとは全く異なる反応だ。

    • 製図士【被害者】
      メルカトル図法.png
      • 1. 神秘主義者の製図士は、海の超自然伝説に興味を抱いている。
      • 2. 乗船した目的は、自分の父親が体験した異常現象が本当の出来事だったと証明するため。
      • 3. 製図士と標本士は性格も意見も真逆なため、相性がとてつもなく悪い。
      • 4. 製図士は医師を嫌っており、人体に医療器具を使うことが野蛮な冒涜行為だと思っている。
      • 5. 製図士は父親から海図の半分しか受け取っていない。
      • 6. 製図士は船上で異様な興奮、活動量の増加、睡眠障害などの反応を見せている。

    • 操舵手
      操縦室.png
      • 1. 大柄な操舵手。上位の役職で、乗組員たちの管理権限を持っている。

    • 接待係
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      • 1. 鮮やかに着飾ったウェイトレス。船での飲食物は全て彼女が手配している。

    • 気象学者
      海霧観測.png
      • 1. 船上科学者の1人。厳格な印象を人に与える。海の気候関連の研究テーマに注目しているようだ。
      • 2. 航行中に嵐が訪れる可能性を否定し、超自然的な伝説など話題にする価値すらないと考えている。
      • 3. 気象学者は乗船後、25年前と今を混同するようになった。

    • 機関士
      霧中のパトロール.png
      • 1. 口数が少なく、大柄な体格を持つ。長期的な肉体労働に慣れている。
      • 2. 日常的な見回りと同時に、機関室の点検も担当している。
      • 3. 機関士は機械設計の知識がある程度備わっている。
      • 4. 25年前の海難事故で遭難した友人の死の真相を知るために乗船した。

    • 音声学者
      反響定位.png
      • 1. 船上科学者の1人。音波に関する研究テーマに注目しているようだ。

    • 報道記者
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      • 1. 記者として乗船し、海洋生物にも少し興味を持っているらしい。
      • 2. 25年前の心霊事件に強い興味を示している。
      • 3. 唐突に窓の外の海鳥を人影に見間違えた。
      • 4. 記者は徐々に感覚に鈍り、意識障害の症状を見せた。

    • ブラウンリー教授
      不明.png
      • 1. 25年前の沈没事故から生還した海洋生物学者。
      • 2. 沈没事故が心霊現象によるものだと他の生還者たちと共に断言していた。
      • 3. ブラウンリー教授は12年前に行方不明になった。
      • 4. ブラウンリー教授はその手帳の中で、25年前の乗客に異なるコードネームを付けていた。
      • 5. 研究プロジェクトの秘密保持契約書を締結し、何らかの発見を隠蔽しようとしていたようだ。
      • 6. 研究チームの責任者として、著名コレクターと提携した。

    • 事件の依頼人
      不明.png
      • 1. 25年前の沈没事故の生還者。沈没船の呪いを恐れて依頼を出した。
      • 2. ブラウンリー教授が公開した超自然体験が、自身の記憶と異なっていると主張している。
      • 3. 当時の研究プロジェクトの中心人物ではない。

    • コレクター
      不明.png
      • 1. 私と歳が近い、コレクションと自然研究に夢中なコレクター。乗船するまでの偽りの身分として何者かに提供された。
      • 2. バンクス氏は生物学と分類学の知識を豊富に持っている。

    • シェリン教授
      不明.png
      • 1. 研究チームのもう1人の中心人物。研究プロジェクトの進捗により注目している。
      • 2. シェリン教授は青いクラゲのペンダントを持っていた。自分の一族を記念するものらしい。

コメント

  • マクロシスチスの画像が違うものになってる気がします。 -- 写真家さん推し? 2024-04-29 (月) 02:12:18
    • ありがとうございます、修正しました! -- 管理人? 2024-04-29 (月) 07:24:39
  • 気象学者の台詞(酒を渡す前)に「天候も人も変化するものです。ですが、自身の憶測や欲求に応じて事実 を捻じ曲げる人間と比べれば、空のほうが断然素直ですね。」というものを確認しましたのでお伝えします。 -- 自賠責逃げ切りぽぽち? 2024-04-29 (月) 00:35:33
    • ありがとうございます、追加しました! -- 管理人? 2024-04-29 (月) 07:24:56