No208 マサチューセッツ/元ネタ解説

• マサチューセッツはアメリカ海軍が建造したサウスダコタ級戦艦の3番艦。
  就役後には大西洋戦線に、その後太平洋戦線に展開して各地でその力をふるい、戦後マサチューセッツ州にて博物館船として保存されている。

• マサチューセッツは1939年7月に起工、41年9月に進水、42年5月に就役した。
  就役から5か月ほどを慣熟訓練に費やし、その後北アフリカ侵攻作戦である「トーチ作戦」の作戦部隊に編成された。
  重巡ウィチタやタスカルーサを自身の麾下におき、いち任務部隊の旗艦として大西洋を渡った。
  マサチューセッツは1942年11月8日のカサブランカ沖海戦に参加し、ヴィシー・フランスに属した戦艦ジャン・バールをはじめとした現地戦力を無力化する任務を負った。
  未完成艦とはいえ砲撃してきたジャン・バールの主砲を命中弾5で無力化することに成功し、ついには海戦が始まってから3日後の11月11日にフランス側が停戦に合意した。
  こうして大西洋戦線が一段落したことで、マサチューセッツは太平洋戦線への転戦の準備が始められた。
• 1943年3月にニューカレドニアのヌーメアに到着してからは、ギルバート諸島マキン、タラワ、アベママを攻撃した空母群の護衛にあたりつつ砲撃支援を行った。
  その後も1944年5月まで中部太平洋の諸地域にて盛んに砲撃支援任務につき、オーバーホールのため一旦本国に戻る。
  これまでの過酷な使用で主砲砲身内部が摩耗していたことからオーバーホール期間も長期化し、同年6月のマリアナ沖海戦には参加できなかった。
  改修が終わったのは8月、戦線復帰したのは10月であった。
• 1944年10月23日から26日にかけてのレイテ沖海戦では、空母レキシントン(CV-16)・エセックス、戦艦サウスダコタをはじめとした任務部隊に属し、日本軍を迎え撃とうとした。
  途中で戦艦部隊と空母部隊とに再編し、戦艦部隊で日本艦隊に突撃を図る機会があったものの、結果として取り逃がしてしまった。
  レイテ沖海戦以降、マサチューセッツは台湾や沖縄への攻撃に参加したほか、日本本土(釜石と浜松)を砲撃した。
• 戦争が終わると、マサチューセッツは日本の降伏文書調印式典も待たずに本国へとオーバーホールのため向かった。
  そのまま大西洋側へ場所を移すと、大西洋艦隊予備役艦隊入りする。
  現役復帰を目したいくつかの改装計画も実現することはなく、その後1962年6月1日に除籍された。
• 当初はサウスダコタ級戦艦は4隻ともスクラップとなる予定であったが、マサチューセッツ記念委員会の管理に移され、マサチューセッツは博物館船として保存されることとなった(ほかにはアラバマも保存された)。
  1965年8月14日にマサチューセッツ州フォール・リバーにあるバトルシップ・コーヴに係留され、モニュメントとしてとして現在も公開されている。