聖遺物/物語/2

Last-modified: 2024-04-03 (水) 10:39:58

武器片手剣 | 両手剣 | 長柄武器 | 法器 | || 武器/物語
聖遺物聖遺物/セット効果 | 聖遺物(バッグ) || 聖遺物/物語


物語:キャラ/ア-カ | キャラ/サ-ナ | キャラ/ハ-マ | キャラ/ヤ-ワ || 武器物語 || 聖遺物/☆5~4 | 聖遺物/☆4~3以下 || 外観物語
図鑑:生物誌/敵と魔物 | 生物誌/野生生物 | 地理誌 | 書籍 | 書籍(本文) | 物産誌


聖遺物/物語(☆5~4)

☆4~3

旅人の心

詳細

故人の心
藍色の小花、花茎に誰かのリボンがついている。

旅をしてきた旅人は、その花を胸の場所に飾った。

自由に生きるため、旅人は故郷の贅沢な生活を捨てた。
異邦の甘美な湖で、彼は顔が曇った少女に会えた。

「旅人か…いいだろう、誰でも」
「楽師?じゃ、その美しい言葉と音楽で私を侮辱しないで」
「ただ、私を覚えてほしい、今の私を」
「『祭り』の生贄として捧げられる前の私を」

故郷を捨てた旅人は、その花を胸の場所に飾った。
自分以外にはだれも愛せなかったから、すべて捨てることができた。
そんな彼だったが、約束通りに少女を覚えて、自分を危険に晒した…


帰郷の羽
青い矢羽、その中に旅人の消えていった眷恋が宿っている。

希望は強権に引裂かれ、再会の約束は水の泡に変わった。
天地を流浪する旅人は、もう一度帰る場所を失った。

邪悪な笑顔が愛しい人を奪い、
終わりなき争いが心を滅ぼした。
優しい旋律も、楽しい旋律も、
すべて耳障りな音に変わった。

旧き友のために、最愛の人のために、二度と酒を交わすことができない杯のために。
自由のために、生命のために、笑顔を奪わら*れた彼女のために。
旅人は最後の弦を響き、最後の矢を放ちた*。

その命がだんだん異国の大地に沁みる時、旅人は空を仰いだ。
そうだ、この地の空も、故郷の空と繋いでいたんだ…


遂行の石
世の移り変わりを経験してきた日時計、永遠に静かに時の循環を記録している。

運命を追っていた旅人は、消えない光陰を追っていた。
貴族に向き合う楽団も、歴史の流れに永遠に消え去った。

長い旅の途中で、どんな時計でも機能を失う。
永遠に回り続けるのは、月日の光に頼る日時計のみ。
形のない時間を捕むため、旅人は光と競争した。

貴族たちの華麗な屋敷も、暴政を敷くために家を失った楽団も、
同じ姿で時間の流れに挟まれ、幻滅へと落ちた。

月のない夜に、闇の影が異邦人の疲れた顔を映した。
「矢のような曲も尽きようとし、美しい合奏は終わりに近寄る」
「広場の冷たい高塔が倒れる時、あなたの笑顔を見てみたい」


異国の杯
素朴な白い磁器の酒盃、かつては歓喜のお酒に満ちていた。

琴には四つの弦がある。
「楽団」の仲間たちと呑み交わした日々が、旅の中で一番楽しい時だったでしょう。
初めは「指揮」と出会った。そして見えない運命の弦が、
剣を笛にする少女をと、あの「クロイツリード」を旅人の前に連れてきた。

笑い声が止まらない酒場で、琴師は偶然にであった少女を歌と舞に変えて仲間に紹介した。
ほろ酔いの旅人は琴を撫でて歌った。

彼らがいて、もう二度と独りの旅をしなくてもいい…
このまま彼らと、旅の終点まで行こう。


別離の冠
春の気配が漂う柳の冠。

立ち去る旅人は、柳の冠を最後の記念として、
風と蒲公英とともに無くなった恋人を記念した。

旅人は大陸を流浪する琴師、酒の国の少女はお金持ちの虜だった。
何らかの理由で、流浪人の琴声にはその心が溢れてきた。

「僕が惚れたのは…君の笑顔」
「君にであった以来、見たことがない」
「僕がその鎖をちぎってやる」
「その時は、また笑顔を見せてくれ」

「ええ、ありがとう。上手くいけばいいなぁ。」
きれいごとだろう、歌い手の言葉なんか信じられるもんか…

奇跡

詳細

奇跡の花
岩石の中に生えた花。光を求める花は、硬い岩壁でも引き裂く。

古くて壊れた石碑の隙間から咲いた、小さくて青い花。
壊れた石碑は死の歴史を背負うが、その隙間から生という奇跡の花が咲いた。


奇跡の羽
素早いスピードを持つ猛禽の羽根、あの奇跡のような一撃は肉眼では捕捉しきれないものである。

風と同じ速さを持つ猛禽、存在自体は奇跡そのもの。
鋭い視覚と爪を授かって、
幅広い翼を駆使し、高速滑翔を実現した。


奇跡の砂
普通の砂時計に見えるが、乾いた砂は水のように動く。

勝利は勝ち取るものだが、奇跡は起こるのを待つしかないとよく言われる。
しかし盤石が流砂によって砕かれたことは奇跡ではないか?
あなたと私の出会いも、一つの奇跡ではないか?


奇跡のコップ
占いの時に使うコップだが、水を入れることも可能だ。

星のように輝く真っ白な茶碗。
かつてこの茶碗で占いをする人がいた。
水面に星の海を映せると信じていた。


奇跡のピアス
安いアクセサリーだが、遠古時代の隕石から取った不思議な金属でできたもの。

安価なイヤリング。星のような光沢のある金属を削って作られたもの。
太古の時代に大地に落ちてきた星であり、それ故に輝いているということを商人は知らなかった。

狂戦士

詳細

狂戦士の薔薇
赤く染まった綺麗な花、狂戦士の気質と微妙に釣り合う。

狂う前のとある戦士は、バラの庭園によく行っていた。
彼に家族や愛する人、親友はいなかった。
戦闘がない時は、戦士は心を込めて、これらの花の手入れをしていた。
彼にとって、血紅の花は唯一の温もりであった。


狂戦士の羽根
伝説の死を告げる鳥の勝色の尾羽、今は一部が赤く染まっている。

神々と人間の混戦中、戦火は戦士の故郷に及んだ。
バラの庭園が火の海となり、死を予告する鳥は同胞の死体を啄んだ。
烈火から蘇った戦士は復讐と殺戮の欲望に溺れた。
戦場に飛び散った黒い羽も復讐者の狂熱に赤く染められた。


狂戦士の時計
永遠に無情に流れ続ける砂時計。狂戦士に戦場にいられる時間と余命の時間を教える。

負け知らずの狂戦士にもいつか死を迎える日が訪れる。
足元の血の海が乾き、疲れの果てに辿り着いた場所で、
彼は最後の敵と出会った。運命の幕が下りる時は来た。
夕暮れの下で、血の匂いが漂った戦場で、彼の砂時計が赤く染まった。


狂戦士のコップ
ある種の巨大獣の骨でできたコップ。ある死闘の後の獲物。

血を渇望した狂戦士は大地を荒らし、人類や魔神と戦った後、魔神にまで怒りの刃を向けた。
余燼が漂う荒蕪(こうぶ)地で流浪の狂戦士は巨大な魔神に遭遇した。
冷酷無比な鉄仮面が怒りの炎を抑えられず、狂戦士と魔獣の死闘が始まった。
途方もない時間が過ぎ去った。魔獣は力尽きて倒れた。
魔物の折れた角の骨髄が全部吸い取られた。これは勝者への美酒である。


狂戦士の仮面
生死を問わない激戦で、半分に割れた怖気の鉄仮面。

故郷を呑噬(どんぜい)した烈火によって、発狂した戦士は美しい顔を失った。
鉄仮面が肉にくっついて、冷酷な顔になった。
生死を度外視した戦いの中で、怖い鉄仮面は敵に真っ二つに切られた。
鉄仮面にくっついた人肉も切り裂かれた。
しかし、痛みと流血では狂戦士の足を止めることはできない。
狂戦士は叫び続けた。彼の顔が赤い鮮血と黒い血に染まるまで。

教官

詳細

教官の花飾り
胸にこの花を付ける時は、今日は訓練しないという意味だ。

士官学校の学生は皆分かっている。あの厳粛な先生はいつも笑わない。
しかし、週に1日か2日だけ、彼は機嫌良さそうに黄色い花を胸につける。
教官の口角が上がる時は、学生も皆ほっとする。
胸につけた黄色の花は休日の象徴であり、帰郷の象徴でもある。
やんちゃな学生と離れて、教官は静寂の墓地を訪れた。
静寂な時間を過ごして、教官はそのよく知る墓碑に静かな敬意を示した。


教官の羽飾り
攻撃の力量を無にすることが得意な教官は、風で羽飾りが吹き飛ばされるようなことは発生させない。

冷酷な教官も戦争を経験した。残酷な戦場で戦闘のスキルを磨いた。
退屈な訓練の中で、彼が学生に教えたのは攻めと守りだけでなく、
若くして戦場で早死にしないための生存の道でもあった。
教官は正確できちんとした手本を見せ、戦場の先輩への想いと敬意を表した。
今日という日を見れなかった戦友のお陰で、彼はそんな貴重な経験を手に入れた。


教官の懐中時計
正しい時間の確認に使えない懐中時計だが、訓練の時間なら測ることができる。

教官のコレクションの懐中時計である。士官学校が配った時計ではない。
教官がまだ一般兵士の頃、この懐中時計は突撃を象徴するものであった。
懐中時計は勝利と挫折を予告したり、戦死のカウントダウンを始めたりしていた。
今の学生にとって、これは新兵の成長を記念するものである。


教官のティーカップ
普通のティーカップだが、生徒からするとそれは教官の権力を象徴するものである。

士官学校で勉強する学生にとって、「自由訓練」は自由とは言えない。
学生は練兵場で汗をかいているのに、教官は現場監督のようにのんびりしている。
紅茶を淹れ、そこに大量の角砂糖を浮かべるのが、教官の午後の至福のひととき。
毎日のこののんびりさは、教官の権力の象徴である。


教官の帽子
制式化された教官帽子。昇級を拒んだ軍官のみが得られる栄誉。

「俺には兵隊を指揮する能力がない」
「兵士以外にできる仕事もない」
「だから俺にこの新兵たちの教官をやらせよ」
「戦場で1分でも長く生き延びて欲しいからだ」

亡命者

詳細

亡命者の花
薄暗い花、たとえ亡命の身になっても手放すことはないから、きっとなにか意味はあるのであろう。

あれは追放された貴族がまだ事件に巻き込まれていなかった時のこと、
一族がまだ陰謀の気に包まれていなかったときに咲いた花。
歳を取った追放者は世界の残酷さを体験してきた。彼はもう過去の温もりを忘れた。
だが、この一輪の花と幼かった頃の笑顔は彼が守りたい思い出であった。


亡命者の羽根
装飾物ではなく、亡命の旅の途中で偶然手に入れた羽根である。

追放者は平原と森を通過して、ひとりで無人の野原を歩いていた。
灰色の重い雲の下で、一枚の紺碧の羽根が彼の肩に舞い降りた。
この羽根は猛禽から逃げようとした鳥のものであった。追放者のように。
この手紙は巣を持たない自由な鳥のものであった。追放者のように。


亡命者の懐中時計
水晶でできた風防は砕け、針も全部なくなったが。それでも捨てられない。

ある日、幼い貴族は一個の懐中時計をもらった。
この精巧なものはカチカチと鳴って、追放者の幼少期を記録した。
そんな何の悩みもない日々が突然終わり、
彼は長い追放の旅に出なければならなかった。


亡命者のコップ
薄暗い重金属でできたコップ。外側には宝石の装飾があったが、今はもうなくなった。

追放された貴族が持っていた家宝の銀盃、盃の外側には一族の微章が刻まれていた。
追放者が一族の顔に泥を塗った後、この自慢の微章は外される。
今、その朽ちた盃には水も入れられない。
だが追放者は最期の時まで、この盃を持ち続けていた。


亡命者の冠
高貴だった冠。本来高貴な身分が廃却されたように、身分を象徴する部分が刀によって壊された。

追放者は貴族の末裔であった。幼い頃の彼は何の悩みもなく白銀で作られた宮殿を自由に出入りしていた。
遠い時代、父の上の冠は尊厳と高貴の象徴であった。
数年後、血縁同士の間で争いが起こる。緋色の霧に覆われ、崩れた宮殿は血の海に沈んだ。
この不名誉な冠は追放者の罪証となって、共に追放の旅に出た。

守護の心

詳細

守護の花
守護者が大事にしていた菖蒲。しかし愛しい人に贈る日を迎えられなかった。

少女の軽快な歌声だけが、
守護者をすっきりさせた。

彼らの話しはすごく短い。
最後に、騎士は血を流し尽くし、
少女の涙と歌は枯れた。


守護の印
ある人の「堅い盾になりたい」という意志を象徴する羽根型の安全ピン。

羽形のブローチに刻んだ盾の紋章が月の下で光っていた。
それは賊をぞっとさせる光でもあった。

守護者には非常に気高い騎士の名をもっていた。
けれど夜には、その紋章と顔をマントの下に隠した。
こうすると、彼の束縛を受けずに、
騎士としてはできないことを成すことができるようになった。


守護の置き時計
時間を示す道具。月のない暗い夜に唯一時間を教えてくれるもの。

時計針の音、燭光、案件の巻、
月の下の人影、剣と黒いマント、
これらすべて守護者が傍にするものであった。
しかし何をしても、彼にとって時間は短く感じるだけだった。
朗らかな上司は彼の無口とつまらなさを笑った。

守護者に過去なんてない。彼が目にするのは現在と未来のみ。
彼の目下には、どんなてを使って悪を追い払って、
親友と、上司が愛する地の平和を守ることしかない。

彼が世界のこと忘れるのは、
昼の広場で少女を見つめる時だけだった。

自分にも「未来」なんてあるのか…


守護の瓶
金属の容器。長い夜の孤独を解消してくれるある液体が入れられる。

非常に普通な古びた金属酒壺。
強いてその特徴を言えば、
酒の匂いがついたことがない点だ。

「お前も、偶には飲んだらどうだ」
長年守護者の親友である上司が言った。
「リラックスして、酔った勢いで歌おう」
「それで、明日に向き合う勇気が出るんだ」


守護の帯
夜色に染まった藍色の織物。緊急時に包帯として使える。

永遠に二手を準備する――
このコードに従ってつけた髪結びは、
時に止血用の包帯になる。

このコードに従って、自分の剣法を親友の手下に教えた。
このコードに従って、正義に執着する白き騎士を育てた。
このコードに従って、惡の華を咲かすかもしれない苗を殺した。

準備万端ならば、
いつか自分がこの地を守ることができなくても、
親友を、歌が上手だった少女を守ることができなくても…

勇士の心

詳細

勇士の勲章
胸元につける素朴な小花、冒険の後に入手した記念品である。

小さい勇者は夜に乗じて家を出て友と狼の森に入った。
小さい弾弓でイノシシを追い払い、硬い枝で仮想の亡霊と戦った。
光る仙霊に従って森の深くに入り込んで、千年を超えた宝を探した。

「宝」というのはただの黄色い花。

疲れた勇者は寝室に戻って、子供の頃集めた冒険の証を探し出した。
数年前に隠した黄色い花を見て、勇者はびっくりした。花は少しの枯れ気味もなかった。
すべてが花のように、朽ちることがなければいいのに。


勇士の期待
明るいスズメの羽根。小さな勇気をもたらしてくれる。

泣き虫の友を慰めるために、小さい勇者は飛鳥の羽を彼にくれた。
冒険の証や宝探しの成果として、友に勇気を与えた。

それから其の一人は「獅子」の名を負って、
騎士を率いる無冠の王になり、
もう一人は「狼」の名を負って、
かつての友、今のリーダーを補佐した。

社会が不安定な時代、その二人は剣とナイフのように故郷を、お互いを守った。
しかしそれも昔のこと。
無数の物語は禍災に失った。


勇士の毅然
古くて小さな砂時計、実用性がない。時の流れのように不思議である。

真っ黒い呪いが湧きこんで、災いが大地に侵入した時。
遠征の騎士は恐怖に立ち向かい、北地の氷川のように故郷を守った。

剣身は鉄光を光って、黒い血が雨のように流れた。

勇者はやっと帰郷する。けれど友はもういない。
変わらないのは、昔にもらった小さい砂時計。


勇士の壮行
雑な木製の容器、中には思い出がたくさんある。

若き勇者は初めての勝利を味わった。
親友たちの歓呼の中、喜びと茫然の盃を交わした。

数年後の災いが訪れる時、彼は騎士を率いて故郷のために戦った。
出征前、彼は副官となった幼馴染と一杯交わした。

「あなたが戻ってこなくても、僕は泣かないぞ」
「今のように、あなたのために一杯飲んでやる。」


勇士の冠
粗雑に編まれた草の冠。一部の人にとって、この冠は金の冠ように*貴重だろう。

小さい勇者は森に深入り、抗う旅に出た。
そして彼の友は貴族のチャンピオン騎士役を演じた。

「獅子のように戦場を歩け、千年前のあの人のように」
「剣を詩に紡いで未来の少年少女に捧げよう」

二人は偽物の大剣と枝でぶつかり合い、決闘を始めた――
最後に勝利を得たのは抗いの勇者、彼は貴族の冠を手にした。

時が経って、その野花と雑草で編むられた*冠は、
騎士を指揮する権力よりも貴重なものになった。

武人

詳細

武人の赤い花
武芸を習う者は花を好まないが、この痛みを麻痺させる赤い花だけは別だ。

天賦の才があると師匠に認められて以来、武人はサボらず、日々稽古を行っていた。
武を極める道は決して簡単ではなく、怪我はつきものであった。そしてついに彼は大怪我をした。
他人に勧められて、彼は山で一本の赤い花を採った。
栄光である傷を縫合することはできなかったが、痛みを緩和することはできた。


武人の羽飾り
どこにもある鳥の羽根、熟練者はそれを鍛錬に使い、初心者はそれに扇子の素材に使う。

武芸に長けた強い武人は空を飛んでいる鳥からこの羽根を取った。
武芸の真髄は力と勢いだけでなく、
長年かけて培った機敏さも武人の誇りである。
自身の人並み以上の武芸を誇示するために、武人はこの羽根を胸につけていた。


武人の水時計
忍耐力の鍛錬時に使う道具、砂時計より安定している。

武人が腰につけていた水時計。
水流の衝撃を耐えた時、杭に立つ修行をした時、
すべての試練の苦痛を背負った時、
この時計はその一秒一秒を記録していた。


武人の酒器
繊細な作りをした金属の杯、武人が出陣する前に使う儀式の道具でしかない。

武人はいつも美酒を飲んでから試合に出る。
誇り高く強い相手に、武人は距離を空けたまま、盃を持ち上げて乾杯する。
明鏡止水の心になり、敬意を持って強情な相手と勝負する。
これこそが試合前の乾杯儀式の本意であり、決して勝利や栄辱のためではない。


武人のバンダナ
武人としての基本は精・気・神。バンダナをつけて、この三文字を忘れないようにする。

武人がかつて使っていた赤い頭巾、今になって少し色褪せた。
幼い頃入門した時の証であり、当時の彼の志を刻んでいる。
早朝、最初の鳥のさえずりが響く頃、若い武人は既に汗だくで森の中で稽古していた。
数年後、もう若くない武人は教官になったが、その勤勉さはずっと変わらなかった。

博徒

詳細

博徒の花飾り
大きくて華麗な花。事前に用意したサイコロを隠すことができる。

ギャンブルを愛する者は自らの富を自慢することをこよなく好む、たとえ無一文と金持ちを行ったり来たりしていても。
彼女は華麗な異国の花で耳を飾り、照明の下で皆の視線を集めた。
でも誰も知らない。事前に用意したサイコロがこの花に隠されていることを。
九死の場面に立った時、彼女は手品師のような手つきで花からそれを取り出し、
観衆の目がある中、密かに交換して勝機を作り出すのだ。


博徒の羽飾り
大型鳥の羽根、運命を変えられるカードを隠すことができる。

ギャンブルを愛する者の帽子には、いつも派手な羽根飾りがついている。本物の貴族はこのような俗悪なものを嫌悪した。
しかし自惚れた貴族は、帽子のデザインにしか目がいかない。その大きな羽根に隠された秘密にも気付かずに。
勝負を決する賭けの終盤、博徒は盗人のような神の手つきで事前に用意したサイコロを取り出す。
先ほどまで偉そうに見下していた表情が、一瞬で凍りついた。


博徒の懐中時計
壊れた懐中時計、かつて致命的な攻撃から持ち主を救ったことがある。

ギャンブルを愛する者にとって、機会を見極める技術は重要である。でなければ、手の込んだトリックでさえ簡単に見破られてしまう。
だから、彼女はいつも金色の懐中時計を胸ポケットに隠していた。
数多の勝負の中で、いつの日かこの懐中時計が、時間に鋭敏な彼女の命を救うだろう。


博徒のツボ
特製品。単一用途の容器だが、詐欺用のからくりはない。

ギャンブルを愛する者は迷信深く、オーダーメイドのダイスカップをよく愛用する。
これは彼女のダイスカップである。中に細工は一切ない。
博徒は運の半分を天に任せて、もう半分を自分で決める。
ギャンブル以外の世界の出目は知らない。


博徒のピアス
この青のイヤリングをつけると冷静に状況とリスクを分析し、危機を避けられるようになる。

ギャンブルを愛する者は験担ぎに大きなアクセサリーを身に着けることがよくある。
青い宝石は、人の心を落ち着かせる色味を放つ。まるで晴れ渡る空と湖のように。
博徒たちはいつもピアスに人を冷静にさせる秘薬を塗る、だからギャンブルの時でも冷静さを失わない。
生死に関わる勝負事において、冷静さとは勝率に直結するものだから。

学者

詳細

学者のしおり
しおりに使われた乾燥花、書籍の匂いがする。

象牙の塔にいる本に溺れた学士は、花を見ることが滅多になかった。
書斎にいる孤独感を癒すために、学士に憧れる少年は異国の花を持ってきた。
学士はこの気持ちを受け取って丁寧に扱った。花を乾燥させ、ドライフラワーにして本に挟んだ。
それ以来、山ほど積み重なった灰色の書籍の中に彩りができた。


学者の羽根ペン
ペンに作られたある鳥類の尾羽、根元は洗っても消えないほどの黒である。

学士の羽根ペン。異国の鳥の羽根を使用した。
長く使い続けた結果、荘厳な黒色に染まった。
ずっと使っていたこの黒い羽根ペンは
ベテランの戦士のように、彼女にとって一番使いやすい武器。


学者の時計
机に置くのに適した時計。研究に没頭する学者に時間を教える。

小さくて精巧な置き時計。落ちないように学士は置く場所を選んだ。
長年書籍に顔を埋めた学士にとって、時間は盲人が物を見るようだ。
この小さな置き時計は学問の苦難に陥った学士を導き、前方を照らしてくれた。
知恵は最後、この書斎に降臨する。学士が費やした時間は無駄にならないだろう。


学者のコップ
水を飲むための容器だったが、筆を洗う容器に使われたため、真っ黒に染まった。

学士のテーブルに置いてあったコップ。金メッキ仕様の薄い陶磁器である。
乱雑な部屋にそぐわず、高い社会階層の出身者であることが窺える。
しかし狐高な学士はこの美しいコップの使い道を無視し、羽根ペンを入れていた。
彼女はそれを筆先を洗う硯としても使っていた。黒い墨に染まってもそのまま放置した。


学者のレンズ
大量の読書によってダメージを受けた視力はこれがあれば問題ない。

学問は掛け金の高い賭博。一生を賭けても報われないことがある。
学士は数え切れないほどの記述、検索、計算と解明の中で半分の人生を過ごした。
また失敗と行き詰まりで大量の時間を無駄にした。
良かった視力も大量の閲読(えつどく)で低下した。
だが最後の答えに辿り着く日は遥かに遠い。

火祭りの人

詳細

火祭りの冠
大昔の時代の司祭が使用していた冠。長年火に焼かれていたため、不思議な耐性を持っている。

話しによると、
昔のある時代に、地上の人たちは空からの啓示が聞こえた。
神の使者が未開の人間の間を歩いて、永凍は解け、火が燃え始めた。

人間は繁栄を満喫し、すべてを空の啓示に任せた。
天上の使者は言う、世界は更なる光明へ進化すると。
これは既定の事実、未来にもあらゆる形式の変化は起きない。

この甘美な未来もいずれ終わりを迎う日がくるのだろうか…

天上の使者は答えない。すると、人たちは主祭を選び出した。
主祭に白枝で作った冠を被らせ、大地の底まで行かせた、
そして、地下の深くに埋められた祭場で、答えを探した…

水祭りの人

詳細

水祭りの冠
大昔の時代の司祭が使用していた冠。長年水に浸かっていたため、不思議な耐性を持っている。

話しによると、
昔のある時代に、地上の人たちは空からの啓示が聞こえた。
神の使者が未開の人間の間を歩いて、古き火は消され、雨が降り始めた。

人間は繁栄を満喫し、作物を収穫した。
この時の大地は空の祝福と管理を受け、元素の流れは秩序立っていた。
百年の豊作はすでに神聖たる計画に書かれており、一切の変化も許しない。

だけど、百年が過ぎて千年が過ぎたら?大地はだんだん枯れて行くのか?
祭場も、宮殿も土に埋められ、銀白の木しか隣に付き添わないのか…

天上の使者は答えない。すると、運命を知るために、
白枝で作った冠を被る主祭は、大地の底へ旅立った…

雷祭りの人

詳細

雷祭りの冠
大昔の時代の司祭が使用していた冠。長年雷鳴を傾聴していたため、不思議な耐性を持っている。

話しによると、
昔のある時代に、地上の人たちは空からの啓示が聞こえた。
神の使者が未開の人間の間を歩いて、河と海は枯れて、雷が降り始めた。

人間は流れ込む知恵を満喫し、知恵は繁栄をもたらした。
最後に、知恵は誇りと夢、そして質問の度胸をもたらした。

空の権威に質問を問う度胸、神々の庭に登る度胸を。
神に愛と繁栄、知恵を承諾されても、天上の使者は激怒した。
永遠への疑いは許されないことであった。
泥まみれの大地が天空を覗くことは、決して許されなかった――

白枝の冠を被る主祭は、使者の怒りを治めるため、
大地の底まで行き、古都の銀木に隠された知恵を探った…

氷祭りの人

詳細

氷祭りの冠
大昔の時代の司祭が使用していた冠。過去に寒さを味わっていたため、不思議な耐性を持っている。

話しによると、
歴代の主祭は生涯の末で同じ光景を見た。
秘境の中、無数の礼冠が枯木の下に積もっている。
その一つ一つに一生かけて守った秘密が隠されている。
毎代の主祭は退任すると、被っていた白き礼冠を世界に戻した。
かつて繁栄を誇った古都と祭場も、すべて深い大地に戻った。

すべての繁栄には終わりがある。
けれどそれが永遠ではないとは限らない。

循環の終点には、大地が再び春を迎える。だから、「永遠」は環の形だ。
「真相を探す」のは繁栄がもたらした知恵であるが、繁栄を生み出す種ではない。

話しによると、
昔のある時代に、地上の人たちは空からの啓示が聞こえた。
神の使者が未開の人間の間を歩いて、万物の気配は弱まり、大地が凍り始めた。

☆3~1

冒険者

詳細

冒険者の花
深き古都の絶境で手に入れた花、自慢の勲章として胸元につけられた。

星空と深淵を志した冒険者。
死地に咲いた花に冒険者の心は打たれた。一時的に遺跡の奥にある宝物のことすら忘れかけた。
少し戸惑った冒険者はこの一輪の花を取り、胸につけて暗闇の奥地へと向かった。


冒険者の羽根
異国の不思議な鳥から取った羽根、この大陸では非常に珍しい。

昔、冒険者は森に入り込み、見たことのない猛禽を追いかけた。
空を見ながら前に進んだら、木の根っこに足を取られた。
気がついた時、目の前に現れたのは「冒険をやめて」と命じた少女。
髪に幻の羽根がついていて、全ては夢のようだった。


冒険者の懐中時計
太陽が見えない深淵や失われた古都で探検する冒険者はよく時間を忘れてしまう。

冒険者の懐中時計。簡潔で素朴という冒険者協会の信条に基づいて、ベテランの時計職人に作ってもらった。
長年に渡る暗闇の旅の中で、カチカチという音が時間の存在を証明する唯一のものであった。
冒険者が仕方なく、好きだった冒険生活を諦めて、平凡な生活を過ごす道を選んだ今でも、
懐中時計は、人知れず陳列棚でカチカチと鳴って、次の冒険を待っている。


冒険者の金杯
冒険の戦利品だと思われる。欠けはあるが、それでも自慢できるものだ。

冒険者が水を飲むために使うボロボロな金盃。何処かの遺跡で発見した宝物らしい。
金盃の外側には古くてぼやけた紋様があり、暗くなった宝石が嵌められている。
天地と遺跡に棲む冒険生活を終えて、
古くてボロボロな金盃はモラに換金した。


冒険者のバンダナ
冒険時の汗と塵がたくさんついたバンダナは少し汚れているが、それでも冒険者の自慢である。

見た目はごく普通の緑のヘアバンド。材質は強靭で、吸水性と防塵性能に優れる。
このヘアバンドの所有者も普通の人間で、身体能力も一般的である。
しかしこの空の上にある星空と、地下にある真っ暗闇の深淵は、
この弱い人間が狩りに出かけるのを待っている。

幸運

詳細

幸運のクローバー
気ままに成長した四つ葉のクローバーは幸運の象徴である。

生まれつき強運を持つ子供。彼にはどんな奇跡でも訪れる。
あれは伝説の緑の四葉のクローバー、幸運を運ぶ貴重な贈り物である。
何の悩みもない少年が野原で遊んでいる時に偶然発見した。
やんちゃな彼は花を採って、ポケットに入れた。
幸運な花が好運を惹きつけたか、あるいは好運が彼に会いに導いたのか。


幸運の鷹の羽根
襲ってくる魔物は鷹の捕食対象になった…そういう幸運をもたらす羽根である。

生まれつき強運を持つ子供。道に立ちはだかる悪獣でも、彼のためなら道を空ける。
何の悩みもない少年は森で散歩していた。後ろの魔物に狙われていることには気づいていない。
彼が鮮やかな毒キノコに気を取られた時、魔物は急に現れ、ちょうどその毒キノコを踏んだ。
獲物を捕らえたと思った魔物は、自身の頭上に鷹がいることに気づかなかった。


幸運の砂時計
穴が開いて中身が空っぽになった砂時計。時間の流れは気ままに生きる人にとって何の意味もない。

生まれつき強運を持つ子供。時が流れても彼の容姿は変わらない。
歳を取ったが、彼に家庭と子孫はいなかった。
しかし、幸運な人生では皆が親友であり家族であった。
死に際に、彼は偶然砂時計を見かけた。
ハハハと笑い、弾弓を使って一発で砂時計を壊した。


幸運のコップ
繊細な作りをした金属容器、泥棒退治に使われたこともあるとか。

生まれつき強運を持つ子供。凶悪な盗賊でも彼を傷つけることはできない。
これはこの子供が大きくなった後の話である。ある酒場の裏口で起こった。
暗い雲が月を覆う夜、凶悪な盗賊が酔っ払った少年に手を出そうとした時ーー
どこからか飛んできた盃に頭をやられて、そのまま倒れた。
酒場の2階で起こった喧嘩のお陰かもしれないが、こんな強運を持つ人はごく一部しかいない。


幸運の冠
穴に落ちたと思ったら、貴族の宝庫を発見した。これはまさにその記念品である。

生まれつき強運を持つ子供。危ない罠に落ちても予想外の宝物が見つかる。
何の悩みもない少年は遺跡で探検している時、うっかりと深い罠に落ちた。
彼は無傷で済んだ。ビロードのマットレスの上に落ちたからだ。
そして、そのまま旧貴族の秘宝を見つけ、好運の冠をかぶった。

医者

詳細

医者のアネモネ
貴重な薬材だったが、長い間放置されて薬としての価値を失った。

大地を旅する放浪医師。冒険者への情熱を持ち様々な希少薬材を探していた。
彼女は険しい山で、ある湿った岩の隙間に咲いたこの銀蓮を見つけた。
結局、薬として使われることはなかったが、花の香りはずっと彼女を励ました。


医者の梟の羽根
夜行性猛禽の硬い羽根。夜に仕事する時はそれを見て自分を励ます。

自分の指さえ見えない深夜にでも、放浪医は仕事に行かなければならなかった。
暗い夜には無数の危険が隠されている。よって通行人は梟のように常に注意しなければならなかった。
梟の終わらない見張りのように、疲れ果てた放浪医はついぞ倒れた。


医者の懐中時計
時間を測るための道具。医者は、1秒でも無駄にしたくない。

生死の境を彷徨う患者を助けるときは、放浪医は一分一秒を争わなければならなかった。
懐中時計は非常に正確で、救命処置において重要な役割を果たした。
晩年の彼女は病床に伏せて、周りにあるのはカチカチと鳴る懐中時計だけであった。
一命を取り留めたことを知らせる道具は、最後の哀歌を歌い出した。


医者の薬壺
精錬後の薬でいっぱいだった壺も、今は濃い薬のにおいしか残っていない。

濃い目の薬湯はもう乾いたが、苦い臭みは消えない。
放浪医はこの苦すぎる薬湯でたくさんの患者を救った。
しかし彼女自身が病気になった時、彼女を診たのはかまどに置いてある薬壺だけだった。


医者の方巾
普段は乱れた髪を束ねる。緊急時は捻挫、骨折した腕の固定にも使える。

住所の定まらない日々、放浪医は毎日忙しく仕事に向かっていた。
晴れの日でも大雨の日でも彼女は止まることなく使命を果たした。
彼女の山野草のような髪を守ったり、ガーゼを巻く包帯としても使われたりした。
放浪医のハンカチは彼女と共に風雨を経験してきた。彼女の旅において最も忠実な仲間である。

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