物語:( キャラ/ア-カ | キャラ/サ-ナ | キャラ/ハ-マ | キャラ/ヤ-ワ || 武器物語 || 聖遺物/☆5~4 | 聖遺物/☆4~3以下 || 外観物語 )
図鑑:( 生物誌/敵と魔物 | 生物誌/野生生物 | 地理誌 | 旅行日誌 | 書籍 | 書籍(本文) | 物産誌 )
元素生命
炎スライム
大自然に散布する炎元素から生まれた小さな魔物。
知能レベルは低いが、ヒルチャールにとって広い使い道があるようだ。
大型炎スライム
大自然に散布する炎元素から生まれた魔物。
体形が増した割に知能レベルは低いままだが、とても熱い。乾燥する季節では、山火事を引き起こす可能性もある。怒った時は灼熱の火球を吐き、落ち込んだ時は色が暗くなる。感情を表に出しやすいスライムである。
水スライム
大自然に散布する水元素から生まれた小さな魔物。
噂では、水源の見つかりにくい乾燥地帯や秘境へ行く時、非常用水として水スライムを持って行く人もいるらしい。しかし、高濃度の水元素を直接飲むと体によくない。
大型水スライム
大自然に散布する水元素から生まれた魔物。
強い力と大きい体形を持つ水スライム。水の泡を吹き出して敵を禁錮する事ができる。元素エネルギーが充実した場所では、とんでもないサイズに成長できると言われる。奔狼領では、小山みたいな巨大水スライムの目撃情報があったようだ。
風スライム
大自然に散布する風元素から生まれた小さな魔物。
風元素の力により、宙に浮く能力を持っている。
大型風スライム
大自然に散布する風元素から生まれた魔物。
普通の風スライムに比べ、高濃度の風元素を持つ為、浮遊能力も上がった。長年荒野で生活しているヒルチャールはこの特性を活かし、特殊な運搬器具を作って謎の物資を運搬している。
雷スライム
大自然に散布する雷元素から生まれた小さな魔物。弱い電気を放出できる。
分析によると、雷スライムのピョンピョン跳ねる動きは、地面の電位差を反映できる。雷元素が豊富な地域では、雷スライムの異常な動きを観察して、危険を察知することができる。
大型雷スライム
大自然に散布する雷元素から生まれた魔物。
体内の充溢した雷元素により、断続的に周囲へ放電する。一部の人は、彼らの持つエネルギーを有効利用し、生産活動へ取り組もうとしている。もしや新しい科学の誕生も、そう遠くはないかも…?
変異雷スライム
大自然に散布する雷元素から生まれた魔物。
雷スライムの変異から生まれた、黄色いスライム。体内の充溢した雷元素により、断続的に周囲に放電したり、周囲の雷スライムへ電弧を放射したりする。だが、紫色の雷スライムの間ではこのような現象は存在しない。それ故に、雷スライムは二極を持つと思われる。
これらの性質は、偉大な化学の発端になるかもしれない…
草スライム
豊富な草元素により、生態上の変化を遂げたスライム。
火と接触すると、激しく燃えてしまうと言う、草元素の弱点も受け継いだ。
大型草スライム
豊富な草元素により、生態上の変化を遂げたスライム。
だが、ただの特殊な植物に寄生されただけのスライム、という可能性もある。何故なら、植物の偽装で獲物を騙す狩猟行為は、トリックフラワーと非常に似ているからだ。この可能性がある故、一部の地域の文化では、草スライムには特殊な薬用価値があると見られたりしている。
氷スライム
大自然に散布する氷元素から生まれた小さな魔物。
「アカツキワイナリー」は過去、競争業者に「酒の品質を保つため、氷スライムを使って酒蔵の温度コントロールをしている」と言う、デマ情報を流されたことがある。
大型氷スライム
大自然に散布する氷元素から生まれた魔物。
体内に凝縮した豊富な氷元素を利用して、大気中の水を保護シールドに変える事ができる。または同じ原理を利用して周囲の水面を凍結できる。海を簡単に渡ることができる為、ある意味最も自由なスライムである。
岩スライム
大自然に散布する岩元素から生まれた小さな魔物。
地殻には豊富な岩元素が含まれている為、結果として生まれた岩スライムは、ずっしりとちゃんとした感じがする。
大型岩スライム
大自然に散布する岩元素から生まれた魔物。
体内エネルギーを岩の殻に凝縮し、攻撃から自身を守ることができる。宝盗団の考えによると、宝石や鉱物は岩元素を含む為、岩スライムも同じく宝石や鉱物であるかもしれない。彼らが「黄金の岩スライム王者」と呼んでいたのも、それが原因だ。
狂風のコア
超高品質の風元素が凝縮した後の形態。
狂風のコアの形成は、元素地脈が遮断され、蓄積が発生したことを意味する。容赦なく暴走する強風と、周囲を一掃する姿は、世界の痛みの象徴ともいえるだろう。
無相の炎
高純度の炎元素生命体、コードネーム「アイン」。
学者の研究によると、無想元素は当地の元素脈絡の異常と密接に関係しているという。しかし無想元素が元素脈絡に影響したのか、それとも異常な元素エネルギーが無想元素を創造したのか、真相は分かっていない。
無相の水
高純度の水元素生命体、コードネーム「ヒイ」。
無相元素は強大な排他本能があり、挑戦者を無情に追い払う。
排他の対象は天然の元素まで広がっているようだ。
無相の風
高純度の風元素生命体、コードネーム「ベト」。
「無相」というのは生き物としての形や生き方を捨てて到達する純粋なる領域。無相元素に関する研究は主にスメール教令院の学者が行っている。しかし危険性が故に、コードネームとネーミング以外、目ぼしい成果がいまだにない…
無相の雷
高純度の雷元素生命体、コードネーム「アレフ」。
無相元素は最高の元素構造を有する物体で、元素エネルギーが噴出する所や元素地脈がふさがれている所に形成する。
異なる無相元素は元素の特性によって攻撃方法も違いが出る。
無相の草
高純度の草元素生命体、コードネーム「ザイン」。
学者たちの推論によれば、無相元素には「学習」する知恵があり、そこから「擬態」をして攻撃する能力が生まれた。しかし、情報収集によって変化するということは、情報の汚染に遭う可能性もあるということだ。学習・変化の過程で、現在の研究では未だ判明していない本来の生まれた目的も歪められ、意味なきものになるであろう。
無相の氷
高純度の氷元素生命体、コードネーム「ダレット」。
研究によると、無相元素は従来の元素生物と物質構成においてわずかな違いがある。それらの微妙な違いが、安定した形態と機械的な挙動の根源なのかもしれない。
無相の岩
高純度の岩元素生命体、コードネーム「ギメル」。
無相元素は限界まで濃縮された構造体で、極めて高い質量を有している。
外部の元素殻は安定しているが、内部の元素コアはかなり活発である。
純水精霊
純度が極めて高い水元素で形成された生命体、常に水と共に存在する。
噂によると、水の純度が高いほど、その水元素が豊富になり、純水精霊が強くなる。またある説によると、純水精霊の正体は異国の水の眷属という。亡くなった神の欠片を携え、世界各地を流浪し、神の愛を水脈で大地に広げようとしている…
雷音権現
奇妙な雷元素生命体。見た目は純水精霊に似ているが、彼女ほどの知恵と記憶は備えていない。
雷音権現はより原始的で純粋な怒りによって駆動している。
この生き物は雷霆と共に、強大な怨恨に満ちた場所でのみ生まれるらしい。例えば、切り裂けられ、雷雲に覆われた天雲峠。大地に晴らせぬ怨恨がある限り、雷鳴も響き続けるだろう。
炎フライム
高濃度の炎元素から生まれ、空を浮遊する能力を持った魔物。
教令院のある学生が、彼らの生態について研究したことがある。晶蝶は空を飛ぶことができ、元素濃度の高いエリアに生まれるから、フライムと全く同じだとその学生は思った。したがって、フライムは晶蝶の一種であると結論づけた。彼は今も卒業していない。
水フライム
高濃度の水元素が生み出した魔物、空を舞うことができる。
月夜の下で、川辺に浮游している水フライムは弱くて暗い光を放つ。怪しい彼らはよく通りかかる旅人に幽霊だと思われるため、多くの民話の定番となった。
風フライム
高濃度の風元素が生み出した魔物、空を舞うことができる。
理論上、風元素で凝結された魔物は元から浮游能力がある。そのため、花びらのような翼葉はある擬態した器官なのかもしれない。
雷フライム
高濃度の雷元素から生まれ、空を浮遊する能力を持った魔物。
かつて、この生き物を研究した学者がいた。双方とも元素の特異性を持ち、元素濃度の高いエリアに生まれるため、フライムと無相は全く同じだと学者は思った。したがって、フライムは無相の一種であると結論づけた。その後、彼の研究不正行為が判明した。
草フライム
高濃度の草元素から生まれ、空を浮遊する能力を持った魔物。
因論派の研究員がかつて、草フライムの生態について研究したところ、伝説の「アランナラ」にとても似ているとの発見があった。その後、一連の調査の結果、アランナラという生物は、実はこの草フライムであるという結論に達した。この研究者は後に、無名の童話作家となった。
氷フライム
高濃度の氷元素から生まれ、空を浮遊する能力を持った魔物。
ある錬金術師が、フライムの調査をした。スライムと旅人は神の目を持っていないのに元素力を使えるため、フライムと全く同じだと錬金術師は思った。したがって、フライムはスライムか、あるいは旅人であると結論づけた。彼は、師に叱責された。
岩フライム
高濃度の岩元素が生み出した魔物、空を舞うことができる。
岩フライムが翼葉を閉じる時、ある植物の実に擬する。そのため、一部の古い伝説の中では、彼らは天の巨樹に実った果実で、不思議な薬用価値があると思われている。
濁水粉砕の幻霊
フォンテーヌで純水精霊が絶滅した今の時代、水中に現れた不思議な元素生命体。
災いが起きてから現れたこの元素生物は、かつての純水精霊のような優美さを備えていないため、「濁水」と呼ばれている。水中に溶けた毒は既に希釈・浄化されているが、どこかに純粋な水の容れ物がない限り、フォンテーヌの水中に再び純水精霊が自然に誕生することはない。
濁水噴出の幻霊
フォンテーヌで純水精霊が絶滅した今の時代、水中に現れた不思議な元素生命体。
エゲリアの時代、純水精霊はよく人と連れ立って、各地の澄んだ泉に散らばり、世界の水脈を結びつけたことがあったという。しかし、ほとんどがその神と共に亡くなり、もはや残された者にも神はいない。
水形タルパ
水滴が凝縮して生み出された、人の胚子のような姿を持つ魔物。
これまで無数の意識が水へと溶けていった。しかし元来、水は宇宙と同様に、誕生を渇望せし魂に満ち溢れていた「水形タルパ」と呼ばれる新生児が前者なのか、はたまた後者なのか、判別するのは難しい。だが、いずれにせよ人々が想像するほどの違いはない──太陽も、時間も、荒れ狂う波も、すべてに染み込んだ暗闇でさえも、判別できないだろう。
ヒルチャール部族
ヒルチャール
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
人に似ているが、知能と精神はすでに失っている。存在自体は千年をも超えるが、歴史や文明に関する記録はない。
500年前の暗黒な*災い以来、大地の隅々に広く分布している。力は弱く、組織性も乏しいが、時にはトラブルを引き起こす可能性がある。
ヒルチャール・戦士
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
気性の荒い部落の戦士は、筋肉の力を信じている。筋肉モリモリで力があれば、いつか巨大な盾を持ち上ることができ、「ヒルチャール暴徒」になれるかも…?
ヒルチャール・突進
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
冒険者を撃退するために、燃える棒を振り回し、前へ突進する。草原や森で山火事が起きると、それはとある「騎士」のせいではなく、大体がヒルチャール・突進の仕業である。
ヒルチャール・木盾
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
木盾を持つヒルチャールの戦士。木盾は丈夫な防具だけでなく、部落に属する貴重な宝でもある。報告によると、ヒルチャールはよくキャンプで料理をしている冒険者へ突進し、鍋の蓋を奪ったりする。
ヒルチャール・氷盾
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
ヒルチャールが強い環境適応力を持つ証明。氷元素豊富な環境では、堅牢な氷制*の盾で自分の身を守ることができる。
ヒルチャール・岩盾
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
岩元素豊富な環境で辛抱強く生きるヒルチャール。堅牢な盾の上は盤石が多重に付いている。
ヒルチャール・射手
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
安っぽい弩を持つヒルチャールの弓使い。実際、ヒルチャールに弩を作成する技術はない。それ故、彼らの後ろには、きっとヒルチャールを操り、機器や物資を提供する組織が存在しているだろう。もっとも疑わしいのは、ヒルチャールと頻繁に接触しているアビスの魔術師だ。
ヒルチャール・炎矢
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
安っぽい弩を持つヒルチャールの弓使い。矢の先には薄い可燃物質が塗られており、敵を燃やそうとする。先代のエル・マスクはこれについて、頭のいいヒルチャールが狩りのついでに料理もこなす為の発明だと考えている。
ヒルチャール・雷矢
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
安っぽい弩を持つヒルチャールの弓使い。矢先は電気水晶の破片でできていて、命中時に電撃を引き起こす。ヒルチャールの天才弓使いは、一度に5本の矢を発射できるらしい。
ヒルチャール・氷矢
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
安っぽい弩を持つヒルチャールの弓使い。矢先には溶けない氷が付いている。寒気は血流を遅くするため、この矢が残した傷は治しにくいらしい。
ヒルチャール・爆弾
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
炎スライムを使って敵を攻撃する、ずる賢いヒルチャール。熟練な投げ技で炎スライムを投げるヒルチャール・爆弾は、5つの杭を同時に破壊できるかもしれない。
ヒルチャール・雷弾
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
蒙昧な生活を維持しているヒルチャールにとって、雷スライムは炎スライムや風スライムのように用途が広いわけではない。いつの日か彼らも雷スライムと変異雷スライムの間の元素の流れに気づき、大きな進歩を遂げる日が来るかもしれない…?
ヒルチャール・氷弾
テイワットの荒野を彷徨う原始住民。
氷スライムを使うと食品を効率的に保存できる事に気づいたヒルチャール。他にも炎スライムと氷スライムでタル爆弾、風スライムで運搬用具を作ってしまうなど…おそらく、厳しいサバイバル生活があるからこそ、このようなアイデアが浮かんだのだろう。
変わったヒルチャール
「Homu,Homu,mimi domu!*1」
ヒルチャール暴徒・木盾
数え切れないほどの戦闘経験を持つ大型ヒルチャール。
草スライムを使用して頑丈な木製の盾を作成できる。
強靭な筋肉、威厳あるたてがみ、頼もしい背中と一食に大量の肉を呑み込む豪快さを備える。ヒルチャールの為に、容赦なく冒険者を追い払うため、部族では非常に尊い地位を持つ。
ヒルチャール暴徒・岩盾
岩の盾を持つ大型ヒルチャール。
ヒルチャールにとって、肉を食べ、喧嘩し、身体を強くする事が最優先事項である。
ヒルチャール暴徒のような大きくて強い戦士になれば、より沢山の肉を食べ、より沢山の戦いに勝ち、堅牢で巨大な岩盾を持ち上げる事も可能になるだろう。
ヒルチャール暴徒・氷盾
氷を盾として使う大型ヒルチャール。
通常巨大で活動的な生物は、生きる為に大量のカロリーを消費する必要がある。
このような特性に対して、現代のエル・マスク*は、特定の地域で活動しているヒルチャール暴徒の数がヒルチャールの総数に占める割合に基づいて、食糧の安定性と豊かさを計算する「暴徒指数」を提案した。
ヒルチャール暴徒・炎斧
長い柄の大きな斧を持つ大型ヒルチャール。
攻撃時の動きは大きく、炎スライムを使って武器に炎元素を付与する事もでき、巨大な破壊力を持つ。
通常、ヒルチャール暴徒・炎斧のように武器の焼入れを繰り返すと、鋼の硬度が低下し、刃先が損傷を受けやすくなる。しかし、彼のパワーは十分に強力で、刃がなくてもハンマーとして使用できる。
ヒルチャール暴徒・雷斧
長い柄の大きな斧を持つ大型ヒルチャール。
攻撃時の動きは大きく、雷スライムを使って武器に雷元素を付与する事もでき、巨大な破壊力を持つ。
鋼鉄によって鍛造された斧は非常に良好な感電材料となる。大柄なヒルチャール暴徒・雷斧が斧を大きく振りかぶり、天雷を召喚する姿はヒルチャールたちにとって非常に壮観なものである。
ヒルチャール・雷兜の王
雷の中を彷徨う謎の「王者」。
同胞から「Lawa」と呼ばれる巨大なヒルチャール。巨像のような体には雷元素が豊富に充満しておる、体の隙間からは元素エネルギーが電気水晶の形で滲み出している。
ヒルチャール・霜鎧の王
雪の中を彷徨う謎の「王者」。
同胞から「Lawa」と呼ばれる巨大なヒルチャール。極上まで鍛えた肉体は、周囲の溢れた氷と融合したかのようで、その威厳はまるで北国の氷河のようだ。
ヒルチャール・岩兜の王
山々を歩き回る謎の「王者」。
同胞から「Lawa」と呼ばれる巨大なヒルチャール。周囲に満ちた岩元素は体の一部となり、血肉と皮膚は彫り上げた不動の岩みたいだ。
ヒルチャールシャーマン・水
ブツブツとよく独り言を言う年老いたヒルチャール、水元素の詠唱者。
元素コントロールに長けるヒルチャールは、年を取ると力がピークに達する傾向がある。波を起こし雨を召喚できるようになったこの愚かな生き物は、一体どのような過去を生きてきたのだろう?
ヒルチャールシャーマン・風
ブツブツとよく独り言を言う年老いたヒルチャール、風元素の詠唱者。
元素コントロールに長けるヒルチャールは、年を取ると力がピークに達する傾向がある。風をコントロールする能力は、正に暗闇の記憶から生まれたものである。
ヒルチャールシャーマン・雷
ブツブツとよく独り言を言う年老いたヒルチャール、雷元素の詠唱者。
元素コントロールに長けるヒルチャールは、年を取ると力がピークに達する傾向がある。雷を召喚する高度な技術を掌握した今、その音で挽歌を作ってもいいかもしれない。
ヒルチャールシャーマン・草
ブツブツとよく独り言を言う年老いたヒルチャール、草元素の詠唱者。
元素コントロールに長けるヒルチャールは、年を取ると力がピークに達する傾向がある。仮面の下には悔しさが潜み、人を憎しむ毒ツタは土から生え上がって来る。
ヒルチャールシャーマン・氷
ブツブツとよく独り言を言う年老いたヒルチャール、氷元素の詠唱者。
元素コントロールに長けるヒルチャールは、年を取ると力がピークに達する傾向がある。このシャーマン達は、霜の囁きを思い起こし、それを攻撃に使う技術に精通している。
ヒルチャールシャーマン・岩
ブツブツとよく独り言を言う年老いたヒルチャール、岩元素の詠唱者。
元素コントロールに長けるヒルチャールは、年を取ると力がピークに達する傾向がある。千古の盤石と比較すると、最年長のヒルチャールでも子供でしかないが、記憶と経験が岩元素を操る力を導き出した。
ヒルチャールレンジャー・水
どの部族にも属さないヒルチャールの流浪者。己を追放するかのように荒野を徘徊している。
時折、因縁に導かれて、助けを必要とするヒルチャールまたはその集落に手を貸す。そして、使命や因縁を終わらせた後にまた旅に出る。通常のヒルチャールより、より高い知能を持っているようだ。
ヒルチャールレンジャー・風
どの部族にも属さないヒルチャールの流浪者。まるで、一族の運命の始まりや、今はもう失われた輝きを追い求めているかのようだ。
文字による伝承がなく、簡単な言語しか持たない魔物に叙事詩や伝説が存在するならば、彼らはその中の主人公となるはずだろう。
アビス
アビスの魔術師・炎
魔力があり、炎元素を使用して戦うアビスの魔物。
原因は誰も知らないが、アビスの魔術師は、ヒルチャールの言語に精通し、彼らの心を操ることができる。アビスの魔術師は、今まで誰も解けなかった失われた言葉を解明し、その言葉の力を使って魔法を働かせたという。
アビスの魔術師・水
水元素を使用して戦うアビスの魔物。
冒険者の間では、アビスの魔術師は「アビス教団」の根底にある実行者として、世界中で活動し、様々な陰謀と破壊に従事しているという説がある。このタイプのアビスの魔術師の恐ろしさはリウマチの発作を促すと冗談半分で言っているが、実際は無視できぬ力を持っている。
アビスの魔術師・雷
雷元素を使用して戦うアビスの魔物。
かつてアルヴァ・ニコラという学者が、教令院でアビスの魔術師・雷の使う雷元素を研究し、最終的に「ニコラコイル」という理論的武器を考察した。しかしそれは未だに実践されていない。一説によると、彼の研究資料は菌類が蔓延したことで食べられてしまったという。
アビスの魔術師・氷
極寒の氷元素を使用して戦うアビスの魔術師。
大気中の水蒸気を氷に凝縮出来るなど、強力な力を持つにもかかわらず、本体はかなり貧弱。身を守るシールドが破られると、やられ放題になってしまう。
アビスの使徒・激流
水元素を操り戦う魔物、「アビス教団」に所属している。
これら沈黙せし者はアビスの先駆者、すべてを巻き込む波の刃を振るい、あらゆる鎧の守りと不信に満ちた異端の心を打ち砕く。敬いなき愚者に宿命の懲戒を下す。
アビスの使徒・落霜
氷霜の刃を操り戦う魔物、「アビス教団」に属している。
深邃なる福音を称えて広める聖徒もいれば、歪な頒詞を正して不協和音を取り除く使者もいる。
体を貫く鋼鉄の刃は氷のように冷たいと往々に言われるが、この漆黒の氷霜は魂さえも凍らせるという。
アビスの詠唱者・淵炎
アビスの炎を駆使し、経典の意義を追求している魔物。「アビス教団」に所属している。
地上の人々が彼らの名を呼ぶ時、その意味には微かな差異がある。「詠唱者」という言葉には本来、「唱導師」という意味が含まれているのである。恩寵の章を唱えることで、彼らは強大な力を手に入れる。
アビスの詠唱者・紫電
力が非常に強く、暗黒の深淵を唱える魔物、「アビス教団」に所属している。
アビスを布教する者であり、アビスの学者。激しい雷とともに、長きに渡り歪んだアビスの英知を異教徒に注ぐ。果てのない紫電をもって、人智をも浸食する偉大な力の存在を知らしめる。
深罪の浸礼者
複数の元素力を掌握したアビスの魔物。「進化」によってさらなる肢体を得た。
「『アビス』の本質は詰まるところ、元素とは相容れないものだ。だが、たとえ神の元素であっても、それに呑まれて歪められれば、やがて深邃なる意志の道具に成り果ててしまう。結果や効果の観点から簡単に言うなら、いわゆる『アビス』というのは宝盗団が持っている元素力に満ちた容器のようなものだ。そして複雑に言うならば、『神の目』とさほど大差のないものだろう…」
――アフラシアブ洞窟にある、忘れ去られた誰かのノートより
獣域ウェルプ・岩
世界の境界線を侵食する魔血の獣。「黄金」はそれを「溶脱」と名付けた。
深淵の浸透と共に元素を蝕む習性を持っている。幸いなことに、今の時代では、このような魔獣の数は多くない。
獣域ウェルプ・雷
世界の境界線を侵食する魔血の獣。「黄金」はそれを「溶脱」と名付けた。
昔の時代において、巨大な魔獣が降臨する時、ハウンドの大群が先に現れ、世界の境界線を溶かして通路を開いたという。
獣域ハウンド・岩
世界の境界線を侵食する魔血の獣。「黄金」の造物である。
本物の狼のように、生物のような習性が少しある。それは、地上にいる「親族」に対する憧れや嫉妬であり、彼らに取って代わることを夢見ているのかもしれない。
獣域ハウンド・雷
世界の境界線を侵食する魔血の獣。「黄金」の造物である。
かつては大陸を荒らしまわっていたが、その後抵抗され、一時は狩り尽くされて絶滅した。だが最近、彼らは再び現れた。清泉町や奔狼領を脅かした黒狼の群れは、まさに彼らのことである。
黄金王獣
暗闇の異界からやってきた、漆黒たるウルブズの帝王。隠爪の異獣を呼び寄せ、空間を溶かし、裂け目を作らせる権能を持つ。
帝王は名を持たない。何故なら彼は、「黄金」が意図せず作り出した存在だからだ。それ故、他者の世界に侵入し、名を上げることに執着している。
とはいえ、ウルブズは決して知能が低いわけではない。前回の侵略で敗北を喫した彼らは、人間も守護者もいない無人島を選び、帝王の降臨に備えた。
シャドウハスク・旗令
神秘たる漆黒の兵士。
その行動から見るに、もはや「人」としての意志を失っているのかもしれない。しかし、もし実際にそうであるならば、彼らはなぜ未だに旗を掲げ、死闘を繰り広げるのだろうか…
シャドウハスク・破陣
神秘たる漆黒の兵士。
その行動から見るに、もはや「人」としての知性を失っているのかもしれない。しかし、不屈の闘志を見せるその姿は愚鈍な獣のようではなく、確かな意志を持った決死の士を彷彿とさせる。
シャドウハスク・守衛
神秘たる漆黒の兵士。
その行動から見るに、もはやただの抜け殻なのかもしれない。しかしその手にある武器は、殺戮のためというより、守るためもののようだ。
黒蛇騎士・斬風の剣
宮廷において高い地位を得た近衛兵士。「至真の術」と呼ばれる剣術で王家の敵を薙ぎ払う。
「末光の剣」もかつて、彼らの一員であった――王国の栄光が失われ、すべてが取り返しのつかないものになる前までは。
黒蛇騎士・砕岩の斧
宮廷において高い地位を得た近衛兵士。「至真の術」と呼ばれる剣術で王家の敵を薙ぎ払う──
──至真の術は剣術とはいえ、その心得は他の様々な武器にも応用できる。王奥が漆黒に覆われる時、国を守る責務を負う武人は、往々にして選択の余地がないものだ。
大型瓦礫ブリーチャープリムス
主にエリナスに現れる不思議な生命体。
メリュジーヌの認識では、ブリーチャープリムスは基本的に無害な生物であり、可愛いとさえ思っているメリュジーヌもいる。
メリュジーヌの美的感覚は人とは大きく食い違っている。
瓦礫ブリーチャープリムス
主にエリナスに現れる不思議な生命体。
ウーシアの魂、またはプネウマの魂に出会うと強い刺激を受けるらしい。強い撃性や侵略性を持っていなくとも、こうした手段で効果的にブリーチャープリムスを追い払えるようだ。
大型狂蔓ブリーチャープリムス
主にエリナスに現れる不思議な生命体。
ブリーチャープリムスは基本的な生物の特徴において既知のカテゴリーに当てはまらず、動物・植物・キノコ類・元素類のいずれにも属さない。そのためスメールの学者の間で、これは一体何なのかという議論に正式に決着が付いたことはなく、ついには学術研究テーマとすることを禁じられた。なぜなら現在の人類の知識体系において、この問題は「言語の定義と本質」同様、意味のある適切な結論を得られないからだ。
狂蔓ブリーチャープリムス
主にエリナスに現れる不思議な生命体。
フォンテーヌで最初にブリーチャープリムスが観測されたのは、災いが過ぎて間もない頃だった。当時の記録には、ブリーチャープリムスが人を攻撃したというものと守ったというものが同時に残されている。
ファデュイ
ファデュイ先遣隊・遊撃兵・炎銃
炎元素の銃を扱うファデュイの兵士。
先遺隊からもらった武器で元素を制御する。戦う時は積極的に元素反応を利用して戦う。
優れた武器と豊富な知識を持つ故、チーム戦では侮れない脅威になる。
ファデュイ先遣隊・重衛士・水銃
ファデュイの戦争兵器に所属する兵士。
元素をある程度制御できる装置を備えており、火器型武器で激しく水を射出できる。
「先遺隊」は、今後の行動の基盤を築くために、生死を問わず異国へ赴き先行任務を果たす。
ファデュイ先遣隊・前鋒軍・風拳
風の力を利用して戦友を蘇生させられる先遺隊の兵士。
故郷を離れても故郷を思い、家族と別れたが命を託せる戦友と出会う。
――任務と称した悪事に手を染めた時も、このような思いを抱いているかもしれない。
ファデュイ先遣隊・前鋒軍・雷ハンマー
雷元素が付与されたウォーハンマーを装備したがたいのいい先遺隊兵士。
ファデュイの軍人になると豊かな資源を獲得できる:食料に装備、そして物資。
しかしそれと引き換えに、故郷や家族と離れ、顔も知らない戦友に命を預けることとなる。
ファデュイ先遣隊・重衛士・氷銃
ファデュイの戦争兵器に所属する兵士。
元素をある程度制御できる装備を備えており、火器型武器で急速凍結した冷気を噴射できる。
尋常じゃない元素の力を持っているが、それ相応の代価も必要だろう…
ファデュイ先遣隊・遊撃兵・岩使い
岩元素を駆使してシールドを張り、戦友を守ることができる先遺隊兵士。
少数精鋭のデットエージェントや蛍術師と違い、先遺隊の兵士は実力も装備も比較的に弱い。
任務で人員と物資の消耗を最小限にするため、先遺隊はチームワークを重視する。
ファデュイ・デットエージェント・炎
ファデュイ所属の特別部隊。
担当するのは金に関する仕事だけではなく、「目には目を、歯には歯を」というものもその仕事の一つである。相手が誰であろうと、ファデュイの利益に害をなす者なら、十倍返ししてもらう。
ファデュイ・雷蛍術師
雷蛍を使って戦う、仮面下の素顔も過去も謎のファデュイの術師。
「霧虚ろ草」が好きだと言う特性を利用して、飛蛍を操り彼女のために戦わせる。霧虚ろ草の匂いは雷蛍を酔わせられるように、嗜虐性のある術師も相手を弄ぶ快感に執着する。
ファデュイ・氷蛍術師
氷蛍を使って戦う、仮面下の素顔も過去も謎のファデュイの術師。
神の目を持たない人間は元素の力を操作することはできないが、彼女は霧虚ろ草で氷蛍を操りながら、氷の力を好き勝手に使用することができる。あてもなく彷徨っているように見える彼女は、どのような使命を抱えているのだろうか…
ファデュイ・ミラーメイデン
水鏡を操り、神に仕える凛とした姿のファデュイの仕女。
水鏡の力を優雅に操り、水鏡に目を奪われた者を自らの意思で幻影に陥れる。何事も彼女の耳からは逃れられない。目隠ししている故、どんな光景を見たのか、どんな執着が映し出されるのか分からない…。
ファデュイ・烈風の従者
ファデュイ所属の精鋭特別部隊。
従者はファデュイにおける通常の役職ではない。命令や任務の内容に応じて、彼女たちは兵士と連携したり、単独または各地の工作員と共に諜報、対偵察、護衛、抹殺などの任務を行う。それらの特殊な任務のために、従者には往々にして様々な技能や才能が必要とされる。
ファデュイ・氷霜の従者
ファデュイ所属の精鋭特別部隊。
幼少期に選抜された者が長年に渡る教育と訓練によりふるいにかけられ、残ったものが「従者」となる。ファデュイの中で最も優秀な兵士であり、優れた腕前と揺るがない忠誠心を持つ。
自律装置
遺跡守衛
古い人型戦闘機械。
噂では滅亡した国が残した戦闘機械で、世界各地の遺跡へ辿り何も知らぬ冒険者を攻撃する。研究によると、遺跡守衛はこれらの遺跡と同源ではなく、少なくとも何千年も異なっていることを示している。なぜ遺跡守衛が存在し、「爆発的な火力」で遺跡を守るのだろうか…
遺跡ハンター
巨大な異形戦闘機械。
噂では滅亡した国が残した戦闘機械。戦闘性能を上げるため、効率の悪い人型のデザインを放棄したらしい。近接攻撃でも遠隔砲撃でも威力抜群。
廃棄された古代兵器にもそれほどの力を持っているとは、兵器を製造した文明はどんなものだろうか…
遺跡重機
古い人型戦闘機械。
形は遺跡守衛と似ているが、その姿はより歪み、力はより強大だ。重すぎるボディを動かすために、足に追加のエネルギーコアが組み立てられているようだ。
遺跡サーペント
古代の異形自律装置。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した工務重機で、「頭部」のギア構造によって固い岩盤を簡単に掘ることができるらしい。もしこれが本当であれば、この力を借りて、大軍すら通れるような大陸各地へと繋がる道を開拓できるだろう。
遺跡巡視者
特殊な標的に対応するため、特定の形と機能が備わった異形の機械。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した戦争機械がという。広く普及している「遺跡守衛」と比べ、より高い生体工学的意義を兼ね備えている。分散化する設計と蜂を模した戦闘モードは、あらゆる形態に変わり異なる方向から攻撃することができる。
遺跡殲滅者
特殊な標的に対応するため、特定の形と機能が備わった異形の機械。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した戦争機械がという。広く普及している「遺跡守衛」と比べ、より高い生体工学的意義を兼ね備えている。いくつかのパーツで構成された巨大な花冠は、まるで何か恐ろしい植物のようで、どのような経験をすればこのような恐ろしい機械を設計できるのか分からない。
遺跡防衛者
特殊な標的に対応するため、特定の形と機能が備わった異形の機械。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した戦争機械がという。広く普及している「遺跡守衛」と比べ、より高い生体工学的意義を兼ね備えている。昆虫を模した手足は、人を模した機械よりも移動に長け、各パーツによって構成されたシールドは正面からのどんな攻撃にも対応できる。
遺跡偵察者
特殊な標的に対応するため、特定の形と機能が備わった異形の機械。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した戦争機械がという。広く普及している「遺跡守衛」と比べ、より高い生体工学的意義を兼ね備えている。形も行動形式も、どういう原理で深海生物を模しているのかは分からないが、とにかく関わり合いたくないということだけは分かる。
恒常からくり陣形
危険な異形戦闘機械。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した戦争機械だという。いくつかのパーツで構成されていて、戦闘環境の変化に対応して異なる形態に変わり、様々な攻撃手段を繰り出す。
立方体で構成されたフォルムは、ある意味「無相元素」に似ている。
遺跡ドレイク・陸行
絶望的なまでの恐怖を人に与える、龍型の戦闘機械。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した戦争機械だという。「ヴィシャップ」の姿を模しているが、性能のために構造は最適化されている。本物のヴィシャップと比べて、より強力な元素の「吸収」――あるいは「カウンター」とも言うべき能力を持つ。
この能力から見るに、これほど恐ろしい兵器を作り出した文明というのは、さぞ壮大な野心を持っていたのだろう…
遺跡ドレイク・飛空
絶望的なまでの恐怖を人に与える、龍型の戦闘機械。
伝説によると、これはすでに滅びた国が残した戦争機械だという。「ヴィシャップ」の姿を模しているが、性能のために構造は最適化されている。本物のヴィシャップと比べて、より強力な元素の「吸収」――あるいは「カウンター」とも言うべき能力を持つ。
これほど恐ろしい兵器を作り出した文明が、一体何によって滅んだというのだろうか…
兆載永劫ドレイク
かつて大地を支配していた君王のように、絶望的なまでの恐怖を人に与える、龍型の戦闘機械。
伝説によれば、かの亡国はかつて禁忌の技術を追い求め、太古の生命に匹敵する――あるいはそれをも超える永久機関を造ろうとした。この疲れを知らぬ謎の機械巨獣の存在は示している…彼らの文明は、人が触れてはならない領域にまで達していたことを。
プライマル構造体・重力場発生器
失われた砂漠の古代遺跡を守りし者。君王の清き夢を邪魔する者を、罰することの出来る力を持っている。
この機械は本来、宮殿や神殿を守るためではなく、砂海に君臨した愚昧な王の、夢の楽園を再現するためのものであった。
今、「楽園」はとうに消え去り、機械に刻まれたマントラだけが、世界に忘れ去られた夢と約束を記録している。
プライマル構造体・再構築
失われた砂漠の古代遺跡を守りし者。君王の清き夢を邪魔する者を、罰することの出来る力を持っている。
砂海を統治した烈日の君王はかつて、民に彼岸の楽土を約束したが、それは君王の愚昧な妄執に過ぎなかったことを現実は証明した。
今、「楽園」はとうに消え去り、機械に刻まれたマントラだけが、世界に忘れ去られた夢と約束を記録している。
プライマル構造体・探査機
失われた砂漠の古代遺跡を守りし者。君王の清き夢を邪魔する者を、罰することの出来る力を持っている。
夢の楽園を作るため、砂海の主はかつて、禁忌の知識を探求した。この謎の機械はまさにその知識の産物。
今、「楽園」はとうに消え去り、機械に刻まれたマントラだけが、世界に忘れ去られた夢と約束を記録している。
半永久統制マトリックス
砂漠に散らばる多くの遺跡構造体を取りまとめている永久不変の機械。中には、孤独な君王の執念が留まっているようだ。
夢の中の友人による教戒のためか、あるいは天上の諸聖が有する権能を手にしようと考えてのことか…王は地上に属すべきでない謎の機械たちを創り出し、これらをもって砂原の上に都市を拓いた。
千柱の都の廃墟にある古の晶石は、黄金の楽園の美しさを映し続ける――例え王の夢を誰一人、覚えていなくとも。
マシナリー・偵察記録型
初期に設計された新式クロックワーク・マシナリーの一つ。
「奇械公」ことギヨタンは自然哲学学院にいた時期、知的思考をシミュレートするオートマタを実際に作ったという。
彼がこの説を公式に認めたことはないが、この伝説はその後も数多くのエンジニアの意欲をかき立てている。数十年前に基礎的な思考能力を持ち、人間の感情を読み取れるオートマタを作ったと発表した人がいたが、最終的に関連する成果は認められなかった。
マシナリー・演算力増幅器
信号の中継と増幅を目的として設計・製造されたクロックワーク・マシナリー。
それを駆動させるエネルギーは、ウーシアとプネウマが動力コア内部で制御可能な対消滅反応を起こしたことによって生じる。そのため、これに向けて過剰なエネルギーを放出すると本来のバランスが崩れてしまう。
マシナリー・水中観測型
水中探査を目的として設計・製造されたクロックワーク・マシナリー。
クロックワーク・マシナリーの設計上、動力学ではどうにもできない場合、運動学が重要な研究対象となる。特定の目的を持った機械を設計する上で、生体工学は時に手っ取り早い解決策を教えてくれる。
マシナリー・地質探知型
地下資源および特定の鉱物の探査を目的として設計・製造されたクロックワーク・マシナリー。
探査する金属の種類を設定できるため、宝盗団や冒険者にも人気。
マシナリー・水中巡遊型
こうしたクロックワーク・マシナリーを設計した目的は、水中施設に悪影響を与える水生動物の探索・駆除・撲滅できる。
第一次大水期以来、フォンテーヌ科学院はいつか起こるかもしれない第二次大水期をずっと懸念している。ある者は水没した遺跡を取り戻し、海底都市を建設する構想を練り始め、またある者は永遠に手の届かない高さに浮かぶ空の島を眺め、空中都市を夢見ている。
「水中巡遊型」は前者から来ているが、結果から言えば、近年は後者が優位に立っているようだ。
マシナリー・機敏採集型
土砂の発掘・輸送を目的として設計・製造されたクロックワーク・マシナリー。
ウーシアとプネウマの対消滅で生じるエネルギーが根幹となるクロックワーク・マシナリーは、フォンテーヌではとりわけ有利な条件に恵まれている。フォンテーヌの水脈と地質は、ウーシアとプネウマを貯蔵・伝導する特性があるためだ。冒険中に時折、ウーシアとプネウマのエネルギークラスターが見られるのはこのためである。
マシナリー・区域警戒型
対消滅で生じるエネルギーを発射できる装置。厳密には、フォンテーヌ科学院が設立される前に、自然哲学学院の関連研究で生まれた試験装置である。
そのため、警戒・防御設備としてかなりの商業的成功を収めたにも拘わらず、ほとんどのエンジニアはこれを厳密な意味でのクロックワーク・マシナリーと見なしていない。
攻堅特化型マシナリー
「偵察記録型」と同様、初期に設計・製造された新式クロックワーク・マシナリーの一つ(数百年もの月日がたった現代においては、もはやこれを「新式」と呼ぶ人はいない。これはゼンマイバネの位置エネルギーによる動力を使った従来の装置を区別するための当時の呼称である)。
名前は発明者の友人を記念して付けられたもので、最初に設計された目的は人を助けるためだった。だがその後の使用者は概して、これを使って人を攻撃するほうが、人を使って人を攻撃するよりも有用だと考えている。
制圧特化型マシナリー
「シェルビウス式」に基づいて調整されたクロックワーク・マシナリー。残念ながら、攻撃以外の能力は持ち合わせていない。
対消滅エネルギーに基づくクロックワーク・マシナリーは通常、特殊結晶からなる継力器を用いて、フォンテーヌの環境より抽出したウーシアとプネウマのエネルギーを利用する。だが、フォンテーヌ以外の地域でも、予め用意したエネルギークラスターによって短距離・短時間の活動が可能だ。両者の違いは装置の結晶部分の形状に表れている。
殲滅特化型マシナリー
フォンテーヌ運動エネルギー工学科学研究院はクロックワーク研究と設計において最も主要な機関であるにも拘わらず、民間には科学院に所属していないエンジニアや独立系工房も多い。
この機械は当初、独立系エンジニアが恋人とスポンサーを記念して設計・製造したものである。最終的に都市の安全保障あるいは公共の武力機関の武器の一つとして、執律庭に採用された。
建造特化型マシナリー
建築工事や発掘調査に計り知れない価値を持つ大型クロックワーク・マシナリー。その名はクレメンタイン線を建設する際にカーレスが雇ったエンジニアに由来する。
このエンジニアはカーレスの資金援助を受け、ポワソントンネルを貫通させた伝説的な巨大重機「黄金楽団船」を建造した。完成後にこれと似た構造で、サイズを縮小したクロックワーク・マシナリーを設計した。
氷風組曲
フォンテーヌ科学院が開発したオートマタの踊り子。
ボシュエの最初の構想では、奇械ダンサーは機械的な複製の時代を超えた芸術品だった。だがボシュエが退任を余儀なくされた後、同プロジェクトを引き継いだマイヤルデがオートマタと踊り子に対して独自の見解を持っていたため、世代を経るうちに奇械ダンサーは各機能の完成度が高まると同時に、ボシュエの設計の初心から徐々に逸脱していった。
実験用フィールド生成装置
エドウィン・イースティングハウスが生前に設計した大型装置。本来の設計意図によると、重力を「相殺」する機能を持っている。その誕生は、フォンテーヌを天空の都とするための第一歩と言われたそうだ。かつて大地を押し流す大波に、これからはもう誰も憂う必要はない。たとえ七つの国が全て深海に沈んでも、美しきフォンテーヌ廷は天空の島のように空中を漂う。宇宙の秘密さえも手の届かないものではなくなるだろう。
装置の核となるアルケウムには、「分離」と「沈殿」の特性があり、物質、あるいは物質以外の何かを分離できる。この性質は反転させることもできると言われているが、フォンテーヌ科学院はアルケウムの生む物理的効果にしか興味がない。
魔偶剣鬼
自律型人形からくり剣士。
話す能力と意欲がなく、剣でのみ意思疎通を図る。
噂によると、試作時にとある剣道流派初代宗主の記憶を統合したが、原因不明のまま制御不能になり、やがて放棄されたという。
歌人によると、剣鬼は因縁が断絶された場所に彷徨っているという。自身を守る凶悪の面はあの時代の有名な鬼人から取ったものだそうだ。
秘源機兵・ハンターシーカー
古代遺跡の採取用機械。
伝説によれば、この機械は古代遺跡での特別な作業用に設計されたものだという。主にサンプルの捕獲や収集を目的としているため、基礎的な戦闘能力しか備えていない。
また、この機械は人類のものではない古代文明によって製造されたという噂がある。もしそれが本当ならば、古代文明が失われた今、この奇妙な機械だけが遺されて歩き回っていることになる。
その他人間勢力
宝盗団・斥候
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
組織では下見と見張りの役割を担う。貧困が原因で盗賊の道を選んだが、彼らの装備から判断すると、未だ富裕にはなっていないようだ…
宝盗団・炎の薬剤師
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
化学の知識を利用し、綱を渡る人間。爆発物を調合し、組織の仲間と悪さを行う。
宝盗団・水の薬剤師
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
一部の薬剤師は、宝盗団に入団する前、自分で調合した「霊薬」や「聖水」を町で売るインチキ商人だった。これらの霊薬と聖水は、戦いで大きな効果を発揮するだろう。
宝盗団・雷の薬剤師
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
「薬剤師」は宝盗団のメンバーの中で、危険化学物質の配合に関する知識を持つ者である。
「えっ?このお宝には冒険者協会の名前が書いてるの?」
――ある宝盗団の「薬剤師」が冒険者にこう質問した
宝盗団・氷の薬剤師
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
氷の薬剤師は素早い冷却効果のある氷の霊薬を作れるため、宝盗団の間で非常に人気がある。霧氷花のない野外でも、冷たい飲み物を作ることができる。
宝盗団・雑夫
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
宝盗団で肉体労働を担当する、ちょっと地位が低いメンバー。体格についても仲間からよくからかわれる。しかし敵襲の時は、驚きの活躍を果たすことができる!
宝盗団・弓使い
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
「弓使い」と呼ばれてるが、実際はいじめの際のあだ名だ。結局のところ、彼らは弓のような長時間訓練を必要とする武器ではなく、弩を使用している。敵に向けて引き金を引くだけの弩は、ヒルチャールでさえ使いこなせる。
宝盗団・盗掘者
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
「巨人の肩の上に立つ、というのは先人が蓄積した富を掘り起こし、奪うという意味だ。経済循環の為に使うんだ!立派だろ!」
――ある宝盗団の「盗掘者」が遺跡のお宝を掘り起こすときに言った
宝盗団・海の男児
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
「俺たちのやったことが盗み?盗みだと?再発見と呼べ!お宝の価値をよく知る鑑定家の所へ送ってるんだ。全員が幸せになる良い事ではないか!」
――ある宝盗団の「海の男児」が疑問を持つ新人に言った
宝盗団・拳術家
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
筋肉と戦闘に夢中な人。食べ物にはうるさく、いつも周りに筋肉の良さを謳っている。ほかのメンバーは彼に対して少々不満らしい。
宝盗団・粉砕者
大地のあらゆるところに足を運び、未知なる秘境にまで手を染めた盗賊組織の一員。
もともとは鉱山で働いていた人。層岩巨淵の封鎖後、手当を貰っているにもかかわらず、ある理由で宝盗団に参加した。
野伏・陣刀番
堕ちた浪人、「野伏」と呼ばれているが、統一された団体に属しているわけではない。
長年武術の道を歩み、優れた剣術を持っているが、今はもう正しい道に使いことはない。
生計や財産のため、時には宝盗団やファデュイと共謀することもある。
野伏・火付番
堕ちた浪人、「野伏」と呼ばれているが、統一された団体に属しているわけではない。
優れた剣術を有しているだけでなく、元素を含んだ焔硝薬粉で攻撃する。客観的に見れば、これは武士道に背いているかもしれないが、それも勝利を追求する方法の一つだろう。
生計や財産のため、時には宝盗団やファデュイと共謀することもある。
野伏・機巧番
堕ちた浪人、「野伏」と呼ばれているが、統一された団体に属しているわけではない。
武士として必修の剣術以外にも、弩で敵に奇襲をかけることができる。勝利のためならば手段は選ばない。武家の名を捨てた者は、時として武家の自矜さえ捨てているのだから。
生計や財産のため、時には宝盗団やファデュイと共謀することもある。
海乱鬼・炎威
堕ちた浪人。
物心が付いた頃から武術を身につけていたが、様々な理由から主君に仕える機会を失くし、正しい道から外れて悪の道に染まった。刃はただの鋼鉄のように冷たいものではなく、怨恨に満ちた憤怒の炎で燃えていたーーこれは、失われた惟神技術によって製造された符で、刃を炎を付与している。
海乱鬼・雷騰
堕ちた浪人。
高い武道の精神を持っていたが、様々な原因で使い物にならず、自暴自棄になり悪の道を歩み出した。何百年も前に失われたはずの惟神技術によって製造された符を使い、刀剣に雷霆の力を付与している。
エルマイト旅団・アックス
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
斧を振るう女戦士は、臆することなく乱闘のさなかに入っていき、戦友の為に戦機を作る。
砂漠の故郷で彼女たちは焚き火の傍に座り、砂の海に消えた、遠い昔の歌を奏でる。
エルマイト旅団・クロスボウ
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
伝統的に、エルマイト旅団は弓で敵と戦うことが多かったのだが、教令院がバザールでのクロスボウの購入を許可して以来、長年の練習が必要とされる弓を未だに使用しているのは誇り高き射手のみになった。
エルマイト旅団・ベクドコルバン
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
「ベクドコルバン」という名の武器で戦う。昔、砂漠の神に仕える隠者が身分を象徴するものとして持っていたという伝説がある。しかし、この武器の真の名前は、広大な砂漠の中ですでに失われている。
エルマイト旅団・ラインブレイカー
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
独特なジャマダハルをその手に持つ武道家で、より強い相手を求めてエルマイト旅団に入団した。これは報酬のためというよりも、武芸の高みを追求するためである。
エルマイト旅団・ソードダンサー
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
シャムシールを扱うのが得意な砂漠の戦士。今はなき文明から受け継がれたその技は、戦うためだけのものではない。そこから発展した剣舞も、各国で大人気の曲芸となったのだ。
この大きな彎刀は、騎馬戦で使われていたらしい。
エルマイト旅団・サンドウォーター
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
グラヴェルの唄の古き夢に迷い込んだ少女は、任務執行中の殺し合いが趣味で、それこそが真に価値のある報酬だと思っている。この一族に生まれた女性は、砂漠を彷徨う亡霊に気に入られてしまうことが多く、そのせいで若くして死ぬという伝説がある。
使用する武器には不吉な悪霊が宿っており、危機的状況に陥った時にその悪霊が目覚める。敗者の慟哭だけが、その怒りを鎮められるが――その敗者が武器の主であるか、敵であるかは、全く関係ない。
エルマイト旅団・サンフロスト
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
責務と任務以外には全く興味がないプロの傭兵。「任務の遂行」が唯一の行動指針であり、傭兵市場でも最高レベルのギャラ。
使用する武器には不吉な悪霊が宿っており、危機的状況に陥った時にその悪霊が目覚める。敗者の慟哭だけが、その怒りを鎮められるが――その敗者が武器の主であるか、敵であるかは、全く関係ない。
エルマイト旅団・デイサンダー
黄金のような砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
戦うことを天職とする、真正の戦士部族の末裔。巨大な斧を軽々と振り回す野蛮なイメージとは裏腹に、この一族の戦士は、廃墟となった砂の都の古文と詩歌に精通している。
使用する武器には不吉な悪霊が宿っており、危機的状況に陥った時にその悪霊が目覚める。敗者の慟哭だけが、その怒りを鎮められるが――その敗者が武器の主であるか、敵であるかは、全く関係ない。
エルマイト旅団・ゲイルハンター
砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
クロスボウが広く普及したため、現在エルマイト部族は最も手練れの戦士しか長弓を使って戦わない。彼女たちは両目になどは頼らず、ただ風砂の流れる音で敵の在り処を感じ取る。
使用する武器には不吉な悪霊が宿っており、危機的状況に陥った時にその悪霊が目覚める。敗者の慟哭だけが、その怒りを鎮められるが――その敗者が武器の主であるか、敵であるかは、全く関係ない。
エルマイト旅団・ストーンエンチャンター
砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の元でも働く。
古代、この装戦士は烈日の君王が最も信頼する護衛であった。そのためか、彼らは今でも太陽のような金色の輝きを放つ。
使用する武器には不吉な悪霊が宿っており、危機的状況に陥った時にその悪霊が目覚める。敗者の慟哭だけが、その怒りを鎮められるが――その敗者が武器の主であるか、敵であるかは、全く関係ない。
エルマイト旅団・サンドロアマスター
砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の下でも働くが、砂海の根幹を忘れることはない。
文明が崩壊した後、砂漠の物語は風の中の灯火のように、雲の中の雨のように、口々に語り継がれる歌と秘史と一緒に受け継がれていった。だが、伝承の過程で多くの物語が変化し、また多くの物語が失われた。
「エルマイト旅団」とは、無知あるいは軽蔑から砂海の数多の部族を区別しない、よそ者が使う彼らへの総称である。エルマイト旅団と呼ばれる者の中の多くは、既に砂漠の物語を忘れている。そして、今でも多くの物語を覚えている者は、体に流れる砂漠の血筋を裏切りはしない。
エルマイト旅団・フローラルリングダンサー
砂漠より訪れし、まとまりのない傭兵集団の一員。報酬さえ貰えれば、どんな人物の下でも働く。
砂の民には音楽と舞踏の伝統がある。最初は神への礼賛。それから王の歓心を買うための演武と戦闘の技術となった。砂漠の伝説によると、寝所や高い塔で王を暗殺した舞姫がいた。彼らの神と王都が流砂に沈んだ今でも、踊り子の記憶は変わらず民俗の血筋に刻まれている。
使用する武器には不吉な悪霊が宿っており、危機的状況に陥った時にその悪霊が目覚める。敗者の慟哭だけが、その怒りを鎮められるが――その敗者が武器の主であるか、敵であるかは、全く関係ない。
鋳砂の勇士・インタロゲイター
峡谷から来た勇士であり、琉晶の山や川を巡回する部族の守護者。
ボールヘッド・クラブを手に持つ部族の戦士で、その強烈な打撃はどんなに硬い岩石をも粉々にすることができる。非戦闘時には、よく武器を使って岩石を砕き、宝石や燃素晶塊を探している。
鋳砂の勇士・シールドブレイカー
峡谷から来た勇士であり、琉晶の山や川を巡回する部族の守護者。
巨大なハンマーを両手で振り回す部族の戦士で、敵の防御線を真っ先に破壊する先鋒である。「こだまの子」の人々は宝石や装飾品の工芸を愛しており、戦士たちにとって、ハンマーは子供の頃から触れる機会の多い道具である。
鋳砂の勇士・ジャベリニア
峡谷から来た勇士であり、琉晶の山や川を巡回する部族の守護者。
屋根が崩れ、集落を再建しなければならなかった時代、戦士たちは投槍を目印に峡谷の両側の位置を確認して、道を切り開く場所を決めていた。そのため、投げられた槍は山石に深く刺す必要があった。
迅疾の勇士・シーカー
懸木の里から来た勇士であり、森の渓谷を巡回する部族の守護者。
他の部族の戦士とは異なり、一日中カギ縄を使って山中を飛び回っており、環境に対して非常に敏感である。また、常に予期せぬ攻撃で敵を倒す方法を考えている。
迅疾の勇士・ストームスカウト
懸木の里から来た勇士であり、森の渓谷を巡回する部族の守護者。
剣を使うこの部族の戦士たちは、戦闘技術を磨くため、木の下に立ち、一日に落ちてくるすべての葉を切り続けるのだという。落ち葉が音もなく落ちるように、伝達使の斬撃もまた無音で繰り出されるのだ。
迅疾の勇士・重刃の伝達使
懸木の里から来た勇士であり、森の渓谷を巡回する部族の守護者。
多くの人々は、「懸木の民」の伝達使にとって両手剣は重すぎるのではないかと疑問に思うだろう。しかし伝達使の責務が非常に重いからこそ、より威圧感のある武器が必要とされるのかもしれない。
流刃の勇士・遊撃手
流泉の源から来た勇士であり、水域と岸辺を巡回する部族の守護者。
武器を持たず、最も原始的な格闘技術を得意とする部族の戦士。一見、なんの変哲もない拳や足に、波のような力が宿っている。
流刃の勇士・グリースノウ
流泉の源から来た勇士であり、水域と岸辺を巡回する部族の守護者。
常に最前線にいる戦士で、握った剣は骨を噛み砕く歯のようにも見える。この部族の剣術使いは、水中で剣を振るい、水の抵抗を利用して技と力を鍛える。特に優れた者は、水中の魚も一刀両断にできるという。
流刃の勇士・ジャベリックスロワー
流泉の源から来た勇士であり、水域と岸辺を巡回する部族の守護者。
銛を手にした戦士たちが漁で学んだ技を甘く見てはいけない。かつて、部族の人々はこの技術を用い、鉄のように硬いヒレと鱗を持つ巨大な海獣を追いかけていたと言われている。
テペトル竜戦士・砕晶のハンマー
峡谷から来た勇士。その武勇を認められ、竜冠を授かった。
岩崩の力を借りて攻撃することができる。山岩結晶に詳しい「こだまの子」の人々の中でも、竜冠の戦士は岩石の力を誰よりも深く理解している達人とされている。また彼らは、風化した原鉱を見ただけで鉱石の内部の品質や石目を見分けることができるらしい。
テペトル竜戦士・砕岩のブレード
峡谷から来た勇士。その武勇を認められ、竜冠を授かった。
岩が崩れる力を借りて攻撃できる。伝説によれば、昔の琉晶の支脈は完全で美しい山脈だったという。しかし「黒き波」が襲来した時、「こだまの子」の竜冠の戦士たちは、その方向を変えさせるために大地を掘り進めた。そうして、現在の姿になったのだ。
ユムカ竜戦士・飛葉の丸鋸
懸木の里から来た勇士。その武勇を認められ、竜冠を授かった。
強き戦士である彼らは、攻撃範囲を拡大するためにカギ縄を使う。カギ縄は「懸木の民」の人々にとって、日常生活に欠かせない道具だ。しかし最も狂気じみた戦士は、カギ縄にノコギリを組み合わせ、制御は難しいが非常に殺傷力の高い武器にカスタマイズする。
ユムカ竜戦士・鳴空の大砲
懸木の里から来た勇士。その武勇を認められ、竜冠を授かった。
強き戦士である彼らは、カギ縄を使って攻撃範囲を広げる。精巧な機械を組み込めば、カギ縄でハンドキャノンを発射することも可能だ。「懸木の民」の竜冠の戦士にとって重要なのは、精神や意志の鍛錬ではなく、技術と思考の洗練である。
コホラ竜戦士・裂波のスロワー
流泉の源から来た勇士。その武勇を認められ、竜冠を授かった。
強き戦士である彼らは、波の力を一時的に借りて水面を行き来することができる。伝説によると、部族の英雄は道具を使わずに水上を超高速で往復することができるという。現代の部族の人々は、これを非常に精巧な波を操る技術だと見なしており、その核心は移動方法にあると考えている。
コホラ竜戦士・裂礁のガトリング
流泉の源から来た勇士。その武勇を認められ、竜冠を授かった。
強き戦士である彼らは、波の力を一時的に借りて水面を行き来することができる。この技術を習得するには、「適応」「順応」「駆使」という三段階の修練が必要だと言われている。この技術を習得することは「流泉の衆」で竜冠の戦士になるための最低条件に過ぎない。竜冠の戦士の中でも最も優れた人は、この技術を使って陸上を船のように移動することさえできる。
異種の魔獣
トリックフラワー・炎
神出鬼没な擬態植物の魔物。炎元素を利用して戦う。
テイワットでは、元素に取り憑かれた植物が存在する。故に知性を持たされた。その割に、養分に対する欲求も伸び続けている…
トリックフラワー・雷
元気満々な擬態植物の魔物。雷元素で獲物を攻撃する。
元素エネルギーが満タンになると、花冠から強力な電流を放つ。そのため、これを他の用途に利用しようとする学者も存在し…
トリックフラワー・氷
神出鬼没な擬態植物の魔物。氷元素を利用して戦う。
土の中に隠れて獲物を獲る習性がある。時間と養分さえ足りれば、巨大な急凍樹になる可能性もある…
爆炎樹
地脈の中で流れている上古の炎を吸収した巨大な藤。
消えることのない怒りの炎のような植物。
「元素」には感情と願いが秘められていると、詩人や歌手、さらに一部の学者までそう思っている。もしそれが本当なら、燃え続ける爆炎樹は一体どんな感情を持ち、大地の束縛から逃げようと足掻いているのだろう…
迅電樹
地脈に流れる高圧電流を吸い取る、巨大なツル草の魔物。
樹冠からは、大地の怒りを発散させるように、次々と電気を放出する。
かつて妙論派の学者たちは、迅電樹の周りに複雑な電気回路を配列すれば、そこから得た電気を街まで送り、使うことができるだろうと提唱した。しかしこの計画に素論派の学者たちは猛反対し、電気を使うことの危険性を証明するために10匹のキノシシを犠牲にした。
急凍樹
地脈の中の霜雪が藤に付着してできた魔物。
研究によると、植物は世界の器官のように、元素の流れを調和している。地表に出ると、その結晶は霧氷花、トリックフラワーなどの元素エネルギーに満ちた植物になる。
このような特定の環境で育った特定の植物は、長い年月の中で、急凍樹のように凶暴な魔物になるかもしれない…
ベビーヴィシャップ・岩
岩性質の硬い甲羅を持つ小型ヴィシャップ。
動きが非常に機敏であり、侮ってはいけない相手である。スメール教令院の研究によると、たとえ幼獣もいずれ「龍」になれる素質を持っている。天災や害敵に遭わない限り、いつか幼獣も山を揺るがす巨大な魔物になれるだろう。
ヴィシャップ・岩
成年の岩のヴィシャップ。
話によると、ベビーヴィシャップ・岩は長い年月を経験すると、自分を守る甲羅を脱ぎ、「ヴィシャップ・岩」に成長する。しかし、古くて偉大なる「エンシェントヴィシャップ・岩」も含め、彼らヴィシャップ・岩は長年山の下で休眠状態を保ち、動き始めたのは最近の事だ。故にこの説は、いまだ直接的な観測によって証明されていない。
エンシェントヴィシャップ・岩
長い年月を経験し、偉大な力を持つ巨大なヴィシャップ・岩、元素の異変に適応することができる。
話によると、天穹の谷を滅ぼした「龍災」の後、「ヴィシャップ・岩」と「エンシェントヴィシャップ・岩」たちは大地に埋まり、復活のチャンスを待ち続けている…
アビサルヴィシャップ・原種
海淵で生きるヴィシャップ。
かつて彼らは、深海を支配する種族であった――更に遠い昔には、龍がこの世界を支配していた。しかし、古の七王は天からの力に敗れ、次々に朽ちていった。
アビサルヴィシャップ・噛氷
海淵で生きるヴィシャップ。環境に適応するため、氷元素の個体が現れた。
アリが性別や役割によって異なる形態を持つのと同様、人間の到来が紛争を引き起こした結果、アビサルヴィシャップは進化を始めた。これらのヴィシャップは、普通のアビサルヴィシャップよりもずっと強い。
アビサルヴィシャップ・吞雷
海淵で生きるヴィシャップ。環境に適応するため、雷元素の個体が現れた。
古の七王が衰えた後、新たな七王が次々に誕生した。しかし、アビサルヴィシャップは進化の過程で、種としての純粋さを失ってしまった。もう、彼らの群れから水の龍は誕生しない。予言では、新たな水の龍は人の姿で降臨すると言われている…
今や完全な力を取り戻した水の龍は、彼らを同族とみなす一方で、もう一つの種族と道を同じくしている。
人との共存を選んだならば、「眷属」も人と密接に交流できるものを選ぶべきだと考えたからか、あるいは単純に彼女たちのポテンシャルに気づいたからなのか。真相は定かではない。
水蛍
氷元素をわずかに導く小さな生物。
他の蛍類と共に「飛蛍」と呼ばれる。「霧虚ろ草」という珍しい不思議な植物に懐く性質を使い、ファデュイの術師は飛蛍を使う戦い方を発明した。
雷蛍
雷元素をわずかに導く小さな生物。
他の蛍類と共に「飛蛍」と呼ばれる。力は小さいが、特定の環境下である程度ダメージを起こすことができる。
氷蛍
氷元素をわずかに導く小さな生物。
他の蛍類と共に「飛蛍」と呼ばれる。力は小さいが、独特な移動方式で掠食者の攻撃を回避する。
プカプカ水キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
聞いた話によると、とても不味いらしい。しかしこのようなキノコンは水分を豊富に含んでいるため、非常時には水源にもなる…
プカプカ風キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
決して小さくはないカサを持つが、このカサ状組織の中は空であるため、食材として利用するのは難しい。
プカプカ草キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
かつて、とある学者はこの生物を草フライムの一種であると断言したことがある。しかし批判された末に彼は言葉を変え、それは「文学的」な表現に過ぎないと主張した。
グルグル炎キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
豊富な炎元素を内包しており、乾燥する季節には山火事を引き起こす。森にとっては非常に危険な侵襲種である。
グルグル雷キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
とある研究によると、この類のキノコンに流れる電流の方向は、時間の経過に合わせて周期的に変化するらしい。この特性の研究がさらに発展すれば、より広い用途に利用できるかもしれない…
グルグル氷キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
氷で冷やしてもキノコンは美味しくならない。しかし、少なくとも暑さをしのぐ効果くらいはある。
ボヨヨン炎キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
怒りっぽい性格に見えるが、実はとてもやさしい。近寄り過ぎなければ、安全面の心配はしなくて済むかも?
ボヨヨン風キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
伸びる体で素早く栄養を吸収するキノコン。傘のような形は、風の流れに応じて回転する。
ボヨヨン雷キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
他のキノコンとは異なり、カサの他に発光する触角が生えている。危険に遭遇すると、小さな電気の球を出して自分を守る。
ボヨヨン岩キノコン
一定の知能を有する胞子生物。とても高い環境適応能力を持っている。
岩元素がカサに凝縮し、硬い殻を形成している。重い頭を振り回すために、きっと体の構造も他の同類よりもぎっしりしているのだろう。
トコトコ水マッシュロン
胞子でできた擬態生物。とても高い環境適応能力を持っている。
鳥類のような見た目だが、飛ぶことはできないようだ。水元素の影響のせいか、同類に比べると動きがとても機敏である。とある研究は、このキノコンが単一生命でなく、実は無数の小さな胞子の集合体なのだと主張している。
キノコンたちの間ではリーダーのような立場にあり、それに見合うだけの高い知性を持っている。
パタパタ草マッシュロン
胞子でできた擬態生物。とても高い環境適応能力を持っている。
外見だけでなく、生活習慣まで鳥類を模倣している。胞子で作られた翼で空を飛び、さらに遠くへ胞子を撒き散らすことができる。
キノコンたちの間ではリーダーのような立場にあり、それに見合うだけの高い知性を持っている。
パタパタ氷マッシュロン
胞子でできた擬態生物。とても高い環境適応能力を持っている。
外見だけでなく、生活習慣まで鳥類を模倣している。飛行するとき、美しい氷の花を撒き散らすが、その晶核も実は胞子でできている。
キノコンたちの間ではリーダーのような立場にあり、それに見合うだけの高い知性を持っている。
トコトコ岩マッシュロン
胞子でできた擬態生物。とても高い環境適応能力を持っている。
岩元素の影響を受け、一部の組織はどうやら完全に角質化しているようだ。元よりキノコンは胞子から進化したことを考えると、もしかすると時間が経てば、これをベースに全く異なる新しい形体の命が生まれるかもしれない。
キノコンたちの間ではリーダーのような立場にあり、それに見合うだけの高い知性を持っている。
マッシュラプトル
長い年月を経て、独特な姿に進化した大型キノコン。
その知能はすでに動物並みか、またはそれを凌駕するほどのもの。積極的に獲物を狩って養分を摂取できる。しっぽには美しい翠色の羽が生えているが、これは素論派が崇める古代聖獣の羽と非常によく似ている。擬態進化のロジックで考える限り、この2つの生物がかつて一緒に大地を歩んでいた可能性は高いと思われる。
聖骸ツノワニ
偉大なる生命体を蝕むことで歪み、変異を起こした爬虫類。
その威厳ある姿を持つ猛獣は、時に人々より畏敬の念を抱かれ、偉大なる力の化身だと見なされる。そして、その印象を借りることで、自らの力を引き立てるために使われることもある。しかし、真に「偉大なる力」を体に取り入れた獣の多くは、落命の結末を迎えることになる。その中の限られた存在だけが新たな姿を得て、進化を遂げるのだ。
聖骸牙獣
偉大なる生命体を蝕むことで歪み、変異を起こした捕食者。
弱肉強食こそ自然の摂理であるが、愛玩動物と聖骸獣はその例外である。人の餌も、腐敗することのない遺骸も、その裏に意志があるかどうかにかかわらず、本質は罠だ。最強たる存在の贈り物を貪ることの代償は、檻に閉じ込められることよりもずっと悲惨なものである。
聖骸赤鷲
偉大なる生命体を蝕むことで歪み、変異を起こした腐肉食猛禽類。
聖骸獣が飲み込んだ死骸の中には、永遠に静寂へと沈まない意志が常に存在している。これらの意志と力によって、聖骸獣もまた無限の殺戮と亡骸を求めてしまう。
聖骸サソリ
偉大なる生命体を蝕むことで歪み、変異を起こした節足動物。
生物には進化する法則がある。そして聖骸獣の法則は、遥か昔に亡くなった強い生物の遺骸を同族より先に見つける十分な運である。動物と人間の共通性は往々にして、人間が認めるものより多い。
聖骸トビヘビ
偉大なる生命体を蝕むことで歪み、変異を起こした爬虫類。
元素を操る異能を手にしても、聖骸獣はその体内にある朽ちない亡骸を完全には消化できない。その力は動物本体と融合しており、そこから生長した骨の甲羅の成分は稲妻で生産される精錬素材に似ていると言われている。
風蝕ウェネト
砂海の奥深くに生息している目のない捕食者。音と大地の震動を頼りに獲物を追跡する。
時間の概念が生まれるよりも昔のこと、彼らは大地を覆った芳草や巨木を統制していた。そして、彼らの主宰はその子孫たちと共に、湿った土の中を行き来していた――まるで魚が水の中を泳ぐかのように。
長い長い時間が過ぎて、空からの恵みは泥を砂礫にした。多くの命が潰えて、多くの種族が消えた。そして、この地を頼りに生きている一族は「ウェネト」となった。
生物的習性に共通点があるためか、砂漠の民は「ウェネト」を流砂ウナギが蛹になって成熟した後の完全体だという誤った認識を持っているようだ。
プクプク獣
フォンテーヌ水域に生息する哺乳類。抑揚をつけた鳴き声を発することで仲間とやり取りできる。密度の原理からすると、音を伝える媒質としては、空気よりも水の方が遥かに効率が良い。プクプク獣からのインスピレーションに基づき、科学院のある人物は画像をデータに変換して瞬時に送る技術を発明したのだが、実験には技術的制約が多く、科学院の外においてはあまり使われていない。
しかし実際、はるか古の時代に、液体と音に基づくデータ伝送技術はすでに存在していた。世の中に、真新しいことなどない。
狩猟刀エイ
水刃を放つことができるエイ。
原海アベラントには、奇怪な「異なる色」も生物が存在する。一説にはこの亜種は生物ではなく、この海に肉体をもって生まれたことも、餌を飲み込んだこともない霊魂で、原海が認めた者や原海を操る者に祝福を与えるという。もちろん自然哲学の心得がある人は、こんな根も葉もない説を認めないだろう。
重甲ヤドカニ
巻貝や貝殻の中に住んでいるカニ。
野生動物にありがちな攻撃性はほとんどない。なぜなら食欲以外の攻撃性はたいていテリトリー意識によるものだが、重甲ヤドカニのテリトリーは背中にしょっている小さな家だからだ。
堅盾重甲ヤドカニ
巻貝や貝殻の中に住んでいるカニ。
重甲ヤドカニは成長の過程で自分の体格に合った殻を絶えず探し続ける。重甲ヤドカニが自分の住まいを探し求める数奇な運命を描いた童話がベストセラーになったことがある。子ども向けのストーリーだったが、その後の反響を見れば、他の多くの童話と同じく、大人により深い感銘を与えたことは明らかだ。
鉄甲熔炎帝王
原海アベラントの頂点に君臨する二大覇者のうちの一種。昔から船乗りの間で語り継がれてきた。
天敵に遭うことなく、ずっと狩りや食事を続けられる重甲ヤドカニは、成長と共に絶えず自分に適した巻貝や貝殻を探し、新しい鎧とする。しかし最後には大きくなりすぎてしまう。大一次大水期より前に、巨大な重甲ヤドカニが船を襲い、最終的に休職中の海軍司令官バザル・エルトンに撃退されたという記録がある。
つい、こんな世界を想像してしまう――テイワットのあらゆる人を排除し、際限なく成長する鉄甲熔炎帝王。かの者はついに、この上なく華美な白い鎧「パレ・メルモニア」を身にまとう。もちろん、そんな世界ではふざけて「鉄甲熔炎帝王」などと呼ぶ人はもういないだろうが…
ボウシクラゲ
水弾を発射して狩りをする水生生物。
帽子のように見えるが、食事をする口器はその「帽子」の底にあるので、頭にかぶるのは賢明な行為とは言えない。過去にそれを実証した人もいる。「後になって思えば、あれは確かに愚かな行為だった。」
アワアワタツノコ
水弾を発射して狩りをする水生動物。
(数少ない)原海アベラント愛好家の間で、アワアワタツノコはかなりファンが多い。もちろん原海アベラント愛好家もクロックワーク・マシナリー愛好家と同じように、集団内でさらに細分化されたグループは他のグループに対してかなり攻撃的であるが。
アワアワタツノコ・オス
オスのアワアワタツノコの成魚後の形態。攻撃性が非常に強い。
かつてタツノコの王者に出会った人がいたが、長い四肢を持つ高慢な生き物だったという。
千年真珠の海駿
原海アベラントの頂点に君臨する二大覇者のうちの一種。
詩人や物書きはよく、その独立した行動を孤高かつ高潔と評するが、このように描写されるのは、つまるところその姿が端麗で優美だからだ。そのため、それは「海駿」と呼ばれ、重甲ヤドカニの王は「帝王」なのである。
フォンテーヌに伝わる逸話では、かつて原海アベラントの中で非常に苛烈な戦争が勃発し、「千年真珠の海駿」と「鉄甲熔炎帝王」のみが生き残って大きな湖を南北に分断した。『ドアーチュの歌』では、戦争の結末がこのように描かれた。嵐王と呼ばれる巨大な狩猟刀エイが死を前にして大きな波を起こし、いわゆる「第一次大水期」を引き起こした…。
これらはもちろん、ファンタジーの欠片もない現実生活受け入れたくないがためのロマンチックな空想に過ぎない。原海アベラントは結局のところ、ただの水生動物に過ぎず、美しく、または朽ち果てた王宮は登場しないし、気持ちが高ぶるような、あるいは辛辣な言葉を投げかけられることもないのである。
マンマルタコ
水弾を発射して狩りをする水生動物。
もちろん、水弾を発射することは原海アベラントの中では珍しい能力ではないが、観光客をはじめとするアマチュア潜水士にとって、こうした高圧水流は少なからず怪我のもととなる。ダイビング保護具が分厚いのには二つの理由があり、水圧に抵抗するためと、原海アベラントの攻撃を防ぐためである。
アンジェリックアプリシア
水弾を発射して狩りをする水生動物。
進化という観点から言えば、原海アベラントはフォンテーヌの特殊な環境に沿って進化した水生動物である。従って過去のある時点で、フォンテーヌの原始的な水生動物は、テイワットの他の地域の水生動物とあまり変わらなかったと考えられる。
チェルビックアプリシア
アンジェリックアプリシアの成体後の形態。背中の「翼」は、実際には元素エネルギーを蓄えておく脂肪の塊である。この水生動物は一生涯食べ続け、実際の活動には必要のない栄養分を大量に蓄える。海が干上がるような終末の日が来れば、長時間生き延びたり、他の生物の重要な養分になったりするかもしれない。
玄文獣
沈玉の谷の山林に生息する獰猛な野獣。濃い模様の色から「玄文」と名付けられた。
沈玉の谷の民話によると、遥か昔、妖魔を退治し、民を守っていたこれらの猛獣は、ある仙人の眷属だったらしい。仙人が逝去した後、これらは凶暴な野獣へと退化したそうだ。その伝説を確かめる術はなく、仙人の正体にも諸説あるが、唯一確かなのは、安全面を考えて、こうした荒々しい生き物には軽々しく近づかないほうがいいということだ。
千年もの間、人間による開拓が進められてきたことで、こうした野獣の生息空間はどんどん狭まっていった。今、この猛獣の姿を見ることができるのは、人が滅多に立ち入らない沈玉の谷の高く険しい山中のみである…
山隠れの猊獣
優雅で驕倣な霊獣。仙力が漂う深い山にしか生息しない。
古来より、この仙獣は福運の象徴とされている。山に身を隠し、俗世から離れて過ごすその習性は、歴代の文人たちにいつも感銘を与えてきた。沈玉の谷の地元の古い伝説では、猊獣の長は「山主」と呼ばれ、その地位は往々にして仙人と同等とされる。
別の説によると、現在山林に潜んでいる玄文獣もこの仙獣の子孫だという。ただ仙縁が浅く、このように高貴な血脈を受け継ぐことが難しかったため、凶暴な野獣に退化したそうだ。この説は玄文獣の起源に関する別の説とは食い違っているが、それでも猊獣に関する数少ない記載では、出現するときは多くの玄文獣を従者として伴っていることが多い。
現在、沈玉の谷でよく知られる「獣舞劇」は、伝説の中の猊獣の動作や表情を模して演じられたものである。しかし実際に猊獣を見たことのある人はごくごく少なく、ほとんどの人は想像によってこの生き物の姿を描くことしかできない。数千年の変遷と芸術的な演出の結果、「獣頭」は最終的に現在のスタイルに固定された。
魔像プラエトリアニ
戦士の姿をした動く彫像。如何なる者であろうと、この彫像の守る地に大胆にも踏み入ろうとすれば、その刃を向けられる。だが、それを動かしているのは魂なのか、はたまた魔法なのかはいまだ不明である。
伝説によると、魔像で構成された軍団はかつて高海の上の諸国を征服したという。この魔像もその一員かもしれない。
海底に沈んだ高塔と宮殿は、運命の輪に歯向かう者の結末を見届けた。
魔像レガトゥス
白石と黄銅で作られたケンタウロスの巨像。硬い石からなる体の下には、イコルの血が流れている。軍団の統帥のような姿でそびえ立ち、その威厳を冒そうとする者を常に踏みにじろうとする。
沈んだ古代文明はこう考えていた────戦争は音楽と同じように、リズムに従うべき芸術だと。軍団の統帥は楽団の指揮者のように、手中の盾と剣を琴の弦と弓に見立てて、無情の戦場で烈火の旋律を奏でるべきだと考えた。
「戦争とは、普遍的な幸福に通じる必要悪である。」魔像の軍団を率い、かつて高海全土を征服した調律師がそう語った。
テペトル仔竜
幼いテペトル竜。山石や固体燃素の間を掘り進む能力を持っている。
しかしまだ額に角が形成されておらず、掘削技術も未熟だ。そのため、練習中に岩に挟まれてしまうこともよくある。だが、いつかは堅固な土壌の中を自由に移動できるようになるだろう。
テペトル竜
テペトル竜は、ドリルのような角と強靭な爪を持ち、山石や固体燃素の中を掘り進むことができる。
伝説によると、テペトル竜の祖先は山のように巨大な竜で、非常に長い寿命を持っていた。眠っている間に、その背中には山々が形成されており、テペトル竜の祖先が目覚めて泥や岩石を振り落とすと、鱗の間に埋まった宝石や翡翠が輝きを放ったという。また、「こだまの子」部族に伝わる巨大なドリル状の物体は、その竜の角であると言われている。
コホラ仔竜
コホラ竜
ユムカ仔竜
ユムカ竜
山の王・貪食のユムカ竜
暴君・金焔のクク竜
溶岩の像・土蝕者
溶岩の像・流燃体
岩窟・大霊の化身
噴流・大霊の化身
疾葉・大霊の化身
名前を覚えるべき強敵
空を裂く魔龍
モンドの「四風守護」の一柱、東風の龍トワリン。
長い年月と無限の暗闇の中、かつて澄んでいた宝石も埃で暗くなり、誇り高き龍も侵食され、憎しみに満ちた。
しかし、いずれ埃は簡単に拭き取れ、闇と毒もかき消せる。
「自由に大空を飛べ。」
「ボクたちが出会ったときのように、ボクは風の詩を歌いながら大地を歩き、君は高天の上で世界を見下ろしていた。」
「今、空には風雪が無く、大地は緑いっぱいで、さぞ美しいだろう。」
「もし、君が大地を歩み、牧歌や風鈴が奏でる歌を聴いたり、ミツのように甘い酒を味わったりしていれば…」
「もし、君がボクのように、君の青い空を飛んでる孤独な、美しい姿を見ることがあれば…」
「君もきっと分かってくるだろう。このような大空と大地は、戦う価値があるということを。」
北風の王狼、奔狼の領主
奔狼領を見守る「ルピカ」、尊く崇高な魂。
群狼が脅威に晒された時に、彼は狼の姿で現れ、自らの蒼牙と鋭爪を示す。
奔狼領の狼はモンド人にとって不気味な影である。
一瞬で樹木の間を駆ける残影、予測不可能な遠吠え、森の中から微かに感じられる目線。
だが、人は狼の冷酷な目と直視できる機会はほとんどない。何故ならここには「王狼」が民の為に定めた掟があるからだ。
「公子」
ファデュイの執行官第十一位、「公子」タルタリヤ。
不吉な「邪眼」から力を吸い取り、暗闇の地で習得した武術で戦う。
無限の戦闘欲を持つ純粋な戦士。
血まみれの争い、生と死の挑戦は、彼にとって喜びの試練に過ぎない。
若い「公子」の戦績は広く知られている。
だが、彼自身にとってはどうでもいい話だ。
何故なら…
「お前の運命は争いの嵐の目となる。」
「兵刃を交える音は、常にお前の旋律。」
「暗闇の記憶に足を踏み入れ、」
世界を破壊する力を手に入れるがいい。」。
若陀龍王
その寿命は山岳の如く、いにしえより生きる巨龍。
遥か昔、記憶に忘れられし時代、巨竜は岩王帝君と同じ道を歩んでいた。しかし、やがて道を違え、暗き地の底へと封印される。長い年月を経るにつれ、その力は徐々に失われ、形すらも歪んでいった。
鎖の振動と巨龍の轟きが、山々の間に響き渡ったという。
「淑女」
ファトゥス第八位の「淑女」。
邪眼の権能を行使する他のファデュイとは違い、邪眼は全てを飲み込む烈火を抑制するものである。殺し合いの兵器と呼ぶより、拘束の道具と呼んだ方がより適切だ。
それは長きに渡る年月の間、積み重なった余燼が邪眼の霜の封印を破った後、彼女に塗った歪んだメイクである。
瞳に夜明けの茜色が映り、彼女は最後、烈焔の翼を広げ、払暁へ飛んでいった。
「しかしあれは暁ではない、親愛なるロザリンよ。あれは、全てを燃やし尽くす火の海だ。」
光の中で、その声は彼女にそう言った。
だが、それでも構わない。彼女は分かっていた、自らがすでに烈火に呑まれていることを。
禍津御建鳴神命
雷電将軍の権能を代行する人形。「永遠」を脅かす敵と対抗するための姿である。
「永遠」を遂行する雷電影の協力者として、彼女は一切の疑問や恐怖、そして雑念を抱かず、常に全力で身を尽くしてきた。
眞と影の時代において、影は自分と同じような責任を負い、惨愴たる喪失を味わったと彼女は聞いた。
二つの影が重なったとき、「彼女」の永遠の意志であったはずのものに、 無数の亀裂が見えた。運命は輪廻するもの。彼女は約束通り、宣戦布告しなければならない。
「この身は、無上なる威厳を象徴し、一国を統べる権限を与えられ、『雷電将軍』の一切を凝集したもの」
「当然のことながら、影が前進する中、絶え間なく失われていく苦しみと、永遠を目指す決心も受け継いでいます」
「決心、勇猛、愛慕、憎悪…そのすべてが時間という長い川の中で歪み、変わっていくのです」
「『規則』のみが、永遠を保つことができる」
正機の神
スメール教令院に属する六大学院の力を集めて創った人造正機神。真の神に匹敵するほどの力を持つ。
世の人がこれを偽りの神と呼ぶならば、彼らは「神」という言葉の真意を理解していない。
もし人を超えた者を神とするのならば、正機の神はまさにすべてを知り、この上ない力を背負う、人を越えた者と言えよう。
もし人を愛する者を神とするのならば、正機の神は人に平等な失敗を与えることを知る、人を愛する者と言えよう。
もし人を観る者を神とするのならば
……
…………
正機の神は無数の愛別離、怨憎会、そして噴痴を覗きみているがゆえに、人を観る者と言えよう。
「汝らは幸福を手にし過ぎた」
「おかげで汝らは愚かに、傲慢になり――恐ろしいほど貪欲になった」
「この時代を終わらせよう!」
「新しき神に、古き神の敗北を告げさせるのだ」
「哀れなる人類よ…跪くならば今のうちだ」
アペプのオアシス守護者
アペプはかつて数多の子孫と共に、芳しい海にある百尺の巨木と千里と続く蔓草の中で棲んでいた――その姿はまるで水を得た魚のようであった。やがて草木が枯れて塵となると、無数の砂粒のように小さな生き物が、その土地に脆い城と国を築いた。
アペプはかつて数多の子孫と共に、砂海を熱き湯のように沸き返らせ、城を落ち葉のように吹き散らした。やがて新たな砂海の王と故郷を失った王は和解し、陽の光に照らされる砂丘はすべて人と神に属すこととなった。そして、龍のオアシスはその心の中に残った。
アペプはかつて数多の子孫と共に進化の知識を共有した。なぜなら、流水が腐ることはないが、朽ちた木は必ず倒れるからである。そして最後、砂の王との約束を果たして究極の知恵を手に入れた。それ以降、その目には終末の景色、果てしない世界の滅亡しか映せない。
アペプはかつて独りで世界の滅亡の景色に溺れていた。すべての人、神、龍、獣、鳥、魚と――それからすべての記憶、知恵、言葉、怨嗟は色のない塵となって、最後の月光は白炎の雨となり荒土に落ちる。
……
アペプはかつて砂海の底を行宮ではなく、そこを自身の墓だと考えていた。「知恵」の毒は、すぐさまアペプを幾星霜の怨嗟と怒りから解放させた。アペプは既に、終末の色を欠いた景色に退屈を感じていた。やがて、もっとも若い神と金色の旅人によってアペプは思い出すことになる。自分が過去に支配していた青々とした土地が金メッキの荒原となり、自分の子孫がそこで生きるために醜く姿を歪めていようとも、その心の中にはかつてのオアシスの景色がずっと大切に残っていることを。
呑星の鯨
謎の異界の巨獣。
詩人はしばしば、星空を海原に例える。その目で月の浮かばない漆黒の海面、あるいは夢で、銀河に似た光を放つ無数の浮遊生物を見たことがあるのかもしれない。もしくは、海面に降り注ぐ月明かりが波に散らされる様子が、輝く星に思えた可能性がある。最も幻想的な物語、または荒唐無稽なでたらめの中で、宇宙の最奥にある真の星々もまた、テイワットのように活気に満ち溢れている。そして宇宙そのものは、まるで海原のようだ。しかし現実的に考えれば、生命に満ちた深𨗉な宇宙が本当に存在するのならば、なぜそれらの生命はいまだにテイワット人との邂逅を果たせていないのだろう?
もしかすると宇宙は、テイワットへと侵入し続けているのかもしれない。より上位の意思が彼らとの境界を定めたのは、おそらくこの世界を守るためだろう。
「召使」
ファデュイ執行官第四位「召使」。
彼女の運命には古き凶月の血が流れている。それは渇望も、力も、呪いも、王朝が有した全てを彼女に授けた。
短い年月の間に彼女は無数の苦痛を見届け、そして味わってきた——黒い日が昇った時に、先祖が毒を飲んだように。
だが苦痛であれ運命であれ、彼女にとっては決して致命的な毒ではない。
それは壁炉の中で静かに燃える薪であり、子供たちに暖かさをもたらすための炉火でもある。
いつの日か、今も微弱な炉火が旧世界の全てを燃やし、凶月の最後の血裔も焼き尽くすだろう。
いつの日か、今も未熟な子供たちが往日の運命を打ち破り、彼女が夢見る涙のない未来を迎えるだろう。
その日まで——夜明けが訪れるまで——ペルヴェーレという者は、その弱く甘い夢を見守る。
「運命が蒼白の道を築いたならば、それを凶月の血色で染めよう」
「たとえ消えかけの蝋燭の火でも、夜明けの前に苦厄を焼き尽くすには十分だろう」