キャラ・一族・団体

Last-modified: 2024-10-12 (土) 17:59:05

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目次

表(作成中)

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モンド

一族・種族人間の時代(数百年前~現代)出身カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身英雄の時代(2000年前~500年前)出身魔神の時代(6000年~2000年前)出身
魔神バルバトス(ウェンティ)
-デカラビアン
アンドリアス
ルピカ
レザー-
トワリン-
-ドゥリン-
人物レインドット-
燃え盛る炎の魔女「淑女」-
エルフ(種族)アリス
クレー
アリス?-
グンヒルドジングンヒルド
ラグヴィンドクリプス
ディルック
ローレンスシューベルト
エウルア
レッシグ
クロイツリード
ペッチサイモン
バーバラ
カッツェレインオラフ
ドゥラフ
ディオナ
シュミットホフマン
ミカ

璃月

一族・種族人間の時代(数百年前~現代)出身カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身英雄の時代(2000年前~500年前)出身魔神の時代(6000年~2000年前)出身
魔神モラクス(鍾離)
-帰終(塵の魔神)
オセル(渦の魔神)-オセル(渦の魔神)
-ヘウリア(塩の魔神)
仙人
甘雨
留雲借風真君(閑雲)
七七-
若陀龍王-若陀龍王-
クンジュ?クオン
寒鋒?寒武
寒策
雲菫?雲輝
雲凰
卯師匠
香菱
トントン一家トントンの父親
トントン

稲妻

一族・種族人間の時代(数百年前~現代)出身カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身英雄の時代(2000年前~500年前)出身魔神の時代(6000年~2000年前)出身
魔神バアルゼブル(雷電影)
-バアル(雷電眞)
-オロバシ
人形国崩(スカラマシュ)
雷電将軍
-雷鳥(紫電の鳶)
天狗(種族)九条裟羅大天狗
光代
笹百合
御輿-御輿千代
御輿源一郎
御輿源次郎
御輿長正
岩蔵道啓(胤の岩蔵)
白辰-狐斎宮(大狐白辰)
狸(種族)五百蔵
寝子
柊慎介
柊千里
柊弘嗣
九条九条孝行
九条政仁
九条鎌治
神里神里綾人
神里綾華
鷹司鷹司進
鷹司朝秀
紺田紺田伝助
双葉
紺田の一族
柴門柴門克巳
柴門恵理
柴門二郎
紫門の一族
稲城稲城蛍美稲城弥里
鹿野鹿野奈々
鹿野院平蔵
長野原長野原龍之介
宵宮
小倉小倉優
小倉澪
鯨井鯨井椛
鯨井坊や
岡崎岡崎陸斗
岡崎絵里香
今谷今谷三郎
今谷香里
今谷佳祐
荒瀧(鬼?)荒瀧一斗荒瀧(大手門荒瀧)
久岐久岐幸
久岐忍

スメール

一族・種族人間の時代(数百年前~現代)出身カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身英雄の時代(2000年前~500年前)出身魔神の時代(6000年~2000年前)出身
魔神-マハールッカデヴァータ
ブエル(クラクサナリデビ)(ナヒーダ)
キングデシェレト
?(魔神?天空の一族?)ナブ・マリカッタ
人造神七葉寂静秘密主(正機の神)
草龍アペプ
謎の生物アランナラ
教令院関係者アザール、セノ、ティナリ、アルハイゼン、ファルザン、レイラ
人形放浪者
その他人間ドリー、コレイ、カーヴェ、ニィロウ、ディシア

フォンテーヌ

一族・種族人間の時代(数百年前~現代)出身カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身英雄の時代(2000年前~500年前)出身魔神の時代(6000年~2000年前)出身
魔神-エゲリア(先代水神)
純水精霊フォカロルス
フォンテーヌ人→人間フリーナ-
水の龍王ヌヴィレット
カスパールカーレス
クレメンタイン
ナヴィア
リネとリネットの一族リネ
リネット
純水精霊→フォンテーヌ人→人間その他、全てのフォンテーヌ人
モンド人リリア

スネージナヤ

一族・種族人間の時代(数百年前~現代)出身カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身英雄の時代(2000年前~500年前)出身魔神の時代(6000年~2000年前)出身
ファトゥス公子道化
散兵
淑女
-


前史(世界創生~6000年以上前)

モンド

『千年も自由の都を守った巨龍が、自由に戸惑い始める。
自由の神に命じられた自由は、本当の自由であると言えるのか。』

テイワット大陸北東部に属する風神が興した*1国。

重要な出来事

  • 2600年前:吟遊詩人の少年と風元素精霊(後のウェンティ)が率いる反乱軍がデカラビアンが治める旧モンドを打倒。
  • 1000年前:ウェンティの助けを得た奴隷剣士ヴァネッサによって旧貴族が打倒される。西風騎士団の設立。四風守護の結成。
  • 500年前:黒龍ドゥリンの襲来、撃破した風龍トワリンも毒血を受け眠りにつく。
  • 本編直前:クリプス死亡によるディルックの離反と帰還、『黒い焔』事件を始めとするファデュイの暗躍。

魔神の時代(6000年~2000年前)出身

魔神

バルバトス(風神・ウェンティ)
プレイアブルキャラクター。人間としての名はウェンティ。中性的な容姿の詩人。
元々は小さな元素精霊であり、「小さな希望と転機をもたらす風」であったが、ある詩人の少年と出会い、友となる。
後に詩人の少年をはじめとする高壁内の民衆とともに反乱を起こし、デカラビアンを滅ぼしてその力を得る。
その際に戦死した詩人の少年の姿を借りた後、新モンドを建国。
アンドリアスの残した氷雪を吹き飛ばし、とんがり帽子山を切り落として住みやすい気候に変えた他、数えきれない歌や祭礼を教えた後眠りにつく。
1000年前に覚醒。ヴァネッサによる革命を手助けした後、四風守護を制定しモンドの守護を託す。
500年前の大災害では、ドゥリンと交戦するトワリンの援護を行い、討伐を手助けする。
  • 名前について
    バルバトスとは、『ゴエティア』に記述されているソロモン72柱の悪魔において、序列8番に位置する悪魔の名。
    トランペットを持った4人の王を従える狩人として顕現し、悪政に苦しむ民衆を助ける義賊「ロビン・フッド」の化身とも言われている。
  • 不穏要素について
    現状、ウェンティやその周辺には「何かを隠している」描写や他の七神との扱いの違いがかなり多い。
    • 「初めまして…」のボイスにて、「かつて会ったことがある」「もう一度旅に加えてほしい」旨の発言をしている。
      他のキャラが(アンバーや他の七神含め)初対面である文面なのに対し異質。
      旅人の方も魔神任務序章第二幕での初邂逅時に「声を知ってるかもしれない」とパイモンに語るシーンがある。
    • 魔神任務第一章第四部には、500年前のカーンルイアについてウェンティと鍾離に聞こうと旅人が決心する描写がある。
      が、鍾離を含む他の七神と異なり未だにウェンティの口からカーンルイアについて語られたことはない。伝説任務第二幕も未だに来ていない。
    • カーンルイアはアラビア語の「خائن(khāʾin, ハーイン, 裏切り者)」の口語発音表記khāʾenと「رياح(riyāḥ, リヤーフ, 「風」を意味するrīḥ(リーフ)の複数形)をそれぞれアルファベット表記に直して繋げたもの(Khaen+Ri’ah)という説がある。(*ただし実際のアラビア語ではri'ahのように「'」が入る転写は「風」を表すことはせず、もっぱらرِئَة(riʾaもしくはriʾah)すなわち「肺」を指す語の転写として用いられている。)
    • 他の七神が自国民との関わり方について少なからず悩み、本編中でその在り方を変容させているのに対し、ウェンティのみそういった描写が見られない。
    • 元素爆発のアイコンが天理の調停者の瞳にそっくり。
デカラビアン(竜巻/烈風の魔神)
旧モンド(現在の風龍廃墟)を建国、統治していた魔神。姿は不明。
都中心の塔から支配域を睥睨し、高塔の王ともいわれていた。
旧モンドを鳥一羽通すことない高壁と暴風の結界で封鎖し、都にも暴風を吹かせて人々に圧政を敷いていた。
上記の統治形態は彼なりに臣民のことを思って(アンドリアスの氷雪から守るため?)のものであったようだが、
風のせいで顔を上げることすらままならない人々を見て彼らが自身を礼拝し、忠誠を誓っているのだと誤解していたほか、
自身に好意を抱いていた少女の愛に応じることもないなど、人間の思いと愛を理解しない孤高の王でもあった。
アンドリアスとの戦いで疲弊していた時に民衆が反乱を起こして討伐された。
元ネタは序列69番「デカラビア」。五芒星の姿で現れる悪魔。本物の鳥のように歌ったり飛んだりする使い魔を与えるらしい。
アンドリアス(ボレアス・奔狼の領主・北風の王狼)
狼の姿を持ち、風と氷の力を操る魔神。現在は死亡しているが自我と力の一部を保ったまま亡霊と化しており、モンドの四風守護のうち北風守護である「ボレアス」の座についている。
存命であった魔神戦争時代にはデカラビアンに宣戦布告し、デカラビアンが治める都以外のモンド全域を氷雪に封じ込めるほどの力を持って都の高壁を破壊しようとしたが、遂にそれは叶わなかった。
後に彼は王座に就くことなく世を去る。
武器突破素材の凛風奔狼に曰く、神々には人を愛する責任がある。しかし、人間が嫌いな彼は人類の幸せな暮らしを思い描くことができず、この世界の風の王になる資格がないことを自覚して自ら消えることを選んだという。また、死の間際に自身の氷風の力が生命に有害であるとようやく理解し、自身の力を大地に込めて大地とその住民を永遠に守ると誓ったとされる。
前述したように人間が嫌いである彼だが、捨てられた者には慈愛を込めた眼差しを向けるなど、彼自身が思っているほど冷酷な存在ではないようである。
魔神戦争終結より1000年後、旧貴族が打倒され新体制が築かれたモンドにおいて、風神バルバトスと契約してモンド四風守護となり現在に至るまで奔狼領を守護し続けている。
元ネタは序列63番「アンドラス」と思われる。体が天使、頭が黒い鳥の姿の悪魔で、鋭い剣を持ち黒い狼にまたがって現れるという。
『時間』に関わる魔神
千風の神殿やモンド東の沖合にある無人島の遺跡に祭られていたとされる魔神。
一時期のモンドで風の神バルバトスと共に祀られていたが、徐々に同一視され、いつしか時の神は忘れ去られ、風神信仰のみが残った。
千風の神殿はドラゴンスパインや孤雲閣等、大陸各所に残る古代遺跡(および大陸各地の『秘境』?)と同様の意匠が確認されており、大陸全体における「○祭りの人(属性冠)シリーズ」で語られる神を信仰した『古代文明』との何らかの関係性が伺える。
多くの場合、それらの遺跡には3つの重なり合った楕円で構成される「トリケトラ」の紋章がある。
関連:雑談掲示板#1065
  • Topic:モンド城との関係
    『時間』に関わる魔神と風神に関わる碑文の刻まれた遺跡の針はモンド城の方向を指している。

デカラビアンのモンド(旧モンド地域)

現在「風龍廃墟」と呼ばれる地域に存在した本来のモンド。
物語開始時点においてドゥリンとの戦いで傷ついたトワリンが休息する場所となっている。

詩人の少年
まだ無名の精霊であったバルバトスが出会った人物で、風の壁の中では見ることができない光景と自由を求めてデカラビアンに反旗を翻す。
しかし戦死してしまい、自らの目で「自由」を見ることは叶わなかった。
アモスの弓の持ち主の少女
デカラビアンを愛していたが、彼は彼女に振り向くことはなく、振り向かせるために反乱に参加して彼に弓を引く。しかし、デカラビアンによってあっさりと殺され、その時に彼我の間にある雲泥の差に気付いたという。
グンヒルド
デカラビアンの部下であったが、暴政に耐えかねて一族は旧モンドから脱出する。
しかし当時のモンドはほぼ全域が氷雪に閉ざされた極寒の地であり、吹雪に閉じ込められて危機に追い込まれるが、一族の願いを受けた風の精霊に救われて力を授かったという。
この時の族長の娘は後に一族の族長の座を継ぎ、初めての女祭祀となる。
バルバトスらがデカラビアンに対して蜂起した際に一族を率いてバルバトスに加勢し、その後もグンヒルド家はモンドを守り続け、旧貴族時代も民衆の味方となって追放を免れた。
彼女の子孫が現在のジンバーバラであり、それぞれの立場から今もモンドを守り続けている。
ヴァニーラーレ
モンド設立当初のローレンス一族の主母。
人々を率い、神の奇跡をたたえるために広場に風神像を建てて、他の集落の指導者らとともにモンドを永遠に護ることを誓った。
しかし、代を重ねていく内にローレンス一族は腐敗していき、暴君となってついにはモンドから追放されることとなる。
赤髪の戦士
モンド付近にいたと見られる人物。新生の神に背を向け浪に落ちる雨粒のように群衆の中に埋もれ、その名は残っていないという。

シャール・フィンドニール

現在はドラゴンスパインと呼ばれている、モンド南部の雪山にかつて存在していた文明。秘境「フィンドニールの頂上」の前にある石碑に「氷雪と争いから離れ」と記されていることから、魔神戦争時代に栄えた文明だと考えられる。
当初は緑豊かな土地であり、信仰の中心であった白い巨樹のもとで隆盛を誇ったが、天から「寒天の釘」が降り注いだことによって山の頂部は破壊され、飛散した釘の破片によって白樹も打ち砕かれ、釘の効力によってか山全体が急速な寒冷化に見舞われる。
最終的にフィンドニールの人々は死に絶え、以降も人々が定住することはない土地となった。

司祭
シャール・フィンドニール衰退時の司祭(祭祀)。
白樹が枯れた後、何度か山頂に登り滅亡を避ける術を思索していたようだ。
ドラゴンスパインの石碑より、名前は「ファルシ」である可能性がある。
司祭の娘。
絵を描くことが得意であったようで、白樹の下で絵を描いていたほか、異邦の勇士のための壁画も描いていた。
都が滅亡に瀕したとき、勇士に星銀の大剣を手渡し、都の歴史を記した3枚の壁画を飾っていた間に、彼を讃える4番目の壁画を新たに用意することを約束すると、彼が事態の解決の糸口を見つけてくれることを期待して送り出した。
また、砕かれた白樹の命をつなぎとめるために1本の枝を持って行った。
しかし、終ぞ壁画を完成させることはできず、白樹の枝も実らず、勇士が帰る前に姫の命は潰える。
人々が勇士が逃げたのだと非難する中、最期まで彼を信じ続け、彼の無事と再会を願っていた。
記録者
無数の人や事柄を見てきたという人物。
シャール・フィンドニールの滅亡までの過程もつぶさに記録し、終には最後の生き残りとなる。
世界の理不尽さへ怒りを覚え、人々が神がいない国を造っていることを耳にすると彼らに羨望を向ける。
その後は不明。滅亡した都に留まる必要はないと語っていたが、同時に「灰となり風に乗って」とも語っており、結局都で生涯を終わらせた可能性がある。
  • 「姫の箱」のテキストより、彼が「ウッコ」である可能性がある。
    ドラゴンスパインには「ウッコ」という固有名称を持つヒルチャール・霜鎧の王がいるが…?
異邦人(勇士)
シャール・フィンドニールの外からやってきた、エーモンロカと呼ばれている人物。
彼がフィンドニールに滞在しているときに災厄が発生し、彼は都を救うために大剣「雪葬の星銀」を背負い、下山して事態を解決する方法を探しに行った。
長い旅の果てに遂に答えを見つけるも既に手遅れであり、ようやく帰還した都は廃墟と化し、死の気配が漂うのみであった。
守るべきものが残っていないことへの嘆き、寒天の釘を落とした天への憤りを覚えた彼は雪葬の星銀を壁画の間に残すと、下山して戦いの場へと向かった。
その後は不明だが、後のモンドに祭礼の大剣を所有する一族としてエーモンロカ家が存在することから、この勇士はその先祖ではないかと考えられる。
白樹(冬忍びの樹)
シャール・フィンドニールで信仰の対象になっていた、銀色の枝を持つ白い巨木。司祭はこの樹を通して「彼ら」の声を聞いていたという。
この樹に意志があるのかは不明だが、法器「冬忍びの実」の物語は冬忍びの樹の目線で記されているようだ。
それによると、寒天の釘によって砕かれ、姫の必死の延命もむなしく枯死したと自分でも思っていたが、長い時を経た後、ドラゴンスパインに落下したドゥリンの血を浴びたことで自分の生存に気付き、根を伸ばして大地の温かみに触れたという。
そこから更に経って、旅人が緋紅玉髄をもたらしたことによって過去を思い出し、全ての力を振り絞って「冬忍びの実」を実らせ、それを天への怒りの結晶として旅人に捧げた。
  • 「彼ら」なる存在については謎が多いが、銀白の木と上位存在からの啓示という組み合わせは聖遺物「〇祭りの冠」シリーズの物語との類似性が見られる。ここから考えるに、シャール・フィンドニールの人々はこの樹を通して天からの声を聞き、その啓示に従って繫栄したが、繁栄が永遠であるのかどうかに疑いを持ったことで天の怒りを買い、滅ぼされた可能性がある。

英雄の時代(2000年前~500年前)出身

レインドット
NPCの一人。アルベドの師匠であり、アリス(クレーの母親)の旧友。ドゥリンの創造主でもあり、カーンルイアに由来する錬金術を得意とする。
聖遺物「ナベリスの心」を手にした際に、アルベドの前から忽然と姿を消す。「森の風」という書籍では「黄金」の異名を持つ錬金術師が堕落し、漆黒の魔獣を大量に生み出したという記述があるが、イベント「白雪に潜みし影」にて「黄金」はレインドットであることとアルベドの創造主でもあることがアルベドの口から語られた。
また、「黄金」は錬金術における「黒土(ニグレド)」→「白亜(アルベド)」→「赤化(ルベド)」→と続き最終段階に位置するものであることがアルベドのボイスでも語られている。
「黄金」の生み出した異形の魔物はテイワット七国を大いに苦しめ、魔神を含む多数の犠牲者を出した。
カーンルイア滅亡との関連性は不明だが、カーンルイアも遺跡機械を用いて討伐するなど漆黒の魔獣への対応を余儀なくされた。
「堕落」の原因や漆黒の魔獣が跋扈した経緯はVer3.5現在では不明。スメールのキングデシェレト同様何らかの禁忌に触れた可能性もあるが、現時点では憶測の域を出ない。
  • 名前の由来について
    英語版ではRhinedottir。よって元ネタは北欧神話を題材にしたワーグナーのオペラ『ニーベルングの指環』に登場する、三人の女妖精「ラインの娘たち」(ラインテヒター)の単数形ライントホター(Rheintochter)と思われる。
    ライントホターは原典である北欧神話に存在しないワーグナーのオリジナルだが、あえて「娘」を意味するトホター(Tochter)の部分を北欧の古ノルド語にするとドーッティル(dóttir)となる。ちなみに英語のドーター(daughter)とは同語根。
    オペラでは、世界を支配する力を持つニーベルングの至宝「ラインの黄金」を守護していた。
    ドワーフのアルベリヒがそれを盗み出し、支配の指環を鍛え上げたのが物語の始まりである。
    つまり元ネタではアルベリヒとは仇敵の関係にある。しかし、『原神』のコロタール・アルベリヒはカーンルイアの重鎮にしてアビス教団の創設者で、現状の情報ではむしろ近い陣営ともいえる存在だが……。
トワリン(風魔龍・空を裂く魔龍)
空で誕生した、元素生命体の最上級の存在である「龍」のうちの風元素の龍である。
世の全てに興味を以って村落に降り立ったが、危害を加えるつもりはなくともその姿を見て人々は恐怖し、巨体が意図せずに果樹園の果樹を傷つけるなどして人々の怒りを買う。
彼は人の世の理に迷い、戸惑いながらも諦めずに人々と交流しようとした。
ある日、天空のライアーの音色を聞き、その音色に惹かれて風神バルバトスのもとに舞い降りる。
風神の奏でる旋律と詩文が自身と人々を引きつけたことに気付いたトワリンは、万物に自身の心を理解してもらうために風神の眷属となり、彼のそばにいることを決め
人間の言葉と風神の御業を覚えた。
龍の力は魔神に匹敵すると言われ、モンドにおいては七神で最も力が弱い風神の代わりにモンドを守るべくその力を振るい、大地を覆う氷雪を吹き飛ばしたり魔龍ドゥリンと戦った。
ドゥリンには勝利するも、毒血を撃ち込まれて汚染され、数百年の休眠に就く。
モンドを守ったことで人々に理解されると思っていたが、長い休眠の間に人々には忘れられ、毒に蝕まれ苦しむ中でアビスに教唆され、人々や風神に裏切られたと思い込んで一時は風神から離反する。
しかし、異世界より来訪した旅人に毒を浄化され正気を取り戻す。
その後は風神との契約から解かれ、彼に「神に命じられた自由」ではない本当の自由を謳歌してほしいと伝えられる。
  • 名前の由来について
    英語版ではDvalin。元ネタは北欧神話のドヴェルグ(ドワーフ)の魔術師ドヴァリン(Dvalinn)。
    ドヴェルグ一族にルーン魔法を伝えた人物とされ、またドヴェルグ序列第二位のドゥリンと共同で魔剣「テュルヴィング」を製作している。
レイヴンウッド
両手剣「鉄影段平」に登場する人物。
聖遺物「勇士の心」の勇士の冠のストーリーと合わせると、1500年前の北風騎士であると思われるが、情報が乏しく詳細は不明。
  • 「北風騎士」について
    1500年前は西風騎士団は存在していないが、書籍「森の風」2巻では西風騎士団に北風騎士が入団したと記されている。
    この記述が正しければ、北風騎士の称号は西風騎士団とは独立して存在していた可能性がある。
    ラグヴィンドやグンヒルドなど、貴族制時代のモンドにも騎士がいたことは判明しているので、北風騎士が西風騎士団設立より前から存在していても不自然ではない。
    1500年以上も前から北風騎士という称号はモンドの守護者に受け継がれてきたのかもしれない。

旧貴族とその関係者

ヴァネッサ
ローレンス家の奴隷剣闘士。神の住む島(セレスティア)を信仰するムラタ人の血を引き、赤い髪を持つ。
家族の解放を賭けた戦いで魔竜ウルサの討伐という無理難題を押し付けられるも、風神バルバトスの加護を得て撃退し、自由を勝ち取る。
彼女の勝利を切欠に貴族に対する大規模な反乱が起こり、モンドの貴族統治は終わりを迎えた。
革命後は西風騎士団を設立し、蒲公英騎士(獅牙騎士)の位に就く。
最後は風立ちの地から天空の島(セレスティア?)へ飛び立った。
侍従騎士/暁の騎士
ある貴族の侍従騎士であったラグヴィンド家の人物。主と共に剣闘士の試合を見物した時に「夜明けの光剣士」の戦いを見て感銘を受け、自分の騎士名(暁の騎士)とやるべきこと(民衆の側に立つこと?)を決めた。
貴族による支配が終わり、西風騎士団が設立された後にかつての貴族の室内浴場を図書館に改装させた。
彼の作った図書館の地下にある『禁書エリア』は、図書館と騎士団設立の前からあったとされ、深い秘密を抱えているという。
後のモンドの大火災『秋分の大火』で図書館は最盛期の六分の一の大きさとなったが、地下の『禁書エリア』は消失を免れ、今でも頑丈な扉で閉ざされている。*2
ランドリッヒの一家
三大家系(グンヒルド、ラグヴィンド、ローレンス)ではない貴族。ファミリーネームは不明。
  • パルジファル
    一家の正統後継者であったが、腐敗する以前の貴族の徳政に憧れを抱き、一振りの剣(鉄蜂の刺し)を持って家を出奔する。
    その後は貴族から盗んだ宝を平民に分け与える義賊となるも、エバハートの教唆によってモンドから離れた。
    その後については副船長にて後述。
    『砕夢奇珍』第1巻、第3巻にも登場。骨董品店の常連。
    神の目を所持しており、神の目所持者は短命という俗説のために自身を恋愛から遠ざけていた。
  • エンゲルベルト
    パルジファルの出奔によって一家の後継者の地位を得た人物。ドラゴンスパインにてエバハートに殺害される。
  • エバハート
    パルジファルの異母弟。ランドリッヒの私生児であるため、継承権を持たない。
    当時のモンドでは貴族の武器ではないとされていた長槍の使い手。
    目的のためなら手段を厭わない非情な人物であり、貴族の腐敗を正すために数多くの人間を犠牲にした。
    兄のパルジファルをモンドから追放した後に、ドラゴンスパインでの考古学調査を計画。一族の人間を雪山での遭難に見せかけて次々と暗殺し、
    ルースにも致命傷を与えるも、返り討ちに遭い重傷を負う。その後の足取りは不明だが、モンドには彼の帰還した記録は無いという。
  • ルース
    ランドリッヒの従者。ドラゴンスパインに点在する「古い考察日誌」の書き手。
    エバハートの考古学調査に同行するも、彼の裏切りによって致命傷を負い、そのまま死亡したと考えられる。
  • プリシラ
    ルースと親しい関係にある人物だったが、エバハートの計画に加担し、望風海角でのろしを上げる役を担った。
  • 碧眼の魔女
    「流月の針」ストーリーの人物。生死の隙間を見る能力を持っていた。
    パルジファルから青い宝石を贈られるも、宝石が盗品であったことから主に罰せられ、罪人の烙印を顔に刻まれる。
    それ以降、パルジファルに対して愛憎入り交じった感情を抱くようになる。
    パルジファルがモンドから去った後に、想い人の弟であるエバハートに槍術を伝授するが、その槍術によって彼に殺害される。
  • 剣闘士
    「死闘の槍」、「剣闘士のフィナーレ」ストーリーの人物。エバハートが幼いころから彼に仕えていた老僕。千を超える戦いを経験しながらも常勝無敗を誇っていた。
    規定数の勝利により自由になることを許されていたが、その後も自らの意志でエバハートのために戦い続けることを決心する。さらに勝利を重ねていったが、ある戦いでヴァネッサに敗れて命を落とした。
大地を流浪する楽団
モンドに存在した反貴族組織。ヴァネッサによる革命よりも前に貴族への反乱計画を実行するも、失敗に終わる。
  • 指揮者
    「流浪楽章」の持ち主で、流浪楽団の設立者。
    反乱計画でモンド城に攻め込み、戦死した。
  • 琴師
    「絶弦」の持ち主。フォンテーヌの出身で、各地を旅して本当の自分と運命を探していた。
    バドルドー祭の生贄に選ばれた少女と恋に落ち、少女を貴族の魔の手から守ると約束して戦うも、その約束を果たすことができないまま命を落とした。
  • 夜明けの光剣士
    「笛の剣」の持ち主で、女性。楽団の解散の後、奴隷剣士となる。
    ある日の戦いで命を落とすが、彼女の最期の剣舞は当時は侍従騎士の身分であったラグヴィンドに感銘を与え、後代に受け継がれる「暁の騎士」の名の元となった。
  • クロイツリード・ローレンス
    「鐘の剣」の持ち主。ローレンス家の一員でありながら、楽団に加わり一族に反抗した。
    反乱は失敗に終わり、楽団のメンバーは戦死するか捕縛されたて楽団は解散するが、ローレンスの血を引いていた彼は重罪に罰せられなかった。
    その後は貴族政権転覆のための秘密結社を立ち上げ、ヴァネッサの起こした革命に協力した。
    この秘密結社はその後も長らく存在し続け、モンドを裏から守る役目を務めていたとされる。

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身

魔物

ドゥリン(黒龍、巨龍、悪龍、毒龍)
数百年前にモンドに襲い掛かった漆黒の魔物。風魔龍トワリンとの激闘の末、敗北して死亡し、ドラゴンスパインへ落下した。ドラゴンスパインでは今でもかの龍の亡骸が異質な雰囲気を放ちながら佇んでいる。
ドゥリンの実態はアルベドの師匠レインドットの手により創造された生命体であり、もともとは穏やかな性格であったことがうかがえる(腐植の剣のテキストより)
しかし、何らかの原因によりドゥリンは暴走し腐敗魔獣と化してしまう。生誕した当初、ドゥリンは「美しい歌声がある場所に行きたい」と言っており、モンドを襲撃した理由もこれに関連していると考えられる。なお、「暴走」、「腐敗魔獣」とは多くの被害を被ったモンド側の認識であり、ドゥリンは実際には暴走していなかった可能性がある。ドラゴンスピアの武器物語によるとトワリンに打ち込んで彼を長らく苦しめた毒血はドゥリン曰く「祝福」とのことで、これには実際に何らかの良い効果があったのか、それとも漆黒の力とテイワットの法則はやはり相容れることはなく、漆黒の魔獣にとっては祝福であってもテイワットの生物にとっては猛毒でしかなかったのかは現時点では不明である。
なお、ドゥリンに関しては様々な呼ばれ方をされており、アルベドからは【巨龍】、書物では【悪龍(漆黒なる大蛇)】や【毒龍】、クエスト名からは【黒龍】となっている。
  • 名前の由来について
    元ネタは北欧神話のドヴェルグ(ドワーフ)の王ドゥリン(Durinn)。最初にして最高のドヴェルグであるモートソグニルに次ぐ序列第二位とされる。
    13世紀の文学『ヘルヴォルとヘイズレク王のサガ』では、ドヴェルグ族の魔術師ドヴァリン(トワリン)と共同で魔剣「テュルヴィング」を製作している。

人物

エレンドリン(「光の獅子」)
500年前の西風騎士団団長兼北風の騎士であった人物。騎士一族の出身であり、神の目を持たないにもかかわらず団長の地位にまで登り詰め、「光の獅子」の異名で呼ばれた。
長剣と大剣の二刀流という剣術を操る実力者で、難易度のあまりの高さゆえに彼の剣術は伝承されずに途絶えている。
己の才と力を誇りに思っていたが、災厄でルースタンが死亡した後は完全に意気消沈してしまい、自身の誇りも見失ってしまった。
ルースタン(「幼い狼」)
農民出身であるがエレンドリンとは幼馴染であり、英雄になるという共通の夢から仲良くなり、騎士団に入団した後はエレンドリンの右腕になった。
現在の西風剣術はルースタンが編み出したもので、彼の剣術を彼ほどに上手く操れる実力者は今に至るまで現れていないが、彼の忠誠と思いは今でも受け継がれている。
旧貴族時代にクロイツリードが結成した秘密結社の大団長も務め、表では騎士として、正々堂々とした方法で、裏からは騎士の身分ではできない方法も用いて、あらゆる手段でモンドを守護していた。
500年前の災厄において魔物との戦いで重傷を負い、ドゥリンが敗れるのを見届けて死亡した。
ある少女と両思いだった。昼夜を問わず、後ろ暗い手も用いてモンドの守護に当たっていたルースタンは、彼女の歌を聴いている間だけは心を穏やかにしていられたという。
「血染めの騎士」(ローランド?)
ルースタンに剣術を習った騎士。武器「黒剣」の持ち主で、聖遺物「血染めの騎士道」のモチーフの人物。
元は純白の鎧に身を包む高潔な騎士であったが、魔獣を斬り続ける間に歪んだ正義に傾倒し、ひたすら魔獣を殺戮し続ける血染めの騎士となる。
だが、彼が助けようとした人物に拒否されたことで、魔物を殺し続けるうちに自分自身が魔物のようになってしまったこと、自身の居場所がなくなったことに気付く。
そのため、魔物と戦って死ぬために滅びた古国(カーンルイア?またはそれ以前の古代文明?)へと赴くが、そこで魔物の起源を知り、義憤から深淵(アビス?)に忠誠を誓ったとされる。
「愛される少女」
血染めの騎士がまだ純白の騎士であったころ、彼に救われた仕女。
彼に思いを寄せ、純白の花を彼に送る。騎士も祝福を彼女に送ったが、彼は正義に溺れて白い花は返り血で黒く染まる。
騎士が古国へと去った後、多くの人物から求婚されたが応えることは無く、騎士のことを慕い続けた。
「炎の魔女」
ルースタンと想い合っていた少女。
歌が得意であった。
スメール教令院に留学するが、その間にモンドをドゥリンと漆黒の魔獣の軍勢が襲撃し、帰って来た時にはルースタンをはじめとする大切な人々、思い出、未来のすべてを失っていた。
魔物への憎悪から炎の魔女となり、全ての魔物を焼き尽くすことを決意する。
その後は各地を遍歴してひたすら魔物を焼き殺し続け、それを見た人々はたとえ彼女に魔物から救われた者であろうと彼女を遠ざけた。
ついには炎に自分自身も焼き尽くされそうになって死に瀕するが、噂を聞きつけてやってきた一人目の愚者に「妄念」を通して穢れた過去と無垢な未来を見せられ、女皇が掲げる未来を信じてファデュイに参加することを決める。
  • 恐らくは現在のファデュイ執行官第8位「淑女」。
    そこから、本名は「ロザリン・クルーズチカ・ローエファルタ」であると考えられる。
    500年前から生き続けていることに関しては、邪霊なる存在を使用していたことが噂されていたほか、体内を流れるのは血ではなく液体の炎であった可能性が示唆されており、とうに人ではない存在になっていたと思われる。

人間の時代(数百年前~現代)出身

西風騎士団

ファルカ
西風騎士団大団長にして当代の北風騎士。背の高い男で(恐らく)両手剣使い。現在(2章時点)では遠征中。
タルタリヤが対決を熱望する程の武勇を挙げているモンドの「生ける伝説」だが、当の本人は締まりがなく飄々とした性格。
自身にかかる期待とは裏腹に勤務態度はひどく不真面目で、出征前ですら実際の業務はほぼ代理団長のジンが行っていた。
レザーに名前と両手剣を与え、社会復帰を期待してロサリアを西風教会に連れていく面倒見の良さを持つ善人だが、
ディルックは難色を示すがガイアは大いに気に入る「やり方」をとっていることや、
ファデュイの暗躍を許す程多くの騎士(総員の4/5)を連れてまで遠征を優先するなど、その方針には謎が多い。
ガイア曰く「正義を追い求める過程で自分を追い詰めている」らしく、何らかの理念に基づいた人物ではあるようだ。
ジン・グンヒルド
プレイアブルキャラクター。
西風騎士団の代理団長。バーバラの姉。
ガイア・アルベリヒ
プレイアブルキャラクター。
西風騎士団の騎兵隊隊長。ディルックの義理の兄弟。
アンバー
プレイアブルキャラクター。
西風騎士団最後の偵察騎士。モンドの飛行チャンピオン。
燃える炎のごとく元気満々の快活な少女で、モンドの人々からとても好かれている。旅人がパイモン以外で一番最初に出会う仲間。
偵察騎士として野外の任務を多くこなしていることもあり、サバイバルスキルをある程度持っているが、料理は少し苦手な様子。
かつて偵察騎士を立ち上げ、4年前に突如失踪した祖父のことを任務の傍ら捜索している。
祖父の弟子であったエウルアとは幼い頃からの付き合い。
エウルアが謂れなき差別を受けていたときも積極的に橋渡し役となり、モンドで彼女が不当な扱いを受けることは減ったという。その他にも色々と世話を焼いているようだ…
きっと彼女からの「恨み」は清算してもしきれないものだろう。
現在スメールにいるコレイとも、とある縁あって仲がとても良く、魔鱗病が完治したことを手紙で報告されて喜んでいた。
エウルア・ローレンス
プレイアブルキャラクター。
西風騎士団の遊撃小隊隊長で「波花騎士」の称号を持ち、剣の実力においては当代の蒲公英騎士にも並ぶという。アンバーとは幼い頃からの付き合い。
「ローレンス」とある通り、かつてモンドを窮地に陥れた罪人の一族の末裔。そのため、彼女がローレンス一族の人物というだけで嫌うモンド人も少なくない。
しかし、「エウルア」と関わったことのある人であれば、少々変わった言動はあるものの、彼女が真っ直ぐで優しい人物であることはすぐに分かるだろう。
かつて騎士団の精鋭を数度実力でねじ伏せたことで代理団長から誘われ騎士団へと入団した経緯を持つ。
とうの昔に没落した貴族とは言えども、ローレンス家の長女として厳格に教育されてきたこともあり、旧貴族の伝統や礼儀作法、料理等に精通しているが、彼女としてはそういったものを微塵も誇りに思っていないという。
あまつさえ、もし再びローレンス一族がモンドの自由を脅威に晒そうというのであれば、自らの手で「ローレンス」という名を消し去ることも辞さないと語る。
旧貴族の伝統の中で唯一「祭礼の舞」だけは好んでおり、彼女の振るう優雅な剣術に取り入れられている。
彼女の波花騎士の称号の由来でもある骨笛はかつて師匠であったアンバーの祖父から受け継いだもの。
普段から何かにつけて復讐だの恨みだの…と物騒なことを言うが、エウルア自身はその言葉に係るような行動は一切しない。
それは、ある時は自衛のため、ある時は彼女なりの感謝を…とエウルアのちょっとひねくれた習慣であり、彼女を知る人からはその「恨み」がどういう意味なのかをよく理解している。
ミカ・シュミット
プレイアブルキャラクター。
西風騎士団の測量士で遊撃小隊所属。上官でもあるエウルア曰く、遊撃小隊の古参隊員で主力とされるほどの信頼を置かれている。
エンジェルズシェアの近くを巡回している西風騎士団のNPCホフマン・シュミットの弟。
あがり症で知らない相手だと吃ってしまい、初対面であった旅人相手にも緊張のあまり話を無理やり切り上げて早々に立ち去ってしまっている。
ファルカと共に斥候の要として遠征に赴いていたがブリーズブリュー祭の時期に遠征隊の現状を伝える手紙を届けモンドに帰還すると共に遊撃小隊に復帰した。
リサ・ミンツ
プレイアブルキャラクター。
西風騎士団の図書館司書。
アフタヌーンティーの時間をこよなく愛する淑女。面倒事の一切を嫌う怠惰な一面も。
かつてスメールに留学していた時期があり、教令院において「200年に1人」の天才とも言われ、わずか2年で教令院を卒業したという。
教令院にとっても絶大な期待を寄せられていた彼女であったが、知識の代価を目の当たりにしたことで卒業後すぐに教令院を離れモンドに戻ってきたという。
教令院の大マハマトラのセノとは共通の賢者に師事しており、弟弟子に当たる。
レザーに神の目の扱い方を教えており、彼からは師匠と呼ばれている。
ノエル
プレイアブルキャラクター。
西風騎士団のメイド。
礼儀正しくひたむきな少女で、正式な西風騎士にならんと入団試験を受け続けているが、
奮闘虚しく、毎度落選してしまっている。
…のだが、落選しているというより、意図的に落選させられていると言った方が正しい。
彼女は異常なまでに仕事熱心で、自らの命を何度も危険に晒すような行動をし、騎士団の先輩からは心配されることとなった。
このような事を繰り返さないために、ジンやガイアの手によってメイドとしての「仕事」を課され、危険な任務には出向けないようになった。
もし正式な騎士になってしまえば、彼女は真っ先に自分の命を擲つような行動に出てしまうだろう。
一方街の人からは、熱心さにつけこまれ便利な道具のように扱われており、街中で「ノーエールー!」と叫ぶと、
どこからでも現れて仕事を行なってくれるという共通認識がある。
騎士団連中からも良いようにこき使われており、とうとう騎士団ガイドVer.5に
『ノエルに仕事を押し付けてはならない』といった旨の記載がなされるほど。
過剰な献身の他には怪力である事が知られており、馬車を積荷ごと投げ飛ばしたり、
ワーグナーの自慢の長剣を一瞬でスクラップにしてしまったという逸話がある。
アルベド
プレイアブルキャラクター。
白髪の男性で西風騎士団の首席錬金術師で調査小隊隊長を兼任している。画力にも長け「白亜」のペンネームで娯楽小説の挿絵を描いている。
レインドットによって数百年前*3に創造された人造人間(ホムンクルス)。
物心づいたころからそのまま彼女に師事し、課せられた困難な課題をこなしながら成長する。
ある日、共に「ナベリスの心」を発見した後、レインドットが失踪。残された指示を基に、師の旧友のアリスを訪ねモンド城へ赴く。
師からの推薦状を受けたアリスによって西風騎士団の錬金術師の席と研究設備を用意され、ついでにクレーの義兄として自分の代わりに面倒を見るよう頼まれる。
以後、師匠の「世界の真相と意義を示せ」という最終課題の解決を目標に、騎士団の仕事を片付けながら研究に勤しんでいる。
ドラゴンスパインでの一件で、彼は自分の内に眠るものが暴走することを懸念しているシーンがあり、これは実際に腐敗魔獣として暴走したドゥリンと同じ道をたどるのではないかということを予期しているものと思われる。
クレー
プレイアブルキャラクター。
3年前に両親が冒険に旅立つ際にアルベドに預けられ、西風騎士団に所属することとなった。称号は「火花騎士」。
爆弾が好きでよくトラブルを起こす。
母が作ってくれた人形の友達「ドドコ」を大切にしている。
イベント「真夏!島?大冒険!」にて、クレーは人間より遥かに長生きする種族(エルフ)と判明した。また、親をはじめとしてクレーを愛する人々はクレーの長い人生のほんの一部となる見通しであることも語られた。
この情報や騎士団ガイドVer.5にある「まだ給料のない未成年者に対しては、一定期限の禁足を罰する。」(=反省室に閉じ込められる)に基づいてクレーは反省室の常連になっていることから、今のクレーはまだ別離を経験するほどの年齢*4には達していないことが窺える。
また、レザー以外のキャラクターには基本的に名前に「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」*5を付けて呼ぶ。
イベント「残像暗戦」によると、4年以上前からモンドで生活しており、騎士団時代のディルックと交流があった。
ドドコ
クレーのバッグについているぬいぐるみ。
アリスがクレーのために作った最初の友達。
(設定としての)生態とその冒険譚については法器「ドドコの物語」や任務アイテム「出発!ドドコ」に書かれている。

西風教会関係者

サイモン・ぺッチ(ペイジ)
「払暁の枢機卿」の異名を持つ西風教会総監。メガネをかけた金髪で糸目の男性。現在はファルカの遠征に同行中。
かつては有名な冒険者であり、モンドに定住後は西風教会に参加、現在の地位まで昇進している。
ジンとバーバラの父親だが、二人が幼いころにフレデリカとは離婚している。その際、ジンはフレデリカに、バーバラはサイモンに引き取られた。
日本語版の姓は表記揺れがあり、「ペッチ」はジンのキャラクターストーリー、「ペイジ」はバーバラのデートイベントでの表記となる。
漫画内ではファデュイの圧力に苦悩する姿を見せる一方、解決後は安心した反動なのかガイアに肩を借りるほど酔いつぶれていた。娘の部下に介抱される父親って……
バーバラ・ペッチ(ペイジ)
プレイアブルキャラクター。西風教会の祈祷牧師。そして、モンドのアイドル。
姉は西風騎士団代理団長のジン・グンヒルド。バーバラ本人も正真正銘「グンヒルド」の血を引く一人である。
しかし、剣術など実戦関係は姉には及ばず、後方支援として治療者となる道を選んだ。
かつては距離感がわからずジンを避けていたようだが、現在はプライベートではジンを「お姉ちゃん」と呼ぶほどに打ち解けている。
人目のある場面では基本的に「ジン」や「代理団長」と呼ぶ。流石に少し恥ずかしいのかもしれない。
人々を癒やし笑顔にすることに幸せを感じ、アリスを通じて知った「アイドル」という職業もある意味人々を癒す事を目的としているので彼女には天職…なのかもしれない。
ロサリア
プレイアブルキャラクター。西風教会に所属するシスター。
…なのだが、教会の活動には一切参加せず、日中は行方をくらますことが多い。
教会に居ないときは、城壁や建物の屋根など高いところから景色を眺めていたり、酒場でグラスを揺らしている等…
彼女の存在が教会を悩ませているタネの一つだったりする。
当然風神に対する信仰心は一切無く、あまつさえ「風神バルバトス」を「風神ブットバース」と言い放つ始末。
他人に興味は無く当たりもかなり強いが、根は非常に慈悲深い。
自身の「仕事」は忠実に執行するが、いかなる理由があろうと残業は一切しない主義。
ロサリアの来歴

ロサリアはモンド出身ではなく、山奥の村の生まれだという。しかし、生まれて間もなく村は盗賊団に襲撃され、その盗賊団によって奴隷として引き取られ育った。
ある時、西風騎士団がこの盗賊団を壊滅する。その中で年が最も若く更生の余地があるとして、ファルカ大団長は彼女を連れて帰り西風教会に入れた。
しかし、彼女の人生における青春は血にまみれ、とうに過ぎ去っていた。聖職者として教会での光が差す世界に身を置くより、暗闇に紛れ狩りに身を投じる影の世界を選んだ。
裏からモンドの脅威となる存在を粛清する…至って騎士団が行うべき内容だが、彼女はそういった「仕事」のためにむしろ教会に属すことになった。
清廉潔白な印象が必要となる騎士団においてそのような「汚れ」は市民の目が届かない範囲の人間に任せたほうがいいという判断なのだろう。
更に有事の際には単独行動部隊として騎士団から任務を与えられることもあるようだ。

モンド出身ではない彼女だが、モンドはあまりに危ういバランスで成り立っていると語り、そんなモンドが自由に向かって突き進むために光の当たらない場所から手伝っているのだという。
かつて自由の一切ない環境で育った彼女にとって「自由」とは、何にとっても代えがたい守るべきものなのであろう。

元・西風騎士団

ディルック・ラグヴィンド
元・騎兵隊長。詳細は酒造業関係者の欄にて。
イロック
ディルックの騎士団脱退前後の時期の督察長。クリプスの死の真相の隠蔽などに関わり、後に反逆者と認定されて粛清された。
上記の真相の内容や、ジンのキャラストーリー内での「裏切り者」という表記を考えると、正体はファデュイの間者だろうか?
漫画内では露骨に顔の描写が避けられている。ゲーム内で登場するときのためにとっておいてある可能性は無きにしも非ず。
アンバーの祖父
元・偵察隊長。
入隊以前は璃月出身の傭兵で、大陸を跨ぐ隊商の護衛を務めていたが、魔物に襲撃されて彼のみが西風騎士団に助けられる。
故郷の人々に合わす顔が無いと思ったことからモンドに定着し、家庭を築く。また、騎士団への恩から入団し、騎士団に偵察小隊を設立して騎士団の活動に貢献した。
4年前、アンバーや小隊の面々に一切を告げることなくモンドから去る。その後、軽策荘にて彼らしき人物が目撃されている。

モンド酒造業関係者

ディルック・ラグヴィンド
プレイアブルキャラクター。寡黙で皮肉屋だが、その中には熱い正義感を秘めてもいる。
「アカツキワイナリー」のオーナーであり、その正体はモンドの闇で戦う「闇夜の英雄」。
元々は実直な性格で、若くして騎士団に入団し、神の目を手に入れるなど順風満帆な人生を送り始めていた。しかしある日父親と移動中に馬車に密かに取り付けられたファデュイの「博士」の装置が魔龍ウルサを呼び寄せ、襲撃に遭ってしまう。父は「邪眼」を使用して退けるもその反動の影響で暴走、父に自らとどめを刺してしまう。
しかし魔龍ウルサの接近に気づけなかったどころか一商人に退けられたという事実は西風騎士団にとってメンツが潰れかねないものであり、ディルックには隠蔽を指示。憤慨したディルックはそのまま騎士団を去り、放浪の旅に出る。旅の途中で「邪眼」と父の死がファデュイにつながっていることを掴み、ファデュイに対抗する「地下情報網」に加入する。
旅を終えて帰国したのちはアカツキワイナリーを継ぎ、時折エンジェルズシェアのバーテンダーも兼任しつつ、アビスやファデュイなどモンドを脅かす存在と密かに戦い続けている。

ワイナリーを経営しているものの、実は酒が苦手で、ノンアルコールドリンクの開発に精力を注いでいる。キャッツテールのディオナからはワイナリーのトップとして一方的に敵視されているが、酒嫌いという点ではそれほど遠くないポジションにいたりする。

クリプス・ラグヴィンド
ディルックの父親。
騎士団に入団してさらに神の目を手に入れるという、自分が目指したが達成できなかったことを成し遂げた息子のことを誇りに思い、息子から盲目的に敬愛されていた。
だが、経緯と動機は不明瞭だが邪眼を密かに手に入れていた。この邪眼はファデュイのものではなく、公式漫画では「唯一無二の特別なもの」と指摘された。
ディルックが立派に成長したことを喜び、邪眼を手放そうと決めた矢先に魔物に襲撃され、邪眼を使用して撃退に成功するも反動により暴走し、ディルックの手により介錯された。
彼の死の真相は、騎士団の体面を保つためという理由で督察長イロックをはじめとする西風騎士団上層部によって隠蔽され、ディルックが騎士団を見限る原因となった。
ディオナ
プレイアブルキャラクター。
「キャッツテール」の人気バーテンダー。

冒険者協会(モンド支部)

フィッシュル
プレイアブルキャラクター。
オズという鳥を連れている少女。
ベネット
プレイアブルキャラクター。ベニー冒険団のたった一人の団長。
異常な不幸体質を持っており、大小問わず様々な不運に見舞われているが、同時にそれらの不幸にもめげずに生きて帰ってくる「幸運」も持ち合わせている。
かつては冒険団にも仲間がいたが、ベネットの不幸体質のおかげで生死の境をさまよう羽目になりみな脱退してしまった。

孤児であり、「攻略不可能な秘境」の奥地に捨てられていたところを冒険者の「オヤジ」に引き取られ、冒険者仲間の中で育った。
初期実装キャラながらVer.5.0現在でもその謎多き出生と異常な不幸体質は依然として掘り下げられておらず、プレイヤー間で長く議論されている。
一方、冒険者にとって難関とされる「燼寂海」がナタにある可能性が高いこと、またナタ人が国外に出ると「大霊の加護」が得られなくなるということが明らかとなったため、「何らかの形でナタと関係があるのでは?」という考察もなされている。ただし、「攻略不可能な秘境」が「燼寂海」であるとは明かされていない。

その他の人物

フレデリカ・グンヒルド
ジンとバーバラの母親。数千年前からモンドを守護してきた一族の人物として、幼いころからジンに騎士となるための厳格な教育を施してきた。
グンヒルド家は騎士一族であり、彼女もかつては騎士団に所属しており「赤楊騎士」の称号を授かっていた。
レザー
プレイアブルキャラクター。
奔狼領で暮らしている狼少年。
アストローギスト・モナ・メギストス
占星術師の女性。
その名は「偉大なる占星術師モナ」を意味するが、決して誇大な表現ではなくその肩書に相応しい実力を持つ。
伝説任務一幕の終盤でモナの師匠である、おばばの黒歴史を覗いてしまったことにより、帰るに帰れなくなり現在はモンドで謎の封印が施されていた家の封印を解き、そこを格安で借り入れて生活している。
極貧にあえいでいるが、実のところそれなりの収入はあり、研究にモラをつぎ込むあまりに生活費を捻出できなくなるという本末転倒っぷりである。
フォンテーヌ廷の「スチームバード新聞」なる新聞の「星座相談」コーナーに寄稿しており、その内容はフォンテーヌの人々に好評を得るだけにとどまらず、スメール教令院の明論派学者の間でもその占星術に関する内容が討論されることもあるという。
彼女の帽子に飾られている月と星の紋章は冒険者協会の紋章と酷似というか同一のものである。また元素チャージが溜まると明滅する(神の目以外の装飾品に変化が起きるキャラは他にはいない)
  • モンド生まれのモンド人。おばばと共に世界各国を旅したあとにモンドに戻ってきた。両親はドーンマンポート在住。
    メギストスはおばばに弟子入りしたあとに改名した苗字。
    初登場時からしばらく出身国が明言されていなかったが、Ver4.2にてフォンテーヌの魔神任務で登場した際に経緯が詳しく明かされた。
ウェンティ
詳しくは魔神の欄にて。→ウェンティ

璃月

『衆目の中で、契約の神は殺された。
その最期の時に、彼は全てを終わらす契約を結ぶのだろう。』

テイワット大陸東部に属する岩神が治める国。

重要な出来事

  • 6000年前:モラクス降臨。設立した璃月の民と共に帰終の都に合流し帰離原を設立。
  • 3000年前:魔神戦争。戦乱で南に落ち延びた民が、後の璃月港の基盤になる。敗北した魔神の残滓への対処として護法夜叉や往生堂の祖が活躍。
  • 1000年前:摩耗した若陀龍王による層岩巨淵の襲撃と封印。
  • 500年前:層岩巨淵に星が落ちアビスが噴出、千岩軍と無名の夜叉による応戦。
  • 本編直前:鍾離が港で耳にしたやり取りをきっかけとして引退について考え始める。

魔神の時代(6000年~2000年前)出身

魔神等

モラクス(岩の魔神/岩神・岩王帝君・貴金の神・鍾離)
プレイアブルキャラクター。人間としての名は鍾離。
6000年以上の時を生きる、七神最年長の魔神。巨大な龍の姿をとるほか、人の姿になることもでき、男神だが老若男女に姿を自在に変えて市井に紛れ込むこともあったようである。
テイワットに流通する共通貨幣「モラ」の全てを自身の権能で生み出している、テイワットの経済に無くてはならない存在。
魔神戦争の勃発よりはるか以前から璃月の民を導き、人々からは契約、富と商売、開拓、焜炉、歴史などの様々な物事を象徴する神として敬われてきた。
公平さを重んじており、それを確保するための手段として契約が適切に締結・履行されることを追求するようになった。
仙人の1人であると同時に全ての仙人の祖たる存在でもある。
  • 元ネタについて
    「モラクス」はゴエティアでは21番目であり、貴石や薬草の効能、天文学、倫理学、算術といった様々な教養に精通しており、それらを召喚者に与えるという。
  • 「鍾離=帝君」について
    各描写から、ピンばあや・魈などの純粋な仙人たちは鍾離の正体を知っており。また鍾離から仙人や友に会いに出向き食事をしたり会話をしたりしている。
    七星を含む一般人はほとんど誰も気づいていないが、行秋曰く彼の父と兄が「とても敬っていた」他、胡桃がボイスで察している素振りを見せている。
    仙人と凡人の中間に位置する煙緋と申鶴はというと、父や師匠からは明言されていないながら、何となく察してはいるようだ。
    問題は甘雨。魔神任務中鍾離に面と向かって帝君が亡くなった哀しみを語っている。帝君との付き合いはとても長いはずなのだが……。
    とはいえ、旅人とパイモンが同席しているため、正体を知っている素振りを見せないよう振る舞ったという可能性や、彼らに話すという態で間接的に不安を吐露しようとしたという線もあるだろう。
    少なくとも「華舞う夜の旋律」にて留雲借風真君が鍾離の正体が帝君であるという話を切り出した際これといった反応は見せなかったことから、魔神任務中~魔神任務後のどこかでこの件を知った可能性は高い*6
ハーゲントゥス(塵の魔神/帰終)
この世で最初に顕現した魔神。帰離原設立時はぶかぶかの服を着た少女だった。
瓊璣野に都を構えた後、モラクスの率いる璃月と合流、帰離原と呼ばれる一大都市になるが、魔神戦争にて戦死する。
4つの教えを軸に人々を導いていた他、帰終機の開発にも携わる等、きわめて博学で聡明な魔神であったと思われる。
  • 浮世の錠
    武器「浮世の錠」は、帰終とモラクスの盟約の証でもあると同時に、彼女からモラクスへの知恵の挑戦状でもある。
    形状からして、魯班鎖(孔明鎖)と呼ばれる中国伝統の木製の立体パズルがモチーフだろうか。
    物語の中ではモラクスはこの錠を解くことはできていない。
    帰終は己の洞天(華清帰蔵密宮)で古くから遺跡守衛について研究していたようなので、カーンルイアに関わる秘密を握っていたかもしれない。
  • 読みと元ネタ
    中国語の発音から序列11番「グシオン」に由来するのではないかと推測されていたが、イベント「華舞う夜の旋律」にて魔神名が「ハーゲントゥス」と判明。したがって序列48番「ハーゲンティ」の方の可能性が高い。
    金属を黄金に変えるなど錬金術のような力を持つ悪魔。
オセル(渦の魔神)
岩神と戦った末、岩槍によって孤雲閣に封印された魔神。(多分)男性。
ムービーでの姿は、複雑な文様が描かれた島ほどもある底生魚類のような本体から、渦巻く水の首を複数(五つ?)出す巨大な多頭龍。
本編ストーリー中に複製された禁忌滅却の札を用いたファデュイによって一時的に封印を解かれ復活。
七星や仙人との激しい交戦の後、仙力を注がれた旅人と群玉閣を媒介に再封印された。
その後、アビス教団によってオセルを機械魔神に改造される計画が練られたが、旅人とダインスレイヴらの手で阻止されている。
  • 元ネタについて
    その読みから序列57番「オセ」、もしくは綴り「Osial」から59番「オリアス」と思われる。オセは豹と関連付けられ、オリアスは蛇を持つという。
  • 姿について
    魔神任務1章4幕で改造計画の話題が出た時、パイモンは「究極殺人兵器・機械魔神烏賊」というあだ名をつけており、旅人もそれ自体には反論していなかった*7
    この説を取る場合、龍の首に見える部分は触腕だったということになる。それなんて〇ストガロア
    一方、世界任務「森林書」ではカブスに璃月の物語を語る際「多頭の水蛇」と表現している。どっちだよ。
  • 跋掣との関係について
    魔神任務内で見えていたオセルと跋掣の首の数を合わせると丁度八本。
    和璞鳶ストーリーには岩槍で討伐された海の魔獣「八虬」が出てくるが、オセルと跋掣をひとまとめにして扱われていた、と考えると色々辻褄が合う。
    あるいは雷電眞と雷電影のように、双生の魔神であった可能性も考えられなくもない。
跋掣(「渦の余威」)
オセルの妻にして渦の魔神の最後の追従者。
魔神であるのか魔物であるのかは不明。
巨体で長い首を複数持ち水元素を操るなど、オセルとよく似た特徴を持つが、外見はオセルよりも角ばっており龍を想起させる姿となっている。
璃月近海に潜んでいることを海洋の変化に敏感な北斗によって察知され、群玉閣へ憎しみを持っていることを凝光に利用されておびき出され、事前に準備していた璃月の人々によって迎撃された。
これに対して弧雲閣を覆い群玉閣にすら届くほどの大波を召喚して反撃するも申鶴によって防がれ、海中まで追撃してきた旅人と申鶴によって重傷を負わされ何処かへ逃走した。
名前は英語版等ではBeishtという綴りになっており、マン島(グレートブリテン島とアイルランドの中間にある島)の南沖に住むという海の怪物"Beisht Kione"(マン島語で「黒頭の怪物」の意)が元ネタと思われる。
ヘウリア(塩の魔神)
魔神戦争にて敗北した魔神の一柱。女性。
戦闘能力はかなり低いとされている一方、無限に塩を生成する容器、挿した地から塩を溢れさせる定規など、魔神の名に相応しい権能を持っていた模様。
心優しい魔神と言われており、戦いを避け逃げることを選び続けていたが、結果として領地を失い続け、現在の地中の塩の地域にまで追い込まれる。
最終的に、見かねた領民たちによる介錯を受け入れる形でその生涯を終えたが、死亡時のエネルギーに巻き込まれた多くの民が塩の彫像と化した。
璃月の行政組織「七星八門」の一つ「銀原庁」では、ヘウリアの伝説が領民の末裔に受け継がれているようだが、その内容は正確とは言い難い。
英語版の綴り「Havria」から、元ネタは「ハウレス(Havres)」こと序列64番「フラウロス」と思われる。
マルコシアス(竈の魔神/竈神・グゥオパァー)
石の摩擦の火花から誕生した、炉火と民生を司る魔神。人々からは竈神として大変慕われていた。
古い時代からのモラクスやピンばあやの友の一人である。
幾千万に分裂し人々に団らんと食を与え、寒さにも強く持ち運びにも苦労しないピリ辛蒸し饅頭の作り方を教えた。そして大地が厄災と疫病に溢れると自らの力を大地に捧げ人々を守った。
力を使い果たした竈神は、人よりも小さな体になり、知能や記憶も失ってしまう。そしてモラクスとピンばあやに幸福をもたらす料理と炉火の深奥を告げ、仲間たちのもとを去り洞窟の祭壇で眠りについた。
幾百年の時を経て、偶然雨宿りに来た香菱の置いたピリ辛蒸し饅頭の匂いで目を覚まし、それを食べて懐かしさを覚え、それから香菱に付いていくようになった。
そして今では「グゥオパァー」という名で香菱の家族となっている。
記憶は失われているがモラクス(鍾離)と再会した時は本能的に友との再会に喜んでいた。また、ピンばあや、留雲借風真君、魈と出会ったときにもリアクションを見せるなど、かつての仲間のことを完全に忘れているわけではないようである。
  • 元ネタについて
    序列35番「マルコシアス」。翼と蛇の尾を持ち、口から火を吹く狼の姿で現れるとされる。また契約の国である璃月の神の元ネタらしく、取引をする召喚者に対してとても誠実であるという。元ネタのスペルは「Marchosias」であるが、原神では「Marchosius」と微妙に異なる。
  • 伝承ではあるが、ウェンティと並んで誕生の経緯が明確に描写されている数少ない魔神。生来の魔神としては唯一。
詳細不明の魔神
その他、璃月関連人物として登場する魔神。
  • 「最強を自称する魔神*8
    かつて璃沙郊に都を構えていたが敗北。璃沙郊は魔神戦争終結まで水底に沈むことになった。
  • 「夜叉を使役していた魔神」
    魔神戦争時代、夜叉を支配して望まぬ殺戮を強制していたがモラクスに撃破される。解放された夜叉はモラクスから「魈」の名を与えられ、彼に忠誠を誓う。

仙人(三眼五顕仙人)

雑談/掲示板/45757に、先頭4名分の画像が投稿されています

削月(さくげつ)築陽(ちくよう)真君
頭部は緑、体は琥珀色の毛並みをした鹿。
仙人としての岩王帝君の直弟子であり、普段は絶雲の間にいる。
理水(りすい)畳山(じょうざん)真君
黒と赤の方の鷺。男声。
琥牢山に居を構え、踏んだ相手を琥珀に閉じ込める踱山葵という植物をそこら中に植えた後隠居中。
暴走した七七を琥珀によって封印した。
留雲(りゅううん)借風(しゃくふう)真君
白と青の方の鷺。一人称は妾で女声。
奥蔵山に居(洞天)を構える。帝君や帰終を交えて食事を楽しんでいた仲であった。
またエンジニア気質が強く、様々な発明を行っているほか、人間が建造した群玉閣にライバル心を燃やしたりしている。
オセル復活の際には改良型帰終機を群玉閣に設置し交戦した。
璃月の統治が完全に人間によって執り行われるようになった後もたびたび市街に現れ、人間が制作したからくりに興味を示したり甘雨や申鶴の様子を気に掛けるなど、
他の仙人たちが人間社会から距離を置く中で人間と比較的近い立ち位置に在る。
また、事あるごとに甘雨と申鶴の幼少期の思い出を語ろうとしては当人たちに止められるといった様子も見せる。
弟子たちがみな璃月港に移り住んだため、寂しくなったのか人間の生活や璃月港が人を惹きつける理由を探るために、ひとりの人間閑雲として新たな弟子である漱玉とともに璃月港に移住した。
長らくプレイアブル化を待望されていたキャラクターのひとりであったが、閑雲名義で晴れてVer4.4にて実装された。
  • 服装について
    弟子二人の服装がどちらもぴちぴちのボディースーツなことからそういう趣味があるのではと疑われている。
    なお、ムービー「心にとどまる余音」で披露した人間の姿だが、赤ぶち眼鏡に黒いロングポニテ、そしてインナーは……やっぱりボディースーツだった。もはや言うに及ばず。
ピンばあや(歌塵(かじん)浪市(ろういち)真君)
見た目普通のおばあちゃん。普段は璃月港の西側にいる。
ストーリー中では「洗塵の鈴」を貸し出すついでに、壺の中の巨大洞天を旅人に掃除させた他、オセル復活時には仙力で力を貸した。
事件終結後は煙緋と協力して作成した塵歌壺を旅人に提供している。
削月築陽真君を相手に説教できるなど、仙人の中でも特に古く、上位の存在であることが伺える。
  • 名前について
    仙号の初出は魈のキャラクター紹介より。
    明言こそなかった当初の時点で既に、塵歌壺に通じる語句や口調の類似より同一人物説が唱えられていたが、ストーリームービー「世にある至味」ナレーター紹介で晴れて確定した。
    ちなみにピン(萍)の方は「うきくさ」の意。
  • オセル戦について
    上述したオセル戦での仙力での加護だが、ゲーム上では「攻撃した敵に最大HPの半分程のダメージを与える衝撃破を発生させる」というバフを与えるもの。
    特にVer.1.1頃のプレイヤーにとって非常に厄介な敵であった先遣隊、それらをバリアの上から2発で撃滅する体験は当時のプレイヤーに強い衝撃を残した。
    今でも原神最強キャラ候補が(ネタで)議論される際は、エリンと並んで名が挙がるらしい。
  • 香菱・ヨォーヨの師匠として
    イベント「韶光撫月」では香菱に師匠と呼ばれていた。彼女の元素爆発時のセリフ等から料理というより槍術の師匠だと思われる。
    ヨォーヨもピンばあやを師匠と呼び、長柄武器を装備し、通常攻撃は3段目まで香菱と同じである。
  • 年齢について
    「世にある至味」の2分50秒前後に登場する槍使いの女性だが、腰に付けている鈴が「洗塵の鈴」と酷似していることからもわかる通り、ピンばあやの昔の姿。
    帰終を失った悲しみから自ら歳を取る事を選び今の老婆の姿となっている。
移霄(いしょう)導天(どうてん)真君
故人。
魔神戦争で戦死した仙人。璃月港を守るために自慢の角を折って天衝山を支え、その身を犠牲にした。
マル(銷虹(しょうこう)霽雨(せいう)真君)
洞天の管理者でピンばあやの古い友人。外見は服を着た巨大なヤマガラで、壺や食器を身に着けている。垂れ目。
仙号は「戦乱の中、晴天を懐かしんでつけられた」とのことなので、おそらく魔神戦争下の生まれ。
意味は「虹を消して雨を晴天にする」といったもの。
ウル(尋瑰(じんかい)納琦(のうき)真君)
週末に洞天にきて動物と足場を売る仙人。マルと同じような容姿だが、つり目気味で若干表情が厳しい。
意味は「珍しいものを探し美しいものを納める」といったところか。
甘雨
プレイアブルキャラクター。璃月七星の秘書で麒麟とのハーフ(半仙)。
幼少期は留雲借風真君に育てられた後、魔神戦争に参加。
終結後は岩王帝君との契約に基づき、七星の業務を今日に至るまで補助してきた。
岩王帝君と契約を結んだのは三千年前なので実年齢は3000歳以上と思われ、非常に長生き。
移霄(いしょう)導天(どうてん)真君
故人。彼をモチーフにした「明霄の灯」は、蒼い体に立派な角を持つ鹿の姿として作成されている。
かつての戦いにおいて、帝君より授かった自慢の角を帝君に切断してもらい、切断された角を支えとして切り崩された天衡山が民衆に落下することを防ぎ、自身も血の一滴まで戦い尽くして死亡したとされる。今でもその角は天衡山を支え、その血は碧水川になったという。
鳴海(なるみ)栖霞(せいか)真君
故人。魔神任務間章第一幕にて名前のみ登場する。
行秋の集めた伝承によれば自らが作った洞天に奇妙な宝を集めていたという。
申鶴によると心の広い仙人であり、自身の所有物を持っていかれても気にしないだろうとのこと。
また、理水畳山真君とは親密な仲であったという。
法宝「太威儀盤」の元の持ち主であり*9、500年前の層岩巨淵での戦争ではこの法宝を友誼を結んだ夜蘭の先祖に渡したという。
また、煙緋が古書から見つけた遺言の主その人と思われる。
その他の仙人
  • 岩王帝君
    璃月伝承においては仙人のトップであるとされる。鍾離を参照
  • 夜叉
    璃月の仙獣の一種で、気性は荒いが武勇に優れるという。
    魈など。後述
  • 麒麟
    璃月の山林に棲む仙獣の一種で、高貴で慈悲深く、澄んだ甘露と香る草を食事とする。
    決して他の生き物を傷付けず、虫を踏むことも葉を折ることもしないという。
    璃月の伝承では何千年も前に人間と愛し合った麒麟の伝承が伝わっており、その人間と麒麟の間には子供が生まれたとされる。
    その後の話は伝わっておらず、複数の説が民衆の間でも議論されている。
    この子供が甘雨であるかどうか、そうでなくとも関連があるのかどうかは不明。
  • 古華
    伝説上の侠客。仙人だったという噂がある。
    雨裁を用いて盗賊を討伐し、荒野の平和を保っていた。最期は紫色の光となって空(セレスティア?)に登ったという。
    寒武の友人であり、試作両手剣に古華の名を贈った北陸の侠客とは同一人物と思われる。
  • 煙緋の父
    岩神と契約を結んでいた仙獣。普通の商人である女性と結婚し煙緋を儲ける。現在は岩神と話し合った上で契約を解除してもらっている。
    岩神から全ての物の価値を計りうる竿秤を授かる。現在は煙緋が譲り受けている。
  • 煙緋
    プレイアブルキャラクター。上述の通り、仙獣の父親と人間の母親の間に生まれた半仙である。岩神とは契約をしておらず、正確には仙人と呼べるかどうかは怪しい。詳細は後述
  • 七七
    キョンシー、つまり明確に元人間ではあるが、「時を止めて過去の日々に戻りたい」という、死への恐怖、生存への渇望、そして家族への思いが神の眼として具現化した際、
    過ぎ去った日々への渇望も守護の意思の一つであるとして、他の仙人たちに「三眼」としての正当性を認められている。
    詳細は後述

夜叉

広義では仙人に含まれるが、分けて記載。

護法仙衆夜叉(仙衆夜叉)
夜叉一族の中でも特に強かった5人の夜叉。
岩神との契約に基づいて敗北した魔神の残滓と戦ったが、業瘴に囚われて心身を苛まれ、悲惨な末路を遂げた。
「護法仙衆夜叉録」より5人の名前が、それの入手時のPVにて彼らの姿とその末路が、世界任務「夜叉の願い」および魔神任務間章第二幕より彼らのうちの一人のその後が明らかになっている。
それぞれの名前と容姿の関係は長らく謎だったが、ストーリームービー「旧憶のみ残されて」の説明文で明らかになった。
  • 顔ぶれと末路
    雷夜叉・浮舎:精神が壊れ魔物と化す。
    炎夜叉・応達:恐怖に支配され発狂した。
    水夜叉・伐難 弥怒と同士討ちして死亡。
    岩夜叉・弥怒 伐難と同士討ちして死亡。
    風夜叉・金鵬 唯一正気を保ったまま生存するも、業瘴に長年苦しめられる。
    • 金鵬は魈のこと。
    • 英語版の名前は順に「Bosacius」「Indarias」「Bonanus」「Menogias」「Alatus」。
      「金鵬」の訳をラテン語「Alatus(翼を持つもの)」にした関連で、他の仙衆夜叉もラテン語風にアレンジしているようだ。
      このとき、浮舎・伐難には男性形の接尾辞が、応達・弥怒には女性形の接尾辞が使われているが、実際には伐難が女性で弥怒が男性となっている。
魈(金鵬・金翼鵬王・護法夜叉大将・降魔大聖)
プレイアブルキャラクター。
風元素の力を操る夜叉であり、外見は少年だが仙人の例に漏れず実年齢は数千歳である。
望舒旅館を拠点としており、岩王帝君との契約に基づいて璃月に危害をもたらす魔物やアビスを人知れず殲滅している。
まだ年若かった魔神戦争中にある魔神によって支配され、殺戮と蹂躙を強制されていたことがあり、敗者の「夢」を無理やり飲み込むことさえあったという。
苦しみながらも魔神の支配から逃れる術を持たなかった彼だが、その魔神がモラクスによって倒されたことで開放され、身の安全のために「魈」という新たな名を与えられた。
このような事情から魈はモラクスに多大な恩義を感じており、モラクスが既に退位した現在に至っても忠誠を尽くし続けている。
その後、敗北した魔神の残滓が様々な厄災を齎すようになったため、その鎮圧のために他の夜叉たちと共に招集され、魔神の残滓が生み出した魔物と戦う任に従事するようになる。
魈は夜叉のなかでも最も強い5人の夜叉の一人となり、「金鵬」の雅号で呼ばれるようになる。
しかし、長い血戦の間に業瘴に囚われた仲間達は次々と正気を失い死亡、今では魈ただ1人が、業瘴に苛まれながらも戦い続けている。
杏仁豆腐が好物だが、これは杏仁豆腐の食感がかつて食らった人々の夢と同じだからという理由である。「夢」を食べることはもうないが、その味が忘れがたいがために似た食感の杏仁豆腐を代替としているのだろう。
浮舎(騰蛇大元帥)
腕を四本持ち、雷元素を操る紫の夜叉。
仙衆夜叉の長兄的存在であり、魈からは神兵と称された。
誇り高き夜叉であり、戦う時には必ず名乗るという習慣を持っていた。
仙衆夜叉の一人として魔神の残滓と戦うが、業障に囚われ発狂、魔物と化してそのまま行方不明となる。
その後、一時的に正気を取り戻したのか、絶雲の間北東部に『夜叉の願い』の石碑を設置し、俗世を離れる。
500年前には戦いと殺戮の匂に引き寄せられて層岩巨淵を訪れ、息災を携えて千岩軍と共に漆黒の軍勢と戦闘。
この時点では再び狂気に囚われており、兵士たちと言葉を交わしたり協力して魔物と戦うことはできていたものの、自分の名前を失念していたほか、千岩軍の兵士たちを仙衆夜叉の名で呼ぶ、現在の状況を忘れるなど、自他の認識が正常に出来ていない状態であった。
自ら名乗ることができなかったため、「無名の夜叉」として記録に残っている。
苦戦を強いられたが、伯陽・戎昭兄弟、その他大勢の千岩軍兵士らと共に、太威儀盤を用いて層岩巨淵最深部の謎の空間にアビスの怪物を閉じ込めることに成功。
この作戦では、万が一にも魔物を逃がすことがないように自分たちが閉じ込められることを承知の上で謎の空間に強固な封印を施したため、兵士たちととも地下深くに取り残されることになった。
兵士たちは徐々に命を落としていき、浮舎も戦いの傷が原因で衰弱。
死の間際にかつての夜叉の仲間たちの幻覚を見て正気を取り戻し、思い出した自身の名前とその意味を伯陽に告げ、ほどなくして伯陽に看取られながら息絶えた。
  • 聖遺物の千岩牢固の物語では、長年の罪を贖うため、そしてかつて臆病さ故に逃げた自分への戒めとして戦いに参加したという噂が存在することが記されているが、これは魔神任務で判明した内容とは異なっている。噂は噂でしかないということか。
応達(火鼠大将)
女性の炎夜叉。
恐怖に支配され発狂し、そのまま死亡したと思われる。
伐難(螺巻大将)
女性の水夜叉。
弥怒と同士討ちして死亡。
弥怒(心猿大将)
男性の岩夜叉。
伐難と同士討ちして死亡。
「状況に応じて愉しく振る舞い、予想外の出来事を愉しむ」が口癖。
服作りが趣味。彼の作品は精緻なデザインに対して着用には不便な代物で、とりわけ浮舎からは不評だった一方、モラクスには気に入られていたらしい。現在鍾離が愛用しているスーツも彼の仕立てによるもの。
その他の夜叉
  • 銅雀
    魈の世界任務に登場した夜叉。誤解されがちだが仙衆夜叉ではなく、もう少し下の世代。かつての戦いで力及ばず死亡したという。現在は自我を保ちながら亡霊となっている。
    海灯祭の折には、自分の命日に現在の璃月を見ようと「浮世留形法」によって人間の姿で現界した。
    生前の好物は螭虎魚焼き。
  • ストーリームービー「世にある至味」の2分50秒前後のシーンにて、魈が寄りかかっている木の左側で魚を焼いている鳥がいるが、先述した彼の好物と、銅雀の霊が宿っている石像がムービーに登場する鳥とよく似ていることから、これが銅雀の仙獣としての姿ではないかと言われている。

その他

クオン
武器職人。中国語版での表記は昆吾。
幼い頃は学問を学びスメールで研究することを夢見ていたが、偶然手に入れた日時計に心を奪われる。
その後、それを発案した岩王帝君に挑む為、師と別れ武器職人になることを決意。匣中龍吟、匣中滅龍、匣中日月を作成する。
匣中日月曰く数千年前の人物。よって、後述の寒武や雲輝らの世代とは違う時代の人物と思われる。
クンジュの祖先であるという説がある。彼の中国語表記が昆钧であることや、彼の祖先が武器職人であるという若陀龍王の発言に基づく。
元ネタは古代中国の北西(今の新疆ウイグル自治区哈密県)にあった名剣の産出国の昆吾(昆夷)と、その伝説的建国者である同名の工芸神の昆吾と思われる。
伝承によれば、昆吾刀は玉(翡翠)を泥のように切ることが出来たという。
余談だが、「日本刀」という言葉は中国の詩人の欧陽脩が日本の刀は昆吾の刀に匹敵する宝刀であると称賛した漢詩が初出であるため、日本文化とも縁が深い。

英雄の時代(2000年前~500年前)出身

岩神によって討伐された魔獣たち

「螭」
軽策荘の辺りを根城にしていた魔獣。
1000年前に岩王帝君によって討伐された後、死骸が軽策荘周辺の山や棚田になったらしい。
若陀龍王
ボスキャラクター。力強い四肢と樹状の尾を持つ龍。岩元素結晶の化身であり、大地の力と記憶を背負い、山海とともに年月を歩む岩元素生物の頂点たる存在。
元は璃月の地中に眠っていた「奇妙な岩」の元素生物だったが、岩神によって掘り起こされ、龍の形に彫刻された後に両目を与えられることで、本物の龍として命を得る。
その後は岩神の友として共に璃月を守護していたが、長い年月を経て「摩耗」し人類と共存する力を失う。
1000年前にはついに、過剰な採掘で層岩巨淵の地脈に影響を与えていた人々を襲撃してしまい、結果、岩神らの手によって琥牢山東の地中に封印される。
現代では封印が弱まり、悪意の化身として少女阿鳩、それに対抗する善意の化身として精神体が復活。
阿鳩によって本体が復活するも、旅人と鍾離、並びにクンジュに憑依した精神体の尽力によって再封印された。
【潜心彫龍——若陀龍王創作の裏話】より、モチーフの一つはゾロアスター教の神話に登場する悪龍「アジ・ダハーカ(Aži Dahāka)」。若陀龍王の英語名はアジ・ダハーカの綴りを捩ったと思われる「Azhdaha」である。
ちなみに、彼と関係深いヴィシャップはアルメニア伝承のドラゴンだが、これとアジ・ダハーカは同一起源の存在であるとされる。

武器職人とその関係者

試作シリーズ・黒岩シリーズの背景ストーリーなどに登場する人々。
「層岩巨淵の坑道採掘と、それに触発されたと思われる群発的な崩落」から、1000年前(若陀龍王の反乱があった時代)の人物たちであると考えられるが、
「災いが収束した後に試作シリーズが開発され始めた」旨の記述から、カーンルイア滅亡時の厄災が収束した後の人物である可能性も考えられる。

  • 家系について
    寒氏の先祖は星氏と共に千岩大剣の開発に関わっていることが分かっている。
    子孫は色々と不明。寒氏については、現代璃月に同じ苗字を持つ武器職人の寒鋒がいるが、末裔であるとは明言されていない。
    一方、雲という苗字を持つ璃月の登場人物では、プレイアブルキャラの雲菫のキャラクターストーリーで先祖が武器職人と語られており、子孫である可能性がある。
    他には(恐らく天おじの姉である)元商人の雲淡がいるが、こちらも武器とは関係の薄い職についているうえ現状では追加の情報はない。
寒武
寒氏の武器職人。
鍛造の名家雲氏と協力し、「試作」シリーズの設計図を書く。後に錬金術師の男(黄生?)の依頼を受け、魔導器も設計する。
晩年、層岩巨淵へと更に優秀な素材を探しに行った際、坑道の崩落事故に巻き込まれ、目を負傷し、4日間坑道に閉じ込められる。
試作片手剣(後の黒岩の長剣)を用いて脱出したが、負傷がもとで失明し引退。
後に病気を患うも、若陀龍王の反乱と思しき天変地異の話を聞き、黒岩の斬刀を作成。息子に奉納させた。
崩落事故から数年後に病没。
雲輝
雲氏の七代目当主で、七星を兼任していた。
武器職人寒武と協力し、「試作」シリーズの設計図を書く。後に錬金術師の男(黄生?)の依頼を受け、魔導器も設計する。
寒策
寒武の息子。優れた才能から跡取りとしての高い期待を受けるも、自身は槍客になることを望み、軋轢から後に出奔。
しかし、寒武の事故を聞いて実家に帰還。性格の激変した寒武と関係を回復させるもどうしたらいいか分からなくなってしまう。
寒武の死後、遺言に従って試作シリーズの設計図と、父からの手紙を見つける。
悲しみに暮れた翌朝家の前に鉄隕石が落ちると、これを涙ながら天啓と受け取り、父の跡を継ぐことを決意し黒岩の突槍へと鍛造した。
その後は黒岩の戦弓を雲凰に提供した他、再来した長衣の錬金術師(黄生?)の男から提供された宝玉を元に黒岩の緋玉を製造した。
雲凰
雲輝の娘。幼い頃から武術を学び、夫ではなく女性の自分自ら八代目を継ぐことを望んだ。
層岩巨淵の危機に伴う混乱で、家督断絶の不安に苛まれるも、寒策から渡された黒岩の戦弓をもってして転機を予感する。
黄生
錬金術師。雲輝や寒策・雲凰と交流した錬金術師と同一人物の可能性がある。
仙人を尋ねある山を訪れた際、山の散策中の雲氏(雲輝?)と出会い意気投合し、雲氏に受け継がれてきた仙人の遺物(昭心)を譲渡される。

その他の人物

船頭
かつての璃月に存在した、軍船を操縦して海獣を狩る「船師」の一人であった人物。
大剣を得物として振るい、仲間の船員たちや案内人の少女とともに海獣狩りを行っていたが、ある日遭遇した山のごとき巨体を誇る海獣との激戦の末に、海獣に重傷を負わせたが船師は武器、船、仲間たちの全てを失う。
一人救出された彼は敵を討つことを決め、遠い異国から璃月に亡命してきた人物と共に航海を重ねながら、怨敵の海獣の住む海域へと海流と風向きが向かう時を待ち続けた。
遂に機が熟すと、巨大な軍船に今や副船長となった異国出身の航海士とともに乗り込んで出港した。
彼らは二度と戻ってくることはなかったが、海獣もまた死体となって漂着した。
案内役の少女
船師を海獣のいる海域へと導く役目を背負っていた人物。
全ての海風と波に敬意を払い、海を祭る歌を口ずさんでいた。
強大な海獣との戦いで船員たちが次々と捕食され、船師も海獣の爪で引き裂かれそうになった時、歌で海獣の気を引き、彼に別れの歌を告げると海に引きずり込まれた。
副船長
灰色の国の貴族出身であった人物。故国を追われ、長剣(鉄蜂の刺し)と古びたマント、それに飾られた青宝石色の小さな羽だけを身に着けて璃月にたどり着いた。
遠洋航海帆船のオーナーとなり、船師と共に海を渡り、航海士として共に嵐、海獣、波と戦った。
酒に溺れて終日酔っぱらっており、不真面目な人物とされていた。
船師の敵討ちを達成するため、彼と共に最後の航海に出て帰らぬ人となった。
恐らくはモンド貴族の元嫡子であったパルジファル。
半ば自暴自棄になっていたが、日が暮れるとモンドでの日々や魔女との報われなかった恋、果たされなかった彼女との再会の思い出に浸り、晩年になっても過去を忘れ去ることはできなかったようだ。

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身

「無名の夜叉」
500年前に層岩巨淵に星が落ちてアビスが湧き出した時、千岩軍の兵士たちとともに自身の命を顧みずにアビスの軍勢と戦い鎮圧に貢献したとある夜叉。
その正体や詳細については#夜叉を参照。
伯陽
夜蘭の先祖の一人。
術師であり、鳴海栖霞真君に託された法宝「太威儀盤」を携えて、千岩軍を支援するために弟の戎昭と共に層岩巨淵の戦いに参加した。
凶獣との戦いで所属部隊は甚大な被害を受けたが、「無名の夜叉」に助けられ、行動を共にするようになる。
戦闘の最中に凶獣の力を抑制する謎の地下宮殿を発見し、死者の多さを鑑みた彼は地下宮殿の力を利用することを発案。
夜叉ととともに千岩軍の一部の兵士たちを率いて凶獣を地下宮殿に誘導、自身と夜叉が太威儀盤を用いて内部から封印を施し、戎昭が外部から援護することで凶獣を地下宮殿に閉じ込めるという作戦を立てた。
この作戦では地下宮殿に入った兵士たちは脱出が不可能になり、決死隊となることが判明していたが、層岩の戦線を守り弟を生還させるために作戦を実行。
結果、決死隊は壊滅するも凶獣も全滅し、作戦は成功した。
夜叉と共に最後の生存者となった彼は、夜叉の死を看取り、層岩の戦いに参加した者で唯一夜叉の名を知る者となる。
最期は、弟を庇った結果自分が苦しむことになったことに悔恨の念を抱きつつも、弟が生存できることを喜ばしくも思いながら意識を薄れさせていった。
戎昭
伯陽の弟。
兄と共に参加した層岩巨淵の戦いでは、地下宮殿に凶獣を封印する作戦を外から援護。
兄の犠牲のおかげで生還するも、夜叉と共に戦ったことで業瘴に染まり、理性を失ってしまった。
七七(救苦度厄真君・起死回骸童子)
プレイアブルキャラクター。
数百年前、薬草採りの最中仙境に迷い込み、仙魔大戦に巻き込まれて瀕死になるも、今際に得た神の目によって仙魔大戦を終結させる。
不憫に思った仙人たちによって仙力を注がれキョンシーとして復活するも暴走。理水畳山真君によって琥珀に封印される。
後に現代の人々に発見され、改めて埋葬されそうになるも直前で封印が解け脱走。
白朮によって保護されて以降、彼には何らかの企みがあることを何となく察しつつも現在も不卜廬にて働いている。

人間の時代(数百年前~現代)出身

璃月七星・総務司・七星八門

凝光
プレイアブルキャラクター。当代の璃月七星「天権」として璃月の法律の管理・解釈・補管を担う女性。
一介の行商人から身を立ててテイワット屈指の大富豪へと成り上がった剛の者であり、空中宮殿「群玉閣」を保有する。
最初は一部屋ほどの大きさしかなかった群玉閣を増築し続けて現在は璃月港の上空を覆うほどの大きさにまで拡張しており、いずれは群玉閣で七国全土を覆うという野望を抱いている。
同時に璃月の発展と人々の平穏についてもよく考えており、ファデュイによって渦の魔神が復活して璃月港を襲撃しようとした際には躊躇なく群玉閣を攻撃に転用して魔神に落下させることを決断し、後に群玉閣を再建した時にも群玉閣が世の繁栄と平和を見守り続けることを願うなど、利を追求する商人と璃月のために尽力する統治者の両方の側面を持つ人物である。
刻晴
プレイアブルキャラクター。名門出身の女性であり、璃月七星「玉衡」として土地管理と建設を担当する。
人々の手本になるために常に他人の数倍の努力を怠らず、同時に全ての「怠惰」と「非効率」を嫌う人物であり、通常は半月かかる仕事を1,2日で完遂したり、世界の変化を知り、経験を積むために自ら下働きに従事するなど、非常な行動力の持ち主である。
数千年に渡って帝君の庇護下で繁栄してきた璃月の人物でありながら、帝君の統治が永遠に続くとは限らないのではないか、人間は自分たちの運命を自ら切り開いていくべきではないのかと考えて帝君の統治に疑問を抱く、当代七星の中で最も神を敬わない人物であり、上記の行動力も神を統治者の座から引きずり下ろすためのものである。
彼女の考えは多くの璃月人には受け入れられないものであったが、当の帝君は自分の信念に従い声を大にして動揺せずに行動する彼女のことを気に入っており、帝君は引退を考えるようになったのも彼女のような人物が登場したことを契機としている。
当初は神への反骨心から、神の目の破壊を試みたり帝君の信奉者である甘雨のことを軽んじるような考えを抱いていたが、帝君が去って璃月の統治を完全に七星が引き継ぐこととなった後は、帝君がそれまで容易く処理していた業務内容の膨大さに対処できなくなり、帝君に尊敬の意を抱くようになった。
これ以降、帝君への対抗心とプライドを捨て去り、必要な知識を学び直したり帝君がどのような考えを持っていたのか推測しながら業務に努めるようになり、甘雨との関係も互いに見直し合い、熱心な帝君のファンとなった。
「天枢」
年老いた男性。月海亭の秘書である慧心の父親で、軽策荘にいる雲淡の弟。普段は身分を隠し、「天おじ」として璃月港のチ虎岩側の船着き場で釣りや詩吟を楽しんでいる。
出身は軽策荘。璃月港で雲淡と共に漁業をきっかけに財を成し、雲淡が軽策荘に戻った後も商売を発展させ、現在の地位にまで上り詰めた。
  • 夜蘭伝説任務では、天枢は七星の中でも裏方に特化した特殊な役職とされている。甘雨伝説任務を加味すると、影から璃月全体の監視・査察等をする役職のようだ。
    上述の出世経緯や、月逐い祭り内でのベテランの食通という扱い、天枢肉の存在などより、食糧生産や食文化の管理にも精通していると推測できる。
「開陽」
凝光のキャラクター紹介イラストにコメントを残している。
「天璇」
甘雨の好感度ストーリー4で言及されている。

なお、璃月七星の肩書は古代中国の天文誌における北斗七星を構成する7つの星の名称である。
天枢おおぐま座α星ドゥーベ(Dubhe)
天璇おおぐま座β星メラク(Merak)
天璣おおぐま座γ星フェクダ(Phecda)
天権おおぐま座δ星メグレズ(Megrez)
玉衡おおぐま座ε星アリオト(Alioth)
開陽おおぐま座ζ星ミザール(Mizar)
揺光おおぐま座η星アルカイド / ベネトナシュ(Alkaid / Benetnasch)
そのため、一切情報が出ていない残りの2人の肩書はそれぞれ「天璣」及び「揺光」であると考えられる。

その他の璃月関係者

璃月港

夜蘭
プレイアブルキャラクター。
瑠月に出没する謎の人物。
総務司所属を称しているが、総務司の名簿上には存在していない。層岩巨淵の奥底に辿りついた旅人たちの前に突如現れる。
正体は凝光直属の情報官であり、岩上茶室の新オーナー。
行秋
プレイアブルキャラクター。飛雲商会の次男坊。
重雲
プレイアブルキャラクター。有名な妖魔退治の家の生まれ。
辛炎
プレイアブルキャラクター。ロック少女。
胡桃
プレイアブルキャラクター。葬儀屋「往生堂」の第77代堂主。
煙緋
プレイアブルキャラクター。
半仙の少女であり、璃月随一の法律家。
いつ頃から生きているのかは不明だが、平和な時代になってから生まれたとのことで、最低でも魔神戦争終結後の生まれであると考えられる。また、世界任務において彼女の父親は母親と共に国外を旅していることが明かされており、普通の人間である母親が存命である可能性が高く、煙緋の年齢はせいぜい数十歳だと考えられる。帝君とは契約していないが、法律家として彼女もまた璃月を守っている。
雲菫
プレイアブルキャラクター。
劇団「雲翰社(うんかんしゃ)」の座長にして、和裕茶館の看板娘。芝居や舞台に女優として出演している他、脚本・演出も担当している。
辛炎の熱心なファン。どれだけ忙しくとも週3以上通っているほど。
一度彼女の家に招待された際、ロックとはかけ離れたたおやかな部屋を目の当たりにするが、かえって応援や追っかけがより熱烈なものになったらしい。
先祖はもともと武器職人の一族で、そのうちの一人が武器を作る意欲をなくし演劇に興味を持つようになったことがきっかけで、それ以後は劇を生業とするようになった。
そのため、雲輝や雲凰が先祖である可能性がある。身に着けている錠の形をした銅の飾りは先祖が作ったもの。
申鶴
プレイアブルキャラクター。
雪のような白髪の女性で、その佇まいから山中で彼女を見かけた人は仙人と誤解する人も多い。
元は妖魔退治を生業とする一族の分家で、重雲とは遠い親戚に当たる。
ある一件をきっかけに人の身ながら留雲借風真君に引き取られた後、十数年その下で修行をしている。
ただ、俗世を離れ山奥で修行した期間が長すぎたせいか、人間社会の常識にかなり疎い。
幼い頃に得た神の目や仙人との修行もあってか、人の身でありながら仙人の法術を扱え、更にその身に宿す膂力は人の域を遥かに超越しており、群玉閣の核でもある巨大な浮生石を一人で難なく持ち上げられるほど。
魂の底から溢れ出る殺意を「赤紐」で縛ることでようやく平静を保つことが出来ているが、その代償として感情の起伏が極端に乏しい状態になってしまっている。
白朮(びゃくじゅつ)
プレイアブルキャラクター。
璃月の薬屋不卜廬の店主。喋る白蛇「長生」を首に巻く。草元素の神の目所持者。
何らかの病にかかっており、キョンシーである七七より不健康らしい。
また、不老不死への欲求を抱えており、七七を保護したのもそのためとみられている。
  • モチーフについて
    中国モチーフの国に登場する男性と白蛇のコンビというデザインからは、中国四大民間伝説の一つ『白蛇伝』との関連性が考察されている。
    大まかな骨子は人間に化けられるようになった白蛇・白娘子が青年・許宣との恋物語。成立当初は禅僧等が白蛇の正体を見破り退治するという結末だったが、後の時代では正体を知ってなお愛を貫くハッピーエンドになる改変版も生まれているとか。
ヨォーヨ
プレイアブルキャラクター。
甘雨が総務司の友人に頼まれて世話している娘。
髪飾りに大きな鈴をつけており七七をして「ヤマガラみたいで可愛い」と言われている。留雲借風真君から貰った月桂(ユェーグェイ)なるぬいぐるみのようなからくりを所持している。
南十字艦隊の船上に遊びに行ったり、海産物を好んで食している等、海に縁深いキャラである模様。
一方、生の雲来タコを出した香菱を共通の師匠であるピンばあやに説教させたり、望舒旅館に宿泊した甘雨を労って細かい要望を出すなど、かなり大人びているようだ。
璃月のプレイアブルキャラクターで珍しい漢字ではなくカタカナの表記のキャラクター。
  • リリース初期からデザインは出ていたが実際にプレイアブルキャラクターとして登場するのは2023年になってから。また、香菱の妹弟子ということもあってか幼女体形で初の長柄武器キャラ。
  • 考察
    漢字表記が「瑶瑶」であることから、「『総務司の友人』とは璃月七星の瑶光のことで、ヨォーヨはその娘や親戚」という説、
    香菱の師匠やグゥオパァーの正体から、ヨォーヨもまた仙人に縁深いキャラである説、などがある。
閑雲
プレイアブルキャラクター。
留雲借風真君の人間態。詳しくは「留雲借風真君」を参照。
 

望舒旅館

璃月港と石門の中間地点、碧水の原にある旅館。
鍾離によると「旅館は視界を確保するために高く建てられ、守らなければならない戦略的な場所」と、単なる旅館ではないことが示唆されている。
また、オーナーのヴェル・ゴレットをはじめとした旅館スタッフの個人情報はほとんど謎に包まれている。
この旅館の正体は、夜叉である魈の隠れ家、そして彼を支援するための拠点である。スタッフもほぼ全員が凝光直属のスパイであり、旅館に泊まりに来る客や往来する物資の監視も行っている。

ヴェル・ゴレット
望舒旅館のオーナーであり、淮安と結婚する際に璃月に移住した自称モンド人。なぜか「女将ではない」ことを強調する。
江雪曰く、モンドで彼女と面識のある者はいないらしい。
彼女の名前が本名なのか、本来の出身国はどこなのか、そして淮安とは本当に結婚しているのか、などの個人情報は一切不明。
名前の元ネタは、ドイツ語で金メッキを表す「vergoldet」から。
淮安
望舒旅館の支配人であり、ヴェル・ゴレッドの夫。実は腕の立つ武術の達人。
言笑
望舒旅館の料理人。香菱と互角の腕前を持つ凄腕料理人。
元は盗賊だったがうっかりオーナーのものを盗み、ボコボコにされて牢屋に入れられた。出所後、オーナーから料理人として旅館に迎え入れられた。
現状、望舒旅館で唯一素性がはっきりとしている人物。
江雪
望舒旅館の近くの川で釣りをしている人物。言笑とは腐れ縁。
神の目を所持していたが、力を正しくないことに使ったために神の目を使うことをやめた。とあるデイリー依頼において一瞬で遺跡ハンターを倒すなどかなりの実力を持つ。
望舒旅館の裏の事情にも精通しているなど、望舒旅館スタッフにも負けず劣らず謎多き人物である。
名前の元ネタは唐の詩人・柳宗元が詠んだ五言絶句「江雪」から。詩句に登場する翁も川で釣りをしている。

南十字船隊

璃月港を拠点にしている武装艦隊。一応海賊ではないが、頭領の北斗は何度か「海賊」と自称している。
旗艦は「死兆星号」で、MAP上では弧雲閣沖に停泊している。動力が帆・外輪・櫂となぜか3つある(どれか2つだけなら珍しくはないが……)。
北斗率いる私兵部隊だが、璃月七星から公的に認められた存在であり総務司から2年間の集中航海訓練と見習いプログラムを委託されたこともある。実態としては「私掠船」が近いか。
主な活動は武装船による物資輸送や一般商船の護衛、および違法取引(要するに密輸)。鎖国中の稲妻にも難なく到達できる腕前がある。
時に璃月や稲妻において傭兵業も行い、魔神任務稲妻編では海祇島抵抗軍に雇われて幕府軍と交戦している。
一方で、凝光は南十字船隊と何ら取引は行っていないと公言しているが、北斗と凝光は旧知の仲であり、時折凝光から北斗へ穏便に済ませられない厄介事の解決を依頼されることがある。

北斗
プレイアブルキャラクター。南十字船団の頭領。無類の酒好きであり、待機モーションでも酒を飲んでいる。
かつて、まだ料理人としては無名だった香菱を雇って祝宴を開いたことがある。その腕前から船団全員に彼女のことを「香菱姉さん」と呼ばせ、いずれ料理人として名を馳せるだろうと豪語した。
裏社会でも彼女の名は轟いており、弧雲閣付近海域の盗賊・海賊たちに「北斗の姉御」と呼ばれ恐れられている。
重佐(じゅうざ)
死兆星号副船長。背が高く圧があるがいい人。元は造船所の労働者で、北斗に勧誘されて船隊に入った。
璃月出身NPCでは珍しく、名前が日本語読み(テイワット風に言えば稲妻読み)。
徐六石
死兆星号の見張り手。かつて賭けに負けて酒醸団子を三杯食い、酔っ払って海に落ちた(三杯酔の店名の由来)。
この事件のせいで職を失い、困っていたところを北斗に拾われた。見張り台で歌うことがある。

層岩巨淵

璃月最大の鉱床。地上部は螺旋状・すり鉢状になった巨大な鉱山であり、大規模な作業機械も導入されている。
伝説によると、この地に流星が衝突し、その後魔神戦争の時代に流星が他の土地へ移ったために現在の地形が生まれたとされる。かつては層岩巨淵には高度に発達した文明が存在したとされるが、ある時天より釘が落下したことにより災厄に見舞われ、その文明が崩壊した。現在でも層岩巨淵内部には多くの遺跡が残されているが、なぜか天地逆さまになっている建築物が多い。またドラゴンスパインの銀白色の古樹に似た樹があるなど、謎多き土地である。
魔神戦争の時代では人間がこの地で採掘作業を始めたことで地脈が乱れ、若陀龍王の怒りを買った。その後岩王帝君と仙人たちが若陀龍王を封印したことで、人間たちは安全に採掘作業に勤しむことができた。
しかしながら、近年(物語開始の数年前)では謎の事故や不可解な現象が多発し、鉱夫の安全が脅かされる事態となった。それを憂慮した璃月七星によって層岩巨淵は封鎖される。
それ以降、層岩巨淵を管理する千岩軍、一攫千金を狙う宝盗団、層岩巨淵内部の現象を調査するファデュイの三つの勢力が跋扈する無法地帯となってしまった。
層岩巨淵封鎖解除後は、探検隊や旅人たちの努力の甲斐あって治安が回復。
またこの地で暗躍していたアビス教団も、旅人やダインスレイヴなどが排除したことによって不可解な現象や事故が減少したことで、徐々に鉱夫たちも戻ってきている。


層岩巨淵探検隊
層岩巨淵の封鎖解除後、層岩巨淵のマッピング及び当地で多発した事故や現象を調査するための専門チーム。毒ガス対策のためか、小鳥の入った鳥籠が探検隊の仮拠点に置かれている。
旅人は彼らと協力することで、層岩巨淵のMAPを少しずつ解放することになる。

志璇
璃月総務司に雇われた冒険者、地図測量士。層岩巨淵探検隊のメンバーであり、層岩巨淵の大型世界任務「層岩巨淵深遊記」における旅人の相棒的存在。
層岩巨淵の地理誌や一部のアイテムには彼女のコメントがある。また彼女が描いた地図には彼女のデフォルメの似顔絵が描かれている。
明蘊町出身で、後に冒険者となった経緯がある。
翹英荘でも測量の仕事をしていたようで、後の期間限定イベントにて冒険者の沛休が「地形の把握と作図に優れ、経験豊富でとても頼れる人物だった」と評している。
層岩巨淵の封鎖が解かれた後、彼女は地図製作を担当する観測員として層岩巨淵探検隊に参加することになった。彼女は旅人と共に地下に潜む様々な秘密を見出し、地図を解放していく。
しかし志璇は層岩巨淵のあらゆる場所から噴出する黒泥の影響を受け、次第に体調が悪化する。旅人や探検隊一行から心配されるものの、志璇には「神の目を持たない凡人であっても、生きた証拠を残したい」という願いからそれを拒否し探検を続ける。
最終的に彼女は旅人や隊員たちに向けた手紙と地図を残し、巨柱岩宮付近にあるとされる秘密の通路から層岩巨淵の更なる深部へと足を踏み入れたところで消息を絶っている。その後の行方・生死は一切不明。
瑾武
層岩巨淵探検隊メンバー。元鉱夫であり、安全技術員として各種道具のメンテナンスを担当している。
教令院に娘がいる。
クレイトボン
層岩巨淵探検隊メンバー。モンド人であり、元宝盗団員。
仕事でやらかして檻に閉じ込められていた所を探検隊に救助され、爆破の専門家として隊に加わる。
ヘディーブ・プルシナ
層岩巨淵探検隊メンバー。スメールから特別に招待された学者。古生物学者と称しているが、実際には地脈活動の調査が目的。アニサ、サディーフの後輩。
学術研究に集中するため、探検隊に出資して層岩巨淵まで調査に来た。
タリエシン
モンド出身の吟遊詩人。吟遊史詩の復興を目指している。

その他

何爺
瑾武の先輩鉱夫。耳がよく聞こえないので警報に気付かず、2年前の封鎖時に行方不明となった。
その後消息がわからなかったこともあり死亡扱いとなっていたが、実は層岩巨淵にて2年間生存していたことが旅人の調査で判明する。
彼は層岩巨淵内部で魚と星茸を食いつないで生きていたが、星茸による中毒症状によって幻覚が見えており言動もかなり支離滅裂だった。層岩巨淵探検隊に保護されたのち、治療を受けている。
ザマラン
スメールからやってきた喋る巨大キノコ。人間以上の優れた知性を持つ。ザマランの名はとあるスメールの旧友の話にちなんで付けたもの。
しかしながら、このキノコがどういった存在なのかはほとんど語られていない。

その他地域・未分類

平安(掇星(たつせい)攫辰(かくしん)天君)
自称仙人の一般人。魈の伝説任務に登場する詐欺師。
改心した後は夜叉である銅雀の寺を再建し、彼に関する資料の編纂作業を行っている。

稲妻

『将軍は不滅で、幕府の鎖国も永遠なるもの。
永遠を求める神は、人々の目からどのような永遠を見出したのか。』

テイワット大陸の遥か東方に属する雷神が治める国。

重要な出来事

  • 2000年前:淵下宮に逃げ延びていたオロバシが珊瑚宮を設立し、稲妻幕府と交戦し敗北。笹百合死亡。前後関係は不明だがこの頃に鶴観も滅亡。
  • 500年前:カーンルイア滅亡と漆黒の軍勢襲来により御輿千代・狐斎宮・雷電眞等が死亡。七神の座を継いだ雷電影は摩耗の苦しみから永遠を模索する。
  • 500年前より後①:雷電影が人形の作成技術を会得。今の「放浪者」を始めとする数多の試作の末、雷電将軍を作成。夢想の一心に意識のみを移して瞑想を開始する。
  • 500年前より後②:博士が身分を騙ってたたら砂に炉心を設置。病気が蔓延したほか、隠蔽のため多くの人が消された。当時そこで傾奇者と呼ばれていた散兵は博士に目をつけられ、博士の“実験”に巻き込まれることになった。
  • 500年前より後③:海賊赤穂百目鬼の反乱と浅瀬響によるセイライ島の封印解除。
  • 100年ほど前:ファデュイと国崩により雷電五箇伝がほぼ消失、神里家も大きな打撃を受けるが八重の手で衰退を免れる。
  • 本編直前:鎖国開始。天領奉行と勘定奉行がファデュイと結託し、将軍の名の下で目狩り令を開始する。海祇島勢力を中心に抵抗軍結成(稲妻幕府に対する抵抗組織そのものは2000年程前から存在する)。
  • 魔神任務第二章第三幕:目狩り令解除。すでに接収されていた神の目は返却された。散兵が雷神の心を持ってスメールへと向かった。
  • 天下人の章 第二幕:鎖国解除。500年前に遡って神櫻が植えられた。
  • 魔神任務間章第3幕:スメールでの出来事により、400年前のたたら砂や約100年前の雷電五箇伝に関する記憶・記録が書き換わる

魔神の時代(6000年~2000年前出身)

魔神等

バアルゼブル(雷電(えい)・雷神・御建鳴神主尊大御所・雷電将軍)
プレイアブルキャラクター。現雷神にして永遠を追求する神。先代雷神バアルの妹。
戦が苦手な眞に代わり、武に長けた影が戦場に立ち兵を導いていた。
眞の代わりに魔神戦争を戦い抜き、ついには最強の剣術「無想の一太刀」を生み出し、魔神戦争の勝者となる。
自身を一介の武人であり人々を啓蒙する器ではないと考えていため、魔神戦争が終結すると眞に七神の座を譲り、自らは彼女の影武者として彼女の代わりに武力を振るい続けた。
それでも友人たちや眞と共に団欒することもあり、未来を案じる影とは異なって現在に目を向け、儚いからこそ今を楽しむべきだと考えていた眞に憧れ、彼女のように余裕をある心を持ちたいと思っていた。
その後、500年前の戦争にて御輿千代・狐斎宮らを失う、同時に眞も死亡し、彼女の立場や掲げた理想、眞が創造し彼女の形見となった刀「夢想の一心」を受け継いで雷電将軍となる。
この時、友人達や半身の死亡によって摩耗を実感したこと、発展を遂げたカーンルイアを天理が滅亡させたことを受け、「永遠」を徹底的に追及することを決意。
漆黒の軍勢の残党を処理した後、経緯は不明だが入手した「人形」を作り出す技術をもって、摩耗を回避しつつ稲妻を永遠に守護することを試みる。
最初に神の心を託すため、試作品を兼ねた原型の人形を造る。
何度も研究を重ねた*10後、現在放浪者と呼ばれる個体を製作した。しかし彼が涙を流したことで「脆い」と判断し、力を封じて眠らせた上で、たたら砂付近に建てた館に封印した。彼の胸元にある金の羽は、彼女が副葬品として与えたもの*11
その後彼女は人形に神の心を搭載するという考えを諦め、八重神子に神の心を託した。数百年後にスカラマシュの手に渡るまで、その神の心は鳴神大社に保管されていた。
試行錯誤の末、「人形」を自身の神体を用いて完成させ、自身の意識を「夢想の一心」に宿し、摩耗を防ぐために「一心浄土」という自らの意識で構築された空間の中で数百年の間瞑想を続けていた。
主に武術に長けており、稲妻の武術は全て彼女が生み出した物である。また上記の通り、他国の技術を解析し、人形を作り出すなどしている他、鍛冶技術にも天賦の才を見せ、稲妻の高い武器技術を広めた。
また、神の心を使わずとも常時稲妻の周辺海域に雷や嵐を発生させるほどの元素力を有している。
  • 元ネタについて
    ソロモン72柱での元ネタは序列1番「バアル」だが、眞と影合わせて詳しく説明するにはウガリット神話の豊穣神「バアル(バアル・ゼブル)」に触れる必要があるだろう。
    神としてのバアルは今の中東で信仰されていた嵐の神で、稲妻の象徴たる棍棒と槍を持ち、恵みの雨をもたらすことから豊穣神としても信仰されていた。この時使われていた尊称の一つが「バアル・ゼブル(高き館の主)」。
    一方、キリスト教にとってバアルは異教の存在。「バアル・ゼブル」は新約聖書で「バアル・ゼブブ(ハエのバアル)」として貶められ、やがて悪魔「ベルゼブブ」へと派生していった。
    後の悪魔学で「バアル」そのものも悪魔の名として扱われるようになり、中世に成立した『ゴエティア』ではこちらがソロモン72柱として記載されることになる。
    なお、悪魔としてのバアルは「東方を支配する大悪魔」だが、ここでの東方はヨーロッパから見ての東方、すなわち神としてのバアルが元々信仰されていた中東等を指す。
    ちなみに「ベルゼブブ」という名前はスカラマシュの元ネタにも登場している。
  • 珍説について
    書籍「研澄真影打ち珍説」では、影は魔神戦争終結時に眞が七神となることを促すため自害し、目論み通り七神となり将軍の座に就いた眞の手によって復活、以降は彼女の影武者として活動したという説が披露されている。
    この書籍は雷神が本当に2柱存在することを知らないはずの一般人が想像で記した小説に過ぎないが、影はボイス「影を知る・3」にてこの「珍説」に記載されている眞の影武者であったことは事実だと認めている。
    しかし、続く発言で影武者であったことには触れつつも後の物語は人々の憶測にすぎないとも語っており、影の自死と蘇生が「珍説」以外では一切触れられないことや魔神に死んだ他の魔神を蘇らせる権能があるのかなど疑問が残る(死者が蘇り得るのであれば影が強固に永遠を求めた理由が薄くなる)。
  • 人形たちについて
    現在「放浪者」と呼ばれる人形と、完成品である『雷電将軍』は彼女の作品。
    とくに放浪者からは『母親』と思われており、封印されていたことを捨てられたと解釈して複雑な感情を抱かれている。
    影は封印時、彼を破壊することを躊躇して代わりに眠らせて封印した。ただし人形の雷電将軍は存在を知らず、また彼も将軍が置き換わっていることは認識していない。たたら砂の件で影に助けを求めた彼が将軍に拒絶されたことが、現在のすれ違いの原因となっている。
    いずれの人形も独立した自我が存在する。本来は統治のためのもので感情はないが、放浪者には初期から存在した模様。影が入る個体は影の自我を出すことも可能で、伝説任務以降は主に影の自我が活動している。
    たたら砂での噂によると、人形の関節が時間経過で見えなくなるとされている。真偽は不明。放浪者の足や雷電将軍の指先などは球体関節ではない*12
    エネルギー源は不明。食事はできるが必須ではない。神の心や神の目なしでも動作し、七神の力が及ばないアビスでも活動可能。材料はファデュイですら入手しづらい貴重なものらしい。
バアル(雷電(まこと)・先代雷神)
故神。2000年前の魔神戦争終結時に璃月に集った初代「俗世の七執政」の一人。現雷神バアルゼブルの姉。
稲妻幕府を設立し、雷電将軍として稲妻の民を率いていたが、500年前の戦争でカーンルイアに遠征し死亡。
戦闘が苦手な眞がなぜわざわざカーンルイアに出向いたのかは謎だったが、魔神任務三章第五幕にて「(おそらく天理によって、草神を除く)七神全員がカーンルイアに召集された」ことが明かされた。
生前に自身の神威を用いて創造した刀「夢想の一心」は、眞の思う平和と、夢のように美しい稲妻を見届け、この世と共に歩み続ける高貴な心を象徴するものであり、
眞の存命中は一度も武器として使われなかったが、彼女が死んだ後に影の手に渡って以降、数多くの敵を屠る刃となった。
雷神が代替わりしたという事実は、雷神の眷属である八重神子、他の七神とその眷属、旅人とパイモン以外にはほぼ知られていない。
  • 名前について
    眞はそのまま「真」の旧字体。意味も同じ。
    真打と影打に準えているのもあるだろうが、特に二つを合わせると「眞影」という熟語になる。意味は「肖像」あるいは「写真」。雷電の伝説任務を考えると印象深い。
オロバシ(オロバシノミコト・海祇大御神)
かつて稲妻地方に存在していた魔神。白い鱗に覆われた、島に巻き付くことすらできそうな巨躯を有する大蛇。現在は死亡し、ヤシオリ島に骨が残っている。
魔神戦争中バアルやモラクスに敗北し、テイワットの外にある「闇の外海」へと逃げ延び、その際漆黒の力を珊瑚枝として身に着けた。
オロバシはそのまま外海へと逃げ延びるつもりだったが、淵下宮と呼ばれる地下領域で天に見放された棄民──白夜国人と出会い、彼らの敬いに触れ、白夜国の神「オロバシノミコト」と「海祇大御神」になることを決意、
パエトーン制度によって抑圧されていた白夜国人を開放し、更にアビサルドラゴエア(アビサルヴィシャップ)の勢力も完全に抑え込んで白夜国に平和をもたらした。
その後、手に入れた珊瑚枝の力を使って海祇島とそこへつながる地上への道を作り出して白夜国人を地上に連れ戻した。
敗者としての苦い過去を忘れず、己の民が二度と見捨てられないようにと厳粛な誓いを立てていたという。
二千年前、海祇島(当時はオロバシ島)は稲妻の領土へと突如出現したもののその領地は認められ文化交流を行う程良好な関係であったが唐突に不可侵条約を破り雷神に宣戦布告し、軍勢を率いて東征を開始する。
彼の動機を明確に示した資料はないとされるが、海祇島は農耕に適した地ではなく、民は飢えに苦しんでいたことから、オロバシは豊かな土地を望む民の祈りを聞き届けて彼らのために侵略を決意したのではないかと考えられている。
オロバシは自身が雷神に敵う可能性がほとんどないことを理解しており、巫女が意図的に隠した占いでは東征が海祇に破滅をもたらすと予言されていたが、オロバシはその結末を受け入れて鳴神島方面へ侵攻した。
遠征は双方に多大な犠牲をもたらし、当初の予想通りオロバシは雷神に敗北し、無想の一太刀によってヤシオリ島諸共両断されて死亡した。
現在、死骸からは晶化骨髄という精錬に使われる鉱物が入手できる。また、残留したエネルギーが「祟り神」として環境や人々に悪影響をもたらしている一方、神無塚の御影炉心ではその祟り神の力を取り出して製鉄に用いている。
海祇人たちは今でもオロバシを崇めており、二千年の間、神を殺されたことに怨念をもって神無塚で軍事抵抗を行っている。
真相

※考察部分が多いため注意
オロバシは白夜国にて、天理が隠蔽してきた真実を知ってしまったという。
太古に地下へ沈んだ淵下宮では、魔神が存在せず大陸全土を一つの文明が統治していた時代に関する記述「日月前事」が保管されており、オロバシはそれを読んだことで「諸神」と天空の島が外来のものであることを知った。
このことが天理に知られ、オロバシは死刑宣告を受けた。
また、過去の事実が伝わっている白夜国の民も天理によって地上へ戻ることが禁じられていた。
上記の通り己の民を見捨てないことを誓っていたオロバシは、白夜国の民が現在の地上の制度下で生活を送れるようにすることを決め、そのための工作を開始した。
オロバシは日月前事を特級の禁書に指定してその内容と自身が受けた宣告を徹底的に隠し通すことにした。
そして、闇の外海で手に入れた力をほぼ使い果たして海祇島と地上への道を作り出し、白夜国人に地上の文化を教えて稲妻風の名前を名乗らせ、稲妻やカーンルイアなどのテイワットの国家との交流を進めるなど、
自身の全てを犠牲にする覚悟で白夜国の民に地上で生きる術を与えた上で全国民を地上へ連れ出した。
また、淵下宮では、原初の元素の領域である光界、安定した元素の領域である人界、元素を蝕むアビスの領域である虚界の3界が釣り合うことで秩序が維持されてきたが、
民なき後の淵下宮でアビサルヴィシャップの勢力、すなわち光界が拡大して地上の海祇島にまで影響を及ぼすことが懸念された。
これを防ぐため、オロバシの降臨以前から人々によって行われていたヴィシャップを用いた実験に介入。
以前の資料を全て破棄させ、研究所の存在と研究内容を隠蔽した上でヴィシャップに進化を促す研究や自身の珊瑚を移植する研究を開始した。
進化によって強力になった代わりに種としての純度が低下したヴィシャップを解き放ち、その形質を野生集団に遺伝させることで、ヴィシャップから水の龍王が誕生することはなくなった。
また、ヴィシャップにオロバシの珊瑚を移植して定着させる実験も成功、オロバシの生命力をヴィシャップに保存した「血枝珊瑚」を用いることでオロバシの第二眷属の「珊瑚王蟲」を目覚めさせ、光界の元素力を人界の元素力に変換することで光界の拡大=聖土化を反転させることが可能になった。
こうして全ての準備を終えたオロバシは、血枝珊瑚を手に入れるための開通手段を残した上で淵下宮への道を封鎖し、全ての秘密を地下深くに秘匿した。
その後、海祇島の資源不足を表向きの理由として稲妻に侵攻し、雷神に敗れることで自身への死刑を果たしつつ民を稲妻と文化交流により名前を稲妻式にするなど帰順させることに成功し、生涯を終えた。

  • 名前について
    序列55位「オロバス」と思われる。召喚時は馬の姿で現れ、命じられると人間の姿になる。
    他の多くの悪魔が隙あらば召喚者を騙そうとする中、例外的に極めて誠実かつ協力的な態度を取るらしい。
    ちなみに、「~ノミコト(尊・命)」は日本において神や天皇など高貴な者に対する尊称である。棄民たちの神になるという意思の表れだろう。
  • 「彼」
    上記の通り、稲妻各地を蝕む祟り神のエネルギーはオロバシの残滓であるとされている。
    しかし、世界任務「邪悪な教訓」にて、祟り神の影響を受け発狂した元緋木村村長の鷲津が「彼」の容姿について語る場面があるが、
    「十八の赤目! 何千もの鋭い毒牙! いつも血を求めているその無数の口と舌!」という内容は明らかにPVその他におけるオロバシの姿と一致しない。
    オロバシではない別の何かが本当の祟り神なのか、それともオロバシを含む複数の魔神の怨恨が祟り神を形成しているのか、現時点では謎が残るばかりである。
    ただ、神の目を持たない者が長時間濃い元素に触れると精神に異常をきたすことは璃月のストーリーで登場した元素を多く含む石に関することで言及されており、上記の鷲津も純粋に元素にあてられて発狂していただけの可能性もある。

妖怪

笹百合
雷電将軍の盟友の一人。雷電将軍エピソードPVで敷物の一番左にいる天狗の武者。
オロバシによる稲妻侵略の際にバアルと共に戦い、戦死した。恐らくは「惡王」に討ち取られたものと思われる。
御輿千代
雷電将軍の盟友の一人。雷電将軍エピソードPVで敷物の中央で雷電将軍が膝枕してる鬼族の女性。
虎牙の千代の異名を持つ凄腕の女武者で、後世には「虎千代」という少年として伝わっている。
月にも例えられる美貌の持ち主で、白辰は美貌や剣舞の動きなどの美しさを「お面を被って顔を隠したくなる」ほどと評している。
五百年前の漆黒の軍勢の襲撃の際、虎の体と蛇の尾を持つ魔獣に飲み込まれるも、魔物の胸を切り裂いて自ら脱出する(これが異名の由来)。
しかし、その過程で漆黒に汚染され発狂、雷電将軍に刃を向けてしまい、一時は彼女の薙刀を噛み砕き優位に立つも、最終的に角と腕を切り落とされて山林に逃走する。
その後は不明だが、完全に化け物となり果てた挙句、最期は何者かによって始末されたのだと言われている*13
  • 元ネタについて
    子細こそ違うものの伝承の全体的な骨子は、平安時代の鬼の頭領・酒呑童子の家来であり、渡辺綱と戦った鬼「茨木童子」を彷彿とさせる。
    かいつまんで言うと「美しい女性の姿で綱に接触し、突如鬼に変貌し襲撃するも、腕を斬り落とされて逃走(この刀が後の「髭切」)」、
    「後に姿を変えて腕を取り戻し再び逃走、その後の行方は不明」といったもの。
    面白いのは「茨木童子は女性であり、酒呑童子とは夫婦の仲だった」という俗説があること。史実では女性だが伝承では少年となっている御輿千代とは真逆。
狐斎宮(大狐白辰)
雷電将軍の盟友の一人。雷電将軍エピソードPVで敷物の一番右にいる狐の女性。煙管愛用の喫煙者。白辰は個人名ではなく、一族の名前らしい。
漆黒の災厄襲来時、穢れを溜め過ぎて枯死寸前となった神櫻を救うため神櫻大祓を敢行、神櫻の命を繋ぎ止めることに成功するも、自身は漆黒に飲まれ、闇に蝕まれて命を落とした。
その残留思念は瘴気となって、鳴神島の大地深くに沈んでいった。
斎宮の死は、近しい巫女や妖怪達、そして雷電将軍など、多くの者に深い心の傷を与えたらしく、様々な人物の後悔や悲しみが記録に残されている。
五百蔵(いおろい)
鳴神島の狸の総大将。フルネームは隠神保生司正五百蔵。
狐斎宮とは喧嘩仲間のような仲であったようだが、悪戯ばかりをする五百蔵ら鳴神島の狸たちを、斎宮は(雷電将軍に従うという)正しい道に導こうとし、将軍にも直訴した結果、
鎮守の森の管理の任が与えられた。
斎宮の死に繋がる漆黒が迫ったとき、斎宮は五百蔵の身を案じて、かくれんぼを提案、森の外で何があっても、五百蔵をおびき出す斎宮の罠だから絶対に出てくるなと言いくるめた。
五百蔵はその言葉を信じて、森に隠れていたが、いつまで経っても斎宮が戻らないことから、斎宮の気を引くため、神器のくしを盗み出してしまう。
このことにより、罰として石像として封印され、以降、現代に至るまで鎮守の森の奥深くに封印されていた。
現代になってようやく眠りから目覚めたが、まだ石像からは戻れない様子。また、斎宮の死やかくれんぼの真実についても知らない可能性が高い。
白辰の輪の武器ストーリーでは「彼女」と呼称されている。また同じく「子狸」と呼ばれているため、斎宮の方がかなり年上らしい。

その他の人物、存在、勢力(海祇島)

「東山王」/「惡王」
オロバシの部下。本名は伝わっていない。
低い身分の出身で、「『東王』史論」では一族を失った身無し子か、海流に乗って漂着した流人の子供だったのだろうと推測されている。
オロバシによって受け入れられ、その後は曚雲姉妹のもとで海祇人の鯨の歌と祭儀を学び、豊かな環境の中で逞しい戦士として成長した。
右名氏に伝わる島唄では、ある夜に巫女の曚雲に海に連れられて海獣の言葉と思いを知り、進むべき道を決め、時を同じくして「月曚雲」と「夕潮」という剣術を悟ったされている。
オロバシの乱の際、海の民が「東山」と呼ぶ島に真っ先に攻め込んで陥落させ、「東山王」という称号をオロバシから授かる。ヤシオリ島にある「陣代屋敷」は東山王のもの。
一方で、敵からは大蛇の凶悪な手下にしてヤシオリ島で猛威を振るった魔王「惡王」と呼ばれるようになった。(このことから、「東山」はヤシオリ島のことだと考えられる。)
少年の頃は影向山の山頂に立ち、稲妻城を見下ろし伝説の大天狗と決闘を果たし、戦利品を曚雲姉妹に持ち帰ることを夢見ていた。
笹百合を討ち取った人物とみられ、そうであるなら天狗に勝利するという夢を達成したことになるが、最期はオロバシと共に無想の一太刀を受けて死亡している。
曚雲姉妹
  • 曚雲(巫女の曚雲)
    最初にオロバシに従い、太陽を目にした氏族の一つ、右名氏の出身。
    この氏族は鯨の歌を歌う才能と海洋生物に親しむ伝統で今でも有名だという。
    曚雲は幼いころに珊瑚宮に入り、海祇巫女の祭祀伝統、歴史知識、政務、島唄を学んだ。
    現存する島唄では、彼女は知恵と優しさを兼ね備え、民のいざこざを仲裁することが得意であったと伝わっている。
    オロバシが東征を決意した際、妹と共に現人神の巫女に珊瑚宮最初の水軍を率いることを任命され、巨鯨「大検校」を遠征軍に加えることを指示される。
    誰もが不可能だと考えた「大検校」の説得に成功し、オロバシのために彼らと共に忠義を尽くして戦ったが、オロバシと「東山王」の戦死を聞いて撤退する途中、笹百合の手下の待ち伏せを受けて「大検校」とともに戦死した。
    元ネタは曲亭馬琴が書き葛飾北斎が絵師を担当した江戸時代の小説『椿説弓張月』に登場する架空の妖術師、曚雲と思われる。
    琉球出身であり、蛟(水龍)の化身という点も一致している。
    ただし元ネタでは男性の悪役で、源氏最強の武士こと源為朝とその息子で後に初代琉球国王となる舜天丸に倒される役回りである。
    • 「大検校」
      曚雲姉妹と共に戦った巨鯨。
      伝説によると、盲目の巨鯨で900年もの寿命を持ち、深海に住み、クラゲと深海魚を従者とし、左に護衛のイッカクを、右に楽師のザトウクジラを500頭ずつ従え、一度に十の珊瑚島を飲み込み、満腹になって眠りにつくといびきと共に五つの岩礁を吐き出すという。
  • 菖蒲(「海御前」)
    曚雲の双子の妹。海女として真珠の採集を生業としていた。
    明るくて勇猛な性格であり、海の猛獣と渡り合えるほどの武勇を持っていたという。
    オロバシの東征が失敗に終わった後、幕府軍の追撃を受ける中で、奮戦の末に鮮やかな赤い海に消えて行方不明になったという。
    海御前は「池の中にある邸宅」に住んでいた。

その他の人物、存在、勢力(鶴観)

雷鳥(紫電の鳶・魔鳥・巨梟・魔梟・カンナ・カパッチリ(雷霆のオオワシ)
知性を持ち雷の力を操る巨大な猛禽の魔物。性別は女性で一人称は妾。
鶴観が霧に包まれるより前、世界が闇に覆われるよりもずっと前から鶴観のカンナ山を根城としていたが、基本的には鶴観の住民には他の獣と同様に理解も興味も示さなかった。
ある時天から降ってきた不思議な物体の一つが鶴観に落ち、闇を払って代わりに鶴観を霧で覆った。彼女は霧を意に介さず放置したが、その霧を鶴観の住民を守るため雷鳥が作り出したものと勘違いした人々に崇められるようになる。
彼らは雷鳥を守護神として祀り、やがて雷や雨の恵みを期待して生贄を捧げる儀式を開くようになったが、彼らの信仰や行動の理由を理解できず、相変わらず人間にも生贄にも興味を示すことは無かった。
ある日、ルーの澄んだ歌声を聴いて彼の前に現れ、彼の雷と雨を恐れない態度から初めて人間に興味を抱く。
彼と交流して友情を築き、「カンナ・カパッチリ」という名を付けられた後、再びルーに歌を聴かせてもらうことを約束して彼と別れた。
しかし、雷鳥が初めて興味を示した人間であるルーを生贄として捧げれば雷鳥が更なる恵みをもたらしてくれると考えた司祭によって次の生贄に選ばれ、集落のためになるならとルー本人も犠牲を進んで受け入れてしまう。
結果、祭儀当日になってルーの死亡を認識したことで激しい悔恨と怒りを抱き発狂、山が焦土と化す程の雷霆で一人残らず鶴観の住民を殺害した上に、
彼女が再びルーの歌を聴くまで鶴観に永遠の破滅をもたらすという呪い(地脈異常)をかけ、以前からたびたび通っていたセイライ島へと飛び去った。
数年後、世を乱す妖怪としてセイライ島にて雷神の手で討伐されるが、
この時、残り続けた怨恨が高濃度の雷元素と反応して雷音権現として実体化し、厄災をもたらしたため、
セイライ島に建立された浅瀬神社と、島の各所に設置された鎮め石によって雷音権現は封印される。
500年前、赤穂百目鬼の反乱の際、浅瀬響の手で「千年の大結界」が解かれ、セイライ島を再び雷の厄災が襲うようになるも、
現代になって、訪れた旅人による再封印と、旅人が連れ出したルーの歌を聴き、数千年もの間募らせた怨念と悔恨を遂に解消する。
鶴観の霧は晴れ、何千年もループの中に閉じ込められていた鶴観の人々の魂もようやく解放された。
  • 名前について
    カンナ・カパッチリは作中のルビの通り、アイヌ語で「雷の大鷲」の意味(カンナは合成名詞中で「上の方の~」の意味、カンナカムイで「雷神」を意味する)。
    作中ではその他にも紫電の鳶(破魔の弓)、魔性のフクロウ(鳴神御霊の親愛)など、様々な動物に準えられている。
    アチーブメント「霧海紀行」の名刺では、「ピリカ・チカッポ・カパッチリカムイ」という語が確認できる。
    これは直訳すると「美しい小鳥、オオワシの神」といった意味になる。
  • 魔神説について
    カパッチリと呼ばれる以前にも「彼女(天理もしくは雷電将軍のことだろうか?)」から別の名を呼ばれていたと話していること(但し雷鳥はその名前をとっくに忘れていた)や、
    死亡したのが魔神戦争期に程近い数千年前であること、死亡によって周囲の環境に多大な影響を与えていることから、正体は魔神なのではないかとする説がある。
    しかし、魔神に共通する「人々を愛し導く」という使命をそもそも有していないと思われる点や、各テキストの「魔物」という表記から、ドゥリン等のように人造の元素生物である説もある。
    魔神である場合、ソロモン72柱において鴉やフクロウの姿を持つ姿の悪魔には36位ストラス・39位マルファス・40位ラウム(+63位アンドラス)がいるが、
    「ツグミの姿をとる(『雷鳥』はトラツグミの別名として知られる)」「あらゆる動物に加え風音や水音をも『声』として知覚する(カパッチリのセリフと一致)」と、
    序列53位カイムがとりわけ複数の関連要素を持っていることは特筆に値する。カイムとカムイで似たような響きだし
    ただし、原神に登場する魔神は元ネタの姿とは無関係な姿であることが多いので他の悪魔かもしれない。
ルー
かつて鶴観に住んでいた、司祭の一族の少年。
司祭の家に伝わる「イシネ文字」を彼も読むことができた。
歌を歌うのが好きで、人前で歌うのが恥ずかしいからと村から離れたのないところでよく歌っていたが、このことが雷鳥に興味を持たれ、彼女と交流するきっかけとなった。
元素に対して鋭敏な感覚を持ち、これによって雷鳥と会話することができた可能性がある。
その後は上記の通り生贄として捧げられることを受け入れるが、怒り狂った雷鳥によって鶴観の人々は抹殺され、更にその魂は永遠の破滅のループに閉じ込められる。
唯一ループに巻き込まれなかったルーの魂はこれに気付き、祭典に不備があったのだと考えて人々を破滅から救い出そうとしていた。
尤も、雷鳥の怒りの原因はルーが生贄にされたことであり、雷鳥が発狂した時点で既に死亡していた彼が真実に気付くことはできず、数千年もの間祭典をやり直すことを試みていた。
生贄にされた前後の記憶はなく、当初は自分や島の人々が死亡していることに気付かなかったが、少数ながら島外から訪れてきた人々と交流するうちに自分や島民の身に起きたことを察した。
旅人や鶴観人の末裔であるカマと交流して雷鳥の怒りの原因を知ると、雷鳥に再び歌を聴かせることを決める。
既に死んでいる彼がその存在を保つには鶴観の土地の力が必要だったが、雷鳥の羽毛に憑依してその羽毛を旅人が持っていくことで、セイライ島に赴くことができた。
そこで初めて霧の外の世界を見聞し、また歌を歌って雷鳥との約束を数千年ぶりに果たすこともできた。
鶴観に戻り雷鳥の魂を鎮めると、雷鳥の羽毛を持って世界を旅してほしいと旅人に羽毛を託し、別れを告げた。

英雄の時代(2000年前~500年前)出身

妖怪

八重神子
雷神の眷属にして友人。鳴神大社の宮司であり、八重堂の編集長。
狐斎宮の鳴神大社赴任後に誕生し、彼女の物語を聞いて尊敬の念を覚えながら成長する。
少女の年齢の時に自身も鳴神大社に赴任。500年前の漆黒の災厄の来襲で斎宮が亡くなるまで、血縁が近いこともありたいそう可愛がられていた。
雷電影とも自身の幼い頃から交流があり、災厄後の将軍制作時には神の心を託される程信頼されていたが、一心浄土への入境の際は一言も告げられることはなかった。
本編中では、その託されていた神の心をもって旅人をスカラマシュから救出した後、共に目狩り令廃止と影の引きずり出しを目的とした一計を講じることとなる。
  • 自称「狐お姉さん」姿について
    ストーリームービー「臣民に夢を与えると誓おう」では、生前の雷電眞に抱かれている桜色の子狐が映っている。名刺やPVでも出てくる。恐らくこれが幼いころの神子。
    大人である現在でも狐姿になれるようだが、興味を示した旅人とパイモンは調子に乗るなと叱られている。
  • モラクスとバアルの「老朋友」
    bilibili版のVer.1.5事前番組では、開発中の稲妻のイメージイラスト紹介のために鍾離の元を訪れており、モラクスとバアルの「古い友人」と紹介されていた。
    甘雨ともお姉さま呼びする程度には親しいらしいが、土産に持ってきたのはバケツ2杯分の新鮮なウミレイシ。鍾離は困惑していた。

刀鍛冶たち

経津実
経津伝三代目惣領の刀鍛冶。女性。孤児だった真砂丸を引き取っている。
体の半分を覆う古傷、神社や巫女との関係、津波への言及など謎が多い。
かつて「波穂月白経津」という刀を作成したが、刃毀れした「波穂」の打ち直しを頼まれた頃には、酒や古傷、祟り神の遺恨に苛まれ、心が折れてしまっていたようだ。
真砂丸(経津政芳)
経津実の養子で経津弘芳の義兄。
幼少期は読み書きができず、口もきけなかった。後に実から跡継ぎを打診されるほど鍛造技術を向上させるが、これを固辞して弘芳を指導していた。
「波穂」の打ち直しの際は、まだ未熟な四代目に代わり、生涯で銘を残した唯一の作品「波乱月白経津」として生まれ変わらせた。
「波乱」の鍛造で自身の名声の影響が弘芳にまで及ぶと、一人前になった彼に任せて経津伝を離れ、他の流派に足を運び研鑽に勤しんだ。
晩年は楓原景光、丹羽長光、赤目実長の三人の愛弟子を抱えた。
経津弘芳
経津伝四代目惣領。経津実の実子で経津政芳の義弟。
「波穂」打ち直しの依頼時はまだ未熟だったらしく、真砂丸にその作成を任せている。
楓原景光・丹羽長光・赤目実長
晩年の真砂丸の弟子。一心伝の「一心三作」を生み出している。
  • 後述の通り、楓原万葉の直接の先祖は丹羽長光の方と思われる。

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身

雷電影による機械人形

400年~500年前に創造された人形。カーンルイアに由来する技術が使われ、希少な材料(白い樹?)で作られている。

放浪者(人形、傾奇者、「散兵」スカラマシュ、国崩、七葉寂照秘密主)
雷電影によって作られた試作品の人形。
元々は神の心を収めるための容器として生まれたが、夢を見て涙を流したことで脆いと判断された。しかし影は彼を破壊することを躊躇し、力を封じた上でたたら砂付近に建てた「借景ノ館」に封印した。
  • 約400年前 たたら砂
    その後「未知なるエラー」によって館内で目を覚ますものの、そこから脱出できずにいた。しかし偶然そこに立ち入ったたたら砂の職人「桂木」によって救出され、たたら砂で過ごすこととなった。
    ここでの生活は彼の生涯でもっとも幸せな記憶であり、ここで人間としての基本的な作法を学んだ。
    彼を助けた桂木の他、当時の目付である丹羽久秀(楓原万葉の祖先)、御輿長正、宮崎... 他にも多くの者が彼を「傾奇者」と呼び、友として接した。
    しかしある事件から、その平和な日々は終わりを迎えることとなった。
    フォンテーヌのエンジニアである「エッシャー」は、たたら砂の職人である「赤目」に鍛造の新技術を売った。この技術はたたら砂に取り入れられ、一時は生産性が向上したものの、それが発する黒いガスが次第に職人の命を奪っていった。
    危険を察した丹羽はたたら砂を封鎖し、助けを求めるべく天守閣へと人を向かわせた。しかし鳴神島に向かった職人は誰一人として戻って来ず、将軍から授かった金の印を持つ傾奇者が天守閣へと向かった。彼は天守閣へと交渉に向かうも、既に稲妻の神は人形の将軍へと成り代わっていた。彼女は彼との謁見を拒否し、事実を知らない彼は「母」に見捨てられたと思い込んだ。
    見兼ねた八重神子が代わりに対応するも、焦った彼とは一度しか会うことができず、幕府がたたら砂を捨てたと思いたたら砂に帰った。
    一方たたら砂では、丹羽がエッシャーを問いただしていた。エッシャーはその責任が自身にあること認め、またそれが意図的なものであると答えた。そして自身の正体___ファトゥス「博士」であることも... 丹羽は彼によって殺され、彼の心臓は抉り出された。
    たたら砂に戻った傾奇者は、エッシャーから炉心を浄化する装置を渡された。普通の人間が炉心に入れば死んでしまうが、人形の彼であれば問題ないという考えだ。
    彼は炉心に立ち入り、装置を持ってそこを浄化した。予想以上の負荷だったものの浄化に成功し、彼も無事に生き延びた。
    そして彼はその装置の中身を尋ねた。そこには枯れた心臓が入っており、職人は丹羽が彼に残した“贈り物”だと説明した。罪を恐れた丹羽が逃げ、その際に部下を殺して得たものだと。
    それを聞いた傾奇者は怒りと悲しみから心臓を床に叩きつけると、そのままたたら砂を立ち去った。
    応援を連れた神子が到着した時には既に事件は解決しており、エッシャーから説明を聞いた神子は彼をそっとしておくよう言った。
    その後たたら砂では、第二責任者である御輿長正が罪を償うこととなった。しかし長正に恩があった桂木は、長正にやるべきこと(母である御輿千夜の事件から御輿家の汚名を濯ぐこと)があることを知っており、自身が代わりに罰を受けた。長正は皆で作った「大たたら長正」で桂木を斬り、その後その刀を炉心に投げた。
    生き延びたたたら砂の職人は大たたら長正の完成を祝った舞をいつも思い出した。無名のかぶき者と桂木と剣舞を振舞った喜びを…
  • 放浪時代
    たたら砂を出た彼は、たたら砂で親を失った子供と出会った。
    彼にも傾奇者と同じで仲間がなく、彼らは「家族のように一緒に暮らす」と約束した。彼は自身がかつて封じられた館を見せ、その後その子が住んでいた小屋で共に暮らした。その子は傾奇者を模した小さな人形を編んだ。しかしその子供自身も病気にかかっており、程なくして命を落とした。またしても裏切られ捨てられたと思った彼は、小屋に火を付けた。麦で編んだ帽子だけを持ち、彼はそこを立ち去った。その後長い間彼は放浪したが、誰一人として仲間としてみなさなかった。
  • 数百年前 「散兵」
    放浪する人形に対し、「道化」はファデュイに参加するよう説得した。長い時間をかけた交渉の末、共にスネージナヤへと向かい、ファデュイの一員となった。スネージナヤに着くと、「博士」と呼ばれる見知らぬ人物が彼を歓迎した。博士は自身の実験に参加するよう説得し、彼を研究対象とする実験が始まった。数十年かけてその研究が身を結び、封印が解けた彼は下位のファトゥスと並ぶ実力となった。
    彼自身はアビスに向かう任務を受け、部隊を率いてそこを探索した。何度も負傷しては強化され、たゆまぬ努力で第6位の座を得た。女皇に「散兵」の名を授かり、その任務も他の部隊を支援するものへと変わった。この時彼はこう確信した「散兵こそが真の名前である」と。
  • 約100年前 国崩

    彼が散兵となった後、彼はファデュイを率いて稲妻へと向かった。時間をかけて三家系を密かに滅ぼし、四つめの「一心伝」楓原家を手にかけようとした。笠を被った当主を斬りかかり、攻撃が笠に当たると、笠が落ちて当主の顔が見えた。
    元は復讐のための計画だったが、楓原家当主の顔を見た彼は攻撃をやめた。そして「彼女に告げよ、我が名は「国崩」である」と言い残しその場を立ち去った。
    当時の楓原家当主は元々丹羽家の人間だったが、父が失踪したことで幼少期に楓原家の養子となった。明言はされていないものの、姓や散兵の反応から丹羽久秀の子孫と思われる。
  • 第2章第3幕~現在 七葉寂照秘密主・放浪者
    それから数百年後、彼は再び稲妻に現れることとなる。

    現代での出来事は以下のページを参照。

    スネージナヤ#「散兵」スカラマシュ
    スメール#放浪者
    参考
    • 魔神任務
      • 第二章第三幕「千手百目の浮世」
      • 第三章第三幕「迷夢と虚幻と欺瞞」
      • 第三章第五幕「虚空の鼓動、熾盛の劫火」
      • 間章第三幕「伽藍に落ちて」
    • イベント任務
      • 帰らぬ熄星
      • 華彩紫庭真説 (華やぐ紫苑の庭)
      • 盛典と慧業
    • 聖遺物
      • 蒼白の炎
      • 華館夢醒形骸記
    • 武器
      • 波乱月白経津
      • 籠釣瓶一心
      • 桂木斬長正
    • 秘境
      • 借景ノ館
      • 邪眼工場
      • 正機の神殿
      • 淨琉璃工房
      • 漂う記憶
    • 看板・テキスト
      • 古い手帳
      • 楓原義慶の手紙
雷電将軍(「人形」)
人形本体の人格。完全に独立した自我を持っており、摩耗を避けるため意識を刀に移し瞑想を続ける影に代わって、平時の稲妻の統治や防衛システムを担っている。
作成当時の影によって、永遠の障害となるものは例え心変わりした影自身でも排除することを命じられており、
二章終結後に影が見た夢の中で、民の願いに応え永遠の追求を緩めた影を咎め、準備が整い次第対決する姿勢を示していた。
雷電将軍伝説任務第二幕でついに決起し主導権を影に奪われまいと抵抗しており、最終的には影との決闘を始めた。
禍津御建鳴神命(まがつみたけなるかみのみこと)
上記の人形がかつての影の求めた永遠からもし自分が心変わりしてしまった際に影自身を「永遠の敵」として排除させるためのいわば人形の雷電将軍の決戦モード。
方針転換した影を排除すべく意識空間の中で長時間*14戦闘していたが、実際には方針転換が「摩耗」による気の迷いでないことの確認がしたかったようで決闘に勝った影の信念を聞いた際にはおとなしく負けを認めて主導権を影に明け渡している。

一心伝関係者

楓原一族は知識が豊富で、その作には真砂丸の気骨が見られる。丹羽一族は仁義に厚く、刃の焼き入れに長けている。
赤目一門は「一心」への執念から、「人斬刀」を極め続けてきた。(籠釣瓶一心より)
丹羽久秀
たたら砂の造兵司正であり、赤目家、楓原家と共に一心伝を受け継いでいた丹羽家の後継者。
土地と民政を管理し、謙虚で聡明、仕事ぶりも優秀と後世では高く評価されている。楓原家の人間と婚姻関係にあった。
本来の歴史ではドットーレ(エッシャー)に殺害されたことになっていたが、歴史改変後は命懸けで炉心を止めたことになっている。
丹羽久秀の子供
両親が亡くなり孤児となった。
本来の歴史ではどうなったか不明だが、歴史改変後は父を救えなかった雷電五箇伝の関係者と、父の死に無関心な将軍を恨むようになる。
この恨みは子孫に継がれ、100年前にその血を継ぐ百目家関係者が国崩同様に雷電五箇伝を滅ぼした。
なお百目家関係者は楓原家を襲撃した際に反撃され死亡した。
楓原義慶
楓原万葉の曽祖父。一心伝の最後の惣領。元は丹羽家の人物だったが、父の失踪を機に楓原家の養子となった*15
設計図の改竄を知らずに御神刀の鍛造を失敗し続けたことで、将軍からの罰を恐れ離反した一心伝の刀工を追うという形で、当時の神里家当主共々改竄の主犯者である国崩に誘い出される。
そのまま他の従者共々殺害されそうになるが、攻撃が笠に当たったこと、国崩に上記の丹羽家との関係を聞かれ、これを話すととどめを刺さず去ったことで、九死に一生を得る。
その後、国崩が報復に戻り家族に危険が及ぶことを案じ、設計図改ざんの真実を隠し一心伝の断絶を受け入れる。
晩年、万葉の祖父(=自身の息子)が一心伝の復興に乗り出すも、設計図の改ざんを見抜けなかったことでこれを叱咤。万葉の祖父が稲妻を去った後、自身の生涯を終える。
赤目兼長
赤目一門の1人。約100年前に国崩の事件で逃げた1人で、スネージナヤに逃亡した。
スネージナヤで真相を知った彼は楓原姓の偽名を名乗り、償いとして一生を賭けて「籠釣瓶一心」を鍛造した。
祟り神(オロバシ)の力で意思を持った刀に対し、一心伝の名誉回復のため稲妻に戻るよう言った。
その刀は人の体を使って稲妻へと戻るも、祟り神の影響を受け将軍に挑むという意思へと歪んでいった。
道を踏み外し人を傷つけるようになったものの、一心伝の末裔である楓原万葉によって本来の意思を思い出し、彼によって打ち直された。
楓原久通
楓原万葉の祖父。義慶の秘密に気付けないまま璃月で旅をし、彼の死に目にも立ち会えなかった。
楓原景春
楓原万葉の父。完全に没落した家業を諦めようとしていたが、万葉の強い希望により家を継がせた。

他のたたら砂関係者

宮崎兼雄
たたら砂の造兵司佑。
丹羽久秀の補佐役として鍛造と人員管理に携わっていた。穏やかで優しい人物。
歴史改変後は丹羽と共に炉心で死亡したことになっている。
御輿長正
御輿千代の養子。母が将軍に反逆したことで御輿家に汚名を着せてしまい、更にそれを受けて嫡子の道啓が出奔したことで天涯孤独の身になったが、一族の名誉を取り戻すために幕府に忠誠を尽くした。
たたら砂の目付を務めていた。
浅瀬響、惟神晴之介とともに影向天狗に師事していた影向役者三人組の一人。
桂木
御輿長政の部下で忠実な武人。フルネームと出身は不明。
かつて長正に命を救われたため、水火も辞さない忠誠を誓った。
借景ノ館から国崩を発見してたたら砂に連れ帰った人物。
エッシャー(「博士」)
ある時から忽然と現れたたたら砂の炉心に詳しい自称フォンテーヌの技師。彼が調整した炉心は確かに性能があがったが、たたら砂の人間が次第に体調不良を訴えたり失踪したり等不可解なことが起こり始めていた。
正体はファデュイの『博士』(ドットーレ)。目的は当時たたら砂にいた雷電の作った機械人形を自軍へと引き込むこと。
目論見はまんまと成功し機械人形は最終的にファデュイの執行官第六位『散兵』(スカラマシュ)として仲間兼被験体にすることができた。
  • 名前の元ネタはおそらくオランダ人土木技師「ジョージ・アルノルド・エッセル(エッシャー)」。
    明治期のお雇い外国人として来日し、淀川の治水工事に携わったり今の福井港にある日本初の西洋式防波堤(通称:エッセル堤)の建設に携わった。
    彼の息子にして不思議絵やだまし絵で知られるオランダ人画家「マウリッツ・エッシャー」のイメージも入っていると思われる。
カマの祖先一族
鶴見出身の一族。雷鳥の死後にたたら砂に移住して働いていたが、丹羽の事件をきっかけに鳴神島に移り住んだ。
関連性は不明だが、伽藍に落ちてのムービーで本来桂木と思われるシーンに姿が似た人物が出ている。

剣豪

高嶺(霧切高嶺)
稲妻の歴史に名を残す武人の一人であり、約500年前の剣豪。
後に伝承されることのなかった秘剣「霧切」の使い手であり、影向天狗から習った弓術の使い手でもあった。
影向天狗や鳴神大社の巫女や狐たちからは、「昆布丸」のあだ名で呼ばれていた。
その武芸の腕を見込まれ、雷電将軍から旗本の地位を授かり、その際に銘刀を賜る。
鳴神大社の巫女である浅瀬とは幼い頃に「約束」をした仲であり、互いに想い合っていたものの、
何らかの理由(身分違い?or巫女は婚姻を認められていなかった?)で、武家の娘を娶ることになる。
非常に博打好きな性格で、浅瀬からは「野蛮人」と評されていた。
雷電将軍の配下として、漆黒の軍勢との戦に出陣する。その際、浅瀬と「この戦から帰る」という最後の賭けをし、賭け金として愛用の弓を預けた。
高嶺は雷光のように戦場をかけ、その名声に違わぬ奮戦をするものの、弓を預けてあったこともあり、最後には刀が高嶺の剣術について来られなくなり、折れてしまう。
その結果、漆黒の軍勢に敗れ、闇に呑まれる。
漆黒の魔物へとなり果てながらも、浅瀬のもとに帰るという執念から長い年月を経て神社に辿り着き、既に若くない浅瀬響の前に姿を現す。最後は自らが教えた弓術と預けた弓から放たれた破魔の矢によって、浅瀬の手で討伐された。
折れた刀は一部が回収されて打ち直され、現在は雷電将軍の手元にあるという。

影向山関係者

影向役者三人組
影向天狗のもとで修行した3人(浅瀬響、惟神晴之介、御輿長正)に関する約4、500年前の言い伝えのこと。書籍にも詳しく記録されていない災厄をきっかけに3人はそれぞれ別の道を歩んだ。
年代に幅があるのは浅瀬響の活動期間が長かったためと思われる。
浅瀬響
約500年前の鳴神大社の巫女で寝子の主、後の浅瀬神社宮司となる。元は小さな漁村の生まれ。
世界任務「鳴神追跡」では、セイライ島/浅瀬神社に戻ったと表記されており、セイライ島出身の可能性がある(浅瀬神社の跡取り?)。
幼い頃から鳴神大社に巫女として仕え、狐斎宮の手解きを受けていたほか、御輿長政、惟神晴之助とともに影向天狗に師事しており「影向役者三人組」と呼ばれていた。
斎宮には下記の件を含め、しばしばからかわれていたが、強く慕っていた。
剣豪の高嶺とは幼い頃に「約束」をした仲であり、高嶺を「野蛮人」と評し、少なくとも当初は周囲には否定していながらも、想っていた。
その生涯の中で、斎宮が闇に呑まれる事件や、その結果起きた多くの悲しい出来事を見ることになる。
そして高嶺も漆黒との戦で闇に呑まれ、化け物となった想い人を、彼から教わった弓術と彼から預かった弓で、討伐することになる。
その際、高嶺はたとえ闇に呑まれようとも、必ず自分の元に帰ってくるだろうと信じ、自らの手で「約束を終わらせる」覚悟を決めていた。
その後は、まだ人々が住んでおり現在の荒廃した島ではなかったセイライ島に戻り、雷鳥の怨念を封印するために建立された浅瀬神社の宮司となって結界の管理を行っていた。また、若かりし頃の百目鬼と蛇目は神社の雑務を行っていた。
後に百目鬼たちは大海賊になるが、幕府軍に劣勢に追い込まれる。
百目鬼と高嶺を重ねて見ていた響は百目鬼を死なせるまいと幕府に弓を引き、幕府軍の追撃を退けるために自身が封印してきた雷鳥の怨念:雷音権現を開放する。
島はすさまじい落雷に見舞われ、幕府軍は撤退するが海賊たちの艦隊も壊滅、島は人の住めぬ土地になり百目鬼と響は行方不明となる。
恐らく響はその時に死亡したと思われるが、生前に百目鬼に対して世界を見てみたいと言ったことがあったようで、漂流から帰還した彼は響の言葉を思い出し、代わりに自分が世界を見て回ることを誓う。
なお英語版のバージョン2.0では響の読み方がマイナーな読みであるKanadeとなっていたのだが、2.1でHibikiに修正された。
左衛門(赤穂(あこう)百目鬼(どうめき))
約500年前に活動していた稲妻の海賊。全盛期には10を超える艦隊を率いる大海賊としてその名を轟かした。
しかし幕府軍との戦いでは劣勢であり、徐々に衰退してついにはセイライ島まで追い詰められるが、響が雷音権現を解き放ったことで幕府軍もろとも壊滅、行方不明となる。
後世の人々は百目鬼は死んだと考えているが、実際には生存して部下たちと共に霧海群島に一時漂流していたようだ。
幕府と戦っていたときに魔偶剣鬼を奪っていたようで、霧海群島で船が破断した際に剣鬼が群島に放置されている。
その後、海賊たちは群島の先住民と協力して群島から脱出することを試みた模様。
「漁獲」のストーリーより、脱出に成功して再びセイライ島に戻ってきたようだが、既にセイライ島は荒廃し、「セイライ丸」をはじめとする海賊の艦隊も失われた稲妻には自分の居場所はないと感じ、響が世界を見てみたいと言っていたことから自分が世界を見て回ることを決める。
一般的には強盗や山賊など悪名が高いと言われるが、寝子が言うには浅瀬神社に頻繁に来ていたらしく響の手伝いをしたり神社の木の手入れや鈴など送ってくれていたとの事。
また、神社の猫たちをよく可愛がっていたようで寝子からは響同様とても良い人と思われている。
蛇目権兵衛
赤穂百目鬼の親友であり片腕的存在。幾度となく百目鬼の危機を救っている。
百目鬼同様に浅瀬神社に来ていたようで寝子が度々名前を出していた。
岩蔵道啓(胤の岩蔵)
御輿千代の実子。家督を継ぐはずだったが、母が将軍に反逆したことで隠居して影向山の林に入り浸るようになり、光代と出会う。
彼女から岩蔵の姓を授かり、13年間光代と戦いながら修行を重ねることで天狗すら斬ることができるという秘剣『天狗抄』を身に着ける。
その後は岩蔵の血筋のために光代と別れて山を下り、九条家の剣術指南役になる。
そして「道胤」の号を授かり、岩蔵流の開祖となる。
大天狗
影向山の天狗の族長。女性であり、殺伐として人間味のない人物だったようだが、子を授かると少しは母親らしくなったらしい。
災厄の後、狐斎宮を守れなかったことによる自責の念から、自分自身を追放して影向山から去った。
光代(てるよ)
影向山の天狗の一人。大天狗の娘の可能性がある。
道啓に「岩蔵」という姓を授けて過去から解放し、彼の修業を助けた。
道啓が天狗抄を会得すると、天狗の族長としての道を歩むために彼と別れる。
惟神(かむな)晴之介(はるのすけ)
影向役者三人組の一人で、大陰陽師。鎮守の森で妖狸たちを石化して封印した人物。
災厄の後に悲しみのあまり国を出て、より強力な仙術「仙家道法」を身に着けるために璃月に向かった。
その後稲妻に戻り、自らの「陰陽道」と「式大将」を作り上げたと伝わっている。
海乱鬼が刀に元素力を纏わせるために使用する符は、失われたとされる惟神技術によって製造されたものだという。
  • 「惟神」とは「神の御心のままに」といった意味を持つ言葉で、通常は「かんながら/かむながら」と読む。ver2.0時点では英語でも「Kannnagara」と表記されていたが、ver2.2のテーマイベント「謎境一騎」において、「かむな」と読むことが判明した。また、英語版のテキストも「Kamuna」に修正された。

その他

有楽斎(うらくさい)
狐族の名のある作家。文章力と茶の知識には狐斎宮も一目置いていた。しかし大罪を犯し、罪を償うために500年前に自ら稲妻を去る。
弘嗣(ひろし)
500年前の、狐斎宮存命時の柊家当主。当時は荒れていた離島を稲妻の繁栄のために貿易港として開拓した人物であり、現在の堕落した柊家当主とは異なる誠実な人物だったようだ。
「大手門荒瀧」(御伽大王、御伽金剛獅子大王)
稲妻で活躍した鬼族の武人。喜怒哀楽が激しいあっけらかんとした人物。赤角石塵滅砕を愛用していた。
子供のためにスミレウリを落とそうとして果樹を蹴り折って怒られる、酔って御輿千代に相撲を挑んで投げ飛ばされるといったコミカルな逸話を持つ。
一方、独特な衣装と化粧で戦に赴き多くの命を守った武士としての一面や、風雅にも理解がある文化人としての一面を持っていた。
有楽斎から妖狸のトラブルを仲裁した礼として名刀「御簾切」を贈られたが、あまりの美しさから戦いに用いることを良しとせず、ある裁縫職人の少女に譲り渡している。
最期は漆黒の災厄で戦死し、帰らぬ人となった。
  • 荒瀧一斗は彼の一族と思われる。やたら仰々しいネーミング含め何から何まで生き写し
    大手門自身には妻子がいた描写がないため、直接の先祖は彼の甥と推測される。
喜多院文宗(長蛇喜多院)
人物像は不明だが、ヤシオリ島で祟り神を殺す役目を司る「ヤシオリ守」を長年務めてきた家系の出身である人物。
稲妻では大地を照らした眩い武人たちを讃える歌にて、大手門荒瀧、胤の岩蔵、長蛇喜多院、霧切高嶺の4人が列挙されている。
寝子
浅瀬響が飼っていた黒猫。長い歳月により妖怪化し人との会話や文字の読み書きも出来るようになった。500年前はデブ猫(アリス談)だったが今は普通の体形。
何時も寝てばかりいたので響から寝子と名付けられる。500年の間ずっと響の帰りを待っており、それまでは代理宮司として猫しかいない浅瀬神社を守っている。
神社がきれいになりかつての賑わいが戻ってくれば響が帰ってくると信じており、旅人に賽銭箱や絵馬掛けの修復や食事や石像の用意を頼んだりしている。

人間の時代(数百年前~現代)出身

稲妻幕府・奉行の関係者

雷電将軍
魔神としての姿は上記の項を参照
雷電将軍、将軍様、雷神様、鳴神様…と民衆からの呼び方は様々ながらも稲妻を統べる神として民衆から絶対的な信仰を得ている。
神としての雷電将軍への信仰以外に、雷電将軍が持つ伝説の一刀「無想の一太刀」という絶対的な武に対して盲目的な信仰をしている人も少なからず存在するという。
目狩り令、及び鎖国が敷かれていた当時も「雷電将軍」への信仰はあまり変わっておらず、ほとんどの民衆はただその施策や私利私欲にまみれている役人等に対して不平不満を漏らすに留まっていた。

【天領奉行】

九条裟羅
三奉行において稲妻の治安維持、ひいては軍部を司る天領奉行の大将にして、雷電将軍の最も忠実な信奉者ともされる天狗。
もし、彼女の前で雷電将軍を象った像を「雷電将軍の人形」と呼べば雷霆が閃くが如く「御建鳴神主尊大御所様像」と直ちに訂正を入れられるだろう。
かつて稲妻で行われていた目狩り令執行において中心人物であった。
心根は優しいのだが、自らの立場や自他ともに認める堅物故か、他者と交流を持ちたいと思いながらも断念しているなど人付き合いに関して不器用な面がある。これに関しては彼女の過去が関係しているようだが…
「天狗の翼」は普段は隠しており、二対の翼を持っている。待機モーションや元素爆発発動時に見ることができる。
幼くして「九条家」の養子として引き取られ非常に厳格に育てられてきた彼女だが、養父九条孝行に対して恩義を感じながらもどこか思うところがあるようだ…
九条孝行
天領奉行を執り仕切る九条家の当主で、雷電将軍に対する厚い忠誠心の持ち主。であったが、真に彼が信仰していたのは雷電将軍の武力であった。
魔神任務2章では天領奉行の座を脅かす勢力を削ぐことができるなどの理由から裏でファデュイと結託して目狩り令の執行や内戦の戦況をゆがめて報告するなどの汚職を勘定奉行とともに行っていた。
魔神任務2章3幕終了後にはこれらの不正が暴かれたことで失脚し、天領奉行と九条家への信用も失墜してしまった。
九条政仁
九条家の長男で、神無塚の九条陣屋にて指揮を執る軍官。以前は幕府軍の大将を務めていたが、現在は裟羅にその座を譲っている。孝行失脚後は、長男ではあるが政治は苦手であることから弟の鎌治に当主代行を譲り、自身は軍人としての道を選んだようだ。
九条鎌治
九条家の次男で、勘定奉行柊家当主の娘・千里と恋仲である(が稲妻の三奉行のパワーバランスを考える一部の者たちにはこの件についてあまりよい顔をされていない様子)。
兄の政仁と異なり武術にはあまり精通していないが、孝行失脚後は自身よりも政務に向いているとして兄から当主代行の座を譲り受ける。
雷電将軍の伝説任務1幕では、長年九条家を補佐してきた鷹司家の策により天領奉行の座を奪われそうになるが、自ら出向いた雷電将軍に対し戦いを挑んで決意を示すことで九条家への処分保留を勝ち取った。
鹿野院平蔵
プレイアブルキャラクター。
天領奉行で働く探偵。鳴神大社の巫女である鹿野奈々の遠い親戚のいとこ。
組織の規則に束縛されることよりも自身の信条を強く持っており、性格は傲慢かつ無礼、度々トラブルを起こしているが、同時に捜査の功績もきちんと上げている模様。
過去、天領奉行の制服を着たまま堂々と対立中の海祇島へと旅行しに訪れたことがあり、その時の目撃者には「変人」と評されている。
イベント「万端珊瑚事件簿・犬武者」にて、龍二からは「天領奉行の鹿野院は万端珊瑚の思考についていける人物、オーラが独特でもし見かけたら一目で分かると思う」と評されている。
鏡御前
『テイワット観光ガイド』より。たたら砂の労働者のリーダーの女性。他の労働者と同じく、高温や「祟り神」に焼かれた傷跡がある。
名目上は幕府の代官として天領奉行の部下ということになっているが、アリス曰く対等に接しているように見えるらしい。
労働者たちは彼女に信頼と敬愛を寄せ、喜んで命令に従うが、彼女自身はいつも眉をひそめ、思いやりとはかけ離れた表情を浮かべている。

【勘定奉行】

柊慎介
勘定奉行を執り仕切る柊家の当主で、離島や貿易の管理を行っている。魔神任務2章1幕序盤で「淑女」より、稲妻へ渡来した旅人を離島に縛り付けるように依頼されており、無理難題とも言える依頼を押し付けようとした。
在留外国人や外国商人らに対して法外な手数料や税を課したり、一部の商人のみに有利なように制度を一方的に変更したりしていた。
また天領奉行やファデュイらと結託しており、三奉行のうち2つの奉行が組んでいたため社奉行からの提案は事実上通らない状態となっていた。
3幕終了後にはこれらの不正が暴かれたことで九条孝行同様に失脚、投獄されている。
柊千里
柊家の娘で九条鎌治と恋仲であるが、本人たちの心とは裏腹に身分の壁が立ちはだかっている。魔神任務では鎌治に手紙を届けるという名目で離島から鳴神島本土への通行証を発行するよう取り計らってくれた。
目狩り令が撤回された後、柊家当主の失脚により勘定奉行の席を狙う臣下によって、柊家の力を削ぐことを目的として九条鎌次との結婚を願い出る偽の手紙を勝手に送られ利用されてしまう。
しかし、神里綾人の計略が功を奏し、この婚姻はすべてが落ち着くまでの暫くの間、保留という形で収まることとなる。
かくして柊家の危機が去り彼女は決意を新たにする。新之丞の言葉、そして九条鎌次が将軍に示した覚悟。愛する人と共に道を歩むため、彼女は迷いを断ち切り柊家当主の座を継ぐことを決めた。
新之丞
勘定奉行役人。勘定奉行柊家当主の娘である柊千里に長年好意を寄せていた。
旅人らの離島脱出計画の折に、彼女には既に意中の人がいることを知ると、旅人らが彼女を見送る傍ら一人泣き崩れていた。
更には柊家と九条家、両家にて婚礼の儀が近々行われる…という噂が流れると、表向きは祝いながらも、心の中ではそれがただの噂であって欲しいと願っていた。
しかし、その噂が真の事だと知ると、この世の終わりと言わんばかりに落胆してしまう。
だが、勘定奉行と天領奉行の二奉行で当主の失脚が相次いだ直後、未だ混乱収まらぬ情勢の中での婚姻の布告に疑問に感じた彼は、この結婚は何者かに利用されているかもしれないと彼女に告げる。
この一件である程度吹っ切れたようではあるが、一朝一夕で築かれた思いではないためか、未だ複雑な心境のようだ…

【社奉行】

神里綾人
社奉行神里家当主で神里綾華の兄。一人称は私。没落寸前とまで言われていた神里家を窮地から救い出した。
奉行間の公務が多忙を極めている関係上、外に顔を見せる機会は滅多になく、神里綾人の私人としての人物像についてはあまり知られていない。
武芸に秀でており、剣術が一流であるのみならず、槍術においても神の目を持つ長槍の指南役を圧倒する実力を持つ。
公人としての彼は非常に頼もしいものだが、ただ一つ、屋敷での自身に関する事柄…特に料理や執務後の片付けについては破滅的な様相を呈しており、いくら万能な家司が居たとしても彼のもたらす嵐に使用人たちは手を焼いているという。
魔神任務第二章第三幕「千手百目の浮世」では、「お祭り」に乗じて直属の部隊である終末番を遣わせ、上奏奪取を目的とした稲妻城天守閣への潜入、及び海祇島抵抗軍の稲妻城内への潜入を支援し、自身は姿を一切見せないながらも目狩り令廃止に向けた動きに協力した。*16
神里家の復興

かつて、神里家は稲妻の国宝とも謳われた刀工に関する伝承「雷電五箇伝」に多大な損害をもたらした一端とされ、その責を負うことになった。
この件について、八重宮司が将軍に進言したことにより神里家は辛うじて幕府を追放されることは免れたが、彼の父の代でもその家名は回復していなかった。
まだ綾人が若き青年だった頃、神里家の地位を狙う数多の政敵たちによる権力争いなどによる過労で当主であった父は亡くなり、それからすぐ母も追うように早逝してしまう。
当主の急逝。この出来事により神里家は急速に力を失い、一族の没落も時間の問題かと思われた。
その状況下、綾人は両親の遺志と共にその座を継ぎ、あらゆる悪意が渦巻く中へと身を投じる事になる。
しかし、世間は一族の当主となるにはあまりにも若すぎた彼を「神里家の可哀想な坊ちゃん」と哀れみ、政敵からは「見込みのない小僧」などと蔑まれた。
だが、綾人は神里家の当主として、なによりたった一人の家族である妹を守るため、そのすべてを賭して事に当たった。
そして、神里家は綾人のその秘めたる覚悟、並々ならぬ大胆さと手腕により危機を脱し、地位を確固たるものとした。

神里綾華
社奉行神里家当主である神里綾人の妹。一人称は私(わたくし)。仕事柄人前にあまり出ることのない兄に代わり、社交の場などで稲妻の民衆に顔を見せる役を担っている。
容姿端麗で品行方正、誰に対しても平等に接することから「白鷺の姫君」と親しまれ、民衆からの支持は絶大なものである。
また、奉行間のやり取りに奔走する兄に代わり、社奉行が本来司る祭事などの手配は主に綾華が取り仕切っている。
トーマ
社奉行神里家に仕える無敵で全能の家司。彼に掛かれば床壁はもちろん、梁一本に至る隅々まで埃一つ残さない見事な仕事ぶりを披露してくれる。
掃除のみならず家政全般を得意とし、料理園芸裁縫…といずれも軽々とこなす。
また、社奉行に仕える身として彼は自らの「才能」を活かし、あらゆる業界と人脈を築き情報収集や社奉行へ利益をもたらす「取引」を行い、独自に社奉行の影響力を高めるべく動いているという。
自由と忠誠

彼は稲妻の生まれではなく、モンド生まれ、モンド育ちである。彼の「才能」もモンドで培われたものが一端にある。
ただし、稲妻人の血を引いていないわけではなく、母親がモンド人、稲妻人の血は父親から引いている。
モンドを去り稲妻へ帰った父親を追い、彼は一人モンド名産の蒲公英酒を乗せた船に乗り稲妻へ向かうも波に飲まれ船は転覆。
辛うじて稲妻にたどり着き父親を探すもその影はどこにもなく、あてもない彼は社奉行神里家に身を寄せることになった。
そして10年前、社奉行が騒乱に包まれる中、彼は選択を迫られた。
モンドに帰り、後悔と罪悪感を抱えたまま平穏な日々を過ごすか。稲妻に残り、神里家にこれまでの恩を返し忠義を尽くすか。
彼は迷った。しかし彼は父親に教わった「忠誠」の心に従い、神里家に残ることを選んだ。

早柚
社奉行神里家当主直属の隠密行動部隊「終末番」に所属する忍。彼女が身にまとう服はタヌキムジナを参考にして作られたもの。
任務のないときは身長を伸ばすことを一心に、寝ることだけを考えるぐーたら。
しかし、いざ与えられた任務を遂行するとなると…やっぱりさぼって寝ようとする。
嗚呼(おこ)流と呼ばれる敵をいたぶることを得意とする忍術を扱う末代…なのだが、早柚は逃走術や身代わりの術だけを学んでいたため、戦闘はあまり得意ではない。
その見た目から誤解してしまうが、歳はすでに十代半ばほど。
しかし、柚は生長が遅いことで知られているため、名は体を表すとすればまだ成長段階といえる…。
太郎丸
木漏茶屋の店主兼看板犬。その正体はかつて終末番だった中西(木漏茶屋の中にいる老人)の相棒で、実力もなかなかのもの。現在も中西らと共に社奉行直轄の木漏茶屋にいることから神里家に仕えていると考えられる。
ver2.6のイベント「華やぐ紫苑の庭」の孤刀争逐では最終ステージの相手としてプレーヤーの前に立ちはだかった。HPゲージ下の説明分によると、木漏茶屋の宝箱*17は彼の貯金だったらしく、中身を奪われたことにはご立腹だった様子。
百華
終末番の忍者、故人。孤児だった百代を終末番に入れた人物、百代からは百華姉と呼ばれていた。
終末番として稲妻に害ある者を片付ける任務時にファデュイによって殺害された。鳴神大社北西の崖にあるファデュイの廃れた拠点に、百華のものと思われるボロボロの手記が落ちている。
百華の死を百代は、二人の間で交わされていた終末番の暗号を突然旅人が使ったことにより、その時点で彼女は任務に失敗し手にかかったのだと察していた。
百代(玄冬林檎 / 千世)
鳴神大社のおみくじ担当の巫女「玄冬林檎」として活動していた終末番の忍者。
巫女の仕事が性格に合わず、言葉づかいや冷たい態度から、参拝客や他の巫女達の評判は良くなかった。世界任務「特別なおみくじ」ではファデュイに終末番の忍者と見破られ襲撃されるも、ファデュイの計画を知る為に死を装い、
「玄冬林檎」として成り変わったリュドヒカを監視していた。当該任務終盤におけるファデュイとの戦闘で元素粉末を浴びてしまい片眼を失うも、リュドヒカのファデュイ脱退を成功させ、さらに海祇島でのファデュイの計画も防いだ。任務終了後はリュドヒカに「玄冬林檎」の名と立場を受け渡した。
その後は「千世」へと名を変え、引き続き「先生」について調査を続けている。
  • リュドヒカと百代の顔がそっくりな理由については、単純に変装の技術によるものか、メタ的におみくじ担当の3Dモデルを使い回す為の設定によるものか、同じ稲妻の孤児で何らかの血縁関係によるものかは不明。

抵抗軍関係者・海祇島勢力

珊瑚宮心海
代々海祇島の「現人神の巫女」を務める家系にして抵抗軍の軍師。他の海祇島出身の者と同じく淵下宮の住民がルーツ。
海祇島の代表として島の内外の住民と接することが多いが、本当は一人で本を読んでいるのが好き。
モチベーションをエネルギーと称しており、誰かと関わると基本的に減り本を読むと増える模様*18
ゴロー
抵抗軍の大将。元は一般兵であったが、様々な経験を経て大将までのし上がった逸話がある。
上司である心海や部下の兵士からの信頼も厚く、部下には心優しい兄貴分として接している。
ただ、八重神子だけは姿を見ると逃げ出したくなるほど苦手。
楓原万葉
稲妻出身の浪人。北斗のことを「姉君」と呼ぶ。
情に厚く、強き願いを持つ人に感化されやすい性格で、たとえそれが危うい道と知りながらもその願いを支えることを自らの願いとする。
実は稲妻の刀鍛冶の名家「楓原家」の跡取り息子。
しかし、彼が生まれた時には没落しており、最終的には家も取りつぶされて追い打ちをかけるように、目狩り令の対象として指名手配犯になる。
その後、社奉行の手助けにより離島に寄港した北斗の死兆星号に乗り込み稲妻を出奔。そのまま船員となり世界中を旅をしている。
家は無くなったものの、指名手配中も定期的に稲妻を訪れており、旅人を助けていた。
稲妻編のクライマックスで雷電将軍の『無想の一太刀』を受けて押し返した稀有な人物。
目狩り令が終わり、稲妻が開国された後のこと。九条鎌治より幕府が今までしてきた楓原家への非礼を詫び、稲妻に再び定住できるように手配、提案をされたが、浪人の生き方が染み付いた今では性に合わないと遠慮した。
現在はかつて楓原家が司っていた雷電五箇伝が一つ「一心伝」の伝承を再び取り戻すために、冬国で打たれたという一心伝の刀「籠釣瓶一心」と共に旅を続けている。
万葉の友人
雷元素の神の目所持者。ムービー内では長髪を頭の上で括り、赤い着物を着た男性。
九条裟羅に御前試合を挑むも敗北し、雷電将軍の一太刀によって命を落とす。
  • 稲妻煉武秘境「砂流ノ庭」から東南東の谷にある断刀塚には、彼の墓標と思われる刀が突き刺さっている。
    魔神任務2章クリア後に訪れると、神の目の抜け殻が供えられており、辞世の句と思われるテキストが読めるようになる。
    また、白猫が傍らに佇むようになる。恐らく、万葉ストーリームービー内で友人の懐から顔を覗かせていた猫だと思われる。
哲平
抵抗軍の兵士。
神の目を持っておらず、旅人と出会った当初は他人に助けを求めるほど弱く、兵として名をあげる気持ちが高かった。
旅人が『メカジキ二番隊』の隊長として活躍していた同時期に『秘密兵器』の力も借りて『ニシン一番隊』の隊長まで上り詰めた。
しかし、その辺りから髪の毛が白くなり顔にしわが増えてくるなど明確な老化現象が始まっており『秘密兵器』こと『邪眼』の存在が明るみになるころにはもう立つことさえできなくなるほど衰弱していた。
その後はどうなったかは映像では明確になっていないものの、様々なテキストで彼が亡くなったと表現されていることから旅人と交流があった人物で初めて死んでしまった人物になってしまった。
姿こそNPCキャラクターの流用であるものの、話の流れから印象に残っているプレイヤーも多い。

その他の稲妻関係者

宵宮
稲妻で催されるお祭りには欠かすことのできない花火、その伝統をその手に伝える稲妻で最も腕の立つ花火職人。
彼女の作った花火は海を挟んだ隣国、璃月にも届けられており、海灯祭で打ち上げられている。
祭りにも名を残す花火の名匠長野原家の娘であり、現在の長野原花火屋の店主。「夏祭りの女王」とも呼ばれ、花見坂で彼女の名を知らないものはいないほどであり、人柄や面倒見もよく、近所の人々にも親しまれている。
そんな職人である彼女だが、職人という一面以外にも子供たちの「英雄のお姉ちゃん」でもある。
絵本に出てくる妖怪に怯えれば勇気づけ、彼らが持ち寄ったお宝を花火と交換したり、「英雄のお姉ちゃん」としても花見坂の子供たちの願いを守っているのだとか。
荒瀧一斗
背が高く赤く長い二本角を持つ鬼族の男性。童話「泣いた赤鬼」における「赤鬼」の一族の末裔。
自称「荒瀧派の初代親分」として「荒瀧派」なるものを構成しており、花見坂を拠点に活動している。
しかし、その活動は城下町の子供と勝負しておやつを奪う、狐耳の女性に大豆アレルギーなのにきつねラーメン大食い勝負をして勝利するも死にかけるなど、かなり子供地味たものばかりであり、
時折度を越した迷惑行為により天領奉行にしょっぴかれることもしばしば。しかしながら、彼らの行為はせいぜい「悪ふざけ」止まりであり、モラが無ければ日雇いの仕事をするなど、ある程度は真っ当な集団である。
心根は非常に純粋で真っ直ぐ、そして優しい人物であり、自身の一族の過去にまつわる出来事により自身以外が「自己犠牲」を行うことを何よりも嫌っている。
「目狩り令」の折に九条裟羅に敗北し、神の目を接収されるも、復讐の決闘と称して相撲勝負を熱望する書き込みを各地掲示板に残している。
神の目を失ってなお廃人化しなかった……というわけではなく、元々のバイタリティが異様に高かっただけのようで、
神の目返却後は文章中の笑い声が「はは」から「ガハハッ!!」に変わるなど、全体的にさらに暑苦しくなっている。
「荒瀧」という名字から、稲妻で伝わる武人「大手門荒瀧」との関連が考察されているものの、Ver2.8現在「大手門荒瀧」という名前以外の情報が一切なく関係性は不明。
名前の「一斗」は鬼繋がりで、海外の鬼ごっこにおける鬼役”it”に由来していると思われる。
中の人の歌がうまいこともあってか、「誕生日…」のボイスは日本語を含め、各言語でやりたい放題なので一聴の価値あり。
自称の一覧

「荒瀧・俺様最強・一斗!」「荒瀧・俺様第一・一斗!」「荒瀧・唯我独尊・一斗!」「荒瀧・土俵鬼王・一斗!」(二章クリア前)
「荒瀧・暴走無敵・一斗」「荒瀧・正々堂々な漢・一斗」「荒瀧・戦意爆発・一斗」「荒瀧・神の目が戻ってきた・一斗」(二章クリア後)
「荒瀧・勝者には報酬を・一斗」「荒瀧・歴戦無敗・一斗」「荒瀧・牢獄は一生御免・一斗」(同じく二章クリア後)
「荒瀧・天下第一・一斗」(忍のデートイベント)

久岐忍
荒瀧派の二番手を担う女性。一斗が上の有様だからか、荒瀧派としての実務は彼女が取り仕切っている。
普段は荒瀧派の面々のお目付け役としての姿が目立つが、彼女自身は膨大な数の資格を所持し*19、武芸含めあらゆる事業領域で一流の働きを見せるスーパーウーマン。
出身の久岐家は代々鳴神大社の巫女を輩出してきた一族で、実際に大社の巫女の一人である幸は忍の姉に当たる。
忍自身も巫女見習いをやっていた時期があるが、しきたりに縛られる生き方に疑問を抱き自由を求めて出奔、他のあらゆる職業を試した末に辿り着いたのが荒瀧派であった。
新しい事業領域に手を出すたびに、まず関連する資格の取得から始める習慣があるようで、法律の勉強をするため璃月に留学するなどしている。
また荒瀧派のイメージからは想像できないほど交友関係が広く、璃月随一の法律家である煙緋とは「先輩」と呼びお互いを認め合う間柄であり、香菱や卯師匠から料理を教わったこともある。他にも、一斗の宿敵というイメージの強い九条裟羅とは一緒に食事をすることもある親友である*20
面頬を着けているのは、出奔以前の知り合いには基本的に荒瀧派に所属していることを知らせていないため、顔バレして面倒ごとが起きるのを防ぐことが目的。
若草色の髪はおそらく母親からの遺伝。魔神任務間章に登場した彼女(の幻影)が同じ色をしている。
名前の英語表記について

Ver.2.1まで、早柚の会話内では「the Kuki Ninja」となっており役職名のように書かれていたが、これは誤訳だったようで
Ver.2.2実装直前に公開された荒瀧一斗の紹介ツイート(英語版)からようやく「Kuki Shinobu」と表記され、
実際Ver.2.2からはゲーム内の早柚の会話においても同じく「About Kuki Shinobu」と改められている。

綺良々
二股の尻尾を持つ妖怪の猫又。稲妻の運送会社「狛荷屋」の金等級(ゴールド)配達員。自慢の脚を使い国際運送を一手に担う。
彼女の身につけている服は現在フォンテーヌに店を構える千織が仕立てたものだという。
猫としても妖怪としても若いが、その心に宿る憧れは非常に強い。
元々は野良猫で子猫の頃に偶然転がり込んだおばあちゃんの家を住処としており、そのおばあちゃんから様々な物語を聴く中で人間社会へ強く憧れるようになったという。
神の目を授かり猫又として人の姿に変化できるようになった頃、人間社会に存在する様々なルールについては天領奉行から、とある妖狐様からは妖怪としての立ち居振る舞いを伝授された。そして綺良々に配達員として働いてみるよう助言をしたのも彼女である。
また、配達員となった現在も仕事の傍ら猫の姿でおばあちゃんの元を訪れており、贈り物とともに特等席で一緒に日向ぼっこをしているという。
花散里
常に狐面を被っている巫女。紺田村近くの狐の像の前にたたずみ、旅人に対し紺田村の秘密を解き明かすよう依頼してくる。
名前の元ネタはおなじみ『源氏物語』の登場人物「花散里(はなちるさと)」。
長らくボイスでの言及がなく日本語版での読み方は不明だったが、Ver2.5実装の雷電将軍の伝説任務第二幕にて、日本語版での読みは「はなちるさと」と確定した。
英語版など、日中韓以外の言語では「Kazari」(かざり)と表記されている一方で、韓国語版は日本語版以外では唯一「하나치루사토」(はなちるさと)と原典通りの読みを採用している。
正体

狐斎宮は500年前の大災害時に神櫻大祓を行い、漆黒に飲まれ命を落としたが、その際に斎宮自身から溢れ出た穢れが斎宮の残留思念に応じ人の形をとった存在が花散里である。
狐斎宮の記憶もある程度引き継いでいるが、記憶が断片的ゆえか斎宮のことはあくまで他人として語る。
500年の時を経て再度蓄積された穢れを祓うために神櫻大祓を行うことが目的であり、その前段階として穢れを祓うべき雷櫻の根の一つが紺田村の地下にある……というのが「紺田村の秘密」であった。
旅人の協力により神櫻大祓は完遂されたが、「現在蓄積されている穢れ」には花散里自身も含まれているため、大祓の完遂とともに感謝の言葉と狐面を残して消滅した。

鳴神大社の巫女たち
  • 稲城(いなぎ)蛍美(ほとみ)
    手水舎の前にいるポニーテールの巫女。八重神子の右腕的存在であり、神子が多忙の際は一部の仕事を代行している。
  • 麻紀
    神社の奥、神櫻に向かって左側の社前にいる巫女。明言はされていないが、おみくじの全体的な管理を担当しているようである。
  • 鹿野(かの)奈々
    神櫻に向かって右側の社の手前にいるこげ茶の髪の巫女。天領奉行所属の探偵、鹿野院平蔵とは遠い親戚のいとこ。
    早柚が「巫女姉さん」と呼ぶ人物でもあり、監督役についているが、隠密術を駆使して脱走・サボりを繰り返す彼女には手を焼いている。
    読書が趣味で、八重神子とはよく本の話をしたり、八重堂の未出版原稿を見せてもらったりしているらしい。
  • 久岐(みゆき)*21
    鳥居が並ぶ坂を下って折り返し地点にいる長髪の巫女。荒瀧派の久岐忍は妹で、ともに巫女として働いていたこともある。
    巫女の仕事に熱意を懸けている他、八重神子に心酔しており、鹿野奈々を一方的にライバル視している。*22
    妹の出奔時は最初は止めようとしたが、降臨した神の目を見て考えを改め、両親の説得を請け負うなどして送り出している。現在でもその性格・心情を慮り、よくフォローに回っている。
    世界任務内でも登場。たたら砂や雷櫻の異常に対応するため一時神無塚に派遣されていた。
  • 玄冬(げんとう)林檎(りんご)
    神櫻に向かって右側の社でおみくじの引き換えを担当している巫女。
    世界任務の進捗に応じて素性が異なる。百代リュドヒカ・シュナイツェフナを参照。
ヒナさん
八重堂が出版する『月刊閑事』の質問欄を担当する人物。
心温まる回答と肖像画が読者に人気。
ヒナという名前は八重堂が設定したペンネームであり、当初は本名、性別、年齢など個人情報は隠されていたが、ある時期に肖像画が発表され、それによると犬のような耳を持ち、緑色の着物を着たスタイル抜群の長身獣人種女性とされている。
なお、正体は珊瑚宮軍の将であるゴロー。上記肖像画のデザインは八重堂が勝手に作成したもので本人は全く関知していない。

スメール

『知恵は知恵の神の敵。知恵は無知の海に浮かぶ餌。
学城の学士が為した愚行に、神の知恵は異論を唱えなかった。』

テイワット大陸中西部に属する草神が治める*23国。

重要な出来事

  • 魔神戦争前:意気投合したマハールッカデヴァータと花神にデシェレトが合流し、三神で同盟を結ぶ。
  • 数千年前(魔神戦争?):花神が死亡。彼女の復活に固執したデシェレトがマハールッカデヴァータと袂を分かち、禁忌の知識に手を出す。
  • 数千年前(魔神戦争?):禁忌の知識によって魔鱗病が発生するも、自己犠牲を選んだデシェレトにより一時収束する。力を貸したマハールッカデヴァータも幼子の姿になる。
  • 数千年前以降:砂漠の内戦が激化。
  • 500年前:漆黒の災厄の来襲と世界樹の再汚染。最後の森林王が死亡。将来禁忌の知識の記録を自分ごと世界樹から削除させるため、マハールッカデヴァータがクラクサナリデビを生成する。
  • 500年より後:賢者たちがクラクサナリデビを発見するが、子供程度の知識しかないことに絶望し、スラサタンナ聖拠に幽閉する。
  • 本編開始直前:教令院とファデュイが共謀し、執行官の1人である「散兵」を新たな神に作り替え始める。
  • 第三章第五幕:正機の神(散兵)が完成間近に倒され、関係者は失脚。マハールッカデヴァータが歴史から消失し、旅人以外からは「クラクサナリデビが唯一の草神」と認識されるようになった。雷と草の神の心が「博士」の手に渡る。
  • 間章第三幕:散兵が世界樹で自身を削除。本人含め世界から彼の記憶が消失。本人は記憶の復元に成功し同時に神の目を獲得。旅人によって新たな名前が与えられた。
     

魔神の時代(6000年~2000年前)出身

魔神とその眷属

マハールッカデヴァータ(先代の草神・先代の知恵の神/先代のブエル?/知恵の主/千樹の王)
先代の草神で2000年前の魔神戦争勝者でスメールの建国者。女性。Ver3.0までの表記は「マハールッカデヴァタ*24
500年前の漆黒の災厄の時期にスメールから姿を消した。なお、世界樹守護の使命のため七神で唯一カーンルイア戦争に参戦しておらず、失踪とカーンルイア戦争は直接は無関係。
意識や夢に関する権能、及び世界樹の記憶と繋がる能力を持ち、スメールのほぼ全てを作ったとされる。全知全能の強大な神であり、世を去った今でもスメールの民衆から絶大な敬愛を寄せられている。
また、自身の眷属としてアランナラを生み出している。
現代のスメールにおいて運用されていた『アーカーシャ』は、彼女の遺産である神の心を動力としている。
かつて、釘が降ったことで砂漠となったスメール地域において、赤砂の王(キングデシェレト)花の女主人(ナブ・マリカッタ)と友人となり、盟約を結んで共に人々を導いていた。
しかし、花の女主人が無くなり、彼女の虚言に乗った赤砂の王が過去と理想に執着するようになると、彼とは袂を分かって砂漠の一角にオアシスを作り、自身の信者とともに現在のスメールに広がる雨林地帯を復活させ、信者に教えを授けて教令院を設立させた。
また、生前の花の女主人から託された霊光から神鳥「シームルグ」を生み出し、彼女が予言した災禍に対抗するために新生と死の堺を見守る責務を与えた。
赤砂の王が禁忌の知識を砂漠にもたらして災禍が広まった際には、一度は決別した仲でありながら助けを差し伸べ、祭司を招集して各地に神殿を建設して生命の神力を注ぎ、砂漠の全住民をアアル村に避難させて災禍を食い止めることに成功した。
ここで多大な力を使った結果、彼女は幼子のような姿になってしまった。
500年前、漆黒の災厄が世界を覆った際には、再び禁忌の知識による汚染が現れて世界樹を蝕んでいることに気付き、世界樹の浄化を試みたが、世界樹の化身である自らも汚染されてしまったために世界樹を浄化しきることが不可能になり、死の間際に世界樹の枝から自らの転生体であるクラクサナリデビを創り出すことで、彼女に自分ごと汚染を除去させることを試みた。
500年の時を経てその望みは果たされ、世界樹から彼女にまつわる全ての情報が消去されたことで汚染による影響はスメールから取り除かれたが、同時に「マハールッカデヴァータ」という存在そのものが無かったことになり、テイワットに属する者たちの認識は「スメールの草神は最初からクラクサナリデビ唯一人である」というものに書き換えられ、当のクラクサナリデビ本人は「禁忌の知識の除去の結果500年前以前の記憶を失った」という形で整合された。
死の間際に強い意識を世界樹に残していたが、その意識は汚染されているため危険なものとなっており、「神の知恵」に触れようと世界樹の意識に接続を試みた教令院の学者は、どれだけ修行を積んでいたとしてもこの汚染された意識に影響され、例外なく発狂してしまっていた。
  • アルファベットでの表記は”Greater Lord Rukkhadevata”であり、中国語では”大慈樹王”である。
    以上を踏まえると、マハールッカデヴァータという名前の意味は、サンスクリット語で「大きい」「偉大な」を意味する”Mahā”*25及び
    ヒンドゥー教において富の女神または修行者の守護霊として崇拝される樹木のYakṣiṇī(インド神話に登場する神霊)である”Rukkhadevatā”に由来すると思われる。
  • ゲーム内では「亡くなった」「逝去した」といったあからさまに死んだと表現されていた一方、公式テキストや予告番組等ではマハールッカデヴァータに関して「去った」「失踪した」などと露骨に「死」という表現を避けていたように思われたことから、「マハールッカデヴァータは死んでおらず、記憶を失った結果今のクラクサナリデビになったのではないか」という説がVer3.0時点で上がり、その根拠として竈神のような前例や記憶を代償に能力を行使するアランナラの存在などが挙げられていた。
    さらに、Ver3.1でキングデシェレトがもたらした禁忌の知識から砂漠の民を救うために尽力し、能力を使い過ぎた結果「幼子のような姿」へと変貌したことが明らかになり、よりこの説が支持されるようになった。
    • しかしこれは一種のミスリードであり、実際のところは、ナヒーダとマハールッカデヴァータは木に例えるなら原木と挿し木、すなわち現代で言うクローンに近く、同一人物のような別人というのが真実であった。そのため、魔神としての名前はナヒーダと同じく「ブエル」である可能性が高い。
      キングデシェレトの死(数千年前)からカーンルイアの厄災発生(約500年前)まではかなりのスパンがあった為もう一度同じことをしたのかは不明だが、ナヒーダと旅人の前に現れた時はナヒーダとほぼ同じ姿をしていた。
    • なお、マハールッカデヴァータ抹消後の世界では上述の通りマハールッカデヴァータ時代の記憶を失ったという設定となっており、概ねこの説と同様の筋書きとなった。
  • 旅人を含め、世界樹の意識に接続した者は皆マハールッカデヴァータのものと思しき「世界が…私を…忘れて…」という意味深な言葉を聞き取っているが実際は「世界が私を忘れて」ではなく「世界が私を忘れてくれますように」という意味である。
    ちなみにVer3.0のPVでは「忘れて」ではなく「…くれますよう」と言っており。Ver3.0の時点で「世界が私を忘れてくれますように」という文を推測すること自体は可能だった。
    結果として世界の記憶から自身が消えることで世界樹を治療し、彼女の偉業は全てクラクサナリデビの愛称で呼ばれるブエルの偉業になった。
  • スメール特有の風土病「魔鱗病」は禁忌の知識によるもので、マハールッカデヴァータの記録抹消後は全ての患者が完治した。しかし魔鱗病自体は無かったことにはなっておらず、改変後の世界で広がった原因や完治した理由がどう説明されているかは謎のままである。
    アアル村のグラマパラたちも同様に正気に戻っているが、こちらも発狂と追放の経緯がどう説明されているかは謎。
ナブ・マリカッタ(花の女主人 / 花神)
かつてスメール地方の現在の千尋の砂漠地帯を治めていたとされる魔神の一柱で、現在は故人だがスメールにはおいてはマハールッカデヴァータの友人として知られている。
聖遺物「楽園の絶花」のストーリーによると、花の女主人は遥か昔「天空」に住まう一族の一人であったが、ある時天空の外から侵入した存在により破壊の限りを尽くされ、天空を追放された上、呪いを受けたという。
その後、砂漠を彷徨う中で砂利にこすられた踵の傷口から清浄な泉が流れ出し、緑の園圃が生まれ、そこに咲いた夜のように青い睡蓮からはジンニーが生まれた。
ジンニーたちに懇願されたため、彼女は流浪を辞めて園圃に留まることを決めると、園圃には月夜のように美しい紫色のパティサラが咲いた。
魔神戦争が起こる中、彼女は赤砂の王(キングデシェレト)知恵の主(マハールッカデヴァータ)と争うのではなく同盟を組み、三神でスメールの統治を始め、赤砂の王とともにジンニーの都である「アンフィテアトルムシティ」アイ・ハヌムを建造した。
ある明るい月の夜、花の女主人は自身の過去を警告として友人の二人に語った。それは「四つの影の持ち主*26を追うこと及び天空と深淵の秘密を除くことを禁じる」という警告であり、さもなければ災難と苦痛が降りかかる結末を迎えることになるという忠告であった。だが、赤砂の王はその警告を聞き入れず、自らの僭越で反逆的な願望を花の女主人に語った。
彼女は赤砂の王の思想を愚かだと考えたが、同時に彼の行いに未来と希望も見出し、赤砂の王の狂想を叶えることを決めた。
自分に与えらえた過酷な運命の意味は秘密の扉を開く鍵であることだと気付き、自分を犠牲にすることになる上に天からの災いが必然のものになるとしても、天空と深淵のすべての知識に通じる秘密の通路を開くことを決意。
予見された破滅の未来に備えて自身の力の一端である霊光を人間たちの未来とともに知恵の主に託すと、自身の存在と自身が築いたオアシスを代償にして赤砂の王を導き、烈日の光の中へと消えていった。
愛する彼女を失った赤砂の王は彼女のために砂の底に埋もれた「晶石」とジンニーの力を頼りに時さえも留まるオアシス、「永遠のオアシス」を作った。
伝承では美しい角を持った神とされており、踊れば踏みしめた地面から鮮やかな赤紫のパティサラの花が咲いたと言われている。
また、「花神誕祭」の起源は、花神がマハールッカデヴァータの生誕を祝うために開いた祭りであるともされている。
彼女の逝去と共に、象徴であった赤紫のパティサラも絶滅してしまった。
現在スメール各地に咲いているパティサラは前代草神マハールッカデヴァータが花神を記念して創造したものとのこと。
  • 元素について
    元は雷元素やそれに近い力を振るう魔神だったと思われる。スメールプレビュー動画01にて激化反応を「スメールの歴史に深くかかわりがある」と表現していること、伝説任務内で訪れた花神に縁深い地に電気水晶や雷キノコンが多く配置されていたこと、楽園の絶花に稲妻特産の紫水晶が多く使われていることなどがその理由である。
  • 計算高い神であり、赤砂の王が秘めていた野望にかねてより気付いていたらしく、自身の身の上と天空に関する警告を友に告げたのも彼の真意を炙り出すためであったようだ。
    また、赤砂の王が野望を抱くことや自身の忠告に耳を貸さずに邁進することは予想通りであると同時に彼女がそうなるように誘導した結果であるらしいことも示唆されている。
    彼女は、赤砂の王の言葉と夢にこの世界を支配している不条理な枷を超越する可能性を見出したという。
    また、天に対する反逆は幾千万の凡人の知恵を一つに束ねる理念にして幾千万の夢と権力を一つに束ねる偉大な試みであると考え、神の破滅を経験することでこそ凡人が神の意志に背いて奮起する日が訪れることを予期し、神に比べれば知恵も力も矮小な人間が神にすら予想できない可能性を持っていることに気付き、上記の謀略を実行したようだ。
  • 人のために犠牲になることが自らの宿命であり、犠牲もまた新生にとって素晴らしい前奏である、といった犠牲を肯定する主張を持っており、鮮烈な記憶だけを残して消え去る輝かしい死を目指していたという。
    彼女が遺した最後の魂であるシームルグもまた自らを犠牲に深淵を退けており、犠牲の精神が受け継がれているように見える。
  • 名前の由来は、メソポタミア神話に登場する知恵・書記・草木を司る神である“Nabu(𒀭𒀝)”と古代ペルシア語で「女王」を意味する“MLKTA(𐭬𐭫𐭪𐭲𐭠)”が考えられる。
    永遠のオアシスの中央の小島には3つの椅子が置いてあるが、そのうちの一つにはキングデシェレト語で“NABU MLKTA”と書かれている(他の椅子にはそれぞれ“Ruk Dvta”と“Dshrt”と記されている)。
キングデシェレト(アモン/アフマル/赤砂の王)
かつてスメール西方の砂漠を支配していたとされる魔神。高度な文明を築き、「砂漠の民」と呼ばれる部族により信仰されていた。旧表記は「スカーレットキング」*27
なおボイスではアクセントを付けず平板で発音されている。
伝説では花神と草神に加わる形で同盟を結び、スメール地域を統治していたが、花神の死によって発狂した末、数千年前のある時マハールッカデヴァータに敗れて死んだとされている。

知恵の主(マハールッカデヴァータ)花の女主人(ナブ・マリカッタ)の友人であり、また花の女主人のことを愛していた。彼女らと共にスメール地域を統治して人々を導いていたが、密かに天に対する反逆の志を抱いていた。
ある夜、彼は友人らに自らの野望を語り、知恵の主はその内容に震え慄いたが、花の女主人はその野望を称賛し、自らを犠牲にして彼を天空と深淵の秘密に誘った。
彼は知恵の主と袂を分かち、旅路が危険なものであること、目の前で愛する者を失うこと、破滅が必然であることを承知の上で、自らの信者を率いて野望に邁進し始めた。
花の女主人亡き後は彼女の眷属であったジンニーたちの新たな主となり、彼女のために霊廟として永遠のオアシスを建設して大ジンニーのフェリギスを管理者に任命した。
その後は神王として人々を統治し、獲得した知識を基にのちのカーンルイアに引けをとらない高度な機械文明を築き上げた。
しかし、深淵の誘惑に耐えられず、テイワット外からもたらされた世界の真実に関する「禁忌の知識」を求めてしまい、それを広めてしまったことで砂漠に魔鱗病の蔓延や発狂者の続出など深刻な災害をもたらし、かつての友の予言通りに破滅の末路を迎えた。
この事態を察知した知恵の主が尽力したことで災禍は一時的に抑えられたが、「禁忌の知識」は病巣のように世界に巣食い、この知識を世界から根絶しない限り災禍を食い止められないこと、そして自身がこの世に存在する限りそれは不可能であることを悟った赤砂の王は自害を選択し、この世を去った。
なお、生前に草龍アぺプとの間に「自身が得た知識を死後に全て譲渡する」という契約を結んでおり、死後に禁忌の知識が広まることを防ごうとしていた。この契約は果たされ、その結果アぺプは禁忌の知識に汚染されることとなった。
この成り行きを見届けた祭司カサーレは「(マハールッカデヴァータへの)この恩だけは忘れてはならない」と遺すも、歪んだ形で伝説が伝わった結果、彼の遺志とは裏腹に草神への憎悪が広がってしまっている。

砂漠の民は数百の諸侯へ分かれた後、互いに争いを続けた末散逸し、後にエルマイト旅団と呼ばれる集団となったが、
彼らの中でも「アフマルの目」などの一部の過激派は「キングデシェレトは部下であるマハールッカデヴァータの騙し討ちに遭い死んだ」と信じており、
キングデシェレトの再来を望むとともに、現在のスメールとその体制に対して憎悪を募らせている。
一方で、雨林地域でもキングデシェレトは花神の死によって発狂した末に数千年前のある時マハールッカデヴァータに敗れて死んだという伝説が流布しており、雨林の人々には砂漠の民を軽蔑する風潮が残っている。

  • 魔神名について
    序列7番「アモン」。君主格では最強とされる戦闘力ながら義侠心に熱く、ルシファー堕天の際には義勇軍を率いて参戦している。旧約聖書では詩歌の才能も描写されている。
    特筆すべき事項として、アモンにはエジプト神話の太陽神アメン、並びにそれが太陽神ラーと習合して解釈された最高神アメン=ラーに由来するという学説が存在する。
    デシェレトの場合はこちらの側面が強調されているようで、悪魔アモンの綴りである「Amon」や「Aamon」ではなく、英語版ではアメンの綴りの一つである「Amun」表記が採用されている。
    ちなみに、ゲーム中での魔神名の初出こそVer.3.5だが、実際にはVer.3.1の時点で既にアモンで確定的と見られていた。
    上述のようにエジプトとの関連性が強いこと、キングデシェレト文字の解読の結果霊廟に「アモン」の表記があったことなどがその理由。
  • 通称について
    通称としては横文字の呼び名を多く持つ*28が、どれも砂漠地域における赤系統の色の名前に関係する。
    • 「デシェレト(deshret / 古代エジプト語: dšrt) 」は古代エジプト語で「赤い大地=砂漠」を意味する。砂漠を意味する英語「desert」の語源とする説もある。
      また、下エジプト*29の支配者の象徴である赤冠のことも指す。上エジプト*30と共にエジプトを構成し、両者には異なる王朝が成立してエジプトの覇権を争ったこともある。
      大きな対立は2度あったが、どちらもデシェレトを戴く下エジプトの敗北で終わっている。
    • 「スカーレット(scarlet)」は「深紅」を意味する英語だが、その由来はペルシャ語の「سقرلات / saqirlāt」である。
    • 「アフマル(أحمر / ʾaḥmar)」はアラビア語で「赤」。『牧童と魔法の瓶』によれば生前には使われていなかった称号。
  • 容姿について
    未だ作中テキストでの明確な描写はないが、砂漠地帯では猛禽類の頭を持つ男性の立像&壁画が非常に多く、デシェレトとの関係性が考察されている。
    「砂王の投影」(→「金メッキの夢」の冠)はデシェレトが身に着けていた頭巾の形を模しているとされる。
    また、「トキの嘴」内(=「召喚王」)では隼のような眼力を持つ男として描写されている。
七賢者
キングデシェレトに仕えた存在たち。人間もいるようだがスフィンクスらしき存在や龍王も在籍している。
(セノの伝説任務第二幕クリア後、「沈黙の殿」内にいるNPCアセナトが各王の名前などをレクチャーしてくれる)
以下は後世に書かれた創作小説である「召喚王」内でのみ言及されている真偽不明の情報も多いため、区別できるように記述する。
ヘリシャフ
羊の王。首相、卿相。「召喚王」内では赤砂の副王で七賢者の長とされている。
ソベク
ワニの王。統帥。「召喚王」内ではワニの仮面をつけた青い肌の人間として描写されており、トキの王によって秘典の箱に封印されていたところを少年アブーに発見される。
トース
トキの王。書記官。「召喚王」内では多くの宝を所持しており、その一つである黄金の弓を狙うワニの王と幾度となく争った末、彼を秘典の箱に封印した。
ベンヌ
聖者。明ノ頂。キャンディスの盾に砂を操る加護を与えているとされる。「人の魂」を指す。「召喚王」内では太陽の下へ飛んでいく鳥とされる。
シェセプアンク
聖者。聖ノ頂。「ジンニー」を指す。「召喚王」内では雌ライオンの体と女性の顔を持つとされる。
「シェセプ・アンク」とは「魂の像」を意味する古代エジプト語で、スフィンクスの語源と言われている。
ヘルマヌビス
賢者、知恵の頂点。セノが憑依召喚している神霊。神の眷属に昇格したティナル人。神殿内に多数ある黒いジャッカル像は彼を祀ったものと思われる。
「召喚王」内では錬金術にも長けていたとされる。
由来についてはこちらを参照。
アフ・アペプ
草龍。龍の王・霊ノ頂。デシェレトに対し自身の領地内に文明を築くことを許可する代わりに、死後知識と元素力を譲り受ける契約をしていた。詳しくは下記。
「召喚王」内では王の血肉を授かったが、自身を七賢者に属するとは考えていなかったとされる。

アランナラ

スメールに住む小さな草木の精霊。アランナラは「森の民」という意味。千樹の王によって創り出された草神の眷属である。
草木を操り、夢や記憶に関する能力を持っている。普段は「夢の中のヴァナラーナ」と呼ばれる世界に住んでいる。
人間は子供にしか視認できず、一部の例外を除いて大人になると(夢を見なくなると?)姿が見えなくなり、おとぎ話の存在と認識されている。
テイワット共通語で意思疎通は可能だが、「ナラ」(人)、「マラーナ」(死域)など独特の用語を使用し、人に対しては「ナラ○○」と呼ぶ。
時間の概念も人間のそれとは大きく異なっており、太陽や月の上り下り、樹木の成長などを基準にしているが正確な日付や時刻は認識していない。
森を守り、樹と人間の橋渡しをする役割を持っており、一般的には人間を恐れているものの彼らが認めた人間には温厚に接する。
長く生きて記憶や思い出を蓄積していくごとに知能だけでなく力も増していくという性質を持ち、記憶の力によってアランラカラリという超能力のような術を使うことができる。
アランラカラリで具体的に何ができるかは個々に異なるが、個体間で記憶の受け渡しを行うことで力を増したり他者のアランラカラリを使えるようになる。しかしあまり大きな力を行使するとその分記憶が失われてしまう。
かつては人間と共に暮らしており、普通に視認もでき交流もあったという。しかし、500年前の漆黒の災厄により噴出した「マラーナ」により、かつてのヴァナラーナは侵蝕の限りを尽くされる。
千樹の王と共にアランナラはこれらと戦い、厄災の根源の枝を折り、マラーナを生み出す根源「マラーナの化身」と呼ばれる存在を封印することに成功する。しかし、数多くのアランナラが大地へと還る事となってしまった。
マラーナの化身を封印したものの、ヴァーナに広がったマラーナが消え去ることはなく、最終的に現実のヴァナラーナを捨て、「夢の中のヴァナラーナ」を創りそこに移住した。

考察(不確定情報)

アシュヴァッタの樹はヴァサラの樹の中の一個体であること、アランムフクンダ誕生の逸話、作中に登場する3つのヴァサラの樹はそれぞれアランナラの個体が変じて誕生したことなどを考え合わせると、
アランナラは「ヴァサラの樹の種の化身」という可能性が考えられる。
ただし、アランナラが変じた(アシュヴァッタの樹とは別の)ヴァサラの樹の種からも新しくアランナラが生まれる場合があるのかは不明。

アランラナ
非常に古い時代から存在しているアランナラの一人。
失踪したラナを追って旅人が接触した最初のアランナラ。
人里離れて生活するアランナラが多い中、ヴィマラ村の子供達と交流していた模様。
アランナラをあぶり出す目的でファデュイが拉致した子供達を保護し、恐怖を思い出させないために拉致に関する記憶を消して、村に送り返していた。
死域の影響を受けたラナを保護し、旅人に「ビージャの実」を入手することを依頼する。
ウツァヴ祭とマラーナの化身との戦いを終えた旅人の前にアランマによって連れられ、アシュヴァッダの樹に自らの記憶を捧げてビージャの実を実らせる。
その結果記憶を喪失したものの、その記憶はビージャの実の力を受け取ったラナに受け継がれ、ラナと共に長い旅に出る。
アランマ
若いアランナラ。
アランラナの導きでヴァナラーナに到着し、試練を乗り越えた旅人が見つけたアランナラ。
旅人とともにアシュヴァッタ堂でヴァソマの実を入手し、ウツァヴ祭の開催へと導いた。
その後ビージャの実を実らせるためアシュヴァッダの樹へと旅人を案内するも、アシュヴァッタの樹の内部はマラーナにひどく汚染されていた。
アシュヴァッタの樹の記憶を受け継ぎ、そのアランラカラリと旅人の力を合わせて死闘の末に死域の根源たるマラーナの化身を撃破する。
最終的には新たなアシュヴァッタの樹へとなることを決意し、「かつてのヴァナラーナ」の奥底で芽吹き無事ビージャの実を実らせた。
アランラジャ
七天神像前の大きな家にいる、長老らしいアランナラ。焦げ茶色。
古い時代から存在しているアランナラの一人で、「アランラジャの見る夢」そのものが今の「夢の中のヴァナラーナ」であり、ヴァナラーナ奥地にそびえる「夢の樹」の本体。

「アグニホトラ経」に登場

アランナキン
一緒にゾーラ茸を探すことになる。笠に音符の模様がついたオレンジ色。
思ったことがすぐ口に出るタイプなのか、興奮してまくしたてたり、歌に合わせて続きを歌ったら『ありがとう。下手くそだな。』と言ったり。
石トーチを復元したり、石碑に力を与えることができる。
アランガル
一緒にバルサムフラワーを探すことになる。緑色。
ツタ付きの岩を壊すことができる。『アランガルは石を砕ける!ハッ!ハッ!バリンッ!』
アランナガ
一緒にヤグナ草を探すことになる。笠にメガネのような木の輪をつけている茶色。
ツタで特定の足場を浮かすことができる。

「一炊の夢」に登場

アランパカティ
妹。もうすぐウツァヴ祭だというのに『お料理修行』に行って帰ってこない4人の兄(アランチャトラ・アランサカ・アランパス・アランファラ)を連れ戻してほしいと依頼する。
兄妹とはいうものの血縁関係ではなく、一種の役のようなもののようだ。なんなら兄だったこともあるという。兄妹というものはナラヴァルナから聞いたとのこと。
アランチャトラ
料理をする兄その1。アタマダケを求めている。
とても丁寧な話し方をする。山吹色の身体に、紅色のラインが入っている。
アランサカ
料理をする兄その2。「喜びの味」を求めている。
気が小さい。子供の頃の行商人ヨニスと一緒に砂糖を食べたことがあるようだ。
アランパス
料理をする兄その3。極上の水を求めている。
『スープを味付きに変えられる水はないかな…』赤いカエンタケ的な見た目。
アランファラ
料理をする兄その4。「新鮮極上の果実」を求めている。
オレ・アイツ口調。濃緑と濃橙色の笠に、夕暮れの実らしき果実をのせている。

「ヴィマナ聖典」に登場

アランラキャ
水色のアランナラ。ヴァマッダ(ツルつき円球)を回す力がある。
森の異変を察し、デーヴァーンタカ山の遺跡巨像を調べにきていた教令院の学者ジャザリーを警戒していたが、のちに誤解だとわかり、力を貸すことに。
子供の頃のロインジャ&アマディアと共に遊んでいたようだが、今のアランラキャにはその記憶が無いようだ。

アシュヴァッタ堂探し:「間道に繋ぐメロディー」「新芽迸発のメロディー」「獣径を提示するメロディー」に登場

アランヤサ
詩人然としたアランナラ。初対面でいきなり詩を歌いはじめるほど。アランマ曰く『歌摘みのアランナラの中でも一番度胸があって、よくナラの歌を習ってくるんだ。』
アランジ
迅雷樹の南の池からつながるヴァソマの樹はアランジが成ったもの。
そもそもアランナラたちは、よく見られる精霊のような姿だけでなく、樹になることができる。
臆病な性格で、静かな場所でそっと歌うのが好きだったとのこと。「間道に繋ぐメロディー」を遺した。
アランシュティガ
アランマの友達。歌摘みをする。
アランマハ
ヤスナ幽境地下水域のヴァソマの樹はアランマハが成ったもの。「新芽のメロディー」を遺した。
アランダサ
喋るのがあまり好きでなく、鍵括弧つきのセリフや『~♪』で自分を表現する。
アランヤマ
デーヴァーンタカ山東部のヴァソマの樹はアランヤマが成ったもの。
かつてはナラ嫌いでナラ達に対し幻影を作って邪魔をしていたが、とあるナラに見破られる。
以後はそのナラと仲良くなったが、かつての漆黒の災厄ではアランナラやナラを救うためにヴァサラの樹となる。
「獣径のメロディー」を遺した。
かつてはアランニムバ、アランミナリと共に暮らしてたといい、強力なアランラカラリを扱えたという。

「ヴァルナ伽陀」に登場

アランパンドゥ
なのです口調。朽葉色の高い笠にメガネのような木の輪をつけている。
ヴァルナ神器への力の通り道となる『葉っぱ』と『枝』と呼ばれる石を修復することができる(これは以下のアランナクラ・アランバリカ・アランコンティも同様)。
かつてナラヴァルナと共に森を守った。
アランナクラ
臆病な性格で、キノコンに見つかると逃げ出すほど。ヤスナ幽境で一緒に石の記憶(ナラヴァルナの記念碑)を取り戻すことになる。
また、土いじりが好きで、ヴァルナ神器が復旧した後はヴィパリャスの世話をしている。
青柳(色)の笠に黄色い身体、農作業道具のようなものを入れたポケットを左腰につけている。
アランバリカ
遺跡守衛を一瞬で消し飛ばすほど強力なアランラカラリを持つ。
ダーリ遺跡で、遺跡を侵入者から守っている遺跡守衛に対し、もともと森にいるから侵入者もクソもない、こいつは分からず屋だとした上で放った一言が『メガトン大鉄塊が分からず屋なら、アランバリカが分からせてやるしかない。』
その一方、『アランバリカが強ければアランナラを守れる』と発言するなど、仲間や自分の力のあり方についても考えを持っているようだ。
アランコンティ
ときどき屁理屈っぽい…というか回りくどい話し方になるアランナラ。オレンジの蝶ネクタイをつけている緑色。夢の林(アパーム叢林中西部の地下)でお世話になる。
アランカラ
ヴァナラーナ西部の苗畑にいるアランナラ。「ヴァルナ伽陀」終了後、帰ってきたアランナクラと一緒にヴィパリャスを育てており、ヴァスミリティを集めることになる(「芽吹く新たな蕾」)

「ウツァヴ祭」およびフィールド上、その後の話などに登場

アランカヴィ
ヴァナラーナ中央の池のところにいる、オレンジ色のアランナラ。年長者的なポジションで、アランマを激励し、またアシュヴァッタ堂探しにアランヤサ・アランシュティガ・アランダサを送り出す。
アランリラ
かくれんぼをしているアランナラ。緑の笠と赤いライン。普段はヴァナラーナ中部のトンネルから、真東に抜ける道にアランニシャットと二人でいる。
アランニシャット
かくれんぼアランナラ2。黄色。
アランイシャ
いつもなぞなぞを考えている。ウツァヴ祭ではおいしいなぞなぞを出してくる。
アランカンタ
かけっこをしているアランナラ。『足の速さ勝負』を挑んでくる。普段はヴァナラーナ東部でポコポコと走っている。
アランヤシ
七天神像の前でみんなを守ろうと気を張っている。『ここを見張って、みんなの安全を守らなきゃ…』ウツァヴ祭の最中も気を抜かず、『祭りのときこそ…油断しちゃダメだ。』
アランカルマン
夢の樹の前にいて、昔のアランナラたちにまつわる物語を聞かせてくれる。髭付きの焦げ茶色。
アランビナイ
夢の樹の前にいる。特定の任務をクリアし、"〇〇に関する物語"を手に入れて聞かせると、鍛造設計図と交換してくれる。山吹色。
アランプラブ
アランダーシャに憧れ、修行をがんばっている。ヴァナラーナ東部の家の前にいる。
アランマニ
商人アランナラ。背中にバッグを背負っている。ヴァナラーナ中部のトンネルにいる。商魂たくましく『イチオシの品』…もとい『特産』ことスメール特産品を売ってくれる。
アランロヒタ
妙論派の学者として教令院の歴史に名を残している、「カビカバス」と共に旅をしたというアランナラ。
旅の中で得た知識により、普通のアランナラにはない時間の概念を理解していたようだ。
アランニムバ
各地を旅するアランナラ。層岩巨淵で手に入る「種」を蘇らせることで出会う。
黒いナラ(おそらく黒蛇騎士)に追い詰められた際に、自らを「種」になるまで退化させ眠ることで生きながらえていた。
かつてはアランヤマ、アランミナリと共に暮らしてたといい、絵を書くのが得意だったという。
アランミナリ
とある場所で宝箱を守るアランナラ。
スメール各地のアランナラに手を差し伸べると、箱の中身をアンラミナリ自らが詰め込んでくれた上で譲ってくれる。
アランマ曰く、アランミナリは「宝」を「箱」に入れるのが好きなんだとか。
アランムフクンダ
最初のアランナラであり、「アランナラの物語」の始まり。
かつて500年前の漆黒の災厄ではアランダーシャ、ナラヴァルナと共にデーヴァーンカタ山の巨大な遺跡機械を討伐した。
マラーナの化身の最後の封印として、巨大なヴァサラの樹となりその身を捧げた。
マラーナの化身との決戦において自らの記憶をアランマに渡し、サルバへと還った。
旅人たちが目にしていた「アランムフクンダ」はおそらくサルバから自らの体を顕現させたもの?
アランムフクンダのアランラカラリはサルバを通して瞬間移動する「転送」を行えたことからも、サルバに関するアランラカラリを使えたのかもしれない。
最初のアランナラで長く存在しているだけあって知能もかなり高いようで、「年」の概念を利用するなど完全に人間に合わせた語彙で会話ができる。
アランダーシャ
アランナラの物語において最も強かったとされるアランナラ。
アランダーシャの持つアランラカラリは千樹の王より強力とされ、遺跡機械程度なら倒すことも容易だったという。
そのアランラカラリは最初から強かったわけではなく、修練によって鍛え上げられた賜物だった。
また、スメール各地で遺跡機械を封じている「石の錠」はアランダーシャのアランラカラリによって施されたもの。
アランダシャン
「石の錠の伝説」で登場。16個の石の錠を解き、封印されているメガトン大鉄塊を片づけて欲しいと頼んでくるが、いかんせん登場するのは16個すべて終わった後である…。一人称が「アランダシャン」。オレンジ色の高い笠。
アランユタ
アランダシャンの友達1。アランダーシャの伝説を熱く語ってくれる。『ねえねえ、次はボクに語らせて。ボク、その後の物語がいっとう好きだ。』緑色の笠に薄い桃色の花が咲いている。
アランサタ
アランダシャンの友達2。よく比喩を使う。『どんなに頑丈な崖でも、風で石は落ちてしまうし、どんなに立派なアリの巣も、嵐で泥に崩れてしまうでしょう…?』オレンジ色の笠に、赤みがかった色の身体。
アランサハ
アランダシャンの友達3。口数が少ない。『…ありがと。』身体も笠も青よりの緑。
アランシャクン
「勇気を心につけて」で登場。勇気をなくしてしまったというアランナラ。昔、大事な友達を勇気を振りしぼって助けたところ、その友達から勇気の証として花を貰った。それ以来、勇気=その花と考えているようだが…
アランボタ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ1。「いいもの」を数えるゲーム(数を記憶するゲーム)で遊ぼうと言ってくる。璃月-スメール国境の丘、池と池の中間あたりにいる。オレンジ色の笠。
アランハドゥ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ2。キラキラ(元素粒子)を隠すゲームで遊んでくれる。ヤザダハ池南西のワープポイントから南東のところにいる。山吹色。
アランダニシ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ3。すばやく指定した物を見つけるゲームで遊ぶことになる。デーヴァーンタカ山東部、高所ワープポイントから西に降りたところにいる。『やっぱり聞いた通り「仕事が早い」の!』濃緑色の笠。
アランチャントラ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ4。『金色のナラって、アランラカラリを使わなくても強いの?』 順番に壺を割るゲームで「腕を披露」しよう。マッシュラプトルのワープポイントから見て南の丘の上にいる。黄味がかった身体に早苗色の笠。
アランプールヴァ
伝説任務 琉金の章 第二幕に登場。一人称は「ワシ」。
旅人に呼び出されたところに想定外の人物がいても冷静に対処し、成熟した精神でありながら童心を忘れない宵宮を認め、力を貸す。
アランシャニ
伝説任務 琉金の章 第二幕に登場。エービンの友達。
アランナラの会話に出てくる用語
ナラ
人、人の形をしたもの
マラーナ
死域
ワルカ
砂、砂漠
ヴァーナ
サルバ
地脈
マハヴァナラーナパナ
夢の中のヴァナラーナ、アランナラの宇宙
ヴァナキ
トリックフラワー・炎
千樹の王
マハールッカデヴァータ
ワルカの王
キングデシェレト?
ヴァルナ秘宝
アパーム叢林で湧き上がる巨大な水柱
ヴァルナ神器
アランムフクンダと千樹の王によって創造された天候操作装置
ヴァサラの樹
雨林の一部の地域に生えている樹木の一種。螺旋のような形状が特徴的だが、この形状の樹はマラーナの侵蝕により枯れた個体である可能性がある。アシュヴァッタの樹にエネルギーを供給するヴァソマの実を生み出すことができる。
アシュヴァッタの樹
現在の雨林ができる前、千樹の王の歌によって誕生した最古のヴァサラの樹。千樹の王の頼みに応じて実らせたザクロの実の種から最初のアランナラであるアランムフクンダが生まれた。
そのため、アランナラは自分たち全員を「アシュヴァッタの樹の子供であり、千樹の王の子供」と考えている。
強力なエネルギーを秘めたビージャの実を生み出せるが、実際に生み出すためにはアシュヴァッタの樹自身が3つのヴァソマの実からエネルギー供給を受けなくてはならない。
アランラカラリ
アランナラが持つ記憶によって構成された個々によって違う特殊な力の総称。
自身のアランラカラリ以外にも、他のアランナラから記憶を受け継ぐことでそのアランナラのアランラカラリを使えるようになる。
このアランラカラリは修練で鍛えることも可能なようで、キノコン相手すら倒せないアランナラから、アランバリカのように遺跡機械を一撃で粉砕するアランナラもいる。
また、アランナラの力の根源は「記憶」であり、アランラカラリとは別に「記憶を消費」することで行使することのできる力がある。
記憶の力は強力ではあるが、使うと当然その記憶は流れ出てしまい、力も失ってしまう。
アランラカラリとは、元々アランナラが千樹の王やナラを称えるための賛歌で、古い言葉で「マハーミトラクサストートラ」と呼ばれ、「死」の使徒に対抗できるとされていた。
アランムフクンダ、アランラナはかつての千樹の王の奇跡を目にした事により、アランラカリの力を手にしたという。

大赤砂海王名表

スメールの砂漠地帯には長い歴史があるのだが、入れ替わりが激しい上に作中で概観が書かれた書籍がないため、いまいち前後関係をつかみにくい。
そのため、参考として、以下にそれぞれの時代の代表的な王もしくは英雄を時系列順で示す。

  • 1 キングデシェレト存命時、ジュラバドの建国と最盛期
    • フヴァストラ:暴君。リルパァールの夫オルマズドが打倒した。
    • オルマズド:ジュラバド初代の王。リルパァールの夫。牧童から身を立てたが暴君となり、娘のシリンに毒殺された。
    • キスラ・パーヴェズラヴァン:砂海史最大にして最高の英雄王。「勝利の霊」「勝利の魂」とも。孤児からジュラバド第2代王となり、砂海の諸国全てが臣従する諸王の王となる。オルマズドとリルパァールの娘のシリンを妃としたが、実は自分も二人の実子。
    • シェロイ(「黄銅の仮面」ホラムディン):ジュラバド第3代の王。キスラとシリンの息子。父に捨てられたが下層民を率いて打倒。即位直後に大災害で王国が半壊し、後世「疫の王」と蔑称で呼ばれる。
      • シェロイの死後にキングデシェレトが王国崩壊を裏で画策したリルパァールを罰しているので、この時はまだキングデシェレトは存命だった。
  • 2 キングデシェレトの死後から古代ジュラバド崩壊まで
    • カブスベイ:シェロイの正統な後嗣とされる人物。長い時を経てジュラバドに帰還した。
    • ラムシャフ:カブスベイを非難してジュラバドの王位を簒奪か?(離れた時代の人物の可能性もあり)
      • ラムシャフの宣言に「もしアフマルが健在していたなら」とあるので、ラムシャフ王の代で既にアフマル(キングデシェレト)は死亡していたと思われる。
    • アルダシール:ラムシャフの息子。幼くして王となったが間もなく死亡。
    • トゥラン:ラムシャフに仕えたサレハのハガン(君主)。アルダシールを相国として補佐し、その死後にジュラバド摂政として実権を握る。しかし(反乱か何かによって)三人の息子と共に処刑された。
    • フマーユーン:ラムシャフに仕えたトゥライトゥーラ王。摂政トゥランが逆賊として処刑された後、ラムシャフの王女と結婚してジュラバド王位を兼ねる。しかしジンニーの反乱で殺害された。
    • ムアザム:三神統治時代の旧都アイ・ハヌムを再建した人物で、元は「ガルサスプ」としてラムシャフに仕えていた。フマーユーン死後の戦国時代を平定しムアザムハガンに改名、「すべてのハガンの大ハガン」として、統一王朝の首都をジュラバドから別の都(アイヌ・ハヌムか?)に遷都したが、その代で滅び、遺民はトゥライトゥーラに移った。
  • 3 トゥライトゥーラ王国の興亡とアアル村の建設(古代ジュラバド最後の王ムアザムよりかなり後の時代)
    • サリブ・ドーレイ:元はグーダルツという名前で、トゥライトゥーラの有力者(武将もしくは王)だったが、廃墟ジュラバドを再建して砂海の統一王となり、「蒼暮細雨」と呼ばれる平和を築く。
      しかし王子フォジールの急死事件を契機として治世末期に内乱を招き、オルガナの覇王ムザファールに敗北して一族もろとも処刑された。
    • ムザファール:オルガナ(現在のオルモス港)の覇王。サリブ・ドーレイを破りジュラバドを破壊、砂漠諸国を蹂躙した後、トゥライトゥーラに新拠点を定めた。
    • ズムルド(「緑の王」):トゥライトゥーラ王。ムザファールの息子。99人もの子がいた。
    • バッダナー:ズムルドの孫か?(息子とする碑文もある)。踊り子マカイラを側室とするが、実は彼女はバッダナーの先祖に滅ぼされた国の王族の末裔であり、王子ファラマーツと共謀したマカイラに暗殺された。
      • ★4両手剣「マカイラの水色」は、このマカイラの武器である。
    • ファラマーツ:バッダナーの息子。父の側室マカイラと共謀し父王を暗殺させて即位、マカイラを摂政王妃とした。
      • ★5片手剣「萃光の裁葉」はファラマーツの晩年の武器(後述)。
    • バラシュ: ファラマーツの叔父。トゥライトゥーラの相国だったが、甥から国王の座を譲位された。
    • ファラマーツ(復位):国舅(=マカイラの親戚)のゴーラツが反乱を起こして、ファラマーツを復位させ、ゴーラツとマカイラが共同摂政となった。
    • ゴーラツ:ファラマーツから王位を簒奪して追放し、親戚であるマカイラを妃とする。しかし民衆からの猛抗議を受け殺害された。
    • ファラマーツ(再復位):マカイラはファラマーツを呼び戻して再婚し、摂政王妃として内乱を平定した。しかし間もなくマカイラは毒殺され、ファラマーツも市民と結託した奴隷兵士によって退位させられ、雨林に追放された。
    • サイフォス:厳密には王ではなく、王無きトゥライトゥーラの守護者として活躍した英雄詩人。「盲目の詩人」の弟子で、マカイラの元恋人でもある。
      亡国の王子であり、故国再建と永遠のオアシス発見を目指していたが、砂漠の傭兵となっていた前王ファラマーツに敗北し殺された。
      • ★5片手剣「聖顕の鍵」と★4片手剣「サイフォスの月明り」は、このサイフォスの武器である。
      • なおサイフォスを敗死させた後、ファラマーツは雨林地帯を制覇しようと単身乗り込むが、森林王や女狩人、アランナラたちと接することで野心を捨て、森を守る戦士となっている。★5片手剣「萃光の裁葉」は。この雨林時代のファラマーツの武器。
    • 「盲目の詩人」:英雄詩人サイフォスの師匠。砂海の戦乱が終わらないこと、弟子が志半ばで討死したことに絶望した彼は、砂漠の片隅に新たな地を開発し、キングデシェレトの昔の夢に因んで「アアル」(=「葦」)と名付けることにした。
      • ★5両手剣「葦海の標」は、おそらくアアル村の位置にあったキングデシェレト時代の遺跡アクタモンから彼(かその仲間)が発掘した剣であり、アアル(葦)という名前はこの武器に因んでいると思われる。

ジュラバド

花神ナブ・マリカッタの死後、その遺民によって建国された国の一つ。初代君主は人間のオルマズドで、その正妃は大ジンニーのリルパァール。
花神の元眷属であるジンニーと、彼女たちと契約を交わしたキング・デシェレトの両方の加護を受けたため、当初はスメールの砂漠諸国の中で最も繁栄した国だった。
赤砂の石板では「真珠の中の真珠」「星の中の星」と呼ばれている。

初代オルマズドは暴君であり、その治世は厳しい奴隷制であった。
しかし、孤児から英雄となったキスラ・パーヴェズラヴァンが、オルマズドの娘シリンを妻とし第2代の王となると、砂漠の全諸国が従属するほどの栄華を極め、キスラは諸王を束ねる統一王となる。
キスラ王はジンニーの欠片が入った機械を導入し、奴隷制を解放したが、それは逆に下層民たちが職を失ってますます困窮する結果になった。
そのため下層民を率いた「黄銅の仮面」ホラムディンがキスラを打倒し第3代となるが、実はその正体は父に疎まれ幼少期に捨てられた王子シェロイだった。
シェロイに父殺しをそそのかしたのは母シリンだが、さらに彼女に予言を伝えたのはシリンの母リルパァールである*31
また、リルパァールはオルマズド一族を蜂蜜で溺死させたという伝説も残されており*32、ここから「ジンニーの母」という忌み名で呼ばれる。
第3代シェロイの死後も王国自体はある程度存続したようだが、内乱で王が二転三転するなど混乱が続き、ジンニーの反乱なども発生、やがて伝承のみに語られる国になっていった。

王朝崩壊の真相はリルパァール本人によって世界任務で語られており、おおまかな流れはおおよそ表の歴史通りであるが、細部はそれよりもさらに背徳的な復讐譚となっている。
キスラはリルパァールの実子(つまり妃シリンの実弟)である、そもそもシリンとキスラ姉弟の誕生からしてリルパァールの破滅計画の一部である、オルマズド一族は蜂蜜ではなく漆黒の力(アビス?)に呑まれた、など。

  • モデルについて
    ジュラバドの元ネタは、イラン(ペルシア)の最盛期であり、当時の人類文明の中心地であった大帝国サーサーン朝(226年 - 651年)であろう。
    英語版の綴りはGurabadで、これはペルシア語で「Gurの都市」という意味だが、サーサーン朝最初の都はゴール(Gōr)もしくはグール(Gūr)という市に置かれていた(現在のイランのフィールーザーバード)。
    ジュラバドの興亡史は、「パルヴィーズ」(勝利者)の尊称を受け英雄と讃えられた帝王ホスロー2世(アラビア語名キスラ)と、その息子のカワード2世(幼名シェロエ)の歴史が下敷きになっていると思われる。

    余談だが、サーサーン朝建国者のアルダシール1世は、女神アナーヒターの神殿の最高神官の家系に生まれ、自身もその聖職者だった。
    しかし作中のジュラバドは、スメール三神の中で花神とキング・デシェレトとの関係が深く、逆にアナーヒターがモデルと思われるナヒーダとは縁がほぼないという逆転関係になっている。
    一応、「花神誕祭」はジュラバドの行事でもあったが……。

ジュラバドのジンニー

リルパァール(リルファル)
ジュラバドの建国者オルマズドの正妃となったジンニーであり、花神ナブ・マリカッタの右腕フェリギスを姉に持つ実力者。
蓮の葉の上の香しい露の間から生まれ、「睡蓮の娘」の異名を持つ*33。後世では「ジンニーの母」とも呼ばれるが、これは蔑称に近い。

数千年前、牧童オルマズドに一目惚れして籠絡し、キング・デシェレトと共に彼に恩寵を授けて暴君フヴァストラを打倒させ、さらに姉フェリギスの助力も得て新王国ジュラバドを建造した。
しかし建国後、凡百の暴君と化した夫に失望した彼女は、三代かけて彼の王朝を滅ぼすという邪悪な復讐を思いつく。
娘のシリン、息子のキスラ(表の歴史では娘婿だが実は実子)、孫のシェロイをそそのかし、最後は「漆黒のアビス」の力にまで頼ってオルマズド一族を互いに争わせて崩壊させ、これがジュラバド衰退の原因になった。
旅から帰還したキング・デシェレトはジュラバドの顛末に驚いてリルパァールの魂を分割し、それらは七人の賢者によって秘匿された*34
碑文には「…無限の時間が彼女に…救いの希望を与えるように…」とも書かれており、キング・デシェレトからの刑罰であると同時に精神治療のようでもあったようだ。

作中軸では、「永遠のオアシス」を探す旅人とジェイドによって解放させられ、一目で気に入った旅人に臣従する契約を結ぶ。
目的は永遠のオアシスに眠るはずの花神の遺体を一目見ることだったようだが、それはキング・デシェレトと姉フェリギスが流した偽装情報であり、実際にはオアシスに遺体など残されていなかった。
本来であれば復讐心に怒り狂うはずであったが、(キング・デシェレトが予想した通り)数千年の封印を経て既にそのような感情は流れ去った後だった。
最後はジュラバドの遺構を懐かしく見届けた後、王国崩壊の真相を旅人に語る。そして自分が撒いた禍根である漆黒の力と相対するため、また子どもたちの魂に会いに行くため、旅人の元を離れた。

  • 元ネタについて
    英語版の名前はLiloupar。異名が「睡蓮の娘」なことから、ペルシア語で「睡蓮」を意味する女性名「ニールーファル」(نیلوفر、Niloufar)が由来と思われる。
    とすればニィロウと語源がおそらくかぶっていることになるが、二人の関係は不明。性格は正反対だ。

    歴史的なモデルは、サーサーン朝のホルミズド4世の妃でホスロー2世の母に相当する人物と思われる。
    しかし、中東史を代表する偉大な帝王の母にも関わらず、大貴族ヴィズタムの姉妹という以外はあまり注目されない女性で、名前すら残っていない。
    この辺のミステリアスな要素も、リルパァールの物語の着想のもとになったのかもしれない。

フェリギス
花神ナブ・マリカッタの眷属であるジンニーで最高位の精霊。リルパァールの姉。妹同様、尊大な性格ではあるが千尋の砂漠周辺のオアシスを維持する等妹とは異なり人間に尽力したジンニー。
花神復活を条件にキング・デシェレトと契約を結び、ジンニーを引き連れてその傘下に入った。
当初はアイ・ハヌムを守護していたが*35、後に妹の夫であるオルマズドのもとに派遣されてジュラバドの建設を手伝う*36。また、花神の霊廟として「永遠のオアシス」を建造し、自らそれを維持する装置のパーツとなった。
第2代の王である英雄キスラ・パーヴェズラヴァンに対しては、リルパァールの謀略に耳を貸さないよう忠告するが、その諫言が聞き入れられることはなかった*37

ジュラバド崩壊後も、数千年に渡って永遠のオアシスを守っていたところへ、旅人とジェイドに解放されたリルパァールが来訪。
一目だけでも主人の遺体を見たい、と懇願するリルパァールに裏切り者は去れと拒絶して戦いになるが、旅人たちに敗北した。
消滅する直前、実は「永遠のオアシス」に花神の遺体など残されていないことをリルパァールに明かす。
遺体がないことを知りながら花神復活という虚偽の契約をキング・デシェレトと結んだ理由は、「無名の石碑・3」からすると、たとえ束の間だとしても花神の遺民たちに希望と喜びを与えたかったからのようだ。

  • 名前について
    英語版はFerigees。名前の元ネタは、ペルシア最大の叙事詩『シャー・ナーメ』(『王書』とも)の登場人物、英雄王カイ・ホスローの母ファランギースの異綴り「ファリーギース」(Farīgīs)と思われる。

ジュラバドの人類

オルマズド
シリン
キスラ・「パーヴェズラヴァン」
シェロイ(ホラムディン)

英雄の時代(2000年前~500年前)出身

霊光(クヴァレナ)
花神ナブ・マリカッタが生前、悪夢の到来の未来に備えて、自身の体から分離させた聖なる力。聖遺物「霊光起源の蕊」では花神から「私の無邪気な娘」と呼ばれている。
誕生は魔神戦争終結以前(2000年以上前)と思われるが、便宜上ここに記載。
生まれた瞬間から度重なる転生を運命付けられており、後に草神マハールッカデヴァータの力で神鳥シームルグに変えられ、さらに500年前には水神エゲリアの亡骸の力と融合して霊光百種(花霊を含む)となっている。

なお、日本語版と中国語版では世界任務「善悪のクヴァレナ」の任務名で「クヴァレナ」(赫瓦雷纳)という用語が用いられているが、英語版を見る限り「霊光」と同じ意味である。

  • 「霊光」の元ネタについて
    中国語の「灵光」(língguāng、霊光の簡体字)は、神や仏の後光のこと。後述するフワルナフ(クヴァレナ)の訳語として用いられていると思われる。
  • 「クヴァレナ」の元ネタについて
    英語版では「霊光」も「クヴァレナ」も、いずれもKhvarenaとなっている。
    よって元ネタは、ゾロアスター教の「フワルナフ」(アヴェスター語:𐬓𐬀𐬭𐬆𐬥𐬀𐬵、Khvarenah)であろう。クヴァレナはその英語読み。
    直訳は「栄光」だが、ゾロアスター教における神聖で神秘的な霊力を指すとされ、選ばれし者への加護として与えられることがあるとも言われる。
    (『原神』のジュラバドの元ネタと思われる)サーサーン朝ペルシアの芸術では、神や王などの後ろに指す後光(=中国語では灵光(霊光))として表されることが多かった。
シームルグ
マハールッカデヴァータが友人であるナブ・マリカッタから託された霊光から作り出した、千万の鳥の色と千万の花の和声を一身に持つナブ・マリカッタの最後の魂たる神鳥。
いずれ漆黒の災いが訪れることを予言したナブ・マリカッタが人の世を守らせるために遺していった存在であり、漆黒の悪意と『死』の脅威から生命を守るために自らを犠牲にすることが宿命付けられていた。
マハールッカデヴァータによって新生と死の堺を見守る責務を与えられると災いの到来まで眠りにつき、予言通りに災いが訪れると、先代の水神の亡骸から生じた甘露を飲み、保有するすべての霊光の力と融和させて霊光百種を創造し、黒淵の穢れを浄化して甘露の純潔さを守るために自らの体を崩して無数の霊光となって災厄を鎮めた。
神鳥の死後は霊光百種が花海を守護するようになり、百種の中でも知性を持つことができたものが花霊となった。

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身

魔神

ブエル(ナヒーダ/クラクサナリデビ/マハークサナリ)
現在の草神で知恵を司る七執政の一柱。幼い女性の姿をしている。約500年前に起きた漆黒の災厄の後の生まれた最年少の七神。
強力な肥料「豊沃の恵」を生成(作成?)し、砂漠地帯が国の大部分を占めるスメールの農業を助けている。生誕日は花神誕日と呼ばれ「花神誕祭」という祭りで祝われている。
先代草神の失踪を受けた教令院の賢者たちによって、子供同然の知識しか備えていない状態で発見された後、スラサタンナ聖処に幽閉され、今に至るまでアーカーシャ端末を通じ知識を蓄えている。
賢者らによって事実上の軟禁・隠蔽状態にあるため自身の信徒はほとんどいないが、スメールの民を気にかける志に変わりはなく、アーカーシャや夢を通じて接触し、彼らを導いてきた。
第三章の最終盤に自身の誕生の秘密をマハールッカデヴァータから聞かされる。さらに、世界樹の禁忌の知識による汚染を除去するためには、この知識に触れてしまった自身がこの世から去ることが必要だが、世界樹と深く結びついた存在ゆえに死ぬだけでは世界樹に記憶が残り続けるため、「マハールッカデヴァータ」という存在を世界樹の記憶から完全に消去することでしか治療は行えないことを告げる。
世界樹の記憶に干渉し過去が改変された結果として、マハールッカデヴァータという神は最初から存在しないこととなり、マハールッカデヴァータとして起きた出来事がそのままブエルへと置き換えられ、スメールは一度も神が代替わりしていない国となりブエルも魔神戦争の勝者になり、かつ500年前に力を使い果たして記憶を失い、幼子の姿になったことに失望した賢者により幽閉された神ということになった。こっちの方がより賢者の愚行感が増している気がする
改変前での世界では「(太陽たるマハールッカデヴァータに対して)私は月に過ぎない」といった自虐めいたセリフを繰り返し発していたが、改変後はそのようなことを口にすることは無くなった。
  • ヌヴィレットが評しているように以前旅人が訪れた国の神と比較すると個々に入れ込む傾向が強く、特に幼い時のドニアザードや放浪者となったスカラマシュとの関わり方は彼らの今後の生き方を導いていっているようにも見える。
  • 名前・元ネタについて
    名前の由来は、パーリ語の”Kusanāḷi”(意味は吉祥草、もしくは吉祥草に宿る精霊)と、サンスクリット語の”Cūla”(小さい、“Culla”とも)及び”Devi”(女神)であると思われる。
    また、中国語表記では”小吉祥草王”であり、英語表記では“Lesser Lord Kusanali”であるように、“Greater Load Rukkhadevata”であるマハールッカデヴァータよりも位が低い存在であるかのように記載されている。
    放浪者のキャラクター紹介で登場した名前である「マハークサナリ」は、このまるで矮小な神であるかのようなニュアンスを消したものであると思われる。
    英語版では"Blessed One of Wisdom, Mahakusaladhamma"であり、パーリ語の"Maha"(偉大なる)、"kusala"(善巧)、"dhamma"(法、ダルマDharmaと同義)の名を冠している。
    中国語の"摩诃善法大吉祥智慧主"と比較すると"大吉祥"を汲んだのが日本語版、"摩诃善法"を汲んだのが英語版と言えるだろう。
    魔神としての元ネタは序列10番「ブエル」。ライオンの頭に、まるで車輪のように5本のヤギの足が生えた奇妙な姿をしている事で有名。自然哲学・道徳哲学・論理学やあらゆる薬草の薬効に詳しく、病の治療(特に病気の人間を健康体に戻す知識)に精通する、草の神・知識の神としてこの上なくピッタリなモチーフだろう。
  • 賢者達が自ら迎え入れた神を軟禁し隠蔽するという不可解な行動の意図は、「新たな神の誕生はマハールッカデヴァータの死を証明してしまうため、(ほかの誰かによって発見、あるいは本人の顕現によって)新たな信仰が生まれる前に軟禁し神の行動を制限することでマハールッカデヴァータ信仰を維持させた」ということだと考えられる。この目論見通り、現在のスメールの人々はマハールッカデヴァータの死やクラクサナリデビの誕生自体は認識しているものの、マハールッカデヴァータへの信仰は引き継いでおり新たな神への信仰はほとんど生まれていない。本人は特にこの措置に不満を持っておらず、マハールッカデヴァータに及ばない自身を自覚したうえで「彼らは間違っていない」「(少なくとも魔神任務第三章・第二幕の一件までは)教令院の統治に大きな問題は一度もなかった」と発言している。その言の通り、マハールッカデヴァータのような強大な力は保持しておらず、知恵の神としての力も現在はアーカーシャを通じて行使するにとどまっているようだ。
  • ブエルという名前が判明するのは第三章の最終盤に神となったスカラマシュより告げられた。ここまで魔神名が伏せられていたのはおそらくクラクサナリデビ=マハールッカデヴァータであると思わせたかった意図が関係しているものと思われる。
  • 魔神任務第三章終了後、各魔神たちからナヒーダに対する賞賛の声があがっているのだが、本来の歴史ではナヒーダは生誕から現在に至るまで幽閉されていたため、ナヒーダと各魔神たちに面識は一切ない。そのため彼らの発言に矛盾が生じているが、その点に関するフォローなどはない。
ティル・ヤザド
世界任務「善悪のクヴァレナ」の最終章「ティル・ヤザドの賛歌」のタイトルになっている用語。「霊光絶唱」に関わる任務であり、名前の元ネタ(後述)が雨神であることから、おそらく「霊光百種」の母としての水神エゲリア、もしくは500年前にその亡骸から生まれた甘露活水のことを指すと思われる。
  • 名前について
    英語版はTir Yazad。中期ペルシア語(パフラヴィー語)で「中級神ティル」といった感じの意味。
    ヤザドは、ゾロアスター教で「中級の善神」を意味するヤザタ(アヴェスター語:𐬫𐬀𐬰𐬀𐬙𐬀、Yazata)の中期ペルシア語形の一つ。
    ティル(現代ペルシア語:تیر、Tir)は、ゾロアスター教の慈雨の神ティシュトリヤ(アヴェスター語:𐬙𐬌𐬱𐬙𐬭𐬌𐬌𐬀、Tištrya)の、中期ペルシア語および現代ペルシア語での呼び名。ちなみに男神である。
    旱魃の悪神アパオシャに一度敗北するが、人間からの供物の力で最高神アフラ・マズダの神威を得ることができ、再戦で死闘の末に勝利したとされる。

人間

「緑の狩人」(ヴィリデセルン?)
弓使いの女性。元々は鳥や獣を狩る普通の狩人だった。
古国が大災害に襲われた折、盲目の少年の死に際の願いを聞いた後、仇討ちとばかりに漆黒の獣を狩る狩人となる。
幾度も獣たちを狩り続けた末、自身もまた獣の姿となってしまい、最終的に黒騎士(血染めの騎士?)に討伐される。
ナラヴァルナ
数百年前のマラーナ(死域)の出現によってヴァナラーナが危機に陥った際に現れた伝説のナラ(人間)。
名前を名乗らなかったため、ヴァルナ神器を修復した功績からナラヴァルナと呼ばれるようになった。
旅人と同じ金髪をしていたらしく、アランナラたちは旅人に似た雰囲気を感じている。
  • 「兄(妹)について良く語っていた」などの情報や、主人公の性別で三人称や前述の兄妹表記が変化することから、その正体は双子の片割れでほぼ間違いないと考えられる。
    旅人自身も感づいてる様子が時折見られたが、そのことを口にすることは無かった。
  • 上記のようにナラヴァルナという呼び名はヴァルナ神器に由来する。ヴァルナはインド神話における最高神の1柱であり、当初は天空神や司法神とされていたが、時代の経過とともにこれらの神格は他の神のものとされ、最終的にヴァルナは水の神、海上の神という地位に定まった。ヴァルナ神器の名称はこちらに由来するだろう。
    また、インド神話には同じく最高神としてミトラという契約の神が登場するが、ヴァルナとミトラには密接な関係があり、両者は双子であったとされることもある。
ロザリン・クルーズチカ・ローエファルタ
ファトゥス第8位「淑女」。モンド出身だが、モンドにドゥリンが襲来した時にはスメール教令院に留学していた。
彼女が使う炎元素は学生時代に研究していたもので、何らかの方法で邪霊を融解させたもの。*38
研究内容から素論派と思われる。
ナガルジュナ
スケプティック団の創設者である隻腕の賢者。他学派から忌み嫌われていた「戦争こそテイワットの本質」という派閥を率いていた。
教令院の学者たちを率いて荒石の砂漠に向かい*39、花霊たちやダインスレイヴと共に漆黒の軍勢と戦った。
その後自身は地下の遺跡(カーンルイア跡地?)に向かって以降行方不明になったが、残った学者たちは共に戦った花霊達との縁から、スケプティック団としてこの地に居住することになる。
  • ナガルジュナは2世紀頃のインド仏教の僧。日中では漢訳名である龍樹の名で知られる。

人間の時代(数百年前~現代)出身

魔神

七葉寂照秘密主(しちようじゃくしょうひみつしゅ)
またの名を「正機の神」。創神計画の産物であり人造の神。ブエルいわく人間の英知の結晶であり、真の神に匹敵するほどの力を持つ。
雷神が製作した機械人形、ファトゥス「散兵」を使って造られたもの。動力源として雷の神の心が搭載されている為か神の権能を自在に扱えている。
散兵を製作した技術はカーンルイアのものであり、スメールがかつてカーンルイアと協力関係にあったことから関連する技術の知恵を持っていたと考えられる。また博士も神を造れると過去に語っており、彼は数百年散兵を研究対象としていたため、それに関し熟知していたと思われる。
本来の計画ではこの体に神の缶詰知識を入れることで『教令院の望むマハールッカデヴァータ』になり散兵の自我は消失するところまでが計画であったが、本編では最終段階に行かない段階(=散兵の自我が消失していない状態)で旅人とブエルに破壊された*40
中核である散兵は、出生的な本能と過去からの神の心に対する執着があり、自我を失ってまで「心臓」を欲していた。
またのちのストーリーやエピソードPVなどで判明する通り、散兵は一種の破滅願望を抱いており、一種の壮大な国を巻き込んだ自殺計画でもあった。
教令院や散兵にとっては一世一代の大プロジェクトだが、博士にとっては一介の実験である。旅人に破壊された後、彼は意識を失った一方、博士は彼を捨てた。
ナヒーダは意識のない彼を保護し、その後彼に大きな転機が訪れることとなる。
この後については後述の「放浪者」を参照。

教令院

テイワットで最も大きな研究施設。
それぞれ専門の異なる六大学派(生論派(アムリタ)明論派(ルタワヒスト)素論派(スパンタマッド)知論派(ハルヴァタット)因論派(ヴァフマナ)妙論派(クシャレワー))が存在し、各学派のトップは賢者と呼ばれる。

六大学派+αの詳細

それぞれにシンボルとなる色と紋章がある。
各学派の名称はゾロアスター教における最高神アフラ・マズダーに従う六柱の善神「アムシャ・スプンタ」に由来すると考察されている。

生論派(アムリタ)
Amurta.png
生物学、生態学、医学などを研究している。シンボルは緑と鷲。
教令院で最も長い歴史と最も大きな規模を誇る学派。
無償診療所のビマリスタンを運営している他、「死域」の解決を目標に挙げている。
現在はナフィス(ティナリの恩師)が賢者の座についている。
  • 対応する神格は食物を司るゾロアスター教の女神にして「不滅」を意味する「アムルタート」。
明論派(ルタワヒスト)
Rtawahist.png
天文学や占星術などを研究している。シンボルは青と象。
魔神任務登場のハイパシアや、プレイアブルキャラのレイラ、前大賢者のアザールはここ所属。
知論派のファルザン曰く「(前略)ルタワヒスト学院に入れるガキどもはそのほとんどが天才じゃ。天才には天才なりの変わった癖があるもんじゃ(後略)」とのこと。*41
アザールが失脚したため、大賢者と明論派の賢者は双方不在。
  • 対応する神格は正義や真実を司るゾロアスター教の神にして「最善なる天則」を意味する「アシャ・ワヒシュタ(アルドワヒシュト)」。
素論派(スパンタマッド)
Spantamad.png
錬金術、元素学、地脈学などを研究している。シンボルは赤と孔雀。
研究過程で各地の地脈を現地で視察することが多く、そのためダリオッシュの割合も多い。
一時期機械生命の研究が流行したが、自然生命との比較のための生体解剖が過激化し、最終的にアバットイを始めとする全研究者に研究凍結が命じられた。
リサの出身。師匠のジュライセンや弟弟子のセノも恐らくここ。
魔神任務で賢者は登場しなかったが、創神計画で失脚した。
  • 対応する神格は敬虔を司るゾロアスター教の女神にして「神聖なる敬虔」を意味する「スプンタ・アールマティ(スパンダルマド)」。
知論派(ハルヴァタット)
Haravatat.png
言語学や符文学などを研究している。シンボルは黒と牛。
ホッセイニ曰く*42、知論派は長きにわたって古代ルーンに関する研究を行っているが、所属する学者は話し方が変わっていて、メンバーも少なく将来性もないという。
開始時点での賢者はカジェだったが、創神計画で失脚し現在は空位。
  • 対応する神格は水を司るゾロアスター教の女神にして「完全」を意味する「ハルワタート」。
因論派(ヴァフマナ)
Vahumana.png
歴史学や社会学などを研究している。シンボルは黄と馬。
キングデシェレトの残した理論に対する否定と反省に端を発し、その中から様々な社会学科が派生した。
賢者はVer3.2時点では不明。創神計画に関わらなかったため失脚を免れた。
  • 対応する神格は善悪の分別を司るゾロアスター教の神にして「善なる思考」を意味する「ウォフ・マナフ」。
妙論派(クシャレワー)
Kshahrewar.png
建築学や機関学などを研究している。シンボルは白とライオン。
カビカバスの時代から予算が減り続けている弱小学派。サングマハベイが投資をしている。
素論派同様賢者は登場しなかったが、創神計画で失脚した。
  • 対応する神格は統治を象徴し鉱物を司る神にして「善き統治」を意味する「フシャスラ・ワルヤ(クシャスラ)」。
ナガルジュナ団
遥か昔の教令院の傍流。砂漠の奥地にいるらしい。戦争こそテイワットの秩序と捉え、死をも厭わず研究を続けているようだ。
ナガルジュナ団は雨林側の通称で、彼ら自身は自らを「スケプティック団」と呼んでいる。詳細は「スケプティック団」を参照。
学派早見表
 学院名専門分野賢者所属(太字)・出身プレイアブル
生論派アムリタ生物学、医学ナフィスティナリ
明論派ルタワヒスト天文学、占星学アザール→不在レイラ
素論派スパンタマッド元素学、地脈学不明→不在リサセノ
知論派ハルヴァタット言語学、符文学カジェ→不在アルハイゼンファルザン
因論派ヴァフマナ歴史学、社会学不明笠っち
妙論派クシャレワー建築学、機関学不明→不在カーヴェ
用語解説
研修生
一般学生。入学には審査機関に承認された十分な数の論文と詳細で客観的な実験記録が必要。
割り振られた指導教官の下で研鑽を積みながら2つの異なるテーマで論文を執筆し、それを学会で発表することで下記の「ダステア」となる。
ホッセイニ曰く30歳を超えてようやく卒業できることも珍しくないが、リサは2年で卒業している。
現代でいう大学院博士課程に相当すると思われるが、ティナリなど若くして入学・卒業する者がいるあたり、より実力主義色が強いようだ。
ダステア
卒業試験をクリアした学者への敬称。ただし、しばらくは見習いとして過ごすようだ。
この身分になると正式に学会に所属することが認められ、研究のための予算も割り振られる。
  • 元ネタはゾロアスター教の儀式司祭。現在の制度においては司祭の最上位に位置する。
ハーバッド
ダステアより上位の称号。ホッセイニ曰く、「みんな博識で、人類を導くことができる賢者」だが、役職としての賢者とはまた別の称号。
30歳以下で昇進したカビカバスが天才と称されるあたり、たどり着くには相当な業績が必要なようだ。
  • 元ネタはゾロアスター教の学術司祭。
    2世紀ごろは高度な神学的作業に支えられた最高階級とされていたが、6世紀以降のゾロアスター教の衰退によって学術研究への支援が厳しくなると権威が失墜。
    16世紀の再編成を経た現在の制度では儀式での立場が重要視されているため、ダステアより下の階級となっている。
賢者
学派で最も地位の高い人物で、各1名ずつ計6人が存在する。学者たちに公職を割り当てる役目を持つ。うち4人が失脚したため、現職は2人しかいない。
大賢者
賢者の中で更に最高位の存在、すなわち教令院で最も地位の高い人物。前職は明論派賢者のアザール。
後継の大賢者はVer3.2時点ではまだ選出されておらず、暫定的に教令院の運営は草神のナヒーダや書記官アルハイゼンらによって行われている。
ダリオッシュ
遊学者。教令院を離れテイワット大陸各所で研究資料を収集する者たち。申請が必要。
  • 元々は中世ペルシア語で「貧困」を意味する言葉として使われており、後にペルシア語のダーヴィッシュに派生した。
    この「ダーヴィッシュ」が自己に貧困を課して精神的な功徳と救いを求めた学問的な禁欲主義者であり、意味としての元ネタとなっているようだ。
書記官
スメールにおける行政官。行政手続きや条例の起草などを担当する。
マハマトラ
教令院支配下の地域における治安維持や教令院の研究員らの監査・監督を務める。いわばスメールにおける警官。
そのうちトップは大マハマトラと呼ばれており、重大な不正には彼が直々に出向くことになる。現職はセノ。
グランドキュレーター
知恵の殿堂の管理者。Ver.3.0時点では前任者の引退直後につき不在。
ビマリスタン
スメールシティにある無料診療所。生論派が管理する。
元ネタは9世紀のバグダードに設立された同名施設で、ペルシア語で「病人がいる場所」。現在でもアラビア語圏では病院のことをビマリスタンと呼ぶ。
知恵の殿堂
教令院に存在する、テイワット最大の図書館。
蔵書は教令院の生徒か教師であれば借りることができるが、より高レベルな資料の利用は一部の研究者に限られている。
国民がアーカーシャ端末から直積知識を得ている現在はあまり使用されていない。
裏の部屋には世に出せない危険な論文が隠されている。
パルディスディアイ
生論派が管理する植物学の研究センター。教令院の空気を嫌うティナリもこちらにはよく出入りする。
沈黙の殿
セノが所属する組織(プロフィールより)。
詳細は不明だが、ダーリの谷の大型機械を封印する教令を出す等、危険な存在に対して監視や対処を行う組織(≒マハマトラの本部?)の可能性が高い。
カビカバス賞
40歳以下の特に優れた学者に与えられる賞。受賞者はみな大成するようだ。
妙論派の天才カビカバスの業績に由来する。
  • 元ネタとしてはノーベル賞が強く意識されるが、「40歳以下」という条件があるため、数学における最高クラスの賞であるフィールズ賞のほうが有力かもしれない。
賢者
アザール
明論派の賢者にして当代の大賢者。事実上スメールを管理していた人物。
神であるクラクサナリデビに対する敬意の欠如、目的のための犠牲の容認、芸術の全般的な軽視、賢者としてのプライドの誇大と学者としての能力に対する驕り等、教令院至上主義を体現する人物。
マハールッカデヴァータの逝去以降大きな躍進を遂げたことが一度もないスメールの学術や枯凋問題が深刻化しつつある世界樹の異常といった、スメールが抱える様々な問題を解決するために、神が知恵をコントロールする権能を手にれることを目指し、「博士」の提言を受け入れて「創神計画」の実行を決定した。
計画の過程でスメールに人々に少なくない犠牲や軋轢を齎し、計画の成就まであと一歩のところまで迫ったが、今までの悪行がアーカーシャを通じ露見、砂漠の民も含むスメールの民やクラクサナリデビ等、自身がこれまで軽んじてきた人や物によって創神計画は阻止される。
事態の収束後は、アザールを含む六賢者は計画に反対した生論派と因論派の2名を除き全員教令院を追放された。アルハイゼンやセノは厳罰を求めたが、クラクサナリデビが創神計画の参加者全てを許す意向を示し、放免という形でアビディアの森で終生隠居することとなった。
  • 名前について
    アザール(あるいはアーザル)はペルシア語で「火」を意味し、中東で一般的な名前。
    特定の学派・思想の指導者という点では、ゾロアスター教とスーフィズム(イスラム神秘主義)の影響を受けて16世紀に「照明学派」という神智学的思想を創始した宗教家、アーザル・カイヴァーンがモデルかもしれない。

ナフィス
生論派の賢者。
荒い気性で知られ、研究者だけでなく大賢者ですら委縮させるほどであるという。
ティナリの師でもあり、ティナリが教令院から離れた現在も2人は手紙でやり取りを続けており、ティナリからは依然「先生」と呼ばれ敬意を表されている。
上記の性格も、ティナリからは誠実で自分の信念を曲げない人物だと評されている。
しかし、因論派の賢者と共に創神計画に反対したため、大賢者らによって共に幽閉されていた。
彼がティナリと交わしていた手紙は、何者か(恐らく大賢者ら創神計画に加担していた者)によってティナリに教令院に来ることを催促する内容のものとなってティナリに何通も届けられた。
筆跡や文体などを巧妙に模倣してナフィスが書いたものであるかのように偽装されていたが、ティナリはわずかな差異*43からナフィスの身に何かが起きたことを察し、教令院への警戒心を強めていた。
旅人らの計画が成功してクラクサナリデビが復権したのちに因論派の賢者共々救出され、賢者の座に残ることも許された。
  • 名前について
    中国語版は「纳菲斯」となっており、元ネタは「伊本·纳菲斯」、つまり13世紀アラビアの科学者・法学者・神学者イブン・アル=ナフィス(ابن النفيس、Ibn al-Nafīs)と思われる。
    あらゆる学問を極めた博学の天才だが、特に医学に長け「循環器学の父」と称される。

カジェ
知論派の賢者。
ティナリを創神計画に勧誘するためにガンダルヴァー村を訪れた。
ティナリが不参加の意思を示すと、申し出を拒否することは彼の師であるナフィスの面目を損なうと脅したが、それでもティナリが意思を変えることはなかった。
クラクサナリデビの復権後はアザール同様教令院での実権は全て剥奪されアビディアの森で終生隠居となる。
  • 名前について
    中国語版は「卡瓦贾」で、これはスーフィズム(イスラム神秘主義)の教師に対して使われる敬称Khawajaのこと。

因論派の賢者(詳細不明)
創神計画に反対したため、ナフィスと共に幽閉されていた。

妙論派の賢者及び素論派の賢者
いずれも詳細不明。
大賢者と共に創神計画に参加し、クラクサナリデビの復権後はアザール同様教令院での実権は全て剥奪されアビディアの森で終生隠居を送る事になる。

ジュライセン
素論派の元賢者。リサとセノの師匠で、セノの養父でもある。
現役時代は詩趣に富むしゃべり方の型破りな頑固者として知られたが、退任した現在はいくらか丸くなったようで、軽口が目立つ好々爺となっている。
退任後は研究からは一切身を引き、トマト栽培に没頭し、妙論派のザハハディとその出来を争う毎日を送っている。
砂漠で遭難したところを「沈黙の殿」に助けられ、それを機にヘルマヌビスの復活に協力する。
しかし幼いセノとセトスに跋霊を埋め込む実験の危険性を認識し、セノを雨林に連れ帰ることを選択。首領バムーンもそれを黙認する。
その後はスメールシティでセノを養子として引き取り、セノにヘルマヌビスの力を宿していることを察知した教令院に実験台として引き渡すことを要求されるも拒否、弟子の学者として育て上げた。
診療所の箴言板には「世界に永遠不滅のものはない」という言葉を残している。
英語表記はCyrus(サイリュスと同じ綴り)になっている。
セノ
「マハマトラ」たちを束ねる「大マハマトラ」を務める砂漠出身の少年。
キングデシェレト文明の継承者である「沈黙の殿」の出身で、ヘルマヌビスの降霊の素養があったため、跋霊の埋め込み対象として選ばれるも、その危険性を認識したジュライセンにより「沈黙の殿」から連れ出され、養子として育てられる。教令院からは祭司の力の実験台として引き渡しを要求されたが、ジュライセンはそれを断り素論派の学者として育て上げた。
彼が学者を直々に訪問するということは、その学者が何らかの学術に関する罪を犯したことを意味しており、一度大マハマトラに目を付けられた学者が逃れることは不可能であるため、教令院では畏怖されている。
その一方、熱心な七星召喚プレイヤーでもある。「ジャッカルヘッド」の名で呼ばれ敬われている疑惑がある。
ティナリとは教令院時代以来の友人。当初は様々な人を助けるティナリを不審がっていたが、これが純粋な親切心によるものだと判明してからは交流を持ち始め、現在ではお互いに悪態をつくなど気のおけない仲になっている。
失踪したジュライセンを追って「沈黙の殿」に辿り着き、ジュライセンの引き渡しを求めてセトスと決闘を行う。結果勝利し、セトスが所持していた跋霊を引き受け完全なヘルマヌビスの力を手にする。
しかし死去したバムーンの後任として「沈黙の殿」の首領となることを拒否、セトスにその座を譲った上で教令院と「沈黙の殿」の和解を取り付ける。
「原神セレベンツ」にも登場し、「黒い焔」事件の件でリサから要請された共通の師匠に頼まれモンドに来訪。コレイに巣食う魔神の残滓に封印を施した後、共にスメールに戻り彼女をティナリの元へ預けている。
ティナリへ預けてからも容体が気になっているようで、わざわざ変装*44してまで定期的に様子を見に来る優しい一面も。
  • スメールプレビュー動画で背中に雷元素のスメールの神の目*45が確認できたため、レザーに次ぐ男の雷元素の神の目を持つキャラクターになった*46
  • 本編に先駆けてチャプターPV「足跡」に登場し、PV中では砂塵の舞う中槍を構えている。
  • 人物紹介では「独特なユーモアセンスが印象的な人物である」と控え目な表現をされているが、ダジャレからブラックジョークまであらゆるギャグを好む。さらに周りの反応が薄いと自らのその解説を始める癖をもつ。
    仕事とプライベートはきっちり分ける人物のようで、魔神任務では終始厳格な態度であったが、イベント「風花の吐息」でモンドを訪れた際は口を開くたびに突拍子もないギャグを披露し、周囲の人間とプレイヤーを大いに困惑させた。
  • 名前・元ネタについて
    恐らく、神話や伝説に登場する犬の頭を持った人間「cynocephalus」、ギリシア語で「犬」の意味の「cyno」に由来すると考えられる。
アルハイゼン
知論派の卒業生。現在は教令院で書記官を務める。
古代言語を軽々読みこなす語学力、相手の言動から矛盾を指摘する推理力に加え、錯乱した傭兵組織団長を徒手空拳で制圧する文武両道の人物。
一方、その性格は理屈屋の変人そのもの。知識欲を満たすためなら自らの所属や命すら気に留めない。
また、神秘主義者にして実利主義者であり、下記の魔神任務での協力も「規則」を重視してのことであり、人助けには興味がないと言い放つ程。
こうした「成功者がいれば落ちぶれる者もいる」「需要がなくなった芸術は淘汰される」といった態度から、ルームメイトにして先輩のカーヴェとはしばしば激論を交わしている。

魔神任務では、神の知恵を見返りとして旅人の調査を命じられるが、貴重な報酬を軽々しく提示する態度に怪しんで独自に缶詰知識の調査に動き出す。
調査中偶然旅人と接触し、協力して神の缶詰知識の奪取に成功するが、団長の発狂から教令院が自身を処理しようとしたことを理解し、危険性から旅人には奪取の事実を伏せていた。
セノとの衝突を経て旅人に真相を明かすとグラマパラの捜索と救助に協力し、その後は救出作戦の主な作戦立案を担当する。
ナヒーダ救出作戦実行日は、アザールらに取り入るため旅人を連れてくるも見放され、神の缶詰知識を使い廃人化する……という筋書きを演じつつ、缶詰知識をすり替えながら旅人を監禁室へ送り込む。
救出作戦成功後は事態収束まで代理賢者の職務を受け持っていたが、後任が決まった現在(学院祭開始時点)は普通の書記官に戻っている。

実装以前のアルハイゼンの正体に関する考察

スメール実装前、ビジュアルのみ公開された当時はクラクサナリデビ=花神説がまだ主流だったこともあり、アルハイゼンこそ真草神or前草神とする考察がみられた。
スメール実装後、上記の説は落ち着くが、代わりに復活したキングデシェレトかその転生体では? という考察が浮上した。
実装後に公開された各情報では実際には、どちらとも関係ないただの胸筋と態度のデカい変人一般人であった。以下に当時の考察内容を記す。

  • 正体について
    復活したキングデシェレト本人もしくはその転生体という疑惑がある。
    • 最大の理由は、ストーリームービー「砂中の遺事」にてデシェレトを象徴していたトゲトゲの物体の配色や形状が、アルハイゼンの瞳に酷似していること。
      また、同物体が泉に落ちた後には宝石状の物体が飛び出しているが、これもアルハイゼンの胸の装飾に酷似している*47
    • アルハイゼン(Alhaitham)の名は恐らく中世イスラム圏の学者「イブン・アル=ハイサム(Ibn al-Haitham)」に由来するが、こちらも複数の関連性を持つ。
      イブン・アル=ハイサムは「近代光学の父」と呼ばれており、眼球やレンズ、光の屈折などの研究で知られているが、デシェレトの遺跡にも光やレンズを利用した仕掛けが非常に多い。
      「ハイサム(Haitham)」はアラビア語圏の名前だが、これには「鷲や鷹の幼鳥」や「赤い砂や砂丘」といった意味を持つ。
      前者については、デシェレトの遺跡に多いグリフォン(鷲とライオンが合わさった姿の幻獣)の彫像と関連性を見て取れる。後者については言うまでもない。


      勿論、デシェレトと関係ないただの胸筋と態度のデカい変人一般人である可能性もある。それはそれで面白いという人も。
      見た目が似ているというだけでネタ半分にワープポイント説を唱える人もいる。
  • 座り方について
    スメールのモデルであるアラブ諸国ではイスラム教徒が大半を占めるが、イスラム教では清潔さが「信仰の半分である」とされるほど重要な位置を占めている。
    逆に言えば、人体で最も汚い部位とされている足裏を人に向けたり、脱いだ靴を相手に向けるといった行為は、「穢れを相手に向ける」という大変な侮辱と見なされている。
    ……ということで、彼がよくやる「左足を右膝に乗せるように堂々と足を組む」といった仕草は、ド直球に侮蔑や軽視のサインだったりする。ナニかがデカい人の座り方ではなかった
カーヴェ
妙論派出身で、アルカサルライザパレスを建てた天才建築家。金髪の男性。相棒に万能工具箱のメラックを携える。
かつてアルハイゼンと共同研究をしていたが、大喧嘩の末協力関係は決裂した。
しかしこの研究は一定の成果を認められ、報奨として教令院に近い一軒家を与えられた。アルハイゼンはこの家に移り住んだが、カーヴェは住居には困っていないと断った。
教令院所属だが人情に篤く、アーカーシャなどの技術発展の陰で仕事を失う職人や衰退する芸術に心を痛め、教令院から出る補助金を惜しげもなく使おうとする。
この姿勢を気に入ったドリーによって自邸の建築を任されたが、ついでに多額の借金も負わされてしまう。結果、現在は後輩であるアルハイゼンの家に居候している。この家はカーヴェへの報奨でもあったのだが、一度断っているためアルハイゼンからは家賃をきっちり請求されている。
ポリシーの相違からアルハイゼンとは各所で議論を交わす仲だが、一方で自分の酒代やコーヒー代は平然とアルハイゼンに押し付けている。
  • 名前の元ネタは、イラン神話の登場人物であり異邦の侵略者ザッハークに対する民衆の蜂起を指導したとされる「鍛冶屋のカーヴェ(Kaveh the Blacksmith)」だと思われる。
    メラック(Mehrak)はペルシャ語の人名。「ジュラバドの古事・2」は同じ綴りのメフラクという人物に宛てた文章だが関連性は不明。
レイラ
明論派の女学生。専攻は理論占星学。エルフ耳。一人称は「私」。出自について細かくは語られていないがスメールシティ外の雨林の村であるようだ。
極端な人見知りで学業において自身の才能など教令院においては平凡でしか無いと考えており、他にも論文やその期日、人付き合いなど様々なプレッシャーを抱え、教令院に身をおくようになってからは常に深刻な睡眠不足に悩まされているという。
その一方で、「寝ている間に論文が書きあがっていた」という奇妙な現象に遭遇したことがある。
当人は「天から降ってきた」「星空の祝福」「夢遊」といった理由を類推しているが……?
  • 星空の祝福
    レイラが不安を抱えたままの睡眠中、もしくは極度の緊張状態により気を失うと現れるもう一人の「レイラ」の人格。逆に言えば完全にリラックスした状態での睡眠中はほとんど発現しないようだ。
    一人称は「あたし」となり、言動も普段のレイラとは打って変わりかなりアグレッシブになる。
    だが、レイラと記憶の共有は行われておらず、人格が交代する直前までの出来事や論文の進捗などは周囲の状況や前回覚醒していた時の記憶から推測している。
    自身の才能など取るに足らない程度だと過度に卑下し、異常なまでに慎重でいつまで経っても踏み出せないレイラに代わり、大胆不敵でかつ精確な論文を一晩で書き上げる。
    もし論文に必要であれば自らの足で雨林を越えアアル村まで赴き観測行うことも。だが、平時のレイラの身体能力を大幅に超えて動いているためか、翌日には激甚な筋肉痛に苛まれるとか…
    また、彼女の極度の睡眠不足についても、彼女がレイラと入れ替わりで覚醒している関係で、肉体と脳の休む暇がほとんど無いためのようだ。
    彼女の存在は教令院内で種々様々な噂や伝説となり語られているが、自身の存在をレイラには知られたくないようで、もしレイラが知ってしまうと完全に自信を喪失して自暴自棄になってしまうのではと危惧している。
    なのでレイラを助ける傍らで、いつか「星空の祝福」などという曖昧な存在に頼る必要がないくらいに自信を持ち自立してほしいと願っている。
    レイラが持つ才能は決して誰にも見劣りはしない。あまつさえ「星空の祝福」だけが発揮しているわけでもない。これは「レイラ」が持ち合わせた歴とした才能なのだと。
ファルザン
知論派の学者。少女の外見とそれに似つかわしくない老成した言動をとる女性で、教令院の学生には自分を「先輩」と呼ぶよう要求を欠かさない。
実際、教令院に入ったのは100年以上前であり、専攻は古代文字研究。キングデシェレト文明の文献の解読結果からさまざまな遺跡やギミックを分析する研究を行っていた。
しかし、とある遺跡のギミック解除に失敗し、100年ものあいだ暗号文だらけの謎の部屋に閉じ込められることになった。最終的に自力で脱出したが、遺跡の不思議な力により飢餓や加齢の発生しない状態となっていた。
失踪中の彼女が残したギミック研究成果を同僚が本にまとめ、その本は妙論派において教材となり、妙論派のギミックに関する知見を飛躍的に向上させたが、結果として本人は知論派所属の文字研究者ということ自体忘れられてしまっていた。
100年を経て生還を果たしたが、当人が所属する知論派においては「古臭く、価値が失われた研究にこだわる人」と認識されており、研究費用の調達に日々苦労している。
その一方で妙論派においては現在でもビッグネームの一人と認識されており、苦境を聞いて移籍を進言した者もいたが、あくまで軸足は知論派的な文字研究に置いておきたいという意向により丁重に断っている。
自分と同じ文字研究に興味のある学生を勧誘すべく若者の言動に目を光らせており、現在は読み書き習得への意欲が強いコレイに目をつけている。

笠っち
因論派に属する外国の学者。
正体は後述の放浪者
稲妻社会学に関する論文を多く書いており、時事問題の分析や社会問題の批判で話題となった。しかし神出鬼没で言葉遣いが悪く物議を醸しているらしい。
  • 経緯
    プレイアブルと同時に実装された間章第三幕にて、因論派でたたら砂の研究をするアカバが登場した。物語の最後には放浪者も彼らの会話に耳を立てていた。
    その後プレイアブルから現実時間で1ヶ月ほど経った初の誕生日メールにて、ナヒーダが放浪者を教令院に行かせようとしていることが判明した。
    • (当時のメール)少し前から、クラクサナリデビが僕を教令院によく行かせるんだ。書物を借りてみなさいとか、講義を聞いてみてとか、僕に学術の雰囲気を肌で感じろって言うんだよ。
  • そしてVer3.6のイベントにて、放浪者が「笠っち」という名前で学院祭に登場した。ナヒーダの依頼で学院トーナメントを監視していた*48ようだが、それとは別にイベント前に因論派に所属していることになっていた。
    アカバに声を掛け、彼の論文に異論を唱えたところ、因論派の学生らに学友だと思われて講義に誘われたらしい。それを知ったナヒーダが「笠っち」という名前で学籍登録したらしい。
    ナヒーダ「因論派で勉強して、自分の因果に正しく向き合い、過去の古い借りを清算することを学んでほしいの。」
  • なぜ「笠っち」なのかは不明*49だが、ナヒーダの独特なセンスによるもので深い意味はないと思われる。
    「だって、素敵な響きなんだもの。ね、笠っち?」
  • その後
    • イベント後も因論派に属している。因論派の「ゴミクズみたいな理論」を修正し*50、生徒たちに付きまとわれるほどになっているそう。
    • イベント時点では口の悪さから敬遠されていたが、最近ではケーキを持って誕生日を祝われるほど人気者になっている。性格は相変わらずだが...
    • よく図書館に居るらしい。複数のPVで図書館に居たり、中国の誕生日Webイベントでも図書館で会っている。
セタレ
砂漠出身の学者で大賢者の助手。
教令院から軽んじられており、満足な学舎もない砂漠地域の出身でありながら、稀代の才能によって教令院の高官になることに成功した人物。
創神計画にも参加していたが、心の底では無関係の人々を巻き込むことや故郷との繋がりを無視してきたことに大きな負い目を感じていた。
旅人とナヒーダの計略によって秘めた思いを露にされ、大賢者たちの計画を中止させることに同意するも、自身に監視装置が仕掛けられていたことに気付かず教令院に監禁されてしまう。
クラクサナリデビの復権後は解放されたが、故郷の人々のためにできることを考えた結果、教令院を離れて教育の仕事を始めることを決意。
砂漠に戻り、ラフマンらエルマイト旅団と協力して砂漠の民の生活水準の向上のために活動を始めた。
  • 名前の意味
    彼女の名前は、魔神任務中でナヒーダによって星を意味していると語られた。また、セタレのアルファベット表記は"Setaria"である。
    以上から、「セタレ」はサンスクリット語で「星」を意味する Sitara ( सितारा) *51に由来すると考えられる。
ハイパシア
旅人がスメール入国直後に遭遇した人物で明論派に所属する学者。「パリプーナライフ」を目指して修行していた。
その過程で教令院が創った神___「正機の神」と意識が繋がった。
正機の神の自我である散兵、その「『神』意」を覗き、彼女はその神へと救いを求めた。

「ご覧になりましたか、感じましたか?崇高なる神、崇高なる意志、崇高なる感情を!」
「私のこの胸の中で鼓動しているのは、ただの汚い人間の心…神よ、どうか私に慈悲を、私に救済を…」

側から見ればパリプーナライフの修行者によくみられる発狂だが、ティナリによると狂学者とは症状が違うらしい。
彼女と意識を繋いだ「神」は彼女を1人目の信者として扱っており、「彼女の信仰こそが僕の栄光を築いて行く」とまで言っていた。
一方でファデュイからしてみれば彼の過去を知った都合の悪い存在であるらしく、博士直々にハイパシアが連れていかれそうになった。
幸いティナリとディシアが応戦し、旅人が博士と散兵の対立を煽ったこともあり、回収に来たファデュイの兵士らが死んでしまったため誘拐されることはなかった。
その後しばらくは意識を失ったままでティナリが面倒を見ていたが、命に別状はない模様。
散兵については世界樹の改変で忘れていると思われる*52
  • 名前について
    中国語版は海芭夏(ハイバシア)で、これは古代ギリシア語の女性名ヒュパティア(Ὑπατία、Hypatia)の英語読みハイペイシャの音写である。
    この名前の女性は、紀元400年頃のエジプトの学術都市アレクサンドリアで活躍した天文学者・哲学者が有名。
    ヒュパティアは狂信的なキリスト教徒の暴徒たちに殺害されるという悲劇的最期を遂げており、原神で悲劇に合うのもこれが元ネタと思われる。
    余談だが、英語版は中国語版の「海芭夏」を音写したHaypasiaになっているので、逆に元ネタがわかりにくくなってしまっている
ホッセイニ
元素や地脈などを研究する素論派(スパンタマッド)のメンバー。自分の研究成果に名を授けるのを目論む学者。
イベント「エネルギー原盤・序論」後に「エネルギー原盤によるエネルギー変換」に関するレポートを提出し、教令院で高く評価された模様。
イベント「古の孤影」時点では素論派の普通の遊学者だが、「ダステア」や「ハーバッド」を目指している。
イベント「エネルギー原盤・後序」では稲妻から璃月へ南十字船隊で移動する際に、誤って海に落ちて病を抱えたらしく、ずっと咳き込んでいた。スメールに戻ったら休暇を取得するそうだ。
ヴィマラ村出身で、姉のアレソと共に教令院に入学した。その後姉は研究生活に嫌気が差して退学し村に戻っており、ホッセイニは村ではいつまでも卒業できない人扱いされている。
旅人に対して研究方向を選ぶなら素論派(スパンタマッド)にするよう強く勧める一方で「スメール六大学派の知論派(サルヴァタット)にはあまり関わらない方がよい」と忠告している。
アイシャ
ホッセイニが先輩と呼ぶ学者。アイテム「アイシャ混沌探知機」に名を残している。
プルシナ
ホッセイニが偉大な先輩と呼ぶ学者。生論派。アイテム「プルシナスパイク」に名を残している。
「たとえ小さなトカゲでも、『竜』になる素質を秘めている。」はこの人の残した言葉。
  • 世界任務「孤独な海獣」で登場したアニサ・プルビルニの名字は、500年前の賢者ビルニの血を引くことに由来する。
    これに従うと、「プル」は偉人の子孫を示す接頭語で、「プルシナ先輩」はシナという名の賢者の血を引く一族の名と推測できる。
    が、掲示板や会話テキストではどうも「プルシナ」という個人名の人物として扱われていることが多い。
    なお、層岩巨淵にいるヘディーヴのフルネームも「ヘディーヴ・プルシナ」だが、イベント「深泥奇譚」でホッセイニは「ヘディーヴ」と「プルシナ先輩」を別々に言及している。
ヴィクラム
グランドキュレーター候補その一。男性。因論派*53
キングデシェレトの伝説に興味を持っており、多くの冒険者を援助してきた。
若く人望に溢れ、弁舌に優れるが、既婚者にもかかわらず他人を口説いて回っているらしい。
キャラバン宿舎に滞在していたゴハルという美女と恋人関係らしいが、上述の噂もあり夫人か愛人かは不明。
友人のファルガーニー曰く、若い頃は基礎学科をサボるよう誘われては一緒にコーヒーを飲んでいたが、成績は常に良かったらしい。
リファエット
グランドキュレーター候補その二。男性。
明論派で、慎ましやかで徳の高い人物だが、論文の半分が代筆という噂がある。
アニサ・プルビルニ
スメール教令院海洋学会所属で、稲妻の海祇島に遊学中の見習いのダステア。学派は不明だが、生論派と思われる。500年前の大博学者「ビルニ」賢者の血を引く家系の生まれ。
正式なダステアになるための研究テーマを二つ進めており、第一研究は海祇島における民間信仰の歴史を、第二研究として海洋生物学を研究している。
世界任務では海洋生物に関する知見を活かして、久美の親友であった海獣「クンティラ」の最期を予想し、今後はクンティラが遺したであろう子孫と友人になるべく海祇島に滞在することを決める。
友人となった久美を「久美チャンネー」と呼ぶなど、素の喋り方はおっさんくさい少々変わっている。
  • 先祖の元ネタ
    アニサの先祖という賢者ビルニの元ネタは、10世紀後半から11世紀前半の科学者・哲学者アル=ビールーニーと思われる。イスラーム黄金時代を築いた万学の天才とされる。
カビカバス
かつて妙論派に所属していた天才研究者。カビカバス賞という賞にその名を残す。
弱冠30歳でハーバッドの位につき、妙論派史上で最も偉大と称される。
賢者になる日も近いと言われていたがフィールドワーク中に事故に遭い、おそらく亡くなったと思われる。
遺跡巨像を研究対象としていたので、カーンルイア滅亡よりはかなり後の時代の人物。
大人になってからもアランナラの姿や声を知覚できる特異な体質の持ち主であった。
  • 名前について
    英語版はKavikavus。元ネタは中世ペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』(『王書』)に登場する伝説的君主カイ・カーウス(Kay Kavus)と思われる。
    王ながら奇天烈な発明を好む技術者で、中国まで飛行するために、鷲をパーツとする空飛ぶ玉座を作ったりしている。
ザンディク
元教令院生。スメール各地で彼に関するメッセージが確認でき、古臭い考え方を持つ美男子であったらしい。
かつては見習いダステアとしてスメール考察隊の調査に同行していたが、様々な問題を起こしたことで賢者により除名。最終的に教令院を追放されている。
学派は今のところ不明だが生論派でなかったことだけは確定しており、ソホレ曰く遺跡機械に対し強い興味を示していたという。
  • 名前について
    ザンディク(zandik)は、中期ペルシア語で「異端者」「異端思想家」を意味する言葉。
    特にマニ教徒を指すことが多いが、マニ教の教えは神智学的思想であるグノーシス主義と深く関わっており、『原神』内のとある人物の名前に相応しいといえる。
ティルザード・ヒンディ
インドア系の学者。
かつて砂漠の民と駆け落ちした親戚の研究プロジェクトを継いで砂漠へ考古学研究に向かう。
旅人の助けもあり無事に探索を終えて「黄金の眠り」という論文を発表した。
ジェイドの母ユフィ・ヒンディの親戚だと思われる。
ザハハディ
妙論派の教授。教令院で知らない人はいないとされるほどの高名な学者だが、最近はジュライセンとトマト栽培で競い合う日々を送っている。
元ネタは、イラク出身のイギリスの建築家、ザハ・ハディドと思われる。曲線を多用した奇抜な設計で知られ、未建設物件の多さから日本では「アンビルトの女王」などと呼ばれることがあるが、実際は建設済みの物件も多数存在し、海外でそう呼ばれているわけではない。

アビディアの森のレンジャー

ティナリ
大きな獣耳と長く豊富な毛を蓄えた尻尾を持つ少年。
年は若いながらも、ガンダルヴァー村を拠点とするアビディアの森のレンジャーの長にして植物学に精通している生論派(アムリタ)の学者。かつては教令院のアムリタ学院で学び、卒業後は教師として残ることを期待されていたが、教令院の方針とはそりが合わずに学院の卒業と同時に出奔した。
現在も教令院に戻ってこないかと賢者から打診を受けるほど優秀な学者であるが、「レンジャー長の方が性に合っている」、「町は騒がしいから耳に悪い」といった理由で断っている。
なお、教令院と距離を置いている実際の理由としては、知識をある種の権威のように扱う教令院の上層部の傲慢な態度に嫌気が差しているという部分が大きいようだ。
現在は「ティナリ先生」としてアビディアの森のレンジャー全員を束ねつつ、野外で植物やキノコの研究を行っているほか、生論派の研究用植物園であるパルディスディアイでの研究も引き続き行っている。
また、セノから預けられたコレイをレンジャーに引き入れ彼女の師匠もしている。
彼の祖先は砂漠のトゥライトゥーラの「ティナル人」という一族。彼らはキングデシェレト文明の知識の継承者としてヘルマヌビスの導きの下「沈黙の殿」を結成したが、ヘルマヌビスの力は砂漠で疎まれ雨林に移住。
その後雨林への不信感から「沈黙の殿」の中心メンバーは砂漠に戻ったが、多くのティナル人は雨林に残った。
長い時を経てティナル人は「ワルカシュナ」とその呼び名を変える。雨林の民との同化が進み白い肌と緑色の髪を持つようになり、ティナリに至っては砂漠の暑さに極端に弱い体質となっているが、特徴的な長い耳は引き継がれている。Ver.4.6現在、ティナリ以外のワルカシュナは今の所NPCを含め登場していない。
  • 名前・元ネタについて
    ティナリの名は恐らく1000年代に活躍したアル=アンダルス(現在のスペイン)の農学者・植物学者「アッ=ティグナリー(Al-Tighnari)」に由来する。(ティナリの英語の綴りがティグナリーの綴りと合致する)
コレイ
本編開始の一年前にモンドに流れ着いたスメール出身の少女。
幼い頃にスメール特有の不治の病「魔鱗病」に罹り、病の治療という名目でファデュイに拉致され、執行官「博士」の下に送られて凄惨な人体実験の犠牲者となった。この際に魔神の残滓を注入されて黒焔を操る力を得た。
実験が終了すると放逐され、自分に魔神の残滓を注入したファデュイの人物(「伝教士」)を探して各地を放浪したが、後遺症によって全身に包帯を巻いた姿から人々には伝染病を持っていると思われて行く先々で排斥され、共に放浪した仲間も全滅し、人体実験の件と合わせて世への不信と絶望を募らせていった。
モンドを訪れていたファデュイの外交官の馬車を黒焔の力で生み出した蛇で襲撃し、外交官2人を殺害、その他多数の負傷者を出す「黒い焔」事件を起こす。
これはファデュイにとって予想外の出来事だったが、「博士」はこの事件をモンドへの責任追及と「資料(魔神の残滓を体内に入れられて生存したコレイ)」の回収のために利用することを思いつき、部下にコレイを確保するように命じた。
紆余曲折の末に「博士」の思惑はディルックや西風騎士団の面々によって防がれ、コレイは自身の病人のような見た目を気にせず、更に黒焔によって騎士団に危害を加えた事実を明かしてもなお自分を受け入れて助けてくれたアンバーをはじめとしたモンド人の純真さに触れ、明るさをいくらか取り戻した。
リサの依頼を受けスメールから派遣された大マハマトラ・セノによって体内の魔神の残滓を封印され、二度とその力を使わないことを約束すると、アンバーに感謝の手紙を残して医術やそのほかの知らないことを学ぶために彼と共にスメールへと帰った。
その後はセノからティナリを紹介され、ガンダルヴァー村にてアビディアの森のレンジャーの見習いとして働きつつ、ティナリから学問の手ほどきを受けるようになった。
まともな教育を受けておらず読み書きすらできなかったたものの、ティナリの熱心な指導や本人の努力の甲斐もあり、読み書きもレンジャーの仕事も徐々にこなせるようになってきている。
騙されるような形でファデュイに魔神の残滓を注入されたが、結果的に確かに魔鱗病の進行は抑えられていたという。しかし封印によって魔神の力が及ばなくなった影響か、魔鱗病が再度悪化しつつあり、徐々に手足に力が入らなくなってきている。
魔神の力は封印されたとはいえコレイの体内に巣食ったままであり、セノからはもう一度魔神の力を使えば完全に飲み込まれると警告されている。
マハールッカデヴァータの記録が世界樹から抹消されたことで魔鱗病は完治したが、魔鱗病に罹患した事実自体は変わっていないため、魔神の残滓もそのまま残っていると思われる。
また、明るく振舞っているものの心の傷も癒え切ってはいない。
  • 「原神」公式漫画内での登場キャラ。
    リリース直前の漫画掲載時から長らく「コナ」という名前であったが、2022年3月頃に「コレイ」に表記が変更されていることが判明した(正確な変更時期は不明)*54

エルマイト旅団

スメールに存在する、大小様々な傭兵団の総称。
あくまで傭兵の総称であり、現在ではエルマイト旅団という統一された傭兵団が存在している訳では無い模様。
そのため、スメールシティで衛兵を勤めている傭兵団や、街中で仕事を探している者もいれば、
ファデュイと結託して悪事を働いたり、あるいは野外で盗賊まがいの稼業に手を染めている傭兵も存在する。
スメール西部の砂漠地帯にルーツを持つが、砂漠の民特有の褐色肌を持たない兵士も多く見られるため、現在のエルマイト旅団を名乗る兵士が全員砂漠出身というわけではないようだ。
スメールシティの衛兵団は「三十人団」と呼ばれ、教令院傘下のレグザー庁を本拠地としている。三十人団所属の兵士はトレードマークの赤色のスカーフの代わりに緑色のものを着用している。
「三十人団」の名は「設立メンバーが30人」という歴史的な経緯によるものであり、もちろん今でも30人しかいないというわけではない。
表向きはアザール達に臣従していたが、扱いや傲慢振りに不満が有りラフマンとは秘密裏に取引をしてラフマンや旅人達のスメールシティ潜入と行動の黙認をした。
騒動の終結後はアザール達が追放され、アザールの衛兵たち代わり教礼院やナヒーダの護衛を兼任する事となる。

ディシア
熾鬣(しりょう)の獅子*55」の異名を持つエルマイト旅団の傭兵の女性。炎元素の神の目を持ち、両手剣を得物とする。
傭兵らしく金銭を大事にするが、同時に引き受けた仕事に対する責任も果たし、場合によっては雇い主の命令だけでなく自身の良心に則って行動するなど、誠実な人物である。
ドニアザードのために自身の得物を売却して得た資金を秘密裏に提供するなど、情に深い面も持つ。
フーマイ家に何らかの恩があるらしく、現在は彼らの護衛として契約している。
休暇を得てアアル村に戻った際偶然旅人らと居合わせ、成り行きから教令院の陰謀の調査とクラクサナリデビ救出に協力することになる。
事件の解決後はドニアザードが完治したことをきっかけにフーマイ家の契約を解除し元の傭兵生活に戻った。
この一件でアルハイゼンは彼女を高く評価しており、教令院にスカウトをかけたほどであったが、傭兵生活が性に合っているとして断った*56
日々訓練を怠らない武人だが、フェイスパウダーやアクセサリーに造詣が深い乙女な一面も。
くすぐりに弱い。
  • モデルについて
    名前の由来は特徴的な綴りより、7世紀頃にイスラム勢力ウマイヤ朝と戦った北アフリカの女王ディヒア(Dehya)ことカーヒナと言われる。
    また、エジプト神話にはライオンの頭を持つ女神が多い。中でも、殺戮と復習の女神と家庭を守る穏やかな女神という二面性を持つセクメトがモデルとして有力。
  • 武器について
    上述のようにストーリー中で武器を売却して代わりに安物の武器を購入する描写があるのだが、実際にその後のムービー中で使っているのは店売りの両手剣である傭兵の重剣である。
    ちなみにスメールPVやキービジュアルでは赤砂の杖や聖顕の鍵と同じ砂漠系列の武器(葦海の標)を構えている。
    もしかすると作中で売ったのはこの武器なのかもしれない。値がつけられる代物には思えないが……。
ラフマン
ディシアの昔からの知り合いで、キングデシェレト信者。
「愛しきレディ」「どうしてトークしなきゃいけない?」「スピーチを聞くつもりはない」など、英語を混ぜた喋り方をする。
義理堅い性格で切れ者でもあり、砂漠に点在するエルマイト旅団の一大派閥を率いる器の持ち主であるが、当初は他の多くの砂漠の民と同様にマハールッカデヴァータと雨林の民を激しく敵視していた。
キングデシェレトの復活を信じてアアル村のグラマパラの拉致などに加担するが、紆余曲折の末に遺跡に残されていた司祭カーレの記憶を閲覧して真実を知ることとなる。
信じてきた物とは全く異なる歴史の事実を目の当たりにして激しく動揺するも、すぐにこれまでの態度を改めるとともに裏で対立の糸を引いていた教令院を真の敵と見定め、僅か1日で仲間たちにも真実を周知して誤解を認めさせた。
その後は旅人らと共に大賢者たちの思惑を止める計画に参加し、スメールシティに潜伏して裏でアザールをはじめ教礼院の上層部や衛兵に不満を持っていた三十人団とは取引をして黙認という形でアザールの衛兵の足止めに専念した。
計画の成功後は他の関係者と共に祝宴に呼ばれたが、セタレや他のエルマイト旅団と共に砂漠の民の生活を向上させることを優先して砂漠に残った。
ナヒーダが実権を奪取した後は砂漠の民への待遇改善や支援措置が大体的に行われ目標は達せられた。

タニット

スメール西部の砂漠地帯、千尋の砂漠に住む部族。
花神を信仰する母系氏族であり、「九長老」が部族の最高権力を分け合っている。
「永遠のオアシス」を探していた。

  • 名前について
    名前の元ネタはフェニキア神話でカルタゴ(現在のチュジニア)を中心に信仰された女神タニト(フェニキア語:𐤕𐤍𐤕、TNT)と思われる(ティンニートとも)。カルタゴの主神バアル・ハモンの正妻で、戦を司る。
バベル・タニット
タニットの主母。ジェイドを実の娘のように可愛がっており、いずれは主母の座を継がせようとしていた。
だが、旅人がジンニーの力を手にし、更に一行が伝説に語られる「永遠のオアシス」を発見したことを皮切りにその内に眠る野望を実現すべく水面下で動き出した。
永遠のオアシス及びジンニーの力を掌握、自らをナブ・マリカッタの「唯一の神託者」とし、その権威を元にオアシスの国土を再建、自身がその頂点に立つ野望を持っていた。
そのために、永遠のオアシスの真実を知るよそ者の排除、及びジンニーの主導権を得るためにジェイドと旅人らを謀殺するべく、部族の人間のみならずファデュイとも結託して手を尽くす。
ジェイドをファデュイの人体実験の道具として売り飛ばし、嘘の情報を吹き込まれたジェイドと旅人*57、二人が憎み殺し合うよう仕込んでおり、殺し合いの末生き残り弱った片方に止めを刺す…といった腹積もりだったのであろう。
終盤、生き残って現れたジェイドに、旅人を殺し主母の座を継ぎ「神託者」となればこれまでの行いについて許しを与えよう、と語っていたがこれは全てジェイドを油断させるための嘘であり、端から生かすつもりはなかったという。
リルパァールがジェイドへの態度を徐々に軟化させていったのに対し、バベルに対しては終始軽蔑した態度を取り続けたのはこういた野望を警戒していた可能性が高い。
また口では部族の者を家族のように語りつつも、実際は裏切り者と称して長老など邪魔者を排除させていた。
さらにこういった汚れ仕事をジェイドら部族の人間にやらせることで、罪悪感と忠誠心を植え付けていた狡猾な人物であり、本当にジェイドに継がせるつもりがあったかすら怪しい。
このような真実が露見した結果、ジェイドと旅人の怒りが頂点に達し、タニット部族は壊滅、バベルも殺害された。
  • 名前について
    バベルはメソポタミアの古代都市バビュロニア(バビロン)の旧約聖書での呼び名だが、ここでの元ネタは新約聖書の『ヨハネの黙示録』に書かれる魔女「大淫婦バビロン」であろう。
    堕落した偉大なる都市が妖女の姿を取った者とされ、その正体は古代ローマ帝国の首都ローマとする場合が多い(諸説あり)。
サミエル
アフマルが遺したという「黄金の眠り」を求めるエルマイト旅団「トトメス」のメンバー。タニットの出身者で、現在はスメール南西部の列柱砂原に拠点がある。
ジェブライラとは古い知り合いで、ジェイドとも赤子時代に面識があり、「そのお喋りは母親譲りか」というセリフから、ジェブライラの妻ユフィとも話したことがあるようだ。
ジェブライラに執着しており、かつて「病巣」を取り除けばジェブライラがトトメスを離れる理由がなくなると思い彼の妻ユフィを殺害した。
その後ジェブライラ一行を利用して聖顕殿の最深部まで到達し、追い求めてきた黄金の眠りへと誘われ「永遠の夢境」へと取り込まれ、現実の彼の肉体は消滅した。
直後、「黄金の眠り」に関する秘密を知ったジェブライラ一行を抹殺するために、手にしたアフマルの権能を使って彼らも夢境に取り込まんとしたが、ジェブライラによって阻止される。
アザリク
タニットのメンバー。ジェイドを「カラカルちゃん」と呼ぶ。
表向きは頼れる兄貴分だったが、実はアデルフィと共にファデュイと結託しており、いずれ主母の座を継ぐであろうジェイドと結婚しようと画策していた。
裏切りを見抜かれ、ジェイドに殺害される。
後のテキストでタニット部族自体がファデュイと結託していたことが露見するが、この「裏切り」はバベルに通じていたのか、それとも本当にアザリクの個人的な野望であったのかは不明。
テキストのミスなのか、彼のセリフが一箇所だけジェイドの口調になってしまっている場面があり、一部で妙な目で見られているとか…
ナヒーダの読心とその後のセリフからバベルと肉体関係を持っていた可能性が高い。
アデルフィ
タニットのメンバー。タニットで道具屋のようなことをしている。
実はアザリクと共謀してファデュイと結託していた。
弁解しようとするも、ジェイドに殺害される。
メンデス、ウグウェイ
タニットで門番をしている斥候。
タニットに来た旅人を制止するが、ジェイドの知り合いということで通した。
ナヒーダで心を読むと聖金虫を探していることがわかる。
バベルの命で襲い掛かるがジェイドに殺害される。
ユフトゥン
タニットの農夫。吃音持ち。家畜であるワニを育成している。
旅人に偽の依頼を出し、依頼の到着地点に待ち伏せを仕掛け処理しようとしていた。
一方ジェイドには旅人が北方の人間と取引をしていると嘘の情報を流していた。
最期は「偽証したケダモノ」としてジェイドの手でバラバラにされる。
ナイラム、リゼキ
バベル主母より遣わされた刺客で、ジェイドの知り合い。
パイモンのことが好きで生け捕りにしようとしていた。
旅人とジェイドらを消そうとするとするが、ジェイドに殺害される。
ブレダ、ガワッファ、イジドール、メドゥール、テイヤ
ジェイドのテントにあったリストで名前が消されていた人物。「九長老」に該当する人物だったと見られる。
(マシーラもリストに載っているが、消されておらず生存している)
ブレダ長老はバベルを娘のように、ジェイドも孫のように可愛がっていたが、毒を塗った短剣で胸を貫かれた。
ガワッファ長老はバベルの目の上のたんこぶであったといい、駄獣の顎骨で少しずつ、少しずつ噛み砕かれた。
テイヤ長老は若く美しい狩猟団の首領であり、バベル主母よりも優位な立場にいたといい、砂塵へと消えた。
イジドールとメドゥールも恐らくジェイドに殺害されたと思われる。
ウサード、タフレ
銃で何発も撃たれながらファデュイを虐殺して疲れ果てていたジェイドが、うわごとで上記のブレダ~テイヤの5人に続けて呟いていた人名。
「九長老」に該当する人物で、ジェイドに殺害されたと思われる。
ブハヌ
エルマイト旅団の刺客。
「ジェイドの指示だ」と言いながら旅人に襲い掛かるも返り討ちに遭い殺害される。
バベルが旅人とジェイドを仲違いさせるための謀略の一環だったと思われる。
タッドラー
タニットの猟鷹。
ファデュイに捕らえられていたところを旅人に救出される。当初は冷めた態度だったが、旅人と共に狩りを行う中で次第に柔和な態度へと変わり、旅人を仲間として見るようになる。
しかし、翼をもがれた猟鷹は必要ない、タッドラーの成人の儀の「狩り」の目標としてマシーラによって旅人を指定される。
神の碁盤にて旅人を待ち受ける。最期、彼女は「猟鷹」ではなく「仲間」として自身の羽を旅人に遺し、狩りを終えた。
マシーラ
タニットの長老の一人。数々の「猟鷹」を鍛え上げてきた。かつては狩人だったが、年を取り視力を失い、足腰が衰えたことで引退したという。タッドラーからは「父上」と呼ばれる。
タッドラーと旅人を殺し合わせた後、峡谷の避難所へ逃走し行方を暗ます。
タニット殲滅の後も生き残っており、「ナルヴァラス」という偽名で教令院のキャラバンに同行していたが、ジェイドに所在を気づかれる寸前に、ジェイドの傭兵団が襲撃したように見せかけ逃走した。

アアル村

スメールの森林部から見れば防砂壁を隔てた向こう側に広がる砂漠の入り口に当たる村で、はるか昔に存在したキングデシェレト文明の最後の生き残りが集まった村だという。
アアル村を守るガーディアンの使命とは村人が「キングデシェレトの末裔」としてこの世を去り、永遠の安寧を得ることを悲願とする。
教令院によって一種の流刑地として利用されており、法を犯した研究者などマハマトラによって追放処分が下った者はここに送られる。
中でも「狂学者」と呼ばれる神の知識に触れ発狂した学者たちは、まともに会話もできないため村人から煙たがられていたが、とある出来事をきっかけにアアル村の人々は彼らに敬意を表し、村の守り人「グラマパラ」と呼ばれるようになった。
「キングデシェレトの末裔」とは、神の庇護を失った砂漠において、アアル村のガーディアンが村人達に死後せめてもの安らぎを得られるように、と願いを込めているもので、実際に魔神の血を継いでいるわけではなく、強いて言えば「キングデシェレト(に仕えていた民)の末裔」といった意味合いだと思われる。

  • アアル村の起源について
    キャンディスの塵歌壺会話、キングデシェレトの霊廟中央のプライマル・オベリスク、両手剣「葦海の標」のストーリーを統合すると、
    もとはキングデシェレト自身によって「アクタモン」(あるいは「アフタモン」)*58として建設された祭祀都市だがその後いったん廃墟と化し、
    砂漠諸王国の興亡時代の最末期に、同地の遺跡から神剣「葦海の標」を発見した「盲目の詩人」(英雄サイフォスの師)とその民によって、「アアル」(=古代エジプト語で「葦」)として再建されたのがアアル村の起源と思われる。
  • 名前「アクタモン」について
    アアル村の古称の「アクタモン」(Akhtamun、Akhtamon)はおそらく、アケト・アモン(Akht-Amon)の略で、古代エジプト語で「アモン(キングデシェレト)の地平線」という意味と思われる。
    紀元前14世紀エジプトのファラオのアメンホテプ4世が、アテン神を至高の絶対神として崇めるために新首都として建設した宗教都市アケト・アテン=「アテンの地平線」(現在のアマルナ)が元ネタだろう。
  • 名前「アアル」について
    アアル(Aaru)は古代エジプト神話において天国・楽園を意味する単語。古代エジプト語で「葦」の意味で、オシリス神が治める死後の楽園と言われる。
    両手剣「葦海の標」の「葦海」に対応すると思われる。
キャンディス
青色の右目と琥珀色の左目というオッドアイを持つ、アアル村のガーディアンを務める女性。ディシアとは昔なじみのようで、時折アアル村を訪れる彼女と仲睦まじく話すこともあるようだ。
非常に優しい性格であり、負の感情の一片すらほとんど見せることがないほど明るい心根の持ち主だが、一度「敵」して彼女と相対するのであれば話は別である。
村の掟を守る善良な客人には例え一宿一飯の通りすがりの旅人であっても最大限のおもてなしで迎え、反対に村に仇をなそうとする輩にはその身をもって砂漠の厳しさを体験することになる。
キャンディスこそ真のキングデシェレトの末裔であり、アフマルの祝福が宿る盾を掲げれば大赤砂海の砂礫が彼女の呼びかけに従い、意のままに巨大な砂嵐を引き起こすことも可能。
更にはその琥珀色の左目には未来を見通し、運命を見抜く力があり、彼女の追跡から逃れることは不可能だという。…と、彼女に「もてなされた」エルマイト旅団の団員は仲間にそう語ったという。
…無論上記の話はよそ者の妄想でしかなく、キャンディス自身はそういった超能力の類も持っていない普通の人間である。だが、彼女がガーディアンとして培ってきた力は本物であり、並み居る不届き者がたとえ束になったとしても彼女に敵うことはない。
「アアル村を守る」如何なり手段を持ってしても。これは彼女の「ガーディアン」としての使命であり、「キャンディス」としての願いでもある。

スケプティック団

教令院に「ナガルジュナ団」と呼ばれている一派。
ナガルジュナは創設者の名だが、恐れ多いため自らナガルジュナ団と呼ぶことはない。scepticは英語で「懐疑主義者」を意味する。
危険な思想から教令院を追放者され砂漠の奥地を拠点としており、スケプティック団側も教令院を毛嫌いしている。

ナガルジュナ
スケプティック団の創設者。
詳細は上述。
ナセジュナ
スケプティック団のリーダーである「識主」を務める男性。
血の気が多いスケプティックでは珍しい、研究熱心な学者肌の人物。
ソルシュの協力を得て、「チンワトの儀」を行うことを目的としている。
アーリヤデーバ
元「識主」。娯楽小説と七聖召喚を追求するため団を抜けスメールシティに移住したが、執筆した娯楽小説への八重堂の評価は芳しくない。
実はナセジュナが何か企んでいることを察しており、自身の持つコリュの太鼓を教令院の知り合いに預けていた*59

花霊

ソルシュ
花霊の「勇者」。災厄の後に生まれた花霊で、かつての戦いを経験したことがない。神鳥シームルグのように自らを犠牲にして穢れを祓うことを理想としている。
花霊の中でもかなり特徴的な喋り方をし、また旅人たちに対しては当初は傲慢な性格だった。
ズルヴァーン
元祖の花霊。500年前、古代の英雄たちと共にアビスの余燼を鎮圧し、万種母樹を汚染していた穢れを祓った。
古代の英雄というのはダインスレイヴのことであり、後に双子の片割れと共に甘露花海を離れたという。

その他

ナヒーダ
幼い容姿をした謎の少女。正体はクラクサナリデビこと幽閉中の現草神・ブエル。
独特な比喩を多用した聡明な喋り方をする一方、幽閉生活が長く現実の交流が少ないからか、人間の習性や人間社会への知識は豊富でも、若干ズレた認識をしている節がある。
2022年の金リンゴ群島内では、自身の夢を操る力に類似した実験内容に興味を持ち、後から来た旅人にもドド通話機に割り込む等して接触している*60
その後、花神誕日の輪廻内で本格的に接触。ループを最初からすべて把握しており、旅人の記憶を瞬時に復活させるなど当初から只者ではない雰囲気を漂わせていた。
放浪者*61
正体が謎に包まれた放浪者。スメールの衣装で稲妻の衣装を再現した風貌を持つ少年。どこにも所属しておらず、プロフィール上も所属なしとされている。
正体は元「散兵」。世界樹の記憶に触れ過去の真実を知ったのちに、世界樹の自らに関する記録をマハールッカデヴァータ同様抹消しようと試みた。
しかしクラクサナリデビに消させたマハールッカデヴァータと異なり、自分自身の記録を改ざんしたため、存在そのものを消すことはできなかった。一方たたら砂の惨劇等へのかかわりは無かったことにされたため、人格も穏やかでまるで別人のようになっていた。
その後旅人とナヒーダに出会い、ナヒーダが世界樹の影響を受けないよう細工をして保存していた「散兵」の過去に触れる。本人がこれを知ってなお取り戻すことを強く望んだため、ナヒーダから記憶を受け取り人格もかつてのものに近くなった。
この際に風の神の目が下賜され、プレイアブルキャラクターとしても雷ではなく風元素で実装された*62
世界樹の改変では過程が変わっただけで惨劇の歴史自体を変えることはできなかったが、世界から「散兵」の記憶や記録が消えたことに満足し、博士への復讐を誓いつつも旅人、ナヒーダと和解し彼らを支援する事を約束する。
この際に「散兵」の名を捨て、和解の記念に旅人から名前を受け取った。以降彼の名前は旅人がつけた名前になる。
その後はナヒーダの「囚人」として、彼女の指示でスメールでの異変や教令院の内部調査などを代行する事もしており、ナヒーダのエージェントという位置付けになっている様子。また現在は教令院の学生でもある。
彼女の評価では「信仰者」でも「裏切者」でもない者とされており、彼女の統治下にはいるものの信者でも敵でもない状態となっている。事実敬っているような口調ではなく、他の側近が様付けするのに対し彼は「クラクサナリデビ」と呼び捨てにしている。
あることから「笠っち」という名で因論派に入った(詳しくは教令院欄に記載)。
  • 国家分類について
    無所属だが、立ち絵/神の目/システム/グッズなど分類がある場合は原則スメールキャラとして扱われる。
    七聖召喚に関しては新たな「その他の所属」という枠組みが用意され、所属自体が表記されていない。
    タルタリヤや万葉が国家実装前にプレイアブルされたことから便宜上璃月キャラとして扱われることもあるが、こちらはやや事情が異なる。
  • 雷電五箇伝に関して
    世界樹を書き換えたことで結果として関係者の認識が変わり、その事件に関する事実は再び失われた。
    しかし彼は末裔らに対し「真実を知る権利がある」とし、復讐されるのも覚悟の上で旅人に事実を伝えるよう依頼した。
    「その日はいつか来る」と言い、現に学者としてたたら砂の事件について研究している。
ドリー・サングマハベイ
小柄で神出鬼没なスメールの旅商人でアルカサルザライパレスの主。
とにもかくにもモラを愛し、モラを稼ぐことに情熱を注いでいる。
数え切れないほどのお宝を保有しており、ティナリ曰く「会計の度に心臓をチクチク刺されるような痛みを味わうハメになる」との事。
仕入先、不思議さ、予測不可能な出現場所、法外な値段といった様々な「一番」を持つ。
大商人として名高い「サングマハベイ様」その人であり、一般にはこちらの名前が有名であるようだ。
初出はアーロイのチュートリアル動画内におけるアリスの肩書「かの有名なサングマハベイ様のサプライヤー」であり、かのアリスを仕入先とするなら「一番」驚く仕入先という謳い文句も納得であろう。
  • サングマハベイはアルファベットでは「Sangemah Bay」と綴る。「サングマハ(Sangemah)」はかなり馴染みの薄い単語だが、
    「sang」と「mah」はペルシャ語でそれぞれ「岩・地域」と「月」を意味し、「sang-e-mah」で「月の岩」もしくは「月の土地」という意味になるようだ。
    また、「bay」はチュルク語で「マスター」を意味する。それぞれ中東圏、中央アジア圏の言語。
    ※出典:【原神杂谈】须弥原型的初步探究 - 哔哩哔哩 - Bilibili
ニィロウ
ズパイルシアター所属の天才的な踊り子の少女。頭の角つき冠は花神をイメージしたもの。
クラクサナリデビの信奉者の一人であり、ドニアザードの友人。
理性主義の教令院によって娯楽や芸術が迫害されている状況にもめげず、「花神誕祭」で舞を披露しようとしたが、大賢者によって中止を余儀なくされる。
「花神誕祭の輪廻」では夢境の主となっており、旅人の指摘*63から自身が夢の中にいることに気付くと、「花神の舞」を盛大に披露して夢を終わらせた。
プスパカフェの飼い猫であるガタが好き。
ドニアザード
名家フーマイ家の令嬢。スメールシティでは数少ないクラクサナリデビの信奉者。
生まれつき魔鱗病を患っている。魔神任務第三章・第二幕の時点で病状は末期まで進行しており、明るく活動的な性格とは裏腹にいつ限界が訪れてもおかしくない生活を送っている。
彼女の両親は娘の病気の治療のために手を尽くしているが、娘の身を案じるあまり彼女を屋敷内にほとんど軟禁するような状態にしており、そのため友人の一人も持たず屋敷の外の世界を見聞きすることもなく、病の進行を遅らせるためだけに生きているような幼少期を過ごしていた。
ある日、激しい発作を起こして数日間に渡って意識が朦朧とする状態になったが、意識が回復した際にクラクサナリデビの啓示を受け、彼女から屋敷の外に広大な世界があることを教わった。これを機に世界の様々な事象に興味を持つようになり、生きる気力を持つことができるようになった。
そのためクラクサナリデビに大きな恩義を感じており、彼女に関する民間の伝承を編纂したり花神誕祭の開催のために資金援助を行うなど、クラクサナリデビの信仰を広めるために熱心に活動している。
「花神誕祭の輪廻」に巻き込まれた際には、元々大病を患っておりそれも末期の状態だったこともあってアーカーシャによる夢の搾取に耐え切れず、百何十回にもわたる花神誕日の繰り返しの果てに意識が散逸してしまったが、そのためにアーカーシャによる掌握から逃れることができた。
彼女の意識は完全に消失する前にクラクサナリデビによって維持され、その間に旅人らによって「花神誕祭の輪廻」が終了させられたことで一命を取り留めることができた。
その後、魔鱗病が根治したことにより生来の明るさを完全に取り戻したのだが、今までの反動なのか溢れんばかりの元気にお嬢様の付き人もたじたじのようだ。
  • 名前について
    元ネタは「千夜一夜物語」のシェヘラザードの妹、ドニアザードだと思われる。
ジェイド→ジェイド・タニット→ジェイド・ユフィ・ヒンディ
砂漠で調査を行っていたティルザードの護衛を父のジェブライラと共に引き受けていたエルマイト旅団の少女傭兵。
土砂崩れに巻き込まれ立ち往生していたところ、行方不明になったティルザード一行の捜索依頼を冒険者協会から引き受けてやってきた旅人に出会う。
旅人の助力を得てティルザードの調査を完遂するも、ジェブライラはサミエルを止めるために永遠の夢郷に入り自我と肉体を失ったため、唐突に肉親を失い天涯孤独の身となる。
その後旅人と別れ、一先ずは父の生まれである「タニット」という砂漠の部族が住む集落を探し、さまよっていたがタニット露営地にたどり着き、タニット部族の一員として迎え入れられる。
外部の人間であるうしろめたさはあったもののタニットでの生活に慣れてきた頃、冒険者協会に宛てた手紙を通して旅人と再会し、「永遠のオアシス」の本格的な調査に乗り出す。
紆余曲折を経て永遠のオアシスにたどり着き、両親との別れを告げることができたが、旅人がファデュイに情報を流したとバベルに吹き込まれ、罠にかかりファデュイに人体実験材料にされかける。
助けにきた旅人と合流したのち、ようやく得られた新たな家族と思っていたタニット部族に最初から利用されていたことが露見し、怒りに任せて主母バベルを含めタニット部族を殲滅する。
タニットを滅ぼしてしまったため結局元の放浪の身に戻ることになり、旅人に別れを告げブンブンと共に新たな旅へと出る。
アザリクにアプローチ*64をかけられた際「女の子と一緒にいる方が好き」と断っている。旅人に対しての好意表現も「一番の友達」(空)、「すごく好き」(蛍)など選択した性別によって大きく異なる。原神のセリフは基本的に「彼」「彼女」などの三人称を除き旅人の性別にかかわらずほぼ同一であるため、このような対応は非常に珍しい。
タニットを離れてからは自らを団長とした傭兵団を立ち上げ、千尋の砂漠の北西、蒼漠の囿土近辺を拠点として生活している模様。
友人(タッドラー?)の古い仇を取るため、かつて仕留めそこねたタニット九長老の一人、マシーラの行方を追っている。
ジェブライラ
ユフィ・ヒンディ
草龍アフ·アペプ
外来の秩序である天理がテイワットに降臨する遥か昔、テイワット創世の時代から存在する龍の一族の生き残り。草元素を司る。現在は砂漠の奥底を住処としている。
トワリンや若陀龍王とは比にならないほど砂色の非常に長大な無足の龍。かつてスメール全土が草木に覆われていた時代は翠色の姿だったという。
尋常ならざる適応力の持ち主であり、それは世界の外からもたらされた漆黒の力「禁忌の知識」にも順応するほど。
この禁忌の知識はかつて「龍王」により一度もたらされたものであるが、龍王が天理に敗れた後にアペプは独自にこの力を手にしようとしたが、それは天理による妨害により差し止められることになる。
それでもこの力を欲したアペプは魔神アモンとの取引により彼を飲み込みその力を我がものとする。だが、その引き換えに自らに「世界の滅亡」を招くことになってしまい、その後数千年の間苦しみ続けることになる。
世界樹の記憶から禁忌の知識が取り除かれ、世界から禁忌の知識による影響が抹消されると、アペプが手にした禁忌の知識もまた取り除かれるが、それらは既にアペプと一体になっており、それは体の一部が強制的に取り除かれると同義であった。その結果体が朽ち果てかねない事態に陥った。
怨敵天理の一片でもある魔神ブエルらの尽力により体内の核である「オアシスの心」が修復され、その体は一旦は再生へと向かっている。
  • 名前について
    元ネタは古代エジプト神話の闇と混沌を司る神アペプ(Apep)と思われる。太陽神ラーの宿敵であり、大蛇の姿をしているといわれる。
    原則として悪神とされるが、例外的に異民族ヒクソス人の王朝だった第15王朝(紀元前17~16世紀)には、アペプに由来する「アペピ」という名を名乗ったファラオが二人存在した。

フォンテーヌ

『正義の神は法廷の茶番の一切を愛し、神々への審判さえも求めた。
されどそんな彼女も知っている。天理を敵に回してはならない事を』

テイワットの中央部に属する水神が治める国。

先レムリア帝国時代(太古~数千年前)出身

魔神

フォカロルス(水神・正義の神・フリーナ)
500年前の災害で死亡した先代の座を引き継ぎ、新たな水神となった女神。現代ではフリーナの名を名乗っている。
フリーナを参照。
  • 元ネタとモチーフについて
    名前の由来は、ゴエティアの序列41番、風と海を支配する大侯爵「フォカロル(Forcalor)」だと思われる。
    原典そのままではなくForcalor”s”となっている理由は不明だが、魔神戦争勝者本人ではないからという説、リネ&リネットの例から複数形の「s」という説がある。
    更に派生して、崩壊シリーズにおける二重人格のキャラクター「ゼーレ・フェレライ」をデザイン等のモチーフにしているという予想もされているようだ。
エゲリア(先代水神・甘露の主・衆の水の主・万水の主)
先代水神。壁画では人間の女性の姿で描かれる。2000年前の魔神戦争勝者。
「慈水怒濤の翼」ストーリーにおいては、原始胎海の中に創造された「心臓」と表現されている。初代水龍がテイワットから取り除かれた後、「統率者」などと呼ばれる存在*65天理やその関係者か?)によって創られた。
創造者は外来の存在と示唆されているが、エゲリア自身は材質も性質も外来のものではなくテイワット由来のもののみで製造された。
初代水龍も「心臓」だったというから、おそらくそれを模して作られたと思われるが、龍のような気高さを持ちながら姿は龍ではなく、神のような威厳を持ちながら神聖な使命を持たず、交流と理解を追求する存在だった。

純水精霊は彼女の涙から生まれたとされる。また、レムリア建国以前に眷属の純水精霊の「地上で暮らしたい」という願いに応え、原始胎海の力を使って一部の純水精霊を人間に作り替えた。
これが天理の怒りを買い、一時期エゲリアは天理によって幽閉されフォンテーヌ統治できない時代があった。天理に許しを請うも受け入れられず、フォンテーヌ人の「原罪」となり、やがて水に溶けるという「予言」を与えられる。
レムリア帝国滅亡後、天理によって幽閉を解かれフォンテーヌに新たな秩序と文明をもたらした。
なお、現フォンテーヌ人の創造がいつだったのか、実は明言されている資料がほとんどない。しかし帝国の調律師ボエティウスは、原始胎海に溶けない人間の要素とは何かという研究を行っていた*66
純水精霊由来の人間でなければそもそも全く溶けないはずのため、おそらくレムリア帝国時代の一般のフォンテーヌ人は既に純水精霊由来だったと思われる。

この他、大陸各所に純水精霊をスパイとして送り込んだが、目的はあくまで融和だったとされている*67
500年前の災害で死亡。遺骸は「甘露活水」へと変わり、それを飲んだシームルグが霊光と融合させ、花霊を含む霊光百種を創造する。
純水精霊から人間となった一人であるフォカロルスを後任の神とし、予言の処理については彼女に一任することとなった。

  • 名前について
    エゲリア(Egeria)はローマ神話における水のニンフの名。
    王政ローマ時代の第二代の王ヌマ・ポンピリウスの妻であり助言者であり、ヌマ王が死ぬとディアナの森で多くの涙を流し、泉に変わってしまったという。
    ゴエティア由来の名はVer.4.2時点で未判明。
    候補としては30位フォルネウス、42位ウェパル、49位クロケルなどが挙げられる。いずれも水や海に縁を持つ悪魔。

純水精霊

先代水神が流す一滴の涙から生まれた存在とされる。
その時代は人間との関係は良好であったが、先代水神の死と、巨獣エリナスの流す毒素によるフォンテーヌ全域における水質汚染によってほぼ全滅した……と思われていたが、実際には多くの個体は人間に姿を変えられていたため、地上でそのまま生存していた。
500年後、その「人間」はヌヴィレットの判決によって真の人類へと生まれ変わったため、現存するのは下記のわずかな個体と原始胎海の水に溶けた者のみ*68である。

ローデシア
ボスキャラクター。
先代水神エゲリアが送り込んだ純水精霊のなかで最も強かったが、代替わり後の現水神には忠誠を誓わず出奔。
現在は軽策荘東の水源に潜んでいる。
イベント「純水の願い」では、エゲリアの下で首席スパイを務めていたことが明かされた。
世界任務「藻海が残したもの」では、キャタピラーは、純水精霊は人間を生み出せるか?という命題に対し「かなりの知能と共感力」が要求されると指摘。
その上で「トップクラスであるローデシアのような純水精霊なら、どうにか到達できるという程度」と評しており、純水精霊の中でも最高の天才の一人かつその中でも代表格と見なされているようだ。
  • 名前について
    英語版ではRhodeiaとなっており、古代ギリシア神話の海の女妖精オーケアニスたちの一人、ロデイア(Ῥόδεια、Rhodeia)が元ネタと思われる。
エンドラー
イベント「純水の願い」に登場した若い純水精霊。好奇心旺盛。最強の純水精霊であるローデシアに憧れている。
最初は言葉も片言だったが、旅人やローデシアと接するうちに高度な知性を身に付け、最後は旅人に同行することを決めた。
  • 名前について
    他の純水精霊が古代ギリシア神話の海の女妖精オーケアニスたちが出典と思われるため、やや形が違うが、その一人エウドーレー(Εὐδώρη、Eudōrē)の共通語形「エウドーラー」が元ネタか。「良き贈り物」という意味。
ウラニア
「風来の剣闘奇譚」に登場した個体。領地を失い浄水を手に入れることができなかったらしい。
エリニュス山林地区にはウラニア湖という同名の湖が存在するが関連は不明。
  • 名前について
    ウーラニアー(Οὐρανία、Ūraniā)は古代ギリシア神話の女神の名前で、「天」の女性形。
    同名の女神が複数存在する。最も有名なのは九柱の詩神ムーサイ*69の一人だが、ここでは海の女妖精オーケアニスたちの一人のことを指すと思われる。
カリロエー
清泉町の泉の精霊。イベントの流れゆく水に詩を紡いでより名前が判明。
彼女こそが清泉町の伝説の精霊であり、NPCフィンチが少年時代に恋をした精霊である。
またディオナの持つ祝福も彼女が与えたものであり、様々な伏線が3年越しに回収された。
ストーリームービー「清泉の心」
  • 名前について
    カッリッロエー(Καλλιρρόη、Kallirrhoē)は古代ギリシア神話の女性の名前で、「美しき流れ」の意。
    同名の人物が複数存在するが、ここでは海の女妖精オーケアニスたちの一人のことを指すと思われる。剣士クリューサーオール(神馬ペーガソスの兄弟)との間に魔人ゲーリュオーンと女怪エキドナを産んでいる。
イディア
ver3.8期間限定イベント涼夏!楽園?大秘境!に登場。若い女性の見た目。
性格は明るく、責任感もあるが、「マスコット」を自称するようにやや気弱でパニックに陥るシーンも*70
ただし能力は非常に高く、自由に人間の姿に擬態できる他、水形幻霊に人間を含むあらゆる存在へと擬態させることでヴェルーリヤ・ミラージュの全てを形作らせている。
イベントでは友人であるアリスに頼まれ、クレーらをヴェルーリヤ・ミラージュで迎える。
  • 名前について
    古代ギリシア神話の海の女妖精オーケアニスたちの一人エイデュイア(Εἰδυῖα、Eidyîa)がモデルであろう。3000人の姉妹で最も幼いとされる。
    コルキス(現在の東欧ジョージア)の人間の王アイエーテースに嫁ぎ、アルゴー号伝説のヒロインである魔女メーデイアを産んでいる。
アン
世界任務「水仙のアン」にて登場する小さな純水精霊。世界任務「水仙のアン」の主人公とも言え、彼女と接触することで任務が始まる。
純水生物のプティ・シュ、アル、ジェック、カーネル・ケイト、モーリィ、ネイらと共に結成された水仙十字冒険団のリーダーであり、個性的なメンバーが多い冒険団の唯一の常識人。
自身に関する記憶が曖昧であり、自分が何者であるかを知るため旅人たちと共に行動する。
彼女の正体は「マリアン」が作り出した架空の物語のキャラクター「アン」が具現化した姿であり、純水精霊ですらない。
アンの性格や記憶は、水仙十字冒険団という未完成の物語をベースにマリアンや純水精霊リリスのものが交わったもので非常に不安定だったために自力で思い出すことができないでいた。
世界任務終盤において、「マリアン」が過去と向き合い未来へ歩き出すことを決意したため束縛から解放され、アンは独立した個体として生まれ変わることができた。
「マリアン」
世界任務「水仙のアン」にて登場する人物。500年前に存在した歴史上の人物であるマリアン・ギヨタンと同じ名前を持ち、水仙十字院の奥地にある「真の安眠の地」で暮らしている。
見た目は普通の人間であり自身も人間として振舞っていたが、元素視角で見ると水元素の反応がある(人間に擬態した純水精霊の特徴である)。
旅人やアンたちと出会ったときは友好的に接していたものの、アンたちが真相を求めると態度を一転させ拒絶、旅人たちを真の安眠の地より追放する。
彼女の正体は、数百年前の水仙十字結社との戦いで瀕死の重傷を負ったマリアンがに純水精霊リリスに意思を溶かされリリスと融合し、本来のマリアンと純水精霊リリスというふたつの意思が混在した存在である。
カーンルイアの災厄による世界的な混乱と社会不安、バザル・エルトンやカーターなどの親しい者との死別、幼馴染のルネやジェイコブと戦うなどの辛い経験から、過去を遠ざけ未来を閉ざし、永遠に変わらない穏やかな暮らしを求めて「真の安眠の地」で数百年間「水仙十字冒険団」の物語の世界に閉じこもっていた。
そのため未来を求める旅人やアンたちを幾度となく拒絶していたが、旅人が水仙十字聖剣を使って意思の壁を破壊、ルネ(ナルツィッセンクロイツ)やアンの説得を受けて過去を受け入れ、未来へ歩むことを決意する。その意思力によって純水精霊リリスとマリアンの意思が分離したことで、「マリアン」はマリアンとして再誕することになる(この際、元素視角を使用すると普通の人間と同じく白色の像が見える)。
その後は、アン、セイモア、マメールと共に数百年の間に様変わりした世界を見るための旅に出る。
リリス(赤の女王)
水仙十字院院長を務めた純水精霊。水仙十字院の項目を参照。

ルキナの泉

エピクレシス歌劇場の前にある噴水。コインを投げると願いがかなうと言われるが、特にカップルが子宝祈願をする風習がある。
純水精霊やフォンテーヌ人の秘密に関わっている。
泉はフォンテーヌを流れる全ての水が集まる場所であり、魔神任務第四章第二幕終了後から第五幕終盤までは噴水中央にてフリーナの悲しむ声が聞こえるなど、フォンテーヌ中の涙も集まってくる。
原始胎海に溶けてしまったフォンテーヌ人の意思も最終的にはルキナの泉に集まり、その影響を受けやすい者(水元素に共鳴しやすい者)はその姿や声を確認することもできる。
元々、ルキナの泉に願い事をすることは人間の生命を切望する純水精霊が泉の水の祝福を受け、後の月に人間になるための儀式であったとされる。
魔神任務第四章終盤で、全てのフォンテーヌ人が純粋な人間となったことで上記の儀式をすることなく通常の人間と同じように受胎することが可能になったと思われる。

  • 名前について
    元ネタはイタリアの首都ローマのトレヴィの泉。カップルが2枚コインを投げると、永遠の愛が成就するという伝説がある。
    ルキナ(Lucina)は古代ローマ神話で、女神ユーノー(古代ギリシア神話のヘーラー)とディアーナ(アルテミス)の多産を司る神としての権能を表す称号。

原初の龍

原初の水の龍
「天理」がテイワットに降臨する以前、テイワットの水元素の権能を司っていた初代水龍*71
水のヴィシャップによれば、その正体は原始胎海から生まれた強大な心臓であり、その鼓動が響くたび、あらゆる生き物が跪いたと言われるが、このような伝説は信じるに値しないともされる。
純水精霊の伝説によれば、初代水神エゲリアが創造される前には既に(おそらく「天理」によって?)テイワットから取り除かれていたらしい。

レムリア帝国時代(スメールのジュラバド崩壊後のどこか~2000年以上前のどこか)出身

レムリア

かつて現フォンテーヌ地域を支配していた古代の国。
レムリア成立以前のフォンテーヌは大洪水によって文明が崩壊しており、大洪水を生き延びた一部の部族が暮らしていただけだったが、魔神「レムス」がこの地に再び秩序と文明をもたらしたことでレムリア帝国が建国された。
レムリアの艦隊がフォンテーヌ諸部族(蛮族)と高海を征服し、海淵の下の巨竜スキュラもレムスに臣従するなど全盛期を迎えたが、予言者シビラがレムリア帝国の滅亡を予言する。
レムスは滅亡回避のために奔走することになるが、ボエティスウスの裏切りもあって最終的に滅亡。レムリア滅亡後は、高天よりフォンテーヌ地域の統治を衆の水の主(エゲリア)に任されることとなる。
今でもフォンテーヌの芸術にはレムリアの影響が残っているという。

  • 名前の元ネタ
    イギリスの動物学者フィリップ・スクレーターが1874年に提唱した、インド洋に存在したとされる仮想の大陸(ただし綴りはLemuriaで、テイワットの方はRemuriaである)。
レムス(至尊・リマシ)
レムリア帝国を建国・統治していた音楽を愛する魔神。レムス王、至尊神王とも呼ばれる。また、周辺部族からは「リマシ」と呼ばれた。レムスが魔神名なのか俗名なのかは不明。
元々はスメールのオアシス地帯に自らの領域を持っていたがある時期に国を失い、近隣の支配者であったキングデシェレトに下ることも良しとせず流浪の旅に出たところ、偶然にも地上大湖の領域で非常に古い遺跡に辿り着き、予言者シビラと出会う。*72
シビラから、新たな国を築き繁栄を得ること、そしてその後に滅びを迎えるという2つの予言を受け、流浪の旅を続けていた人々をまとめあげてレムリア帝国を築き上げ、帝国以外にもフォンテーヌ地域の周辺部族に農耕技術や芸術文化をもたらした。
予言を定められた運命として国を築いたものの、同時に滅びの運命を変えるべく奔走し続けており、海の底に幽閉されていたエゲリアから、かつて彼女が犯した罪とそのためにフォンテーヌの民が抱える宿命を知らされる。
これが滅びの運命につながる要因と考えたレムスは、石の肉体にイコルを血とする魔像を作り上げ、人々を海に溶ける宿命や寿命という呪縛から解放し、大楽章「フォボス」によって運命を自ら紡ぐことでレムリアに永遠の繁栄をもたらそうとした。
しかし結果的にこれらが裏目となり、レムリア人の堕落を生んだ。レムス王はフォンテーヌ人や純水精霊を迫害していたとされているが、実際は殺戮・略奪・憎悪の願いを取り込んだフォボスが原因でありレムス王の真意ではなかったとされる。
フォボスの旋律の中に悲鳴を聞いたことからフォボスにこそ問題があると察し、自身の命と引き換えに、フォボスの破壊とレムリア人を魔像から解放する策を講じたが、それを事前に察知していたフォボスの策略によって阻まれてしまう。
レムスの死によって解放された楽章の力が暴走し、レムリア帝国は水没、滅亡する。
  • 元ネタその1
    「レムス」は古代ローマの伝説上の建国者の一人の名前でもある(もう一人はロムルス)。
    現代の西ヨーロッパ諸国も、乱暴に言えば西ローマ帝国が壊滅して諸族間の争いを経て形成されたものである。
    またいわゆる西洋文化も15世紀のルネサンスを経て、古代ギリシャ・ローマの芸術や学問に大きな影響を受けている。
  • 元ネタその2
    音楽家・芸術家・圧制者としてのレムス王の元ネタは、第5代ローマ皇帝「ネロ」(在位:54~68年)であろう。
    政治的には暗君とされる一方で、豊かな音楽の才能を持ち、また芸術のパトロンとしては優れた鑑識眼を持っていた。
    またネロは一般に「暴君」と評価されがちだが、近年の研究で元老院やキリスト教徒の誇張・創作が大いに含まれている可能性が高いことが判明している。
    そこまで踏まえたのかは不明だが、レムス王も上記の通り一般に流布されるイメージとは異なり実際は民思いの思慮深い王であった。
    レムス王が抱えた「黄金の劇団」は、ネロの邸宅「ドムス・アウレア」すなわち「黄金の宮殿」が元ネタかもしれない。15世紀に再発見され、その華麗な様式はラファエロらルネサンス時代の大芸術家にも大きな影響を与えた。
  • 元ネタその3
    地上に文明をもたらした偉大な政治家としてのレムスの元ネタは、西ローマ帝国の後継である東ゴート王国を西暦497年に建国した「テオドリック大王」と思われる。
    『原神』でレムスの側近とされるボエティウスとカッシオドル(カッシオドルス)は、史実ではテオドリック大王に仕えた政治家・哲学者・科学者・数学者・音楽学者・神学者である。
    大王自身はローマ出身ではなく(当時は蛮族と見なされた)ゲルマン系民族ゴート族の出身だが、古代ローマ文化の維持・発展と普及に努め、「東ゴート・ルネサンス」をもたらした偉大な帝王とされる。
    西欧の「古代と中世」の境目に位置する君主であり、大王の教化によって、ガリア人やゲルマン人などの古代部族は、ローマの先進的文明と(当時としては革新的な思想である)世界宗教キリスト教を受け入れた「中世ヨーロッパ人」へと変容していくことになる。
    また、中世ヨーロッパのゲルマン語系文化圏の伝承においても、「ディートリヒ・フォン・ベルン」の名で民族を代表する最大の英雄と語り継がれていた。なお、作中でリオセスリがレムス王の船を模して作った「ウィンガレット」は、現実の伝承ではディートリヒの側近ヴィテゲの祖父の船である。
ボエティウス
レムリアの大調律師の一人。レムスが自ら地位を与えた人間で、帝国史上最も偉大な天才。
フォンテーヌの蛮族を駆除するための戦争こそが正義であると信じる狂信的な主戦派である。そのためレムスと意見が合わず、レムスがフォボスを破壊しようとしたとき、フォボスによって操り人形とされてしまう。
レムリア滅亡後、生き残ったレムリア人を巧みな話術によって欺き、散り散りになったフォボスを修復してレムリアを再建しようと企んだため、カッシオドルやフォンテーヌ廷の人々に封印された。
しかしそれでもレムリア帝国復活を諦めていなかった彼は、数千年かけて自身の魂を修復し、フォボスに取り込むことで乱れた楽章の力を制御できるようになる。
かつて自身を封印し、レムリア帝国復活を阻んだカッシオドルのことを「裏切り者」と呼ぶ。
  • 名前について
    5~6世紀に活動した古代ローマ末期の哲学者、音楽理論家、ローマ帝国の執政官「ボエティウス」から。
    プラトンやアリストテレスなどのギリシャ哲学をラテン語に訳して当時のローマ世界に伝え、中世から現代までの議論学に重要な影響を与えている。
    また、古代ギリシャの音楽観を伝承しそれ以降の中世ヨーロッパに広く知られた。
カッシオドル(ウッスー、ウスさん)
レムリアの大調律師の一人。フォボスの旋律から悲鳴が聞こえるようになったことから、レムスが不測の事態に備えてフォボスから切り離して自由意思を与えた人間。
レムリア滅亡後に、僅かに残ったレムリア人の仲間と共に「二度と同じ過ちは繰り返さない」ということで原始胎海の封じ込めを行っていた。
しかしボエティウスがレムリア復活に動いたため、フォンテーヌ廷の人々と協力して魔物同然となったボエティウスと交戦し、レムリアを呑み込んだ水域と共に封印することに成功した。
カッシオドルは過去の現在の間の障壁となると誓い、往日の国の守り人となった。
ボエティウスが復活し、再びレムリア帝国復活のためにペトリコールの住民たちの魂を奪ったことでカッシオドルの意思も目覚める。意思を猫の体に預け、旅人共にボエティウスの謀略阻止に動く。
かつてレムス王を計画を阻み、レムリア滅亡の原因を作ったボエティウスのことを「裏切り者」と呼ぶ。
「黄金の狩人」(黄金ハンター)とも呼ばれており、後世のフォンテーヌにおける役職「ファントムハンター」の名前の由来ともなっている。
  • 名前について
    5~6世紀に活動した古代ローマ末期の政治家、ローマ帝国の執政官「カッシオドルス」から。
    ボエティウスと同時期に活躍した文化人であり、聖書研究に大きな影響を及ぼした。
シビラ
金の蜂に化身したレムリアの予言者。この世界の「人」と呼ばれる存在に幸福をもたらすことを願っていたが、自分の意志も十分な力も持っていなかったため、自身の知恵をレムスに託した。
後にフォボス創造のために自分の命を捧げる。
  • 名前について
    古代ギリシアやローマ、ペルシアなどの地中海世界で尊重されたアポローンの神託を受け取る預言者の巫女のこと。各地に複数のシビラが存在していたことが多数の文献からわかっている。
「フォボス」
全ての人に幸福をもたらす大楽章、全ての人のために最善の旋律を紡ぐ大楽章。あらゆる旋律、あらゆる楽章、あらゆる思い出、あらゆる魂の集合体。
レムスが作り上げた大楽章にして、レムリア帝国を滅亡に追い込んだ黒幕。ハープの外見をしている。
フォボスは願いの集合体であるが故に、略奪や殺戮などの野蛮な願いも取り込んでしまったため、レムリア人の堕落を招いてしまう。
フォボスの危険性を認識したレムス王によって破壊されそうになったが、フォボスはレムリア人の幸福のためにボエティウスを操り人形としてその計画を阻止した。
結果的にレムリア帝国は滅亡するものの、フォボスの意思は現代まで生き残っていた。
あくまでレムリア人、レムリア帝国のための存在であるため、フォボスの行動理由は一貫してレムリアに永遠の繁栄をもたらすことである。
しかしそれ故に、レムリア帝国の過ちを封印しレムリア人の魂を解放しようとするカッシオドルらと対立することになる。
  • 名前について
    ギリシア神話に登場する恐怖の神「フォボス」から。
    ローマ神話にもティモールという名で登場する。アレスとアフロディーテの子である。

スキュラ(水のヴィシャップのプリンケプス)
作中現在から数千年前、水神エゲリアが支配者となる以前のレムリア帝国時代に生きていた毒龍で、初代の水の龍王亡きあとのフォンテーヌのヴィシャップたちを率いた龍。魔龍親王とも*73
レムスとは友人関係にあったものの、レムリア帝国にヴィシャップが乱獲されたのに怒り、神王レムスに対し、ヴィシャップと蛮族を率いて大反乱を起こす。
実際はこの反乱はレムスが仕組んだ茶番であり、フォボスを破壊し自身を滅ぼさせてレムリア帝国を終わらせ、人々に自由をもたらす計画であった。
この計画はおおむね成功しつつあった。しかしレムリアの民に自省・自立を促すために誰にも計画を知らせなかったことが裏目に出てしまう。帝国の調律師ボエティウスは主君レムスが国を裏切ったと誤認。計画を察知したフォボスにつけこまれ、「黄金のイーコール」という国の秘宝を勝手に持ち出し、その力でスキュラを高塔の下に封印した。
秘宝を失ったレムリア帝国は、レムス王やスキュラもろとも巨大な嵐に沈む。レムリア帝国の終焉とレムスの死は実現したが、その真の目的であるフォボスの破壊とレムリア人の解放は失敗し、長きにわたり禍根を残すこととなった。
  • 名前について
    古代ギリシア神話に登場する海の魔物。古典的な図像では、上半身は人間の女性、下半身はケートー(ギリシア伝説の海獣、大魚もしくは大蛇)で、腰の辺りから複数の犬の頭が生えたような形で描かれる。
    とある海峡(一説には現在のイタリアのメッシーナ海峡)の片側に陣取り、もう片側にはカリュブディスという別の魔物が住んでいたという。

純水騎士とその関係者

純水騎士はレムリア帝国時代に存在した騎士団で、万水の主(水神エゲリア)を信仰する。レムリア帝国に迫害された純水精霊たちを護る使命を持っていた。
レムリアからは他のフォンテーヌ人含めて「無知で粗野な蛮族」と呼称され、いくつかの都市国家や構成された統一的な社会体制のない原始的な氏族社会であると評されていた。
ただし原始文明しか存在しなかったわけではなく、(レムリアから見れば劣っているという目で見られていたものの)ある程度社会や経済が発展していたようである。
彼らは帝国が崩壊し水神エゲリアがフォンテーヌの統治者となるのを見届けているが、その直後に騎士団長エリニュスは戦に次ぐ戦で罪を犯しすぎたと自己を断罪し、出奔している。
他の騎士たちも帝国崩壊後しばらくして解散した*74

彼らの英雄譚は、フォンテーヌで人気の喜劇『大蛇と純水の杯』のモデルとされる*75

  • 元ネタについて
    イギリスのアーサー王伝説に登場する騎士団「円卓の騎士」と、中世フランス文学の一ジャンルである武勲詩(シャンソン・ド・ジェスト)に登場する騎士たち(特に、シャルルマーニュ(=カール大帝)に付き従ったとされる12人の聖騎士「パラディン」)がモデルと思われる。
    『大蛇と純水の杯』(英語版:Mounted Python & the Pure Grail)は、円卓の騎士がモデルのイギリスのコメディ映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』が元ネタ。
エリニュス
純水騎士の騎士団長。聖剣オートクレールを振るった女騎士で、通称は「湖光のエリニュス」。第2代水神フォカロルスの杖「静水流転の輝き」(=オートクレール?)の元の所持者。

レムス王に滅ぼされた国の二人の生き残りの一人であり、水神エゲリアの憐れみからアルモリカ島の領主に育てられた。なお、もう一人の生き残りはレムス王の楽師となった「黄金の狩人」カッシオドルと思われる。
エゲリアを信仰するエリニュスは、純水精霊を護る純水騎士となり、湖畔の少女ダエイラから授けられた聖剣「オートクレール」を振るって諸国を征服。多数の騎士を傘下に収めた。また、「純水の杯」という聖杯を探索していたという。

ある時、レムス王が使者を遣わして、アルモリカの臣従と水と土の朝貢を求めたため、仲間の騎士たちと共に反乱を起こした。毒龍スキュラも同様にレムリア帝国に反乱を起こしたため、レムス王と帝国は滅んだ。
エゲリアは幽閉から解き放たれ、フォンテーヌの統治者の座に就いた。
しかしエリニュスは長い戦いの中で自分は罪を犯しすぎたと告白し、自己の追放を願い出て、エゲリアにそれを許可された。その後は行方不明だが、秘境「罪禍の終末」が彼女の終焉の地の可能性がある。
エピクレシス歌劇場が建設されたエリニュス島は、彼女の功績に因むものであろう。

愛剣オートクレールの最後については2パターンの言い伝えがある。
1つは、「純水の杯」の力でエリニュスがエゲリアを解放した後、「いずれ自分の七倍も気高き人の手に渡るであろう」と予言してオートクレールを湖に返したとする伝説。
もう1つは、エリニュスは結局「純水の杯」を探し当てることができず、エゲリアを解放したのは高天(セレスティア)であった上に*76、エゲリアからフォンテーヌ人滅亡に関する何らかの情報を教えられて遂に心が折れ、血で漆黒に染まった愛剣オートクレールも粉々に砕けたとする説である。
前者が正しい場合、オートクレールと「静水流転の輝き」は同一武器の可能性が高いが、後者が正しい場合は別の武器ということになる。
このエリニュスの杖「静水流転の輝き」は「海原の上の至高なる権威」を象徴するといわれている。フリーナは公式イラストでこの杖を手に持っているため、経緯は不明だが、ある時点で第2代の水神フォカロルスの手に渡ったらしい。なおフリーナの2パターン両方のイラストで所持しているので、魔神任務後も引き続き「フリーナ」の愛剣になっていると思われる。

  • 名前の発音について
    エリニュスという名前は後世に転記したときに誤りがあったのがそのまま定着したもので、本来は「エルグウィンド」と発音するのが正しい。
    古代の言葉では「エ」は「高い」を意味し、「ルグウィンド」は「王」の格変化である。彼女の本名ではなく肩書きのようなものであったと推察できる。
  • モチーフについて
    古代ギリシア神話:現実世界での名前の元ネタは、古代ギリシア神話の復讐の三女神エリーニュエスの単数形エリーニュス(Ἐρινύς、Erīnys)と思われる。恐るべき異形の怪物であると同時に、尊属殺人者を裁く正義の女神としての側面も持ち、エウメニデス=「慈悲深き者たち」の尊称で呼ばれる。
    通称「湖光のエリニュス」:「円卓の騎士」最強とされるランスロットの異名「湖の騎士」が元ネタであろう。原典の「湖」ではなく「湖光」という表現になったのは、『Fate』シリーズに登場するランスロットの宝具「無毀なる湖光(アロンダイト)」の影響もあるかもしれない。
    オートクレール:Hauteclaireはフランス語で「いとも清き」という意味。中世フランス伝説の聖騎士パラディンの次席オリヴィエの愛剣。ただし、湖の貴婦人から授けられた逸話や、湖に返すシーンは、イギリス伝説のアーサー王の聖剣エクスカリバーを思わせる。
    『エリニュスの歌』:英語版ではLa Chanson d'Erinnyes。中世フランス伝説の大英雄で、聖騎士パラディンの筆頭であるローランが主人公の武勲詩『ローランの歌』(La Chanson de Roland)が元ネタであろう。
    アルモリカ島:アルモリカは古代ガリアの一地方の名前で、現在のフランスのブルターニュ地方を含む。聖騎士の筆頭ローランのモデルとされる武将フルオドランドゥスはブルターニュ辺境伯だった。また、グレートブリテン島のブリトン人が移住していた時期もあり、ブリトン人の英雄であるアーサー王周りの古伝説(「ブルターニュもの」と呼ばれる)とも縁が深い地域。
ダエイラ
騎士団長エリニュスに聖剣オートクレールを授けた神秘的な女性。「湖畔の少女」「純水の貴婦人」とも。
明言はされていないが、名前の元ネタ的に正体は純水精霊である可能性が高い。
  • 名前について
    古代ギリシア神話の女神ダエイラ(Δάειρα、Daeira)が元ネタか。宗教都市エレウシス(現在のギリシアのエレフシナ)の建国者であるエレウシスの母とされる。
    一説に父は大洋神オーケアノスとされるが、その場合、(多くの純水精霊の名前の元ネタである)海の妖精オーケアニスたちとは姉妹となる。
  • モデルについて
    ストーリー的なモチーフとしては、アーサー王に聖剣エクスカリバーを授けたとされる女妖精「湖の貴婦人」(名前はヴィヴィアンともニミュエとも)が元ネタと思われる。
レナウのオージハン
『エリニュスの歌』に登場する騎士だが、厳密には純水騎士かどうか不明。
エリニュスがレムス王に反旗を翻す以前、毒を吐く悪龍(毒龍スキュラ?)と戦ったことがあるという。
  • 元ネタについて
    英語版はOtkerus of Rhenanie。
    Okterusは8世紀フランク王国の貴族Autcharの異表記で、中世フランス伝説の聖騎士パラディンの一人「オジェ・ル・ダノワ」と、デンマーク伝説の英雄「ホルガー・ダンスク」のモデルとなった人物。ちなみにトランプのスペードのジャックは、オジェ・ル・ダノワを描いたものである。
    Rhénanie(レナニ)は、ドイツ西部のラインラントのフランス語での呼び名。
ジェローヌのギヨーム
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士の一人で、「ナルボンヌ」という聖剣を持っていたという。
アルモリカ島の臣従を求めたレムスの使者に激怒して剣を抜くが、冷静なエリニュスに静止された。
おそらくフォンテーヌ廷の「ナルボンヌエリア」は彼の功績を記念して名付けられた地区であろう。
  • 元ネタについて
    元ネタは、フランスの第2代トゥールーズ公ギヨーム・ド・ジェローヌ(在位:790年 - 811年)。カトリックの聖人。
    カール大帝(シャルルマーニュ)の従兄弟であり、イスラーム勢力に勝利したことから、中世フランスの武勲詩で英雄として登場する。
    聖剣ナルボンヌは、武勲詩でギヨームの父とされる貴族エメリー・ド・ナルボンヌが元ネタ(ただし史実としてはギヨームより300年も後の人物で全く関係がない)。
ドゥレスト
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士の一人。リヨンの王子で、弓を得意とする。
妻アドシルティアと共に、レムス王に対する反乱をエリニュスに促した。
フォンテーヌ廷の「リヨンエリア」は彼の功績を記念して命名された地区と思われるが、あるいはもともとその辺りがリヨン王国があった土地の可能性もある。
  • 元ネタについて
    英語版はDrest。円卓の騎士トリスタンのモデルとされる、ピクト人の半伝説的な王ドレスト(Drest)が元ネタであろう。
    「リヨンの王子」は、トリスタンがイギリスのコーンウォール地方にあったという伝説的な小国リヨネスの王子だったとされることから。
アドシルティア
騎士ドゥレストの妻で、その名は「氷の娘」の意。また、「蒼帆の貴婦人」の異名を持つ。
夫と共に、レムス王に対する反乱をエリニュスに促した。
  • 元ネタについて
    英語版はAdsiltia。アーサー王伝説に登場する女性イズールト(イソウド、イゾルデとも)が元ネタ。コーンウォール王マークの妃で、円卓の騎士トリスタンの恋人。
    イズールトの名前の由来は、ブリトン語adsiltia(「仰ぎ見られる女性」)から来ているという説と、古高地ドイツ語īs-hiltja(「氷の戦」)から来ているという説があり、その二つの語源説を組み合わせたもの。
テュルパン
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士。
  • 元ネタについて
    中世フランスの武勲詩に登場する聖騎士パラディンの一人。大司教なのに騎士という異色の人物。8世紀フランスのランス大司教ティルピヌスがモデルとされる。
ナイメス
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士。
  • 元ネタについて
    英語版はNaimes。中世フランスの武勲詩に登場する、ネームという人物が元ネタ。シャルルマーニュ(カール大帝)に仕えた賢臣とされ、物語によっては聖騎士パラディンの一人になっていることもある。
フィエラブラ
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士。
  • 元ネタについて
    中世フランスの武勲詩に登場するイスラム教徒の巨人だが、後にキリスト教に改宗してシャルルマーニュ配下である聖騎士パラディンの一人となる。
ブランカンドリン
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士。マルセイユの同胞。
  • 元ネタについて
    『ローランの歌』に登場するサラセン人の武将ブランカンドランが由来であろう。元ネタでは聖騎士パラディンたちの宿敵側である。
マルセイユ
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士。ブランカンドリンの同胞。
  • 元ネタについて
    英語版はMarsileで、『ローランの歌』に登場するサラセン人の王マルシルから。猛将ブランカンドランの主君であり、パラディンたちとは敵対関係。
アグリカーネ
『エリニュスの歌』に登場する純水騎士。
  • 元ネタについて
    アグリカンは、フランス伝説の大英雄ローラン(イタリア語ではオルランド)を主人公とするイタリアの叙事詩『恋するオルランド』の登場人物。モンゴル王にしてタタール皇帝。元ネタでは敵役で、オルランドに敗れ討死。

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身

エリナス
かつてフォンテーヌに現れた巨獣。
現在は死亡し、巨大な骨格がベリル地区を形成している。
冷たく寂しい黒い宇宙を漂っていたところを「ママ」によって体と名前を与えられて誕生したという。誕生場所は地下で、大勢の兄弟姉妹がいたようだ。
地下を離れて地上に出た時、生命や世界に触れて感動と幸福を覚えたが、自身の血は地上の生物には猛毒で、楽しくて面白いと思うことは地上の生物にとって恐怖でしかない事に気付く。
それに気付いた時には既に何もかも手遅れだったが、それ以上他者を不幸にすることを望まずに落命した。
エリナスの死体から流れる血はそのままフォンテーヌの水質を異常に汚染させ、純水精霊が数多く住んでいたフォンテーヌで純水精霊が絶滅し、代わりに濁水幻霊という異形の水元素生命体が誕生した。
エリナスが死亡して骨だけになっても精神は残っており、訪れたジェイコブが自身の血に触れても毒に侵されなかったことを喜び、彼に親しみを覚えた。
また体内で発生した戦闘の余波でメリュジーヌが誕生すると、そのことを喜んで親として彼女らに接した。
  • おそらくはドゥリンと同様にレインドットが生み出した存在。
    無垢な子供のような無邪気さ、暗い宇宙を漂っていたところを「母親」の手で現界させられた誕生、未だに機能を失っていない心臓、猛毒の血液やアビスとの関連性など、共通点は多い。
    しかし大きさは桁違いで、エリナスは頭骨だけでもドゥリンのそれの2倍以上はあり、ドゥリンの骨はドラゴンスパインの一部のみに残るのに対し、エリナスの骨はベリル地区全域に存在する。
    エリナスが現れる以前はクレメンタイン線の西側には陸地は無かったそうなので、ベリル地区はそれ自体がエリナスの亡骸によって構成されているのだろう。
  • 名前について
    エリナス(Elynas)は、1390年代にフランスのジャン・ダラスが著した『メリュジーヌ物語またはいとも高貴なるリュジニャン家の物語』に登場する人物。
    アルバ(スコットランドの古称)の王で、彼と妖精との間に生まれたのがメリュジーヌら三姉妹であるという。

  • ブリーチャープリムス
    ベリル地区北側のエリナスの骨が目立つ地域に生息する、謎多き異界の生物……と、人間社会では思われているが
    その正体はエリナスの遺骸から分離した体細胞。独立した生物といえるかは怪しい。
    本体たるエリナスの意を受け、メリュジーヌを外敵から守る番人としてベリル地区を徘徊している。
    しかし、如何せんただの体細胞なので情報処理能力(ありていに言えば知能)が低く、メリュジーヌ以外の生物全てを外敵と判断して襲い掛かっている。
    それは旅人など、エリナス自身と直接コンタクトをとりメリュジーヌの味方であると認識された存在であっても例外ではない。
    必要があればエリナスが直接制御を行うことも可能なようで、旅人とジェイコブの戦闘において旅人が結界に閉じ込められた際、エリナスに直接操られた個体が結界を攻撃、解除して旅人を助けている。
    独特な美的感覚を持つメリュジーヌからは「かわいい」と思われている。

水仙十字院

かつてフォンテーヌに存在した孤児や犯罪者子息を養うための孤児院のような公共の福祉施設。
アラン、マリアン、ジェイコブ、ルネ、カーターはここの出身である。
院長は純水精霊、副院長は人間のバザルが務めていたことから、現代フォンテーヌよりも純水精霊と人間の関係がより親密だったことが窺える。
カーンルイアを巡る500年前の災厄によって住んでいた孤児や職員の多くが犠牲となり、水仙十字院は事実上崩壊して廃墟となった。

リリス
水仙十字院院長を務める純水精霊。先代水神エゲリアの眷属。
知能が低く、物事の前後関係を理解することが苦手で数も数えられなかった。そのため、彼女は水仙十字院に派遣されエゲリアの慈愛を象徴する役目を担った。無論事務処理能力なんてものは持ち合わせていないため、実務はほとんど副院長のバザルに任せていたようだ。
500年前の災厄によって水仙十字院が崩壊した時、彼女の低い知能では何が起きているのかを理解できず自責の念を抱きながら廃墟を彷徨っていたところをルネに発見され、水仙十字結社に加入し彼らの研究に協力する。
その後エリナス内部でマレショーセ・ファントムと水仙十字結社が衝突した際に、瀕死のマリアンと再会。何が起きているのかを終ぞ理解できなかった彼女は、マリアンの意思を原始胎海に溶かして自身と融合し「マリアン」となる。
楽しかった過去の水仙十字院時代の夢に自身を閉じ込め、そこで500年の時を過ごし現在に至る。
  • 名前について
    英語版ではLyrisとなっており、古代ギリシア神話の海の女妖精オーケアニスたちの一人、リュリスが元ネタと思われる。
    リュリスはヒュギーヌスの『神話集』という比較的マイナーな書籍が出典であり、古代ギリシア文学を代表するヘーシオドス『神統記』に由来する他の純水精霊の元ネタと比べて知名度的に劣る。
    作中で他の名有りの純水精霊と比べ知能が低いとされているのは、それを反映しているのかもしれない。
バザル・エルトン
フォンテーヌ海軍司令官であり、退役後に水仙十字院副院長を務めることとなる女性。彼女自身も水仙十字院出身者。
お菓子作りが趣味だが、カーターが水仙十字院にいた頃は「180度で15分焼くところを540度で5分焼く」ほどの料理下手で罰ゲーム扱いされていた。
しかし時を経てアランやルネらが水仙十字院に入った頃にはかなり腕前が上達したようで、子供たちには大好評だったらしい。
その後巨獣エリナスとの戦いのために軍に原隊復帰。「必ず帰ってくる」と綺麗に死亡フラグを立て子供たちに告げた後、旗艦スポンジアン号に座乗し麾下の艦隊と共に出撃。しかしエリナスからの攻撃によってスポンジアン号は半分に食い千切られ、彼女は子供たちの未来に思いを馳せながら艦と運命を共にした。
ゲーム内でもスポンジアン号の船体は、半分がエリナス体内に、もう半分が浜辺に漂着している。また設定上ではバザル・エルトン記念博物館がフォンテーヌに存在する模様。
  • 名前について
    名前の元ネタは、クトゥルフ神話体系の創始者であるアメリカの作家ラヴクラフトの小説『白い帆船』の主人公バザル・エルトン(Basil Elton)。
    甲鉄艦スポンジアンの色は純白だったとされるが、これも同小説へのオマージュと思われる。
エマニュエル・ギヨタン(ギヨタンおじさん)
「『ポワソンの包囲』関係者」の項を参照。
カール・インゴルド
「『ポワソンの包囲』関係者」の項を参照。
ドワイト・ラスク
「自然哲学学院」の項を参照。

自然哲学学院

かつてフォンテーヌに存在した研究機関。
自然哲学の名を冠しているものの、研究学問はエネルギー工学からアビスに関する研究まで様々ある。
アラン、マリアン、ジェイコブ、ルネ、リリス、カーターは水仙十字院を出た後ここに在籍することになるが、後にジェイコブとルネがアランたちと決別し独立する。
ルネ曰く、研究助手のカーターや学院全体のレベルは低いらしい。後に研究所の再編に伴い閉鎖される。

アラン・ギヨタン
マリアン・ギヨタンの兄。ジェイコブ、ルネとは同世代の幼馴染。
フォンテーヌ運動エネルギー工学科学研究院(通称「科学院」)の創設者であり、「奇械公」と呼ばれた天才エンジニア。
プネウムシア対消滅エネルギーの発明者であり、クロックワークマシナリーの生みの親。
自然哲学学院に入ったとき「神童」「体に全然合っていない白衣を着て」いたことから、少年時代から既に天才の域に入っていたと思われる。
数々の実績を挙げたものの、幼馴染であるルネやジェイコブとは確執と対立が起き、学院閉鎖と前後してファントムハンターに引き抜かれ、妹と共にマレショーセ・ファントムに移籍。その後に科学院を創設した。
科学院の職を辞した後は、ひとり工房に籠って誰とも会わず、何をしていたかもわからないまま没する。
天才と称されたエンジニアであったが、孤児として水仙十字院に送られ、仲の良い友人たちや血を分けた妹に先立たれ、幼馴染とは敵対し、後半生は孤独の中で生きていたなどかなり不幸な人生を送っていた。
聖遺物「水仙の夢」によれば、「ある者は精密な仕掛けと鋼の体を頼りに進む道を探している」らしく、水仙十字院のメンバーで機械に通じていた事が語られるのは彼のみであるため、これはアランを指す可能性がある。その場合、彼はまだ何らかの手段で生存しているという可能性が浮上するが……。
  • 元ネタについて
    アラン(英語版はフランス語のAlain)という名前はヨーロッパでありふれた名前だが、機械や人工知能技術の研究者であることを考えると、モデルは20世紀イギリスの天才数学者アラン・チューリング(Alan Turing)と思われる(AlainはAlanのフランス語での綴り)。
    「チューリング・マシン」というコンピュータの原型となる仕組みを数学理論に基づいて考案し*77、現代の情報社会は彼の業績に基づくものといっても過言ではない。人工知能の思考実験「チューリング・テスト」でも有名。
    当時は同性愛者に対する偏見や差別が当然のように存在しており、同性愛者と発覚したチューリングは逮捕の上、裁判で女性ホルモンの注入を命じられる*78。その2年後毒をあおって自殺してしまうという悲劇の死を遂げている*79
    部下がカーター・シェルビウスなのは、チューリングが破ったナチス・ドイツの暗号機「エニグマ」の開発者がアルトゥール・シェルビウスだったのが元ネタであろう。
    作中で後世の科学院にアラン・ギヨタンの名が付けられているのは、チューリングの名に因む計算機科学賞「チューリング賞」がおそらく元ネタ。他の科学分野のノーベル賞や数学のフィールズ賞と同格の賞とされている。
  • 姓について
    姓の「ギヨタン」の元ネタは先進的断頭装置(いわゆるギロチン)をフランスの議会に提案した内科医・政治家のジョゼフ・ギヨタンと(「ギロチン」という言葉の由来)、実際の設計を担当した外科医・エンジニアのアントワーヌ・ルイであろう。
    ギヨタン自身は死刑廃止派で、廃止までの現実的な人道的処刑方法としてギロチンを提案したのだが、何の因果か自身の名が処刑器具の名として残ることになってしまった。
マリアン・ギヨタン
アラン・ギヨタンの妹。アランにも負けないほどの知識を持つ。
アラン、ルネ、ジェイコブ、マリアンの幼馴染組の中で一番年少であるが、お姉さんぶっている。
後にマレショーセ・ファントムのエージェントとなる(表向きには在籍していない)。
その後、エリナスの体内にてジェイコブと再会し、交戦。爆発に巻き込まれ、公的には死亡扱いとなる。彼女の名を冠した広場が科学院の一角に設けられている。
実際には瀕死の重症を負ったところで元水仙十字院院長のリリスと再会し、意思を溶かされて彼女と融合し、以降「マリアン」として数百年間にわたる水仙十字院の夢を見ることとなる。
  • 名前について
    英語版ではMary-Ann。これ自体はそれほど珍しくない名前だが、科学者つながりだとフランス革命期の女性の化学者マリー=アンヌ・ピエレット・ポールズ(Marie-Anne Pierrette Paulze)が元ネタか。
    マリー=アンヌの最初の夫はフロギストン説*80を打破し酸素を発見した「近代化学の父」アントワーヌ・ラヴォアジエであり、夫の助手として共同で研究を行い、科学書を翻訳するなど精力的に貢献した。ラヴォアジエが革命で処刑されると、前夫の成果を『化学論集』としてまとめて出版。サロンを開催して科学の振興に努めた。
カーター・シェルビウス
自然哲学学院におけるアランたちの先輩であり、アランの研究助手。水仙十字院出身。
マシナリーの説明文(後述)なども合わせると、同僚の助手から「シェルビウス」の姓で呼ばれている助手と同一人物と思われる。
才能や知識はアランやマリアンよりも劣っていたが人付き合いがよく、面倒見もよかった。そのため人望はかなり篤かったらしく、死の病に臥したとき何度もアランたちのお見舞いを受けている。
自律型写真機に関するアイディアをアランに披露し、後にそれが「セイモア」の発明に繋がる。
長い昏睡状態を繰り返すなど、かなり病状が重くなっていた頃にルネから人体実験の申し入れがありそれを受け入れたものの失敗。肉体が崩壊と再生を無限に繰り返すようになってしまう。崩壊した肉体は、ルネの研究室に封印されている(自然哲学学院にて封印されていた研究室にある黒泥がそれだと思われる)。
経緯や中国語版の名前などを見る限り、カーターの精神の方はヒルチャール・レンジャーの肉体に移されてキャタピラーになったと思われる(キャタピラーの項を参照)。
なお、制圧特化型マシナリーは説明文によれば「シェルビウス式」に基づくマシナリーであり、同型機の殲滅特化型マシナリーの説明ではアランが友人の名に従って付けた、と語られているので、死後(厳密には肉体も精神も消滅していないが)もアランからは友人として追慕されていたようだ。
  • 名前について
    元ネタは、ドイツの発明家・暗号学者アルトゥール・シェルビウス(Arthur Scherbius)か。
    暗号学の祖の一人であり、ナチス・ドイツが誇った暗号機「エニグマ」の開発者であるが、そのシステムはイギリスの天才数学者アラン・チューリングらによって解かれて筒抜けになってしまった。
    カーターや、その生まれ変わりと思われるキャタピラーが、一般人と比べれば非常な秀才ではあるが、アランやルネといった天才の中の天才には及ばないのはそれが元ネタであろう。
ドワイト・ラスク
アランが在籍していた時期の自然哲学学院の幹部。正確な役職は不明だが、関わっている事案の多彩さ、重要性*81から学院長やそれに匹敵する上位ポストだったと思われる。
水仙十字院出身で、バザル・エルトン、エマニュエル・ギヨタン、カール・インゴルドと同じ世代。エマニュエルと一緒にバザルの墓参りに行くなどしている。

十字鈴蘭学会/水仙十字結社

ルネが創立した秘密結社。自然哲学学院を隠れ蓑にしていたが、学院解散後はイプシシマスの塔(現在のゲシュタル塔)に本部を置いていた。
当局から目を付けられるほどには危うい研究を行っていたと思われ、後にヌヴィレットやアラン・ギヨタンから通告を受けている。セイモアは「結社の計画は必ず挫かなければならない」と言っている。
自然哲学学院の図書室(?)の中にある本から結社に繋がる。結社の天井には巨大な「終末時計」があり、旅人が水仙十字の物語を進めるたびに時計の針が動く演出がある。
この終末時計の針が0時を指したとき、世界は終末を迎えるとされる。
創立者や初期メンバーが研究者ということもあって結社の技術力は高いものの、思想もかなり独特でありテイワットのシステムを否定的に見ているものが多い。「神の目」については「己を世界の『運命(ヘイマルメネー)』に売り渡す行為」であると否定的に捉え、魔神任務にもたびたび登場するものの一般には周知されていない「降臨」についても言及している。
結社の正会員はフォンテーヌ人がほとんどと思われるが稲妻やナタ出身の正会員もおり、商人、踊り子、古代レムリア文明の著名な歴史学者、結社での研究内容を自身の娯楽小説執筆活動に活かす小説家など身分や職歴も多様である。
「階位」と呼ばれる独自の表彰があり、内容から推察するに第一階位が一番下で第二、第三と序列が上がっていくものと思われる。
作中現代における一般人の間では「鈴蘭十字結社」など、「水仙」が「鈴蘭」に置き換わった状態でその存在が伝わっている。長い年月で伝承が歪んだのか、フォンテーヌ廷が意図的に秘匿したのかは不明。

  • 元ネタについて
    17世紀初頭に宣言書が発表されたドイツの神秘結社「薔薇十字団」(Rosenkreuzer、ローゼンクロイツァー)が元ネタ。
    19世紀末のイギリスの魔術結社「黄金の夜明け団」や、20世紀最大の黒魔術師アレイスター・クロウリーなど数多くのオカルト系団体・著名人がこの組織の後継者を自称した。
    『原神』で魔神の名前に「ゴエティア」の大悪魔の名前が使われているのも、この辺の集団が作り出した文化からの影響を受けている。
ルネ・インゴルド(ルネ・ド・ペトリコール)
一連の水仙十字院ストーリーの過去時間軸における最大のキーパーソン。
世界の滅亡を予言する「世界式」の導出に成功した研究者。世界式の研究の結果、テイワット文明の滅亡を回避できないと知った彼は人類の火種を残す方向に舵を切ることになる。
スメールの甘露花海にジェイコブ、カールと共に調査に行き、アビスの力である「深淵の力」、それに対抗する「霊光の力」、地脈から得られる元素力を精錬した「アゾス物質」、滅亡したカーンルイア文明の遺物などを発見している。
先述の通り、ジェイコブが死に瀕した際に彼にやむを得ず深淵の力を与えた際、彼がアビスの体を手に入れて不死の肉体を手に入れたため、ここに滅亡回避の希望を見出したことが彼らの人生の最初の分岐点となる。
その後アランの推薦によって(研究資源の不足から研究資源のおこぼれを狙う意図はあったものの)ジェイコブと共に自然哲学学院に入り、アランの研究助手となる。
そこで集めた人材と資源を利用し、自然哲学学院を隠れ蓑とした秘密結社「十字鈴蘭学会(水仙十字結社)」を設立する。
カーターに対しては当初「能力が低い」と評していたが、学院で孤立していたルネやジェイコブの面倒をよく見ていたためか徐々に関係が良好なものとなる。
その後死に瀕したカーターに対して、(彼に事情を説明し承諾した上で)ジェイコブと同じく深淵の力をカーターの肉体に注入して彼の病気を治そうと試みる。
しかしその試みは失敗し、カーターの肉体は崩壊することになる。崩壊する肉体の逆転を試みたがうまくいかず、肉体を保存することしかできなかった。恐らく自然哲学学院に残された黒泥はこの時のカーターの崩壊した肉体と思われる。
後に理由は不明だが、ジェイコブと共にアランと決別。
ジェイコブと共に、かつて幼馴染とフィールドワーク(ピクニック)に行った際に立ち寄ったペトリコールの遺跡にて原初の水こと「原始胎海」を発見する。その地で、かつての水仙十字院の院長である純水精霊と再会した彼は、原始胎海の理解を深め、その本質に迫る。
原始胎海の研究を続けた彼は、原始胎海こそが世界滅亡回避に重要な存在だと確信。そして自身の身体を原始胎海に投じることになる。その後の動向は下記のナルツィッセンクロイツを参照。
  • 元ネタについて
    「ルネ」という名前はアランやマリアン同様やはりフランス語圏ではありふれた名前だが、あえて元ネタを挙げるなら近代哲学の父とも称されるルネ・デカルト(René Descartes)であろう。
    当時は医学、法学、神学以外は全て哲学とされていたため、本人としては哲学者を称していたが、現代では数学者として扱われることもある。
    数学分野では解析幾何学の祖であり「デカルト座標系」に名を残す。また、哲学者としては演繹法を重視する大陸合理主義の創始者であり、「我思う、故に我あり」の格言であまりにも有名。
    好奇心旺盛なルネ・デカルトは、青年時代にドイツの神秘結社である薔薇十字団への加入方法を聞き回っていたことが確認されており、本作品でルネが水仙十字結社の創設者となっているのはそれが元ネタと思われる。
    余談だが、フランス語の人名ルネは、ラテン語のレナートゥス(renātus)=「再生」(宗教的には、洗礼でキリスト教徒としての命を新たに得るという意味)が語源であり、ナルツィッセンクロイツとして再生したルネに相応しい名前。
  • 姓について
    実父の姓の「ペトリコール」は、乾いた土壌に雨が降った後に立ち昇る香りのこと。古代ギリシア語で「石のイーコール(神血)」という意味。1964年に作られた造語なので、人名ではない。
    作中設定としては、イーコールから魔像を作り出していたレムリア帝国や、グザヴィエの故郷である同名の町でレムリアの遺跡があった地名との関連が察せられるが、詳細は不明。
    父のルノー・ド・ペトリコールはポワソン町長を務めていた名士だったので、帝国時代から続く名門の家柄だった(あるいはペトリコール町の統治者の末裔だった)可能性なども考えられるが……。
ナルツィッセンクロイツ
キャタピラーの「ご主人様」。正体はルネ…ではなく
原始胎海の水に溶けたルネの意識の一部をジェイコブが見つけ出し、剣やアランの懐中時計、カーターの肉体の一部を利用して固定化した存在。*82
水仙十字結社のあった、今はゲシュタル塔と呼ばれる場所の最下層で来るべき日を待ち続けていたが、旅人に武力を併用した説得を受けその計画は潰えることとなる。
その後大幅な弱体化を受けて通常より紫色の濃い濁水幻霊の姿となるも、アンと「マリアン」を再会させるために力を貸すが、限界が来たようで休眠する。
  • 元ネタについて
    名前は15世紀に神秘結社の薔薇十字団(ローゼンクロイツァー)を創設したとされるドイツの伝説的な大錬金術師クリスチャン・ローゼンクロイツ(Christian Rosenkreuz)が元ネタ。
    実際は17世紀ドイツの聖職者ヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエらが創作した人物と思われる。
    ナルツィッセン(Narzissen)は、ドイツ語でスイセン(水仙)を意味するナルツィッセ(Narzisse)の複数形。
ジェイコブ・インゴルド(ジェイコブ・ベイカー)
ルネとは水仙十字院に入る前からの仲。記者をしていたカール・インゴルドの義息でエドワルド・ベイカーの実子。
スメールの甘露花海に調査に行った帰りに死に瀕した際、ルネによってやむを得ず注入された深淵(アビス)の力で生き永らえ、不死に近い力を得る。
兄貴分のルネを失った後も、ルネの世界式や原始胎海の研究、水仙十字結社の運営を引き継いでいたらしく、ジェイコブによる原始胎海の研究結果をヴァシェが参考にしているシーンがある。
その後、エリナスの体内においてマリアンと対峙。戦闘の後に爆発が起き消息不明となっていたが、とある世界任務で旅人の前に現れ、生存していたことが判明する。
  • 名前について
    クリストファー・ケルク・インゴールド(Christopher Kelk Ingold)は20世紀イギリスの化学者。イギリスの科学者・数学者にとって最高の栄誉とされる王立協会フェローとなっている。
    また、インゴールドはスウェーデン語の人名のインゲ(Inge)の英語読みでもあり、さらに遡ると北欧神話の神ユングヴィ(Yngvi)=フレイに由来する。
    フレイ神の領地の一つは妖精アールヴ(英語のエルフ)の国アールヴハイムだったとされており、神秘学の秘密結社の幹部に相応しい名前。
サー・エリファス
「光カプラ」の特許を持つ設計者にして、水仙十字結社の資金提供者及び愛好家。
ジェイコブによって意思を原始胎海に溶かす実験サンプルにされる。ゲーム内ではイプシシマスの塔があった場所の上空で濁水幻霊として登場し、倒すとアチーブメントを獲得する。
セナイダ
結社の会員。ルネ・インゴルドが原始胎海に溶けて失踪した後、彼の安否が不安で占いをしたところ芳しくない結果が出た。
ジェイコブに問い質すもはぐらかされたセナイダは、彼女を支持する会員を引き連れて結社を脱退してしまう……のだが、後に結社に残った彼女の親友がセナイダの位置を占ったところ、なぜかイプシマスの塔から動いていないことが判明する。恐らくジェイコブによって実験サンプルにされ、原始胎海に意思を溶かされたものだと思われる。

「ポワソンの包囲」関係者

  • ポワソンの包囲
    サーンドル河の整備事業に抗議し逮捕されたエドワルド・ベイカーが脱走後、モン・オトンヌキの盗賊と結託してポワソン町を占領、護送担当の執律庭職員を人質にとって様々な要求を行った、という事件への対応としてフォンテーヌ廷が行った作戦。
    ルネ、ジェイコブの年齢から見てエリナス出現のほんの数年前の事件と思われる。
    なお、エドワルドの活動について、「サーンドルの渡し守」のテキストにて上記の通りポワソン町が占領されたとなっているが、カール・インゴルドが撮影した集合写真の状況*83から見てポワソン町の指導部自体がエドワルドに同調していたと思われ、実態としてはサーンドル河・ポワソン町合同での(荒っぽいやり方の)抗議活動であったと思われる。
    詳細な流れはVer4.3時点の情報では不明だが、当時記者だったカール・インゴルドがフォンテーヌ廷の交渉役に志願して交渉を続けていたものの、最終的にはファントムハンターが介入し、フォンテーヌ海軍が投入されて艦砲射撃により町ごと破壊するという超強硬策による決着となった。

    これによりエドワルドやポワソン町長のルノー・ド・ペトリコールが死去、2人の息子であるジェイコブとルネが水仙十字院に預けられる原因となる。
    また、反政府勢力の拠点とはいえ、自国民に向けて艦砲射撃を行うという無茶苦茶な行いには攻撃側さえも精神的なショックを受けており、指揮を行った張本人のはずのエマニュエル・ギヨタンすら顔を負傷して退役しただけでなく心を病んで酒浸りになり、後のエリナス討伐戦で数年ぶりに戦艦に乗った元海軍司令官のバザル・エルトンは乗組員に対し「今度こそ敵に向かって発砲できそうだな」とささやいている。
    バザル自身はこの「ポワソンの包囲」に関わっていないと思われる*84が、海軍内でも過去の汚点と認識されていたことがうかがえる。

エマニュエル・ギヨタン
後のアランとマリアンの養父。ポワソンの包囲当時のマレショーセ・ファントムに所属するファントムハンターで包囲を指揮した。
水仙十字院出身でバザル・エルトン、カール・インゴルド、ドワイト・ラスクと同じ時期にいた。
包囲時に顔を負傷、喋ることができなくなり退役。常にマスクをかぶって生活するようになる。
また、指揮した張本人とはいえ艦砲射撃で多くの悲劇を巻き起こした罪悪感から酒浸りになり悪夢に苛まれるようになる。
かなりの人嫌いで水仙十字院の旧友以外とほとんど交流を持っていなかったようだが、エリナス出現に伴いバザルが海軍に復帰することになり、その頼みでアランとマリアンの養父となる。
その結果アランとマリアンの世話をしているうちに精神状態が持ち直していき、子供たちのためにファントムハンターとしての活動を再開させるに至った。
最期はハンターの活動のためフォンテーヌ廷を歩いていたところにナルツィッセンクロイツの襲撃を受け、捕食されて死亡した。*85
エドワルド・ベイカー
サーンドル河における最初期のギャングにおいてリーダー格であった人物。「サーンドルの渡し守」の元々の持ち主でジェイコブ・インゴルドの実父。
フォンテーヌ廷によるサーンドル河に対する強引な整備事業に反発し抵抗活動を行っていたが逮捕され、砂漠(スメール?)への追放刑が言い渡される。
護送中に仲間に助けられ脱走、モン・オトンヌキの盗賊やポワソン町の上層部と協力して抵抗活動を続行していた。
ポワソンの包囲により死亡。
ジェイコブ・ベイカー(ジェイコブ・インゴルド)
十字鈴蘭学会/水仙十字結社の項を参照。
ルノー・ド・ペトリコール
包囲発生時のポワソン町の町長。ルネ・インゴルドの実父。
エゲリアからフォンテーヌ初の「公爵」という爵位を授かった名家、ド・ペトリコール家の最後の当主でもある。
ド・ペトリコール家はその名の通り長年ペトリコールの地を治めていたが、ルノーは派遣される形でポワソン町の町長となっていた。
集合写真の様子から、エドワルドとは比較的友好的な関係であったと思われる。
エドワルドと同様にポワソンの包囲で妻と共に死亡。
ルネ・ド・ペトリコール(ルネ・インゴルド)
十字鈴蘭学会/水仙十字結社の項を参照。
カール・インゴルド
後のルネとジェイコブの養父。ポワソンの包囲当時にフォンテーヌ廷で記者をしていたが包囲以後のある時期に記者の職を辞し、探検家となる。
水仙十字院出身で、エマニュエル、バザル、ドワイトと同じ時期に院にいた。
記者時代にはフォンテーヌ廷とポワソン町の間を取り持つべく奔走しており、包囲の際も志願して交渉役を担っていたが、カールがポワソン町にいるときに艦砲射撃が行われ、その努力は水泡に帰した。
カール自身はパルジファルによって匿われたため生存するが、その後記者をやめ探検家となった。
パルジファルの決闘裁判が行われていた際はすでに探検家として旅に出ており、その場を見ることはできなかった。
ルネの研究メモではルネやジェイコブと体質が異なることが繰り返し示唆されており、純粋なフォンテーヌ人ではなかった(原始胎海の水に溶けない)可能性がある。
記者の仕事から写真機の扱いに慣れているため人から撮影を頼まれることがあり、ゲーム内で実物を入手できる水仙十字院の子供たちの集合写真や、「サーンドルの渡し守」テキストに登場するポワソン町勢力の集合写真はカールが撮影したもの。
レティシア・ランドルフ*86(ローザ・リード)
サーンドル河のギャングの一員でトンプソンの妻。「裁断」の元々の持ち主。
貴族ランドルフ家の長女だが、若者らしい好奇心のままに変装してサーンドル河に赴き、そこで会ったリードという人物*87の導きでギャングとして生きることになる。
ポワソンの包囲の時点で夫との間に子供がおり、包囲を生き延びた後は実家に戻るが、「裁断」のテキストの内容からすると思い直しギャングの道に戻った模様。
余談だが、後の時代にあたる水仙十字結社のメンバーに「グリフィン・L・ランドルフ卿」という人物がいる。父親などレティシアの親族と思われるが詳細は不明。
偽名について

裁断の日本語テキストではレティシアが名乗った偽名は「ローズ」ということになっており食い違うように見えるが、これは翻訳時のブレと思われる。
同じ個所は中国語では「彼女はすでに偽名として玫瑰(メイグイ)を使っていた」という意味になる。玫瑰というのはバラ科バラ属のハマナスのことであるが、この文においてはバラ類一般を広く指す言葉として使われていると思われる。
そしてこの玫瑰がヨーロッパ式の名前として何になるか、裁断の各国語テキストからは読み取れない。日本語では「ローズ」とされているがスペイン語では「ローザ」であり、英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語では「薔薇の名前(薔薇から取った名前)を名乗った」と普通名詞になっている。
レティシアがギャング生活になじんだこと、彼女を導いたのはリード(Reed)という人物であったこと、艦砲射撃の記憶があり「ポワソンの包囲」の関係者であることからレティシアとローザ・リードが同一人物であると考えるのが自然と思われる。

トンプソン・リード
ローザことレティシアの夫でサーンドル河のギャング。レティシアとは彼女がサーンドル河に赴くより以前からの知り合いだった。
エドワルドとの関係が部下なのか、対等の同志なのかは不明。
また、ポワソンの包囲を生き延びたかどうかも不明。
  • 名前について
    ギャングでトンプソンといえば、禁酒法時代のギャングが使ったトンプソン短機関銃が有名。
    ギャング映画にたびたび登場するギャングの代名詞ともいえる銃である。
大魔術師「パルジファル」&ジョセフィーヌ
フォンテーヌ廷で大人気だったマジシャンとその助手。2人とも女性。
「パルジファル」は劇作家コペリウスが作った喜劇の主人公*88から取った芸名であり、助手のジョセフィーヌの名前も芸名である。
もともとはグロリア劇場*89を「仕事場」にする泥棒姉妹であり、劇場で見た上記の喜劇に魅せられて何らかの形で舞台に立つことを目指すようになる。俳優ではなくマジシャンなのは技術的に自分たちに向いていると考えたため。
最初はサーンドル河にあるエドワルド経営の酒場から、次第にフォンテーヌ廷も含む大きな舞台へと移り、とうとうマジシャンとしてグロリア劇場に立つまでに至る。
その出自からサーンドル河の勢力との関わりが深く、ポワソンの包囲の際もポワソン町にいた。
弓「始まりの大魔術」と聖遺物「ファントムハンター」のテキストからすると、パルジファルが何らかの理由で死去したあとジョセフィーヌがパルジファルになりかわり、決闘裁判に臨んで決闘代理人マルフィサとの戦いの末に命を落としたと考えられる。
「パルジファル」死去の理由はポワソンの包囲の可能性が高そうではあるが、正確なところは不明。
トム・オールター

その他

マルフィサ
決闘代理人を務めていた女性。サーンドル河出身の槍の名手。
現代におけるクロリンデのように生ける伝説といえる存在だったらしい。
若い頃エマニュエル・ギヨタンと戦ったことがあるが、その時は腕を刺され敗北してしまった。
後年に再度活動を開始したエマニュエルに再度挑むべくフォンテーヌ廷を歩く彼を尾行していたところ、ナルツィッセンクロイツによってエマニュエルが捕食された直後の場面に遭遇。同様に捕食され死亡した。*90
コペリウス
マスター・コペリウスとも呼ばれる、フォンテーヌ史上最も偉大と称される劇作家。現代のペトリコール町に住むゴルドーニは子孫。
代表作は「黄金のヒュペルボレイア」「コッペリア」「偉大なる者の仮面」など。
エリナス等の災害が落ち着くころには亡くなっていた。
  • 名前について
    バレエ演目「コッペリア」において、自動人形コッペリアを製作した人形師「コッペリウス」が元ネタと思われる。
    コッペリウスはコッペリアを人間と遜色ない動きができるようにすることをもくろみ、近所の青年から命を抜き出そうとするが、青年の恋人の女性によって阻止される。
    「人間のように動く人形」は後世の様々な作品にインスピレーションを与えており、自動人形を扱う作品においてキャラクター名や関連する用語として「コッペリア」の名前がしばしば採用される。
ルッジェロ
ペトリコール町の初代ドージェ*91
ルノー・ド・ペトリコールの死去に伴うド・ペトリコール家の断絶によってペトリコール町は徐々に荒れ果てた漁村と化していっていたが、ルッジェロが智者のコミッティを創設し寄付などを受けたことで復興が進んだ。
元は何らかのきっかけで知り合った「黄金ハンター」*92に協力する形で色褪せた城を探索し、「何か」*93の封印を強固にする措置を行っていた。
ペトリコール町の復興活動も外部から流浪の民を定住者として招き、住民に実態と異なる伝説を広めて封印の守り人として機能させることを目的として始めたものである。

人間の時代(数百年前~現代)出身

フォンテーヌ廷

フォンテーヌの政府機関は、行政機関の「共律庭」、政府監督機関である「枢律庭」、警察隊・特巡隊を有する法執行機関「執律庭」、そして実務上の最高機関にして立法及び司法機関の「検律庭」に大別される。
共律庭は縄張り意識の強い硬直した官僚組織という側面が強調されており、労働環境はかなり劣悪。
警察隊、特巡隊は執律庭の管轄であるが、マレショーセ・ファントムは最高審判官ヌヴィレット直轄の捜査機関であり隊員は主にメリュジーヌで構成される。

  • 名前について
    フォンテーヌ廷は、フランス・パリの衛星都市であり、ブルボン王家で最も大きい宮殿が置かれていたフォンテーヌブロー(Fontainebleau)が元ネタであろう。
    フォンテーヌブローの意味は、民間の通俗的解釈としてはfontaine belle eau=「美しき水の噴水」が語源とされており、水神の国の首都に相応しい名前である(ただし学術的にはfontaine Blitwald「ブリト(古代ゲルマン人の人名)の森の泉」が正しいとされる)。
フリーナ・ドゥ・フォンテーヌ(フォカロルス・水神)
現代における水神。ボクっ娘のオッドアイ*94
「エピクレシス歌劇場」での審判では、審議に参加することはないが、毎回欠かさず足を運んでおり、法廷の雰囲気に酔いしれているらしい(判決に口を出す権利はちゃんと持ち合わせている)。
ナヒーダ曰く「個性的」で、ヌヴィレットに至っては「ヒステリックなやつ」呼ばわり。自国民の高官から罵倒されるほどの暴君なのか、単に軽口を叩ける仲なのかが気になるところ。精霊たちの離反をみるにおそらく前者
一般市民には畏敬の念を持たれているが、そのせいか人前では虚勢やハッタリを構える事が多くヌヴィレットからは呆れられている。
演劇に自らをねじ込んだり、その場のノリで冤罪をかけたりと権力を私利私欲で振り回す姿は暴君そのものだが、
裁判の前には緊張して眠れなくなったり、冤罪であることが判明しても民を心配するのではなく「恥ずかしすぎる」と自身のプライドを気にしたりと、その素顔は虚勢を張った小心者。
神の心も体内に保持しているわけではないらしく、召使が神の心を奪いに襲撃した際は命乞いをするほど怯え、その晩は眠れず大好きなケーキすら口にしないといった有様で、召使からも神らしさは一切感じられず普通の少女にしか見えなかったと評されている。
一方で、そうした怪事件や権力の横暴を演劇のような他人事として受容するフォンテーヌ人からは、その派手さと愛らしさからマスコットとして愛されているようだ。
水神の信仰は本人というより、裁判の盛り上がり(「正義」に対する信仰心という名目)が一種の信仰とみなされているようで、審判を下す「諭示裁定カーディナル」がそれを「律償混合エネルギー」なるエネルギーに変換し、フォンテーヌ廷の機械の動力として利用されている*95
「諭示裁定カーディナル」は「水神の造物」とされているが、フリーナ本人も仕組みはあまり把握していないようで、異例の事態が起こった際にパニックに陥っていた。
また旅人の動向を知り尽くしているようで、ロマリタイムハーバーに上陸するや否や自ら公衆の面前で旅人の前に姿を表した*96
第一幕から姿を表した神は何気に初*97
決して知られてはならない真実
フリーナ・ドゥ・フォンテーヌ(フォカロルスの人性)
その正体はかつてエゲリアの眷属であり、人に憧れ、彼女の恩寵を受け人となった純水精霊の一人。「フリーナ」とはフォカロルスが望んだ、「人」として生きる願いの具現でもある。
狂気じみたヒステリックな振る舞いは、フォンテーヌの人々が望む「神らしさ」を演出するためのハッタリだった。
フォカロルスからは「神を演じきれば審判の時が訪れ予言を回避できる」としか知らされておらず、いつ終わるのかもわからない演技を続けながら来たる「審判」を待ちながらエピクレシス歌劇場に通うという毎日を500年続けてきた。
また予言に対しても手をこまねいていたわけではなく、独自に情報収集を行い自力で阻止できないか方法を模索していた。各国で功績をあげていた旅人の動向を調べさせていたのもこの一環ということだろう。
フリーナ自身は一介の人間に過ぎないが、500年間にもわたり何度も心が折れそうになりながらも予言の日まで神を演じるという役割を果たし切った。*98
このような芸当はとても常人にできるものではなく、他国の四神からは「人間ながら神に値する」と手放しの賞賛を受けている。

フォカロルスの死後は表向き「水神は人々を守るため力を使い果たしてしまった」ということになり、神を引退して人界へ降り、普通のフォンテーヌ人として毎日パスタを食べる貧乏生活を送っている。
もう神を演じる必要はなくなったが、「今さら長年のキャラは変えられない」と傲慢さは薄れたものの大仰な物言いなど基本的な性格はあまり変わっていない。
フォンテーヌ人も今だに様付けで呼んだりしており、人になっても以前と同様に周囲から畏敬されている。

在位時代は政治に関してはパレ・メルモニアにほぼ任せきりであったが、芸術方面には大きな関心を寄せると同時に才にも恵まれており、フリーナが舞台に上がる際は立ち席までほぼ満員だったという。
神の力も持たず、統治に関しても素人同然だった彼女が500年も疑われずに予言の日を迎えることができたのも、「神を演じる」才と演劇での名声によるものが大きいだろう。
引退後は「もう演技はしない」と決めているようだが、街には舞台上でフリーナを見られなくなることを惜しむ声も多い。
一方、成り行きで小劇団の演出監督やグザヴィエの映影の監督を務めたのちは、役者だけでなく演出家としての才も花開きつつある。

引退後の生活費などはヌヴィレットが手配している。
ギャラで貯金があると主張したり、物を買い漁ったエピソードを語ったりと、金には困ってないと自称しているが、いつも虚勢を張る彼女のことなのでどこまで真実かは怪しい。
とはいえ、フォンテーヌから援助されている為それなりの生活は出来ていると思われる。

フォカロルス(フォカロルスの神性)
真の二代目水神。その神としての精神。
先代水神エゲリアの犯した罪の贖罪として、天理によって定められたフォンテーヌ滅亡の予言を打ち破るため、先代水神から予言を託されてから長きに渡り海の底で答えを探し考え込んだ。
だが、天理の定めた予言に抗うそれは即ち天理を敵に回すこととなり、もしそうなれば予言が実現するよりも遥かに恐ろしい天地異変が起こりかねないことになる。
そのような無理難題を先代から押し付けられた彼女ではあるが、唯一の答えを見つけ出した。「天理を欺く」それこそが予言を打ち破る答えであった。
「人性」としての自らであるフリーナに不死の呪いをかけて水神を名乗る傀儡に仕立て上げた。
天理がかつてこの星の原初の時代から住まう古龍から奪い去った権能を返還するべく、当代の水の龍王であるヌヴィレットをフォンテーヌ廷に招待し、最高審判官の肩書を与えた。
無論権能の返還だけが目的ではなく、彼を人の世に馴染ませることも目的の一つであり、更には予言の実現とともに彼が行うであろう「審判」の為でもある。
「神性」としての自らは神の心と共に諭示裁定カーディナルの中に潜み、数百年に渡って律償混合エネルギーを溜め込んでいた。ここまでがゲーム開始前の動向。
ヌヴィレットの判決がカーディナルと全く食い違わなかったのは、ヌヴィレットの判決が公平公正であることもさることながら、神のお墨付きを与えるためにフォカロルスがわざと合わせていた可能性が高い。
タルタリヤに有罪判決が下った理由は不明だが、ヌヴィレットは「吞星の鯨と戦って時間稼ぎをしてもらうため」と推測している。
魔神任務第四章第五幕ではそのエネルギーを全て解放し、七執政のシステムの一角である自らの水神の神座を自らの神性と共に処刑し破壊。
この星の水元素に関わる全ての権能は当代の水の龍王ヌヴィレットに返還され、古龍の大権の一角を取り戻し完全に掌握した彼はフォンテーヌ人の血に流れる原始胎海を、原初の生命が創造された過程を模倣し純粋な人間の血に置き換えることで胎海から受ける影響をなくした。
こうして救世主の死によってフォンテーヌ人の原罪は濯がれたのだった。
ヌヴィレット
最高審判官を務める男性にして当代の水の龍王。エピクレシス歌劇場での審判を主催し、司会と判決を行う。
最終的な判決こそカーディナルに委ねるものの、彼自身が出す仮判決も客観的かつ公平と評価が高く、魔神任務3章2幕までカーディナルと全く同じ判決を出すほどだった。
パレ・メルモニアに務めており、なくしたタイプライターの打鍵一つを購入させるのに始末書を提出させるなど非常に几帳面。
何よりも規則と秩序を重んじる一方、虚偽申告で執務室に入ってきた旅人とナヴィアの要求に快く応える、審判中のフロアからの発言を咎めつつも聞き入れるなど融通の利く面もある。
龍王として神の目なしに強力な元素力を扱ったり水の記憶を読める他、他人の悲しみの感情に共鳴すると雨を降らせてしまう性質を持っている。
また、メリュジーヌについては、フォンテーヌ廷に招き入れるだけでなく直属の特別捜査機関「マレショーセ・ファントム」に任命するなど誕生した直後から長らく目をかけている*99

旅人とはリネのマジックショーの観客として知り合う。その後、連続少女失踪事件の一件を通して親交を深め、カーレスの失脚後気まずい関係にあったナヴィアとも和解する。
フリーナが何かを隠していることには以前より気づいていたが、問い詰めても全く口を割らないため審判に問うことを画策、旅人らと計画を練りフリーナを被告人席に立たせることに成功する。
あくまで情報を聞き出すための審判という体であったため、カーディナルが下した「水神: 有罪、死刑」の判決に驚愕する。
突如劇場内の空間を破り現れた巨鯨の襲撃を退けたのち、判決通り死刑が執行されようとするその時、「水神フォカロルス」を名乗る者より精神世界に誘い込まれる。
彼女よりすべての真実と意図を聞き、死刑執行を見届け返還された権能を以て完全な水の龍王として覚醒する。
もともと人間の悲哀に興味はなかったが、500年間最高審判官を務めフォンテーヌ人の一人として過ごしたことで情が芽生え、最早人間を見捨てることなどできなくなっており、これこそがフォカロルスの狙いでもあった。
このような経緯があったため、龍王として覚醒しながらもあくまで「最高審判官ヌヴィレット」として全フォンテーヌ人の罪を赦す判決を下す。フォンテーヌ人を人類へと作り変え、原始胎海の水に溶けることはなくなった。
その後は旅人とともに原始胎海の深部に乗り込み吞星の鯨を撃退、原始胎海の力を引き剥がす。その影響で水元素が一時的に溢れ、予言通りフォンテーヌは水没するものの、誰も溶けることなくすぐに水は収まり、予言を完全回避する。
原始胎海で出会ったスカークからで神の心が不吉な呪いのようなものであるという話を聞いたため、フォカロルスから受け取った神の心*100を手放すことを決意。「タルタリヤへの謝罪と予言回避の尽力への感謝」という名目で召使に引き渡された*101
カーディナルは停止したが、審判役はこれまで通り務めている。また、プネウムシアを完全掌握したため、停止した律償混合エネルギーに代わるエネルギー供給の要として引き続きフォンテーヌで活動を続けている。

ナヒーダの説明文*102ではフリーナをヒステリックなやつと評している。
このように魔神任務第四章やその直前では、フォンテーヌ滅亡と全フォンテーヌ人の死の予言が差し迫っているという状況もあり、それでも何かを隠しているフリーナへの風当たりがやや強め。
しかし、全てが解決した後のフリーナの伝説任務では、彼女のパフォーマンスには数多くの熱狂的なファンがいる……かくいう私もその一人でね、と暴露していた。ツンデレか。

フリーナの記憶によると1000歳以上。
最高審判官を務める前にも500年以上生きていたことになるが何をしていたのかは不明。

趣味は水の飲み比べ。水龍らしく水元素には敏感なようで各国の水の僅かな違いを感じ取ることができ、休暇には璃月の名水を直接飲みに行くなどしており、テイワット天然水ソムリエを自称している客人に振る舞うのも当然真水である。
ナタに旅行に行ったメリュジーヌには「温泉の水は冷ましてから飲むように」と手紙を送り困惑させている。ナタやフォンテーヌには飲泉の文化は無いようだ*103

  • 名前について
    ボイス曰くヌヴィレットは苗字。レムリア王国の時代にいた龍王はスキュラという名だったが、龍王の座と共に名前も受け継がれているかは不明。
    元ネタとしては、フランスのエーヌ県の地名ヌーヴィレット、またはオペラ『シラノ・ド・ベルジュラック』に登場する「クリスチャン・ド・ヌヴィレット」と思われる。
クロリンデ
凄腕の決闘代理人の女性。得物はピストルと片手剣。フリーナの近衛のように近くで仕えている。
タルタリヤが勝負を熱望する相当な実力者。ナヴィアの父親カーレスとも知り合いであり彼をとても尊敬していたという。
だが、とある事件で彼との決闘を余儀なくされ、その手にかけることになってしまう。決闘の直前に彼から娘を頼むと遺言を聞かされており、こちらもまた複雑な心境のようである。
  • 名前の由来について
    イタリアの詩人トルクァート・タッソの叙事詩『エルサレムの解放』に登場する女騎士クロリンダ(Clorinda)。
    フランス語表記のクロリンデ(Clorinde)としては、フランス海軍の艦名に複数回用いられている他、フランス人学者が発見した小惑星の一つに名づけられている。
  • 装備について
    独特な形のトリコーヌ(三角帽)はおそらくフランスのアクションホラー映画『ジェヴォーダンの獣』(2001年)が元ネタ。
    剣と短銃の二刀(?)流スタイルは、上記映画に影響を受けたと思われるアクションゲーム『Bloodborne』(2015年)が元ネタかもしれない。
シュヴルーズ
現・特巡隊隊長。銃使いの女性。
特巡隊は警察で対処できない犯罪者を武力制圧する政府組織(機動隊やSWATのようなものと思われる)。曰く「出自を問わない実力主義の精鋭集団」。

【パレ・メルモニア】
フォンテーヌ廷最上層にある、国の行政府。水神フォカロルス(フリーナ)の居室や最高審判官ヌヴィレットの執務室が置かれている。

  • 名前について
    英語版はPalais Mermonia。パレ(Palais)はフランス語で「宮殿」という意味。
    メルモニア(Mermonia)は原神の造語だが、フランス語mer「海」とラテン語harmonia「ハーモニー」を組み合わせた、「海の調和」もしくは「海の和声」という意味か。

【ヴァザーリ回廊】
フォンテーヌ廷の下部にある主要街路で、都市の中心部にあるアクアロード・ターミナルをぐるりと囲んでいる。
主要施設はボーモント工房やカフェ・リュテスなど。

  • 名前について
    イタリア・フィレンツェの「ヴァザーリの回廊」が元ネタ。メディチ家の当主コジモ1世の注文で、建築家ジョルジョ・ヴァザーリによって1565年に設計・建造された。

【リヨンエリア】
フォンテーヌ廷北東部のエリア。
主要施設は冒険者協会、千織屋、ルポート時計店(合成台)など。
おそらく作中設定としては、数千年前のレムリア時代に活躍した純水騎士の一人「リヨンの王子ドゥレスト」の出身地リヨンがここにあったか、あるいは彼の功績を記念して名付けられたと思われる。

  • 名前について
    リヨン(Lyon)はフランスの南東部の大都市で、特に美食の都として有名。
    ただし、作中のドゥレストは円卓の騎士トリスタンが元ネタの一つと思われるため(当該項目参照)、トリスタンの出身地でイングランド南西端のコーンウォール地方にあったとされる伝説的小国リヨネス(Lyonesse)の方も由来と思われる。

【ナルボンヌエリア】
フォンテーヌ廷南西部のエリア。
主要施設はスチームバード新聞やホテル・ドゥボールなど。
おそらく作中設定としては、数千年前のレムリア時代に活躍した純水騎士の一人「ジェローヌのギヨーム」の持つ聖剣「ナルボンヌ」を記念して付けられたと思われる。

  • 名前について
    ナルボンヌ(Narbonne)はフランスの南東部の都市で、古代の共和政ローマ時代から続く古都。
    作中の聖剣ナルボンヌも、元をたどれば同地の子爵だった中世の武将エメリー・ド・ナルボンヌが元ネタと思われる。

「棘薔薇の会(スピナ・ディ・ロースラ)」

ポワソン町を本拠地とするギャング団。
歌劇場の欺瞞的な正義に反発して立ち上げられたものらしく、
運営費用も有志からの寄付(みかじめ料)で賄い、違法薬物ロシと戦い、悪人に私刑を加えて治安を維持する自警活動も行うなど、いわゆる「いいギャング」。
魔神任務4章2幕までの時期は、前会長カーレスのスキャンダルにより権威が失墜していたが、真相が明らかになったことで自治組織としての評判を取り戻している。

  • 「スピナ・ディ・ロースラ(Spina di Rosula)」はイタリア語に似た響きだが、これはフランス領コルシカ島*104で主に使用されるコルシカ語である*105
    コルシカ島は元々フランスよりもイタリア諸都市との結びつきが強かったが、激化する独立運動を抑えきれなかった当時コルシカ島を支配していたジェノヴァ*106が鎮圧を条件にフランスに割譲、その後フランスは独立派を抑え込んで支配下に置いたという過去を持つため、
    コルシカ語を用いることで「フランスモチーフの国に生きる反骨的なイタリアンマフィア(っぽい組織)」を表現する意図があったと推測される。
    魔神任務中でナヴィアが振舞ったマカロンもイタリアと縁深い菓子。イタリア料理のアマレッティが原型の一つと言われている。
ナヴィア・カスパール
棘薔薇の会の現会長で、フォンテーヌ廷北東からエリニュス島に繋がる水路に「ナヴィア線」と、自身の名を冠する水路がある程のお嬢様。
お嬢様ではあるものの、父の失脚以後寄付がほとんど集められなくなったため、残された資産でなんとかやりくりしており、見た目とは裏腹に厳しい資金繰りを強いられている。
当然フォンテーヌ廷にまともな拠点を築くだけの資産も無く、地下水路の貧民街(サーンドル河)を拠点としている。
ポジティブかつフレンドリーで、ルールに縛られない性格。
父カーレスはクロリンデとの決闘で命を落としており、彼女とは浅からぬ関係にある。
正統な決闘による結果であるものの、なぜ父が審判を全て拒否してまで決闘場での死を選択したのか、その真相を追い求めとある事件を調査している。
カーレス・カスパール
棘薔薇の会の前会長でナヴィアの父親。故人。右目を錨マークの眼帯で覆った金髪のダンディな男性*107
かつて彼の率いる会がフォンテーヌ廷から延びる三本の水路建設に多大な貢献したこともあり、それぞれに自身の家族の名を冠している。
北西から科学院に繋がる水路*108に自身の名である「カーレス線」、北東のエリニュス島に繋がる水路には娘の「ナヴィア線」、そして南のロマリタイムハーバーに繋がる水路の「クレメンタイン線」は妻の名から取られたものである*109
マーセルの罠にはめられ殺人の容疑をかけられるも、真実を法廷で語った場合に抗争が起きて多数の死者が出ることを恐れ一切の審判を断固として拒否し、決闘裁判でクロリンデと戦い、死亡する。
この事件以降、世間から「不義のカーレス」と呼ばれるようになってしまい、棘薔薇の会自体も信用を失墜して長期間影響力を回復できずにいた。
リオセスリの説明文によると、パレ・メルモニアから授与されることが決まった「伯爵」の称号を断ったことがある。
  • モデルについて
    英語版ではCallasという綴りなことから、綴りが近い18世紀フランスの商人ジャン・カラス(Jean Calas)の冤罪事件がモデルではないか、とする説がある。
    カラスが車裂きの刑で死亡した後、フランス啓蒙主義の代表的哲学者ヴォルテールらがカラスの遺族のために奔走して判決無効を勝ち取り、名誉を回復させた。
マルシラック&シルヴァ
ナヴィアの付き人。老人の方がマルシラックで、若くてサングラスをかけている方がシルヴァ。
シルヴァはナヴィアによると見た目は冷たいけど色々考えているところがヌヴィレットと似ているらしい。

ポワソン町浸水時、共に住民の救助中に逃げ遅れて水に飲み込まれ、遺体も残さず死亡する。
が、原始胎海の中でもある程度自我を保っていたようで、遺跡探索中にナヴィアが水に落ちた際、精神世界の審判内で彼女を弁護し、別れの言葉と共に現実世界に送り出している。
ヌヴィレット曰く、「二体の純水精霊が水に落ちたナヴィアを保護し、救助が間に合うまでの時間稼ぎをしてくれたのが見えた」とのこと。

フローレント
棘薔薇の会の参謀。連続少女失踪事件の容疑者。マルシラック死亡後は彼の仕事の一部を引き継いでいる。
ティエリー
フォンテーヌ警察隊に所属する、棘薔薇の会との連絡窓口担当者。連続少女失踪事件の容疑者。
マーセル(ヴァシェ)
棘薔薇の会の姉妹組織カブリエール商会の会長で、ナヴィアの叔父のような存在。スネージナヤ人だが、Ver4.0現在ファデュイとのつながりは不明。
かつては冒険者だったが、あるとき同じく冒険者だった恋人ヴェニールが原始胎海の水に触れて溶けてしまう。
それを司法に信じてもらえず、絶望した彼は原始胎海の水の研究*110及び自身に関する記録の抹消、その傍らでマーセルと名を変えて商売*111を始めるようになる。
20年以上活動していたが、ギャングのカーレスと商売上対立。罠にはめようとするが、クロリンデが決闘裁判でカーレスを殺してしまう。
その数年後カーレスの娘ナヴィアに真相を暴かれ逮捕。
最期はヌヴィレット付き添いの元旅人に導かれ、命を賭してルキナの泉に残るヴェニールの意識に会いに行くもそこに彼女はおらず、突如として極度のショックに見舞われ死亡*112。その遺体は魂を抜かれたかのようであったという。
ソニィ
「白手袋」の異名を持つ、白いスーツを着た金髪の男性。慇懃な態度や言葉遣いが特徴で、徹底されすぎていて嫌味のように見えることも。
なお、上記の異名の割に本人は手袋などは着けていない。この異名は「自分以外の者の手袋が汚れず白いままでいられるよう、フォンテーヌを"綺麗にする"こと」を任務としているところから来ている。
いわば棘薔薇の会の裏方、暗部担当であり、フォンテーヌの不穏分子でなおかつ言葉による交渉や警告が通じないタイプの人間に対して陰で実力行使を行っている。
世界任務においては再三の警告を無視してロシの密売に手を出し、挙句の果てに旅人を敵に回していたヴァージルを確保するため旅人に同行を依頼する。*113
ルカ
「漁師」の異名を持つ傭兵のような服装の大柄の男性。ゲーム中では常にソニィと同行している。
最低限の言葉しか発さず、ソニィから発言を促されてもほぼ単語での返答しか行わない。会話が成立しているか否かも判別がつかない。

「壁炉の家(ハウス・オブ・ハース)」

ファトゥス「召使」が運営する孤児院。ここの出身者はファデュイとして各地に派遣されている。
当代の「召使」は数年前に就任し、フォンテーヌ人を自称している。*114
現在はスネージナヤの不利になる事はしないという条件と、ある条件のもとに諜報活動などについて壁炉の家が全面的な支援をするという協定をヌヴィレットと秘密裏に結んでいる。

リネ
フォンテーヌの大魔術師。リネット・フレミネの兄。
綺良々曰く、いろんなものを消したり出したりできるらしい。綺良々は妖力を使っていると思い込んでいるが多分普通のマジシャン。
スメール掲示板に公演告知を出している飛天サーカス団との関係は不明。
元々は両親をなくして路頭に迷っていた子供で、手品で糊口を稼ぐようになったらそれを見た貴族に拾われ、
社交の駒として使われるようになったものの、あるときリネットが他の貴族に養子として売られてしまう。
助けに行ったリネが到着したときにはその貴族は召使が殺した後だった。
その後、召使はリネを拾った貴族も殺し、召使に拾われたリネとリネットは「壁炉の家」のファデュイとして働くようになる。
  • テイワットPVにもリネットとセットで登場。各国キャラの中で唯一二人組だったため、2キャラを切り替えて戦うキャラではないかという予想もあった。
リネット
リネの双子の妹かつアシスタント。フレミネの姉。
観察眼が鋭く、ほんの一瞬の小さな情報も見逃さない。感情を表現することが苦手で表情もあまり変わらないため、一見何を考えているのか推し量るのが難しい性格。
あまりに表情の変化が乏しいが故にマジックのために作られたマリオネットではないかと思われることも。
家でも相変わらずではあるが、もしリネットに家事を任せようならば最後、彼女の手に掛かれば極単純な動作の機械であろうとあまりに理不尽な運命を辿った後に壊れてしまい、その都度フレミネが直している。
兄のリネと同様に「壁炉の家」の一員。壁炉の家に所属する以前、兄リネとは異なる珍しい外見に目をつけられ、かつて養父であった貴族により別の貴族に売られてしまうが、被害に遭う直前に「お父様」に救出され、ファデュイの一員に加わることになる。
  • リネとは実の兄妹だが、リネよりも祖先の形質が強く表れたため、本物の獣耳やしっぽを持っている*115
フレミネ
リネとリネットの弟かつ凄腕の潜水士。
表に出るのが苦手な性格で、一人で海を散策することや静まった夜の機械いじりが好き。「ペールス」というクロックワークスペンギンを連れている。
リネ、リネットとは「壁炉の家」での義兄弟で、義理の家族でありながら共に任務をこなす仲間でもある。

メリュジーヌ

フォンテーヌに住む、全ての個体が女性の種族。誕生したのはおよそ400年前と種族の歴史は浅い。
小柄で動物のような体系に1対の触角と尻尾、一部の個体は小さな羽を持つなど、人間とは異なる容姿でかつてはその出自についての噂や憶測により排斥されようとしていた。だが、現在のフォンテーヌでは人々から強く信頼され、一人一人が人権を持つ国民として扱われている。
総じて性格は純粋無垢で悪意を持つメリュジーヌは存在しないと言ってもよい。
人間には見えないものを感知できる特殊な視覚を持ち、それ故にマレショーセ・ファントムに所属する者が多い。
元々は俗世から離れたベリル地区の地下で生活していたが、人の世に強く憧れた一部メリュジーヌきっての願いを聞いたヌヴィレットの手引きで人間の世で暮らし始める者が現れたという。
ベリル地区に横たわる巨大な骨格「エリナス」と密接な関係があり、メリュシー村を含むメリュジーヌの住処はエリナスの体内と思しき位置に存在する。
アイベルによると、かつてフォンテーヌを訪れたエリナスが人々の頼みに応えてメリュジーヌの住処となった、という物語が存在しているようだ。
実際には、エリナスの体内で発生した戦闘によって傷ついたエリナスの血肉から誕生した生物である。メリュジーヌはエリナスを「お母さん」と呼んでいる。
エリナスの精神は自分が破壊するだけでなく生命を生み出すことも可能だと知って喜び、メリュジーヌたちを娘とみなし、生活に必要な様々な知識を教えた。
当時はメリュジーヌたちはエリナスの声を聞くことができていたが、時が経つにつれて親離れのように声が届くメリュジーヌは減り、旅人が村を訪れた時点ではマメールのみが彼女?の声を聞くことができていた。
全てのメリュジーヌは「しるし」*116なる自身の命の象徴となるものと共に生まれてくるという。

  • 名前について
    メリュジーヌはフランスとルクセンブルク、その周辺国の伝説に登場する水の妖精。
    下半身が蛇もしくは魚で、時には翼と二又の蛇尾を持っている図像で表されることもある。
    エルサレム王・キプロス王・アルメニア王などを輩出した中世フランスのリュジニャン家を始め、彼女の子孫とされるヨーロッパの貴族は多い。
    なお、本来のメリュジーヌは種族ではなく個人の名であって、それぞれの伝説の中ではあくまで一人しか存在しない。
    ただ、ヨーロッパ各地に類似伝説が存在しており、あたかも水の妖精の種族名のように感じられるといえなくもない。
  • マレショーセ・ファントムの元ネタ
    マレショーセ(Maréchaussée)は「元帥位」を意味し、フランスの地方警察機構である「国家憲兵隊」(ジャンダルムリ、Gendarmerie)の前身。
    もともとは百年戦争(1337年 - 1453年)で乱暴狼藉を働く傭兵たちを取り締まるための憲兵隊だったようだが、やがて市民のための警察組織としての任務も担うようになり、フランス革命中の1791年に現在の名前に改称された。

【フォンテーヌ廷】

アイベル
巡水船「クレメンタイン線」のガイドを務めるメリュジーヌ。
乗船時の注意事項のアナウンスを終点に着く直前になって思い出すなど、少々抜けているが評判は上々。
元マレショーセ・ファントムの一員だった。素行は良く十年連続皆勤賞をもらうほどだったが(なぜか)巡水船のガイドに抜擢される。
  • 名前について
    英語版はAeval。これはアイルランド伝説の女神イーヴェル(Aoibheall)の英国式綴り。
    冬の女王カリアッハの娘で、マンスター地方の一部を支配するバンシー(妖精)の女王。
    また、11世紀のアイルランド王ブライアン・ボルと、その子孫であるオブライエン家の守護女神であるとされる。
エルファネ
巡水船「ナヴィア線」のガイドを務めるメリュジーヌ。
アイベルの先輩に当たり、冷静にガイド役をこなす。
一方で、褒められると弱いという一面も持つ。
マレショーセ・ファントムのエースであったがアイベルが巡水船のガイドになった際に脱退する。
  • 名前について
    英語版はElphane。元ネタは16世紀ごろのスコットランドの魔女裁判に名前が現れる「エルファネの女王」(Quene of Elphane)と思われる。
    アリソン・ピアソン(Alison Pearson)など複数の女性が、この女王に会ったという非現実的な罪などを告発されて魔女として処刑された。
    エルファネの語源は諸説あるが、「エルフの故郷」(現代英語風に言うならエルフホーム elf-home)を意味し、北欧神話のアールヴ(エルフ)の世界アールヴハイムと同語根ではないかとされる。
エベラリン
メリュジーヌの中でも特に海の動きを察知するのに非常に長けており、ロマリタイムハーバー下階で海面の観察、動向の報告を担当している。
また、フォンテーヌの入り口ということもあり様々な国の人々から様々な物語を聞かせてもらえるのを喜んでいる。
  • 名前について
    エヴェラリン(Everallin)は、スコットランド文学の登場人物エヴィル・アーリン(スコットランド・ゲール語: Eimhir-àluinn)の英語形。
    詩人ジェイムズ・マクファーソンが「発見」したスコットランドの叙事詩群で(彼の創作とする説もある)、英雄詩人オシアンの妻とされる。
シオラ
ロマリタイムハーバー上階の水路乗降口の反対側にいる。
璃月からの観光客、白笈にフォンテーヌについて紹介している。
  • 名前について
    英語版ではSiora。イタリアのヴェネツィアで使用されているヴェネト語で、シオーラ(siora)は「女主人」「淑女」「貴婦人」を意味する。
    ちなみにイタリア語のシニョーラ(signora)=淑女と同語根。
リアス
パレ・メルモニア前でパトロールをしている。
メリュジーヌの生まれについて少し教えてくれる。
  • 名前について
    英語版はLiathなので、アイルランド神話のリア・ルケア(Liath Luchra)が元ネタ。
    神話では同名の女性と男性がいるが、女性の方のリアは偉大な戦士であり、女性のドルイドのボーウァルと共に大英雄フィン・マックールを育てた人物。
セドナ
パレ・メルモニア内で案内?をしている。
メリュジーヌ故に背丈が低いのもあり、彼女の立っている場所は体がほとんど隠れてしまっていて、パッと見誰もいないように見えてしまっている。
  • 名前について
    元ネタはイヌイット神話の海と海獣を司る女神セドナ(Sedna)であろう。メリュジーヌと同じく、下半身が魚の形で表される。
マーナ
パレ・メルモニアの裏、現在廃線となっているカーレス線の乗降口近くでぼーっと海を眺めている。
ある時ヌヴィレットが彼女の傍にそっと寄り添い、一緒に海を眺めていたところ、人々が列をなして海の方で何かあったのではとちょっとした騒ぎになったとか。
  • 名前について
    英語版はMuirne。ケルト神話のダーナ神族の王ヌアザの孫娘で、大英雄フィン・マックールの母。
メンタ
カフェ・リュテスの近くで俯いている。
人々の生活に馴染もうと努力してきたが、人間用に作られている様々な物にどうすることも出来ず適応できないことに落ち込んでおり、人間に近い体を持つメリュジーヌのシグウィンを羨んでいる。
  • 名前について
    メンテー(Μένθη、Menthē)は、古代ギリシア神話で地獄の川コキュートスに住む女妖精で、冥王ハデスの愛人。メンタはそのラテン語系。
    ちなみにハーブの「ミント」は、ハーデスの正妃ペルセポネーの怒りに触れて植物に姿を変えられたメンテーが神話的起源とされる。
ヴェレダ
ルキナの泉付近をパトロールしている。
人類がどう誕生したのかについて考えている。
  • 名前について
    ウェレダ(ラテン語:Veleda)は、古代ドイツのブルクテリ族(ゲルマン人の一派)の巫女で実質的な指導者。
    西暦69年にバタウィ族長キウィリスと共に古代ローマ帝国へ反乱を起こしたが翌年に鎮圧された。
ブラシーネ
歌劇場と泉の間辺りをパトロールしている。目がいいらしく、そんな自身の目でも欺くマジックに感心している。
マジックや泉の噴水を見るのが好きなようだが、歌劇場で行われる公演については創作故のリアルさに欠けることからあまり好きではないという。
  • 名前について
    英語版はBlathineなので、アイルランド神話の王女ブラートナド(Bláthnat)が元ネタと思われる。
    略奪で英雄クー・ロイと無理に結婚させられたため、大英雄クー・フーリンに夫の弱点となる情報を渡した人物。
アイフェ
エピクレシス歌劇場の入り口に立っている。
次の審判をヌヴィレットが担当するか、ついでにフリーナが審判に立ち会うか当てっこしている。
人の心に表れる気質を読めるようだ。
  • 名前について
    オイフェ(古代アイルランド語:Aífe)は、アイルランド神話で、ライバルのスカサハと共に「影の国」最強とされる女戦士。
トロウ
歌劇場内での見回りを担当している。
審判や劇がない時は一人寂しく佇んでいるだけだが、往来する人々を一種の波と捉えており、その波と一緒にいるという感覚のようで本人はあまり寂しく感じていないようだ。
  • 名前について
    英語版はtrow。トラウと読み、イギリスのオークニー諸島・シェトランド諸島の民話における夜行性の妖精。
ラミア
私服の格好だが、非番のマレショーセ・ファントム。
フォンテーヌ廷の各水路に繋がる、アクアロード・ターミナルで行き交う人々を観察して様々な分類で統計を取っている。
  • 名前について
    英語版はRhemiaなのだが、中国語版は莱弥娅(Láimíyà)なので、元ネタは古代ギリシア神話の半人半蛇の女怪ラミア(Λαμία、Lamia)と思われる。
トゥローザ
世界任務「問題メリュジーヌと解決ロボ」に登場。
マレショーセ・ファントムのメンバーだが、エージェントではなく物証管理員。
正義感に溢れる性格だが思い込みが激しく問題を起こしがちで、エージェントから外されて巡水船「カーレス線」のガイドに回されてしまう。
しかし、そこでも苦情が相次いだためにクビになり、最終的に物証管理員を任命されるに至る。
世界任務ではある事件を捜査するために勝手にエージェントを名乗り、かつての事件で物証として押収され保管されていた会話可能な嘘発見マシナリーの「カーブ」を無断で持ち出したが、
結局空回りして当初は事件解決の糸口をつかむことに失敗する。
本人も自分の問題は自覚しており。ひどく落ち込んでしまったが、カーブや旅人らに励まされて再起し、犯人を追い詰めることに成功する。
犯人の抵抗で危機に陥るもカーブの自己犠牲で生還、自分がいなければカーブが失われる必要も無かったのではないかと再び自責の念に駆られてしまう。
しかし、カーブの製作者であるモッソ博士の思いやカーブ自身の言動に触れ、カーブが機械としての限界を突破して命を芽生えさせたこと、それを目指した博士の夢を叶える一助に自分がなっていたことを知り、カーブが遺したメッセージを受けてマレショーセ・ファントムの一番優秀なエージェントになることを決意する。
世界任務「問題メリュジーヌと解決ロボ」終了後、エピクレシス歌劇場近くの浜辺に彼女がカーブを思って綴った手紙が落ちている。

【メリュシー村】

マメール
絵描きのメリュジーヌ。一連の世界任務の始まりに出会う。
現代のメリュジーヌの中で唯一エリナスの声を聞けるが、他のメリュジーヌと違い、エリナスを「お父様」と呼ぶ。
全てが終わった後セイモア、マリアン、アンと共に旅に出た。
  • 名前について
    英語版はMamere。フランス語でマ・メール(ma mère)は「私の母」という意味。
コスンツァーナ
村の外れの小さな花畑を管理している。
世界任務完了後に選んだ異国の花が咲くようになる。
  • 名前について
    イレアナ・コスンツァーナ(Ileana Cosânzeana)は、ルーマニア伝説の登場人物。
    一説では「花の女王」と呼ばれる妖精とされており、原神で花畑に興味があるのはそれが元ネタであろう。
シャナ
世界任務開始時点では村に不在だがある程度進めると現れる。
フォンテーヌ科学院に赴き、マシナリー関連の技術を学んでいたという。
奇妙なパーツ(キラキラしたもの)とアイテムを交換できる。
  • 名前について
    英語版はXana。シャナ(アストゥリアス語:Xana)は、スペインのアストゥリアス州やその周辺地域の伝説に登場する女妖精。
カノティラ
村の奥で「啓示の書」について研究している。
  • 名前について
    カノティラ(čanotila、「彼らは樹の中に住む」の意)は、北アメリカの先住民族ラコタ(スー族)の神話で、樹木に住む妖精族の名。
スルアシー
プーカの姉。
自身の工房で、宝石など様々な材料から絵の具を作っている。
  • 名前について
    英語版はSluasiだが、おそらくアイルランド・スコットランド民話の「スルア・シー」(sluagh sídhe、「妖精の軍団」)が元ネタ。単にスルア、スルーアとも。
    罪人の魂からなる精霊の集団で、時には人間を助けることもあるものの、基本的には危険な精霊たちとされる。
セレーネ
村長…という程では無いが、他のメリュジーヌより少し年上のようで、「お姉さん」としてみんなの面倒を見ている。
  • 名前について
    英語版はSerene(「高貴」、王侯に用いる敬称)だが、中国語版は瑟琳(Sèlín)。
    よっておそらく古代ギリシア神話の月の女神セレーネー(Σελήνη、Selēnē)が元ネタ。古代ローマ神話のルーナに相当。
ラウメ
スチームバード新聞社の記者を目指している。
  • 名前について
    ラウメ(リトアニア語:Laumė)は、バルト神話の樹木の精霊。
リュティンヌ
メリュシー村で一番の料理人。
…もちろん彼女たちメリュジーヌの基準においての一番であることは言うまでもない。
ではあるが、彼女の作る「オリジナル料理」はその見た目、匂いとは裏腹に意外にも爽やかな味わいだとか。
  • 名前について
    英語版はlutinなので、フランスの民間伝承に登場する小妖精リュタン(lutin)が元ネタ。
セディル
マレショーセ・ファントム所属、休暇で村に帰省している。
ルフィーナ
モンドの大冒険者スタンレーに憧れている。
フロー
ヴィルダの姉。ファッションや服のデザインに関する事が好きで、裁縫も得意。
旅人にやたら「ぴっちりスーツ」を勧めてくる。
ヴィルダ
マレショーセ・ファントムの一員になるべく特訓している
イアーラ
釣りをしている。
  • 名前について
    ブラジル神話の水の妖精。17世紀までは、釣り人を襲う獰猛な人食いの魚人とされていたが、18世紀ごろから美しい人魚のイメージで伝えられるようになった。
カラボス
自称「薬剤師」ベレ(ベレナータ)を助手としている。
  • 名前について
    17世紀フランスの作家ドーノワ夫人の妖精物語『サンザシ姫』で、主人公のサンザシ姫(英語訳版ではベレナータ)に呪いをかける邪悪な妖精。
ベレナータ
カラボスの助手。
薬剤の名付けや記録を取っている。
  • 名前について
    17世紀フランスの作家ドーノワ夫人の妖精物語『サンザシ姫』の、ジェームズ・プランシュによる英語訳における主人公の名前。
グラシュティ
ブリーチャープリムスを育成しようとしている。
  • 名前について
    英語版はGlaisti。スコットランド神話の女性の幽霊グラシュティグ(Glaistig)が元ネタ。
プーカ
色とりどり、様々な形の石が好き。だが、モラのようにキラキラしていても全て同じ見た目のものは好まないらしい。
メリュシー村の鉱脈に詳しい。世界任務では村のとある鉱脈で良く見かける綺麗な「普通の石」をフォンテーヌ廷で鑑定してもらうことに。
結果、この普通の石は非常に硬く、きらびやかな光沢を放つが、アクセサリーに加工するため磨いたところ、途端に光沢を失いアクセサリーとしての価値が無くなってしまったという。
だが、耐摩耗性が他の鉱石より高いことに目をつけた職人によりコアとなる部分に使われ、水中で暮らすメリュジーヌ達も使える防水仕様の時計が開発された。
  • 名前について
    プーカ(アイルランド語:púca)は、ケルト民話・イングランド民話に登場する精霊。
グラーニャ
セディルに憧れてマレショーセ・ファントムを志している。
  • 名前について
    グラーニア(Gráinne)はアイルランド伝説に登場する王女。英雄ディルムッド・オディナとの悲恋譚で有名。
シロナ
グラーニャが心配で一緒にマレショーセ・ファントムを志している。
  • 名前について
    ドナウ川流域の古代ガリア人に信仰されていた、治癒を司る女神。
トピア
巨大なほら貝、「海螺の響き」の傍にいる。
友人のマメールに音楽を贈りたいとメリュシー村の伝説に残る楽章「ペスタの歌」を探している。
  • 名前について
    英語版はTopyas。14世紀イングランドのロマンス文学『Richard Coer de Lyon』で、リチャード獅子心王とジョン失地王の妹とされる王女(実在しない)。

【メロピデ要塞】

シグウィン
メロビデ監獄の看護師長を務めている。「看護師長」を名乗ってはいるが、職務内容は医者そのもの。水元素の神の目を持っており、人間に近い容姿をしているが歴としたメリュジーヌである。
人間の文明内で活動するメリュジーヌの一人ではあるが、ヌヴィレットを「さん」付けで呼ぶ。
美容やスキンケアに詳しく、講座の告知が掲示板に出されている。
メロピデ要塞の看護をたった一人でこなす辣腕の持ち主であり、メリュジーヌ特有の感覚で囚人たちの体調の変化に敏感に気付くことができる。
一方でその感覚の差異ゆえに料理のセンスは人間の好みとはかけ離れており、好意で料理や自作の飲み物を囚人にふるまっているが、外見も味も人間には受け付けがたい物となっているようだ*117
医療従事者として持つべき全ての美徳を持ち、仲間全員に気を配ることができる優秀な看護師であるが、同時に「腹黒」ともいえる性格も持ち合わせており、
意図的に単純なキャラを演じることで人からの信頼を得る、人類を多種の生物としての観察対象と見なす、有事の際は麻酔銃で対象を制圧することも辞さないなど、
おっとりとした者が多いメリュジーヌの中ではかなりの切れ者である。
メロピデ要塞で生活するうちにリオセスリから「悪い影響」を受けてしまったらしく、仲間とともに賭け事に興じるなど、良くも悪くも人間社会に溶け込んでいる。
PVでは資料を読みふけるリオセスリにお揃いのミルクセーキ(少なくとも見た目はまとも)を差し出したが、無視して紅茶を飲まれたため憤慨している。

もともとは他のメリュジーヌとさほど変わらない見た目をしていた。ある時「自然の法則である生老病死に介入する」技術である医療に関心を持ち、「魔女婆さん」と称される女性医師に弟子入りを申し出る。
死生観が異なるメリュジーヌとはいえあまりに生命倫理を軽んじた態度を一蹴されるも、弟子入りを許可され、「魔女婆さん」のもとで医術を学ぶ。
その後、とある人間の女の子と仲良くなるが、その女の子は病気で倒れてしまう。医学の知見を学んだシグウィンは治療を申し出るが、当時はまだメリュジーヌの差別が根深く、追い返されてしまう。やむなく「魔女婆さん」に相談に出向くと、彼女は自らを実験台として原始胎海の水の研究をしており、ひどく衰弱していた。二時間後に出直すように言われたが、戻ると彼女の姿は消えており「望んだ姿に変えられる魔法の薬」とメモだけが残っていた*118

こうして人間に姿を変え「最初の患者」の治療を無事終えるも、「別の種族の姿に変えてはいけない」という法律に抵触したため自首する。その後有罪判決を受けメロピデ要塞に収監、医務室に勤務するようになる。多くの患者を治療し模範囚として刑期は短縮されたがとどまり続け、現在に至る。

  • 名前の由来について
    シグウィン(Sigewinne)の元ネタは、中世ドイツ伝説に登場する魔女、トロイ女王ジークミンネ(Siegminne)と思われる。名前は「愛の勝利」という意味。
    「ジークミンネ」は現代ドイツ語の正書法・発音に直したもので、中世の中高ドイツ語では、ズィクミン(Sigminn)、ズィゲミンネ(Sigeminne)、あるいはズィゲウィンネ(Sigewinne)と様々な表記で書かれた。
    「シグウィン」はこのうち最後のバージョン「ズィゲウィンネ」を現代英語風に発音したもの。
    もともとは古きトロイの女王Raue Elseという、全身けむくじゃらで四つん這いで歩く野女だった。
    たまたま通りがかったコンスタンティノープルの王子で英雄のヴォルフディートリッヒ(Wolfdietrich)に求婚するが、二度断られたため、呪いで王子を半年間、狂った野人に変えてしまう。
    これに懲りた王子は三度目はキリスト教への洗礼を条件に求婚を受け入れた。
    Raue Elseが洗礼のため、「若さの泉」の水で身体の汚れを落とすと実は絶世の美女であり……という筋書き。
    改名後のジークミンネ=「愛の勝利」という名前はこの馴れ初めに由来する。
    シグウィンが人間ではない種族な点や美容マニアな点などは、上記の野女から美女に転身した逸話が元ネタであろう。
オティニエ
メロピデ要塞の医務室にいる囚人…ではなく、マレショーセ・ファントム所属。
非番で友人のシグウィンとおしゃべりしにきたという。
  • 名前について
    英語版はOttnitとなっており、元ネタは中世ドイツ伝説に登場する英雄、ロンバルディア皇帝オトニト(オルトニトとも)。シグウィン(ズィゲウィンネ、ジークミンネ)は友人の英雄ヴォルフディートリッヒの妻という関係。
    ちなみに元ネタではドワーフの君主アルベリヒ(英語における妖精王オベロン)の養子なのだが、原神ではアルベリヒと関係なさそうだ(メリュジーヌはカーンルイア陣営のレインドットのいわば孫とも言えるので間接的な繋がりはあるが……)。

【その他】

メラ
ベリル地区北東部ワープポイント近くにいる。レウカが編んでくれるというマフラーについて話し合っている。
服装からおそらくフォンテーヌ廷に住んでいるメリュジーヌ。
レウカ
村の暮らしに飽きたらフォンテーヌ廷に遊びに行きたいと言う。
カロレ
ヌヴィレットの伝説任務にて登場。故人。
約400年前にヌヴィレットの手引で最初にフォンテーヌ廷を訪れたメリュジーヌの一人。マレショーセ・ファントムに所属していた。
かつてメリュジーヌと人間の共存、人々との関わりにおけるメリュジーヌの意義を見出すことを目指し奔走していた。
だが、当時の人々は突如来訪した異種族である彼女らメリュジーヌに関して様々な憶測や噂、ヌヴィレットと関わりがあることを快く思っておらず、すぐに受け入れられることはなかった。
5年の時が流れ、彼女や当時の特巡隊隊長の尽力もあり、ようやく人々にメリュジーヌが受け入れられる兆しが見え始めた頃、ヌヴィレットが急速に進めた改革により権力を失いつつあった一部の旧勢力により彼女は利用されてしまう。
この旧勢力は彼女に殺人の冤罪をかけ、それを焚き付けることで民衆のメリュジーヌに対する負の感情が爆発させた。怒りの鎮まらない民衆の足止めにより警察隊の介入が遅れてしまい、結果事態を収めるために彼女は自らの命を絶つことを選んでしまう*119
キアラ
ヌヴィレットの伝説任務にて登場。
約400年前にカロレと共に最初にフォンテーヌ廷を訪れたメリュジーヌの一人。マレショーセ・ファントムに所属。
人懐っこい性格で市民からも特に可愛がられているようで、新聞社が彼女の特集記事を出した際は大好評を博したといい、第二弾も計画されているとか。
記憶力があまり良くなく、悪意に対してあまりにも鈍感で、一般的に脅迫状とされる内容の手紙もかくれんぼの誘いと勘違いしていたほど。
ナディア
世界任務「念願の宝探しの旅」にて登場。
元マレショーセ・ファントムのエリートで「博識のナディア」と呼ばれるほどの知識と記憶力を持っていたが、過去に頭を怪我したため物忘れがひどくなっている。
現在は人間のユーヴィルと共に宝探しをしている。

メロピデ要塞

フォンテーヌで罪を犯した人が収監される海底刑務所にしてクロックワーク・マシナリーの生産工場。またの名を「水の下」。
独自通貨「特別許可券」が流通する等、一つの国がごとく独立した自治権を持っており、パレ・メルモニアでもおいそれと干渉ができない。
リオセスリの管理者就任によって劇的に労働環境が改善された現在では、刑期を終えて尚残ることを選択する程愛着を覚える囚人も出てきている。

元々は、罪人を哀れむエゲリアが、国外追放の代わりに「自身の秘密を守る」役目――すなわち、原始胎海の水のゲートを監視する役割を託す形で建設させた地だった。
長い時間の末に一時忘れ去られていたこの役割は現在、調査の果てに自力で真相に辿り着いたリオセスリの元に引き継がれている。

元ネタは古代ギリシア伝説のアトランティス島、フランスのバスティーユ牢獄、イギリスのパノプティコン等と思われる。詳細はリオセスリの「小ネタ」を参照。

リオセスリ
スーツ姿の男性。メロピデ要塞の管理者。「公爵」と呼ばれている。*120
PVではシグウィンにお揃いの(不味い)ミルクセーキを机に出されるも無視して元からあった紅茶を飲んでいる。
大雑把な感じだが管理能力はかなりのもので召使が送り込んだ間者や買収した刑務官を尽く排除している。メロピデ要塞自体の環境も大幅に改善している。

元孤児で、貴族の養父母の元で育つが、彼らが実際には人身売買業として自分たちを育てていた*121ことを知り憤慨。一度脱走し、改造ナックルなどの準備を整えてから二人を殺害する。
養父母殺害後は彼らに送られた名を捨て、新聞で見かけた「リオセスリ」の名で審判を受け、そのままメロピデ要塞に収監される(この時神の目を得る。)。
経緯は不明だが実はかなり早い時期からヌヴィレットに目をかけられており、路上生活で貧困にあえぐリオセスリを警察隊のメリュジーヌを通して援助したこともあり*122、収監後もシグウィンに気にかける旨の手紙を送っている。
メロピデ要塞ではたびたびケンカをして医務室送りにされるが、麻酔を拒否しシグウィンを驚かせている。しかしこれらは罪人への圧政が目立つ劣悪な環境を是正するためであり、罪人達のみならず看守達をも完全に味方につけ*123、拒否できない状況に持ち込んだ上で決闘を申し込む。
前管理者は決闘直前に逃亡するが、不運にも同日がリオセスリの服役終了日だったため、自身の出獄手続きを行える者がいなくなってしまう。
結果としてリオセスリ自身が管理者業務を引き継ぐことになり、そのまま現在まで今の地位についている。

  • ケルベロスについて
    リオセスリの衣装には犬や首輪のような装飾が多くあしらわれており、まさに要塞のエンブレムや命ノ星座にもある獄守犬=ケルベロスを体現したデザインになっている*124
    ここで重要なのは、ケルベロスは別名を「ナベリウス」と言い、ソロモン72柱の序列24位として知られている悪魔でもあること。
    既にナベリウスをモデルとしたであろう魔神と思しき存在「ナベリス」が登場しているが、関係性は不明。
ラノール
要塞で生まれ、要塞に住んでいる少女。立場上囚人となっているが、要塞内に明確な記録が残っていない。
キャタピラーを「キャタピィお兄ちゃん」と呼び、家族として付き合っている。
母アグネスは病弱であり、物語開始時点ですでに死亡。父親の正体は不明。
世界任務「未完成のメロディ」内では、旅人やエティヌやキャラピラーの助けもあって要塞から脱出し、祖父アーンショウの元で暮らすようになる。
キャタピラー(キャタピィお兄ちゃん)
魔法使いナルツィッセンクロイツによってヒルチャールの肉体を与えられた生命体。肩書は「幻光蛾蝶のさなぎ」。
人間ではないが、ナルツィッセンクロイツによって人の言葉や習慣を教わり、人間の少年の姿に擬態することが可能。
水仙十字結社の一員として活動していたが、結社解散後にメロピデ要塞に移送されて以後400年間をそこで過ごした。あまりにも長く要塞にいたためか、要塞内に明確な記録が残っていない。
物語開始時点ではラノールの兄として振舞っており、彼女の保護者的な立場にある。

キャタピラーの精神の前世は十中八九、自然哲学学院でアラン・ギヨタンの助手を務めていたカーターである。
設定よりもわかりやすいのが中国語での名前で、キャタピラーは「卡特皮拉」(Kǎtèpílā)、カーターは「卡特」(Kǎtè)で頭二文字が共通している。
その上、日本語で「キャタピィお兄ちゃん」となっているところは、中国語原文では「卡特哥哥」=「カーターお兄ちゃん」であり、直球でネタバレになっている。

フォンテーヌ科学院

正式名称は「フォンテーヌ運動エネルギー工学科学研究院」。数百年前に「奇械公」アラン・ギヨタンが創設した研究機関。
専門的研究以外にも、フォンテーヌの国民的飲料である「フォンタ」などを開発している。
本編開始の少し前に上級技術官エドウィン・イースティングハウスの実験事故により多数の死者を出し、施設の2/3を消失。
フォンテーヌの遠景に映る、宙に浮かぶ巨大な立方体の水の数々は、その実験事故の残骸である。
現在の本部は、旧「アラン・ギヨタン研究所」を改装した「新フォンテーヌ科学院」に置かれている。

  • 名前について
    元ネタはフランス国立の学術団体である「科学院」(Académie des sciences)。
    この組織は日本語では「アカデミー・デ・シアンス」とも「科学アカデミー」とも言われ様々な訳があるが、中国語では「法国科学院」(フランス科学院)と訳されるのが普通。
    また様々な先進的な研究をしながらも、物語開始以前に派手な爆発事故を起こして解散した組織という共通点から、怪奇創作サイト「SCP財団」に登場する要注意団体「プロメテウス研究所」も関連があるか。
エドウィン・イースティングハウス
フォンテーヌ科学院の上級技術官。初代院長アラン・ギヨタン以来の天才とされる科学者で、外見的には青年に見えるほどの若さながら次期院長と目されていた。
アルケウムという物質のエネルギーを利用する反重力技術を開発し、BOSS「実験用フィールド生成装置」(ブレゲ・プロトタイプ)もその成果の一つである。
最終目標では、予言の洪水への対処として、フォンテーヌ廷を空中都市化できるほどの研究技術を目指していたと言われる。
しかし、性格は典型的なマッド・サイエンティスト。研究欲が全てであり、金銭や名誉どころか、自分が起こした大事故で失われた人命なども全く意に介していない。
事故後は、書類上は行方不明扱いだが、実際には事故にまきこまれ死亡している
……と思われていたが、本当に失踪していただけであり、事件の責任も取らず、粗末な小屋で研究を続けていた。
最後は仲違いした部下のナッカーと共に捕まり、メロピデ要塞送りになった。
  • 元ネタについて
    元ネタは19世紀アメリカで交流送電技術を共同開発した二人の天才電気技師、「ジョージ・ウェスティングハウス」と「ニコラ・テスラ」と思われる。
    名前は前者(イースティングハウス=東寄りの家、ウェスティングハウス=西寄りの家)、エキセントリックな性格は後者。
    直流送電派の発明王トーマス・エジソンは、メディアを駆使して交流送電は危険というネガティブ・キャンペーンを行った上に、ライバルのウェスティングハウスとテスラに対し様々な人格攻撃を加えており、
    「エジソンのネガキャンが本当だったら」というif歴史で作られたキャラかもしれない。
    ただし、史実としてはエジソンのネガキャンは多くがこじつけで、最終的な勝者になったのはウェスティングハウスとテスラの交流送電である。
ナッカー
フォンテーヌ科学院の上級研究員で、エドウィンの右腕。
旅人と会った時は気さくで頼れる青年を演じ、宙に浮いた実験室の問題を解決するそぶりを見せていたが、実は研究院に残されたエドウィンの研究成果「アルケウム動力コア」を盗むのが目的だった。
その後も潜伏と逃走を続けていたが、名誉欲に駆られて上司エドウィンとも仲違いし孤立。旅人と科学院に捕まり、最後はエドウィンと共にメロピデ要塞送りになった。
レモンド・ヘイヴンポット
フォンテーヌ科学院上級技術官僚を務める壮年の男性。エドウィン失脚後の科学院の事実上のリーダー。
破天荒なエドウィンとは対照的に、保守的で老練な性格であり、半壊した科学院を堅実路線で再建させようと奮闘している。
ショワズール
フォンテーヌ科学院事務官を務める壮年の男性。ペラペラと口が回るタイプで、記者への対応などには最適。
科学院の事務・会計や広報などの雑事全般を統括し、相方のレモンドと共に科学院再建に尽力中。
グザヴィエ
フォンテーヌの技術師。映写機を発明した人物でもあり、ペトリコールという町を拠点に活動する発明家集団「空想クラブ」の一員。
幕府の相談役として御影炉心の建設に携わり、後に抵抗軍との争い(に乗じたファデュイの介入)による炉心の異常が起きた際は旅人と共に尽力し解決に導いた。
異変解決後は稲妻に留まり、天領奉行の承認の元で様々な映画を撮っている。
  • 他の空想クラブメンバーには、永久に動く動力源の開発を目指すフェリックス・ユーグ、数学者のガルシア、スーパーキャノンを開発中のメカントルとバビス兄弟がいる。
  • 元同僚で個人的にも親しいオーガスタス・ラヴレスによれば、形式上は現在でもフォンテーヌ科学院所属の研究者である。
    しかし撮影技術にかまけすぎたため、あらゆるプロジェクトと研究室から締め出されており、事実上の追放状態にあるらしい。
オーガスタス・ラヴレス
フォンテーヌ科学院の男性の研究員で、スメールシティに出張中。
スメール船舶の研究をしていたが、緊縮財政派のレモンドにプロジェクトへの予算を止められるのではないかと思っている。
  • 名前について
    名前の元ネタは、19世紀イギリスの数学者エイダ・ラヴレス(女性)の正式名「ラヴレス伯爵夫人オーガスタ・エイダ・キング」と思われる。
    チャールズ・バベッジが設計した世界初の汎用コンピュータ「解析機関」のプログラムを書いたため、「世界初のプログラマー」と呼ばれる。
クトロ
世界任務「特異点への道」に登場する、元フォンテーヌ科学院の研究員で現在は「クイセルのクロックワーク工房」の主。
科学院の倫理委員会から非難を受けて除名されたが、その後も科学院の資産を盗んで研究を続けている。
ブラヴェ
物語開始時点で故人。元フォンテーヌ科学院の上級研究員。フォンテーヌ科学院第二期拡張工事中に、ブラヴェが作った人工トンネル及び私設工房が発見されている。
この私設工房はかなり大規模なものであり、アルケウムを精製するための大型のプレス工房があるほか、人工トンネルはクイセルのクロックワーク工房及びメロピデ要塞にも繋がっている。

スチームバード新聞

フォンテーヌ廷を代表する民間報道機関であり、テイワット中に購読者がいる最大手の新聞社。
旅人は知る由もなかったが、モンドにおいて旅人がトワリンと戦ったことについて3週間にわたって記事にしているため、この時点で一部のフォンテーヌ人には旅人の存在が知られている。
また、楓原万葉が雷電将軍の無想の一太刀を受け止めた事実についても報じており、遠い異国の出来事に思いをはせるフォンテーヌ人が続出したようだ。
モナもスチームバード新聞内で占いに関するコラム記事を書いており、それによる原稿料で生活している。彼女の記事は前任者より学術的で複雑なものだが、かえってそれが読者に好評な模様。
中国版公式サイトでは当初、「スチームバード新聞・テイワット美食メモ」というタイトルでゲーム内料理の再現レシピ及びそれに関するレビューを公開していた(現在ではタイトルから「スチームバード新聞」は削除されている)。

ユーフラシア
スチームバード新聞の編集長。公平正確な情報の提供だけではなく表現の自由を重んじる人物で、そのため同紙に「人生いろいろ」というコーナーを開設した。
編集長としての業務以外にも、住民の悩みを聞いたりパレ・メルモニアと治安上の情報で連携したりといった、フォンテーヌ廷の顔役的な仕事もこなしている。
  • 名前について
    フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの代表作『レ・ミゼラブル』の主要人物コゼットの本名「ユーフラジー」がおそらく元ネタ。*125
シャルロット
スチームバード新聞の腕利き記者。凝光曰く「一見目を引くが中身は事実第一の記事を書く」。
インパクトある見出しについてよく考えていることもあり、セノのジョークを大真面目に評価する数少ない人物。
「決闘!召喚の頂!」では、以前潜入取材の果てに不正を暴露していた食品工場による報復からの避難を兼ねて、モンドへと召喚王グランプリの取材に派遣される。
不当ともいえる扱いも「いつものこと」と気にせず、新たな独占記事を求めて旅人らとともに「カード怪盗」事件の真相や七聖召喚誕生秘話を追うことに。
その後、魔神任務内ではフォンテーヌに訪れた旅人と再会*126。以降、ストーリー中ではいろんな事件がひと段落するごとに記事を書くために奔走している。
龍二君(竜二君?)
スチームバード新聞に寄稿しているコラムニスト。中国語版公式サイトの企画「提瓦特美食札记」(テイワット美食メモ)の著者とされる人物。簡体字では「龙二君」。
名前的に璃月出身でもおかしくはなさそうだが、英語版ではRyuji-kunなのでおそらく稲妻出身。名前が万端珊瑚探偵所の龍二と被っているが関係は不明。
元々はファン投稿記事であり、それを公式が転載したものである。

ペトリコール町

フォンテーヌ領南部の島にある町。古代レムリア文明の遺跡が存在する。
かつてはグレート・フォンテーヌ・レイクに存在していた島だが、レムリア滅亡時の大洪水によって沈没し、現在の滝の下に移動した。
ドゥ―ジェ*127と呼ばれる長老が実質的に村を管理している。フォンテーヌよりも長い歴史と伝統があることが自慢らしいが、実はそのほとんどが作り話である(住民はそのことを知らない)。
町自体は確かに古くから存在しているが、伝説については初代ドージェのルッジェロが古代レムリア文明の罪と、原始胎海の存在、大楽章「フォボス」とボエティウスを封印するにあたって、廃墟同然だったこの村に偽の伝統を作ったのが始まりである。

  • 名前の元ネタ
    乾いた土壌に雨が降った後に立ち昇る香りのこと。古代ギリシア語で「石のイーコール(神血)」という意味。

【空想クラブ】
ペトリコールに存在するクラブで、発明家たちが所属している。
元ネタはジュール・ヴェルヌのSF小説『月世界旅行』に登場する「大砲クラブ」。

バビス
メカントル
兄弟。人を乗せ天を目指すテイワットキャノンの設計をしている。
テイワットキャノンはまだ設計図も出来上がっていない段階ではあるものの、兄弟の発言内容からして構造はSF小説「月世界旅行」に登場する大砲とほぼ同じ。
エスト
レムリア人の末裔であり、ペトリコールの町民の中で異変に唯一巻き込まれなかった人物。
ウッスー
空想クラブで飼育されている猫。名目上の飼い主は旅人。元はカッシオドルが体を借りていた猫。
世界任務「諧律のカンティクル」終了後、空想クラブで餌を与えたり撫でることができる。
ボシュエ
元フォンテーヌ科学院の上級研究員。
グザヴィエ
フォンテーヌ科学院の項目を参照

【パスクワレ家】
エピクレシス歌劇場が建設されるより前から活躍する楽器職人の家系。現在のフォンテーヌ廷では製造の機械化が盛んだが、伝統へのこだわりから楽器は一貫して手作りしている。
現当主のジョヴァンニによるとフォンテーヌで流通する楽器の7分の1程度はパスクワレ家が製作したものらしい。

  • 名前について
    元ネタは恐らくガエターノ・ドニゼッティ作曲のオペラ『ドン・パスクワレ』。
ジョヴァンニ
パスクワレ家の現当主。前当主の次男。
妻はマーサで、息子がモゼ。
ジュスティーノ
前当主の長男。ジョヴァンニの兄。
若い頃に旅にあこがれスメールに旅立つが年を経て故郷への郷愁が強くなり、旅人に依頼して帰郷、ジョヴァンニの助手となる。
ロレダン・ヴィンチェンティーノ
ジョヴァンニの弟子。本来は楽器の演奏家となるのが夢で、修行の一環としてジョヴァンニに弟子入りしているらしい。
兄も姉も、エピクレシス歌劇場で公演を行うほどのプロの演奏家。
  • 名前について
    元ネタは恐らくイタリアの音楽理論家・楽器発明家の二コラ・ヴィンチェンティーノ。

【その他】

ゴルドーニ
フォンテーヌ史上最も偉大な劇作家であるコペリウスの子孫の女性。当人も劇作家をしている。
グザヴィエとは三歳のころから付き合いのある幼馴染で、映影の脚本を無償で書いたことがある。
マシナリーの知識がないためグザヴィエに付いて稲妻に行けなかったことを後悔するなど、彼と距離を縮めたがっているようだ……。
  • 名前について
    元ネタは恐らくヴェネツィア共和国(現在のイタリアの一部)の劇作家カルロ・ゴルドーニ。

その他・未分類

ドヴォルザーク
フォンテーヌの音楽家。フォンテーヌの音楽祭イリデッセンスツアーの主催者の一人。
「華舞う夜の旋律」では、自身の先祖を救った「天女」の子孫を探す私的な目的で璃月を訪れるも、辛炎等に提案されて海灯祭内でも音楽祭を開くことに。
開催直前、旅人の調査によって天女の正体がピンばあやであることを知ると、感謝の思いを乗せて旋律を指揮した。
  • 名前の由来はご存じチェコを代表する音楽家アントニン・ドヴォルザーク。『新世界より』『ユモレスク』などが有名。
    鉄オタとしてもその名が知れており、娘の婚約者であり自身の弟子であった人物を「鉄道に関する知識がないから」という理由で婚約を破棄させようとしたことがある。
千織
フォンテーヌにアパレルショップ「千織屋」を構えるデザイナー。
出身は稲妻で、綺良々や神里綾華と古い友人。ある夢を追ってフォンテーヌに移住した。現在の地位に昇りつめる過程で特巡隊やシュヴルーズとも浅からぬ関係になったらしい。
「抗争」と「革新」がテーマのデザインは高い評価を得ており、従業員が「彼女こそがフォンテーヌのトレンドを生み出した」と自画自賛する程。
ストレートな物言いをしてよく客を怒らせているが、面倒見は良い方。綺良々エピソード内ではテンプレツンデレな言動や天然な一面も見せている。
リネやクロリンデ等、彼女の店の衣装を着ているプレイアブルキャラも多い。特に綺良々の服は、人間文化に疎かったため酷い状態になっていた*128のを見かねた千織が自ら仕立てたもの。
  • 元ネタについて
    「抗争と革新をテーマとしてフランスで高い評価を受けた日本人女性のファッションデザイナー」という点から、モデルは「コム・デ・ギャルソン」(COMME des GARÇONS)の川久保玲か。
    1980年代のパリコレで、ヨウジヤマモトの山本耀司と共に「黒の衝撃」という革命をもたらし、後にフランス政府から芸術文化勲章シュバリエや国家功労勲章オフィシエなどを叙勲されている。
    アバンギャルド(=革新的、原義は戦争の「前衛部隊」)なファッションの世界的権威である。
    千織のテーマカラーのうち二つが黒と赤なのは、これらの色を多用するコム・デ・ギャルソンへのオマージュかもしれない(というより、現代の女性のファッションのメインカラーに黒が使えるようになったのは、そもそも川久保玲らの功績である)。
エミリエ
フォンテーヌの調香師。彼女の作品は「朝早くから並ばないと手に入らない」と言われるほど人気がある。
ちなみにリネは1つ買う予定だったが、リネットのしっぽが違う意見を持っていたため、買うのを断念した。
父親はマレショーセ・ファントム、母は法医学者に従事していると言い、現在でも実家に赴き食事を共にすることもあるという。
公園を散歩をする彼女が子犬を撫でる姿が目撃されている。
「特殊清掃人」

表向きに公言していないが、彼女の本来の職業は「特殊清掃人」。彼女の場合は、調査の終了した事件現場の清掃を主に取り扱う。
そのため、調香師をする傍ら…というよりは特殊清掃人をする傍らで趣味の延長として調香師としてもフォンテーヌで活躍している、というのが正しい。
フォンテーヌの警察隊などの公的機関には一切属さず、あくまで個人の範疇で警察隊との協力関係を結んでいる。
また、現場の清掃だけに留まらず調香師としての経験、化学に関する知見や独学で習得した法医学の観点を活かして時に執律庭などから捜査協力を依頼されることもあるという。

ヴォートラン
ヌヴィレットの伝説任務にて登場。故人。
ヌヴィレットが最高審判官に就任した約400年前の特巡隊隊長。
当時の不正まみれのフォンテーヌを良く思っていなく、ヌヴィレットの改革を支持しカロレと共に不正を正していった。
当初カロレのことを純粋すぎて悪党に目をつけられることを危惧し突き放すように接していたが、彼女と関わるうちにメリュジーヌと人間の共存を叶えようとする彼女の夢を強く支えようと思うようになっていた。
しかし、ヌヴィレットによる改革やメリュジーヌの社会進出…それらをよく思わぬ旧勢力が暴動を起こしカロレが自決した事件においてその犯人ら全員を私刑により殺害。有罪判決を受けてからは残りの一生をメロピデ要塞で過ごす。
法廷では自らの行った復讐という「正義」に傍聴席は沸き、無罪を訴える。ヌヴィレットもその正義に正当性を見出すも、それを受けてなお有罪判決を下すヌヴィレットにヴォートランは怒りをぶつけた。
しかし、これはすべて演技であり、ヴォートランはヌヴィレットが公正にフォンテーヌの「正義」に則り、自分を有罪とすることを信じていた。
メロピデ要塞に送られた後、立場も力も弱い軽犯罪者たちの協力組織である「助け合いの会」を創設して彼らの身の安全の確保と更生のサポートに尽力した。
パシーフ
世界任務「エリニュスのはぐれ精霊」に登場した、メリュジーヌのような謎の存在。
外見はメリュジーヌそっくりだが、フォンテーヌ廷やメリュシー村を知らず、アビサルヴィシャップと仲が良く、
ヌヴィレットによってメリュジーヌたちが近づくことを禁じられているはずのエリニュス島の奥で活動するなど、明らかに普通のメリュジーヌではない。
人間語は「あの客」なる人物に教えてもらったとのことだが、肯定を「パシーフ」、否定を「メリュジーヌ」と言う独特の言葉使いと付属語をほとんど使わない片言で会話する。
パシーフという名前も旅人とパイモンとの会話の中で自分に付けられた呼び名*129を気に入って名乗り始めたものであり、本名は不明。
「あの客」のためにエリニュス島の地下水脈から獣域ウルヴスを追い出すことを旅人に頼み、事態が解決するとお礼として水中で見つけた宝箱などを渡した。
その後もタイダルガと幽林の枝を対価に特産品や宝箱を旅人にくれたが、すべて交換し終えると何処かへ旅立っていった。
考察

恐らく正体はヴィシャップマン。
体色や瞳孔の形状はアビサルヴィシャップ・原種とそっくりであり、メリュジーヌがもとから様々な体色の持ち主であることを考慮すると、
瞳孔を除けば人間と全く区別がつかないというヴィシャップマンの伝承と概ね一致する。
パシーフ(Pahsiv)を逆から読むとvishaP=ヴィシャップであり、「パシーフ」が肯定、「メリュジーヌ」が否定になるのも、
自分はヴィシャップ(パシーフ)であり(肯定)、メリュジーヌではない(否定)ということだと考えられる。
「あの客」については、「水脈を味見することで情報を得てフォンテーヌを守っている」とのことで、この時点で誰だかすぐに察せられるが、中国語にすることでよりはっきりと推測できる。
中国語で「あの客」は「那位来客(Nà wèi láikè)」、水元素に高い感応力を持つ人物(ヌヴィレット)は「那维莱特(Nà wéi láitè)」であり、発音が酷似している。
パシーフが人間語に不慣れなために「あの客」になってしまったのだろう。

ナタ

『争いの規律は生きとし生けるものの中に刻まれ、敗者は戦火の灰に、勝者は再び燃え盛る。
戦争の神がこの秘密を旅人に教えたのは、相応の理由があるからだ。』

テイワット西部に属する炎神が治める国。スメール教令院から見て砂漠の更に向こう側に位置する。
他国のような中央集権制を敷いておらず、中心となる都市が存在しない。代わりに6つの諸部族が発達しており、それぞれ竜と共生しつつ「帰火聖夜の巡礼」を通して互いに切磋琢磨している。
理由は不明だが地脈の影響が薄く、代わりに夜神の国という非物質で実体を持たない「概念」が流れる川とも形容される、意識空間または精神世界に近い場所が存在し、ここに大霊や古名といったシステムが代替を担っている。また、ナタ人はナタから出ると大霊の加護をナタにいるときと同程度に受けることができなくなり、記憶や感情に影響が出るという。
そのせいもあってか土着の魔神がおらず、カーンルイア滅亡に連なる500年前に七国を襲った漆黒の災厄では炎神を含め人間勢力のみで対抗せざるを得ず、辛うじて災厄を鎮めるも甚大な被害を受け、諸部族は一度壊滅した。その後、繁栄を遂げるほどに復興こそするものの、その間もアビスの脅威に晒され続けており、現代でもアビスとの戦争を余儀なくされている。
上記のような事情もありナタ人がナタを離れることは非常に少ない*130。一方で鎖国期の稲妻のような閉鎖性はなく、他国の旅行者も歓迎し、平時には束の間の平和と言わんばかりに「帰火聖夜の巡礼」に向けた修行に励みつつも各部族での日常を謳歌している。
一方で「アビスの脅威に晒されている」という割にはアビス教団のエネミーが極端に少なく、ヒルチャールも他国と比べると少ない。ナタ人の言う「アビス」は「アビス教団」設立以前から存在する「漆黒の力」のもので、教団とは直接無関係の可能性が高い。一方で夜神の国で旅人が遭遇した敵はアビス教団のそれであり、淵上などアビス教団関連者の活動は確認できる。

過去の人物

初代炎神の世代

シュバランケ
初代炎神。男性。すでに死亡している。「太陽のように眩しく、曙光のように暖かな王」とされる人格者であった。
彼以降の炎神は魔神ではなく人間で、彼が定めたルールにより決闘の勝者が炎神となっている。
七神の中にはウェンティやフォカロルスのように後天的に魔神となった者もいるが、今のところ過去の炎神で魔神に昇格した例はないようだ。
なお、予言によると本来のナタでは「獅子のように凶悪で、狐のように狡猾な救世主」が初代炎神となると言われていた。
ナタで前々から語られていた予言を捻じ曲げ唐突に表れた存在であり、シュバランケは降臨者の可能性もある。
最期は自ら胸を切り裂いて心臓を聖火に捧げ、聖火の中に還っていったようだ。
  • 名前について
    マヤ神話に登場する神「イシュバランケー(Xbalanque)」から。双子の兄にフンアフプーを持つ。
    殺害された父と叔父の仇をとるため協力して冥神並びに冥府シバルバーを滅ぼし、太陽と月になって天に上ったという。
シウコアトル(炎龍?)
ナタの元素龍。「原初のあのお方」との戦いに敗北したのち、まだ支配が及んでいないナタにやってきた。
アビスの力を手に入れた龍王ニーベルンゲンによる復讐戦争に参加した。
その際、アビスの力に汚染され狂い果ててナタの地脈を焼き尽くしてしまった。
その後シュバランケに討伐され相打ちになるが、シュバランケはシウコアトルの心臓から復活。
炎の大権はシュバランケに譲渡されることになった。
ワシャクラフン・ウバ・カン(ユパンキ?)
チャアク
ユパンキ
オチカン
赤い瞳の少年
サックカ
アタワルパ
ワスカル
職人

部族の始祖たちの世代

「太陽」
雷霆を操る龍。アホブによって討伐された。
クイール
「太陽」の娘(龍?)。星を住処としていたが、ある日地上に落ちてしまい、力の源である星の欠片も散り散りになってしまった。
その後ウククと出会い、彼と友に星の欠片を探す旅を続ける。欠片は見つからなかったもののウククのやさしさに触れ、家族となってクントゥルを授かる。
しかし、プチカの言葉でウククに疑いを持ち問いただすと、ウククが本当に自身を騙していたことを知り、彼と決裂する。
その後は荒れ地に戻ると地上に大きなラクガキを描いて「太陽」に見つけてもらい、天上へと帰還した。
ウクク
熊のように強く寡黙な戦士。星から落ちてきたクイールと共に星の欠片を捜索するが、力を取り戻したクイールと離別したくないがために見つけた星の欠片を隠してしまう。
その後上記にもある通り、一時は家族になるも嘘がバレて決別し、「太陽」の雷霆で失明した。
プチカ
ウククの仲が悪い隣人。クイールにウククの悪評を刷り込み、結果的にクイールが真実を知るきっかけを作った。
クントゥル
クントゥルの物語の主人公。クイールとウククの息子。
父の犯した過ちのせいで「太陽」に嫌われた男性であり、部族の人々にも竜たちにも嫌われていた。
それでも落ち込まず、父や運命に対して決して愚痴を吐くことはなかった。
やがて努力が実り、一族最強の戦士にも劣らない戦士になって勇気と知恵を駆使して偉業を成し遂げた。
そのおかげでイクトミ竜に仲間として認められた上に一族の英雄にもなったという。イクトミ竜からおそらく「謎煙の主」の人物だと思われる。
ウヌク
流泉の衆地域で活躍していた英雄(初代族長とは別人)。古名「団結(ウモジャ)」の最初の持ち主。「虹を踏む者」や「虹の王」の名で知られる。
純水精霊シネイラ(イアイネイラ)と契約を結び、ナタの水源から過剰な燃素を除去して周っていた。
その後シネイラの裏切りに遭い、数十年間後に龍王に殺害される。
シネイラ(イアイネイラ)
エゲリアの命を受けてナタを訪れた純水精霊の少女。
ウヌクとはナタの水源を浄化する代わりに「凶獣の棲む流泉」を褒章に貰う契約をしていた。
その後ウヌクを裏切るも、ウヌクが龍王に殺害される間際に彼を見捨てきれない自身に気づき、共に業火に身を投じた。
アホブ
イキの双子の兄。太陽を自称する雷の龍を討伐した。
イキ
アホブの双子の妹。地震を引き起こした龍を山に生き埋めにした。
リアンカ
花翼の集の始祖。
捨て子だったが龍の母に育てられる。やがて母から長弓を受け取り旅に出るが、その道のりで自由が強者にしか許されない現実を知り、その理を打倒することを志す。
その後、弱者は庇護し、強者は打ち負かしては友人になる、といった行いを彼女が繰り返していった末に、やがて花翼の集という部族が成立したという。
足首を抉られた少女(聖王)
マグハン
ディンガ
聖王の少女の従者。無口。

歴代の炎神や英雄達

ムラタ
初代以降~1000年前までのどこかの代の炎神。女性。公式漫画「原神セレベンツ」より。
儀式での模擬戦前に自身に勝利を捧ぐ誓いの言葉を紡がせていた。ウェンティ曰く「よくよく考えたらすごいわがままな人」とのこと。
彼女の血を引く一族はムラタ人と呼ばれている。
  • 英語版のムラタ人の説明「The Children of Murata, the Lady of Fire」という記述より、本名はムラタであると推測される。
コシャニナ
「流泉の衆」出身の炎神。愛用の武器は「ウヌ・パチャクティの刃」。
火山大王が流泉の衆の泉に「暗くて汚いもの」を投げ込み混乱を招いた際、計略を用いて懲らしめた逸話が伝わっている。
  • 上述の通り火山大王はアビスの比喩だと考えられるため、上記の逸話も実際には「流泉の衆の水を汚染していたアビスを浄化した」歴史を表していると考えられる。
火山大王
竜の去った後のトゥラン大火山を占領し、度々部族に迷惑をかけていたとされるイモリやサラマンダーのような怪物。
正体はナタを脅かすアビスを擬人化(擬イモリ化?)したもの。アビスとの戦いの歴史を部族の子供達に伝える様々な寓話の登場人物として用いられている。
  • 例として、「火山大王と陰縫いの針」では、噴出したアビスの泥を封印するために用いられた陰縫いの針が「火山大王の手を縫い付けて懲らしめたもの」として語り継がれている。

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身

マーヴィカ
500年前当時の炎神。懸木の民出身。
災厄襲来の影響による将来のナタの滅亡に対抗するための計画を立てた後、その時復活できるように一人聖火に身を投じた。
  • 戦期には天理によって草神を除く七神全員がカーンルイアに召集されたが、マーヴィカが応じたかは現時点では不明。
テノッチ
過去のナタに存在した英雄。話死合い棒の持ち主。かつてはどこかの部族の一員だったようだがやむを得ない事情で追放されている。
災厄襲来時は、マーヴィカや六大部族から募った盟友達と共に極西の島々に向かい、ナタに襲来した漆黒の軍勢と激突した。
激突前に盟友の一人サンハジェ・コンポレが予見したところによると、自身と同じく壮絶な最期を迎えた末「燼寂海」の誕生に影響を与えたとされる。
  • 名前の由来は、14世紀のアステカ族の酋長テノク(Tenoch)、もしくは彼の名又は「石のように硬いサボテン」が由来とされるアステカの首都「テノチティトラン」と思われる。
500年前の英雄と相棒
テノッチや炎神と共に漆黒の軍勢と激突した者たちと、彼らが騎乗する竜の相棒。
名前はアフリカの伝説や地名等に関連するものが多いが、トゥパクのみアメリカ大陸のインカ帝国に関連する。
ワンジル&ケウク
どす黒い肌の女性。大部族と争って疲弊していたが、テノッチに招かれて再び気力を奮い起こした。おそらく「豊穣の邦」の英雄。
メネリク&ンゴウボウ
「花翼の集」の英雄。勇敢な男性とクク竜。テノッチとはいつも仲が悪かったが、災厄襲来時は抱擁を交わし戦列に加わった。
ンゴウボウはフィールドボス「暴君・金焔のクク竜 (ホラワイガ・ンゴウボウ)」として実装されている。
サンハジェ・コンポレ&マハンバ
狡猾な男性。説得は難航したが、戦利品の譲渡を条件に戦列に加わった。おそらく「謎煙の主」の英雄。
ブルキナ&コンガマトー
「懸木の民」の英雄であり、若い男性とユムカ竜。古名は「廻炎(マリポ)」。
テノッチとは交戦経験がないが、自ら進んでテノッチに追随した。
コンガマトーは巨体のユムカ竜。アビスの汚染によって長寿命化しつつも体内のエネルギーが不安定になっている。
一度起きるたびに暴れ出してしまうため、廻炎の夜という儀式を通じて汚染の影響を抑えられている。
コンガマトーはフィールドボス山の王・貪食のユムカ竜として実装されている。ただの太ったユムカ竜にしか見えないが
スンジャタ&ムフル
「こだまの子」の鉱山の長である男性。絶えず争いを起こすテノッチを追放する投票を炎神に求めたことがある。
トゥパック*131
「流泉の衆」の巨体の男性。古名は「団結(ウモジャ)」。相棒はいない。
若いころのテノッチの不倶戴天の敵で、全身傷だらけにされているが、災厄襲来時にテノッチが向かったときは大笑いして握手を交わしている。
死後は夜神の国にて大霊の一つとなっていたが、カチーナ奪還のために夜神の国に訪れたムアラニを認め姿を現し、古の英雄の記憶を託した。
烈火を渡る賢者
燼寂海形成後数百年後*132のナタを拠点としていた人物。
赤いメノウでできた防火の冠を作り、同僚・先輩・先生から恐怖や嫉妬の感情を向けられる中、悠々とマグマの上を歩いてみせた。
その後は弟子や家族に恵まれたようだが、何故か彼らと関係を絶ち再び100年間に渡る隠遁生活を送った後、最期はマグマの海に消えたという。

現代の人物

六大部族まとめ

六大部族はゲーム中で一般に用いられる名に加え、アステカ神話の天界や冥界の名が用いられたカタカナ名を持っている。

こだまの子(ナナツカヤン)
ナタ東部の鉱山の部族。共生する竜は岩元素のテペトル竜。受け継がれている古名は「不屈」を意味する「ウッサビーティ」。
宝石採掘や宝石装飾を生業とする。ダンス対決をよく行っている。
カチーナ、シロネンが属する。
  • 名前の由来は第8層「イルウイカトル・ナナツカヤン」で「黒曜石のナイフがきしむ場所」を意味する。
流泉の衆(メツトリ)
ナタ南部の水辺の部族。共生する竜は水元素のコホラ竜。「団結」を意味する「ウモジャ」という古名が受け継がれている。
音楽や釣り、温泉が有名。ナタの地形に詳しいガイドたちも多く所属する。
温泉は人工温泉と天然温泉の2種類がある。天然のものは温度が高いため、まずは人工温泉で温度に慣れる必要がある。
ムアラニが属する。
  • 名前の由来は第1層「イルウイカトル・メツトリ」で「月の動く空」を意味する。
懸木の民(ウィッツトラン)
険しい山の部族。共生する竜は草元素のユムカ竜。「廻焔」を意味する「マリポ」や「探察」といった古名が受け継がれている。
多くの伝達師を抱える身のこなしに優れた部族。エクストリームスポーツが盛ん。ナタの冒険者のほとんどは「懸木の民」所属である。
キィニチが属する。
  • 名前の由来は第4層「イルウイカトル・ウィッツトラン」で「大きな星の空」を意味する。
花翼の集
共生する竜は風元素のクク竜。
ナタの厄介事に仲介して問題を解決する調停者がおり、クク竜に乗り空を駆け巡る騎士や熱気球の文化がある。基本的には1人で行動する人が多い。
チャスカが属する。
豊穣の邦
共生する竜は雷元素のライノ竜。
仮面を被った筋肉質な戦士がいる。トレーニングのインストラクターも多く在住する。
トゥラン大火山の近くにあることから古くより肥沃な土地として農業が盛んである。特に「豊穣の邦」産の青果はナタで一番いい品質だという。
褐色肌のナタ人の大体は豊穣の邦に属している。
イアンサが属する。
謎煙の主(ミクトラン)
共生する竜は氷元素のイクトミ竜。
謎煙の主所属の人はほとんどが医者になると言われるほど医者が多い。
また、占いの文化があり、サイケデリック音楽がよく売れる。ラクガキユニオンの本拠地である。
ナタではウォーベンという織物に物語や伝説が書かれるが、これは謎煙の主のシャーマンが使い始めたものである。
シトラリが属する。
  • 名前の由来はアステカ神話の冥界「ミクトラン」。
ムラタ人
赤髪と強靭な身体を持つとされる戦闘民族。神の住む島を信仰し、炎の国を風靡した。
しかし、現在では六大部族には炎元素の部族のみ存在していない。ムラタ人の存在も確認できていない。
著名人としてはモンドの英雄ヴァネッサが挙げられる。
マーヴィカ
当代炎神。ライダースーツのような衣装にオレンジ色のサングラスを付けている女性。
歴代炎神の例に漏れず彼女も元人間で、両親と妹(ヒネ)、そして2匹のユムカ竜の家族がいた。
前述のとおり元は500年前の炎神で、災厄襲来の影響による将来のナタの滅亡に対抗するため家族に別れを告げ聖火に身を捧げ、現代に復活。
その後帰火聖夜の巡礼で、部族のお年寄りに「こんなに強い炎神は見たことがない」と言わしめるほどの圧倒的な成績を収め再び炎神になった。
また、イグニッションPV内ではフェニックスのような炎の鳥から人の姿に変化しているかのような描写もある。
情熱的かつまっすぐな性格。親友を失って感情的になるムアラニの気持ちを最大限汲みながら丁寧に事情を説明し納得させるなど、為政者でありながら人の気持ちも分かるバランスのとれた神である。
各部族の大霊に選ばれた英雄を集めアビスを撃退する計画を立てており、その候補者を全員把握しているものの、英雄が真に覚醒するには自ら行動する必要があると考えており、すでに選ばれた英雄を含め残りが誰であるかは明かしていない*133。一方でこの計画では全員揃わない限りアビスに対して行動を起こすことができず、アビスの侵攻によりあと1年もしないうちにナタは滅ぶという現実とのジレンマに悩まされ続けている。
それに加え、夜神の国の汚染によるカチーナの復活失敗という前代未聞の事態と痺れを切らしたファデュイの「隊長」の侵攻など悩みの種は増え続ける一方であり、前者は「帰火聖夜の巡礼」を中止とし、思い出の品を全て供物として夜神の国に乗り込んだ旅人らを救出、後者は相打ちで撤退させるなど最悪の事態は防ぐことはできたが、先行きは決して明るいとは言えない状況にある。
ナタ人の多くから尊敬されている一方で、計画が遅々として進まない事に内心不満を持つ者も居る様で、カチーナが行方不明になった際もマーヴィカに責を問う野次が飛んだり、隊長に内通する者もいたりと苦労している。
  • 名前について
    マオリ神話に登場する火の女神「マフイカ(Mahuika)」だろうか。
  • 魔神名について
    不明。イグニッションPVでの描写から序列37位フェネクス(Phenex)、またNPCの発言から序列23位ハボリム(Haborym)*134、序列16位ゼパル(Zepar)などが現時点での候補か。
    元人間であるため彼女自身の魔神名は存在しない可能性もある。
大霊
ナタ人と大霊は互いに寄り添わなければ生きていくことができない。
また大霊の加護はナタ人だけではなく、他国からの訪問者も含めたナタにいる者すべてに与えられる。

【こだまの子】

カチーナ
ナタプレビュー動画「手を貸そうか?」、イグニッションPVより。
岩元素の神の目を持つ少女(ロリ枠)。
「こだまの子」出身で古名「ウッサビー(不屈)ティ*135」を授かった勇士。
「グルグルコマちゃん」というドリルのような乗り物に乗って、テペトル竜のように陸地や崖を高速移動できる。
PVではナタで始まる大会のPRとして始球式をしている。
古名を受け継いだものの、「帰火聖夜の巡礼」では鳴かず飛ばずで、「こだまの子」内でも敬遠され孤立無縁となっていたところに旅人と出会い、師匠として慕うようになる。
ムアラニ、キィニチとは友人で、事情を聞かされたムアラニがバディとなることを提案したため、それを受け入れ出場、決勝まで勝ち残り「夜巡者の戦争」への参戦資格を得る。
「夜巡者の戦争」で唯一戦死してしまい、夜神の国に落ちてしまうも、チームが生還したため復活の儀式にて生き返る…と思われたが夜神の国がアビスにひどく汚染されておりマーヴィカがカチーナの古名を見失ってしまい、復活は失敗に終わる。
その後、マーヴィカから事情を聞かされた旅人らが夜神の国に直接乗り込み、アビスを退けつつカチーナを発見し、マーヴィカの助力を経て夜神の国から生還することに成功する。
  • 名前について
    「カチーナ(Kachina)」と呼ばれるアメリカンインディアンのホピ族などが信仰する超自然的存在(精霊のようなもの)から。儀式によって人々の前に姿を表すとされ、人々に恵みをもたらすという。
    またホピ族は儀式や子供への教材としてカチーナを模した人形、カチナドールを使う。
シロネン
岩元素の神の目を持つ鍛冶職人にして、「こだまの子」の大霊に選ばれた英雄。ケモ耳や尻尾が生えている。命ノ星座によればオセロットとのこと。
綿密な打ち合わせに基づく丁寧な仕事で高い評価を得ており、古名の製作も請け負っている。マーヴィカのサングラスやカチーナのぐるぐるコマちゃんは彼女の作品。
一方、オフの生活はかなり自由かつ不器用で、PVのように木の上で日向ぼっこしていたり、サウリアンサキュレントを盛大に枯らしたりしている。
魔神任務(Ver.5.0時点)では名前のみ登場。マーヴィカは「シロネンであれば旅人の古名を製作できる」と考えているようだが……?
  • 名前について
    アステカ神話に登場する豊穣の女神チコメコアトルの別名「シロネン(Xilonen)」から。

【流泉の衆】

ムアラニ
ナタプレビュー動画「手を貸そうか?」 イグニッションPV より。
水元素の神の目を持つ少女。
「流泉の衆」のガイドであり、マリングッズショップのオーナーでもある。
「ざぶざぶサメくん」なるサーフボードに乗ってコホラ竜のように水陸を高速で移動することができる。
「夜巡者の戦争」に参加したこともある実力者である一方、心優しい人物であり、カチーナに「帰火聖夜の巡礼」の団体戦の仲間がいないと聞かされた際に、自らの仲間をキィニチに移籍させて同行すると名乗り出た。
「帰火聖夜の巡礼」では快勝を続けるが、決勝でカチーナと当たってしまい激闘の末敗北する。
カチーナ復活失敗の一件では焦燥し炎神マーヴィカに詰め寄るが、丁寧な説明を受けて冷静になり、救出作戦に参加する。
夜神の国で無事にカチーナと再開するが、大霊の除染に向かったところでアビスの襲撃に遭う。しかしカチーナと息の合った連携を見せこれを撃退することに成功、その勇気が500年前の英雄トゥパックに認められ、記憶を託されると同時に「流泉の衆」の英雄として認められることになる。
  • 名前について
    オアフ島に住んでいた古代ハワイの王女「ムアラニ(Mualani)」から。
    またこの言葉はハワイ語で天国や空を意味する。

【懸木の民】

キィニチ
ナタプレビュー動画「手を貸そうか?」、イグニッションPVより。
草元素の神の目を持つ青年。
「懸木の民」出身で、獣や悪竜を制圧する「竜狩り人」を生業としている。
エクストリームスポーツが得意で、ユムカ竜のように空中を跳ねるようにして移動できる。
クフル・アハウというドット調の生き物のようなものを連れている。
キャラデザイン、エフェクトもどことなくドット感を感じる。
友人に対しては世話焼きな面を見せるが、仕事に関してはビジネスライクなようで、儀式の参加にも真っ先に報酬交渉から始めており部族の人間を憤慨させている。
大霊に選ばれた英雄の一人で、イアンサと共にマーヴィカの計画に協力している。カチーナ救出には同行せず、マーヴィカの要請で隊長に協力した裏切り者を探るため「謎煙の主」に向かっている。
  • 名前について
    マヤ神話に登場する太陽神「キニチ・アハウ(Kinich Ahau)」から。
    日没後はジャガーの姿に扮して地下世界を闊歩するという。
クフル・アハウ
キィニチが連れている自称「偉大なる聖龍」。キィニチがつけている腕輪に封印されており、普段は燃素を用いたドット調の姿を出してコミュニケーションをとっている。
「龍の秘宝」という古代遺跡でキィニチと出会い、限定的に力を貸す代わりに遺跡の外に連れ出し死後彼の身体をもらい受ける契約を結んだ。
キィニチのことを従者と呼ぶなど尊大でひねくれた性格の持ち主であり、彼とはしょっちゅう口喧嘩をしつつ隙あらば死に追い込もうとしている。
  • 名前について
    マヤ語を始めとしたマヤの言語で神聖なる君主を意味する「クフル・アハウ(Kʼuhul Ajaw)から。この言葉はマヤに存在した政体の指導者を指す言葉でもある。
    アハウ単体では主、指導者を意味する。

【花翼の集】

チャスカ
髪は全体的に濡羽色*136、長耳、帽子が特徴的な女性。得物は弓の模様。風元素*137
「花翼の集」出身で、各部族に名を轟かせる調停者。クイクという血のつながっていない妹がいる。
懸木の民の族長ワイナによると、幼い頃にある病気を理由に親から捨てられた孤児で、その頃にアビスの侵蝕を受けるも奇跡的に生き残る。しかし、アビスの侵蝕の影響で抑えきれない闘争の衝動を抱えることになる。その後はクク竜に拾われ育てられながら、クク竜とともに闘いに身を投じたという。
クイクの家族に引き取られ人間社会に戻った後も、上記の衝動が元で各所でケンカを起こしてはクイクに連れられ謝りに回っていたとか。当時はムアラニとも取っ組み合いのケンカをしていたという。
「帰火聖夜の巡礼」に勝利し、「夜巡者の戦争」の参加資格を得て参戦、生還するもカチーナ復活失敗の件で責任を感じ、夜神の国に旅人らと乗り込む。
  • 名前について
    インカ神話に登場する夜明け、夕暮れ、金星の女神「チャスカ (Chasca)」から。
    また、ペルー原住民が話すケチュア語で夜明けや空の星を意味する。

【豊穣の邦】

イアンサ
豊穣の邦出身の女性。足跡PVのナタ枠として早くからプレイヤーには知られていた。
イグニッションPVにも一瞬映っているが、当初のものよりもかわいらしく描かれている。
足跡PVでの好戦的な印象とは大きく異なり、ストーリー中では冷静で大人びた様子が目立つため、見た目と実際の年齢が異なっている可能性がある。また、PVでは炎を手に宿していたが、本人の神の目は雷である(。
スポーツインストラクターで、「豊穣の邦」で帰火聖夜の巡礼の選手を育成するコーチも務める。
また、自身も帰炎聖夜の巡礼で全勝記録をキープする優秀な戦士でもある。大霊に選ばれた英雄にもなっており、早くからマーヴィカの計画を聞かされていた。
カチーナ救出作戦では夜神の国に旅人らと同行した。
  • 名前について
    ブラジルの民間信仰・カンドンブレで信仰される嵐と戦いの女神「イアンサン(Iansa)」から。
    この民間信仰の源流であるヨルバ人の伝統的宗教(西アフリカ)においては、火と鉄の軍神オグンの妻オヤにあたる。ブラジルでは少し設定が変わってオグンの元妻となっている。

【謎煙の主】

シトラリ
イグニッションPVより。
氷元素の神の目を持つ女性。「謎煙の主」出身で、十年先の吉凶まで読める占い師。
PVでは急に入ってきたボールに驚いていた。大会へはあまり乗り気ではない様子。
ムアラニに「シトラリおばあさま」と呼ばれており、「黒曜石の老婆」との異名からしても見た目にそぐわず実際はかなり高齢であることが伺える。
酒好き。『蜃気楼戦記』という娯楽小説の大ファンでもある。
  • 名前について
    ナワトル語の星(citlalli)、またはアステカ神話に登場する創造神「シトラリクエ(Citlalicue)」から。
    二重の創造神オメテオトルの女性的側面を表した女神、オメシワトルの別名とされる。
    夫である創造神シトララトナックと共に星を作った。名前の意味は「星のカーテン」。

【部族不明・その他】

オロルン
ナタプレビュー動画「手を貸そうか?」、イグニッションPVより。
コウモリの耳と羽のようなものが生えている謎の男性。
PVでは「隊長」カピターノのそばにいた。ファデュイとの関係性は不明。
聖火競技場北西のNPCナンシとの会話に登場する「フードを被った男の子」はオロルンのことだと予想されている。「少し常軌を逸した話をするが親切な医師」らしい。
  • 名前について
    ヨルバ人の伝統的宗教やカンドンブレなどで信仰される最高神かつ神々の親「オロルン(Olorun)」という説が優勢だが、原神のオロルンは「Ororon」と綴り、中国語版でも最高神とは表記が異なる。
イファ
ボイス欄より。プレイアブルキャラクター候補?
熟練の竜医の男性。ムアラニ曰くなんでもそつなくこなせてノリがいい。

「竜」

ナタプレビュー動画「竜の漫遊」
詳細は不明だが6種類存在すると思われ、少なくとも三種類の種族がVer.4.8までに明らかになっている。マグマや水上を泳げるなどの特殊能力を持つ。
ナタの「竜」と元素龍や龍王などの「龍」とは区別されている。また英語では龍はDragon(ドラゴン)、竜はSaurian(サウリアン)と表記されている。

テペトル竜
ナタプレビュー動画「竜の漫遊」に登場。
イベント「異種サウリアン巡訪戦記」にて判明。
東部の鉱山地域に生息するかわいい見た目をした岩の竜。
プレビュー動画でも登場した岩元素の竜であり、スメール側からナタに入国する大抵見ることができるという。
ドリルのように回りながら地面や崖に潜り込んで高速移動ができる。
  • 名前について
    ナワトル語で山を意味する「テペトル(tepetl)」から。
    ちなみにナワトル語はメキシコの先住民が使う言語であり、アステカ人が使っていた言語でもある。
コホラ竜
ムアラニのHoYoLab紹介文より。即興パフォーマンスをしてくれるという水の竜。
後述の由来から、ナタプレビュー動画「竜の漫遊」に登場する水やマグマの上をスムーズに泳いでいた竜のことと思われる。
  • 名前について
    古代ハワイアンの言葉でザトウクジラを意味する「コホラ(Kohora)」から。
ユムカ竜
ナタプレビュー動画「竜の漫遊」に登場。
空中を跳ねながら高いところに移動することができる草の竜。
「山の王・貪食のユムカ竜」という太りすぎて洞窟から出られなくなった特殊個体(ボス)がいる。
イクトミ竜
浮遊する竜。消去法で謎煙の主に対応する氷元素の竜と思われる。
談義室内の部族旗では一番左。色合いからするとちび竜ビスケットでは左上の竜だろうか。
  • 名前について
    インディアン部族「スー族」の神話や民話に登場する蜘蛛の精霊「イクトミ(Iktomi)」から。
クク竜
風元素の竜。これに騎乗する花翼の集は騎士と呼ばれている。
ライノ竜
豊穣の邦に対応する竜。恐らく雷元素。パイモン曰く猛攻を仕掛けるのが得意。「龍の遺物研究会」窓口前の看板や書籍『火山大王と陰縫いの針』にも記載されている。
魔神任務5章2部で大霊に認められた英雄を紹介しているシーンを見る限り、談義室内の左から2番目の旗に描かれている竜がライノ竜だと考えられる。
  • 名前について
    語源は英語でサイを表すライノセラスだと思われる。なんか雑じゃない?
    なお、英語版では「Tatankasaur」であり、北米インディアンのラコタ族におけるアメリカバイソンを表す言葉「タタンカ(Tatanka)」の名を冠している。やっぱ日本語訳が雑じゃない?

スネージナヤ

『彼女はもう人に愛されない神。彼女はもう人を愛さない神。
人々が彼女に仕えるのは、天理に反逆の旗を掲げると信じたため……』

テイワット最北部に属する氷神が治める国。

  • 重要な出来事
    • 500年ほど前:氷神がファデュイを成立。氷神が風神との関係を断絶。
    • ファデュイ成立後:「道化」が後の「散兵」「淑女」「博士」らしき人物を勧誘。それぞれ執行官となる。
    • 数年前:後の「公子」がファデュイに送られ、執行官第11位となる。
    • 序章:「淑女」が風神を襲撃、風神の心を奪取する。
    • 第一章:「公子」が旅人と出会う。「淑女」が契約で岩神の心を入手する。
    • 第二章:「淑女」が殉職。「散兵」も神の心を持って失踪。
    • 第三章:教令院の計画で「散兵」が人造神と化すも撃退され草神の監視下に。「博士」が草神との取引で雷と草の神の心を入手。
    • 間章第三幕:「散兵」が歴史から消失。執行官第6位はずっと空席だったことになる。
    • 第四章:「公子」が呑星の鯨との戦いで負傷し帰国。「召使」に予言阻止への尽力の感謝として水神の心が贈られる。
    • 伝説任務「浄煉の炎の章」: 「召使」がヌヴィレットに記憶を無くした「壁炉の家」追放者の保護を条件にファデュイ勢力の撤退を約束。
      「雄鶏」と「富者」が「厳冬計画」の準備中。
    • 第五章:「隊長」が炎神マーヴィカに接触。相打ちとなり一時休戦中。

過去の人物

魔神

氷の女皇(氷神)
女性。魔神戦争終結時の氷神とは別人。
500年前の大災害の折、バルバトスと一切の関係を絶つ。
現在は、「神の心」収集に向けてファデュイらを暗躍させている。
道化が淑女に語ったところによると「神々やアビスといった世界の歪みを生み出す根源を浄化する」ことが最終目的らしい。
  • ウェンティの語るバルバトスの逸話に「氷神の所持していた杖を悪戯でヒルチャールの棒に入れ替えた」というものがある。
    これがまだ関係を保っていた頃の氷の女皇との話なのか、先代氷神との話なのかは不明。

時期不明

アヤックス
スネージナヤに伝わる冒険英雄物語に登場する少年。タルタリヤの幼名はこの物語に憧れた父親によってつけられたもの。
「船に乗って巨鯨の腹の中に飛び込む」「雪原の龍と七日間にわたり対峙する」「恋人スネーグラチカを生霊を入れ替える悪戯によって失う」等の物語が伝わっている。
地底にある黄金と白石の王国に落ち、奥深くに眠る龍と戦って勝利した際は、龍の財宝である黄金こそが災いの本当の原因だと見抜き、親友の病気を治せるわずかな分だけを持って帰った。
  • 巨鯨や氷の龍を思わせる記述、カーンルイアを連想させる伝説など、テイワットの謎の根幹に深く関わる人物であることが予想される。

現代の人物

ファデュイ(愚人衆)

スネージナヤが擁する組織。
表向きは外交組織として活動しているが、裏では各国に対して様々な策謀を巡らせてスパイ行為や民間人の拉致、内戦の扇動などの悪事を働いている。
加えて、そのような非合法の活動によって相手の弱みに付け込みマッチポンプ的に外交圧力をかけるなど、各国で悩みの種となっている。
さらには証拠隠滅を目的に兵士をそそのかして拉致、人体実験の材料にしようともくろむなど未遂に終わったものの発覚したら外交問題になりかねないことも平気で行っている。
強大な武力を有しており、士官や尉官といった階級があるなど軍隊と言っても過言ではない規模の軍事力に加えて、邪眼や銃といった特殊な装置を開発・運用する高度な技術も有している。
中でも際立った権力と武力を有する11人の執行官が存在し、彼らが各国における活動を主導している。
女皇が何らかの目的を達成するために設立した組織であり、現状判明している範囲では各国の七神の「神の心」を収集することを主目的としているようだ。
構成員は女皇に忠誠を誓い、彼女のためなら命を投げ出すことすら厭わない者すらいる。

  • ちなみに執行官は必ずしもスネージナヤ人である必要はなく、出身地が分かっているものだけでも「道化→カーンルイア」、「淑女→モンド」、「散兵→稲妻」であり、「博士」もスメール出身の可能性が高いため、半数近くが他国出身である。むろん、一般の工作員は現実にいるロシア人にありがちな名前が多いためスネージナヤ人が多いと推測される。
  • ファデュイに所属するプレイアブルキャラクターは、共通してファデュイの柄(後述のシンボル)が背景に使われる。ただしネタバレ回避としてリネ、リネット、フレミネは後からフォンテーヌ→ファデュイと変化した。逆にもうファデュイではない放浪者はスメールの背景が使われている。

ファトゥス(11人の執行官)

「ファデュイ」の最高幹部。序列は実力順で、とりわけ上位三名は神に匹敵する力を持つ。
公式BBSの公式アカウントの投稿(中国版)から11人分のシンボルマークが明らかになっている*138
Ver2.7の時点ではゲーム中に直接登場した執行官は「淑女」、「公子」、「散兵」、の3人のみであり、その他はゲーム内で僅かな言及があるのみであったりゲーム外の公式漫画やエピソード動画で触れられる程度であった。
しかし、Ver2.8実装の直前である2022年07月11日に突然公開された『テイワット』メインストーリー幕間PV-「冬夜の戯劇」 にて、故人である「淑女」と別任務中の「散兵」を除く全ての執行官が登場し、依然として未知の部分が多いものの彼らの容姿や声が明らかとなった。また、ほぼ同時期にタルタリヤのプロフィールに全執行官に言及するボイスが追加された。
動画の説明文には投稿当初は漢字2文字のコードネームしか記載されていなかったが、7月14日頃にカタカナのコードネームが追記された。
その後も各国の魔神任務で1名ずつ執行官が登場している。

第1位:「隊長(たいちょう)」カピターノ
CV 成田剣
隊長.webp
顔全体を仮面で隠した(恐らく)男性。生身の人間でありながら神々に挑むことを恐れていない、勇猛かつ武練に優れた人物。
長らく順位が不明であったが、ver.5.0「栄華と炎天の途」予告番組において第1位であることが明言された。
依頼任務「冬からの物語」内では、ヴィクトルに「本当は『淑女』様よりも彼の下で働きたい」と評されており、愚劣な真似は嫌い敵とは正面から堂々と戦う事と仲間や部下を決して見捨てない事を持吟としており、放浪者やタルタリヤからもその実力を高く評価される、アルレッキーノからも尊敬されているなど、ファデュイ内、国外でも非常に評価が高い人物であることが伺える。

旅人がスメールの冒険を進めているころ、テイワット北境(スネージナヤ?)へ遠征中の西風騎士団と接触するも、ファルカとの交渉で交戦は回避する*139。その後ナタへの遠征命令を受けそのまま南下、魔神任務第四章第五幕の終了時点で既にナタの戦争に参加していることがヌヴィレットより語られた。魔神任務第五章で「ナタでの戦争」とはアビス教団の侵攻阻止の戦いだと明かされたため、独自にアビスと交戦しているものと思われる。
なおファルカとの接触の前後に「淑女」の葬儀に参列しているが、詳細な時系列は不明。「博士」が帰国した理由がこのためであると仮定すると、ファルカにナタに行く旨を告げたのち、実際には一度スネージナヤパレスに戻ってからナタに向かったことになる。
「夜巡者の戦争」の終了後カチーナの復活に失敗し混乱が広がる中、神の心を奪うため炎神マーヴィカに接触。「謎煙の主」の関係者であるオロルンとは協力関係で、負傷した彼を庇い共に行方をくらました。
怪我を心配したエージェントからマーヴィカが力を失っている今がチャンスであると進言されるが、「結果が全てではない「ルール」がある、相手の虚を突くのような真似はしない」と現段階での再侵攻を拒否している。
オロルンから「残された時間はもう長くない」と言われており、ナタが1年以内に滅ぶことを独自に把握している模様。

  • 正体について
    「血染めの騎士」ことローランドを思わせる要素が多いが、明らかに一致しない点もある。
    • 「鋼鉄のよう」という人物評は血染めの鉄の心(花)のフレーバーに一致する。また、共に鉄仮面で顔を隠した人物である。ただしデザインが大きく異なる。
      また、黒剣や血染めの騎士道には四芒星の装飾が見られるが、「隊長」の鉄仮面にも四芒星の装飾がある。しかしやはりデザインが大きく異なる。
    • ファトゥスのエンブレムの一つに、「左目から涙を流した仮面」がある。血染めの鉄仮面も左目から血涙を流している。
      ただし、涙模様の仮面はどちらかといえば道化師のシンボルであり、該当エンブレムが「道化」のものである可能性が高い。
      参考として、「道化」の仮面は右目からの涙だが、嘲笑の面は左目からとなっている。
    • 血染めの騎士から見て「淑女」は師であるルースタンの恋人にあたり、モンド在籍時代には少なからず交流があったと思われる。
    • 血染めの騎士は「崩壊した古国で真実を知り深淵に忠誠を誓った」ことから、現在はアビス教団に与していることが読み取れる。
      一方、ファデュイは「神やアビスを生み出す根源を浄化する」のが目的であり、アビス教団とは対立関係にある。現状では最大の矛盾点。
  • 力について
    上述の通り「ただの人間」ながら炎神と互角の戦いを演じているが、これはアルレッキーノ曰く後天的に得た力のようだ。
    Ver.5.0予告番組内でわざわざ言及されている「『隊長』はある理由から熱中症の心配がない」という余談が恐らくヒントになるのだろうが、果たしてその絶大な力の正体やいかに。
  • 3Dモデルについて
    3Dモデルは男性プレイアブルキャラで長身タイプである鍾離や荒瀧、リオセスリよりも身長が高い。
    実はファデュイ先遣隊等と同程度の身長・体格であり、一般的な青年キャラより一回り大きくなっている。
    同じく女性プレイアブルの長身タイプよりも身長が高かった淑女が死亡したこともあってプレイアブル化されない可能性がかなり高くなっている。
第2位:「博士(はかせ)」ドットーレ
CV 関俊彦
博士.jpg
ゲーム内で本格的に登場したのは第三章であるが、登場以前はタルタリヤの伝説任務で言及があったほか、公式漫画「原神セレベンツ」に登場しており、一連のストーリーの黒幕を務める。
モンドに魔竜ウルサを襲撃させた上で自ら討伐して恩を着せるというマッチポンプでモンドに圧力をかけ、モンド人の強制連行などを行っていた。
マッドサイエンティストであり、連行した人間で人体実験を行ったと思しき描写があるほか、ディルックに尋問されそうになった部下を自らの手で殺害しておきながらそのことを忘れ、思い出した後はその部下に魔改造を施して機械兵器化するなど、ファデュイの中でも特に倫理観が破綻している人物である。その他、タルタリヤの伝説任務では璃月において霊矩関に隠し工場を作り、遺跡守衛の研究を行っていたことが言及されている。
漫画版では棘の付いた金属光沢のある機械を両脇に浮かせており、先端についた棘を射出して部下の頭を撃ち抜いている。
「冬夜の戯劇」や魔神任務で登場した際には、髪の色や耳飾りこそ漫画と同様であるものの、仮面の形状が顔全体を斑に隠すものから目元のみを隠すものに変化しており、髪型や年齢も変化しているように見えたほか、「少女」からは「若く見える」という発言があった。

さらに漫画版では小物感短気な面が目立っていたが、魔神任務で登場した際には貫禄のある落ち着いた風体であり、大きく印象が異なっている。
研究観察のための「時間の壁」を乗り越えるために、年齢別に複数の義体を作り、それらを「断片」と呼んで様々な任務を担当させていた。上記のような容姿の違いは、それぞれで異なる義体が登場していたことが原因と思われる。性格も異なっているようで、本人曰くそれぞれの「断片」の折り合いはあまり良くないらしい。「少女」との会話中の「全盛期の断片はどこへ」という意味深なセリフは、「今話している相手は『全盛期』の義体ではない。その義体は今どこにいる?」といった程度の意味と解釈できる。
上記画像の「omega build」の意味するところは不明だが、コンピュータソフトウェアのα版、β版などから連想するに「最後のビルド(=断片)」程度の意味だろうか。
これらの断片は3章5幕にて、ブエルとの取引で雷の神の心と引き換えに取引相手の1体を除きすべて廃棄された。オリジナルの個体のありかや生死は不明。
過去に教令院に所属し追放されている。出身地ははっきりと明言はしていないが、スメールの可能性がVer4.0現在では高い*140。一度は追放されたがあるとき教令院に戻り、賢者たちに「新たな知恵の神を創造する」ことを提言、マハールッカデヴァ―タが去ってからずっと「”全知全能の知恵を持つ”知恵の神」を求めていた教令院を取り込むと、稲妻の「神の心」を用いて「散兵」を新たな神にするために暗躍を開始した。その後表向きは女皇に呼ばれた為スネージナヤに帰還したが、それは断片の一人でありもう一人はスメールに残って創神計画の実験を見守っていた*141。結果として創神計画は失敗に終わったが、「散兵」やスメールの賢者達が創神計画を非常に重要視していたのに対して彼にとっては数ある実験の1つに過ぎず、「散兵」の敗北や賢者たちの失脚などは気にも留めず彼らを見捨てた。その後ブエルとの交渉を経て「雷」と「草」二つの神の心を入手しスネージナヤに帰還したものとみられる。
この際、雷の神の心の取引では上記のように自身の断片の破棄を代価としているが、草の神の心の取引では知恵の神であるブエルですら知らない知識を以て代価としている。

数百年前にたたら砂に御影炉心を設置し、邪神(オロバシ)の力を使う実験中に人形(今の散兵)を見つけた。そこで彼の友人だった人間を殺害し、その心臓を奪って人形に載せて炉心に向かわせた。博士の予想通り心臓は邪神の力を吸収した。博士は当時身分を偽造して潜入していたため散兵は知らなかったが、この時から彼には目をつけており、道化が彼を連れて来ると研究対象とした。義体製作技術は彼をモデルに数十年かけて研究したもので、彼の封印を解いたのも博士だった。
  • スメールの編の創神計画であるが、ブエルとの会話から察するに女皇の計画にはない個人的な計画の可能性がある。「散兵」を神にすることに成功すれば新しいアプローチができるであろうし、失敗したところで神の心をスネージナヤへ持ち帰れば裏切り者としてファデュイに追われていた「散兵」から神の心を奪い取っただけと説明すればどちらに転んでも博士にとって得しかない。
  • ただしファデュイ内で大規模な人事異動が行われていたり、かなりの予算が投入されるなど個人の範疇に収まるものなのかは疑問となる。また詳細不明の「大プロジェクト」として一般構成員にも伝わっている。
  • 「冬夜の戯劇」 で「隊長」に雷神の心とスカラマシュの行方を尋ねられている。当然この時点での博士は知っているわけだが、回りくどい説明でごまかしている。
    創神計画の全貌を知っていれば、その核心とスカラマシュの状況を説明することで質問に一応答えていることはわかるのだが、この場でそれを理解できた者はいないと思われる。
  • 聖遺物「蒼白の炎」の良医の羽の人物の可能性がある。その人物は、人を「複雑なだけの機械」と見なし、部位を取り外して最適な変更を加えることで、絶大な力を持つ「最適化された人間」を作り出そうとしていたが、外道と蔑まれて教令院から追放された。その後、噂を聞いた「一人目の愚者(恐らく『道化』)」と出会い、研究に必要な物資や時間と引き換えに「最適化された人間」をファデュイのために作ることを了承してファデュイに参加したようだ。
  • スメール各地にある掲示板やメモのテキスト上にて存在が示されている、かつて教令院に所属していたという「ザンディク」なる人物が「博士」と同一人物ではないかという考察が存在する。
    カーンルイアの遺跡機械に対する並々ならぬ好奇心、目的のためには同僚の殺害すら辞さない狂気や教令院からの追放など、関連性があると思しき点は複数あるが、「博士」=ザンディクだとする記述は一切ないため可能性の一つに留まっている。*142
  • 魔神任務間章「伽藍に落ちて」から、少なくとも400年以上前からファデュイに加わっていたことが判明している。また当時は断片制作をしていないため、それが当時の博士だったと思われる。(変装技を持つため複数の容姿が存在する可能性はあるが)
  • 博士断片が破壊される際の「絶対に後悔するよ」という声は、中国語などでは女性声優が演じており少年時代と思われる。
第3位:「少女(しょうじょ)」コロンビーナ
少女.JPG
腰まで届く長い黒髪を持ち、目元を格子状のヴェールで覆っている女性。
「冬夜の戯劇」に登場するまで一切の情報がなかった唯一の執行官。ムービー中では一度も目を開くことがなく、発言するシーンもない(本人が映っていない場面で「博士」と会話してはいる)など、事前に露出が無かったことも相まって執行官の中でも特に情報が乏しい。当の会話では「博士」と(恐らく彼の義体である)「全盛期の『断片』」について問答していた。
外見はコードネームに違わず幼げが残る少女といったものだが、タルタリヤによると第3位であり、戦闘狂の彼をして「どうしてかあまり戦う気が起きない」と警戒される人物。
また、タルタリヤが執行官最年少であることを考えると、「少女」も見た目通りの年齢ではないことがうかがえる。
ナヒーダ曰く、「ファトゥス第3位とそれ以上の執行官は神に匹敵する実力を持っている」とのこと。
第4位:「召使(めしつかい)」アルレッキーノ
CV 森なな子
個別記事 / ボス「召使」
召使.jpg
黒髪交じりの白髪に赤色のバツ印のような模様の目、真っ黒に変色した両手を持つ、中性的な容姿の女性*143。世界任務「特別なおみくじ」で初言及、その後「冬夜の戯劇」でビジュアルが判明した。
孤児院(「壁炉の家(ハウス・オブ・ハース)」)出身者に、男性には「スネージヴィッチ」、女性には「スネージヴナ」という姓を与えてファデュイとして部下に持っている。
本名はペルヴェーレ。自身も壁炉の家出身の孤児で、数年前に先代の召使であるクルセビナを殺害し、新たな執行官として女皇から認められた。
現在は貫禄と威圧感のある立ち居振る舞いだが、ショートアニメ「燼中歌」でクルセビナを撃破した時点ではまだ少女然とした外見であるため、実際のところは20代程度と思われ、タルタリヤとほぼ同世代、数百年単位で生きているものが多い執行官の中ではかなり若い方だと推察される*144
正面からだと短髪に見えるが、腰まで伸びた後ろ髪を細く束ねている。
スカラマシュの発言から「傀儡」が7位であることが判明し、「隊長」は4位の可能性があるため、10位にいる事が予想されていたがVer4.1にて彼女が4位であったことが判明した。
孤児のため実際の生まれは不明だが、フォンテーヌで育ち、表向きはフォンテーヌ人を自称している。一方で神の目はスネージナヤのもので、アルケーやフォンテーヌ特有の泳法は使用しない*145
幼少時より謎の炎を操れる力を持っているが、少しでも油断すると自身の身体を蝕み、暴走する危険な能力であるため自分では「呪い」と称している。真っ黒な両手はこの蝕みの影響で、幼少期は指先だけだったが、現在は両腕まで蝕まれている模様。普段は厚着で肌を隠しているため、それ以上はどこまで進行しているかは不明。また、この炎に焼かれたものは「残影」として思念体のようなものが現れることがある。
ファトゥス就任時の「道化」との対話で、彼女の「呪い」は大昔にカーンルイアを支配していた赤月王朝と関係していることが明かされたが、詳細は不明。
フォンテーヌへの思い入れはそれなりに深いようで、予言阻止や災害時には惜しみもなく人材と物資を提供して支援し、狙い通りかは不明だが結果として血を流すこと無く「神の心」を手に入れている。*146
女性だが、壁炉の家では「お父様」と呼ばれている。これは先代の召使が「お母様」として孤児院の子どもたちを支配していたことのアンチテーゼと思われる。
また神の目を手にしたリネットが危険な任務を担当することが多くなったため、心配したリネが「邪眼が欲しい」と相談したところ、怒りをあらわにするなど「壁炉の家」の子供たちを単なる部下ではなく大切な家族として扱っていることがうかがえる。
一方で同僚や元同僚からの評価は辛辣で、タルタリヤから見てもその目には狂気しかなく、裏切ることで利益を得られるなら女皇にも躊躇なく刃を向けるだろうとのこと。実際アルレッキーノ自身もファデュイの計画や同僚に関しては一歩引いた目で冷ややかに見ており、特に壁炉の家の子供達を自身の利益のために利用しようとする「博士」や「雄鶏」へは嫌悪感を露わにしている。このように壁炉の家の子供達を最優先としており、女皇に関しても敬意は持っているものの、「訣別すべき日が来たら躊躇しない」と語っている。
さらに、放浪者は『道徳家気取りの偽善者で「優雅」と「親切」を見せるのは人をよりうまく「コントロール」するため』であると言っている(その彼女の狂った一面を見た者のほとんどは… 日本語版では誤魔化しているが、英語版の放浪者のセリフでは暗殺を仄めかすセリフがある)。放浪者は散兵として現召使就任の儀式に同席しているが他に接点は描写されておらず、この評価が現代のものなのか先代のものなのかはわからない。
稲妻の世界任務「特別なおみくじ」やフレミネのキャラクターストーリーに登場する先代は海祇島に毒を撒いて孤児を作る任務を良しとして孤児も駒として使い潰すような残忍な人物であるが、アルレッキーノにはその残忍さは見られない。
名前の「アルレッキーノ」は日本では英語の「ハーレクイン」の方がなじみ深いだろう。道化師の代名詞として知られる役である。
旅人とは敵対せずあくまで協力関係を維持し、暖炉の家の客人として迎えており敵対するつもりは現状無い様子。利害が一致してるとの事だが神の心の奪取以外の目的は不明。

Ver4.6にてプレイアブルキャラクターとして実装。スネージナヤの神の目持ちおよび現役執行官としてはタルタリヤ以来約3年半ぶりの2人目となる。

第5位:「雄鶏(おんどり)」プルチネッラ
雄鶏.JPG
初登場はテイワットPV「足跡」で、ファデュイの部下を周りに侍らせながら椅子に座っている、逆光に顔を隠されたミステリアスな人物として描かれていた。
「冬夜の戯劇」にて、長い耳と長い鼻の小柄な男性(エルフ?)という容貌が公開された。
「富者」からは市長(mayor)と呼ばれている。
徴兵団にて正規兵をボコボコにした幼きタルタリヤに興味を持ち、ファデュイ本隊の下っ端に迎え入れるなど、
タルタリヤを見出した存在である一方、紹介ツイートでは彼の危険性を(旅人に?)忠告している。
その他、タルタリヤの家族の面倒を見ているらしいことや、彼に向ける眼差しが「家族をみるもののよう」であることが判明し、タルタリヤからは義理や人情を持ち合わせた人物だとみなされている。
一方で、層岩巨淵の調査隊は価値の低い資産を切り捨てる人物と評されている他、「冬夜の戯劇」における「淑女」の葬儀の場面では「富者」から皮肉を言われている。
さらに、放浪者ことスカラマシュからは『少しでも頭のいいやつなら、「タルタリヤの家族が彼に握られている」ことがわかる』といった発言をしており、義理や人情を持ち合わせた人物像は偽りであり、本当は他人の家族をも人質にするほどの残酷な人物である可能性が浮上した。(ただ、先述のようにタルタリヤの短冊の文章では旅人に対して警告している為どちらが正しい人物像なのかは不明)
足跡PVに登場していることからプレイアブルキャラになる可能性があるものの、低身長男性キャラはゲーム内に存在せず特殊身長の淑女が死亡したことからそうならない可能性もある。
  • 彼のコードネーム「The Rooster」は雄鶏の意味の他、スラングとして「気取った男」「自惚れ屋」といった意味を持つ。
  • コンメディア・デッラルテにおけるプルチネッラは、黒い鷲鼻のマスクで演じられることが多い。「雄鶏」の長い鼻はこれが元ネタと思われる。
  • 以前は「プルチネラ」表記が混在していたが、「冬夜の戯劇」公開後しばらくして現在の「プルチネッラ」表記に統一された。こちらの方がイタリア語の発音に近い。
第6位:「散兵(ざんひょう)」スカラマシュ(国崩/放浪者)
CV 柿原徹也
個別記事 / ボス「七葉寂照秘密主」
散兵.JPG
後ろ側に長い垂衣がついた大きな笠をかぶり、稲妻風の衣装に身を包んだ少年。
元は雷神に作られた原型の人形。容姿も性格も雷電影とは異なるが、どこか似ている部分もある。(彼の過去に関してはこちら)
自分より下位の執行官を蔑んでおり、部下に対し高圧的に接する・騒がしい部下の顔を殴るなど性格は非常に悪いが、その一方で、現代でも気遣いをする婆への感謝として心からの笑顔を向けるなどから、本来の心優しい性格が過去によってねじ曲がってしまった結果と思われる*147

「道化」に直接勧誘された執行官の1人であり、加入当初はアビス探索に配属されていた。同時に「博士」から雷神による封印解除と強化も行われており、女皇に成果が評価された頃には実力もその地位に見合うものとなっていた。
散兵の名を授かった後は主に後方支援の部隊を率いており、初登場のイベントでは道化直々の命令で隕石調査を行っていた。

初登場は期間限定イベントの「帰らぬ熄星」であり、常人が触れると昏倒する隕石に触れても自力で目覚めるなど、ただの人間ではないことは当時から示唆されていた。
魔神任務では二章二幕にて登場。邪眼製造工場に当人曰くあくまで代理人*148として旅人と邂逅し神の目を持たざる者を徹底的に侮辱し罠に嵌めるも、救助に現れた八重神子との取引で神の心を手にする。
その後は「淑女」が死亡するも葬儀の場に現れず、部下も全員が理由なしに異動された。ファデュイ内外で様々な憶測が囁かれただけでなく、タルタリヤも失踪した散兵を捜す任務を受けていた。
しかし実際には、「博士」と共にスメールで「神」になる実験に参加していた。計画の最終段階を前にして旅人らが突入。敗北した彼はブエルによって雷神の心を奪われ、抵抗した際に損傷しそのまま意識を失った。(この件について詳しくはこちら)
その後、ある過去を変えるために世界樹から自身を削除し、ファデュイを脱退して「放浪者」としてプレイアブルされた。詳しくはリンク先を参照。

脱退後の現在はファデュイの兵士をボコボコにするなど散兵と大して変わらないが完全にファデュイを敵視するようになっており、特に博士に対しては強く復讐心を抱いている。

雷電影から名前を付けられなかったため、この時点では本名と呼べるものはない。ファデュイ加入前に傾奇者という名も捨てており、散兵の名を授かるまでは単に「人形」と呼ばれていた。女皇にコードネームを授かった後、100年前に自ら「国崩」を名乗る。ただしこの名前は普段名乗っていたわけではない。
神となった後は自我が消える前提かいずれの名も遠く離れたものとし、また博士の裏切りを知った後は彼と繋がりのある名は名乗らないとした。最終的には脱退と同時に旅人から「本名」が与えられた。
  • 初登場時は「謎の少年」として声優発表のみが行われていたが、のちにファトゥスの「散兵」であることが判明した。
  • 長らくプレイアブル化を待望されてきたキャラクターの一人だが、Ver3.2アップデート直前に実装予定キャラとして「放浪者」(風/スメール)が発表された。
    • この発表日(10月31日)は上記ボヘミアン・ラプソディのリリース日と同じであるため一部で話題を呼んだ。
    • ちなみにこの発表日はスカラマシュが初めて公開*149されてからちょうど2年後でもある。
  • 魔神任務間章第三幕「伽藍に落ちて」で深く掘り下げが行われた。
  • プレイアブルキャラクターの放浪者は法器を使用しているが、散兵は彼がスネージナヤに渡った時期と国崩と名乗った時期はいずれも刀を使う描写がある。
  • ファトゥス共通装備である仮面だが、彼の場合は笠の中央にあるお面風の装飾としてデザインされている。造形は茶色い隈取をした歌舞伎役者といったところ。ちなみに、隈取の色は役柄の性格を表しており、茶色いそれは鬼や妖怪、精霊などの人間ではない存在に使用される。
  • 聖遺物「華館夢醒形骸記」シリーズは彼を表すことが確定しており、また「超越の盃」も彼のものと思われる。
  • 名前の由来について
    英語版のコードネームは「The Balladeer」。口承の抒情的な物語詩「バラッド」の語り部、もしくは、ポピュラー音楽である「バラード」の歌手という意味がある。
    前者の「バラッド」の題材には戦記やロマンスなどの歴史物語が選ばれることが多いが、「破局(=バッドエンド)に至る」ものがほとんどとされている。
    後者の「バラード」とは関係がない……と思いきや、「スカラマシュのモチーフはバラードパートを含む、イギリスのバンド・クイーンの『ボヘミアン・ラプソディー』」という面白い説がある。
    当該楽曲はScaramouche, Scaramouche, will you do the Fandango?(「スカラマシュ、ファンダンゴを踊ってくれるかい?」)をはじめ、稲妻やベルゼブブ(≒バアルゼブル)など、関連する単語がやたらと多い。メインストーリーやエピソード動画でも歌詞を想起させるセリフが随所で見られる。そしてこの曲はNothing really matters to me. Anyway the wind blows.(「もう何もかもどうでもいい。結局は吹くのだから」)と締めくくられており、放浪者となった経緯ともマッチする*150
    また、「浮浪人の魂胆*151」の英語版タイトルが「Omninus Fandango(不吉なファンダンゴ)」、同様に正機の神の第一形態BGMが「六輪一露の狂詩曲*152となっていること、第二形態BGM「三千娑界の御詠歌」の演奏版MVに明らかに意識した構図がある、放浪者エピソード動画「灰燼」の英語版I wish I had never been born at all(「この世に生まれ落ちてこなければ」)*153と歌詞と全く同じフレーズがあることなど枚挙に暇がなく、制作側がキャラクターコンセプトとして少なからず意識したうえで設定していることはほぼ確実視されている。
    英語版の声優は、元々「I don't like dango」だった台詞を"Scaramouche, will you do the Fandango?"という歌詞から「I'm no fan of dango」にアドリブで変更したと語っている。*154
  • 「国崩」の由来は歌舞伎の「国崩し」から。
    イベント「華やぐ紫苑の庭」では光華容彩祭の五歌仙「黒主」の役が当てられており、現実の歌舞伎においては六歌仙容彩の国崩し「大伴黒主」に該当する。
    衣装のカラーリングも似ており、ゲーム内でも「稲妻の伝統的な芝居」から取った名前とされている。ちなみにコンメディア・デッラルテにおけるScaramoucheも基本的に黒い格好をしている。
    イベント以前は借景ノ館の解放方法から同名の大砲からと誤解されており、中国語圏ではこれを元にスラングも存在するが、特にこちらとの関係はない。
第7位:「傀儡(かいらい)」サンドローネ
傀儡.JPG
ヘッドドレスを付けた女性と、紳士風の服装をした巨体の自律装置のコンビ。
放浪者ことスカラマシュが「僕より一位下だった」という発言をした事により7位の座にいることが判明した。性格が極めて酷いらしい(どっちもどっちだが)
「冬夜の戯劇」では他の執行官たちの言い合いを見て嘲笑する様子が描かれた。
タルタリヤによると研究に没頭している人物だが、数回しか会ったことが無いにもかかわらず、いつも殺意を込めた目線を向けてくるらしい。
タルタリヤエピソード 「禁忌滅却」の概要では、デットエージェント・ジャバートが新兵の頃に訓話を施したことが語られている。
世界任務「問題メリュジーヌと解決ロボ」では「知能を有する機械に興味を持つ執行官」が話題に上ったが、消去法からしても傀儡のことを指している可能性が高い。
任務に失敗した取引相手ユンカーの舌を切り、旅人やトゥローザらへの謝罪の手紙を口に突っ込んだ上で全身を縛り海に落とすという、律儀ながら残忍な一面を垣間見せた。
  • 正体について
    「傀儡」とは操り人形のことだが、これが何を表しているのかははっきりしていない。
    女性が巨体を操っているのか、その逆で巨体が女性を操っているのか、あるいは両者を支配している何者かが別にいるのだろうか。
    ヒントになりそうなのは「冬夜の戯劇」内で淑女の棺へ黙祷を捧げるシーン。他の執行官が目を閉じているのに対し、何故か「傀儡」の女性は普通に目を開けたまま会釈している。
    なお、機械技術に長ける帰終とは見た目が似ていることから関連性を見出されることもあるが、各PVを見比べる限りでは髪型の細部がかなり異なっている。
    また、マリアン・ギヨタンに似ているという声も有る。こちらは幼少期の彼女の写真とほぼ同一の髪型である。
    この意見と聖遺物「水仙の夢」のストーリーを根拠として、傀儡の本体は巨体の方でありその正体はクロックワークマシナリーの祖たる「奇械公」アラン・ギヨタンとする声もある。
    アラン・ギヨタンはフォンテーヌ科学院を設立するなどフォンテーヌにおいてかなりの功績を残した人物でありながら、晩年を知るものが誰もおらず、
    死んだ妹に似せたマシナリーを作成し操るというストーリーにもそれなりの説得力があるため、現時点では比較的有力視されている説である。
  • キャサリンとの関係について
    女性の方のヘッドドレスやマントの下の服装は、スネージナヤ製バイオロイドであるキャサリンとかなり近いデザインになっている。
    女性が自身をオリジナルにキャサリンを制作したか、巨体が女性体をベースにキャサリンを量産したかは不明だが、冒険者協会とのなんらかの関与が伺える。
    本当に両者に裏で繋がりがある場合、「『執行官様の為に!』」や「緊急受命」がただのマッチポンプと化すのだが……
  • 研究について
    遺跡守衛のようなものを研究しているらしいが、上手くいっていないらしい。真偽は不明だがスカラマシュには「大量の廃品」と言われている。
    第7位であるため相応には成果を上げていると考えられるが…
第8位:「淑女(しゅくじょ)」シニョーラ(ロザリン・クルーズチカ・ローエファルタ)
CV 庄司裕衣
ボス「淑女」
淑女.jpg
豪奢な衣装に身を包んだ妖艶な女性。
モンドでは、風魔龍の一件を終わらせた旅人とウェンティを部下と共に襲撃してウェンティの神の心を強奪し、璃月では岩神の計画に協力して彼と氷神との間で交わされた「契約」の仲介を果たし、対価として神の心を譲り受けるなど、現状では複数の神の心を入手することに成功している唯一の執行官である。
稲妻でも暗躍し、雷電将軍が政治判断を三奉行からの報告にのみ頼っていること、彼女が長期的な「永遠」を重視して現在の稲妻を注視していなかったこと、幕府の官僚らが自分たちと将軍の力量を過信していたことなどに付け込んで、三奉行のうち勘定奉行と天領奉行の当主をファデュイに内通させ、内戦の勃発と長期化の扇動、邪眼の製造と流通などを実行し、それが将軍の耳に入らないように仕向け、稲妻の情勢を陰から操っていた。
稲妻城の天守で将軍と面会しているところを旅人に押し入られ、当初は自身が正式なスネージナヤの外交官であることと当時の旅人が稲妻内で指名手配されていたことを笠に着て旅人を相手にせず、これまでの所業を御前で明かされても意に介さなかったが、旅人が「御前試合」を申し込み、それを将軍が承認したことで旅人と戦闘で雌雄を決することになる。
最初は余裕綽々で戦闘に挑むも、モンドで一方的に蹂躙した時から大きく力を付けた旅人を前に、執行官の権能を捨ててかつて封印した「真の力」を忌まわしい記憶と共に開放し、熾炎を操る「焚尽の灼炎魔女」となる。
だが、旅人との激戦の末に敗北し、威厳をかなぐり捨てた命乞いも空しく「御前試合」の規定により敗者として将軍に裁かれ、ストーリー中で描かれる中では初となる執行官の死者となった。
後に、別任務中のスカラマシュを除く執行官が一堂に会し、彼女の死を弔う葬儀が行われた。
各種の描写や関連アイテムのテキストより、500年前のモンドで活動していた「炎の魔女」であると考えられる。
彼女がモンドと稲妻での最初の戦闘で見せた氷元素の力は邪眼によるものであり、更なる力を手に入れるためではなく自身すら焼いてしまう炎の力を抑え込むために使用していた。
  • モンドでウェンティに対して「口先ばかり」とつぶやいたり(煽られたとはいえ)2度も暴行を加えるなど、彼に対しては特に当たりが強いように見えるが、これに関しては500年前の災厄がモンドを襲った時、風神が駆けつけるのが遅かったために彼女の恋人を含む多数のモンド人が犠牲になったことを恨んでいるからではないか、という考察がある。
  • イタリア語の「シニョーラ(Signora)」は、勿論コンメディア・デッラルテの役名や「淑女」の意味もあるのだが、通常は英語のMsやMrsにあたる女性への敬称である*155。中国語の「女士」も英語と同じ意味で使われる。
第9位:「富者(ふしゃ)」パンタローネ
富者.JPG
スネージナヤの経済を担当し、発展させた人物。「冬夜の戯劇」では、眼鏡をかけた細目の男性。銀行家を自称しており北国銀行の創設者と思われる。モンドのゲーテホテルを貸し切った人物としても名前が挙がっている(英語版)。
執行官で最も裕福な人物とされ、その「富」はモラに限られず、財に対する特別な理解を持っているという。
夜蘭と争ったことがあり、彼女の持っていた小型法器である腕輪を奪った*156。その代償として、彼女に貿易ルートに侵入されただけでなく女皇に献上する予定だった高級毛皮を腕輪の代償として強奪された。その後毛皮は彼女の上着に加工された。
「公平な取引」に強く固執しているらしく、神と人の間にある不公平ささえも覆そうとしているそう。「博士」とも密接な協力関係にあるらしい。
  • 聖遺物「蒼白の炎」の「停頓の時」の物語で語られている人物とみられている。物語中では、金銭への病的な執着は彼がかつて貧しかったことに、もしくは「神の支持を得られなかった」ことに由来する可能性があるとされている。「神の支持を得られなかった」というのは神の目を与えられなかったことを指しているのかもしれない。
  • 同じく「停頓の時」のストーリーには金貨発祥の地の人々との記述があり、これが富者の独白、もしくは道化から富者にかけられた言葉だとすれば璃月出身である可能性が高い。白朮との関連性は不明
  • 武器「凛流の監視者」も似たようなことが書かれており、一般名詞として「富者」という単語が出ている。メロピデ要塞内でモラに依存しない経済圏「特別許可券」を実験として導入したことが語られている。
  • 上記のストーリーやキャラクターボイスから推測するに、富者の最終目標はモラ以外の貨幣をテイワットに流通させることではないかと考えられる。
第10位:(不明)
候補は以下の通り。
  • 「道化」説:
    ファトゥスの中で唯一序列が確定していない。しかし、「道化」は唯一「執行官」ではなく「統括官」の肩書きが与えられており、番外に置かれている可能性もある。
  • 未登場なだけ説:
    任務を遂行中など何らかの理由で淑女の葬式には出席していなかった場合。皮肉屋の富者や放浪者が何もコメントを寄せないとは考えづらいが……。
  • 空席説:
    現在は該当者がおらず、欠番または今後のストーリー上でキャラが就任する場合。ディルックや旅人等*157、様々な展開が予想されている。
    一方で歴史から消えた散兵の地位は数百年間ずっと空席になっており、同様に何らかの特殊な事情で空席になっている可能性もある。
  • クルセビナ説:
    過去に死亡した執行官が第十位とされる説。「淑女」が死亡したことで第八位が空席となったため、同様にまだ補完されていない説がある。仮に召使が彼女を殺害したことで4位と評価されているなら否定されるが、詳細不明なため現段階では可否不明。なお彼女の死亡からは10年以上経っている。
第11位:「公子(こうし)」タルタリヤ(アヤックス)
CV 木村良平
個別記事 / ボス「公子」
公子.jpg
ファデュイ成立以来最も若い執行官。一見すると人のよさそうな長身の青年だが、その内には限りない征服欲と闘争心が秘められている。優れた武術に加えて水元素の神の目と雷元素の邪眼、そして「魔王武装」を持つ有数の武人。

本名はアヤックス。14歳の時に平凡な毎日から逃げようと短剣とパンを持って家出をしたが、雪深い森で遭難して肉食の野生動物から逃げるうちに暗闇の国に迷い込んだ。そこで剣客・スカークに出会い、更に闘争の力に目覚める。魔王武装はこの剣客から授かった武芸である。彼は深淵で3か月を過ごした後に元の世界に戻ったが、そこでは3日しか経っていなかった。また深淵に再度入る方法を探ったものの、結局戻ることはできなかった。
その後は戦闘欲から多くの諍いを起こし、手を焼いた父親に矯正のためにファデュイに放り込まれるがファデュイの兵を返り討ちにしてしまう。そのことが執行官「雄鶏」の目に留まり、彼によって正式にファデュイに参加させられて女皇のために戦うことを命じられる。
多くの功績を挙げてついに執行官の立場を手に入れるが、その時に女皇に謁見し、彼女が彼に戦いの場と理由を与えたことと、女皇の冷酷で純粋で傲慢で鋭い眼差しを受けたことから、彼女に唯一無二の忠誠を誓う。策謀を張り巡らすよりも武力を直接行使することを好み、強者に挑むことに至上の喜びを見出す戦闘狂であるが、同時に死は避けるべきだという考えも持ち、世界征服という壮大な夢を追い求めている。
強くなるためなら手段を選ばず、邪眼を使うこともアビスの罪人から学ぶことも厭わないというスタンスである。
両親は健在であり、多くの兄弟姉妹を持っている。彼らのことは大切に思っており、ファデュイに関しては国の闇の部分だとしてあまり家族を関わらせないようにしている。

岩神殺害の容疑者の一人となっていた旅人の逃亡を手伝い、偽造した禁忌滅却の札を使って仙人に七星への疑いをかけさせる。
その後旅人に鍾離と引き合わせ送仙儀式の準備をさせて時間を稼ぎつつ、黄金屋に岩神の亡骸があるという情報を入手する。
目論見通り仙人と七星が一触即発の状態になった混乱に乗じて黄金屋に侵入するも、ほぼ同時に入ってきた旅人と戦うこととなる。
一瞬の隙を狙って神の心を奪取しようとするも、亡骸に神の心が無いことに気付き、旅人が奪ったと誤解したまま魔王武装を解放し戦いを続けるも、敗れる。
すぐに冷静になり旅人に奪う理由はないと気づくと、「岩神の死」が偽装であることを見抜き、魔神オセルを呼び起こして強引に岩神を目覚めさせようとするものの、和解した七星と仙人、そして旅人にオセルが撃退され失敗に終わる。
結局岩神の心は岩神モラクスこと鍾離と淑女の契約で引き渡されるが、蚊帳の外でトリックスターに終わったタルタリヤは憤慨していた。
魔神を使って璃月を滅ぼそうとした事を七星から追求され、外交部はファデュイと公子の独断と責任逃れに終始しており結果、タルタリヤは璃月から国外追放及び入国禁止と璃月国内でのファデュイの活動を大幅に制限されるという措置が取られた。
その後弟テウセルとの再会を経て、旅人とは行く先々で出会う腐れ縁のような関係が続くこととなる。本人は旅人を「相棒」と呼び、戦い甲斐のある相手として認識している模様。

体の不調を感じ、気分転換のためフォンテーヌに滞在していたが、無実の罪でメロピデ要塞に投獄される。彼を慕う囚人の助けを経て脱獄に成功するも、原始胎海に迷い込み吞星の鯨と戦うことになる。
戦いで疲弊していたところ、ヌヴィレットと旅人によって吞星の鯨は撃退され、失神状態で吞星の鯨共々スカークの手によって亜空間に放り投げられ旅人に衝撃と笑いを与えた。
その後意識不明のまま治療のためスネージナヤに送還されるが、途中に目覚めこっそり抜け出し、フォンテーヌに戻ってスカークに関する情報を調査していた。
しかし雄鶏から「厳冬計画」に参加するよう招集がかかったため、今度こそ帰国するつもりとのこと。



以下は順位不明

道化(どうけ)」ピエロ
道化.JPG
最古参のファトゥス。唯一「執行官」ではなく、「統括官」の肩書きが与えられている。
スカラマシュを任務に向かわせる、ファトゥス任命式では女皇の御前で勲章(邪眼)授与を担う等、ファデュイの中でも女皇に次ぐ地位についている。
「淑女」「散兵」「博士」をスカウトした人物でもある。このため最低でも500歳程度はあると思われる。
道化以外の全ての執行官の序列が確定し、現在空席は10位のみとなっているが、
最古参であり統括官である道化が第10位はさすがに考えにくいため、序列を持たない立場である説が有力となっている。
  • 名前について
    Ver.1.1実装のタルタリヤストーリー内では「ペドロリーノ」と呼称されていたが、Ver.1.5時点で「『道化』」に直された。
    「冬夜の戯劇」の説明文にも「ピエロ」と記載されていることから、ファトゥスとしての名はピエロに変更されたとみてよいだろう。

    なお「ピエロ」は「ペドロリーノ」がフランス語化した名前。フランスを含む欧米ではあくまで喜劇の人物を指し、日本で使われるような道化師としての意味はない。
    ほとんどの言語で「道化師」は英語の「clown」またはイタリア語の「pagliaccio」に由来する語で呼ばれる。
    ただし、原神英語版での呼び名は「the Clown」ではなく「the Jester」。
    これは「宮廷道化師」という、中世ヨーロッパにて王族や貴族に召し抱えられていた道化師専用にあてられる呼び名。
    彼らを楽しませる一方で、主人の行為に対して皮肉や批判を遠慮せず発言できる特権的な存在でもある。

  • 聖遺物ストーリーについて
    蒼白の炎の冠「嘲笑の面」は彼のファデュイ加入時のストーリーとみられている。
    • 聖遺物ストーリーでは、「賢者」達の阻止に失敗し同胞の破滅を招いたとある。
      「冬夜の戯劇」に登場した時点で、ダインスレイヴ*158やガイアと同様の目(瞳孔内に四芒星の模様がある)が描写されていることからカーンルイア人ではないかという考察が存在していたが、スカラマシュによって彼がカーンルイアの宮廷魔術士であったことが正式に判明した。
      さらに、カーンルイアで旅人の片割れと共に過ごしていたことがあるという。
  • 小ネタ
    • ラテン語の文法に則ると Fatuus の複数形が Fatui である。意味は「愚か(な人)」。日本語版原神ではFatuusはファトゥスと表記される一方、Fatuiはファトゥイではなくファデュイと表記されている。
    • 執行官のコードネームは、16世紀頃にイタリアで誕生した仮面を使用する即興演劇「コンメディア・デッラルテ(Commedia dell'arte)」が元ネタだと思われる。
    • 凍結+氷砕き・各種拡散・各種結晶化・激化関連反応・開花関連反応をそれぞれ一つとみなす場合、執行官の人数はVer.3.0での追加を含めた元素反応の種類数と一致する。
      3.2時点で交戦済みの執行官がどれも二元素以上を使いこなしている*159ため、残りの8名もそれぞれ何らかの元素反応に対応した性能をしている可能性が高い。が、Ver.4.6生放送から、召使は二形態どちらも炎元素(神の目と邪眼)を使用している。
    • ファデュイに関するスネージナヤの重要施設(スネージナヤパレス?)では、全員が共通のコートを着用している。
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      散兵,道化,淑女,隊長散兵と淑女以外
  • 状況
    Ver5.0時点の最新情報
    道化不明
    隊長ナタで任務遂行中
    博士雷神・草神の心を回収後の動向は不明
    少女不明
    召使フォンテーヌから勢力を撤退中
    (「厳冬計画」に関与しているが本人が参加するかは不明)
    雄鶏「厳冬計画」の準備中
    散兵歴史改変で空位化
    本人は「放浪者」としてスメールで復讐の機会を窺う
    傀儡不明
    淑女死亡
    富者「厳冬計画」の準備中
    公子フォンテーヌで負傷し療養中
    静養後は雄鶏からの催促で「厳冬計画」に参加へ

その他の執行官

ゲーム開始時点の11人と異なるメンバー

第6位(間章第3幕以降):空席
散兵が世界樹で自身を消したことにより、少なくとも世間ではずっと空席だったことになっている。
世界樹から人が消えた場合は通常別の人物が取って代わることで補完されるが、なぜか彼を代替する人物は現れていない。
第?位(過去):「召使」クルセビナ
壁炉の家の「お母様」。召使の先代。表向きは優しいが裏は残忍な性格。
現在の召使に殺害された。
ショートアニメでは水元素とおぼしき技を使っていたが、神の目あるいは邪眼によるものかは不明。

「壁炉の家」出身者

ファデュイが設置した孤児院「壁炉の家」で育ち、その中から選抜され訓練を受け、各地に潜伏して任務を行う特別部隊。
「壁炉の家」は「ハウス・オブ・ハース (House of Hearth)」と読む。
「壁炉の家」はテイワット各地にあるが、現在はフォンテーヌの「ブーフ・ド・エテの館」のみ所在が判明している*160
男性はスネージヴィッチ(Snezhevich)、女性はスネージヴナ(Snezhevna)*161が与えられている。意味は「スネージナヤの息子 or 娘」あるいは「雪の息子 or 娘」を意味する父称*162を持つ。
兄弟姉妹間の絆は強い一方、自らの意思とは無関係にファデュイに編入されたがために汚れ仕事に苦悩する者も多い模様

リネ、リネット、フレミネ
フォンテーヌ出身の少年少女による三人小隊。「ブーフ・ド・エテの館」所属。
各個人の詳細は個別ページ(リネリネットフレミネ)にて。
全員プレイアブルキャラクターだが、事前公開された立ち絵とは別にファデュイとしての立ち絵も公開されている。
基本的にイラストに差はないが、リネは真顔になりトランプの柄がファデュイに変わっている。
なお、Ver4.0時点ではまだ「スネージヴィッチ」「スネージヴナ」の父称では呼ばれていない。
リュドヒカ・スネージヴナ
稲妻人の血を引き、稲妻で活動する雷蛍術師。執行官「召使」の配下であり、「先生」ことエフィ・スネージヴィッチの指示で動いている。
元は孤児で、「召使」が設立した孤児院で育ちファデュイの構成員になる。
終末番へ潜入するため、鳴神大社の巫女「玄冬林檎」として活動していた終末番の百代に成り代わり、他の終末番メンバーと接触を試みていた。
身分を偽装するための巫女や八重堂の校正担当としての生活に楽しさを見出して、本物の巫女として人々のために働くことに憧れたり、自分と同様の孤児を多数生み出す可能性がある「先生」の計画を実行することに躊躇うなど、根っからの悪人とはいえない部分を持つ。
稲妻潜入中の一般人のような生活とそこで触れ合った人々、それを破壊しかねないファデュイとしての任務との間で板挟みとなり、旅人に正体がばれた際には旅人の手にかかって死ぬことを受け入れるほどに追い詰められていた。
紆余曲折の末に旅人とパイモン、2人の頼みに応じた百代の助けによってファデュイから離脱、一度は罪悪感から稲妻を去ろうとするも、これまで交流してきた稲妻の人々に説得され、改めて「玄冬林檎」として正式に鳴神大社の巫女となった。
エフィ・スネージヴィッチ
先代「召使」クルセビナの部下。かなりの老齢で白髪の男性。元孤児院の教官で他のスネージヴィッチ、スネージヴナから「先生」と呼ばれている。
当代の「召使」(アルレッキーノ)の方針に従っておらず、先代なら命じたであろう方針に従い独断で海祇島を毒で汚染し、稲妻に争いをもたらそうと企むが旅人たちに阻止される。
カタリナ・スネージヴナ
層岩巨淵の異常現象の調査に派遣された部隊の一員。
食料もほぼ尽きかけていたところで旅人に出会い、ニコライの行方の調査を依頼する。
旅人からの報告を受け取るとニコライを探すといって姿を消すが、黒蛇衆の近くで大事に持っていたはずの手紙が落ちているのが確認でき、おそらく襲撃を受けて死亡したものと思われる。
ニコライ・スネージヴィッチ
層岩巨淵の異常現象の調査に派遣された部隊の小隊長。階級は伍長。カタリナを姉として慕っていた模様。
カタリナの依頼を受け旅人が行方を調査するも、血まみれの記章とノートのみが残されており、姿は見当たらなかった。手記には自ら囮になって黒泥を操る敵から重傷を負いつつ小隊を逃がすも、黒蛇衆の襲撃を受けた様子が記載されており、そのまま死亡した可能性が高い。
トロフィン・スネージヴィッチ
スメールのヴィマラ村にて「アルフォンソ」と名乗っていた村人。ラナから非常に信頼されるほど村に溶け込んでいた。元々はフォンテーヌの技師見習いだったが、雰囲気が気に入って移住したという設定。旅人とパイモンが名乗っていないのに名前を知っていたため怪しまれる。
正体はファデュイの構成員であり、姓から分かるように執行官「召使」の孤児院出身。
任務「森林書」の発端となる村の子供の誘拐を仕向けた張本人であり、執行官「博士」による指示で「夢」と「死域」を兵器化する研究のために送り込まれ、幼少期にしか見えないアランナラを子供を利用して捕獲しようとしていた。
当代の「召使」(アルレッキーノ)は「博士」の非人道的研究を煙たがっており、また罪のない子供を誘拐する任務も明らかに彼女のポリシーとは相容れないため、この任務が先代の命令によるものは確実だが、代替わり後も任務を続けていた理由は不明。
ファデュイの一員として組織に忠誠を誓い、上からの命令に従い悪事を働いていた一方で、ヴィマラ村とそこの住人に対する愛着も持っており、
旅人に正体を見破られた際には、村の子供たちが事件に巻き込まれた際の記憶がないことに安堵したことや、名実ともにヴィマラ村の「アルフォンソ」でありたかったことなどを語った。
旅人は「森林書」の一連の任務を片付けた後、「悪者」を見つけるために村を訪れて彼を指摘することになる。彼を見逃すか、戦闘で決着をつけるかは旅人次第。
生かす選択をした場合は村には戻らず姿を消し、失われた苗畑の七天神像付近に彼のものとおぼしき紙切れが落ちていることを確認できる。
オレスト・スネージヴィッチ
スメールの砂漠遠征隊の新入り。
バベルとの取引で生体サンプルであるジェイドをフロドラッカー・フランケンシュタイン教授に輸送する任務を任されるが、
途中で眠らせたはずのジェイドが暴れ出し、隊員たちは紙切れのように虐殺される。
雷元素の銃弾で何発もジェイドを撃ってどうにか捕獲するものの、その後再び脱走されて部隊は壊滅、教授も行方不明になった。
オレストは旅人に見逃され、砂漠に消えていった。
学校に行っている妹がいる。

その他のファデュイ関係者

ファデュイ・ジャバート
デットエージェント。
「出自は問わない」にネームドエネミーとして登場した他、タルタリヤのエピソード動画にも出演。しかも結構目立っている。
新兵になったばかりの頃「傀儡」の訓話を受けたらしい。
ヴラド&ナディヤ
璃月港でファデュイが運営する「北国銀行」の守衛を務める人物。ヴラドが昼間を、ナディヤが夜間を担当。
非番になる度故郷恋しさに埠頭に足を運び、いつ来るとも分からない迎えの船を待ち続ける二人であったが、当初は互いに面識がなかった。
ある時、ナディヤが兄に宛てて書いた手紙を銀行前で落とし、それを拾ったヴラドが自分宛の手紙だと勘違いして返事を書いたことで文通が始まった。
その後徐々に親密になっていき、2021年の海灯祭で初めて対面する。
月逐い祭でも共に月見を楽しんでいた。料亭の予約を取り損ねたヴラドは落ち込んでいたが、ナディヤは一切気にしていなかった様子。
2022年の海灯祭では、ワールド内では平時のように昼夜で別々に行動していたが、クライマックスのムービー内では待ち合わせをして合流するシーンが見られた。
順調に仲を縮めているようだ。爆発しろ。
「伝教士」
公式漫画「原神セレベンツ」に登場した人物。
「博士」の部下であり、頭に巻いたターバンや褐色の肌など中東風の見た目を持つほか、爬虫類のような瞳孔と尖った耳という人間らしからぬ容貌も併せ持つ。
幼いコレイに魔神の残滓を注入する実験を主導した人物。「黒焔事件」では調査のためにモンドに来訪し、魔神の残滓を封印された直後のコレイを襲撃、コレイの負の感情を想起させてファデュイ以外に彼女の居場所は無いと嘯き、ファデュイの下に連れ戻そうとしたが、世界には絶望しかないわけではないことをモンドで知ったコレイには拒絶された上にその場にいたアンバーの応戦を受けて失敗。
実は彼もまた魔神の力を行使することが可能であり、その力を開放して異形の怪物と化してコレイとアンバーを抹殺しようとしたが、駆けつけたディルックの助太刀を受けたアンバーに敗れ、人の姿に戻って意識を失った。
その後は重傷を負った状態で「博士」の下に連れ戻され、大口を叩いておきながら任務に失敗したことで彼の不興を買い、(ごみ)呼ばわりされた上に処分を命じられて何処かへと連れていかれた。
ヴィクトル
モンドの教会で淑女を待っていた彼女の部下。そこで待機する指示を受けていたが、想定外のタイミングで淑女が神の心を回収したためそのまま待機することになった。
旅人に何度か個人的な事を依頼しファデュイの情報と交換しているほか、教会にいる子供とも親しくなっていた。
彼女の死後、特定のデイリーをクリアするとスメールに配置される。
ミハイル&リュドミラ
モンド城内のワープポイント近くに立っているファデュイの一般構成員。
2人はファデュイ関連のニュースについて会話しており、ミハイルはニュースの内容に対して楽観的な姿勢を見せる一方、リュドミラはニュースの内容とミハイルの態度にやや懸念を示す様子が見られる。
  • ミハイルが聞いた情報をリュドミラに話し、両者がその内容について議論する…といった内容の会話を繰り広げているが、2人の会話内容は最新の魔神任務の進行度合いによって変化する。
    会話一覧

    序章第三幕完了後:風災の解決にファデュイが協力したと宣伝すれば…
    第一章第三幕完了後:岩神が死んだことがファデュイに影響するかも
    第二章プロローグ完了後?:稲妻で内戦が起きているらしい
    第二章第三幕完了後:目狩り令が廃止された。「淑女」が死んだ。
    天下人の章第二幕完了後:稲妻の鎖国が終了した。
    間章第二幕完了後?:層岩巨淵が再開した。同胞はどうなったのか。
    第三章第五幕完了後:教令院がプロジェクトに失敗し、「博士」は手柄を上げた。スメールにいる「散兵」はどうなった?
    間章第三幕完了後:(上記差分)「淑女」が殉職したことを考えると心配→第6位はずっと空席だったから心配ない。
    第四章第五幕完了後:フォンテーヌの予言が実現したらしい。「召使」は神の心を入手し、「公子」は重症を負った。

地下情報網

北大陸に存在する謎の組織。Ver.2.8現在はディルックのキャラストーリーでのみ登場。ファデュイへの抵抗組織とみられるため便宜上ここに記載。

観察者
ファトゥスの報復を受け瀕死の重傷を負ったディルックを助けた人物。性別は不明。
ディルック
上述の観察者に助けられた後に加入。かなり高い役職まで昇進している。
現在の在籍状況は不明だが、モンド帰還後の「闇夜の英雄」としての活動は、この情報網と協力してのものだと思われる。
執行官?

その他の人物

テウセル、アントン、トーニャ
タルタリヤの弟妹。
他にも兄、姉がいることが判明している。
  • 「トーニャ」は「アントニーナ」の愛称。「アントン」の愛称でもあるのだが。
  • 層岩巨淵主鉱区南WPから南西方向に『アントン<「第九中隊」臨時隊長>』という名前のNPCがいるが、ありふれた名前のためおそらく無関係であろう。

七国以外の国々

テイワット七執政の支配が及ばない地域は「闇の外海」と総称され、魔神戦争で敗北した魔神が逃げて作った国家が存在する。

カーンルイア

かつてスメールの地下にあった国家。
約500年前にテイワットの七国を侵攻し、草神を除く6神と天理によって滅ぼされた。この戦争によって多数の民間人と複数の神が犠牲となった他、カーンルイア人の一部はアビスの魔物へと変えられた。
カーンルイア滅亡前は神のいない国として栄えており、テイワットのどの国家よりも高度な技術を有していた。一方で「土地とは農具で耕すものではなく鉄と血で簒奪するもの」など過激な思想を持つ者も存在し、彼らの愚行によってカーンルイアは崩壊の運命を辿った。
スメールの一部においてはカーンルイアはダーリ古国、カーンルイア人はダーリ人と呼ばれている。

  • 錬金術
    錬金術が発達し、非常に高度な技術を持つ錬金術師を輩出したが、禁忌に触れ世界に災厄をもたらした。
  • 耕運機(遺跡守衛)
    現在は「遺跡守衛」と呼ばれているエネミーだが、学者たちによると古代文明と遺跡守衛は同源ではない。世界各地にある古代遺跡は、遺跡守衛よりも数千年は昔の古代文明(○祭りの冠の時代?)のものだという。実は「遺跡守衛」は500年前、カーンルイアで運用されていた殺人兵器。カーンルイアでは人を作物のように刈り取ることから『耕運機』というコードネームが使用されていた(ただし、製造されたのはカーンルイアなのかは未確定)。カーンルイア滅亡後も、その殺人兵器たちが世界各地を徘徊している。
    またスメールには山の高さにも及ぶ巨大な遺跡守衛が複数存在しており、これらは搭乗して操縦することが可能。カーンルイアはこれに乗って漆黒の魔獣を駆除していたらしい。
  • 漆黒の災厄
    カーンルイア侵攻とほぼ同時期に錬金術師「黄金」が生み出した異形の魔物がテイワット中を跋扈するようになる。
    これらがカーンルイアの錬金技術に基づくものであるのは確実だが、侵攻との関連性は不明。「巨大な遺跡守衛に乗って魔獣に立ち向かった」という伝説もあるため、侵攻の尖兵というよりは偶然の事故にという可能性が高いか。
    いずれにせよ七国はカーンルイアの滅亡後もしばらく災厄への対応を余儀なくされることとなり、魔神を含む多くの犠牲者を出した。

魔神の時代(6000年~2000年前)

赤月王朝
かつて赤月王朝はカーンルイアに対し、自らが万物の支配者だと騙った。それによりカーンルイアは赤月王朝が治めていたが、星象学者たちによって嘘が暴かれ没落した。その後はカーンルイア崩壊まで黒日王朝がこの国を支配した。

黒日王朝の時代(2000年前~500年前)

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)

旅人の肉親
約500年前、旅人の肉親は「天空」が召喚に応じてこの地に降臨した。彼女(彼)はカーンルイアで過ごし、滅亡後はダインスレイヴと共に旅をした。
詳しくはキャラ・一族・団体#旅人とその関係者を参照。
「道化」
現代のファデュイ統括官。当時カーンルイアの宮廷魔術師として仕えており、旅人の肉親とも接点があった。
カーンルイア崩壊後に氷神と接触しファデュイを設立、テイワット各地から仲間を探し出した。
詳しくはキャラ・一族・団体/スネージナヤ#ファトゥスを参照。
コロタール
コロタール・アルベリヒ。貴族の彼はモンド人と結婚し子を設けていたが、カーンルイア戦争で子のカリベルトをヒルチャールへと変えられた。
彼はアビスの力で子のカリベルトに知性を取り戻させることに成功し、アビス教団を設立した。
詳しくはキャラ・一族・団体#アビス教団を参照。
ダインスレイヴ
カーンルイア滅亡前はカーンルイア宮廷親衛隊「末光の剣」として戦争に参加していた。
カーンルイア崩壊後は旅人の肉親と旅をしていたが、彼女(彼)がアビス教団の姫(王子)に就いたことで敵対するようになる。
現在はアビス教団の計画を止めるために動いている。
詳しくはキャラ・一族・団体#旅人とその関係者を参照。
カーンルイア五大罪人
かつてカーンルイアで大きな希望を寄せられていた者たち。
各分野の同世代たちを束ねる存在であり、災厄の発生を食い止め、世界の根幹を揺るがし続ける「黒王」を阻止するという計画にダインスレイヴと共に参加していた。
しかし「アビス」の誘惑に染まり、世界に匹敵するほどの力を手中に収めて「罪人」かつ超越者となり、カーンルイアを災厄が襲っても座視したという。
フロプタチュール
「賢者」の称号を持つ。詳細不明。聖遺物「蒼白の炎」の「嘲笑の面」に「賢者」という語が登場しており、関係があるかもしれない。
ヴェズルフェルニル
「予言者」の称号を持つ。ダインスレイヴの実の兄。コロタールを導いてアビス教団を作らせた。
レインドット
「黄金」の称号を持つ魔女会の魔女R。錬金術によって多数の魔物を創造し、カーンルイアを破滅へと導いた。
スルトロッチ
「極悪騎」の称号を持つ。スカークの師匠。呑星の鯨をペットとしているらしい。
レリル
「月の狩人」の称号を持つ。詳細不明。

カーンルイア滅亡後(数百年前~現代)

ヒルチャール
500年前の戦争でカーンルイア人は神によって魔物へと姿を変えられた。
アビス教団
カーンルイア戦争時、スメールの荒石の蒼漠からアビスの魔物が湧き出て各国を襲った。
戦争の爪痕が各地に残る中、コロタールによってアビス教団が設立され、知性を有する個体は呪いからの救いを求めてそこに集った。
コロタールは最終的に不死の呪いを解く方法を見つけ、スメールに骨を埋められた。
「黄金」の創造物
レインドットによって創られた創造物の多くは彼女から見捨てられ、テイワットの厄災となった。ドゥリンはモンドを襲い風龍トワリンによって倒されたが、その心臓はドラゴンスパインの奥で動き続けている。「成功作」とされるアルベドはレインドットの弟子として彼女と旅をしたあと、魔女Aの子と共にモンドに預けられた。人造龍らはアビスの魔物と共に稲妻やモンドを襲った。
機械人形
カーンルイアの滅亡後、雷神バアルゼブルの元にある技術が伝わった。それはカーンルイアの人形技術であり、永久不滅の肉体を欲していた彼女はそれを研究した。
その過程で生まれたのが放浪者(「散兵」)と雷電将軍であり、「散兵」を解析することで「博士」も自らの義体を製作した。
テイワットにもマシナリーなどの人形の機械は存在するが、人と見紛うほど精巧なものは存在しない。自我と記憶を持ち、中には心を持ち神の目を所有する個体も存在する。
ガイア・アルベリヒ
西風騎士団騎兵団長。カーンルイアのスパイとしてモンドに送り込まれた。しかし本人はアビスの魔物を倒すなどモンド側に帰属意識があると思われる。コロタールと同姓だがコロタールの子のカリベルトは成人を迎える前にヒルチャール化ののち死亡しており、血縁関係は不明。
教令院
カーンルイア跡に程近いスメール教令院では、カーンルイアの遺産に関する研究が行われている。因論派ではカーンルイア人を「ダーリ人」と読んでいる。過去にはスメールとも外交関係にあったようで、スメールには他国以上にカーンルイアの名残が見られる。

セレスティア (神の住む島)

空に浮かぶ神が住む島。漫画版「セレベンツ」では登場しゲームにも存在するが、メインストーリーではほとんど触れられておらずカーンルイア以上に謎が多い。
璃月の沈玉の谷の西側上空にあり、Ver5.0時点ではアクセスできない。

  • Topic1:『原神』が死後行きつく場所
    ムラタ人の言い伝えによると、この世界の『神の目』を持つ英雄『原神』は、死後選定の末、空にある島に行く。その後神となって、世界を守護する責務を担うという。
  • Topic2:古代文明・アビスとの関係
    フィンドニールや鶴観などの古代遺跡では、この『空島』を祭った壁画が残されている。また、遺跡には3つの重なり合った楕円で構成される「トリケトラ」に似たモチーフも見られる。
    フィンドニールや層岩巨淵には天理が落としたとされる「天の釘」と呼ばれる巨大な柱が浮いている。これは現代ではアビスの力を浄化しているが、当時の文明を滅ぼした原因でもあったという。
  • Topic3:モンドとの関係
    モンド城の巨大なバルバトス像の足元には「THE GATEWAY OF CELESTIA(セレスティアへの扉)」という言葉が刻まれているなど、モンドと浅からぬ関係があると考えられる。
  • Topic4: 花神との関係
    スメールに以前存在した花神は天空島から追放され砂漠を流浪していたとされる。追放前の彼女は天空島の使者であり、最終的に彼女は自身を犠牲にアフマルに禁忌の知恵を得させた。
  • Topic5: 天の鍵
    ドラゴンスパイン、層岩巨淵、夜神の国、またゲーム内では確認できないが鶴観とスメールの砂漠にも存在する巨大な釘は天空島から落とされた。釘が落とされた場所の文明は滅び、人が住めないような環境に変化した。
    ゲーム開始画面やオープニングムービーに映る天空島らしき場所にも同じ見た目の遺跡が存在する。
  • Topic6: 俗世の七執政
    魔神戦争に勝利した最初の七執政は天空島へと赴いて神となり、その後は神の心によって天空島と共鳴した。
    しかし2代目以降の七執政が天空島に向かった描画はなく、天理との連絡手段である神の心も不要なものとして手放されている。

白夜国(常世国)

現在「淵下宮」と呼ばれている、海祇島の地底深くにある底無しの大空間「海淵」にかつて存在していた国家。「常世国(とこよこく)」は大日神輿(ヘリオス)建造前の国名。
伝承では元から地底に暮らしていたわけではなく、地上で暮らしていたところに神々の争いが発生し、その中での大地の崩落に飲み込まれた結果、地底での生存を余儀なくされたとされる。
魔神戦争時代において魔神オロバシが敗走の末にこの国にたどり着き、オロバシの導きによって全国民が地上の海祇島に移住、国家としては消滅した。
現代では完全に無人となっており、魔物やアビス教団、自律装置が闊歩する廃墟となっているが、淵下宮が持つ常世の法則に由来する特殊な地脈異常によって過去の人物が持っていた強い感情が選ばれ、残影として存在している。
彼らは「罪影」もしくは「常世の霊」と呼ばれ、会話が可能なほど明白な人格を保っているが、彼らの時間は誕生した数千年前から一切進んでおらず、会話が成立しても自分たちが過去の残影であることには気づかない。
残影は常夜のときのみ出現する。また、「罪を知る者に罪はなし」*163という法則があり、自身が残影であることを知ると消失してしまう。

白夜国の住民はギリシャ語またはラテン語と思われる名前と、稲妻風の名前の二つを持っており、その他の用語もギリシャ語由来のものが多い。
前者は特に、古代ギリシアや古代ローマの神話や歴史から、共通点の多い神や偉人の名が宛がわれていることが多い。
例えば、抵抗運動の指導者である須婆達の彦ことスパルタクスは、古代ローマにて奴隷による反乱戦争を主導した実在人物での名でもある。
稲妻風の名前はオロバシよりも前の時代に死亡したと思われる人間も名乗っているが、名乗り始めた理由や具体的な時期は不明。
絵真らの証言から鳴神島やカーンルイアの人間が訪れていたことが分かっており、テイワットとは一定の交流があったと考えられる。
墓標や石碑にはテイワットの文字と独自文字がロゼッタストーンのように併記されており、罪影とも会話可能なことからテイワット共通語も普通に用いられていたようである。

海祇島移住後は稲妻文化との同化が進み、石造建築や言語などの独自の文化は失われている。

崩落前(国家成立前・統一文明時代)

パネース(原初のあの方)
『日月前事』の伝承において、白夜国の民の先祖が海淵に落ちる前の統一文明時代に信仰していたとされる創造神。
旧世界の主である七名の王と戦い、勝利して従属させ、その後に人間を含むありとあらゆるものを創造した。
パネースの庇護のもと人類は豊かな生活を送っていたが、ある時に天上から「第二の王座」が現れて争いが勃発。その争いの中で大地が崩落し、人類は海淵へと落ちることになった。
七名の大王(旧世界の主である七名の恐怖の王)

崩落後~常世国時代

イスタロト(常世大神・カイロス・時間の執政・不変の世界の統領と執政)
地下に落とされた民を唯一見捨てなかった女神。パネースが創造した「四つの光る影」の一つと思われる。*164
日月前事によると、時、終わりのない瞬間、千の風と日月の秤、すべての欣喜の瞬間、すべての憤怒の瞬間、すべての渇望の瞬間、すべての恍惚の時、そしてあらゆる錯乱の瞬間であったとされている。
ゴエティアの29番「アスタロト」に酷似した名前や、「時間の執政」という異名からは魔神としての要素も感じられるが、詳細は不明。
アビサルヴィシャップ
個体名ではなく生物種名。深海に生息していた原初の元素生物であり、海祇島の伝承に残る「アビサルドラゴエア」はこの生物を指している。
適応力や進化の早さに長けており、原種は水元素であったが白夜国の民との闘いの中で別の元素に進化した個体が確認されている。*165
暗所が得意で強い光が苦手という習性があり、常世国時代までは人間に対し猛威を振るっていたが、ヘリオスの光によって人間を襲いづらくなる。
さらに後に訪れたオロバシによって徹底的に討伐が行われた結果、一気に数を減らし、一部の個体は捕らえられ研究対象とされるなど、従来ほどの脅威とは見なされなくなっていた。
アブラクサス(阿倍良久(アベラク)
常世国末期から白夜国黎明期に活動した、神を除けば白夜国最大の偉人と呼べる人物。後の世に「賢者」と称されている。
輝く物質「ハイペリオン」を発見し、それを掲げ管理する施設「ヘリオス」(後の大日神輿)を設計、建造を主導した。
ヘリオスの放つ強い光はアビサルヴィシャップを遠ざけ、これにより人間の生存圏確保、白夜国の成立と発展に大きく寄与した。
しかし、白夜国は成立直後から傀儡の王(太陽の子)を立てるなど早期のうちに腐敗の兆しを見せ始め、それに抗うべく太陽の子を諫めていたが疎まれるようになり、王位簒奪の嫌疑をかけられてヘリオス上部への監禁刑に処され、そのまま命を落とした。
現代に存在する残影は、誕生した時期が早いからなのか、自分の死後の出来事などについてもある程度情報を把握している。

白夜国時代

オロバシ(海祇大御神)
オロバシの眷属
  • 海祇の御使い
    オロバシが自らの権能で生み出した第一の眷属。
    白夜国人に力を貸してアビサルヴィシャップを討伐したとされる。
    半人半蛇の姿を持つが、後には爬虫類のような瞳孔を除いて人と同じ姿になったという。
    オロバシが海祇島を形成して力を使い果たしたことで、それ以降新たに誕生することはなくなった。
    最後の御使いはヴィシャップと人間のどちらとも交流することができ、両者の橋渡しとなることが期待されていたが、幼い頃にヴィシャップに襲われて行方不明になったという。
  • 珊瑚王蟲
    オロバシの第二の眷属。
    自身の周囲の荒れ狂う元素力を吸収して次世代を生み出し、その次世代が飛行能力を持つ「珊瑚蝶」に変態して次の繁殖地を求めて飛び回るという生態を持つ。この過程で吸収した元素を安定した元素に転換することができる。
    旧秩序の下では破壊者であり、暗い海底でかりそめの生を全うするだけの存在だったとされるが、元素転換能力に目を付けたオロバシの眷属となり、アビサルヴィシャップの元素力を抑え込む役割を担うようになった。
太陽の子(パエトーン)
白夜国における制度上の王。毎回国民の中の子供から選出されるが、当然ながら子供にまともな統治ができるはずもなく、初めから貴族層の傀儡とするために作られた地位であった。
成長に伴って傀儡の立場を自覚し、反抗されることを防ぐため、一定の年齢になると誕生の祭礼と称して大日神輿の内部に送られて焼き殺される運命にあった。
ちなみにパエトーンはギリシア神話に登場する太陽神アポロンの息子であり、原神おける太陽の子たちの名前はいずれもアポロンの子に由来すると思われる。
  • 離可琉(リコル)(リコルス?)
    阿倍良久を崇拝していたが、周囲の大人から彼が王位を狙っているとそそのかされ、監禁刑に処した。阿倍良久を超えるため大日神輿より高い建物を建てることを目論み、そのミニチュアを建造するなどしていた。
  • 栖令比御(スレピオ)(アスクレピオス)
    幼少期から重病に苦しめられたため、成長とともに病状が改善されてからは医師となるべく医術を学んでいたが、大成の日を見ることはなかった。
  • 里栖太御須(リスタイオス)(アリスタイオス?)
    粘土で彫像を作ることが趣味で、周囲にいる女官の像を作っていた。腕は非常によく、生きているかのような見栄えだったという。
  • 依栖目那須(イスメナス)(イスメニオス?)
    地図作りが趣味で暇を見つけては小舟で出かけ、白夜国の地図を作っていた。
  • 御琉部栖(オルペウス)(オルフェウス?)
    音楽家としての才があり、特に歌唱が得意であった。久利由売とは特に親しい関係を築いていた一人であり、彼女の歌を聴きたいとしてそれまで自分自身が歌うことをやめるなどしていたが、結局歌を聴く機会が訪れないまま命を落とした。
  • 伊恩(イオン)(イオーン?)
    占いや呪符が得意で、高い確率で人の未来を当てられたが、良くない未来の場合に相手を傷つけまいと嘘を言うなどしていたため、周囲からはその力に気付かれていなかった。
  • 比螺夢門(ピラムモン)(ピラムモーン?)
    海淵の外にも世界が存在していることを信じていたが、周囲からはまともに応じてもらえていなかった。
久利由売(クリュメ)(クリュメネ?)
太陽の子の日常の世話を担当していた女官。
職務上の義務として結婚せず自分では子を生さなかったため、一部の太陽の子とは家族にも似た精神的なつながりを持っていた。
しかし結局伝統に逆らうことができず、太陽の子の願いにも応えられないままただ見殺しにし続けていたことに深い悔恨を抱いていた。
須婆達(スパダ)の彦(スパルタクス)
腐敗した貴族層に対する抵抗運動の指導者。捕縛され、蛇心の地で監禁され凄惨な拷問の末に命を落とした。
弟子たちに希望を託していたが、彼亡き後の抵抗軍は主力がほぼ全滅。
生き残った者たちは再起を志したが、資金繰りに困って商売を始め、軌道に乗って豊かになった末に抵抗の意志が薄れる者が出始める。そしてごく一部の者を残して脱退者が続出し、討伐すらされないままに瓦解した。
伊達(ダテ)(ダイダロス)
建築士であり、自称「迷宮の芸術家」。父親のエウリダテスとは価値観が合わず、よく殴られていた。「白夜国で歴史上二番目に優秀な建築士」を自負しており(一番は阿倍良久)、迷宮の建築はヘリオスと同様に人々を幸せにすることを目標としたものだった。
安貞(アンテイ)(アンティゴノス)
禁書『日月前事』を図書館から盗んだ疑いを掛けられ、仲間とともに投獄されていた元地走(じばしり)官。カーンルイアの使節団が真犯人であることを突き止めて脱獄、使節団を襲撃して『日月前事』が奪われることを阻止したが、肝心の『日月前事』は機能停止した耕運機(遺跡守衛)の下敷きとなって回収不能になり、自身も戦闘の負傷が原因で間もなく死亡した。
絵真(エマ)
白夜国図書館の末代司書。白夜国最後の日までに5冊の本が返却されなかったために残影を残すこととなった。料理に興味があり、海祇島移住後は料理人になる夢を持っていた。
珊瑚宮
海祇大御神(オロバシ)に仕える巫女の長。珊瑚宮心海の祖先と思われる。
どのような人物がどのような過程を経てこの地位に納まったのか、現状(Ver2.4)では全く情報がない。
烏帽子(エボシ)(エレボス)
海祇大御神(オロバシ)に仕える巫女の一人で、珊瑚宮の補佐官。現代における海祇島の巫女、露子の祖先にあたる。
巫女の長であった珊瑚宮が大御神の意を受けて世界の真相に関する情報を完全に秘匿しようとすることに反対し、派閥を形成して珊瑚宮派と議論を行っていた。
最終的に大御神自身のとりなしにより、血枝珊瑚採取の試練を達成した勇者に対し追加で試練を与え、達成した場合に、勇者のみに真相を教えるという仕組みを作らせることに成功。その案内役・情報伝達役として意図的に自分の残影を残した。
宮地
アビサルヴィシャップの品種改良などの実験を行っていた研究員。
海祇島に移る直前に、研究所内の改良が施されたヴィシャップたちを解き放とうとしていた。
実験では、ヴィシャップの環境変化耐性や知能の調査、海祇の血の移植などが行われていたようだ。
亜琉(アル)(アルゴス)
他の残影とは異なり儀式によって誕生した、海祇大御神の血珊瑚枝を取りに来る勇者を迎え、試練を与えるという役割を担う残影。

夜神の国

霧海群島

通称金リンゴ群島。

シムランカ

魔女が創造した童話の世界。現実のテイワットを模造して造られている。魔法によって折り紙や積み木で作られた住民が住んでおり、魔女と勇者パーティ以外に人間は住んでいない。

ドゥリン
魔女Mによって創造された「悪龍」。触れたものが積み木に変わる呪いと他のシムランカの生物より遥かに大きい体から恐れられていた。母親である魔女Mの死亡後、彼女に会おうとオルビット城の星を取り悪龍と恐れられた。
魔女Bによると、シムランカの龍がドゥリンの名を授かったことで少なからず現実の虚像になったとのこと。
  • ちびドゥリン
    ドゥリンが勇者一行の祝福を受けて小さくなった姿。友人の笠っちと共にシムランカの住民に謝罪し、笠っち命名の「ドゥリン号」に乗ってテイワットに向かった。
  • 現実のドゥリン
    アルベドの仮説では、今回勇者がドゥリンを救ったのは偶然ではなく、逆にシムランカのドゥリンの運命が現実にも影響を及ぼす可能性があると考えられた。
    魔女Bの予言ではドゥリン復活の可能性が示されており、現実のドゥリンが復活した際には2人に助けて欲しいと頼まれた。
「勇者」
笠っち。悪龍とシムランカを救った勇者。
いつものように口と態度が悪かったものの、ドゥリンの境遇が自身と近い事を知り共感してからは同情し、悪龍の名を呼んで優しく頭を撫でた。
ちびドゥリンを連れてテイワットに向かうとクラクサナリデビに遭遇し、ちびドゥリンを隠したが表情ですぐにバレた。
「妖精」
ニィロウ。折り紙を生き物や乗り物に変えられる魔法を使える。魔水切れで褪色症になった祝福の森の民を助け、テイワットに連れて帰った。
オルビット城の「国王」
ナヴィア。ボスらしく国民の声を尊重し、最終的には説得し預言のギアを回した。
異世界の旅人
文字通り旅人のこと。アリスの計らいで見届ける者となった。
三女神
シムランカを創造した魔女会の魔女M(アンヤ)、魔女A(アリス)、魔女B(バーベロス)のこと。Mは「運命の女神」、Aは「創世の女神」、Bは「預言の女神」としてシムランカの民から信仰されている。

所属不明・複数地域で活躍する人物

旅人とその関係者

旅人(主人公)
異世界よりやってきた双子の片割れ。神の目を持っていないにもかかわらず、自在に元素力を扱うことができる。
テイワットに到着してすぐに眠りにつき、双子のもう一人に起こされて一度目覚める。
カーンルイア戦争での荒廃を目にし、二人でテイワットから去ろうとしたところ、「天理の調停者」なる謎の神の襲撃を受ける。
双子の選択しなかった方が連れ去られ、自身も眠りにつきほとんどの力を封印されたうえで眠りにつく。その後モンドの星拾いの崖付近の浜で目覚めた際には500年近く経過していた*166
しばらくしてパイモンを釣り上げ、双子のもう一人を探すべく旅に出るところから本編が始まる。

デフォルトネームとして兄は「空」、妹は「蛍」という名前が設定されており、主人公を選択した直後に選ばなかった方をこれらの名で呼ぶのが確認できる。
本編中は基本的にはプレイヤーが設定した名前、または「旅人」と呼ばれるが、魔神任務中で双子のもう一人に再会した際には、設定した名にかかわらず、上記のデフォルトネームで呼ばれるシーンがある。

プレイヤーの分身たる主人公ながら、素性が一切明かされておらず最も謎が多いプレイアブルキャラクターでもある。上記のカーンルイア周りの過去も物語をかなり進めた段階でパイモン(とプレイヤー)に明かすなど、プレイヤー視点との情報量に大きな差があり、いわゆる「信頼できない語り手」ともとらえられる。

ゲーム本編中は発言は基本的にプレイヤーが選択肢で指定していくスタイルで、戦闘以外のボイスは基本的に無いが、プロフィール欄ではパイモンとの会話が聞けるほか、ストーリー中も稀にボイス付きで発言することがある。

パイモン
非常食 最高の仲間。目覚めてまもない主人公が釣り上げた謎の生物。
「テイワット一のガイド」を自称し、助けてもらった恩から案内役として主人公と旅を共にする。
飛べるのになぜ溺れていたのか、それまで何をしていたのかなど過去や正体に関しては謎が多い。
基本的にほとんど発話しない主人公に代わって物語をリードする狂言回し的役割。
  • 飛翔(浮遊?)するのに使っているのは「幻想の翼」という魔法(主人公談)。
    常に飛んでいるが、一定以上の速度で飛び続けると疲れるらしい。
  • 旅人からお小遣いをもらっている。が、めったに他人に使わない。食事代も大抵旅人持ちのようだ。
非プレイアブルの旅人(「王子」・「姫」)
異世界よりやってきた双子のうち、主人公として選択しなかった方。
テイワットに到着して主人公と共に眠りにつくが、主人公よりも早く目覚める。
その後カーンルイアの滅亡を目にし、主人公をを起こしてテイワットを去ろうとするも、謎の神の襲撃を受け離れ離れになる。
その後何らかの経緯を経て、アビス教団に迎えられ、共にカーンルイア復興を目論むようになる。
アビス教団では「姫様(主人公に兄を選んだ場合)」「王子様(主人公に妹を選んだ場合)」と慕われており、かなり高い地位についていることが推測される。

かつてダインスレイヴと全テイワットを旅しており、「旅の終着点」にたどり着いた結果世界の真相を知り現在に至る。この旅はカーンルイア滅亡後に行われたが、謎の神遭遇前か後かや旅そのものの動機ははっきりしていない。また全テイワットを旅したにもかかわらず、当時の七神の誰からも話に登場しないなどの不可解な点もある。
本編中、アビス教団の痕跡を追うダインスレイヴと主人公の前に現れ再会を果たすも、アビスとして天理と戦う旨を明かしたのち、「旅の終点で世界の淀みを見届けろ」と突き放す。

アランナラの語る「金髪のナラヴァルナ」である可能性が高い*167。この「ナラヴァルナ」は死域の蔓延から森やアランナラたちを守るために尽力し、アランナラの絶大な信頼を得た。

ダインスレイヴ
右目の周りから顔の右側1/4ほどを仮面のようなもので覆った、金髪碧眼の長身男性。七神の治める世を冷め切った目線で眺める。「枝を拾う者」という謎の肩書きが入っているが、これの意味するところは明かされていない。
元はカーンルイア最後の宮廷親衛隊「末光の剣」であり、カーンルイア滅亡の際に不死の呪いを与えられたことにより現代まで生きながらえている。
元カーンルイア人ということでアビス教団とも浅からぬ関わりがあり、姫(王子)と一時期ともに旅をしていたこともあったようだが、旅人から見える範囲では、現在ではアビス教団とは完全に袂を分かち敵対状態にある。
璃月での戦いを終えた後の旅人とエンジェルズシェアで出会う。旅人に投げかけた3つの質問と500モラに満足した結果、アビス教団と双子の片割れを追う協力関係を結ぶ。
七元素とは異なる蒼黒い炎のような謎の力を操ることができるようだ。
七神レベルの上位存在しか知らないような事実を多数知っており、不死となった詳細な経緯、教団と敵対に至った原因、旅人の片割れとの関係、現在の目的など、Ver3.0においても様々なことが不明なままの謎多き人物。
  • 公式から投稿されている各プレイアブルキャラクターのチュートリアル動画の解説は殆どが彼によるもの。表記上では彼のCV.である津田健次郎表記になっているが、ダインスレイヴの登場以後は最後の一言コメントが明らかにダインスレイヴ視点のものとわかるものが増えている。
  • 「ダインスレイヴ」とは北欧の伝承における魔剣。一度鞘から抜かれると、生き血を吸うまで鞘には納まらなかったという。

冒険者協会(職員・幹部)

テイワット全土の冒険者の互助組合。各国に支部を構え、主に冒険者への依頼のあっせんを行っている。
本部はスネージナヤにあるが、ファデュイとの関係性は不明。

キャサリン
冒険者協会の受付にして看板娘。
本来ならばこの一言だけで終わるのだが、何故か世界各国に同じキャサリンが存在している謎の女性。
時折機械的なセリフを呟いている事や、うなじの若干下にある鍵穴の存在から実はロボットではないかという説が長らく囁かれていたが、リリースから二年近く経過したVer3.0で正体が判明。
スネージナヤで生み出されたバイオニック人形(生体アンドロイド?)であり、各国にいる個体同士で記憶や意識を共有する機能を持っているらしい。
スペアの準備があるようで、魔神任務第三章でナヒーダが意識を占有していた個体が損傷した後は、スメールの冒険者協会には新たな個体がすぐに配属されている。
サイリュス
嵐姉
古谷昇

旅人・冒険者・旅商人など

全能グルメチーム
美食を追い求めテイワット各地を旅する冒険者の多国籍チーム。
当初旭東、ジュリー、パルヴァネの3人のみだったが、稲妻で亀井宗久が加わった。
  • 旭東
    璃月出身。常に鍋を背負っている。
    料理を安価にすることにこだわっており、安い食材を組み合わせて高級食材に似た香りや味わいを出させる研究をしている。
  • ジュリー
    モンド出身。冒険者協会の制服を着ている。
    のんびりした言動に反して旅人の見立てでは稲妻の野伏や魔物も苦としない戦闘能力を持つが、目の前のことに集中すると他の用事を全て忘れるという悪癖があり、戦闘はその状態を引き起こしやすいためできるだけ戦わないようにしている。
  • パルヴァネ
    スメール出身。教令院の学生で、「万能調味料」の研究をしていることからチームに入った。
    旭東の才能には感心しているが、同時にレシピを書き換えてオリジナルを残さない彼に頭を悩ませている。
  • 亀井宗久
    稲妻出身の元武士。稲妻幕府の新たな方針*168に賛同できず幕府を去った。かつての仲間は海乱鬼として略奪によって生計を立てるようになったが、自身はそれに加わることを良しとせず、かといって新たな職も見つからず鎮守の森付近で自給自足生活を送っていた。
    その後全能グルメチームに出会い、紆余曲折の末護衛として加入することになる。
    現在では旭東と料理対決をするなどすっかりチームの一員として溶け込んでいるようだ。
ロアルド
テイワット大陸各所を冒険している著名な冒険者。銀髪の坊主頭・右目のモノクル・口ひげの三点が印象的な屈強な男性。
世界任務「霧海紀行」内で、以前墨田の依頼を受けた人物の一人として再招集され、その後「忘れん坊大王の大冒険」にて旅人と交流する。
自虐ジョークにするほど記憶力が悪く、対策につけている日誌すらしょっちゅう置き忘れる始末。様々な場所で彼が張ったと思われるテントと残された日誌を見つけることができる。
トントンの父親
軽策荘にいる少年「トントン」の父親。
書籍「誰かの日誌」や「余韻のホラガイ」から存在を確認できるが、各地で毎度のように遭難している。
立本
イベント「百貨珍品」に登場する璃月出身の商人。ファンキーな見た目通りの気さくな口調をしている。
元々は珍貨商人だったが、モンドの龍災での果物の高騰から「有事はむしろ日用品の方が高く売れる」と早合点。
同時に「璃月七星がファデュイとの交渉決裂で市場を混乱させ日用品の値段を釣り上げて儲けようとしている」という情報を聞きつけ、珍貨を売り払って日用品を買占めようと目論む。
勿論、七星が小金欲しさに民を犠牲にするわけもなく、そのデマを信じた立本は大損することに。
その後は埠頭での稼ぎを元手にスメールで一定の成功を収めたことで、度々トラブル*169に遭遇しながらも、各国を往復する真っ当な旅商人としてテイワットを巡っている。
  • プレイヤーからの評価について
    最初の百貨珍品ではローカライズミスがあり、ボイスでは見た目通りの砕けた口調だった一方で、テキストでは見た目に反して原神内の普通の商人のような口調になっていた。
    オマケにそのテキストの日本語自体もやや怪しく、とりわけ「今日欲しいのはこのようなもの」というセリフはミームになるほどであった。
    とはいえ、そういった初期特有のカオスさを懐かしむ者も多く、また毎回新地域のちょっとした情報をくれることもあり、現在ではすっかり愛されキャラとなっている。
    ちなみに日本版の名前の読み方は「リツホン」(原神公式ラジオより)。「タテモト」や「タチモト」ではない。

宝盗団

レッド・ミラー
創設者。宝盗団を「助け合う組織」と定義していたらしい。存命かどうかは不明。
「怪鳥」(「北の怪鳥」)
モンド地域を代表する宝盗団幹部。戦闘では炎のボウガンを使う。
アンバーの伝説任務内にて、文化財を盗み出し風の翼で逃走するが、旅人とアンバーの追跡で秘境内に追い込まれ、捕縛される。
その後はなんらかの方法で脱出したらしく、1章4幕にて、アビス教団が守る遺跡の宝を狙い、イェンと組んで「大宝盗家」を誘致する。
イェン(「南の長姉」/「姉貴」)
璃月地域を担当する宝盗団幹部。女性。元々は稲妻の出身で、広海と順の古い友人。
1章4幕では上述の通り、「怪鳥」と組んで「大宝盗家」を誘致している他、天穹の谷に部下を送り込み、謎を解くよう促している。
「『螭』の話」では、「密蔵」の謎を代わりに解かせるために軽策山の伝説を旅人に教え、解けたタイミングを見計らって部下を送り込んだ。
「広海の守護」にて再登場。絶雲の間で順と共に下見をしていた所、孫宇と小鳥に琥牢山まで追い回された末、行方不明になる。
その後は順の頼みを受けた旅人に救出される。理水畳山真君による懲罰として琥珀に封印されていたとのこと。
イベント「華々しき流年」では『宝盗団・「姉貴」』名義で精鋭エネミーとして登場。得物は斧。
  • 日本語版「広海の守護」内では「姉御」の名になっているが、英語版では両方とも「Big Sis」の呼称があてられているため、翻訳時の表記揺れと思われる。
「大宝盗家」
フォンテーヌを拠点としていた、宝盗団の中でも指折りの実力者。
アビス教団の守る遺跡の宝を盗み出すため「怪鳥」と「姉貴」によって誘致されるが、穢れた逆さ神像の邪気によって祈るような姿勢で死亡しているところを旅人に発見される。

アビス教団

「罪人」
アビスの力の根源と思われる謎の存在。自らを神ではなく「罪人(つみびと)」と自称する。
数百年前、カリベルトを捜索中の双子の片割れやコロタールが遭遇した存在で、何重にも巻かれた鎖で吊られている紫の結晶越しに彼らの脳内へ語り掛けた*170
ヒルチャールらが崇拝するような動作をしていた他、コロタールは接触の際、畏敬の念や幸福感を感じ、やがてその時に得た「信仰」を広めるためアビス教団を設立する。
ダインスレイヴはその正体に心当たりがあるらしく、旅人が地脈を通じて上記の出来事の記憶を追体験した際、逆に旅人の方を観測した可能性を警戒している。
  • 「罪人」というワードについて
    アビス関連の話題で「罪人」という単語が使われることは以前から複数回確認されている。
    主に漆黒の魔獣を生み出したレインドットに使われることが多く、その他にもガイアとタルタリヤがアビスやカーンルイア残党をして罪人と呼称している。
非プレイアブルの旅人(「王子」・「姫」)
非プレイアブルの旅人を参照
コロタール・アルベリヒ
カーンルイアの元貴族でアビス教団の創設者。
妻を失い、息子のカリベルトをヒルチャールの姿にされ、自身も不死の呪いにかけられたことで七神を激しく憎んでいる。
500年前、七神を軽蔑し、誰に対しても高慢な話し方をする態度から煙たがられ、テイワット上でまともな人間関係を築くことができずスメールのはずれの森でひっそりと暮らしていたところ、当時ダインスレイヴと旅をしていた双子の片割れと出会う。
事情を知った双子の片割れとカリベルトの意識を取り戻すため試行錯誤していたところ、「罪人」の意識に触れ、深く心酔するようになる。
その後カリベルトの意識が復活する奇跡に触れるも、カリベルトはヒルチャールとしての顔を鏡で見てしまい、深い絶望に襲われ逃亡する。
カリベルトの生死は不明だが、この一件を通して「深淵」を垣間見たコロタールはこの信仰を広めることを宣言しアビス教団を設立する。
当初は元部下の「エデ」という名を名乗っていたが、ここで本来の名を明かすことになる。
その後はアビスへの「信仰」から様々なことを為すが、最後まで不死の呪いにさいなまれ続け、百年後に完全に発狂して姿を消す。
上記のいきさつはアビス教団の痕跡を追跡していた旅人が何者かによって片割れの記憶を追体験させられたもの。
触れた記憶はここで終わっているが、この時点ですでに双子の片割れはアビス教団に入ることを決意していたとダインスレイヴは推測している。
過去の記憶が終了し意識を取り戻した旅人はコロタールが住んでいた小屋の付近の畑を掘り起こし、男女の遺骨を発見する。
旅人はコロタール夫妻と推測していたが、その場合コロタールは何らかの要因で不死の呪いが解かれたことになる。
  • ガイアと同姓だが、現時点での関係性は不明。少なくともダインスレイヴからこの話を聞いた際は驚いたような素振りを見せていた。
    道化はカーンルイアの宮廷魔術師であったが王の信用を得られなかったことが判明しているため、摂政までも輩出した将領アルベリヒ一派とは国内での立場は遠く、ガイアと道化が血縁関係にある可能性は低いとも推測できる。
  • ちなみに、魔神任務進行中以外の畑にはスイートフラワー&キノコンのギミック宝箱や大型草スライムが埋まっている。梶井基次郎の小説かよ
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