キャラ・一族・団体/スメール

Last-modified: 2024-06-16 (日) 21:58:18
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砂漠地域の世界任務に関する記述が全体的に不足しています。特に「善悪のクヴァレナ」に関する記述を歓迎します。


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スメール

『知恵は知恵の神の敵。知恵は無知の海に浮かぶ餌。
学城の学士が為した愚行に、神の知恵は異論を唱えなかった。』

テイワット大陸中西部に属する草神が治める*1国。

重要な出来事

  • 魔神戦争前:意気投合したマハールッカデヴァータと花神にデシェレトが合流し、三神で同盟を結ぶ。
  • 数千年前(魔神戦争?):花神が死亡。彼女の復活に固執したデシェレトがマハールッカデヴァータと袂を分かち、禁忌の知識に手を出す。
  • 数千年前(魔神戦争?):禁忌の知識によって魔鱗病が発生するも、自己犠牲を選んだデシェレトにより一時収束する。力を貸したマハールッカデヴァータも幼子の姿になる。
  • 数千年前以降:砂漠の内戦が激化。
  • 500年前:漆黒の災厄の来襲と世界樹の再汚染。最後の森林王が死亡。将来禁忌の知識の記録を自分ごと世界樹から削除させるため、マハールッカデヴァータがクラクサナリデビを生成する。
  • 500年より後:賢者たちがクラクサナリデビを発見するが、子供程度の知識しかないことに絶望し、スラサタンナ聖拠に幽閉する。
  • 本編開始直前:教令院とファデュイが共謀し、執行官の1人である「散兵」を新たな神に作り替え始める。
  • 第三章第五幕:正機の神(散兵)が完成間近に倒され、関係者は失脚。マハールッカデヴァータが歴史から消失し、旅人以外からは「クラクサナリデビが唯一の草神」と認識されるようになった。雷と草の神の心が「博士」の手に渡る。
  • 間章第三幕:散兵が世界樹で自身を削除。本人含め世界から彼の記憶が消失。本人は記憶の復元に成功し同時に神の目を獲得。旅人によって新たな名前が与えられた。
     

魔神の時代(6000年~2000年前)出身

魔神とその眷属

マハールッカデヴァータ(先代の草神・先代の知恵の神/先代のブエル?/知恵の主/千樹の王)
先代の草神で2000年前の魔神戦争勝者でスメールの建国者。女性。Ver3.0までの表記は「マハールッカデヴァタ*2
500年前の漆黒の災厄の時期にスメールから姿を消した。なお、世界樹守護の使命のため七神で唯一カーンルイア戦争に参戦しておらず、失踪とカーンルイア戦争は直接は無関係。
意識や夢に関する権能、及び世界樹の記憶と繋がる能力を持ち、スメールのほぼ全てを作ったとされる。全知全能の強大な神であり、世を去った今でもスメールの民衆から絶大な敬愛を寄せられている。
また、自身の眷属としてアランナラを生み出している。
現代のスメールにおいて運用されていた『アーカーシャ』は、彼女の遺産である神の心を動力としている。
かつて、釘が降ったことで砂漠となったスメール地域において、赤砂の王(キングデシェレト)花の女主人(ナブ・マリカッタ)と友人となり、盟約を結んで共に人々を導いていた。
しかし、花の女主人が無くなり、彼女の虚言に乗った赤砂の王が過去と理想に執着するようになると、彼とは袂を分かって砂漠の一角にオアシスを作り、自身の信者とともに現在のスメールに広がる雨林地帯を復活させ、信者に教えを授けて教令院を設立させた。
また、生前の花の女主人から託された霊光から神鳥「シームルグ」を生み出し、彼女が予言した災禍に対抗するために新生と死の堺を見守る責務を与えた。
赤砂の王が禁忌の知識を砂漠にもたらして災禍が広まった際には、一度は決別した仲でありながら助けを差し伸べ、祭司を招集して各地に神殿を建設して生命の神力を注ぎ、砂漠の全住民をアアル村に避難させて災禍を食い止めることに成功した。
ここで多大な力を使った結果、彼女は幼子のような姿になってしまった。
500年前、漆黒の災厄が世界を覆った際には、再び禁忌の知識による汚染が現れて世界樹を蝕んでいることに気付き、世界樹の浄化を試みたが、世界樹の化身である自らも汚染されてしまったために世界樹を浄化しきることが不可能になり、死の間際に世界樹の枝から自らの転生体であるクラクサナリデビを創り出すことで、彼女に自分ごと汚染を除去させることを試みた。
500年の時を経てその望みは果たされ、世界樹から彼女にまつわる全ての情報が消去されたことで汚染による影響はスメールから取り除かれたが、同時に「マハールッカデヴァータ」という存在そのものが無かったことになり、テイワットに属する者たちの認識は「スメールの草神は最初からクラクサナリデビ唯一人である」というものに書き換えられ、当のクラクサナリデビ本人は「禁忌の知識の除去の結果500年前以前の記憶を失った」という形で整合された。
死の間際に強い意識を世界樹に残していたが、その意識は汚染されているため危険なものとなっており、「神の知恵」に触れようと世界樹の意識に接続を試みた教令院の学者は、どれだけ修行を積んでいたとしてもこの汚染された意識に影響され、例外なく発狂してしまっていた。
  • アルファベットでの表記は”Greater Lord Rukkhadevata”であり、中国語では”大慈樹王”である。
    以上を踏まえると、マハールッカデヴァータという名前の意味は、サンスクリット語で「大きい」「偉大な」を意味する”Mahā”*3及び
    ヒンドゥー教において富の女神または修行者の守護霊として崇拝される樹木のYakṣiṇī(インド神話に登場する神霊)である”Rukkhadevatā”に由来すると思われる。
  • ゲーム内では「亡くなった」「逝去した」といったあからさまに死んだと表現されていた一方、公式テキストや予告番組等ではマハールッカデヴァータに関して「去った」「失踪した」などと露骨に「死」という表現を避けていたように思われたことから、「マハールッカデヴァータは死んでおらず、記憶を失った結果今のクラクサナリデビになったのではないか」という説がVer3.0時点で上がり、その根拠として竈神のような前例や記憶を代償に能力を行使するアランナラの存在などが挙げられていた。
    さらに、Ver3.1でキングデシェレトがもたらした禁忌の知識から砂漠の民を救うために尽力し、能力を使い過ぎた結果「幼子のような姿」へと変貌したことが明らかになり、よりこの説が支持されるようになった。
    • しかしこれは一種のミスリードであり、実際のところは、ナヒーダとマハールッカデヴァータは木に例えるなら原木と挿し木、すなわち現代で言うクローンに近く、同一人物のような別人というのが真実であった。そのため、魔神としての名前はナヒーダと同じく「ブエル」である可能性が高い。
      キングデシェレトの死(数千年前)からカーンルイアの厄災発生(約500年前)まではかなりのスパンがあった為もう一度同じことをしたのかは不明だが、ナヒーダと旅人の前に現れた時はナヒーダとほぼ同じ姿をしていた。
    • なお、マハールッカデヴァータ抹消後の世界では上述の通りマハールッカデヴァータ時代の記憶を失ったという設定となっており、概ねこの説と同様の筋書きとなった。
  • 旅人を含め、世界樹の意識に接続した者は皆マハールッカデヴァータのものと思しき「世界が…私を…忘れて…」という意味深な言葉を聞き取っているが実際は「世界が私を忘れて」ではなく「世界が私を忘れてくれますように」という意味である。
    ちなみにVer3.0のPVでは「忘れて」ではなく「…くれますよう」と言っており。Ver3.0の時点で「世界が私を忘れてくれますように」という文を推測すること自体は可能だった。
    結果として世界の記憶から自身が消えることで世界樹を治療し、彼女の偉業は全てクラクサナリデビの愛称で呼ばれるブエルの偉業になった。
  • スメール特有の風土病「魔鱗病」は禁忌の知識によるもので、マハールッカデヴァータの記録抹消後は全ての患者が完治した。しかし魔鱗病自体は無かったことにはなっておらず、改変後の世界で広がった原因や完治した理由がどう説明されているかは謎のままである。
    アアル村のグラマパラたちも同様に正気に戻っているが、こちらも発狂と追放の経緯がどう説明されているかは謎。
ナブ・マリカッタ(花の女主人 / 花神)
かつてスメール地方の現在の千尋の砂漠地帯を治めていたとされる魔神の一柱で、現在は故人だがスメールにはおいてはマハールッカデヴァータの友人として知られている。
聖遺物「楽園の絶花」のストーリーによると、花の女主人は遥か昔「天空」に住まう一族の一人であったが、ある時天空の外から侵入した存在により破壊の限りを尽くされ、天空を追放された上、呪いを受けたという。
その後、砂漠を彷徨う中で砂利にこすられた踵の傷口から清浄な泉が流れ出し、緑の園圃が生まれ、そこに咲いた夜のように青い睡蓮からはジンニーが生まれた。
ジンニーたちに懇願されたため、彼女は流浪を辞めて園圃に留まることを決めると、園圃には月夜のように美しい紫色のパティサラが咲いた。
魔神戦争が起こる中、彼女は赤砂の王(キングデシェレト)知恵の主(マハールッカデヴァータ)と争うのではなく同盟を組み、三神でスメールの統治を始め、赤砂の王とともにジンニーの都である「アンフィテアトルムシティ」アイ・ハヌムを建造した。
ある明るい月の夜、花の女主人は自身の過去を警告として友人の二人に語った。それは「四つの影の持ち主*4を追うこと及び天空と深淵の秘密を除くことを禁じる」という警告であり、さもなければ災難と苦痛が降りかかる結末を迎えることになるという忠告であった。だが、赤砂の王はその警告を聞き入れず、自らの僭越で反逆的な願望を花の女主人に語った。
彼女は赤砂の王の思想を愚かだと考えたが、同時に彼の行いに未来と希望も見出し、赤砂の王の狂想を叶えることを決めた。
自分に与えらえた過酷な運命の意味は秘密の扉を開く鍵であることだと気付き、自分を犠牲にすることになる上に天からの災いが必然のものになるとしても、天空と深淵のすべての知識に通じる秘密の通路を開くことを決意。
予見された破滅の未来に備えて自身の力の一端である霊光を人間たちの未来とともに知恵の主に託すと、自身の存在と自身が築いたオアシスを代償にして赤砂の王を導き、烈日の光の中へと消えていった。
愛する彼女を失った赤砂の王は彼女のために砂の底に埋もれた「晶石」とジンニーの力を頼りに時さえも留まるオアシス、「永遠のオアシス」を作った。
伝承では美しい角を持った神とされており、踊れば踏みしめた地面から鮮やかな赤紫のパティサラの花が咲いたと言われている。
また、「花神誕祭」の起源は、花神がマハールッカデヴァータの生誕を祝うために開いた祭りであるともされている。
彼女の逝去と共に、象徴であった赤紫のパティサラも絶滅してしまった。
現在スメール各地に咲いているパティサラは前代草神マハールッカデヴァータが花神を記念して創造したものとのこと。
  • 元素について
    元は雷元素やそれに近い力を振るう魔神だったと思われる。スメールプレビュー動画01にて激化反応を「スメールの歴史に深くかかわりがある」と表現していること、伝説任務内で訪れた花神に縁深い地に電気水晶や雷キノコンが多く配置されていたこと、楽園の絶花に稲妻特産の紫水晶が多く使われていることなどがその理由である。
  • 計算高い神であり、赤砂の王が秘めていた野望にかねてより気付いていたらしく、自身の身の上と天空に関する警告を友に告げたのも彼の真意を炙り出すためであったようだ。
    また、赤砂の王が野望を抱くことや自身の忠告に耳を貸さずに邁進することは予想通りであると同時に彼女がそうなるように誘導した結果であるらしいことも示唆されている。
    彼女は、赤砂の王の言葉と夢にこの世界を支配している不条理な枷を超越する可能性を見出したという。
    また、天に対する反逆は幾千万の凡人の知恵を一つに束ねる理念にして幾千万の夢と権力を一つに束ねる偉大な試みであると考え、神の破滅を経験することでこそ凡人が神の意志に背いて奮起する日が訪れることを予期し、神に比べれば知恵も力も矮小な人間が神にすら予想できない可能性を持っていることに気付き、上記の謀略を実行したようだ。
  • 人のために犠牲になることが自らの宿命であり、犠牲もまた新生にとって素晴らしい前奏である、といった犠牲を肯定する主張を持っており、鮮烈な記憶だけを残して消え去る輝かしい死を目指していたという。
    彼女が遺した最後の魂であるシームルグもまた自らを犠牲に深淵を退けており、犠牲の精神が受け継がれているように見える。
  • 名前の由来は、メソポタミア神話に登場する知恵・書記・草木を司る神である“Nabu(𒀭𒀝)”と古代ペルシア語で「女王」を意味する“MLKTA(𐭬𐭫𐭪𐭲𐭠)”が考えられる。
    永遠のオアシスの中央の小島には3つの椅子が置いてあるが、そのうちの一つにはキングデシェレト語で“NABU MLKTA”と書かれている(他の椅子にはそれぞれ“Ruk Dvta”と“Dshrt”と記されている)。
キングデシェレト(アモン/アフマル/赤砂の王)
かつてスメール西方の砂漠を支配していたとされる魔神。高度な文明を築き、「砂漠の民」と呼ばれる部族により信仰されていた。旧表記は「スカーレットキング」*5
なおボイスではアクセントを付けず平板で発音されている。
伝説では花神と草神に加わる形で同盟を結び、スメール地域を統治していたが、花神の死によって発狂した末、数千年前のある時マハールッカデヴァータに敗れて死んだとされている。

知恵の主(マハールッカデヴァータ)花の女主人(ナブ・マリカッタ)の友人であり、また花の女主人のことを愛していた。彼女らと共にスメール地域を統治して人々を導いていたが、密かに天に対する反逆の志を抱いていた。
ある夜、彼は友人らに自らの野望を語り、知恵の主はその内容に震え慄いたが、花の女主人はその野望を称賛し、自らを犠牲にして彼を天空と深淵の秘密に誘った。
彼は知恵の主と袂を分かち、旅路が危険なものであること、目の前で愛する者を失うこと、破滅が必然であることを承知の上で、自らの信者を率いて野望に邁進し始めた。
花の女主人亡き後は彼女の眷属であったジンニーたちの新たな主となり、彼女のために霊廟として永遠のオアシスを建設して大ジンニーのフェリギスを管理者に任命した。
その後は神王として人々を統治し、獲得した知識を基にのちのカーンルイアに引けをとらない高度な機械文明を築き上げた。
しかし、深淵の誘惑に耐えられず、テイワット外からもたらされた世界の真実に関する「禁忌の知識」を求めてしまい、それを広めてしまったことで砂漠に魔鱗病の蔓延や発狂者の続出など深刻な災害をもたらし、かつての友の予言通りに破滅の末路を迎えた。
この事態を察知した知恵の主が尽力したことで災禍は一時的に抑えられたが、「禁忌の知識」は病巣のように世界に巣食い、この知識を世界から根絶しない限り災禍を食い止められないこと、そして自身がこの世に存在する限りそれは不可能であることを悟った赤砂の王は自害を選択し、この世を去った。
なお、生前に草龍アぺプとの間に「自身が得た知識を死後に全て譲渡する」という契約を結んでおり、死後に禁忌の知識が広まることを防ごうとしていた。この契約は果たされ、その結果アぺプは禁忌の知識に汚染されることとなった。
この成り行きを見届けた祭司カサーレは「(マハールッカデヴァータへの)この恩だけは忘れてはならない」と遺すも、歪んだ形で伝説が伝わった結果、彼の遺志とは裏腹に草神への憎悪が広がってしまっている。

砂漠の民は数百の諸侯へ分かれた後、互いに争いを続けた末散逸し、後にエルマイト旅団と呼ばれる集団となったが、
彼らの中でも「アフマルの目」などの一部の過激派は「キングデシェレトは部下であるマハールッカデヴァータの騙し討ちに遭い死んだ」と信じており、
キングデシェレトの再来を望むとともに、現在のスメールとその体制に対して憎悪を募らせている。
一方で、雨林地域でもキングデシェレトは花神の死によって発狂した末に数千年前のある時マハールッカデヴァータに敗れて死んだという伝説が流布しており、雨林の人々には砂漠の民を軽蔑する風潮が残っている。

  • 魔神名について
    序列7番「アモン」。君主格では最強とされる戦闘力ながら義侠心に熱く、ルシファー堕天の際には義勇軍を率いて参戦している。旧約聖書では詩歌の才能も描写されている。
    特筆すべき事項として、アモンにはエジプト神話の太陽神アメン、並びにそれが太陽神ラーと習合して解釈された最高神アメン=ラーに由来するという学説が存在する。
    デシェレトの場合はこちらの側面が強調されているようで、悪魔アモンの綴りである「Amon」や「Aamon」ではなく、英語版ではアメンの綴りの一つである「Amun」表記が採用されている。
    ちなみに、ゲーム中での魔神名の初出こそVer.3.5だが、実際にはVer.3.1の時点で既にアモンで確定的と見られていた。
    上述のようにエジプトとの関連性が強いこと、キングデシェレト文字の解読の結果霊廟に「アモン」の表記があったことなどがその理由。
  • 通称について
    通称としては横文字の呼び名を多く持つ*6が、どれも砂漠地域における赤系統の色の名前に関係する。
    • 「デシェレト(deshret / 古代エジプト語: dšrt) 」は古代エジプト語で「赤い大地=砂漠」を意味する。砂漠を意味する英語「desert」の語源とする説もある。
      また、下エジプト*7の支配者の象徴である赤冠のことも指す。上エジプト*8と共にエジプトを構成し、両者には異なる王朝が成立してエジプトの覇権を争ったこともある。
      大きな対立は2度あったが、どちらもデシェレトを戴く下エジプトの敗北で終わっている。
    • 「スカーレット(scarlet)」は「深紅」を意味する英語だが、その由来はペルシャ語の「سقرلات / saqirlāt」である。
    • 「アフマル(أحمر / ʾaḥmar)」はアラビア語で「赤」。『牧童と魔法の瓶』によれば生前には使われていなかった称号。
  • 容姿について
    未だ作中テキストでの明確な描写はないが、砂漠地帯では猛禽類の頭を持つ男性の立像&壁画が非常に多く、デシェレトとの関係性が考察されている。
    「砂王の投影」(→「金メッキの夢」の冠)はデシェレトが身に着けていた頭巾の形を模しているとされる。
    また、「トキの嘴」内(=「召喚王」)では隼のような眼力を持つ男として描写されている。
七賢者
キングデシェレトに仕えた存在たち。人間もいるようだがスフィンクスらしき存在や龍王も在籍している。
(セノの伝説任務第二幕クリア後、「沈黙の殿」内にいるNPCアセナトが各王の名前などをレクチャーしてくれる)
以下は後世に書かれた創作小説である「召喚王」内でのみ言及されている真偽不明の情報も多いため、区別できるように記述する。
ヘリシャフ
羊の王。首相、卿相。「召喚王」内では赤砂の副王で七賢者の長とされている。
ソベク
ワニの王。統帥。「召喚王」内ではワニの仮面をつけた青い肌の人間として描写されており、トキの王によって秘典の箱に封印されていたところを少年アブーに発見される。
トース
トキの王。書記官。「召喚王」内では多くの宝を所持しており、その一つである黄金の弓を狙うワニの王と幾度となく争った末、彼を秘典の箱に封印した。
ベンヌ
聖者。明ノ頂。キャンディスの盾に砂を操る加護を与えているとされる。「人の魂」を指す。「召喚王」内では太陽の下へ飛んでいく鳥とされる。
シェセプアンク
聖者。聖ノ頂。「ジンニー」を指す。「召喚王」内では雌ライオンの体と女性の顔を持つとされる。
「シェセプ・アンク」とは「魂の像」を意味する古代エジプト語で、スフィンクスの語源と言われている。
ヘルマヌビス
賢者、知恵の頂点。セノが憑依召喚している神霊。神の眷属に昇格したティナル人。神殿内に多数ある黒いジャッカル像は彼を祀ったものと思われる。
「召喚王」内では錬金術にも長けていたとされる。
由来についてはこちらを参照。
アフ・アペプ
草龍。龍の王・霊ノ頂。デシェレトに対し自身の領地内に文明を築くことを許可する代わりに、死後知識と元素力を譲り受ける契約をしていた。詳しくは下記。
「召喚王」内では王の血肉を授かったが、自身を七賢者に属するとは考えていなかったとされる。

アランナラ

スメールに住む小さな草木の精霊。アランナラは「森の民」という意味。千樹の王によって創り出された草神の眷属である。
草木を操り、夢や記憶に関する能力を持っている。普段は「夢の中のヴァナラーナ」と呼ばれる世界に住んでいる。
人間は子供にしか視認できず、一部の例外を除いて大人になると(夢を見なくなると?)姿が見えなくなり、おとぎ話の存在と認識されている。
テイワット共通語で意思疎通は可能だが、「ナラ」(人)、「マラーナ」(死域)など独特の用語を使用し、人に対しては「ナラ○○」と呼ぶ。
時間の概念も人間のそれとは大きく異なっており、太陽や月の上り下り、樹木の成長などを基準にしているが正確な日付や時刻は認識していない。
森を守り、樹と人間の橋渡しをする役割を持っており、一般的には人間を恐れているものの彼らが認めた人間には温厚に接する。
長く生きて記憶や思い出を蓄積していくごとに知能だけでなく力も増していくという性質を持ち、記憶の力によってアランラカラリという超能力のような術を使うことができる。
アランラカラリで具体的に何ができるかは個々に異なるが、個体間で記憶の受け渡しを行うことで力を増したり他者のアランラカラリを使えるようになる。しかしあまり大きな力を行使するとその分記憶が失われてしまう。
かつては人間と共に暮らしており、普通に視認もでき交流もあったという。しかし、500年前の漆黒の災厄により噴出した「マラーナ」により、かつてのヴァナラーナは侵蝕の限りを尽くされる。
千樹の王と共にアランナラはこれらと戦い、厄災の根源の枝を折り、マラーナを生み出す根源「マラーナの化身」と呼ばれる存在を封印することに成功する。しかし、数多くのアランナラが大地へと還る事となってしまった。
マラーナの化身を封印したものの、ヴァーナに広がったマラーナが消え去ることはなく、最終的に現実のヴァナラーナを捨て、「夢の中のヴァナラーナ」を創りそこに移住した。

考察(不確定情報)

アシュヴァッタの樹はヴァサラの樹の中の一個体であること、アランムフクンダ誕生の逸話、作中に登場する3つのヴァサラの樹はそれぞれアランナラの個体が変じて誕生したことなどを考え合わせると、
アランナラは「ヴァサラの樹の種の化身」という可能性が考えられる。
ただし、アランナラが変じた(アシュヴァッタの樹とは別の)ヴァサラの樹の種からも新しくアランナラが生まれる場合があるのかは不明。

アランラナ
非常に古い時代から存在しているアランナラの一人。
失踪したラナを追って旅人が接触した最初のアランナラ。
人里離れて生活するアランナラが多い中、ヴィマラ村の子供達と交流していた模様。
アランナラをあぶり出す目的でファデュイが拉致した子供達を保護し、恐怖を思い出させないために拉致に関する記憶を消して、村に送り返していた。
死域の影響を受けたラナを保護し、旅人に「ビージャの実」を入手することを依頼する。
ウツァヴ祭とマラーナの化身との戦いを終えた旅人の前にアランマによって連れられ、アシュヴァッダの樹に自らの記憶を捧げてビージャの実を実らせる。
その結果記憶を喪失したものの、その記憶はビージャの実の力を受け取ったラナに受け継がれ、ラナと共に長い旅に出る。
アランマ
若いアランナラ。
アランラナの導きでヴァナラーナに到着し、試練を乗り越えた旅人が見つけたアランナラ。
旅人とともにアシュヴァッタ堂でヴァソマの実を入手し、ウツァヴ祭の開催へと導いた。
その後ビージャの実を実らせるためアシュヴァッダの樹へと旅人を案内するも、アシュヴァッタの樹の内部はマラーナにひどく汚染されていた。
アシュヴァッタの樹の記憶を受け継ぎ、そのアランラカラリと旅人の力を合わせて死闘の末に死域の根源たるマラーナの化身を撃破する。
最終的には新たなアシュヴァッタの樹へとなることを決意し、「かつてのヴァナラーナ」の奥底で芽吹き無事ビージャの実を実らせた。
アランラジャ
七天神像前の大きな家にいる、長老らしいアランナラ。焦げ茶色。
古い時代から存在しているアランナラの一人で、「アランラジャの見る夢」そのものが今の「夢の中のヴァナラーナ」であり、ヴァナラーナ奥地にそびえる「夢の樹」の本体。

「アグニホトラ経」に登場

アランナキン
一緒にゾーラ茸を探すことになる。笠に音符の模様がついたオレンジ色。
思ったことがすぐ口に出るタイプなのか、興奮してまくしたてたり、歌に合わせて続きを歌ったら『ありがとう。下手くそだな。』と言ったり。
石トーチを復元したり、石碑に力を与えることができる。
アランガル
一緒にバルサムフラワーを探すことになる。緑色。
ツタ付きの岩を壊すことができる。『アランガルは石を砕ける!ハッ!ハッ!バリンッ!』
アランナガ
一緒にヤグナ草を探すことになる。笠にメガネのような木の輪をつけている茶色。
ツタで特定の足場を浮かすことができる。

「一炊の夢」に登場

アランパカティ
妹。もうすぐウツァヴ祭だというのに『お料理修行』に行って帰ってこない4人の兄(アランチャトラ・アランサカ・アランパス・アランファラ)を連れ戻してほしいと依頼する。
兄妹とはいうものの血縁関係ではなく、一種の役のようなもののようだ。なんなら兄だったこともあるという。兄妹というものはナラヴァルナから聞いたとのこと。
アランチャトラ
料理をする兄その1。アタマダケを求めている。
とても丁寧な話し方をする。山吹色の身体に、紅色のラインが入っている。
アランサカ
料理をする兄その2。「喜びの味」を求めている。
気が小さい。子供の頃の行商人ヨニスと一緒に砂糖を食べたことがあるようだ。
アランパス
料理をする兄その3。極上の水を求めている。
『スープを味付きに変えられる水はないかな…』赤いカエンタケ的な見た目。
アランファラ
料理をする兄その4。「新鮮極上の果実」を求めている。
オレ・アイツ口調。濃緑と濃橙色の笠に、夕暮れの実らしき果実をのせている。

「ヴィマナ聖典」に登場

アランラキャ
水色のアランナラ。ヴァマッダ(ツルつき円球)を回す力がある。
森の異変を察し、デーヴァーンタカ山の遺跡巨像を調べにきていた教令院の学者ジャザリーを警戒していたが、のちに誤解だとわかり、力を貸すことに。
子供の頃のロインジャ&アマディアと共に遊んでいたようだが、今のアランラキャにはその記憶が無いようだ。

アシュヴァッタ堂探し:「間道に繋ぐメロディー」「新芽迸発のメロディー」「獣径を提示するメロディー」に登場

アランヤサ
詩人然としたアランナラ。初対面でいきなり詩を歌いはじめるほど。アランマ曰く『歌摘みのアランナラの中でも一番度胸があって、よくナラの歌を習ってくるんだ。』
アランジ
迅雷樹の南の池からつながるヴァソマの樹はアランジが成ったもの。
そもそもアランナラたちは、よく見られる精霊のような姿だけでなく、樹になることができる。
臆病な性格で、静かな場所でそっと歌うのが好きだったとのこと。「間道に繋ぐメロディー」を遺した。
アランシュティガ
アランマの友達。歌摘みをする。
アランマハ
ヤスナ幽境地下水域のヴァソマの樹はアランマハが成ったもの。「新芽のメロディー」を遺した。
アランダサ
喋るのがあまり好きでなく、鍵括弧つきのセリフや『~♪』で自分を表現する。
アランヤマ
デーヴァーンタカ山東部のヴァソマの樹はアランヤマが成ったもの。
かつてはナラ嫌いでナラ達に対し幻影を作って邪魔をしていたが、とあるナラに見破られる。
以後はそのナラと仲良くなったが、かつての漆黒の災厄ではアランナラやナラを救うためにヴァサラの樹となる。
「獣径のメロディー」を遺した。
かつてはアランニムバ、アランミナリと共に暮らしてたといい、強力なアランラカラリを扱えたという。

「ヴァルナ伽陀」に登場

アランパンドゥ
なのです口調。朽葉色の高い笠にメガネのような木の輪をつけている。
ヴァルナ神器への力の通り道となる『葉っぱ』と『枝』と呼ばれる石を修復することができる(これは以下のアランナクラ・アランバリカ・アランコンティも同様)。
かつてナラヴァルナと共に森を守った。
アランナクラ
臆病な性格で、キノコンに見つかると逃げ出すほど。ヤスナ幽境で一緒に石の記憶(ナラヴァルナの記念碑)を取り戻すことになる。
また、土いじりが好きで、ヴァルナ神器が復旧した後はヴィパリャスの世話をしている。
青柳(色)の笠に黄色い身体、農作業道具のようなものを入れたポケットを左腰につけている。
アランバリカ
遺跡守衛を一瞬で消し飛ばすほど強力なアランラカラリを持つ。
ダーリ遺跡で、遺跡を侵入者から守っている遺跡守衛に対し、もともと森にいるから侵入者もクソもない、こいつは分からず屋だとした上で放った一言が『メガトン大鉄塊が分からず屋なら、アランバリカが分からせてやるしかない。』
その一方、『アランバリカが強ければアランナラを守れる』と発言するなど、仲間や自分の力のあり方についても考えを持っているようだ。
アランコンティ
ときどき屁理屈っぽい…というか回りくどい話し方になるアランナラ。オレンジの蝶ネクタイをつけている緑色。夢の林(アパーム叢林中西部の地下)でお世話になる。
アランカラ
ヴァナラーナ西部の苗畑にいるアランナラ。「ヴァルナ伽陀」終了後、帰ってきたアランナクラと一緒にヴィパリャスを育てており、ヴァスミリティを集めることになる(「芽吹く新たな蕾」)

「ウツァヴ祭」およびフィールド上、その後の話などに登場

アランカヴィ
ヴァナラーナ中央の池のところにいる、オレンジ色のアランナラ。年長者的なポジションで、アランマを激励し、またアシュヴァッタ堂探しにアランヤサ・アランシュティガ・アランダサを送り出す。
アランリラ
かくれんぼをしているアランナラ。緑の笠と赤いライン。普段はヴァナラーナ中部のトンネルから、真東に抜ける道にアランニシャットと二人でいる。
アランニシャット
かくれんぼアランナラ2。黄色。
アランイシャ
いつもなぞなぞを考えている。ウツァヴ祭ではおいしいなぞなぞを出してくる。
アランカンタ
かけっこをしているアランナラ。『足の速さ勝負』を挑んでくる。普段はヴァナラーナ東部でポコポコと走っている。
アランヤシ
七天神像の前でみんなを守ろうと気を張っている。『ここを見張って、みんなの安全を守らなきゃ…』ウツァヴ祭の最中も気を抜かず、『祭りのときこそ…油断しちゃダメだ。』
アランカルマン
夢の樹の前にいて、昔のアランナラたちにまつわる物語を聞かせてくれる。髭付きの焦げ茶色。
アランビナイ
夢の樹の前にいる。特定の任務をクリアし、"〇〇に関する物語"を手に入れて聞かせると、鍛造設計図と交換してくれる。山吹色。
アランプラブ
アランダーシャに憧れ、修行をがんばっている。ヴァナラーナ東部の家の前にいる。
アランマニ
商人アランナラ。背中にバッグを背負っている。ヴァナラーナ中部のトンネルにいる。商魂たくましく『イチオシの品』…もとい『特産』ことスメール特産品を売ってくれる。
アランロヒタ
妙論派の学者として教令院の歴史に名を残している、「カビカバス」と共に旅をしたというアランナラ。
旅の中で得た知識により、普通のアランナラにはない時間の概念を理解していたようだ。
アランニムバ
各地を旅するアランナラ。層岩巨淵で手に入る「種」を蘇らせることで出会う。
黒いナラ(おそらく黒蛇騎士)に追い詰められた際に、自らを「種」になるまで退化させ眠ることで生きながらえていた。
かつてはアランヤマ、アランミナリと共に暮らしてたといい、絵を書くのが得意だったという。
アランミナリ
とある場所で宝箱を守るアランナラ。
スメール各地のアランナラに手を差し伸べると、箱の中身をアンラミナリ自らが詰め込んでくれた上で譲ってくれる。
アランマ曰く、アランミナリは「宝」を「箱」に入れるのが好きなんだとか。
アランムフクンダ
最初のアランナラであり、「アランナラの物語」の始まり。
かつて500年前の漆黒の災厄ではアランダーシャ、ナラヴァルナと共にデーヴァーンカタ山の巨大な遺跡機械を討伐した。
マラーナの化身の最後の封印として、巨大なヴァサラの樹となりその身を捧げた。
マラーナの化身との決戦において自らの記憶をアランマに渡し、サルバへと還った。
旅人たちが目にしていた「アランムフクンダ」はおそらくサルバから自らの体を顕現させたもの?
アランムフクンダのアランラカラリはサルバを通して瞬間移動する「転送」を行えたことからも、サルバに関するアランラカラリを使えたのかもしれない。
最初のアランナラで長く存在しているだけあって知能もかなり高いようで、「年」の概念を利用するなど完全に人間に合わせた語彙で会話ができる。
アランダーシャ
アランナラの物語において最も強かったとされるアランナラ。
アランダーシャの持つアランラカラリは千樹の王より強力とされ、遺跡機械程度なら倒すことも容易だったという。
そのアランラカラリは最初から強かったわけではなく、修練によって鍛え上げられた賜物だった。
また、スメール各地で遺跡機械を封じている「石の錠」はアランダーシャのアランラカラリによって施されたもの。
アランダシャン
「石の錠の伝説」で登場。16個の石の錠を解き、封印されているメガトン大鉄塊を片づけて欲しいと頼んでくるが、いかんせん登場するのは16個すべて終わった後である…。一人称が「アランダシャン」。オレンジ色の高い笠。
アランユタ
アランダシャンの友達1。アランダーシャの伝説を熱く語ってくれる。『ねえねえ、次はボクに語らせて。ボク、その後の物語がいっとう好きだ。』緑色の笠に薄い桃色の花が咲いている。
アランサタ
アランダシャンの友達2。よく比喩を使う。『どんなに頑丈な崖でも、風で石は落ちてしまうし、どんなに立派なアリの巣も、嵐で泥に崩れてしまうでしょう…?』オレンジ色の笠に、赤みがかった色の身体。
アランサハ
アランダシャンの友達3。口数が少ない。『…ありがと。』身体も笠も青よりの緑。
アランシャクン
「勇気を心につけて」で登場。勇気をなくしてしまったというアランナラ。昔、大事な友達を勇気を振りしぼって助けたところ、その友達から勇気の証として花を貰った。それ以来、勇気=その花と考えているようだが…
アランボタ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ1。「いいもの」を数えるゲーム(数を記憶するゲーム)で遊ぼうと言ってくる。璃月-スメール国境の丘、池と池の中間あたりにいる。オレンジ色の笠。
アランハドゥ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ2。キラキラ(元素粒子)を隠すゲームで遊んでくれる。ヤザダハ池南西のワープポイントから南東のところにいる。山吹色。
アランダニシ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ3。すばやく指定した物を見つけるゲームで遊ぶことになる。デーヴァーンタカ山東部、高所ワープポイントから西に降りたところにいる。『やっぱり聞いた通り「仕事が早い」の!』濃緑色の笠。
アランチャントラ
ミニゲームに誘ってくるアランナラ4。『金色のナラって、アランラカラリを使わなくても強いの?』 順番に壺を割るゲームで「腕を披露」しよう。マッシュラプトルのワープポイントから見て南の丘の上にいる。黄味がかった身体に早苗色の笠。
アランプールヴァ
伝説任務 琉金の章 第二幕に登場。一人称は「ワシ」。
旅人に呼び出されたところに想定外の人物がいても冷静に対処し、成熟した精神でありながら童心を忘れない宵宮を認め、力を貸す。
アランシャニ
伝説任務 琉金の章 第二幕に登場。エービンの友達。
アランナラの会話に出てくる用語
ナラ
人、人の形をしたもの
マラーナ
死域
ワルカ
砂、砂漠
ヴァーナ
サルバ
地脈
マハヴァナラーナパナ
夢の中のヴァナラーナ、アランナラの宇宙
ヴァナキ
トリックフラワー・炎
千樹の王
マハールッカデヴァータ
ワルカの王
キングデシェレト?
ヴァルナ秘宝
アパーム叢林で湧き上がる巨大な水柱
ヴァルナ神器
アランムフクンダと千樹の王によって創造された天候操作装置
ヴァサラの樹
雨林の一部の地域に生えている樹木の一種。螺旋のような形状が特徴的だが、この形状の樹はマラーナの侵蝕により枯れた個体である可能性がある。アシュヴァッタの樹にエネルギーを供給するヴァソマの実を生み出すことができる。
アシュヴァッタの樹
現在の雨林ができる前、千樹の王の歌によって誕生した最古のヴァサラの樹。千樹の王の頼みに応じて実らせたザクロの実の種から最初のアランナラであるアランムフクンダが生まれた。
そのため、アランナラは自分たち全員を「アシュヴァッタの樹の子供であり、千樹の王の子供」と考えている。
強力なエネルギーを秘めたビージャの実を生み出せるが、実際に生み出すためにはアシュヴァッタの樹自身が3つのヴァソマの実からエネルギー供給を受けなくてはならない。
アランラカラリ
アランナラが持つ記憶によって構成された個々によって違う特殊な力の総称。
自身のアランラカラリ以外にも、他のアランナラから記憶を受け継ぐことでそのアランナラのアランラカラリを使えるようになる。
このアランラカラリは修練で鍛えることも可能なようで、キノコン相手すら倒せないアランナラから、アランバリカのように遺跡機械を一撃で粉砕するアランナラもいる。
また、アランナラの力の根源は「記憶」であり、アランラカラリとは別に「記憶を消費」することで行使することのできる力がある。
記憶の力は強力ではあるが、使うと当然その記憶は流れ出てしまい、力も失ってしまう。
アランラカラリとは、元々アランナラが千樹の王やナラを称えるための賛歌で、古い言葉で「マハーミトラクサストートラ」と呼ばれ、「死」の使徒に対抗できるとされていた。
アランムフクンダ、アランラナはかつての千樹の王の奇跡を目にした事により、アランラカリの力を手にしたという。

大赤砂海王名表

スメールの砂漠地帯には長い歴史があるのだが、入れ替わりが激しい上に作中で概観が書かれた書籍がないため、いまいち前後関係をつかみにくい。
そのため、参考として、以下にそれぞれの時代の代表的な王もしくは英雄を時系列順で示す。

  • 1 キングデシェレト存命時、ジュラバドの建国と最盛期
    • フヴァストラ:暴君。リルパァールの夫オルマズドが打倒した。
    • オルマズド:ジュラバド初代の王。リルパァールの夫。牧童から身を立てたが暴君となり、娘のシリンに毒殺された。
    • キスラ・パーヴェズラヴァン:砂海史最大にして最高の英雄王。「勝利の霊」「勝利の魂」とも。孤児からジュラバド第2代王となり、砂海の諸国全てが臣従する諸王の王となる。オルマズドとリルパァールの娘のシリンを妃としたが、実は自分も二人の実子。
    • シェロイ(「黄銅の仮面」ホラムディン):ジュラバド第3代の王。キスラとシリンの息子。父に捨てられたが下層民を率いて打倒。即位直後に大災害で王国が半壊し、後世「疫の王」と蔑称で呼ばれる。
      • シェロイの死後にキングデシェレトが王国崩壊を裏で画策したリルパァールを罰しているので、この時はまだキングデシェレトは存命だった。
  • 2 キングデシェレトの死後から古代ジュラバド崩壊まで
    • カブスベイ:シェロイの正統な後嗣とされる人物。長い時を経てジュラバドに帰還した。
    • ラムシャフ:カブスベイを非難してジュラバドの王位を簒奪か?(離れた時代の人物の可能性もあり)
      • ラムシャフの宣言に「もしアフマルが健在していたなら」とあるので、ラムシャフ王の代で既にアフマル(キングデシェレト)は死亡していたと思われる。
    • アルダシール:ラムシャフの息子。幼くして王となったが間もなく死亡。
    • トゥラン:ラムシャフに仕えたサレハのハガン(君主)。アルダシールを相国として補佐し、その死後にジュラバド摂政として実権を握る。しかし(反乱か何かによって)三人の息子と共に処刑された。
    • フマーユーン:ラムシャフに仕えたトゥライトゥーラ王。摂政トゥランが逆賊として処刑された後、ラムシャフの王女と結婚してジュラバド王位を兼ねる。しかしジンニーの反乱で殺害された。
    • ムアザム:三神統治時代の旧都アイ・ハヌムを再建した人物で、元は「ガルサスプ」としてラムシャフに仕えていた。フマーユーン死後の戦国時代を平定しムアザムハガンに改名、「すべてのハガンの大ハガン」として、統一王朝の首都をジュラバドから別の都(アイヌ・ハヌムか?)に遷都したが、その代で滅び、遺民はトゥライトゥーラに移った。
  • 3 トゥライトゥーラ王国の興亡とアアル村の建設(古代ジュラバド最後の王ムアザムよりかなり後の時代)
    • サリブ・ドーレイ:元はグーダルツという名前で、トゥライトゥーラの有力者(武将もしくは王)だったが、廃墟ジュラバドを再建して砂海の統一王となり、「蒼暮細雨」と呼ばれる平和を築く。
      しかし王子フォジールの急死事件を契機として治世末期に内乱を招き、オルガナの覇王ムザファールに敗北して一族もろとも処刑された。
    • ムザファール:オルガナ(現在のオルモス港)の覇王。サリブ・ドーレイを破りジュラバドを破壊、砂漠諸国を蹂躙した後、トゥライトゥーラに新拠点を定めた。
    • ズムルド(「緑の王」):トゥライトゥーラ王。ムザファールの息子。99人もの子がいた。
    • バッダナー:ズムルドの孫か?(息子とする碑文もある)。踊り子マカイラを側室とするが、実は彼女はバッダナーの先祖に滅ぼされた国の王族の末裔であり、王子ファラマーツと共謀したマカイラに暗殺された。
      • ★4両手剣「マカイラの水色」は、このマカイラの武器である。
    • ファラマーツ:バッダナーの息子。父の側室マカイラと共謀し父王を暗殺させて即位、マカイラを摂政王妃とした。
      • ★5片手剣「萃光の裁葉」はファラマーツの晩年の武器(後述)。
    • バラシュ: ファラマーツの叔父。トゥライトゥーラの相国だったが、甥から国王の座を譲位された。
    • ファラマーツ(復位):国舅(=マカイラの親戚)のゴーラツが反乱を起こして、ファラマーツを復位させ、ゴーラツとマカイラが共同摂政となった。
    • ゴーラツ:ファラマーツから王位を簒奪して追放し、親戚であるマカイラを妃とする。しかし民衆からの猛抗議を受け殺害された。
    • ファラマーツ(再復位):マカイラはファラマーツを呼び戻して再婚し、摂政王妃として内乱を平定した。しかし間もなくマカイラは毒殺され、ファラマーツも市民と結託した奴隷兵士によって退位させられ、雨林に追放された。
    • サイフォス:厳密には王ではなく、王無きトゥライトゥーラの守護者として活躍した英雄詩人。「盲目の詩人」の弟子で、マカイラの元恋人でもある。
      亡国の王子であり、故国再建と永遠のオアシス発見を目指していたが、砂漠の傭兵となっていた前王ファラマーツに敗北し殺された。
      • ★5片手剣「聖顕の鍵」と★4片手剣「サイフォスの月明り」は、このサイフォスの武器である。
      • なおサイフォスを敗死させた後、ファラマーツは雨林地帯を制覇しようと単身乗り込むが、森林王や女狩人、アランナラたちと接することで野心を捨て、森を守る戦士となっている。★5片手剣「萃光の裁葉」は。この雨林時代のファラマーツの武器。
    • 「盲目の詩人」:英雄詩人サイフォスの師匠。砂海の戦乱が終わらないこと、弟子が志半ばで討死したことに絶望した彼は、砂漠の片隅に新たな地を開発し、キングデシェレトの昔の夢に因んで「アアル」(=「葦」)と名付けることにした。
      • ★5両手剣「葦海の標」は、おそらくアアル村の位置にあったキングデシェレト時代の遺跡アクタモンから彼(かその仲間)が発掘した剣であり、アアル(葦)という名前はこの武器に因んでいると思われる。

ジュラバド

花神ナブ・マリカッタの死後、その遺民によって建国された国の一つ。初代君主は人間のオルマズドで、その正妃は大ジンニーのリルパァール。
花神の元眷属であるジンニーと、彼女たちと契約を交わしたキング・デシェレトの両方の加護を受けたため、当初はスメールの砂漠諸国の中で最も繁栄した国だった。
赤砂の石板では「真珠の中の真珠」「星の中の星」と呼ばれている。

初代オルマズドは暴君であり、その治世は厳しい奴隷制であった。
しかし、孤児から英雄となったキスラ・パーヴェズラヴァンが、オルマズドの娘シリンを妻とし第2代の王となると、砂漠の全諸国が従属するほどの栄華を極め、キスラは諸王を束ねる統一王となる。
キスラ王はジンニーの欠片が入った機械を導入し、奴隷制を解放したが、それは逆に下層民たちが職を失ってますます困窮する結果になった。
そのため下層民を率いた「黄銅の仮面」ホラムディンがキスラを打倒し第3代となるが、実はその正体は父に疎まれ幼少期に捨てられた王子シェロイだった。
シェロイに父殺しをそそのかしたのは母シリンだが、さらに彼女に予言を伝えたのはシリンの母リルパァールである*9
また、リルパァールはオルマズド一族を蜂蜜で溺死させたという伝説も残されており*10、ここから「ジンニーの母」という忌み名で呼ばれる。
第3代シェロイの死後も王国自体はある程度存続したようだが、内乱で王が二転三転するなど混乱が続き、ジンニーの反乱なども発生、やがて伝承のみに語られる国になっていった。

王朝崩壊の真相はリルパァール本人によって世界任務で語られており、おおまかな流れはおおよそ表の歴史通りであるが、細部はそれよりもさらに背徳的な復讐譚となっている。
キスラはリルパァールの実子(つまり妃シリンの実弟)である、そもそもシリンとキスラ姉弟の誕生からしてリルパァールの破滅計画の一部である、オルマズド一族は蜂蜜ではなく漆黒の力(アビス?)に呑まれた、など。

  • モデルについて
    ジュラバドの元ネタは、イラン(ペルシア)の最盛期であり、当時の人類文明の中心地であった大帝国サーサーン朝(226年 - 651年)であろう。
    英語版の綴りはGurabadで、これはペルシア語で「Gurの都市」という意味だが、サーサーン朝最初の都はゴール(Gōr)もしくはグール(Gūr)という市に置かれていた(現在のイランのフィールーザーバード)。
    ジュラバドの興亡史は、「パルヴィーズ」(勝利者)の尊称を受け英雄と讃えられた帝王ホスロー2世(アラビア語名キスラ)と、その息子のカワード2世(幼名シェロエ)の歴史が下敷きになっていると思われる。

    余談だが、サーサーン朝建国者のアルダシール1世は、女神アナーヒターの神殿の最高神官の家系に生まれ、自身もその聖職者だった。
    しかし作中のジュラバドは、スメール三神の中で花神とキング・デシェレトとの関係が深く、逆にアナーヒターがモデルと思われるナヒーダとは縁がほぼないという逆転関係になっている。
    一応、「花神誕祭」はジュラバドの行事でもあったが……。

ジュラバドのジンニー

リルパァール(リルファル)
ジュラバドの建国者オルマズドの正妃となったジンニーであり、花神ナブ・マリカッタの右腕フェリギスを姉に持つ実力者。
蓮の葉の上の香しい露の間から生まれ、「睡蓮の娘」の異名を持つ*11。後世では「ジンニーの母」とも呼ばれるが、これは蔑称に近い。

数千年前、牧童オルマズドに一目惚れして籠絡し、キング・デシェレトと共に彼に恩寵を授けて暴君フヴァストラを打倒させ、さらに姉フェリギスの助力も得て新王国ジュラバドを建造した。
しかし建国後、凡百の暴君と化した夫に失望した彼女は、三代かけて彼の王朝を滅ぼすという邪悪な復讐を思いつく。
娘のシリン、息子のキスラ(表の歴史では娘婿だが実は実子)、孫のシェロイをそそのかし、最後は「漆黒のアビス」の力にまで頼ってオルマズド一族を互いに争わせて崩壊させ、これがジュラバド衰退の原因になった。
旅から帰還したキング・デシェレトはジュラバドの顛末に驚いてリルパァールの魂を分割し、それらは七人の賢者によって秘匿された*12
碑文には「…無限の時間が彼女に…救いの希望を与えるように…」とも書かれており、キング・デシェレトからの刑罰であると同時に精神治療のようでもあったようだ。

作中軸では、「永遠のオアシス」を探す旅人とジェイドによって解放させられ、一目で気に入った旅人に臣従する契約を結ぶ。
目的は永遠のオアシスに眠るはずの花神の遺体を一目見ることだったようだが、それはキング・デシェレトと姉フェリギスが流した偽装情報であり、実際にはオアシスに遺体など残されていなかった。
本来であれば復讐心に怒り狂うはずであったが、(キング・デシェレトが予想した通り)数千年の封印を経て既にそのような感情は流れ去った後だった。
最後はジュラバドの遺構を懐かしく見届けた後、王国崩壊の真相を旅人に語る。そして自分が撒いた禍根である漆黒の力と相対するため、また子どもたちの魂に会いに行くため、旅人の元を離れた。

  • 元ネタについて
    英語版の名前はLiloupar。異名が「睡蓮の娘」なことから、ペルシア語で「睡蓮」を意味する女性名「ニールーファル」(نیلوفر、Niloufar)が由来と思われる。
    とすればニィロウと語源がおそらくかぶっていることになるが、二人の関係は不明。性格は正反対だ。

    歴史的なモデルは、サーサーン朝のホルミズド4世の妃でホスロー2世の母に相当する人物と思われる。
    しかし、中東史を代表する偉大な帝王の母にも関わらず、大貴族ヴィズタムの姉妹という以外はあまり注目されない女性で、名前すら残っていない。
    この辺のミステリアスな要素も、リルパァールの物語の着想のもとになったのかもしれない。

フェリギス
花神ナブ・マリカッタの眷属であるジンニーで最高位の精霊。リルパァールの姉。妹同様、尊大な性格ではあるが千尋の砂漠周辺のオアシスを維持する等妹とは異なり人間に尽力したジンニー。
花神復活を条件にキング・デシェレトと契約を結び、ジンニーを引き連れてその傘下に入った。
当初はアイ・ハヌムを守護していたが*13、後に妹の夫であるオルマズドのもとに派遣されてジュラバドの建設を手伝う*14。また、花神の霊廟として「永遠のオアシス」を建造し、自らそれを維持する装置のパーツとなった。
第2代の王である英雄キスラ・パーヴェズラヴァンに対しては、リルパァールの謀略に耳を貸さないよう忠告するが、その諫言が聞き入れられることはなかった*15

ジュラバド崩壊後も、数千年に渡って永遠のオアシスを守っていたところへ、旅人とジェイドに解放されたリルパァールが来訪。
一目だけでも主人の遺体を見たい、と懇願するリルパァールに裏切り者は去れと拒絶して戦いになるが、旅人たちに敗北した。
消滅する直前、実は「永遠のオアシス」に花神の遺体など残されていないことをリルパァールに明かす。
遺体がないことを知りながら花神復活という虚偽の契約をキング・デシェレトと結んだ理由は、「無名の石碑・3」からすると、たとえ束の間だとしても花神の遺民たちに希望と喜びを与えたかったからのようだ。

  • 名前について
    英語版はFerigees。名前の元ネタは、ペルシア最大の叙事詩『シャー・ナーメ』(『王書』とも)の登場人物、英雄王カイ・ホスローの母ファランギースの異綴り「ファリーギース」(Farīgīs)と思われる。

ジュラバドの人類

オルマズド
シリン
キスラ・「パーヴェズラヴァン」
シェロイ(ホラムディン)

英雄の時代(2000年前~500年前)出身

霊光(クヴァレナ)
花神ナブ・マリカッタが生前、悪夢の到来の未来に備えて、自身の体から分離させた聖なる力。聖遺物「霊光起源の蕊」では花神から「私の無邪気な娘」と呼ばれている。
誕生は魔神戦争終結以前(2000年以上前)と思われるが、便宜上ここに記載。
生まれた瞬間から度重なる転生を運命付けられており、後に草神マハールッカデヴァータの力で神鳥シームルグに変えられ、さらに500年前には水神エゲリアの亡骸の力と融合して霊光百種(花霊を含む)となっている。

なお、日本語版と中国語版では世界任務「善悪のクヴァレナ」の任務名で「クヴァレナ」(赫瓦雷纳)という用語が用いられているが、英語版を見る限り「霊光」と同じ意味である。

  • 「霊光」の元ネタについて
    中国語の「灵光」(língguāng、霊光の簡体字)は、神や仏の後光のこと。後述するフワルナフ(クヴァレナ)の訳語として用いられていると思われる。
  • 「クヴァレナ」の元ネタについて
    英語版では「霊光」も「クヴァレナ」も、いずれもKhvarenaとなっている。
    よって元ネタは、ゾロアスター教の「フワルナフ」(アヴェスター語:𐬓𐬀𐬭𐬆𐬥𐬀𐬵、Khvarenah)であろう。クヴァレナはその英語読み。
    直訳は「栄光」だが、ゾロアスター教における神聖で神秘的な霊力を指すとされ、選ばれし者への加護として与えられることがあるとも言われる。
    (『原神』のジュラバドの元ネタと思われる)サーサーン朝ペルシアの芸術では、神や王などの後ろに指す後光(=中国語では灵光(霊光))として表されることが多かった。
シームルグ
マハールッカデヴァータが友人であるナブ・マリカッタから託された霊光から作り出した、千万の鳥の色と千万の花の和声を一身に持つナブ・マリカッタの最後の魂たる神鳥。
いずれ漆黒の災いが訪れることを予言したナブ・マリカッタが人の世を守らせるために遺していった存在であり、漆黒の悪意と『死』の脅威から生命を守るために自らを犠牲にすることが宿命付けられていた。
マハールッカデヴァータによって新生と死の堺を見守る責務を与えられると災いの到来まで眠りにつき、予言通りに災いが訪れると、先代の水神の亡骸から生じた甘露を飲み、保有するすべての霊光の力と融和させて霊光百種を創造し、黒淵の穢れを浄化して甘露の純潔さを守るために自らの体を崩して無数の霊光となって災厄を鎮めた。
神鳥の死後は霊光百種が花海を守護するようになり、百種の中でも知性を持つことができたものが花霊となった。

カーンルイア滅亡・大災害時代(500年前~数百年前)出身

魔神

ブエル(ナヒーダ/クラクサナリデビ/マハークサナリ)
現在の草神で知恵を司る七執政の一柱。幼い女性の姿をしている。約500年前に起きた漆黒の災厄の後の生まれた最年少の七神。
強力な肥料「豊沃の恵」を生成(作成?)し、砂漠地帯が国の大部分を占めるスメールの農業を助けている。生誕日は花神誕日と呼ばれ「花神誕祭」という祭りで祝われている。
先代草神の失踪を受けた教令院の賢者たちによって、子供同然の知識しか備えていない状態で発見された後、スラサタンナ聖処に幽閉され、今に至るまでアーカーシャ端末を通じ知識を蓄えている。
賢者らによって事実上の軟禁・隠蔽状態にあるため自身の信徒はほとんどいないが、スメールの民を気にかける志に変わりはなく、アーカーシャや夢を通じて接触し、彼らを導いてきた。
第三章の最終盤に自身の誕生の秘密をマハールッカデヴァータから聞かされる。さらに、世界樹の禁忌の知識による汚染を除去するためには、この知識に触れてしまった自身がこの世から去ることが必要だが、世界樹と深く結びついた存在ゆえに死ぬだけでは世界樹に記憶が残り続けるため、「マハールッカデヴァータ」という存在を世界樹の記憶から完全に消去することでしか治療は行えないことを告げる。
世界樹の記憶に干渉し過去が改変された結果として、マハールッカデヴァータという神は最初から存在しないこととなり、マハールッカデヴァータとして起きた出来事がそのままブエルへと置き換えられ、スメールは一度も神が代替わりしていない国となりブエルも魔神戦争の勝者になり、かつ500年前に力を使い果たして記憶を失い、幼子の姿になったことに失望した賢者により幽閉された神ということになった。こっちの方がより賢者の愚行感が増している気がする
改変前での世界では「(太陽たるマハールッカデヴァータに対して)私は月に過ぎない」といった自虐めいたセリフを繰り返し発していたが、改変後はそのようなことを口にすることは無くなった。
  • ヌヴィレットが評しているように以前旅人が訪れた国の神と比較すると個々に入れ込む傾向が強く、特に幼い時のドニアザードや放浪者となったスカラマシュとの関わり方は彼らの今後の生き方を導いていっているようにも見える。
  • 名前・元ネタについて
    名前の由来は、パーリ語の”Kusanāḷi”(意味は吉祥草、もしくは吉祥草に宿る精霊)と、サンスクリット語の”Cūla”(小さい、“Culla”とも)及び”Devi”(女神)であると思われる。
    また、中国語表記では”小吉祥草王”であり、英語表記では“Lesser Lord Kusanali”であるように、“Greater Load Rukkhadevata”であるマハールッカデヴァータよりも位が低い存在であるかのように記載されている。
    放浪者のキャラクター紹介で登場した名前である「マハークサナリ」は、このまるで矮小な神であるかのようなニュアンスを消したものであると思われる。
    魔神としての元ネタは序列10番「ブエル」。ライオンの頭に、まるで車輪のように5本のヤギの足が生えた奇妙な姿をしている事で有名。自然哲学・道徳哲学・論理学やあらゆる薬草の薬効に詳しく、病の治療(特に病気の人間を健康体に戻す知識)に精通する、草の神・知識の神としてこの上なくピッタリなモチーフだろう。
  • 賢者達が自ら迎え入れた神を軟禁し隠蔽するという不可解な行動の意図は、「新たな神の誕生はマハールッカデヴァータの死を証明してしまうため、(ほかの誰かによって発見、あるいは本人の顕現によって)新たな信仰が生まれる前に軟禁し神の行動を制限することでマハールッカデヴァータ信仰を維持させた」ということだと考えられる。この目論見通り、現在のスメールの人々はマハールッカデヴァータの死やクラクサナリデビの誕生自体は認識しているものの、マハールッカデヴァータへの信仰は引き継いでおり新たな神への信仰はほとんど生まれていない。本人は特にこの措置に不満を持っておらず、マハールッカデヴァータに及ばない自身を自覚したうえで「彼らは間違っていない」「(少なくとも魔神任務第三章・第二幕の一件までは)教令院の統治に大きな問題は一度もなかった」と発言している。その言の通り、マハールッカデヴァータのような強大な力は保持しておらず、知恵の神としての力も現在はアーカーシャを通じて行使するにとどまっているようだ。
  • ブエルという名前が判明するのは第三章の最終盤に神となったスカラマシュより告げられた。ここまで魔神名が伏せられていたのはおそらくクラクサナリデビ=マハールッカデヴァータであると思わせたかった意図が関係しているものと思われる。
  • 魔神任務第三章終了後、各魔神たちからナヒーダに対する賞賛の声があがっているのだが、本来の歴史ではナヒーダは生誕から現在に至るまで幽閉されていたため、ナヒーダと各魔神たちに面識は一切ない。そのため彼らの発言に矛盾が生じているが、その点に関するフォローなどはない。
ティル・ヤザド
世界任務「善悪のクヴァレナ」の最終章「ティル・ヤザドの賛歌」のタイトルになっている用語。「霊光絶唱」に関わる任務であり、名前の元ネタ(後述)が雨神であることから、おそらく「霊光百種」の母としての水神エゲリア、もしくは500年前にその亡骸から生まれた甘露活水のことを指すと思われる。
  • 名前について
    英語版はTir Yazad。中期ペルシア語(パフラヴィー語)で「中級神ティル」といった感じの意味。
    ヤザドは、ゾロアスター教で「中級の善神」を意味するヤザタ(アヴェスター語:𐬫𐬀𐬰𐬀𐬙𐬀、Yazata)の中期ペルシア語形の一つ。
    ティル(現代ペルシア語:تیر、Tir)は、ゾロアスター教の慈雨の神ティシュトリヤ(アヴェスター語:𐬙𐬌𐬱𐬙𐬭𐬌𐬌𐬀、Tištrya)の、中期ペルシア語および現代ペルシア語での呼び名。ちなみに男神である。
    旱魃の悪神アパオシャに一度敗北するが、人間からの供物の力で最高神アフラ・マズダの神威を得ることができ、再戦で死闘の末に勝利したとされる。

人間

「緑の狩人」(ヴィリデセルン?)
弓使いの女性。元々は鳥や獣を狩る普通の狩人だった。
古国が大災害に襲われた折、盲目の少年の死に際の願いを聞いた後、仇討ちとばかりに漆黒の獣を狩る狩人となる。
幾度も獣たちを狩り続けた末、自身もまた獣の姿となってしまい、最終的に黒騎士(血染めの騎士?)に討伐される。
ナラヴァルナ
数百年前のマラーナ(死域)の出現によってヴァナラーナが危機に陥った際に現れた伝説のナラ(人間)。
名前を名乗らなかったため、ヴァルナ神器を修復した功績からナラヴァルナと呼ばれるようになった。
旅人と同じ金髪をしていたらしく、アランナラたちは旅人に似た雰囲気を感じている。
  • 「兄(妹)について良く語っていた」などの情報や、主人公の性別で三人称や前述の兄妹表記が変化することから、その正体は双子の片割れでほぼ間違いないと考えられる。
    旅人自身も感づいてる様子が時折見られたが、そのことを口にすることは無かった。
  • 上記のようにナラヴァルナという呼び名はヴァルナ神器に由来する。ヴァルナはインド神話における最高神の1柱であり、当初は天空神や司法神とされていたが、時代の経過とともにこれらの神格は他の神のものとされ、最終的にヴァルナは水の神、海上の神という地位に定まった。ヴァルナ神器の名称はこちらに由来するだろう。
    また、インド神話には同じく最高神としてミトラという契約の神が登場するが、ヴァルナとミトラには密接な関係があり、両者は双子であったとされることもある。
ロザリン・クルーズチカ・ローエファルタ
ファトゥス第8位「淑女」。モンド出身だが、モンドにドゥリンが襲来した時にはスメール教令院に留学していた。
彼女が使う炎元素は学生時代に研究していたもので、何らかの方法で邪霊を融解させたもの。*16
研究内容から素論派と思われる。
ナガルジュナ
スケプティック団の創設者である隻腕の賢者。他学派から忌み嫌われていた「戦争こそテイワットの本質」という派閥を率いていた。
教令院の学者たちを率いて荒石の砂漠に向かい*17、花霊たちやダインスレイヴと共に漆黒の軍勢と戦った。
その後自身は地下の遺跡(カーンルイア跡地?)に向かって以降行方不明になったが、残った学者たちは共に戦った花霊達との縁から、スケプティック団としてこの地に居住することになる。
  • ナガルジュナは2世紀頃のインド仏教の僧。日中では漢訳名である龍樹の名で知られる。

人間の時代(数百年前~現代)出身

魔神

七葉寂照秘密主(しちようじゃくしょうひみつしゅ)
またの名を「正機の神」。創神計画の産物であり人造の神。ブエルいわく人間の英知の結晶であり、真の神に匹敵するほどの力を持つ。
雷神が製作した機械人形、ファトゥス「散兵」を使って造られたもの。動力源として雷の神の心が搭載されている為か神の権能を自在に扱えている。
散兵を製作した技術はカーンルイアのものであり、スメールがかつてカーンルイアと協力関係にあったことから関連する技術の知恵を持っていたと考えられる。また博士も神を造れると過去に語っており、彼は数百年散兵を研究対象としていたため、それに関し熟知していたと思われる。
本来の計画ではこの体に神の缶詰知識を入れることで『教令院の望むマハールッカデヴァータ』になり散兵の自我は消失するところまでが計画であったが、本編では最終段階に行かない段階(=散兵の自我が消失していない状態)で旅人とブエルに破壊された*18
中核である散兵は、出生的な本能と過去からの神の心に対する執着があり、自我を失ってまで「心臓」を欲していた。
またのちのストーリーやエピソードPVなどで判明する通り、散兵は一種の破滅願望を抱いており、一種の壮大な国を巻き込んだ自殺計画でもあった。
教令院や散兵にとっては一世一代の大プロジェクトだが、博士にとっては一介の実験である。旅人に破壊された後、彼は意識を失った一方、博士は彼を捨てた。
ナヒーダは意識のない彼を保護し、その後彼に大きな転機が訪れることとなる。
この後については後述の「放浪者」を参照。

教令院

テイワットで最も大きな研究施設。
それぞれ専門の異なる六大学派(生論派(アムリタ)明論派(ルタワヒスト)素論派(スパンタマッド)知論派(ハルヴァタット)因論派(ヴァフマナ)妙論派(クシャレワー))が存在し、各学派のトップは賢者と呼ばれる。

六大学派+αの詳細

それぞれにシンボルとなる色と紋章がある。
各学派の名称はゾロアスター教における最高神アフラ・マズダーに従う六柱の善神「アムシャ・スプンタ」に由来すると考察されている。

生論派(アムリタ)
Amurta.png
生物学、生態学、医学などを研究している。シンボルは緑と鷲。
教令院で最も長い歴史と最も大きな規模を誇る学派。
無償診療所のビマリスタンを運営している他、「死域」の解決を目標に挙げている。
現在はナフィス(ティナリの恩師)が賢者の座についている。
  • 対応する神格は食物を司るゾロアスター教の女神にして「不滅」を意味する「アムルタート」。
明論派(ルタワヒスト)
Rtawahist.png
天文学や占星術などを研究している。シンボルは青と象。
魔神任務登場のハイパシアや、プレイアブルキャラのレイラ、前大賢者のアザールはここ所属。
知論派のファルザン曰く「(前略)ルタワヒスト学院に入れるガキどもはそのほとんどが天才じゃ。天才には天才なりの変わった癖があるもんじゃ(後略)」とのこと。*19
アザールが失脚したため、大賢者と明論派の賢者は双方不在。
  • 対応する神格は正義や真実を司るゾロアスター教の神にして「最善なる天則」を意味する「アシャ・ワヒシュタ(アルドワヒシュト)」。
素論派(スパンタマッド)
Spantamad.png
錬金術、元素学、地脈学などを研究している。シンボルは赤と孔雀。
研究過程で各地の地脈を現地で視察することが多く、そのためダリオッシュの割合も多い。
一時期機械生命の研究が流行したが、自然生命との比較のための生体解剖が過激化し、最終的にアバットイを始めとする全研究者に研究凍結が命じられた。
リサの出身。師匠のジュライセンや弟弟子のセノも恐らくここ。
魔神任務で賢者は登場しなかったが、創神計画で失脚した。
  • 対応する神格は敬虔を司るゾロアスター教の女神にして「神聖なる敬虔」を意味する「スプンタ・アールマティ(スパンダルマド)」。
知論派(ハルヴァタット)
Haravatat.png
言語学や符文学などを研究している。シンボルは黒と牛。
ホッセイニ曰く*20、知論派は長きにわたって古代ルーンに関する研究を行っているが、所属する学者は話し方が変わっていて、メンバーも少なく将来性もないという。
開始時点での賢者はカジェだったが、創神計画で失脚し現在は空位。
  • 対応する神格は水を司るゾロアスター教の女神にして「完全」を意味する「ハルワタート」。
因論派(ヴァフマナ)
Vahumana.png
歴史学や社会学などを研究している。シンボルは黄と馬。
キングデシェレトの残した理論に対する否定と反省に端を発し、その中から様々な社会学科が派生した。
賢者はVer3.2時点では不明。創神計画に関わらなかったため失脚を免れた。
  • 対応する神格は善悪の分別を司るゾロアスター教の神にして「善なる思考」を意味する「ウォフ・マナフ」。
妙論派(クシャレワー)
Kshahrewar.png
建築学や機関学などを研究している。シンボルは白とライオン。
カビカバスの時代から予算が減り続けている弱小学派。サングマハベイが投資をしている。
素論派同様賢者は登場しなかったが、創神計画で失脚した。
  • 対応する神格は統治を象徴し鉱物を司る神にして「善き統治」を意味する「フシャスラ・ワルヤ(クシャスラ)」。
ナガルジュナ団
遥か昔の教令院の傍流。砂漠の奥地にいるらしい。戦争こそテイワットの秩序と捉え、死をも厭わず研究を続けているようだ。
ナガルジュナ団は雨林側の通称で、彼ら自身は自らを「スケプティック団」と呼んでいる。詳細は「スケプティック団」を参照。
学派早見表
 学院名専門分野賢者所属(太字)・出身プレイアブル
生論派アムリタ生物学、医学ナフィスティナリ
明論派ルタワヒスト天文学、占星学アザール→不在レイラ
素論派スパンタマッド元素学、地脈学不明→不在リサセノ
知論派ハルヴァタット言語学、符文学カジェ→不在アルハイゼンファルザン
因論派ヴァフマナ歴史学、社会学不明笠っち
妙論派クシャレワー建築学、機関学不明→不在カーヴェ
用語解説
研修生
一般学生。入学には審査機関に承認された十分な数の論文と詳細で客観的な実験記録が必要。
割り振られた指導教官の下で研鑽を積みながら2つの異なるテーマで論文を執筆し、それを学会で発表することで下記の「ダステア」となる。
ホッセイニ曰く30歳を超えてようやく卒業できることも珍しくないが、リサは2年で卒業している。
現代でいう大学院博士課程に相当すると思われるが、ティナリなど若くして入学・卒業する者がいるあたり、より実力主義色が強いようだ。
ダステア
卒業試験をクリアした学者への敬称。ただし、しばらくは見習いとして過ごすようだ。
この身分になると正式に学会に所属することが認められ、研究のための予算も割り振られる。
  • 元ネタはゾロアスター教の儀式司祭。現在の制度においては司祭の最上位に位置する。
ハーバッド
ダステアより上位の称号。ホッセイニ曰く、「みんな博識で、人類を導くことができる賢者」だが、役職としての賢者とはまた別の称号。
30歳以下で昇進したカビカバスが天才と称されるあたり、たどり着くには相当な業績が必要なようだ。
  • 元ネタはゾロアスター教の学術司祭。
    2世紀ごろは高度な神学的作業に支えられた最高階級とされていたが、6世紀以降のゾロアスター教の衰退によって学術研究への支援が厳しくなると権威が失墜。
    16世紀の再編成を経た現在の制度では儀式での立場が重要視されているため、ダステアより下の階級となっている。
賢者
学派で最も地位の高い人物で、各1名ずつ計6人が存在する。学者たちに公職を割り当てる役目を持つ。うち4人が失脚したため、現職は2人しかいない。
大賢者
賢者の中で更に最高位の存在、すなわち教令院で最も地位の高い人物。前職は明論派賢者のアザール。
後継の大賢者はVer3.2時点ではまだ選出されておらず、暫定的に教令院の運営は草神のナヒーダや書記官アルハイゼンらによって行われている。
ダリオッシュ
遊学者。教令院を離れテイワット大陸各所で研究資料を収集する者たち。申請が必要。
  • 元々は中世ペルシア語で「貧困」を意味する言葉として使われており、後にペルシア語のダーヴィッシュに派生した。
    この「ダーヴィッシュ」が自己に貧困を課して精神的な功徳と救いを求めた学問的な禁欲主義者であり、意味としての元ネタとなっているようだ。
書記官
スメールにおける行政官。行政手続きや条例の起草などを担当する。
マハマトラ
教令院支配下の地域における治安維持や教令院の研究員らの監査・監督を務める。いわばスメールにおける警官。
そのうちトップは大マハマトラと呼ばれており、重大な不正には彼が直々に出向くことになる。現職はセノ。
グランドキュレーター
知恵の殿堂の管理者。Ver.3.0時点では前任者の引退直後につき不在。
ビマリスタン
スメールシティにある無料診療所。生論派が管理する。
元ネタは9世紀のバグダードに設立された同名施設で、ペルシア語で「病人がいる場所」。現在でもアラビア語圏では病院のことをビマリスタンと呼ぶ。
知恵の殿堂
教令院に存在する、テイワット最大の図書館。
蔵書は教令院の生徒か教師であれば借りることができるが、より高レベルな資料の利用は一部の研究者に限られている。
国民がアーカーシャ端末から直積知識を得ている現在はあまり使用されていない。
裏の部屋には世に出せない危険な論文が隠されている。
パルディスディアイ
生論派が管理する植物学の研究センター。教令院の空気を嫌うティナリもこちらにはよく出入りする。
沈黙の殿
セノが所属する組織(プロフィールより)。
詳細は不明だが、ダーリの谷の大型機械を封印する教令を出す等、危険な存在に対して監視や対処を行う組織(≒マハマトラの本部?)の可能性が高い。
カビカバス賞
40歳以下の特に優れた学者に与えられる賞。受賞者はみな大成するようだ。
妙論派の天才カビカバスの業績に由来する。
  • 元ネタとしてはノーベル賞が強く意識されるが、「40歳以下」という条件があるため、数学における最高クラスの賞であるフィールズ賞のほうが有力かもしれない。
賢者
アザール
明論派の賢者にして当代の大賢者。事実上スメールを管理していた人物。
神であるクラクサナリデビに対する敬意の欠如、目的のための犠牲の容認、芸術の全般的な軽視、賢者としてのプライドの誇大と学者としての能力に対する驕り等、教令院至上主義を体現する人物。
マハールッカデヴァータの逝去以降大きな躍進を遂げたことが一度もないスメールの学術や枯凋問題が深刻化しつつある世界樹の異常といった、スメールが抱える様々な問題を解決するために、神が知恵をコントロールする権能を手にれることを目指し、「博士」の提言を受け入れて「創神計画」の実行を決定した。
計画の過程でスメールに人々に少なくない犠牲や軋轢を齎し、計画の成就まであと一歩のところまで迫ったが、今までの悪行がアーカーシャを通じ露見、砂漠の民も含むスメールの民やクラクサナリデビ等、自身がこれまで軽んじてきた人や物によって創神計画は阻止される。
事態の収束後は、アザールを含む六賢者は計画に反対した生論派と因論派の2名を除き全員教令院を追放された。アルハイゼンやセノは厳罰を求めたが、クラクサナリデビが創神計画の参加者全てを許す意向を示し、放免という形でアビディアの森で終生隠居することとなった。
  • 名前について
    アザール(あるいはアーザル)はペルシア語で「火」を意味し、中東で一般的な名前。
    特定の学派・思想の指導者という点では、ゾロアスター教とスーフィズム(イスラム神秘主義)の影響を受けて16世紀に「照明学派」という神智学的思想を創始した宗教家、アーザル・カイヴァーンがモデルかもしれない。

ナフィス
生論派の賢者。
荒い気性で知られ、研究者だけでなく大賢者ですら委縮させるほどであるという。
ティナリの師でもあり、ティナリが教令院から離れた現在も2人は手紙でやり取りを続けており、ティナリからは依然「先生」と呼ばれ敬意を表されている。
上記の性格も、ティナリからは誠実で自分の信念を曲げない人物だと評されている。
しかし、因論派の賢者と共に創神計画に反対したため、大賢者らによって共に幽閉されていた。
彼がティナリと交わしていた手紙は、何者か(恐らく大賢者ら創神計画に加担していた者)によってティナリに教令院に来ることを催促する内容のものとなってティナリに何通も届けられた。
筆跡や文体などを巧妙に模倣してナフィスが書いたものであるかのように偽装されていたが、ティナリはわずかな差異*21からナフィスの身に何かが起きたことを察し、教令院への警戒心を強めていた。
旅人らの計画が成功してクラクサナリデビが復権したのちに因論派の賢者共々救出され、賢者の座に残ることも許された。
  • 名前について
    中国語版は「纳菲斯」となっており、元ネタは「伊本·纳菲斯」、つまり13世紀アラビアの科学者・法学者・神学者イブン・アル=ナフィス(ابن النفيس、Ibn al-Nafīs)と思われる。
    あらゆる学問を極めた博学の天才だが、特に医学に長け「循環器学の父」と称される。

カジェ
知論派の賢者。
ティナリを創神計画に勧誘するためにガンダルヴァー村を訪れた。
ティナリが不参加の意思を示すと、申し出を拒否することは彼の師であるナフィスの面目を損なうと脅したが、それでもティナリが意思を変えることはなかった。
クラクサナリデビの復権後はアザール同様教令院での実権は全て剥奪されアビディアの森で終生隠居となる。
  • 名前について
    中国語版は「卡瓦贾」で、これはスーフィズム(イスラム神秘主義)の教師に対して使われる敬称Khawajaのこと。

因論派の賢者(詳細不明)
創神計画に反対したため、ナフィスと共に幽閉されていた。

妙論派の賢者及び素論派の賢者
いずれも詳細不明。
大賢者と共に創神計画に参加し、クラクサナリデビの復権後はアザール同様教令院での実権は全て剥奪されアビディアの森で終生隠居を送る事になる。

ジュライセン
素論派の元賢者。リサとセノの師匠で、セノの養父でもある。
現役時代は詩趣に富むしゃべり方の型破りな頑固者として知られたが、退任した現在はいくらか丸くなったようで、軽口が目立つ好々爺となっている。
退任後は研究からは一切身を引き、トマト栽培に没頭し、妙論派のザハハディとその出来を争う毎日を送っている。
砂漠で遭難したところを「沈黙の殿」に助けられ、それを機にヘルマヌビスの復活に協力する。
しかし幼いセノとセトスに跋霊を埋め込む実験の危険性を認識し、セノを雨林に連れ帰ることを選択。首領バムーンもそれを黙認する。
その後はスメールシティでセノを養子として引き取り、セノにヘルマヌビスの力を宿していることを察知した教令院に実験台として引き渡すことを要求されるも拒否、弟子の学者として育て上げた。
診療所の箴言板には「世界に永遠不滅のものはない」という言葉を残している。
英語表記はCyrus(サイリュスと同じ綴り)になっている。
セノ
「マハマトラ」たちを束ねる「大マハマトラ」を務める砂漠出身の少年。
キングデシェレト文明の継承者である「沈黙の殿」の出身で、ヘルマヌビスの降霊の素養があったため、跋霊の埋め込み対象として選ばれるも、その危険性を認識したジュライセンにより「沈黙の殿」から連れ出され、養子として育てられる。教令院からは祭司の力の実験台として引き渡しを要求されたが、ジュライセンはそれを断り素論派の学者として育て上げた。
彼が学者を直々に訪問するということは、その学者が何らかの学術に関する罪を犯したことを意味しており、一度大マハマトラに目を付けられた学者が逃れることは不可能であるため、教令院では畏怖されている。
その一方、熱心な七星召喚プレイヤーでもある。「ジャッカルヘッド」の名で呼ばれ敬われている疑惑がある。
ティナリとは教令院時代以来の友人。当初は様々な人を助けるティナリを不審がっていたが、これが純粋な親切心によるものだと判明してからは交流を持ち始め、現在ではお互いに悪態をつくなど気のおけない仲になっている。
失踪したジュライセンを追って「沈黙の殿」に辿り着き、ジュライセンの引き渡しを求めてセトスと決闘を行う。結果勝利し、セトスが所持していた跋霊を引き受け完全なヘルマヌビスの力を手にする。
しかし死去したバムーンの後任として「沈黙の殿」の首領となることを拒否、セトスにその座を譲った上で教令院と「沈黙の殿」の和解を取り付ける。
「原神セレベンツ」にも登場し、「黒い焔」事件の件でリサから要請された共通の師匠に頼まれモンドに来訪。コレイに巣食う魔神の残滓に封印を施した後、共にスメールに戻り彼女をティナリの元へ預けている。
ティナリへ預けてからも容体が気になっているようで、わざわざ変装*22してまで定期的に様子を見に来る優しい一面も。
  • スメールプレビュー動画で背中に雷元素のスメールの神の目*23が確認できたため、レザーに次ぐ男の雷元素の神の目を持つキャラクターになった*24
  • 本編に先駆けてチャプターPV「足跡」に登場し、PV中では砂塵の舞う中槍を構えている。
  • 人物紹介では「独特なユーモアセンスが印象的な人物である」と控え目な表現をされているが、ダジャレからブラックジョークまであらゆるギャグを好む。さらに周りの反応が薄いと自らのその解説を始める癖をもつ。
    仕事とプライベートはきっちり分ける人物のようで、魔神任務では終始厳格な態度であったが、イベント「風花の吐息」でモンドを訪れた際は口を開くたびに突拍子もないギャグを披露し、周囲の人間とプレイヤーを大いに困惑させた。
  • 名前・元ネタについて
    恐らく、神話や伝説に登場する犬の頭を持った人間「cynocephalus」、ギリシア語で「犬」の意味の「cyno」に由来すると考えられる。
アルハイゼン
知論派の卒業生。現在は教令院で書記官を務める。
古代言語を軽々読みこなす語学力、相手の言動から矛盾を指摘する推理力に加え、錯乱した傭兵組織団長を徒手空拳で制圧する文武両道の人物。
一方、その性格は理屈屋の変人そのもの。知識欲を満たすためなら自らの所属や命すら気に留めない。
また、神秘主義者にして実利主義者であり、下記の魔神任務での協力も「規則」を重視してのことであり、人助けには興味がないと言い放つ程。
こうした「成功者がいれば落ちぶれる者もいる」「需要がなくなった芸術は淘汰される」といった態度から、ルームメイトにして先輩のカーヴェとはしばしば激論を交わしている。

魔神任務では、神の知恵を見返りとして旅人の調査を命じられるが、貴重な報酬を軽々しく提示する態度に怪しんで独自に缶詰知識の調査に動き出す。
調査中偶然旅人と接触し、協力して神の缶詰知識の奪取に成功するが、団長の発狂から教令院が自身を処理しようとしたことを理解し、危険性から旅人には奪取の事実を伏せていた。
セノとの衝突を経て旅人に真相を明かすとグラマパラの捜索と救助に協力し、その後は救出作戦の主な作戦立案を担当する。
ナヒーダ救出作戦実行日は、アザールらに取り入るため旅人を連れてくるも見放され、神の缶詰知識を使い廃人化する……という筋書きを演じつつ、缶詰知識をすり替えながら旅人を監禁室へ送り込む。
救出作戦成功後は事態収束まで代理賢者の職務を受け持っていたが、後任が決まった現在(学院祭開始時点)は普通の書記官に戻っている。

実装以前のアルハイゼンの正体に関する考察

スメール実装前、ビジュアルのみ公開された当時はクラクサナリデビ=花神説がまだ主流だったこともあり、アルハイゼンこそ真草神or前草神とする考察がみられた。
スメール実装後、上記の説は落ち着くが、代わりに復活したキングデシェレトかその転生体では? という考察が浮上した。
実装後に公開された各情報では実際には、どちらとも関係ないただの胸筋と態度のデカい変人一般人であった。以下に当時の考察内容を記す。

  • 正体について
    復活したキングデシェレト本人もしくはその転生体という疑惑がある。
    • 最大の理由は、ストーリームービー「砂中の遺事」にてデシェレトを象徴していたトゲトゲの物体の配色や形状が、アルハイゼンの瞳に酷似していること。
      また、同物体が泉に落ちた後には宝石状の物体が飛び出しているが、これもアルハイゼンの胸の装飾に酷似している*25
    • アルハイゼン(Alhaitham)の名は恐らく中世イスラム圏の学者「イブン・アル=ハイサム(Ibn al-Haitham)」に由来するが、こちらも複数の関連性を持つ。
      イブン・アル=ハイサムは「近代光学の父」と呼ばれており、眼球やレンズ、光の屈折などの研究で知られているが、デシェレトの遺跡にも光やレンズを利用した仕掛けが非常に多い。
      「ハイサム(Haitham)」はアラビア語圏の名前だが、これには「鷲や鷹の幼鳥」や「赤い砂や砂丘」といった意味を持つ。
      前者については、デシェレトの遺跡に多いグリフォン(鷲とライオンが合わさった姿の幻獣)の彫像と関連性を見て取れる。後者については言うまでもない。


      勿論、デシェレトと関係ないただの胸筋と態度のデカい変人一般人である可能性もある。それはそれで面白いという人も。
      見た目が似ているというだけでネタ半分にワープポイント説を唱える人もいる。
  • 座り方について
    スメールのモデルであるアラブ諸国ではイスラム教徒が大半を占めるが、イスラム教では清潔さが「信仰の半分である」とされるほど重要な位置を占めている。
    逆に言えば、人体で最も汚い部位とされている足裏を人に向けたり、脱いだ靴を相手に向けるといった行為は、「穢れを相手に向ける」という大変な侮辱と見なされている。
    ……ということで、彼がよくやる「左足を右膝に乗せるように堂々と足を組む」といった仕草は、ド直球に侮蔑や軽視のサインだったりする。ナニかがデカい人の座り方ではなかった
カーヴェ
妙論派出身で、アルカサルライザパレスを建てた天才建築家。金髪の男性。相棒に万能工具箱のメラックを携える。
かつてアルハイゼンと共同研究をしていたが、大喧嘩の末協力関係は決裂した。
しかしこの研究は一定の成果を認められ、報奨として教令院に近い一軒家を与えられた。アルハイゼンはこの家に移り住んだが、カーヴェは住居には困っていないと断った。
教令院所属だが人情に篤く、アーカーシャなどの技術発展の陰で仕事を失う職人や衰退する芸術に心を痛め、教令院から出る補助金を惜しげもなく使おうとする。
この姿勢を気に入ったドリーによって自邸の建築を任されたが、ついでに多額の借金も負わされてしまう。結果、現在は後輩であるアルハイゼンの家に居候している。この家はカーヴェへの報奨でもあったのだが、一度断っているためアルハイゼンからは家賃をきっちり請求されている。
ポリシーの相違からアルハイゼンとは各所で議論を交わす仲だが、一方で自分の酒代やコーヒー代は平然とアルハイゼンに押し付けている。
  • 名前の元ネタは、イラン神話の登場人物であり異邦の侵略者ザッハークに対する民衆の蜂起を指導したとされる「鍛冶屋のカーヴェ(Kaveh the Blacksmith)」だと思われる。
    メラック(Mehrak)はペルシャ語の人名。「ジュラバドの古事・2」は同じ綴りのメフラクという人物に宛てた文章だが関連性は不明。
レイラ
明論派の女学生。専攻は理論占星学。エルフ耳。一人称は「私」。出自について細かくは語られていないがスメールシティ外の雨林の村であるようだ。
極端な人見知りで学業において自身の才能など教令院においては平凡でしか無いと考えており、他にも論文やその期日、人付き合いなど様々なプレッシャーを抱え、教令院に身をおくようになってからは常に深刻な睡眠不足に悩まされているという。
その一方で、「寝ている間に論文が書きあがっていた」という奇妙な現象に遭遇したことがある。
当人は「天から降ってきた」「星空の祝福」「夢遊」といった理由を類推しているが……?
  • 星空の祝福
    レイラが不安を抱えたままの睡眠中、もしくは極度の緊張状態により気を失うと現れるもう一人の「レイラ」の人格。逆に言えば完全にリラックスした状態での睡眠中はほとんど発現しないようだ。
    一人称は「あたし」となり、言動も普段のレイラとは打って変わりかなりアグレッシブになる。
    だが、レイラと記憶の共有は行われておらず、人格が交代する直前までの出来事や論文の進捗などは周囲の状況や前回覚醒していた時の記憶から推測している。
    自身の才能など取るに足らない程度だと過度に卑下し、異常なまでに慎重でいつまで経っても踏み出せないレイラに代わり、大胆不敵でかつ精確な論文を一晩で書き上げる。
    もし論文に必要であれば自らの足で雨林を越えアアル村まで赴き観測行うことも。だが、平時のレイラの身体能力を大幅に超えて動いているためか、翌日には激甚な筋肉痛に苛まれるとか…
    また、彼女の極度の睡眠不足についても、彼女がレイラと入れ替わりで覚醒している関係で、肉体と脳の休む暇がほとんど無いためのようだ。
    彼女の存在は教令院内で種々様々な噂や伝説となり語られているが、自身の存在をレイラには知られたくないようで、もしレイラが知ってしまうと完全に自信を喪失して自暴自棄になってしまうのではと危惧している。
    なのでレイラを助ける傍らで、いつか「星空の祝福」などという曖昧な存在に頼る必要がないくらいに自信を持ち自立してほしいと願っている。
    レイラが持つ才能は決して誰にも見劣りはしない。あまつさえ「星空の祝福」だけが発揮しているわけでもない。これは「レイラ」が持ち合わせた歴とした才能なのだと。
ファルザン
知論派の学者。少女の外見とそれに似つかわしくない老成した言動をとる女性で、教令院の学生には自分を「先輩」と呼ぶよう要求を欠かさない。
実際、教令院に入ったのは100年以上前であり、専攻は古代文字研究。キングデシェレト文明の文献の解読結果からさまざまな遺跡やギミックを分析する研究を行っていた。
しかし、とある遺跡のギミック解除に失敗し、100年ものあいだ暗号文だらけの謎の部屋に閉じ込められることになった。最終的に自力で脱出したが、遺跡の不思議な力により飢餓や加齢の発生しない状態となっていた。
失踪中の彼女が残したギミック研究成果を同僚が本にまとめ、その本は妙論派において教材となり、妙論派のギミックに関する知見を飛躍的に向上させたが、結果として本人は知論派所属の文字研究者ということ自体忘れられてしまっていた。
100年を経て生還を果たしたが、当人が所属する知論派においては「古臭く、価値が失われた研究にこだわる人」と認識されており、研究費用の調達に日々苦労している。
その一方で妙論派においては現在でもビッグネームの一人と認識されており、苦境を聞いて移籍を進言した者もいたが、あくまで軸足は知論派的な文字研究に置いておきたいという意向により丁重に断っている。
自分と同じ文字研究に興味のある学生を勧誘すべく若者の言動に目を光らせており、現在は読み書き習得への意欲が強いコレイに目をつけている。

笠っち
因論派に属する外国の学者。
正体は後述の放浪者
稲妻社会学に関する論文を多く書いており、時事問題の分析や社会問題の批判で話題となった。しかし神出鬼没で言葉遣いが悪く物議を醸しているらしい。
  • 経緯
    プレイアブルと同時に実装された間章第三幕にて、因論派でたたら砂の研究をするアカバが登場した。物語の最後には放浪者も彼らの会話に耳を立てていた。
    その後プレイアブルから現実時間で1ヶ月ほど経った初の誕生日メールにて、ナヒーダが放浪者を教令院に行かせようとしていることが判明した。
    • (当時のメール)少し前から、クラクサナリデビが僕を教令院によく行かせるんだ。書物を借りてみなさいとか、講義を聞いてみてとか、僕に学術の雰囲気を肌で感じろって言うんだよ。
  • そしてVer3.6のイベントにて、放浪者が「笠っち」という名前で学院祭に登場した。ナヒーダの依頼で学院トーナメントを監視していた*26ようだが、それとは別にイベント前に因論派に所属していることになっていた。
    アカバに声を掛け、彼の論文に異論を唱えたところ、因論派の学生らに学友だと思われて講義に誘われたらしい。それを知ったナヒーダが「笠っち」という名前で学籍登録したらしい。
    ナヒーダ「因論派で勉強して、自分の因果に正しく向き合い、過去の古い借りを清算することを学んでほしいの。」
  • なぜ「笠っち」なのかは不明*27だが、ナヒーダの独特なセンスによるもので深い意味はないと思われる。
    「だって、素敵な響きなんだもの。ね、笠っち?」
  • その後
    • イベント後も因論派に属している。因論派の「ゴミクズみたいな理論」を修正し*28、生徒たちに付きまとわれるほどになっているそう。
    • イベント時点では口の悪さから敬遠されていたが、最近ではケーキを持って誕生日を祝われるほど人気者になっている。性格は相変わらずだが...
    • よく図書館に居るらしい。複数のPVで図書館に居たり、中国の誕生日Webイベントでも図書館で会っている。
セタレ
砂漠出身の学者で大賢者の助手。
教令院から軽んじられており、満足な学舎もない砂漠地域の出身でありながら、稀代の才能によって教令院の高官になることに成功した人物。
創神計画にも参加していたが、心の底では無関係の人々を巻き込むことや故郷との繋がりを無視してきたことに大きな負い目を感じていた。
旅人とナヒーダの計略によって秘めた思いを露にされ、大賢者たちの計画を中止させることに同意するも、自身に監視装置が仕掛けられていたことに気付かず教令院に監禁されてしまう。
クラクサナリデビの復権後は解放されたが、故郷の人々のためにできることを考えた結果、教令院を離れて教育の仕事を始めることを決意。
砂漠に戻り、ラフマンらエルマイト旅団と協力して砂漠の民の生活水準の向上のために活動を始めた。
  • 名前の意味
    彼女の名前は、魔神任務中でナヒーダによって星を意味していると語られた。また、セタレのアルファベット表記は"Setaria"である。
    以上から、「セタレ」はサンスクリット語で「星」を意味する Sitara ( सितारा) *29に由来すると考えられる。
ハイパシア
旅人がスメール入国直後に遭遇した人物で明論派に所属する学者。「パリプーナライフ」を目指して修行していた。
その過程で教令院が創った神___「正機の神」と意識が繋がった。
正機の神の自我である散兵、その「『神』意」を覗き、彼女はその神へと救いを求めた。

「ご覧になりましたか、感じましたか?崇高なる神、崇高なる意志、崇高なる感情を!」
「私のこの胸の中で鼓動しているのは、ただの汚い人間の心…神よ、どうか私に慈悲を、私に救済を…」

側から見ればパリプーナライフの修行者によくみられる発狂だが、ティナリによると狂学者とは症状が違うらしい。
彼女と意識を繋いだ「神」は彼女を1人目の信者として扱っており、「彼女の信仰こそが僕の栄光を築いて行く」とまで言っていた。
一方でファデュイからしてみれば彼の過去を知った都合の悪い存在であるらしく、博士直々にハイパシアが連れていかれそうになった。
幸いティナリとディシアが応戦し、旅人が博士と散兵の対立を煽ったこともあり、回収に来たファデュイの兵士らが死んでしまったため誘拐されることはなかった。
その後しばらくは意識を失ったままでティナリが面倒を見ていたが、命に別状はない模様。
散兵については世界樹の改変で忘れていると思われる*30
  • 名前について
    中国語版は海芭夏(ハイバシア)で、これは古代ギリシア語の女性名ヒュパティア(Ὑπατία、Hypatia)の英語読みハイペイシャの音写である。
    この名前の女性は、紀元400年頃のエジプトの学術都市アレクサンドリアで活躍した天文学者・哲学者が有名。
    ヒュパティアは狂信的なキリスト教徒の暴徒たちに殺害されるという悲劇的最期を遂げており、原神で悲劇に合うのもこれが元ネタと思われる。
    余談だが、英語版は中国語版の「海芭夏」を音写したHaypasiaになっているので、逆に元ネタがわかりにくくなってしまっている
ホッセイニ
元素や地脈などを研究する素論派(スパンタマッド)のメンバー。自分の研究成果に名を授けるのを目論む学者。
イベント「エネルギー原盤・序論」後に「エネルギー原盤によるエネルギー変換」に関するレポートを提出し、教令院で高く評価された模様。
イベント「古の孤影」時点では素論派の普通の遊学者だが、「ダステア」や「ハーバッド」を目指している。
イベント「エネルギー原盤・後序」では稲妻から璃月へ南十字船隊で移動する際に、誤って海に落ちて病を抱えたらしく、ずっと咳き込んでいた。スメールに戻ったら休暇を取得するそうだ。
ヴィマラ村出身で、姉のアレソと共に教令院に入学した。その後姉は研究生活に嫌気が差して退学し村に戻っており、ホッセイニは村ではいつまでも卒業できない人扱いされている。
旅人に対して研究方向を選ぶなら素論派(スパンタマッド)にするよう強く勧める一方で「スメール六大学派の知論派(サルヴァタット)にはあまり関わらない方がよい」と忠告している。
アイシャ
ホッセイニが先輩と呼ぶ学者。アイテム「アイシャ混沌探知機」に名を残している。
プルシナ
ホッセイニが偉大な先輩と呼ぶ学者。生論派。アイテム「プルシナスパイク」に名を残している。
「たとえ小さなトカゲでも、『竜』になる素質を秘めている。」はこの人の残した言葉。
  • 世界任務「孤独な海獣」で登場したアニサ・プルビルニの名字は、500年前の賢者ビルニの血を引くことに由来する。
    これに従うと、「プル」は偉人の子孫を示す接頭語で、「プルシナ先輩」はシナという名の賢者の血を引く一族の名と推測できる。
    が、掲示板や会話テキストではどうも「プルシナ」という個人名の人物として扱われていることが多い。
    なお、層岩巨淵にいるヘディーヴのフルネームも「ヘディーヴ・プルシナ」だが、イベント「深泥奇譚」でホッセイニは「ヘディーヴ」と「プルシナ先輩」を別々に言及している。
ヴィクラム
グランドキュレーター候補その一。男性。因論派*31
キングデシェレトの伝説に興味を持っており、多くの冒険者を援助してきた。
若く人望に溢れ、弁舌に優れるが、既婚者にもかかわらず他人を口説いて回っているらしい。
キャラバン宿舎に滞在していたゴハルという美女と恋人関係らしいが、上述の噂もあり夫人か愛人かは不明。
友人のファルガーニー曰く、若い頃は基礎学科をサボるよう誘われては一緒にコーヒーを飲んでいたが、成績は常に良かったらしい。
リファエット
グランドキュレーター候補その二。男性。
明論派で、慎ましやかで徳の高い人物だが、論文の半分が代筆という噂がある。
アニサ・プルビルニ
スメール教令院海洋学会所属で、稲妻の海祇島に遊学中の見習いのダステア。学派は不明だが、生論派と思われる。500年前の大博学者「ビルニ」賢者の血を引く家系の生まれ。
正式なダステアになるための研究テーマを二つ進めており、第一研究は海祇島における民間信仰の歴史を、第二研究として海洋生物学を研究している。
世界任務では海洋生物に関する知見を活かして、久美の親友であった海獣「クンティラ」の最期を予想し、今後はクンティラが遺したであろう子孫と友人になるべく海祇島に滞在することを決める。
友人となった久美を「久美チャンネー」と呼ぶなど、素の喋り方はおっさんくさい少々変わっている。
  • 先祖の元ネタ
    アニサの先祖という賢者ビルニの元ネタは、10世紀後半から11世紀前半の科学者・哲学者アル=ビールーニーと思われる。イスラーム黄金時代を築いた万学の天才とされる。
カビカバス
かつて妙論派に所属していた天才研究者。カビカバス賞という賞にその名を残す。
弱冠30歳でハーバッドの位につき、妙論派史上で最も偉大と称される。
賢者になる日も近いと言われていたがフィールドワーク中に事故に遭い、おそらく亡くなったと思われる。
遺跡巨像を研究対象としていたので、カーンルイア滅亡よりはかなり後の時代の人物。
大人になってからもアランナラの姿や声を知覚できる特異な体質の持ち主であった。
  • 名前について
    英語版はKavikavus。元ネタは中世ペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』(『王書』)に登場する伝説的君主カイ・カーウス(Kay Kavus)と思われる。
    王ながら奇天烈な発明を好む技術者で、中国まで飛行するために、鷲をパーツとする空飛ぶ玉座を作ったりしている。
ザンディク
元教令院生。スメール各地で彼に関するメッセージが確認でき、古臭い考え方を持つ美男子であったらしい。
かつては見習いダステアとしてスメール考察隊の調査に同行していたが、様々な問題を起こしたことで賢者により除名。最終的に教令院を追放されている。
学派は今のところ不明だが生論派でなかったことだけは確定しており、ソホレ曰く遺跡機械に対し強い興味を示していたという。
  • 名前について
    ザンディク(zandik)は、中期ペルシア語で「異端者」「異端思想家」を意味する言葉。
    特にマニ教徒を指すことが多いが、マニ教の教えは神智学的思想であるグノーシス主義と深く関わっており、『原神』内のとある人物の名前に相応しいといえる。
ティルザード・ヒンディ
インドア系の学者。
かつて砂漠の民と駆け落ちした親戚の研究プロジェクトを継いで砂漠へ考古学研究に向かう。
旅人の助けもあり無事に探索を終えて「黄金の眠り」という論文を発表した。
ジェイドの母ユフィ・ヒンディの親戚だと思われる。
ザハハディ
妙論派の教授。教令院で知らない人はいないとされるほどの高名な学者だが、最近はジュライセンとトマト栽培で競い合う日々を送っている。
元ネタは、イラク出身のイギリスの建築家、ザハ・ハディドと思われる。曲線を多用した奇抜な設計で知られ、未建設物件の多さから日本では「アンビルトの女王」などと呼ばれることがあるが、実際は建設済みの物件も多数存在し、海外でそう呼ばれているわけではない。

アビディアの森のレンジャー

ティナリ
大きな獣耳と長く豊富な毛を蓄えた尻尾を持つ少年。
年は若いながらも、ガンダルヴァー村を拠点とするアビディアの森のレンジャーの長にして植物学に精通している生論派(アムリタ)の学者。かつては教令院のアムリタ学院で学び、卒業後は教師として残ることを期待されていたが、教令院の方針とはそりが合わずに学院の卒業と同時に出奔した。
現在も教令院に戻ってこないかと賢者から打診を受けるほど優秀な学者であるが、「レンジャー長の方が性に合っている」、「町は騒がしいから耳に悪い」といった理由で断っている。
なお、教令院と距離を置いている実際の理由としては、知識をある種の権威のように扱う教令院の上層部の傲慢な態度に嫌気が差しているという部分が大きいようだ。
現在は「ティナリ先生」としてアビディアの森のレンジャー全員を束ねつつ、野外で植物やキノコの研究を行っているほか、生論派の研究用植物園であるパルディスディアイでの研究も引き続き行っている。
また、セノから預けられたコレイをレンジャーに引き入れ彼女の師匠もしている。
彼の祖先は砂漠のトゥライトゥーラの「ティナル人」という一族。彼らはキングデシェレト文明の知識の継承者としてヘルマヌビスの導きの下「沈黙の殿」を結成したが、ヘルマヌビスの力は砂漠で疎まれ雨林に移住。
その後雨林への不信感から「沈黙の殿」の中心メンバーは砂漠に戻ったが、多くのティナル人は雨林に残った。
長い時を経てティナル人は「ワルカシュナ」とその呼び名を変える。雨林の民との同化が進み白い肌と緑色の髪を持つようになり、ティナリに至っては砂漠の暑さに極端に弱い体質となっているが、特徴的な長い耳は引き継がれている。Ver.4.6現在、ティナリ以外のワルカシュナは今の所NPCを含め登場していない。
  • 名前・元ネタについて
    ティナリの名は恐らく1000年代に活躍したアル=アンダルス(現在のスペイン)の農学者・植物学者「アッ=ティグナリー(Al-Tighnari)」に由来する。(ティナリの英語の綴りがティグナリーの綴りと合致する)
コレイ
本編開始の一年前にモンドに流れ着いたスメール出身の少女。
幼い頃にスメール特有の不治の病「魔鱗病」に罹り、病の治療という名目でファデュイに拉致され、執行官「博士」の下に送られて凄惨な人体実験の犠牲者となった。この際に魔神の残滓を注入されて黒焔を操る力を得た。
実験が終了すると放逐され、自分に魔神の残滓を注入したファデュイの人物(「伝教士」)を探して各地を放浪したが、後遺症によって全身に包帯を巻いた姿から人々には伝染病を持っていると思われて行く先々で排斥され、共に放浪した仲間も全滅し、人体実験の件と合わせて世への不信と絶望を募らせていった。
モンドを訪れていたファデュイの外交官の馬車を黒焔の力で生み出した蛇で襲撃し、外交官2人を殺害、その他多数の負傷者を出す「黒い焔」事件を起こす。
これはファデュイにとって予想外の出来事だったが、「博士」はこの事件をモンドへの責任追及と「資料(魔神の残滓を体内に入れられて生存したコレイ)」の回収のために利用することを思いつき、部下にコレイを確保するように命じた。
紆余曲折の末に「博士」の思惑はディルックや西風騎士団の面々によって防がれ、コレイは自身の病人のような見た目を気にせず、更に黒焔によって騎士団に危害を加えた事実を明かしてもなお自分を受け入れて助けてくれたアンバーをはじめとしたモンド人の純真さに触れ、明るさをいくらか取り戻した。
リサの依頼を受けスメールから派遣された大マハマトラ・セノによって体内の魔神の残滓を封印され、二度とその力を使わないことを約束すると、アンバーに感謝の手紙を残して医術やそのほかの知らないことを学ぶために彼と共にスメールへと帰った。
その後はセノからティナリを紹介され、ガンダルヴァー村にてアビディアの森のレンジャーの見習いとして働きつつ、ティナリから学問の手ほどきを受けるようになった。
まともな教育を受けておらず読み書きすらできなかったたものの、ティナリの熱心な指導や本人の努力の甲斐もあり、読み書きもレンジャーの仕事も徐々にこなせるようになってきている。
騙されるような形でファデュイに魔神の残滓を注入されたが、結果的に確かに魔鱗病の進行は抑えられていたという。しかし封印によって魔神の力が及ばなくなった影響か、魔鱗病が再度悪化しつつあり、徐々に手足に力が入らなくなってきている。
魔神の力は封印されたとはいえコレイの体内に巣食ったままであり、セノからはもう一度魔神の力を使えば完全に飲み込まれると警告されている。
マハールッカデヴァータの記録が世界樹から抹消されたことで魔鱗病は完治したが、魔鱗病に罹患した事実自体は変わっていないため、魔神の残滓もそのまま残っていると思われる。
また、明るく振舞っているものの心の傷も癒え切ってはいない。
  • 「原神」公式漫画内での登場キャラ。
    リリース直前の漫画掲載時から長らく「コナ」という名前であったが、2022年3月頃に「コレイ」に表記が変更されていることが判明した(正確な変更時期は不明)*32

エルマイト旅団

スメールに存在する、大小様々な傭兵団の総称。
あくまで傭兵の総称であり、現在ではエルマイト旅団という統一された傭兵団が存在している訳では無い模様。
そのため、スメールシティで衛兵を勤めている傭兵団や、街中で仕事を探している者もいれば、
ファデュイと結託して悪事を働いたり、あるいは野外で盗賊まがいの稼業に手を染めている傭兵も存在する。
スメール西部の砂漠地帯にルーツを持つが、砂漠の民特有の褐色肌を持たない兵士も多く見られるため、現在のエルマイト旅団を名乗る兵士が全員砂漠出身というわけではないようだ。
スメールシティの衛兵団は「三十人団」と呼ばれ、教令院傘下のレグザー庁を本拠地としている。三十人団所属の兵士はトレードマークの赤色のスカーフの代わりに緑色のものを着用している。
「三十人団」の名は「設立メンバーが30人」という歴史的な経緯によるものであり、もちろん今でも30人しかいないというわけではない。
表向きはアザール達に臣従していたが、扱いや傲慢振りに不満が有りラフマンとは秘密裏に取引をしてラフマンや旅人達のスメールシティ潜入と行動の黙認をした。
騒動の終結後はアザール達が追放され、アザールの衛兵たち代わり教礼院やナヒーダの護衛を兼任する事となる。

ディシア
熾鬣(しりょう)の獅子*33」の異名を持つエルマイト旅団の傭兵の女性。炎元素の神の目を持ち、両手剣を得物とする。
傭兵らしく金銭を大事にするが、同時に引き受けた仕事に対する責任も果たし、場合によっては雇い主の命令だけでなく自身の良心に則って行動するなど、誠実な人物である。
ドニアザードのために自身の得物を売却して得た資金を秘密裏に提供するなど、情に深い面も持つ。
フーマイ家に何らかの恩があるらしく、現在は彼らの護衛として契約している。
休暇を得てアアル村に戻った際偶然旅人らと居合わせ、成り行きから教令院の陰謀の調査とクラクサナリデビ救出に協力することになる。
事件の解決後はドニアザードが完治したことをきっかけにフーマイ家の契約を解除し元の傭兵生活に戻った。
この一件でアルハイゼンは彼女を高く評価しており、教令院にスカウトをかけたほどであったが、傭兵生活が性に合っているとして断った*34
日々訓練を怠らない武人だが、フェイスパウダーやアクセサリーに造詣が深い乙女な一面も。
くすぐりに弱い。
  • モデルについて
    名前の由来は特徴的な綴りより、7世紀頃にイスラム勢力ウマイヤ朝と戦った北アフリカの女王ディヒア(Dehya)ことカーヒナと言われる。
    また、エジプト神話にはライオンの頭を持つ女神が多い。中でも、殺戮と復習の女神と家庭を守る穏やかな女神という二面性を持つセクメトがモデルとして有力。
  • 武器について
    上述のようにストーリー中で武器を売却して代わりに安物の武器を購入する描写があるのだが、実際にその後のムービー中で使っているのは店売りの両手剣である傭兵の重剣である。
    ちなみにスメールPVやキービジュアルでは赤砂の杖や聖顕の鍵と同じ砂漠系列の武器(葦海の標)を構えている。
    もしかすると作中で売ったのはこの武器なのかもしれない。値がつけられる代物には思えないが……。
ラフマン
ディシアの昔からの知り合いで、キングデシェレト信者。
「愛しきレディ」「どうしてトークしなきゃいけない?」「スピーチを聞くつもりはない」など、英語を混ぜた喋り方をする。
義理堅い性格で切れ者でもあり、砂漠に点在するエルマイト旅団の一大派閥を率いる器の持ち主であるが、当初は他の多くの砂漠の民と同様にマハールッカデヴァータと雨林の民を激しく敵視していた。
キングデシェレトの復活を信じてアアル村のグラマパラの拉致などに加担するが、紆余曲折の末に遺跡に残されていた司祭カーレの記憶を閲覧して真実を知ることとなる。
信じてきた物とは全く異なる歴史の事実を目の当たりにして激しく動揺するも、すぐにこれまでの態度を改めるとともに裏で対立の糸を引いていた教令院を真の敵と見定め、僅か1日で仲間たちにも真実を周知して誤解を認めさせた。
その後は旅人らと共に大賢者たちの思惑を止める計画に参加し、スメールシティに潜伏して裏でアザールをはじめ教礼院の上層部や衛兵に不満を持っていた三十人団とは取引をして黙認という形でアザールの衛兵の足止めに専念した。
計画の成功後は他の関係者と共に祝宴に呼ばれたが、セタレや他のエルマイト旅団と共に砂漠の民の生活を向上させることを優先して砂漠に残った。
ナヒーダが実権を奪取した後は砂漠の民への待遇改善や支援措置が大体的に行われ目標は達せられた。

タニット

スメール西部の砂漠地帯、千尋の砂漠に住む部族。
花神を信仰する母系氏族であり、「九長老」が部族の最高権力を分け合っている。
「永遠のオアシス」を探していた。

  • 名前について
    名前の元ネタはフェニキア神話でカルタゴ(現在のチュジニア)を中心に信仰された女神タニト(フェニキア語:𐤕𐤍𐤕、TNT)と思われる(ティンニートとも)。カルタゴの主神バアル・ハモンの正妻で、戦を司る。
バベル・タニット
タニットの主母。ジェイドを実の娘のように可愛がっており、いずれは主母の座を継がせようとしていた。
だが、旅人がジンニーの力を手にし、更に一行が伝説に語られる「永遠のオアシス」を発見したことを皮切りにその内に眠る野望を実現すべく水面下で動き出した。
永遠のオアシス及びジンニーの力を掌握、自らをナブ・マリカッタの「唯一の神託者」とし、その権威を元にオアシスの国土を再建、自身がその頂点に立つ野望を持っていた。
そのために、永遠のオアシスの真実を知るよそ者の排除、及びジンニーの主導権を得るためにジェイドと旅人らを謀殺するべく、部族の人間のみならずファデュイとも結託して手を尽くす。
ジェイドをファデュイの人体実験の道具として売り飛ばし、嘘の情報を吹き込まれたジェイドと旅人*35、二人が憎み殺し合うよう仕込んでおり、殺し合いの末生き残り弱った片方に止めを刺す…といった腹積もりだったのであろう。
終盤、生き残って現れたジェイドに、旅人を殺し主母の座を継ぎ「神託者」となればこれまでの行いについて許しを与えよう、と語っていたがこれは全てジェイドを油断させるための嘘であり、端から生かすつもりはなかったという。
リルパァールがジェイドへの態度を徐々に軟化させていったのに対し、バベルに対しては終始軽蔑した態度を取り続けたのはこういた野望を警戒していた可能性が高い。
また口では部族の者を家族のように語りつつも、実際は裏切り者と称して長老など邪魔者を排除させていた。
さらにこういった汚れ仕事をジェイドら部族の人間にやらせることで、罪悪感と忠誠心を植え付けていた狡猾な人物であり、本当にジェイドに継がせるつもりがあったかすら怪しい。
このような真実が露見した結果、ジェイドと旅人の怒りが頂点に達し、タニット部族は壊滅、バベルも殺害された。
  • 名前について
    バベルはメソポタミアの古代都市バビュロニア(バビロン)の旧約聖書での呼び名だが、ここでの元ネタは新約聖書の『ヨハネの黙示録』に書かれる魔女「大淫婦バビロン」であろう。
    堕落した偉大なる都市が妖女の姿を取った者とされ、その正体は古代ローマ帝国の首都ローマとする場合が多い(諸説あり)。
サミエル
アフマルが遺したという「黄金の眠り」を求めるエルマイト旅団「トトメス」のメンバー。タニットの出身者で、現在はスメール南西部の列柱砂原に拠点がある。
ジェブライラとは古い知り合いで、ジェイドとも赤子時代に面識があり、「そのお喋りは母親譲りか」というセリフから、ジェブライラの妻ユフィとも話したことがあるようだ。
ジェブライラに執着しており、かつて「病巣」を取り除けばジェブライラがトトメスを離れる理由がなくなると思い彼の妻ユフィを殺害した。
その後ジェブライラ一行を利用して聖顕殿の最深部まで到達し、追い求めてきた黄金の眠りへと誘われ「永遠の夢境」へと取り込まれ、現実の彼の肉体は消滅した。
直後、「黄金の眠り」に関する秘密を知ったジェブライラ一行を抹殺するために、手にしたアフマルの権能を使って彼らも夢境に取り込まんとしたが、ジェブライラによって阻止される。
アザリク
タニットのメンバー。ジェイドを「カラカルちゃん」と呼ぶ。
表向きは頼れる兄貴分だったが、実はアデルフィと共にファデュイと結託しており、いずれ主母の座を継ぐであろうジェイドと結婚しようと画策していた。
裏切りを見抜かれ、ジェイドに殺害される。
後のテキストでタニット部族自体がファデュイと結託していたことが露見するが、この「裏切り」はバベルに通じていたのか、それとも本当にアザリクの個人的な野望であったのかは不明。
テキストのミスなのか、彼のセリフが一箇所だけジェイドの口調になってしまっている場面があり、一部で妙な目で見られているとか…
ナヒーダの読心とその後のセリフからバベルと肉体関係を持っていた可能性が高い。
アデルフィ
タニットのメンバー。タニットで道具屋のようなことをしている。
実はアザリクと共謀してファデュイと結託していた。
弁解しようとするも、ジェイドに殺害される。
メンデス、ウグウェイ
タニットで門番をしている斥候。
タニットに来た旅人を制止するが、ジェイドの知り合いということで通した。
ナヒーダで心を読むと聖金虫を探していることがわかる。
バベルの命で襲い掛かるがジェイドに殺害される。
ユフトゥン
タニットの農夫。吃音持ち。家畜であるワニを育成している。
旅人に偽の依頼を出し、依頼の到着地点に待ち伏せを仕掛け処理しようとしていた。
一方ジェイドには旅人が北方の人間と取引をしていると嘘の情報を流していた。
最期は「偽証したケダモノ」としてジェイドの手でバラバラにされる。
ナイラム、リゼキ
バベル主母より遣わされた刺客で、ジェイドの知り合い。
パイモンのことが好きで生け捕りにしようとしていた。
旅人とジェイドらを消そうとするとするが、ジェイドに殺害される。
ブレダ、ガワッファ、イジドール、メドゥール、テイヤ
ジェイドのテントにあったリストで名前が消されていた人物。「九長老」に該当する人物だったと見られる。
(マシーラもリストに載っているが、消されておらず生存している)
ブレダ長老はバベルを娘のように、ジェイドも孫のように可愛がっていたが、毒を塗った短剣で胸を貫かれた。
ガワッファ長老はバベルの目の上のたんこぶであったといい、駄獣の顎骨で少しずつ、少しずつ噛み砕かれた。
テイヤ長老は若く美しい狩猟団の首領であり、バベル主母よりも優位な立場にいたといい、砂塵へと消えた。
イジドールとメドゥールも恐らくジェイドに殺害されたと思われる。
ウサード、タフレ
銃で何発も撃たれながらファデュイを虐殺して疲れ果てていたジェイドが、うわごとで上記のブレダ~テイヤの5人に続けて呟いていた人名。
「九長老」に該当する人物で、ジェイドに殺害されたと思われる。
ブハヌ
エルマイト旅団の刺客。
「ジェイドの指示だ」と言いながら旅人に襲い掛かるも返り討ちに遭い殺害される。
バベルが旅人とジェイドを仲違いさせるための謀略の一環だったと思われる。
タッドラー
タニットの猟鷹。
ファデュイに捕らえられていたところを旅人に救出される。当初は冷めた態度だったが、旅人と共に狩りを行う中で次第に柔和な態度へと変わり、旅人を仲間として見るようになる。
しかし、翼をもがれた猟鷹は必要ない、タッドラーの成人の儀の「狩り」の目標としてマシーラによって旅人を指定される。
神の碁盤にて旅人を待ち受ける。最期、彼女は「猟鷹」ではなく「仲間」として自身の羽を旅人に遺し、狩りを終えた。
マシーラ
タニットの長老の一人。数々の「猟鷹」を鍛え上げてきた。かつては狩人だったが、年を取り視力を失い、足腰が衰えたことで引退したという。タッドラーからは「父上」と呼ばれる。
タッドラーと旅人を殺し合わせた後、峡谷の避難所へ逃走し行方を暗ます。
タニット殲滅の後も生き残っており、「ナルヴァラス」という偽名で教令院のキャラバンに同行していたが、ジェイドに所在を気づかれる寸前に、ジェイドの傭兵団が襲撃したように見せかけ逃走した。

アアル村

スメールの森林部から見れば防砂壁を隔てた向こう側に広がる砂漠の入り口に当たる村で、はるか昔に存在したキングデシェレト文明の最後の生き残りが集まった村だという。
アアル村を守るガーディアンの使命とは村人が「キングデシェレトの末裔」としてこの世を去り、永遠の安寧を得ることを悲願とする。
教令院によって一種の流刑地として利用されており、法を犯した研究者などマハマトラによって追放処分が下った者はここに送られる。
中でも「狂学者」と呼ばれる神の知識に触れ発狂した学者たちは、まともに会話もできないため村人から煙たがられていたが、とある出来事をきっかけにアアル村の人々は彼らに敬意を表し、村の守り人「グラマパラ」と呼ばれるようになった。
「キングデシェレトの末裔」とは、神の庇護を失った砂漠において、アアル村のガーディアンが村人達に死後せめてもの安らぎを得られるように、と願いを込めているもので、実際に魔神の血を継いでいるわけではなく、強いて言えば「キングデシェレト(に仕えていた民)の末裔」といった意味合いだと思われる。

  • アアル村の起源について
    キャンディスの塵歌壺会話、キングデシェレトの霊廟中央のプライマル・オベリスク、両手剣「葦海の標」のストーリーを統合すると、
    もとはキングデシェレト自身によって「アクタモン」(あるいは「アフタモン」)*36として建設された祭祀都市だがその後いったん廃墟と化し、
    砂漠諸王国の興亡時代の最末期に、同地の遺跡から神剣「葦海の標」を発見した「盲目の詩人」(英雄サイフォスの師)とその民によって、「アアル」(=古代エジプト語で「葦」)として再建されたのがアアル村の起源と思われる。
  • 名前「アクタモン」について
    アアル村の古称の「アクタモン」(Akhtamun、Akhtamon)はおそらく、アケト・アモン(Akht-Amon)の略で、古代エジプト語で「アモン(キングデシェレト)の地平線」という意味と思われる。
    紀元前14世紀エジプトのファラオのアメンホテプ4世が、アテン神を至高の絶対神として崇めるために新首都として建設した宗教都市アケト・アテン=「アテンの地平線」(現在のアマルナ)が元ネタだろう。
  • 名前「アアル」について
    アアル(Aaru)は古代エジプト神話において天国・楽園を意味する単語。古代エジプト語で「葦」の意味で、オシリス神が治める死後の楽園と言われる。
    両手剣「葦海の標」の「葦海」に対応すると思われる。
キャンディス
青色の右目と琥珀色の左目というオッドアイを持つ、アアル村のガーディアンを務める女性。ディシアとは昔なじみのようで、時折アアル村を訪れる彼女と仲睦まじく話すこともあるようだ。
非常に優しい性格であり、負の感情の一片すらほとんど見せることがないほど明るい心根の持ち主だが、一度「敵」して彼女と相対するのであれば話は別である。
村の掟を守る善良な客人には例え一宿一飯の通りすがりの旅人であっても最大限のおもてなしで迎え、反対に村に仇をなそうとする輩にはその身をもって砂漠の厳しさを体験することになる。
キャンディスこそ真のキングデシェレトの末裔であり、アフマルの祝福が宿る盾を掲げれば大赤砂海の砂礫が彼女の呼びかけに従い、意のままに巨大な砂嵐を引き起こすことも可能。
更にはその琥珀色の左目には未来を見通し、運命を見抜く力があり、彼女の追跡から逃れることは不可能だという。…と、彼女に「もてなされた」エルマイト旅団の団員は仲間にそう語ったという。
…無論上記の話はよそ者の妄想でしかなく、キャンディス自身はそういった超能力の類も持っていない普通の人間である。だが、彼女がガーディアンとして培ってきた力は本物であり、並み居る不届き者がたとえ束になったとしても彼女に敵うことはない。
「アアル村を守る」如何なり手段を持ってしても。これは彼女の「ガーディアン」としての使命であり、「キャンディス」としての願いでもある。

スケプティック団

教令院に「ナガルジュナ団」と呼ばれている一派。
ナガルジュナは創設者の名だが、恐れ多いため自らナガルジュナ団と呼ぶことはない。scepticは英語で「懐疑主義者」を意味する。
危険な思想から教令院を追放者され砂漠の奥地を拠点としており、スケプティック団側も教令院を毛嫌いしている。

ナガルジュナ
スケプティック団の創設者。
詳細は上述。
ナセジュナ
スケプティック団のリーダーである「識主」を務める男性。
血の気が多いスケプティックでは珍しい、研究熱心な学者肌の人物。
ソルシュの協力を得て、「チンワトの儀」を行うことを目的としている。
アーリヤデーバ
元「識主」。娯楽小説と七聖召喚を追求するため団を抜けスメールシティに移住したが、執筆した娯楽小説への八重堂の評価は芳しくない。
実はナセジュナが何か企んでいることを察しており、自身の持つコリュの太鼓を教令院の知り合いに預けていた*37

花霊

ソルシュ
花霊の「勇者」。災厄の後に生まれた花霊で、かつての戦いを経験したことがない。神鳥シームルグのように自らを犠牲にして穢れを祓うことを理想としている。
花霊の中でもかなり特徴的な喋り方をし、また旅人たちに対しては当初は傲慢な性格だった。
ズルヴァーン
元祖の花霊。500年前、古代の英雄たちと共にアビスの余燼を鎮圧し、万種母樹を汚染していた穢れを祓った。
古代の英雄というのはダインスレイヴのことであり、後に双子の片割れと共に甘露花海を離れたという。

その他

ナヒーダ
幼い容姿をした謎の少女。正体はクラクサナリデビこと幽閉中の現草神・ブエル。
独特な比喩を多用した聡明な喋り方をする一方、幽閉生活が長く現実の交流が少ないからか、人間の習性や人間社会への知識は豊富でも、若干ズレた認識をしている節がある。
2022年の金リンゴ群島内では、自身の夢を操る力に類似した実験内容に興味を持ち、後から来た旅人にもドド通話機に割り込む等して接触している*38
その後、花神誕日の輪廻内で本格的に接触。ループを最初からすべて把握しており、旅人の記憶を瞬時に復活させるなど当初から只者ではない雰囲気を漂わせていた。
放浪者*39
正体が謎に包まれた放浪者。スメールの衣装で稲妻の衣装を再現した風貌を持つ少年。どこにも所属しておらず、プロフィール上も所属なしとされている。
正体は元「散兵」。世界樹の記憶に触れ過去の真実を知ったのちに、世界樹の自らに関する記録をマハールッカデヴァータ同様抹消しようと試みた。
しかしクラクサナリデビに消させたマハールッカデヴァータと異なり、自分自身の記録を改ざんしたため、存在そのものを消すことはできなかった。一方たたら砂の惨劇等へのかかわりは無かったことにされたため、人格も穏やかでまるで別人のようになっていた。
その後旅人とナヒーダに出会い、ナヒーダが世界樹の影響を受けないよう細工をして保存していた「散兵」の過去に触れる。本人がこれを知ってなお取り戻すことを強く望んだため、ナヒーダから記憶を受け取り人格もかつてのものに近くなった。
この際に風の神の目が下賜され、プレイアブルキャラクターとしても雷ではなく風元素で実装された*40
世界樹の改変では過程が変わっただけで惨劇の歴史自体を変えることはできなかったが、世界から「散兵」の記憶や記録が消えたことに満足し、博士への復讐を誓いつつも旅人、ナヒーダと和解し彼らを支援する事を約束する。
この際に「散兵」の名を捨て、和解の記念に旅人から名前を受け取った。以降彼の名前は旅人がつけた名前になる。
その後はナヒーダの「囚人」として、彼女の指示でスメールでの異変や教令院の内部調査などを代行する事もしており、ナヒーダのエージェントという位置付けになっている様子。また現在は教令院の学生でもある。
彼女の評価では「信仰者」でも「裏切者」でもない者とされており、彼女の統治下にはいるものの信者でも敵でもない状態となっている。事実敬っているような口調ではなく、他の側近が様付けするのに対し彼は「クラクサナリデビ」と呼び捨てにしている。
あることから「笠っち」という名で因論派に入った(詳しくは教令院欄に記載)。
  • 国家分類について
    無所属だが、立ち絵/神の目/システム/グッズなど分類がある場合は原則スメールキャラとして扱われる。
    七聖召喚に関しては新たな「その他の所属」という枠組みが用意され、所属自体が表記されていない。
    タルタリヤや万葉が国家実装前にプレイアブルされたことから便宜上璃月キャラとして扱われることもあるが、こちらはやや事情が異なる。
  • 雷電五箇伝に関して
    世界樹を書き換えたことで結果として関係者の認識が変わり、その事件に関する事実は再び失われた。
    しかし彼は末裔らに対し「真実を知る権利がある」とし、復讐されるのも覚悟の上で旅人に事実を伝えるよう依頼した。
    「その日はいつか来る」と言い、現に学者としてたたら砂の事件について研究している。
ドリー・サングマハベイ
小柄で神出鬼没なスメールの旅商人でアルカサルザライパレスの主。
とにもかくにもモラを愛し、モラを稼ぐことに情熱を注いでいる。
数え切れないほどのお宝を保有しており、ティナリ曰く「会計の度に心臓をチクチク刺されるような痛みを味わうハメになる」との事。
仕入先、不思議さ、予測不可能な出現場所、法外な値段といった様々な「一番」を持つ。
大商人として名高い「サングマハベイ様」その人であり、一般にはこちらの名前が有名であるようだ。
初出はアーロイのチュートリアル動画内におけるアリスの肩書「かの有名なサングマハベイ様のサプライヤー」であり、かのアリスを仕入先とするなら「一番」驚く仕入先という謳い文句も納得であろう。
  • サングマハベイはアルファベットでは「Sangemah Bay」と綴る。「サングマハ(Sangemah)」はかなり馴染みの薄い単語だが、
    「sang」と「mah」はペルシャ語でそれぞれ「岩・地域」と「月」を意味し、「sang-e-mah」で「月の岩」もしくは「月の土地」という意味になるようだ。
    また、「bay」はチュルク語で「マスター」を意味する。それぞれ中東圏、中央アジア圏の言語。
    ※出典:【原神杂谈】须弥原型的初步探究 - 哔哩哔哩 - Bilibili
ニィロウ
ズパイルシアター所属の天才的な踊り子の少女。頭の角つき冠は花神をイメージしたもの。
クラクサナリデビの信奉者の一人であり、ドニアザードの友人。
理性主義の教令院によって娯楽や芸術が迫害されている状況にもめげず、「花神誕祭」で舞を披露しようとしたが、大賢者によって中止を余儀なくされる。
「花神誕祭の輪廻」では夢境の主となっており、旅人の指摘*41から自身が夢の中にいることに気付くと、「花神の舞」を盛大に披露して夢を終わらせた。
プスパカフェの飼い猫であるガタが好き。
ドニアザード
名家フーマイ家の令嬢。スメールシティでは数少ないクラクサナリデビの信奉者。
生まれつき魔鱗病を患っている。魔神任務第三章・第二幕の時点で病状は末期まで進行しており、明るく活動的な性格とは裏腹にいつ限界が訪れてもおかしくない生活を送っている。
彼女の両親は娘の病気の治療のために手を尽くしているが、娘の身を案じるあまり彼女を屋敷内にほとんど軟禁するような状態にしており、そのため友人の一人も持たず屋敷の外の世界を見聞きすることもなく、病の進行を遅らせるためだけに生きているような幼少期を過ごしていた。
ある日、激しい発作を起こして数日間に渡って意識が朦朧とする状態になったが、意識が回復した際にクラクサナリデビの啓示を受け、彼女から屋敷の外に広大な世界があることを教わった。これを機に世界の様々な事象に興味を持つようになり、生きる気力を持つことができるようになった。
そのためクラクサナリデビに大きな恩義を感じており、彼女に関する民間の伝承を編纂したり花神誕祭の開催のために資金援助を行うなど、クラクサナリデビの信仰を広めるために熱心に活動している。
「花神誕祭の輪廻」に巻き込まれた際には、元々大病を患っておりそれも末期の状態だったこともあってアーカーシャによる夢の搾取に耐え切れず、百何十回にもわたる花神誕日の繰り返しの果てに意識が散逸してしまったが、そのためにアーカーシャによる掌握から逃れることができた。
彼女の意識は完全に消失する前にクラクサナリデビによって維持され、その間に旅人らによって「花神誕祭の輪廻」が終了させられたことで一命を取り留めることができた。
その後、魔鱗病が根治したことにより生来の明るさを完全に取り戻したのだが、今までの反動なのか溢れんばかりの元気にお嬢様の付き人もたじたじのようだ。
  • 名前について
    元ネタは「千夜一夜物語」のシェヘラザードの妹、ドニアザードだと思われる。
ジェイド→ジェイド・タニット→ジェイド・ユフィ・ヒンディ
砂漠で調査を行っていたティルザードの護衛を父のジェブライラと共に引き受けていたエルマイト旅団の少女傭兵。
土砂崩れに巻き込まれ立ち往生していたところ、行方不明になったティルザード一行の捜索依頼を冒険者協会から引き受けてやってきた旅人に出会う。
旅人の助力を得てティルザードの調査を完遂するも、ジェブライラはサミエルを止めるために永遠の夢郷に入り自我と肉体を失ったため、唐突に肉親を失い天涯孤独の身となる。
その後旅人と別れ、一先ずは父の生まれである「タニット」という砂漠の部族が住む集落を探し、さまよっていたがタニット露営地にたどり着き、タニット部族の一員として迎え入れられる。
外部の人間であるうしろめたさはあったもののタニットでの生活に慣れてきた頃、冒険者協会に宛てた手紙を通して旅人と再会し、「永遠のオアシス」の本格的な調査に乗り出す。
紆余曲折を経て永遠のオアシスにたどり着き、両親との別れを告げることができたが、旅人がファデュイに情報を流したとバベルに吹き込まれ、罠にかかりファデュイに人体実験材料にされかける。
助けにきた旅人と合流したのち、ようやく得られた新たな家族と思っていたタニット部族に最初から利用されていたことが露見し、怒りに任せて主母バベルを含めタニット部族を殲滅する。
タニットを滅ぼしてしまったため結局元の放浪の身に戻ることになり、旅人に別れを告げブンブンと共に新たな旅へと出る。
アザリクにアプローチ*42をかけられた際「女の子と一緒にいる方が好き」と断っている。旅人に対しての好意表現も「一番の友達」(空)、「すごく好き」(蛍)など選択した性別によって大きく異なる。原神のセリフは基本的に「彼」「彼女」などの三人称を除き旅人の性別にかかわらずほぼ同一であるため、このような対応は非常に珍しい。
タニットを離れてからは自らを団長とした傭兵団を立ち上げ、千尋の砂漠の北西、蒼漠の囿土近辺を拠点として生活している模様。
友人(タッドラー?)の古い仇を取るため、かつて仕留めそこねたタニット九長老の一人、マシーラの行方を追っている。
ジェブライラ
ユフィ・ヒンディ
草龍アフ·アペプ
外来の秩序である天理がテイワットに降臨する遥か昔、テイワット創世の時代から存在する龍の一族の生き残り。草元素を司る。現在は砂漠の奥底を住処としている。
トワリンや若陀龍王とは比にならないほど砂色の非常に長大な無足の龍。かつてスメール全土が草木に覆われていた時代は翠色の姿だったという。
尋常ならざる適応力の持ち主であり、それは世界の外からもたらされた漆黒の力「禁忌の知識」にも順応するほど。
この禁忌の知識はかつて「龍王」により一度もたらされたものであるが、龍王が天理に敗れた後にアペプは独自にこの力を手にしようとしたが、それは天理による妨害により差し止められることになる。
それでもこの力を欲したアペプは魔神アモンとの取引により彼を飲み込みその力を我がものとする。だが、その引き換えに自らに「世界の滅亡」を招くことになってしまい、その後数千年の間苦しみ続けることになる。
世界樹の記憶から禁忌の知識が取り除かれ、世界から禁忌の知識による影響が抹消されると、アペプが手にした禁忌の知識もまた取り除かれるが、それらは既にアペプと一体になっており、それは体の一部が強制的に取り除かれると同義であった。その結果体が朽ち果てかねない事態に陥った。
怨敵天理の一片でもある魔神ブエルらの尽力により体内の核である「オアシスの心」が修復され、その体は一旦は再生へと向かっている。
  • 名前について
    元ネタは古代エジプト神話の闇と混沌を司る神アペプ(Apep)と思われる。太陽神ラーの宿敵であり、大蛇の姿をしているといわれる。
    原則として悪神とされるが、例外的に異民族ヒクソス人の王朝だった第15王朝(紀元前17~16世紀)には、アペプに由来する「アペピ」という名を名乗ったファラオが二人存在した。

*1 興したのは先代の草神であり、代替わりしたが当代の草神は第三章時点ではほとんど信仰されていなかった。カーンルイアの災厄以降実際に国を動かしているのは教令院の人間である。また一部地域では別の神が信仰されている。
*2 キャラクターの発音自体はVer3.0時点でもマハールッカデヴァータであった
*3 「マハラジャ」や「マハーバーラタ」の「マハ」である。「摩訶不思議」の「摩訶」でもある。
*4 「日月前事」にはパネースが光を放つ四つの影を作り出したことが記されており、関連があると考えられる。
*5 元々Ver3.0の時点で「キングデシェレト」という表記は一切無く、「スカーレットキング」のみであったが、Ver3.1でテキストは「キングデシェレト」、ボイス付きのセリフは「キングデシェレト(スカーレットキング)」とルビが付き「スカーレットキング」と読まれる仕様に変更された。Ver3.2ではボイスもすべて「キングデシェレト」に差し替えられて「スカーレットキング」の呼称が完全に消え去り、魔神任務の内容(世界樹による歴史改変)との奇妙なシンクロが発生することに。(Ver3.1の措置はボイス差し替えが間に合わなかったものと思われる。)
*6 デシェレトが呼称を多く持つのは、古代エジプトのファラオが戴冠の際に出生名とは異なる4つの聖なる称号を与えられた(五重称号)ことを元にしていると思われる。上記の通りファラオの権威は神の子孫であることに由来するため、五重称号は王の神秘性を高めることに役立った。
*7 現在のカイロ南部から地中海まで広がるナイル川のデルタ地帯周辺の地域
*8 ナイル川の上流、現在のカイロ南部からアスワン周辺までの地域。こちらの象徴は肥沃な大地を意味する白冠「ヘジェド(Hedjet / 古代エジプト語: ḥḏt)」である
*9 シェロイとシリンの物語
*10 リルパァール解放時のジェイドの台詞
*11 『 シェロイとシリンの物語』第2巻
*12 「神の碁盤」プライマルオベリスク
*13 無名の石碑・3
*14 無名の石碑・5
*15 無名の石碑・7
*16 燃え盛る炎の魔女
*17 教令院からの追放と戦線への合流の前後関係こそ不明だが、現在伝わっている「教令院を追放された」という評価と関連していることは間違いないと思われる。
*18 もし実現した場合、マハールッカデヴァータの禁忌の知識が蔓延し取り返しのつかない事態になっていた可能性が高い
*19 ボイス「レイラについて…」より
*20 この時点では、知論派のルビは「()ルヴァタット」となっていた
*21 普段のナフィスの手紙は時々裏面の数箇所に点が書かれるが、これが無い状態が続いていた。ちなみに点の数が書いた時の天気に対応している
*22 封印の際多大な苦痛を与えてしまったことを負い目に感じていることと、コレイもそれを思い出す度封印跡が痛くなることから、トラウマの想起によって封印に悪影響を与えないように配慮しているのではという考察もあったが、その後コレイとは普通に接している描写が登場したため、単に有名人である大マハマトラの身分を隠してお忍びで来たかっただけの可能性が高い。
*23 プレビュー公開以前はチャプターPVの絵に映っていた腰に付けている赤い装飾品が炎元素の神の目と見間違えられていたこともあった。
*24 余談だが、セノとレザーの兄弟説が唱えられていた時期があった。髪と目の色や腕の模様、星座が似ていたことに加え、セノが実装されるVer.3.1のテーマイベント「杯の中のバラッド」がレザーの出自に迫るものと告知されたこと、『凛風奔狼の断牙』にて雌狼に育てられた双子(=ローマ建国神話のロムルスとレムス)について言及があることなどがその理由。いざVer.3.1を迎えると、魔神任務ではセノがキングデシェレトの祭司の末裔であることが示唆されると同時に、イベント内ではレザーの両親がモンド人の冒険者夫婦であることがほぼ確定したため、兄弟説は沈静化した。
*25 紫→青→水色と変化していく配色はどれもアルハイゼンのそれとは異なるが、この色の変化をルッカデヴァータによる浄化の過程と考えると、色相的には最終的に草元素の色かつアルハイゼンの装飾と同じ色である黄緑になってもおかしくはない。
*26 トーナメントの賞品である冠により発狂した学者が過去に居た
*27 メタ的にはボイスの都合の可能性がある
*28 https://x.com/genshin_7/status/1742395861899083966?s=46
*29 英語のstar、ラテン語のstella、ギリシャ語のasterやastronなどと音が似ているが、これらすべてとsitaraは語源が同じである
*30 第三章第五幕以降にハイパシアが登場していないため、どんな記憶に置き換わっているのかは不明
*31 素論派と発言するNPCがいたがこちらに統一された。
*32 中国語表記が「柯莱」であることから、「莱(レイ)」を「菜(ナ)」に見間違えたという説が囁かれているが、「菜」は中国語では「ツァイ」(「な」は訓読み)なのでやや無理がある感は否めない。いずれにせよ真相は闇の中である。
*33 「鬣」はたてがみのこと。雌ライオンには生えないとか言わない。
*34 アルハイゼンのキャラクターボイスでも残念がっており、評価の高さが窺える
*35 ジェイドには旅人がファデュイに永遠のオアシスに関する情報で取引をしタニットに危害を加えたと教え、一方で旅人にはジェイドがファデュイと繋がり、タニットを危機に陥れた上に旅人が持つジンニーの力を奪おうとしていると伝えていた。
*36 キャンディスの会話では「アフタモン」となっているが、元ネタらしき古代エジプトの「アクト・アテン」から考えると、ドリーの会話に出てくる「アクタモン」の表記の方が正しいと思われる。なお中国語版は阿赫塔蒙、英語版はAkhtamun、作中の古代文字を解読した表記はAkhtamon。
*37 教令院に送られたこの太鼓はさらに冒険者協会に預けられ、スケプティック団への「焚真の天象」現象の調査協力を求める交渉材料として使用されていた。その後、依頼に失敗した冒険者の一人によって無責任にも砂漠の入り口に放棄されてしまうが、幸運にも旅人とパイモンが見つけ出したことによって事態収束の発端となっている。
*38 イベントクリアの有無にかかわらず、その後のストーリー中での本人や旅人からの言及はないが、「将来他の場所で会えるから敢えて今は名乗らない」旨の発言や、草元素のエフェクトなどから、ほぼ確定とみていいだろう。アーカーシャを通じてしか能力を行使できないナヒーダがなぜ干渉できたかは謎だが、ファデュイの装置かあるいは金リンゴ群島そのものが、人の意識に干渉するという点で一種のアーカーシャ端末のようなものだったのかもしれない。
*39 テイワット毎に名前が異なる
*40 散兵の雷を操る能力はによって与えられつつも封印されていた生来の能力であり、改変前の世界では博士によって封印が解除されていた
*41 遙か昔に絶滅したはずの赤紫色のパティサラがニィロウの認識によって存在していた
*42 本当に好意を持っていたのか政治的動機のみかは不明だが