零戦五二型
Last-modified: 2024-03-16 (土) 13:36:24
基本データ
入手方法
性能や運用について
- 地味に開発限定な戦闘機……だったのだが、大鳳改の初期装備としても手に入る。
- 性能的には零戦二一型の対空をほんの僅か強化して爆装を追加した程度。開発で出てこられても使いどころに困ること請け合い。
- 17年4月2日のアップグレードによる性能調整にて、対空+1、爆装+2、ボーキコスト+1の修正を受けた。*1
元ネタ解説
- 1943年から生産が始まった、零戦の後期生産型。日本海軍の大戦後期の主力艦上戦闘機である。
一般に知られるグリーンの塗装の零戦はこの五二型であり、数度の改良を経て零戦シリーズでは最多の約6,000機が生産された。
- 五二型は二二型の発展型。これまで問題視されていた点に改良が入った。
具体的には以下のような改修が加えられた
- 主翼を三二型と同じ11mに短縮した。三二型と違い翼端は丸みを帯びたなめらかな形状になっている。(三二型で短くした主翼を二二型で元に戻していた)
- エンジンのマフラーを集合排気管から推進式単排気管に変更した。これによりエンジン性能は変わらず、全備重量が200kg増えた機体ながら最高速度を20km/h向上させた。上昇力も向上している。
- 無線機が新型の三式空一号に換装された。これは後に米軍から問題点はあるものの自軍の無線機と遜色ない性能を持つと評価されている。
- 翼内タンクに自動消火装置を装備し、生存性を上げた。
- エンジンは三二型系統と変わらず栄二一型(1130hp)を搭載した。このため、同期の敵戦闘機と比較すると劣る性能だったのは否めない。
高出力エンジンの開発の遅れにより、五二型の時点では大幅な強化には至らなかった。また、重量増による格闘性能の低下が発生した。
しかし、日本軍パイロットも一撃離脱戦法を取るようなど工夫を始めており、五二型は多くのエースパイロットを生み出した。
- 戦後に生き残った一部のエースパイロットたちが(特に格闘性能の低下を根拠として)やたらと二一型を持ち上げて本機を貶める発言をしたため、本機を改良に失敗した駄作機と見做す意見も根強い。
しかし現場では高い防御力などが評価されて二一型より五二型の補充を要請する声が出たり、実際本機に搭乗してエースパイロットとなった人がいたり、元エースの中にも本機を評価する声が少なからずあったりと、評価されていた記録・証言もまた多い。
- そもそも二一型が活躍していた時代とは違い、本機の登場時期は高速での一撃離脱が空戦の主戦法となっており、低速で行う格闘戦は相手が乗ってくれない限り生起し得なかった。
そしてアメリカ軍は既に数多の戦訓や鹵獲機の検証によって零戦の特性を熟知しており、「零戦との格闘戦には応じるな」とパイロットたちに徹底していたため、格闘性能の低下はそこまで大きな問題にはならなかった。
- 1943年8月から三菱で生産が始まり、12月には中島からもライセンス生産が始まった。
- 残念ながら、この時期には既にアメリカ軍は一世代先と言える2,000馬力クラスのF6Fの配備が進んでおり、1,200馬力弱の本機では相手が悪く、二一型のような戦果を挙げることは出来なかった。
また、前線では新米パイロットが増えていたため性能を十分に発揮できなかったこと、数的不利な状態での会敵が多くなっていたことなど活躍できる場が無くなっていた。
- すでに米軍は一撃離脱戦法の徹底と零戦との格闘戦を避けるような指示を出していたことから、格闘性能を活かすことは満足にできなかった。
日本軍でも零戦で一撃離脱戦法を取るパイロットは存在し、彼らは厳しい戦いの中で戦果を上げている。しかし、相対的な基本性能の低さはどうしても覆すことは難しく、条件が整ったときにしか活躍はできなかった。
- 大戦末期には米軍の熟練パイロットが増え、場合によっては格闘戦で負けることもしばしば発生していた。
- 後継機となる紫電改や烈風の開発・配備が遅れたため、本機が事実上の日本海軍最後の主力機となっている。
大戦末期には空母も制空権も制海権も完全に失われたため、陸上基地から発進しての特攻機として使用されることもあった。
- 終戦後は残存機のほとんどが廃棄・破壊され、現存している機体は数えるほどしか存在しない。
現在、飛行可能な五二型は一機だけアメリカに存在する。
- 最多生産型となった五二型は複数の派生モデルがある。
- 五二型(A6M5):二二型の発展型。翼幅を三二型と同じ長さに戻した。翼内燃料タンクに自動消火装置を追加。排気管を推力式単排気管に変更し200kg増ながら20km/h最高速を伸ばした。五二型全体で6000機製造。
五二型甲(A6M5a):九九式二号三型20mm機銃を九九式二号四型20mm機銃に換装したモデル。給弾方式がドラムからベルトリンクに変わり、60発(大型ドラム時:100発)→125発に増加。主翼の強度を高め急降下制限を666.7km/h→740.8km/hに伸ばした。
五二型乙(A6M5b):機首右側の九七式7.7mm機銃を三式13.2mm機銃に換装したモデル。前部風防に45mm厚の防弾ガラス、座席の後部に8mm防弾鋼板を装備可能にした。
五二型丙(A6M5c):武装と防弾装備を強化したモデル。機首の九七式7.7mm機銃を撤去し、三式13.2mm機銃を3丁追加(機首右側+翼内)。座席後部に55mm防弾ガラスを追加。またロケット弾が積めるようになった。
(A6M5d-S):五二型を改修した夜間戦闘機型。操縦席後部か胴体左舷に九九式二号四型20mm斜銃を一つ追加。
五三型(A6M6):五二型丙の改良型。栄三一型(1150hp)に換装。防弾燃料タンクを追加。量産には至らなかった。
六二型(A6M7):五二型丙に250kg爆弾を搭載できるようにした戦闘爆撃機型。栄三一型甲(1130hp)を搭載。大型爆弾での急降下爆撃をするために構造強化と外板厚増加を施した。
六三型(A6M7):五三型に250kg爆弾を搭載できるようにした戦闘爆撃機型。栄三一型(1150hp)を搭載。大型爆弾での急降下爆撃をするために構造強化と外板厚増加を施した。
五四型(A6M8):五二型丙の改良型。金星六二型(1560hp)に換装。エンジンの大型化に伴い機首の13.2mm機銃を撤去。試作機2機のみ
六四型(A6M8):五四型の戦闘爆撃機型。生産中に終戦。
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