あ~お
あおいいぬ【青い犬】
ドミニオンにおける複雑すぎるやりとりを指すジョーク。
青犬ルールが「青い犬」と呼ばれるのは、異郷初版がリリースされた当初、ドナルド・Xがこのルールを説明するために青い犬を散歩させるという奇妙な例えを用いたことに由来する:
【原文】(引用元)
If I say, "feed the blue dog, then take it for a walk," "it" refers to the blue dog, including its blueness, but "it" does not mean "the dog you fed." We are talking about a blue dog, and I am giving you two commands concerning it. Feed it, walk it.
【日本語訳】
「青い犬に餌をやってから、それを散歩に連れて行け」と言ったら、「それ」とはその青さも含めて青い犬を指しているのであって、「餌をやった犬」のことを指しているわけではない。今は青い犬について話していて、それに関して2つの命令を下しているのだ:餌をやりなさい、散歩させなさい。
なお、これを受けて忠犬(リアクションであるためカードが青い)が登場した*1。
あおいぬルール【青犬ルール】
「青犬ルール」とは、「『獲得したカードを参照する効果』の適用時、『獲得自体が何らかの効果でキャンセルされた』場合には、その効果を得られない」というモノである。青犬ルールの名称の由来は青い犬を参照。
青犬ルールの典型的な例は鉄工所でカードAを獲得しエラッタ前の交易人をリアクションした場合である。このとき鉄工所の効果でカードAを獲得していないので、カードAの種類に応じた効果を得ることができない。また銀貨の獲得は鉄工所の効果で獲得したわけではないので、+1コインを得ることもできない。
この他にも「カードの獲得を妨げる効果」により獲得自体がキャンセルされた結果、「獲得したカードを参照して得られる効果」が得られない場合がある。以下に例を挙げる。
- カードの獲得を妨げる効果
- 獲得したカードを参照して得られる効果
あっしゅく【圧縮】
デッキから不要なカードを廃棄等で取り除き、自分にとって必要なカードの割合を増やすこと。
主に初期デッキに含まれている銅貨と屋敷、一部アタックカードで配られる呪いカードが圧縮の対象となる。
圧縮の利点と欠点は以下の通り
利点 | 欠点 |
---|---|
・同じ枚数の手札でもより高い出力が望める。 ・不要なカードが混じることによるターン間のムラが少なくなる。 ・購入した強力なカードがより早い頻度で使用できるようになる。 (デッキを全て引き切ることが出来れば、1ターンに1回使用できる。) | ・圧縮にターンを費やさなければならない。 (強力なステロ向けのカードがある場合、圧縮が間に合わない可能性が高くなる。) ・デッキの枚数が少ないため、勝利点や呪いのデッキ圧迫の影響が大きい。 ・泥棒・仮面舞踏会・義賊等、カードを盗む/破壊するカードが高コストのカードに当たる確率が上がる。 |
なお、改築系のように不要なカードを廃棄してカードを獲得する場合、人によっては以下のように解釈が変わる。
- 不要なカードが有用なカードに変わっているため、圧縮に含める。
- デッキの枚数が変わっていないため、圧縮に含めない。
ゲームが進むにつれてデッキ内に有用なカードが増え、圧縮カードと廃棄したいカードが揃いづらくなるため、圧縮する場合はできるだけ早い段階で着手するのが望ましい。
一覧はこちら(※改築など、カードを変換する効果を持つものを含む)
あれば【荒れ場】
強力なアタックカードや、一部相手を妨害する効果を持つカード(抑留・不正利得等)により、高コストのカードが容易に獲得できないような状況のこと。
特に呪いや廃墟を配るカードにより、デッキに不要なカードが蔓延している状況を呪い場・廃墟場と言う。
アンチカード
あるカード(特にアタックカード)に対し、その効果を和らげる・弱くする・逆用できるカードのこと。
民兵に対しての書庫、泥棒に対しての共謀者、魔女に対しての庭園等が代表格。
アンチシナジー
カード同士が邪魔をしあうような相互作用により、それぞれを単体で使うよりも悪い結果になるような組み合わせ。ディスシナジーとも。
礼拝堂+庭園(廃棄すると庭園の点数が下がる)が代表格。
⇔コンボ・シナジー
いどうそしルール【移動阻止ルール】
2019年のルール変更とエラッタにより、「消息不明(lose-track)ルール」を「移動阻止(stop-moving)ルール」と呼ぶこととなり、内容に変更が出たので注意。
「移動阻止ルール」とは、「『カードを移動させる効果』の適用時、『その効果が予期する場所にカードがない(あるいは一度その場所を離れ、戻ってきた)』場合には、カードの移動処理に失敗する」というモノである。以下に例を挙げる。
- 使用したカードはプレイエリアに出ていると予期されるため、場に出ていなければ移動処理に失敗する。
- 獲得したカードは獲得先にあると予期されるため、獲得先に無ければ移動処理に失敗する。
- 捨て札置き場の一番上に移動したカードが、他のカードで覆われたことで、捨て札置き場の二番目以降の場所に位置した場合は、移動したとは見なさない。
捨て札置き場の二番目以降の場所に位置したカードを移動させる際は、捨て札置き場のカードを全て見て目的のカードを探し出し、移動処理を行う。
いどうどうぶつえん【移動動物園】
- 収穫祭&ギルドの王国カードである移動動物園/menagerieのこと。
- 拡張パッケージの一つである移動動物園/menagerieのこと。
同盟よりも前に存在していた、同名問題である。
尚、同盟やそれ以後とは異なり、移動動物園は英語でも同名である。
イベント
冒険で登場した、「カード」ではなく「効果」を買うランドスケープ。
→イベント
おうこくかーど【王国カード】
サプライに置かれる、ゲームごとに入れ替わる10種類のカードのこと。
おかねプレイ【お金プレイ】
銀貨・金貨と勝利点カードのみを買い続ける戦術のこと。
基本カードのみを使うためどのようなサプライでも可能な戦術であり、戦術の一つの基準となる。
勝つためにはステロ・コンボデッキ・アタックカードによる荒れ場など、これより勝利点の確保が速い戦術を選ぶこととなる。
→ビッグマネー
か~こ
かいちくけい【改築系】
改築に代表される、カードを廃棄し、それより高いコストのカードを獲得するカードの総称。
不要なカードの廃棄による圧縮と、必要なカードの獲得を一手でこなせるため、手早くデッキを作ることができる。
能力全体を見て圧縮カードに含めるかどうかは、カードの効果・獲得するカード・各プレイヤーの解釈による。
かいてん【回転】
ドローしたりデッキを捨て札にすることで、カードのサイクルを早めること。
ドミニオンでは基本的に、獲得したカードは次のシャッフルを挟まないと使えないシステムであるため、デッキを早く回転させること自体にメリットがある。
カウンター
→アンチカード
カウンターの場合、アンチカードの中でも強烈に逆用できたり殴り返したりするレベルのものを指すことが多い。
民兵に対しての書庫、詐欺師に対しての行商人、魔女に対しての仮面舞踏会など。
カウンティング
自分・他のプレイヤーの獲得したカード・プレイしたカードを数えて記憶することで、公開されていない情報を知ること。
カウンティングするものの例として、全員の獲得した属州の枚数・自分の山札に残っている金貨やアクションカードなどの枚数が挙げられる。
かくとくじこうか【獲得時効果】
カードの獲得によって誘発する効果。
購入時効果と違い、そのカードを獲得する手段を問わず、獲得が実際に起きさえすれば誘発する。
望楼なども同じタイミングで誘発するので解決の順番をカード獲得プレイヤーが選ぶことができる。先に望楼のリアクション効果で獲得したカードを即座に廃棄したとしても、獲得時効果は発生する。
獲得したカードは効果を解決する時に捨て札置き場(や指定された場所)にすでにある。そのため獲得時効果の解決により「移動阻止ルール」に抵触する場合がある。
かそうコイン【仮想コイン】
財宝カードではなくアクションカードの使用によって生まれるコインの俗称。
共謀者・海賊船等で財宝カードを使わず大量のコインを生み出す戦術がある。
なお、ゲーム上は、財宝カード等から生み出されるコインも仮想コインと区別されない。
カット
- デッキをいくつか(たいてい2つ)の山に分割して入れ替えること。不正防止のために、シャッフル後に自分以外が行うことが多い。
- 相手への妨害目的で(本来欲しいカードとは別の)カードを獲得する行為。大抵の王国カードは1種類につき10枚しかなく、自分が獲得した分だけ相手が獲得できる総枚数を減らせる。
かばらい【過払い】
ギルドで登場した、カード購入時にそのカードのコスト以上にコインを支払うことで、追加の効果を得られるシステム。
→過払い
かはんしょうりてん【過半勝利点】
「ゲーム全体で用いられる勝利点の半数を超える点数」を意味する言葉。
これを得ることができれば、ゲーム終了条件を満たしていなくとも他プレイヤーに逆転されることはない*2ため、勝利が確定し実質的にゲームが決着する。
良く言われる単純化した例を以下に示す。
通常(=植民地、避難所、特殊勝利点、VPトークン、ランドスケープ、呪い撒きを用いないゲーム)の2人戦では…
(サプライにある属州48点+公領24点+屋敷8点)+双方の初期デッキの屋敷6点=86点なので、[過半勝利点の44点]を取れば勝利確定。
同様に三人戦では(60+30+10)+9=109点なので、[過半勝利点の55点]を、
四人戦では(60+30+10)+12=112点なので、[過半勝利点の57点]を取れば勝利確定。
実際には「呪い獲得枚数に差がある」「初期デッキの屋敷圧縮や属州の空廃棄があった」「勝利点が同点時に、経過ターンが少ないプレイヤーが勝者となる」などの要素により実質的な過半ラインが下がる場合があるが、
『勝利点先行時に、あと何点確保すべきか?』『相手に何枚までなら属州を取られてもコンボで逆転可能か?』を判断する際の大きな一助となる。
三~四人戦では単純に点数のハードルが上がる上に対戦相手も複数いるため、達成が極めて困難である。
勝利点の総量を二者で分け合うからこそ成立する考え方のため、基本的にはニ人戦でのみ使われる概念と言える。
からはいき【空廃棄】
一部の改築系のカード・引揚水夫などで廃棄したカードと同じカードを獲得することでサプライのカードを1枚減らすこと。広義のカット(②)ともいえる。
自分が勝利点を多く持っている時に属州、もしくは三山切れが近づくようなカードを空廃棄することで、相手の勝ち筋を減らすことが出来る。
かろうし【過労死】
技術者を廃棄し、4コスト以下のカードを2枚獲得することの俗称。
- カードのコストが通常のコインによるコストではなく負債であり、やろうと思えば未払いのままにできる。
- 成果物を一つ作らせる程度の労力には耐えられるが、二つ作ることを強いると死ぬ。
…という効果から、実際にKAROSHIをイメージしてデザインされたと考えられる。
きほんかーど【基本カード】
全てのゲームでサプライに置かれる銅貨・銀貨・金貨・屋敷・公領・属州・呪いの総称。
場合によってはポーション・白金貨・植民地・廃墟といった、条件を満たした時に使用する王国カード以外のサプライを含める場合もある。
基本カードセットには廃墟以外の10種類の基本カードが収録されている。
きほんせっと 【基本セット】
ドミニオンの最初のパッケージ「ドミニオン」およびその第二版「ドミニオン:第二版」の俗称。
拡張の名前が付いていないため、ゲームの総称と区別する場合に便宜上こう呼ぶことが多い。
→基本
キャントリップ
「+1ドロー、+1アクション」を持つアクションカードのこと。代表例は市場や真珠採りなど。
手札やアクションを消費せずに効果を得られるため、デッキの邪魔になりにくいという利点を持つ。
ただし、ターミナルアクションに比べて、+アクションがついている分だけ効果が弱いことも多い。
また、いくら邪魔になりにくいとはいえ、何も考えずにデッキに入れると鍛冶屋などのターミナルドローで引いても使えない、手札破壊系のアタックを受けた際の選択が難しくなるなどの弱点もある。
ドミニオンの攻略本「ドミニオンレシピ」で使われた用語であり、マジック:ザ・ギャザリングの同様の効果を持つカードに由来する。
さらに遡れば、マジックに影響を与えたTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の些細な効果を発揮する呪文が由来である。
こうかん【交換】
こうにゅうじこうか【購入時効果】
カードの購入によってコインを支払った直後に誘発する効果のこと。
獲得時効果と異なり購入だけが条件であり、工房や改築などによる「購入を介さない獲得」とは関係しない。
購入したカードはまだ獲得していないため、捨て札置き場(や指定された場所)にない。
この誘発タイミングは獲得時効果の誘発より前であることに注意。
なお第二版ではエラッタ・カードの削除と追加により購入時効果が獲得時効果に順次置き換えられている。
特に海辺・繁栄・異郷2版発表に伴う2022年版エラッタでは過払いを除くほぼすべての購入時効果が置き換えられた。
こうにゅうけん【購入権】
カードやイベント、プロジェクトを購入する権利のこと。通常は1ターンに1回しか購入する権利を持たない。
または、その権利を増やすことができるカードの総称。ここでは後者について記載する。
主に「+1 カードを購入」を持つカードが該当する。
通常であれば、必要なカードを買ってなお余る分のコインは無駄になってしまうが、購入権を増やすことができれば無駄なくコインを使い切ることができる。
特にコンボデッキでは
など、ステロに追いつくための行動に不可欠である。サプライによっては、廃墟である市場跡地を確保しておくことが勝ちにつながるほど。
また、庭園戦法など、安価なカードを大量に集めるのにも有効である。
一方で、たいていのステロでは序盤はターミナルアクションや財宝を1枚ずつ、終盤は属州を毎ターン1枚ずつ買うことが多いため、あまり重要視されない。
異郷までは「+1」しか存在しなかった*3が、暗黒時代以降「+2」を持つカードも登場している。
冒険で登場したイベントにも「+1 カードを購入」を持つものがいくつか存在するが、イベントの購入自体に購入権を消費しているので実質的に増えていない点に注意。
工房系や改築系など、カードを直接獲得できるカードも広義の購入権と言える。
ただし、これらのカードには獲得するカードに「コスト4以下」「廃棄したカード+2までのコスト」など制限がつくものがほとんどである。
ゴールデンデッキ
毎ターン確実に一定の勝利点を稼ぐコンボデッキの総称。
代表的な例としては以下のものが挙げられる。
- 司教+3枚5コイン(7コイン)+金貨(属州):毎ターン金貨(属州)を廃棄して4(5)勝利点を得て、6(8)コインで金貨(属州)を買い戻す
- 司教×4+城塞×4:司教で城塞を廃棄して毎ターン12勝利点を得る。
- 原住民の村+オアシス+白金貨×2+植民地:オアシスで植民地を捨てて原住民の村でマットに送り、11コインで植民地を買う
- 遠隔地+4枚5コイン:遠隔地を酒場マットに移動させ、5コインで遠隔地を買う
カード5枚以下の純粋なゴールデンデッキはそれが全て手札になり、デッキに1枚もカードがないため、デッキを攻撃対象とするアタックカードを完全に無効化する。
一方で呪い撒きアタックや手札破壊系のアタックによって崩壊してしまう致命的な弱点を持つ。
コンボ
カード(特にアクションカード)同士の相互作用により、それぞれを単体で使うよりも大きな成果をあげるような組み合わせ。シナジーとも。
一例としては祝祭+書庫(書庫でのドロー枚数が増える)、議事堂+民兵(デメリットを打ち消しつつ自分だけ大量の手札を持つ)等。
村や玉座の間は単体では役に立たないコンボ前提のカードである。
⇔アンチシナジー・ディスシナジー
コンボデッキ
コンボを最大限に利用し、終盤に一気に追い上げを狙うデッキのこと。ステロと相反する。代表的な例としては、
- 村と鍛冶屋を主軸にし、勝利点の2枚同時購入を目標とした村鍛冶屋→引き切り
- アタックカードを1ターンに何度も使用し、相手のデッキをボロボロにするロックデッキ
- 玉座の間(宮廷・御料車)と橋を組み合わせ、勝利点を一気に購入するビッグブリッジ
- 策士を毎ターン使用し、大量の手札を利用して勝利点を獲得し続ける策士ループ
- デッキの枚数を可能な限り削り、司教等を利用して毎ターン確実に一定の勝利点を稼ぐゴールデンデッキ
- 複数枚の豊穣の角笛を利用して引き切りデッキを作り上げ、最後に8~11種類のカードをプレイして豊穣の角笛を勝利点にする豊穣の角笛ガチャデッキ
等がある。コンボデッキは成功すれば強力な反面、
- ターミナルアクションだけが手札に来る
- デッキを引き切ったにもかかわらずコインが足りない
- ステロ戦法に追いつかない
等、デッキ構築の失敗や周りの状況等により敗北に直結することも多いが、
といった、コンボデッキを積極的に狙うべき状況もある。
さ~そ
ざいげん【財源】
ギルドで登場し、ルネサンスで改称されたシステム。
トークンの形で次ターン以降に持ち越せるコイン。
→財源
ささる【刺さる】
アタックカード等により、通常より多大な被害を与える/受けること。
- 泥棒でピンポイントに金貨を盗まれる
- ここぞという時に民兵を使われて属州が買えなくなる
- 役人で馬上槍試合と揃っていた属州をデッキの上に戻され揃わなくなる
- 回したくないカードが手札に固まった状態で仮面舞踏会を使われる
- 海の妖婆でデッキの一番上にあった有用なカードを落とされる
等、主に運が悪かった、事故に巻き込まれた時に使われる。
サプライ
カードとして購入できる基本カードと王国カードの総称。
王国カードの組み合わせの俗称としても用いられる。
カードとして購入できない下記のものはサプライに含めない。
- 購入はできず、特定の条件を満たした時にのみ獲得・交換できるカード(例:褒賞・狂人・騎士見習いと農民を除くトラベラー)
- 条件を満たした時に効果を得る祝福・呪詛
- 横向きに置かれるカードであるランドスケープ
さんやまぎれ【三山切れ】
ゲーム終了条件の一つで、サプライの山札のうち3つ以上が切れること。
以下の状況で発生しやすい。
- マイナスカードを配るカードによってデッキに不要なカードが多く混じる呪い場
- 手札破壊系アタックが毎ターンのように使われる荒れ場
- 特殊勝利点戦術が有効なサプライ
- 村・寵臣等、取り合いになりやすいカードの多いサプライ
- 勝利点トークン・ランドマークによって勝利点カードを買うより効率よく勝利点を稼ぐ方法があるサプライ
属州・植民地が無くなって終了する場合と比べ、サプライの残り枚数や対戦相手との勝利点の差の把握がより重要になる。
じかい【自壊】
カードの使用時効果で、条件を満たすことで場から離れる(廃棄される、由来する山札に戻る)カードを指す。
代表的なものは以下の通り。
また、自壊効果を持つカードの中には、独自の効果を持つものもある。
じこ【事故】
カードの引きが悪い時に発生する、デッキが上手く機能しなくなるような事象。デッキというランダム要素を扱う以上、どれだけ構築が上手い人であろうと避けようがないこともある。
次のようなものが事故の一例とされる。
- 十分に村系とドローソースを入れたコンボデッキで村とドローソースが偏り、引き切りができない。
- 7金病を患う。
- アタックカードがピンポイントに強力な手札やデッキ内のカードに当たる。
- 仮面舞踏会を使われた時、手札に必要なカードだけが揃う。
- ニート男爵
- 見張りで強力なカードだけを3枚見てしまう。
- ゴーレムや伝令官で、手札を強制廃棄する圧縮カードを使わされる。
じぞく【持続】
海辺で登場したカードの種類。このタイプを持つカードは枠の色がオレンジ色となっている。
多くは使用したターンだけでなく、場に残って次のターンにも効果を発揮する性質を持つ。
なお、厳密には「するべきことが残っている限り持続する」原則を持つため、場に残る条件が次ターンまでとは限らない。
個々のカード効果を見て、場から捨て札になるタイミングには注意しよう。
- 例えば、策士で手札を捨てられなかった場合や、道具で手札を1枚も脇に置かなかった場合は、「次にするべきことが無い」判定となるため、使用ターンのクリーンアップフェイズで場から捨て札になる。
- 略奪で再登場した際はこの性質にフォーカスされ、「次のターンに○○する」効果だけでなく、「次に××した時に○○する」効果を持つカード群として再登場した。
条件を満たすまで何ターンでも持続する一方で、使用ターンだろうと条件を満たせばそのターンのクリーンアップで即座に捨て札になる。
持続カードの歴史
- 海辺では次のターンに効果を発揮するアクションカード群として登場。
- 冒険では、持続中相手に効果を及ぼす持続アタックカードが登場。
- 冒険では同時に、永続的に持続する雇人やチャンピオンが登場。
- 持続タイプを持つ非アクションカードとして、夜想曲では持続の夜行カード、同盟では持続の財宝カードが登場した。
- 略奪では上述の通り、「次に」条件を持つカードとして再登場した。
シャカパチ
シャカシャカ音を立てながらハンドシャッフルを行い、最後にパチッと音を鳴らす行為。当然、カードやスリーブが傷つく可能性がある。
TCGプレイヤーの中には長年のクセやかっこいいと思ってシャカパチを行う者もいる。ドミニオンでは意味のない行為である。*5
シャカパチの音を不快に感じるプレイヤーは多くおり*6、ゲームによっては明確な禁止行為として定められている。*7ましてやボードゲームであるドミニオンは自分のデッキ=自分の所有物でない場面も多い。
間違っても他人のドミニオンでシャカパチをしないよう、手癖がある者は細心の注意を払うように。
しゅうごう【集合】
帝国から登場したカードの種類。サプライの山札に勝利点トークンを置いたり、そこから勝利点トークンを受け取ったりする効果を持つ。
ランドマークの汚された神殿は、アクションカードの山札に勝利点トークンを置く準備を持っているが、「集合でないアクションカードの山札」と指示されている。
しょくみんちば【植民地場】
植民地と白金貨を使用するゲームのこと。Platinum、Colonyの頭文字から「プラコロ場」とも。
属州場と比べてゲーム終了が遅くなり、相対的に圧縮戦法やコンボデッキが強力になり、一方で特殊勝利点は弱くなる傾向にある。
⇔属州場
ちなみに、省略して「植民場」と呼ばれることも多かったが、移動動物園での「植民」の登場により、「植民地場」と呼称しなければ明言できなくなった。
こちらも10コストと高額であり、ゲームのひとつの目標地点として目指すようなイベントであるため、単に「植民場」とだけ口にすると混乱しやすい。
しょきでっき【初期デッキ】
ゲーム開始時にプレイヤー全員が作る、銅貨7枚と屋敷3枚で構成された10枚のデッキのこと。
プレイヤー全員の屋敷3枚を避難所一組と入れ替えることもある。
また、王国カードから指定されている場合は、銅貨の一部を家宝に入れ替えてゲームを開始する。
しょて【初手】
1ターン目と2ターン目のこと。もしくは1ターン目と2ターン目に購入したカードのこと。
例外を除き、全員が銅貨7枚と屋敷3枚で出来た初期デッキ10枚を2ターンに分けて全て引くことになる。
初手(カード名)-(カード名)と表記した場合、1ターン目と2ターン目にそれらのカードを購入することを表している。
初手x-x
1ターン目と2ターン目の手札の銅貨の枚数および金量を示したもの。
基本的に、6分の5の確率で出る4-3(3-4)か6分の1の確率で出る5-2(2-5)となり、サプライによっては有利不利が生じる。
暗黒時代までは4-3(3-4)、5-2(2-5)以外の初手はごくまれにしか生じなかったが、ギルド・冒険・帝国・夜想曲で4-4・5-3・6-2(パン屋)・7-1・x-8(負債)、2-7(呪われた金貨)、[2+2]-3(革袋)等、様々な初手x-xが登場した。
また、4-3と3-4、5-2と2-5に差が生まれる状況も増えた。
移動動物園ではゲームに習性が加わり、共同墓地との組み合わせによって2ターン目までの金量はもちろん、デッキの動きも多様になった。
更に同盟では同盟が加わり、開始時から所持している好意トークンを支払い効果を得ることにより、2ターンの間の金量やデッキの動きがより多彩になった。
ステロ/ステロイド
単体で強力なアクションカード1~3枚と財宝カードのみを買い続ける戦術のこと。お金プレイの発展型といえ、コンボデッキと相反する。
鍛冶屋ステロ・中庭ステロ等、使用するアクションカードの名前を頭に付けることで、どのカードを用いたステロであるかを示す。
初心者がまず覚えるべきシンプルな戦法だが、ステロ戦法を取るか、どのように取るか、勝利点カードをいつ買い始めるか等、使いこなすには相応の経験が必要となる。
ドミニオンの攻略本「ドミニオンレシピ」で使われた用語であり、マジック:ザ・ギャザリングのデッキ(火力呪文で焼き、生物で殴るシンプルなデッキ)に由来する。
この名称は日本での呼称であり、海外では同様の戦術をビッグマネー(Big money)と呼ぶ。
ぞくしゅうば【属州場】
⇔植民地場
そこ【底】
積まれたカードの下部のこと。ドミニオンでは主にデッキの最下部、クリーンアップフェイズのカード補充の途中にシャッフルが必要になる1~4枚を指す。この場所にカードが行くことを「底に沈む」と言う。
沈んでシャッフルを跨いでしまうとデッキが一周するまで手札にやってこないので、カードの使用機会が1回減る。
また、狭義には「山札の一番下」のことを指す。真珠採りや女予言者などのカードは、この(狭義の)デッキの底のカードを見るor(狭義の)デッキの底にカードを置く効果を持つ。
→二底
た~と
ターミナルアクション
+アクションが付いていないアクションカードの総称。
同コストの+アクションの付いたアクションカードより強力であることが多いが、下記のような方法を取らない限りは1ターンに1枚のカードを1回しか使用できない。
ターミナルぎんか【ターミナル銀貨】
2金出るターミナルアクションの総称。民兵、金貸し*8、詐欺師など多くのカードが該当する。
追加の効果を得ながら銀貨同様の出力で使用したターンの買い物もしやすくなるため序盤から使いやすく、特にコストが3、4のものは初手で買いやすいものが多い。
ただしターミナルアクションであるため手札に被ってアクション権が足りなくなると無駄になってしまう点には注意が必要。
なお、家臣や共謀者など、ターミナルにならないことを期待して運用するカードに関しては含めないことが多い。(発生する効果そのものに対して「事故でターミナル銀貨になった」「序盤は最低限ターミナル銀貨として働く」などと言うことはある。)
同様に3金出るターミナルアクションはターミナル金貨と呼ばれる。軍団兵、聖なる木立ち、ガレリアなどが当てはまる。
ターンかいしじ【ターン開始時】
自分にターンが回ってきた後、アクション権を消費してアクションカードを使用し始める間のタイミングのこと。一部カードの効果がこのタイミングで発生する。
ギルド(初版)までは基本的に持続カードの持続効果の処理が殆どだったが、冒険以降の拡張セットで登場したランドスケープにより取れる行動の種類が一気に増加した。具体的には以下の通り。
- 以前のターンに使用した一部の持続カードの持続効果の処理。
- 一部のリザーブカード(鼠取り、案内人、教師)の呼び出し、および効果の使用。
- 前の自分のターンに購入したイベントの効果の処理。
- 以前の自分のターンに購入したプロジェクトの効果の処理。
- 一部の同盟(すり師団、山の民、森の居住者)の効果の使用。
- 一部の特性(せっかちな、忍耐強い、内気な)の効果の使用。
- 発動中である一部のProphecy(Biding Time、Rapid Expansion、Sickness)の効果の適用。
- その他、ウミガメの習性で脇に置いたアクションカードの使用、他プレイヤーのターンでリアクションした馬商人の効果の処理、恵みの村の獲得時効果で脇に置いた祝福の適用、手札にある書記のリアクション、シャーマンによる廃棄置き場のカード獲得、王子(※エラッタ前)の脇に置いたアクションカードの使用、などがある。
上記のような「ターン開始時の行動」が複数発生する場合、プレイヤーは任意の順番で行ってよい。またこのタイミングは必ずアクションフェイズであることに注意。
たにんずうせん【多人数戦】
「プレイヤーが3人以上のゲーム」の俗称。対義語は"2人戦"と言える。
ドミニオンはプレイ人数が2~4人のゲームであり*9、それぞれでゲームバランスが異なるため、区別して言及されることある。
各種説明で『このカードは2人戦よりも多人数戦では価値が上がる』などのように表現されることがある。
ルール面において、2人戦と多人数戦ではゲームで用いる基本カードの枚数が異なる点には注意して遊ぼう。
戦略面も大きく異なる。一般的に、2人戦はコンボ有利、多人数戦のうち特に4人戦はステロ有利とされる。これは基本カードに含まれる属州のノルマ枚数が異なるためである。
また、基本カードと異なり、王国カード10枚はどの人数でも共通であり、プレイヤー全員が欲するような人気の高いカードは10枚を人数で割る事態になりがち。
例えば、2人戦では十分なコンボを組めるサプライでも、村が1種類しかなければ1人あたり2~3枚しか行き渡らない。
実際には獲得カードの存在や手番差によってどうやっても最大1枚しか取れない試合も当たり前に発生するが、そこでルート選択を変える余地があるのが多人数戦のひとつの面白味でもある。
- 日本では、ボードゲームとして遊ばれる場面では4人戦(人数都合によって3人戦)が多くを占め、かつてHJにより開催されていた日本選手権も4人戦レギュレーションであった。
- 一方オンライン環境では、2人戦が主流であり、国内外コミュニティでのリーグ戦はほぼ2人戦前提となっている。Dominion Onlineだけでなく、Steam版のリリースによってさらに普及した対戦形式である。
なお、ドミニオン以外のゲームにおいては、一般的に多人数戦(multiplayer games)と呼ぶと、2人以上の人間が参加できる方式を指すこともあるので注意が必要。
ダブルボトム
→二底
たんさ【探査】
- 掘進/delveの俗称。日本語版が発売されるまでは便宜上こう呼ばれていた。「掘進」が滅多に使われない言葉であり、今なお使われることも。元ネタはマジック:ザ・ギャザリングのキーワード能力である探査/Delve。
- 探査 (Exploration) のこと。「探検」が既にあるからこの訳となったのだろうが、他にも「踏査」「調査」「探求」など適切な訳はあっただろう。余計に紛らわしくなってしまった。
ついほう【追放】
移動動物園(拡張)で登場した、カードを「追放マット」に置くギミック。
→追放
つかいすて【使い捨て】
一度使うと、デッキから無くなる(廃棄される、サプライに戻る)カードのこと。祝宴や抑留のような、使うと必ず場から離れるカードと、豊穣の角笛のような、条件を満たすと場から離れるカードがある。
条件を満たすと廃棄されるカードの中には、以下のように、独自の用語が存在するものもある。
上記の他にも、ワイン商や備蓄品のような、使うと場から離れるが、自分のカードであるままのものも、使い捨てとして扱うことがある。
デッキ
- プレイヤーが所持するカードすべてのこと。
例:礼拝堂で手札を廃棄してデッキ圧縮をする。 - プレイヤーが所持するカードの中でも、裏向きに積まれたカードの束(=山札)のこと。
例:家臣でデッキの一番上のカードを捨てる。
ドミニオンではカードは循環し、今現在手札や捨て札にあるカードもいずれは裏向きにして積まれ直されるため、このような捉え方をされる。慣れない内はどちらの意味で使われているか判断が難しい。
特に後者を指す場合に、HJ公式でもテキストに「デッキ」「山札」両方の表記が混在しておりややこしい*10。
デッキそうさ【-操作】
デッキの上を見るか公開し、その後に順序の変更・カードの選別等を行うカードの総称。
純粋にデッキ操作を行うカードとしては地図職人が代表格であり、他には密偵・偵察員・見張り・航海士・薬師・吟遊詩人等がこれにあたる。
デッキの2番目にあるカードが何かわかれば願いの井戸が必ず研究所と同じ効果になり、同じく2番目にアクションカードを置けば伝令官で確実にプレイできるといった具合に、本来非公開情報であるデッキの中身が分かることでコンボが組みやすくなる。
また、相手に対しデッキ操作を行うアタックカードも存在し、相手の必要カードをデッキから捨て札にしたり、不要カードをデッキトップに置かせたりする効果を持つものが多い。
大衆、占い師などが典型的なデッキ操作アタックである。
デッキはかい【-破壊】
デッキ内の必要なカードを強制的に廃棄させられること、またそのような効果を持つアタックカードの総称。
財宝カードを対象にしたタイプと、財宝以外のアクションや勝利点も破壊できるタイプに大別される。
前者の代表例は山賊など、後者の代表例は騎士や蛮族などがある。
てふだこうかん【手札交換】
手札を捨て札にする代わりに、デッキから捨てたカードと同程度の枚数のカードを引く効果を持つアクションカードの総称。
ルーターという用語がよく使われる。これはマジック:ザ・ギャザリングで手札交換能力を持つクリーチャーの名称に由来する。
手札の不要なカードをデッキの中の必要なカードに変換できるため、主にコンボデッキの潤滑油として使われる。
地下貯蔵庫のように捨ててから引くタイプのものと、倉庫のように引いてから捨てるタイプのものがあり、後者の方が多くの手札から必要なカードだけを選りすぐれるため強力とされる。
また、大使館のような、使用すると手札が増えるものは手札交換能力を持つドローソースになる。
ちなみに日本で最も有名だろう手札交換カードの一つ、天使の施しと同効果のカードは登場までかなり時間がかかった。
てふだはかい【手札破壊】
他のプレイヤーの手札を減らすアタックカードの総称。ハンデスとも。手札を捨て札にするもの(例:民兵)が代表的だが、手札のカードをデッキの上に戻させるもの(例:役人)もこれに含む。
どうめい【同盟】
- 同盟/Allianceのこと。
- 同盟/Alliesのこと。
- 同盟/Allyのこと。
…と、英語版では一応異なる名称だが、日本語訳がとんでもなく紛らわしくなってしまった。
- もっとも、2.と3.は英語でも複数形と単数形の違いでしかないため実質同名であり、区別しようとすると「同盟達(拡張)」「協力者(ランドスケープ)」など余計変になったとも考えられる。
とくしゅしょうりてん【特殊勝利点】
- (狭義)王国カードとしてサプライに配置される、ある条件によって勝利点が変動する勝利点カードの総称。庭園・公爵が代表格。
- (広義)王国カードとしてサプライに配置される、基本カード以外の勝利点カードの総称。1.と異なり勝利点固定のものも含む。
属州ルート以外の勝ち筋になりうる勝利点カードであることを強調するか、王国カードである勝利点カードであることを強調するかで解釈が変わる。
一覧はこちら。
とくしゅざいほう【特殊財宝】
王国カードとしてサプライに配置される、使用時に金量を生み出す以外の効果を持っていたり、金量が変動したりする財宝カードの総称。偽造通貨、掘出物、銀行など。
ドナルド
ドミニオンの作者である、ドナルド・X・ヴァッカリーノ(Donald X. Vaccarino)のこと。
トラベラー
冒険で登場した、交換によって"出世"するカードの種類。
→トラベラー
ドローソース
1枚でデッキのカードを大量に引くアクションカードの総称。鍛冶屋に代表される。1枚のカードで3ドロー以上、それに加えて手札が増えるものは大抵ドローソースとして扱われる。
手札が増えないか減るもの(例:倉庫)は手札交換に分類される。
ドローソースの多くはステロにもコンボデッキにも使えるが、ステロにはあまり向いておらずコンボに組み込んで真価を発揮するもの(極端な例では念視の泉)もある。
な~の
ニート
活躍を期待して獲得したにもかかわらず、底に沈む・アクションが足りないのに被る・目的の効果が使えない等、働く気のないようにしか見えないカードのこと。屋敷と同時に来ない男爵が有名。
→事故。
にそこ【二底】
初手に購入した2枚のカードが12枚のデッキの底に沈むこと。
二底の場合、初手で購入したカードを使えるのは5ターン目になってしまう。
更に、これらを引くのと同時にシャッフルが発生するため、2回目の使用までもかなり遅くなってしまう。
2回目の使用の遅れは3回目以降の遅れを招き…と連鎖的に最後まで尾を引くため、ゲームの勝敗に直結する致命的な被害になりやすい。
のろいば【呪い場】
→荒れ場
のろいまき【呪い撒き】
魔女を代表とした、相手プレイヤーに呪いを獲得させるカードのこと。
広義ではアタックカードではない不正利得や、廃墟を撒く狂信者等も含まれる。
は~ほ
ばくは【爆破】
鉱山の村を廃棄し2コインを得ることの俗称。
カードの元のフレーバーとしては「資源を取りつくして閉山、村も閉鎖」のようなものだと思われるが、語呂が良いのかとりあえず爆破させられる。
バニラカード
効果が+xカードを引く・+x金・+xアクション・+xカードを購入のみで構成され、文章で表現される効果や獲得時条件などを持たないカード。
基本セットには村・鍛冶屋・市場・祝祭・研究所の5枚*11が収録されているが、それ以降の拡張ではバザー・労働者の村・生存者以外の廃墟・共同墓地・革袋のみとかなり珍しい。
- 一部の習性(サルの習性・ラバの習性など)は仕切り線以下の効果を持たないアクションカードをバニラカードにする。
- +1カードを引く・+1金・+1アクションに何かしらの効果が付いたカードは何枚もあるが、+1カードを引く・+1金・+1アクションのみの効果を持つバニラカードはなく、密猟者の追加理由から今後も追加されないと考えられる。
- 勝利点トークン(+X 🛡)・財源(+X 財源)*12・村人(+X 村人)・好意(+X 好意)・負債(+<X>)・Sunトークン(+X ☀)を文章で表現される効果ではないとし、これらが含まれているカードもバニラカードと考えることも出来る。
- この考え方では記念碑・蝋燭職人・鹵獲品・下役・Root Cellar・Imperial Envoy・Litter・Tea Houseもバニラカードになる。
はんえい【繁栄】
- 拡張パッケージの一つである繁栄/Prosperityのこと。
- 略奪のイベントである繁栄/Prosperのこと。
同盟から続く同名問題。もっとも、ProsperityとProsperの違いは名詞か動詞かの違いでしかない。
ハンデス
英語で手札破壊を意味する"Hand destruction"の略称。
→手札破壊
ひききり【引き切り】
1ターンの間にデッキ全てを手札にすること、またはその戦術。コンボデッキの理想形とされる。
デッキのカードを1ターンに全て使用できるため完成すれば非常に強力だが、ステロ戦術に対しては勿論、引き切りを目指さずに構築するコンボ系のデッキよりさらに構築に時間がかかる。
地下貯蔵庫や倉庫等で勝利点などの不要カードを捨て札にしながらデッキを回転させる場合も、有用なカード全てを手札にしているのであれば広義の引き切りに含めることもある。
ひなんじょば【避難所場】
初期デッキに避難所一式を入れてスタートするゲームのこと。
屋敷とはコストも効果も異なるため、避難所を初期デッキに使うゲームでは王国カードや戦法の強さが大きく変わることもある。
⇔屋敷場
ビッグブリッジ
橋系カードを連打することにより、カードのコスト軽減効果を重ね掛けすること。
コスト減効果は購入権の数だけ活きるため、重ね掛けすると強力。
決まれば山を枯らしてゲームエンドに持ち込めることがほとんど。
ビッグマネー
ふさい【負債】
プロジェクト
ルネサンスから登場した、「カード」ではなく「効果」を買うランドスケープ。
一部を除いてその場限りの恩恵を受けることが多かったイベントと違い、永続的な恩恵を受けられる。
→プロジェクト
ぶんかつされたやまふだ【分割された山札】
帝国で初登場した、ひとつの山札に複数種のカードが積まれる王国カード。
→分割された山札
ぼち【墓地】
2、3の意味で使うのは公式ではなく、1とも紛らわしいため推奨されないが、他のカードゲームの影響でそう呼ぶ人も居るので文脈から判断する必要がある。
ま~も
まく【撒く】
他のプレイヤーにカードを獲得させること。
呪いや廃墟など不要なカードを撒くことは相手に対する妨害となり、呪い撒きはアタックの主要なカテゴリーの一つである。
逆に銀貨*13や馬など有用なカードを撒く効果は利敵効果となり、特価品などでは強力な効果の代償として相手に馬を撒く。
また呪詛は相手に獲得させるカードではないが、「呪詛を撒く」という表現もよくされる。
マジック:ザ・ギャザリング
1993年に発売開始した世界初のトレーディングカードゲーム。ドミニオンの作者ドナルド・X・ヴァッカリーノにも多大な影響を与えた。
マジックからドミニオンに流れてきたプレイヤーも多く、ステロイドやキャントリップなど、俗語としてマジックから流用された用語も多い。
むらかじ【村鍛冶】
村系とドローソースを組み合わせ、デッキ引き切りを目指す戦法のこと。基本の村と鍛冶屋の組み合わせから。
最も有名なコンボデッキであり、コンボデッキを勉強する時にはまず村鍛冶から勉強するのが良いとされる。
むらけい【村系】
村に代表される、+2アクションかそれ以上の効果が得られるカードの総称。
そのほとんどが鍛冶屋等のターミナルアクションと組み合わせることを前提としており、単体では他のアクションカードより弱い効果しか持たない。
一覧はこちら
むらびと【村人】
ルネサンスで登場した、アクション権をトークンの形で次ターン以降に持ち越せるシステム。
→村人
めいれい【命令】
Commandの公式での日本語名称。
→Command
や~よ
やしきば【屋敷場】
初期デッキに屋敷3枚を入れてスタートするゲームのこと。
⇔避難所場
やまふだ【山札】
カードが積まれた束のこと。ドミニオンでは用語として主に2つのものを指す。
- プレイヤーが所有するデッキ/deck のこと。
中でも特に、(シャッフルして)裏向きに積まれたドロー対象の束のことを単に「山札」と呼ぶことが多い。 - ゲームで用いる共通の山札/pile のこと。
具体的にはサプライに配置される基本カードや王国カード、他にもサプライ外の馬や戦利品などは「山札」である。
馬の習性などを使う際、由来する「山札」が存在するかどうかが効果処理の争点になることがあるので注意しよう。
やまふだそうさ【山札操作】
よこむきカード【横向き-】
ら~ろ、わ
ランドスケープ
冒険以降に登場する、サプライ外に横向きに置かれるイベント・ランドマーク・プロジェクト・習性・同盟・特性・Prophecyの総称。
カードフォーマットが通常のカードとは異なり、テキストやイラストが横向きになっている。そのため俗に「横向きカード」と呼称されることがある。
ただしルール上はカードとして扱わず、カードとして購入することはできない。
また、1ゲームで用いる枚数に制限はないが、公式ルールでは以下の制限を推奨している。
- 通常のゲームで用いるイベント・ランドマーク・プロジェクト・習性・特性の合計を2枚以下にする。ただし、その中で習性は1枚までとする。
- 1.の制限とは別に、連携カードを用いるゲームでは同盟を1枚のみ使用する。
- 2.の制限とは別に、Omenカードを用いるゲームではProphecyを1枚のみ使用する。
なお、広義には特定のカードを使用する際に準備される祝福・呪詛・状態・アーティファクトも横向きカードではあるが、これらは上記の枚数制限とは関係がない。
ランドマーク
帝国で登場した、ゲームにルールが追加されるランドスケープ。
→ランドマーク
リアクション
基本セットから存在するカードの種類。このタイプを持つカードは枠の色が青色となっている。
「アタックを打たれた」「捨て札になった」など、何かしらの動作に対して誘発する性質を持つ。
ただし、他の多くのカードタイプとは異なり、リアクションカードには統一されたルールは存在しない。
アタックに対するリアクションひとつ取っても、誘発時に行うべき動きからして全く異なる。
対アタック以外も見てみると、パトロンに至っては自分の所有していない状況ですらリアクション可能であり、カード群としての効果は千差万別である。
ゲームで用いる際は、それぞれのテキストと挙動を確認しておいた方がよいだろう。
なお、城塞やリッチなど、廃棄時効果によって強制処理が生じる類のカードはこのタイプを持たないようだ。
りてき【利敵】
対戦相手の利益になる行為、またはそのようなカード効果。
- カードのデザインとして、強力な効果の代償に相手にも利益を与えるもの。議事堂、総督の効果や、失われし都市の獲得時効果などが代表例。
- アタックのつもりが、かえって相手の利益になってしまうもの。民兵を使ったら書庫でカウンターされた、山賊を使ったら相手の屋敷2枚を流してあげるだけに終わったなど。
- プレイヤーが意図的、選択的に行うもの。マルチプレイヤーのゲームではしばしば問題になる。
ドミニオンでは基本的にアタック効果は全員を対象にするが、念視の泉や道化師など一部のものは意図的に特定の相手に利敵行為を行えるものがある。
特に多人数戦において、意味もなく特定の相手に利敵行為を行うのはゲームの平等性を損ねるバッドマナーな行為といえる。
一方、大会などではルール上特定の相手を助けた方が自分の得と考えられるケースもありえ、中には判断の難しいものもある。
りゃくだつ【略奪】
- 暗黒時代の王国カードである略奪/Pillageのこと。
- 拡張パッケージの一つである略奪/Plunderのこと。
日本語版だけの同名問題と思いきや、英語版でも帝国の王国カードである鹵獲品/Plunderと同名問題を起こしている。
ルーター
→手札交換
ロック
アタックカードを毎ターン複数回使用し、相手のデッキ・手札をボロボロにする戦法のこと。
ドミニオンにおける悪名高いロック戦法の一例は以下の通りである。
- 拷問人で手札を0枚にするか呪いカードを大量に獲得するかを選ばせる拷問人ロック
- 泥棒で財宝カードを根こそぎ盗む泥棒ロック
- 幽霊船で毎ターンの手札を3枚に固定する幽霊船ロック
- 大衆でデッキの上3枚を勝利点や呪いカードで固定する大衆ロック
- 略奪で延々と手札の有用なカードを捨てさせる略奪ロック
- ウォリアーでデッキの要となる3~4コストのカードを破壊しつくすウォリアーロック
ワンキル
以下の言葉の略称
主にTCGなどで使われる言葉。それぞれの項目を参照。
厳密には前者の意味合いであるにもかからず後者の言葉が用いられるのもよくあることで、実態としてはあまり区別されていないとも言える。
また後者の状況は起こりうるものの必要なカードが多く、実戦ではまずお目にかかることがないので、後者の意味合いで使われることは稀である。
そのため、略称は完全に同一だが、それによって何か困る状況もあまり起きない。
ワンショット、ワンショットキル
ほぼ勝利点を持っていない状態から、1ターンのうちに一気に大量の勝利点を獲得して勝利すること、またそのような戦法。
コンボデッキの一種であるが、多くのコンボデッキは1、2枚ずつ勝利点を買い続けて勝利を目指すのに対し、ワンショットのデッキは多くの場合0点から1ターンで一気に勝利点を集め、大抵はそのターンに終了条件を満たしゲームを終了させる。
ビッグブリッジや豊穣の角笛で一気に属州を枯らす戦法が代表例。
また、プレイヤー全員がコンボの構築ルートを選んでいる場合は必ずしも大量勝利点を取る必要は無く、一撃で三山を枯らす形を作れるなら屋敷1枚の1点で勝利できることもある。これもワンショットのひとつの形と言える。
ほぼ同義な用語にワンターンキルがあるが、限定したケースで使用されることが多い。
ワンターンキル
ワンショットキルとほぼ同義の意味で使用される場合が多いが、ワンショット(キル)に対し「ワンターンキル」は開幕の1ターン目で勝利を決める戦法として区別されることもある。
狭義のワンターンキルは、同盟や特性を悪用するなどで発生しうる。以下はその一例。
- 「【無謀な橋】、輸入者、突貫、都市国家」。4金で橋を購入、都市国家で無謀な橋を使用して2金2購入。コスト2の橋をさらに買い、都市国家で使用、2金3購入。この時点で橋のコストが0になり、「突貫購入→橋購入→無謀な橋使用(+2金)→突貫購入……」の流れで無限に橋を使える。
- このコンボを知っていて先に4金出せた方が勝ちとなり、試合としては成立しないも同然。
- なお、(公式推奨のランドスケープ枚数制限を無視することにはなるが)イベントに施しを足すと、先手必勝のサプライとなる。
- 「Infirmary、騎兵隊、【受け継がれたガレリア】、羊の習性」。屋敷をガレリアと入れ替え、ガレリア込み7金でInfirmaryを購入、全コインを過払いしてすべて羊の習性で使用、8金1購入。再びInfirmaryを購入、全コインを過払いしてすべて羊の習性で使用、10金1購入。これを繰り返せばInfirmaryが枯れるまでコインが増え続ける。89金1購入を超えたら騎兵隊を7枚購入し、引いた3枚の銅貨を使用して64金8購入。
- 「【受け継がれた望楼】、略奪者カード、パン屋、プーカ、司祭、輸入者、移動遊園地、都市国家、避難所場」。避難所を望楼と入れ替え、1財源と2銅貨と呪われた金貨で6金、望楼リアクションで呪いを廃棄、移動遊園地→司祭と購入、都市国家で司祭を使用、望楼でないカードを廃棄して2金1購入。移動遊園地→呪いと購入、望楼リアクションで呪いを廃棄して2金1購入。これを呪いが枯れるまで繰り返し、銅貨と廃墟に対しても同様に枯れるまで繰り返せば3山枯れ。最後に屋敷を購入して1対0でゲーム終了。
- 望楼、2銅貨、呪われた金貨を揃えた方が勝ちとなる。パン屋やプーカなどがなくとも望楼、略奪者カード、司祭、移動遊園地が揃う場では速攻でゲームが終了するため要注意。詳しくは司祭の利用法を参照。
- 屋敷場でも可能だが、入れ替えるカードには注意が必要。
- 両者とも屋敷を望楼と入れ替える場合、3対2でゲーム終了。両者とも銅貨を入れ替える場合、4対3でゲーム終了。どちらの場合も司祭で屋敷を廃棄してはならない。
こちらが銅貨、相手が屋敷を入れ替える場合、司祭で屋敷を廃棄しても勝つ(屋敷を廃棄した場合3対2、銅貨を廃棄した場合4対2)。
ただしこちらが屋敷、相手が銅貨を入れ替える場合、1ターンキルはできない(司祭で銅貨を廃棄しても3対3で、先攻であればターン数が多いこちらが負けになってしまう)。
- 両者とも屋敷を望楼と入れ替える場合、3対2でゲーム終了。両者とも銅貨を入れ替える場合、4対3でゲーム終了。どちらの場合も司祭で屋敷を廃棄してはならない。
- 「石工、ヴィラ、騎兵隊、輸入者、【受け継がれたギルドマスター】、馬の習性、銀行家連盟」。屋敷をギルドマスターと入れ替え、ギルドマスター込み6金で石工を購入、4金を過払いしてヴィラと騎兵隊を獲得、8好意。ヴィラを馬の習性で使用し、石工を購入、4金を過払いしてヴィラと騎兵隊を獲得、11好意。ヴィラや石工を馬の習性で使用、2騎兵隊を使用、騎兵隊を購入、16好意。以降騎兵隊とヴィラの購入と使用を繰り返せば好意が増え、無限アクションと無限購入と無限コインが可能な状態になる*14。
- 「待ち伏せ、【受け継がれた石切場】、狩場、パン屋、追跡者、愚者、司祭、ギルドマスター、突貫、遊牧民団」。屋敷を石切場と入れ替え、1財源と2銅貨と石切場と革袋と幸運のコインで6金、遊牧民団で1購入、突貫→ギルドマスターと購入、遊牧民団で1購入、4金3購入。突貫→司祭と購入、2金2購入。突貫→待ち伏せと購入、狩場を廃棄、公領を獲得、遊牧民団で1購入、2金2購入。これを公領が枯れるまで繰り返し、待ち伏せと狩場が残り2枚ずつになる。突貫→待ち伏せと購入、狩場を廃棄をあと2回繰り返せば3山枯れ。
- 2銅貨、石切場、革袋、幸運のコインを揃えた方が勝ちとなる。比較的低確率でありまず起こらないが、そもそも待ち伏せ狩場は強力な戦法であり、9~12ターンほどでゲームが終了するため要注意。
英数字
7きんびょう 【7金病】
属州が買える8コインに届かないターンが連続して続く病気。主にデッキ成長となる財宝カード購入を早々に切り上げて勝利点カードを買いに行くステロ戦法で患いやすい。
多くは取った行動の当然の帰結であり、デッキ内の金量が少ないうちから勝利点購入の段階に入ってしまったことなどが原因となり発生する。
常に7金が続くなら、それはデッキ出力が8金を上回る状態まで成長させていなかっただけである。弱いカードや必要の無いカードなど、デッキに不純物が混じっていなかったか見直してみるといいだろう。
しかし、十分な量の財宝カードを確保していたとしても、あるターンに8金を超える膨大な金量を生んでしまい、残りのターンがその反動で公領しか買えない金量に偏ってしまうなど、不運な事故であることも珍しくない。
Command
特定の場所にある別のアクションカードを使用できる効果を持つアクションカードの一部が持つカード種別。以下のカードが該当する。
- 2019年のルール変更とエラッタを適用したはみだし者、大君主、および日本語版未登場(2021年6月現在)のプロモカードであるCaptain
- 2022年にエラッタが入った相続後の屋敷&プロモカードの王子
- 2024年にエラッタが入った王笏
- 初登場時からこの種別がプリントされた旗艦、Daimyo
はみだし者と大君主とCaptainの3種は、サプライに置いてあるCommandでないアクションのうち1つを手番プレイヤーが選んで(※コストや種類の制限あり)使用できる効果を持つ。
場の状況に応じて適したアクションを選択できる便利な効果であるが、それゆえ各カードのコストは高めであり、なおかつ以下のような性質がある。
- 有効に利用できるかはサプライのカードに依存するところが大きい。
- 選択したアクションをサプライに置いたまま使用するという性質上、一部のアクションは選択しても機能しない。
- サプライの山札が切れてしまったアクションは選択できなくなる。
また、エラッタ後の相続はサプライのCommand以外のコスト4以下のアクションカード1枚を脇に置き屋敷トークンを乗せ、屋敷に「屋敷トークンを乗せたカードを動かさずに使用する」の能力を与える、という効果を持ち、
王子は使用時にコスト4以下のCommandでも持続でもないアクションカードを脇に置き、それ以降毎ターンの開始時に使用する、という効果を持ち、
王笏、旗艦、DaimyoはCommandでないアクションカードを再度使用する、という効果を持つ。
元々はCaptainとはみだし者を利用した無限ループ防止を目的としたカードテキストの変更に伴い登場した種別であり、それに合わせて類似した効果を持つはみだし者および大君主にもこの種別が追加され、カードテキストも変更になった。
各カードの変更遍歴については、各カードページを参照。