物語:( キャラ/ア-カ | キャラ/サ-ナ | キャラ/ハ-マ | キャラ/ヤ-ワ || 武器物語 || 聖遺物/☆5~4 | 聖遺物/☆4~3以下 || 外観物語 )
図鑑:( 生物誌/敵と魔物 | 生物誌/野生生物 | 地理誌 | 旅行日誌 | 書籍 | 書籍(本文) 1/2/3/4 | 物産誌 )
!注意!
原文を忠実に写しております。改行、誤字・脱字、変換ミス、句読点やダッシュ等の誤った用法などを全てそのまま記しているため、このページでそれらを発見しても、すぐさま訂正することはやめてください。
まずはゲーム内の原文を確認し、照らし合わせてください。間違っていた場合のみ、訂正を行ってください。
なお、転記ミスと勘違いされやすい誤字などには、その箇所の直後に「*」を記しています。
また、読みやすさの為ページ幅を制限しています。文字サイズにつきましてはブラウザの拡大機能をご利用ください。
■がついているものは内容が不足しているものです。
- 図鑑/書籍/本文1
- 図鑑/書籍/本文2
- 図鑑/書籍/本文3
- 図鑑/書籍/本文4
- バッグ/任務アイテム/本文(Ver1.0~Ver2.3)
- バッグ/任務アイテム/本文(Ver2.4~Ver3.0)
- バッグ/任務アイテム/本文(Ver3.0~Ver4.2)
- バッグ/任務アイテム/本文(Ver4.2~)
- レインボーローズの理想
- 募集説明
- 誰かの帳簿
- 沈玉の谷観光指南
- 「沈玉の谷」記念アルバム
- 赤璋の地図
- 荒瀧派の招待状
- 『最強オニカブトムシに転生して世界をひっくり返してやった』
- いつの間にか撮られていた集合写真
- 『ファントムハンター:審判の時』キャラクター記念アルバム
- 犯罪者の供述
- 「悪龍」の絵本
- 女神の手稿・1
- 女神の手稿・2
- 女神の手稿・3
- 『旧都夢夜奇譚』
- 初代族長が残した地図
- ムアラニとの記念写真
- 緑の模様があしらわれた紙
- 「カラフルノロマ」の手記
- 廻焔の道
- テイワットの思い出のアルバム
- 没収した写真
- やや古びた『勇敢なテクィ』
- 新品同様の『勇敢なテクィ』
- テパルの破れた手記
- 無名冒険者のノート
- 「努力の証」
- ヘルカのノート
- パイモンからもらった「祝灯状」
- 秋沙銭湯特別招待券
- 神子からの手紙
- 「一葉の良き夢」
- 旅の仲間との記念写真
- 『ウルトラフュージョン・DJによる厳選リミックス』
- 謎多き地図
- シュヴァルマラン映影ランドの記念マップ
- 夢魂の残影
- のびのびリゾート招待状
- のびのびアルバム
- のびのびリゾートマップ
- 『ピピルパン・アイドルコンテスト』
- カピバラキングから貰った写真
- 「カクーシャ」から貰った写真
- 調査報告――バクナワ
- 調査報告――燼寂海
- 調査報告――秘密の洞窟
- 誰かのボロボロなノート・1
- 誰かのボロボロなノート・2
- 腐蝕したボロボロのノート・3
- 夜蘭との記念写真
- テイワットの記念アルバム
- 『ナシャタウンにようこそ!』
- 「ワイルドハント」現象の位置図
- 「テツクジラ大将」との写真
- 知識を求める者の面影
- 知識を刻む者の黒羽
- 知識を紡ぐ者の傾倒
- マイテのノート
- アウニのノート
- セミヨンのノート
- ホラガイノート
- ラバになった人
バッグ/任務アイテム/本文(Ver4.2~)
レインボーローズの理想
(※任務アイテム「レインボーローズの理想」は9ページあります。1~8ページはそれぞれ組み合わせる前の8枚の地図と同じ閲覧内容です。重複を避けるために、1~8ページ目で前の地図8枚の閲覧内容としています。)
本文を読む
リアムのバラッド

リアムは鮮やかな服装をしていて、笑い声はよく響いた。
リアムは好き放題に歌を書いて、偽善者達を嘲笑していた。
いまのリアムは大声で歌うこともなく、傲慢でもなくなった。
しかしリアムは苦労して歓心を買おうとはしないし、
不満に対して妥協しようとはしない。
リアムは琴を持って遠くへ離れ、
無人の広々とした野原で彼の歌を引き続き歌うだろう。
この歌を聴いたお友達のみんな、彼と同じように決して諦めないよね?
もし同じ理想を抱いているなら、リアムのプライドを取り戻しに行って。
彼からプレゼントがもらえるよ。
ロッキー・アヴィルドセンの失望

事業を成し遂げておらず、パートナーを探しもせず、人生を決闘場の中で無駄にする。
そうして数十年を過ごし、ロッキー・アヴィルドセンは自分のすべてが管理人のブランデッドに堕落させられていたと気づいた。
財産と栄誉がすべて他人のものになり、ロッキー・アヴィルドセンは自ら追放の道に踏み入れた。
彼は人生の最後を無私な友人らに捧げ、彼らの理想が実現できることを望んだ。
彼の足跡を知ったお友達のみんな、無意識にこの伝言を得た人も、
アヴィルドセン家の名誉のため、彼の結末を探しに来た人も、
ロッキー・アヴィルドセンの遺産を持ち帰って。それは彼が世界に残した最後のプレゼントなんだ。
アトーズの供述

「アトス雑貨店」は野菜、料理用品、裁縫道具を売っていた。
店主のアトスは商売を鼻にかけていたが、彼の生活と彼の店はジュエリー商人ブランデッドの下劣な手段で壊されてしまった。
そのためアトスは手ずからブランデッドを切り殺し、その遺体をサラシア海原に沈めた。
確かに人の命を奪うことは有罪だが、それは命を奪われた者に罪がないことを意味するだろうか?
ブランデッドは罰を受けて当然で、アトスも逃げ隠れしながら余生を送った。
話の全体が分かったお友達のみんな、アトスのために真相を伝える意志があるなら、
飛瀑の間の砂地に行くと彼の残した謝礼があるよ、みんなの気持ちは感謝されるはずだ。
パーカーの希望

パーカーと夫はフォンテーヌを周遊すると誓い一生を旅の中で過ごした。
彼らの愛する子供ペニーは水泳と魚が好きな可愛らしい娘だった。
娘に浮き沈みや漂流のない生活をさせようと、両親は彼女を、最も親しい友達のルージュに預けた。
定住の地こそないものの、パーカーの生活は驚きと喜びに包まれており、子供も同じような幸福に恵まれてほしいと望んでいた。
この手紙を読んだお友達のみんな、パーカーは娘ペニーに対する期待をみんなにもプレゼントしているよ。パーカーが残したサプライズを探してみてね。
ヒント、「サプライズ」は「魚」のお腹に隠されているけど、サプライズを見つける鍵は「魚」の目にあるよ。
バローの希望

バローと妻はフォンテーヌを周遊すると誓い、一生を旅の中で過ごした。
彼らの愛する子供ペニーは水泳と魚が好きな可愛らしい娘だった。
娘に浮き沈みや漂流のない生活をさせようと、両親は彼女を、最も親しい友達のルージュに預けた。
定住の地こそないものの、バローの生活は驚きと喜び、冒険に包まれており、子供も同じような幸福に恵まれてほしいと望んでいた。
この手紙を読んだお友達のみんな、バローは娘ペニーに対する期待をみんなにもプレゼントしているよ。バローが残したサプライズを探してみてね。
ヒント、「サプライズ」は「爪」の間に隠されているよ。「爪」の間にあるなぞなぞを解いて、サプライズを手に入れよう!
オータムの残悔*1

オータムは生きている間、これといった信条がなく、おそらく死ぬその日にも残せる格言はなかっただろう。
彼女は幸せな嘘の中で、操り人形として舞い踊っていた。
目覚めたとき、人生で最も幸せな贈り物――彼女の娘はすでに奪い去られていた。
オータムは自分の娘が完璧な世界の中で生活することを望み、そのためなら何も惜しまなかった。
このメモを手に取ったお友達のみんな、もし一人の母親の痛みに同情するなら、
この母親に応えて、彼女の娘の住む世界を見守ってやりたいと思うなら、
湖中のシェルターに向かって彼女が用意していたすべてを手に入れてね。彼女はきみの善良さを信頼してくれるよ。
ルージュの信条

本当の名前はどうでもいい。彼はルージュという名前だけで、最も愛するフォンテーヌの地を彷徨った。
彼は、公正さ、平等、希望を求める彼のような人々と集まって行動し始めた。
彼らは進んで自分の身を捧げ、困窮した人々や落ちぶれた人々に救いの手を差し伸べた。
この世界は不平等に満ちていて、過度な貧困と行き過ぎた貪欲さが存在してる。そのすべてが完全に拭い去られる日が来るまで、彼らはずっと最も愛するフォンテーヌの地を彷徨うだろう。
ここまで読んだお友達のみんな、彼らの信念を続けていこうと誓うかい?
もし同じ理想を抱いているなら、知恵の実をつけた枯れ木を探して。
三回尋ねると、ルージュの崇高な敬意を獲得できるよ。
フリーマンの宣言

一度不公平な目に遭い、間もなく鎖につながれ投獄されるという時、無私な報道関係者の助けを受けた。
彼女たちが理詰めで押し通したことにより、フリーマンは流刑を免除された。
彼の恩人、ユーフラシアが言うように、
「真理は前に進み続ける。いかなるものも決して止めることはできない」
彼はずっと頑張り続けて待っている。のちの人が彼の理想を引き継ぐことを待っているんだ。
ここまで読んだお友達のみんな、公正さと希望を信じようと思うかい?
もし同じ理想を抱いているなら、火種を点けて。
四つの火種のうち、一つだけ大地の上にそびえ立てるものが希望の火種で、希望の炎がフリーマンの気持ちを伝えてくれるよ。
レインボーローズの理想

本当の名前はどうでもいい。彼はルージュという名前だけで、最も愛するフォンテーヌの地を彷徨った。
彼は、公正さ、平等、希望を求める彼のような人々と集まって行動し始めた。
彼らは進んで自分の身を捧げ、困窮した人々や落ちぶれた人々に救いの手を差し伸べた。
この世界は不平等に満ちていて、過度な貧困と行き過ぎた貪欲さが存在してる。そのすべてが完全に拭い去られる日が来るまで、彼らはずっと最も愛するフォンテーヌの地を彷徨うだろう。
ここまで読んだお友達のみんな、彼らの信念を続けていこうと誓うかい?
もし同じ理想を抱いているなら、知恵の実をつけた枯れ木を探して。
三回尋ねると、ルージュの崇高な敬意を獲得できるよ。
一度不公平な目に遭い、間もなく鎖につながれ投獄されるという時、無私な報道関係者の助けを受けた。
彼女たちが理詰めで押し通したことにより、フリーマンは流刑を免除された。
彼の恩人、ユーフラシアが言うように、
「真理は前に進み続ける。いかなるものも決して止めることはできない」
彼はずっと頑張り続けて待っている。のちの人が彼の理想を引き継ぐことを待っているんだ。
ここまで読んだお友達のみんな、公正さと希望を信じようと思うかい?
もし同じ理想を抱いているなら、火種を点けて。
四つの火種のうち、一つだけ大地の上にそびえ立てるものが希望の火種で、希望の炎がフリーマンの気持ちを伝えてくれるよ。
リアムは鮮やかな服装をしていて、笑い声はよく響いた。
リアムは好き放題に歌を書いて、偽善者達を嘲笑していた。
いまのリアムは大声で歌うこともなく、傲慢でもなくなった。
しかしリアムは苦労して歓心を買おうとはしないし、
不満に対して妥協しようとはしない。
リアムは琴を持って遠くへ離れ、
無人の広々とした野原で彼の歌を引き続き歌うだろう。
この歌を聴いたお友達のみんな、彼と同じように決して諦めないよね?
もし同じ理想を抱いているなら、リアムのプライドを取り戻しに行って。
彼からプレゼントがもらえるよ。
事業を成し遂げておらず、パートナーを探しもせず、人生を決闘場の中で無駄にする。
そうして数十年を過ごし、ロッキー・アヴィルドセンは自分のすべてが管理人のブランデッドに堕落させられていたと気づいた。
財産と栄誉がすべて他人のものになり、ロッキー・アヴィルドセンは自ら追放の道に踏み入れた。
彼は人生の最後を無私な友人らに捧げ、彼らの理想が実現できることを望んだ。
彼の足跡を知ったお友達のみんな、無意識にこの伝言を得た人も、
アヴィルドセン家の名誉のため、彼の結末を探しに来た人も、
ロッキー・アヴィルドセンの遺産を持ち帰って。それは彼が世界に残した最後のプレゼントなんだ。
「アトス雑貨店」は野菜、料理用品、裁縫道具を売っていた。
店主のアトスは商売を鼻にかけていたが、彼の生活と彼の店はジュエリー商人ブランデッドの下劣な手段で壊されてしまった。
そのためアトスは手ずからブランデッドを切り殺し、その遺体をサラシア海原に沈めた。
確かに人の命を奪うことは有罪だが、それは命を奪われた者に罪がないことを意味するだろうか?
ブランデッドは罰を受けて当然で、アトスも逃げ隠れしながら余生を送った。
話の全体が分かったお友達のみんな、アトスのために真相を伝える意志があるなら、
飛瀑の間の砂地に行くと彼の残した謝礼があるよ、みんなの気持ちは感謝されるはずだ。
オータム*2は生きている間、これといった信条がなく、おそらく死ぬその日にも残せる格言はなかっただろう。
彼女は幸せな嘘の中で、操り人形として舞い踊っていた。
目覚めたとき、人生で最も幸せな贈り物――彼女の娘はすでに奪い去られていた。オータムは自分の娘が完璧な世界の中で生活することを望み、そのためなら何も惜しまなかった。
このメモを手に取ったお友達のみんな、もし一人の母親の痛みに同情するなら、
この母親に応えて、彼女の娘の住む世界を見守ってやりたいと思うなら、
湖中のシェルターに向かって彼女が用意していたすべてを手に入れてね。彼女はきみの善良さを信頼してくれるよ。
パーカーと夫はフォンテーヌを周遊すると誓い一生を旅の中で過ごした。
彼らの愛する子供ペニーは水泳と魚が好きな可愛らしい娘だった。
娘に浮き沈みや漂流のない生活をさせようと、両親は彼女を、最も親しい友達のルージュに預けた。
定住の地こそないものの、パーカーの生活は驚きと喜びに包まれており、子供も同じような幸福に恵まれてほしいと望んでいた。
この手紙を読んだお友達のみんな、パーカーは娘ペニーに対する期待をみんなにもプレゼントしているよ。パーカーが残したサプライズを探してみてね。
ヒント、「サプライズ」は「魚」のお腹に隠されているけど、サプライズを見つける鍵は「魚」の目にあるよ。
バローと妻はフォンテーヌを周遊すると誓い、一生を旅の中で過ごした。
彼らの愛する子供ペニーは水泳と魚が好きな可愛らしい娘だった。
娘に浮き沈みや漂流のない生活をさせようと、両親は彼女を、最も親しい友達のルージュに預けた。
定住の地こそないものの、バローの生活は驚きと喜び、冒険に包まれており、子供も同じような幸福に恵まれてほしいと望んでいた。
この手紙を読んだお友達のみんな、バローは娘ペニーに対する期待をみんなにもプレゼントしているよ。バローが残したサプライズを探してみてね。
ヒント、「サプライズ」は「爪」の間に隠されているよ。「爪」の間にあるなぞなぞを解いて、サプライズを手に入れよう!
募集説明
本文を読む
プノワ・ルロワはヘルパーを募集しています。家事が得意で、料理ができ、お年寄りの世話ができる方を求めています。ルロワからは、食事、宿泊場所、そして適切な報酬を提供します。興味のある方は、直接ルロワまでご連絡ください。

誰かの帳簿
本文を読む
……
色々と考えたが、やはりきちんと帳簿を残しておくべきだ。歳もとったことだし、いつか記憶力が衰えた時に、何かの役に立つかもしれない。
……
来客、三名様。計千モラを収受。位牌の修繕用として保管。
来客、二名様。計三百モラを収受。位牌の修繕用として保管。
来客、五名様。歴史の伝承を重視されており、伝統文化を広めたいとのこと。一モラも寄付せずにお帰りになった。
来客、二名様。計三千モラを収受。位牌の修繕用として保管。
来客、一名様。うっかり木板を踏んで壊されたので、賠償金として五百モラをいただく。木板の修繕用として保管。
来客、ニ名様。計千モラを寄付。木板の修繕用として保管。
遺瓏埠に木板を注文。計千二百モラを支払う。残りの三百モラを位牌修繕用とする。
……
沈玉の谷観光指南
本文を読む
沈玉の谷で一番おすすめの場所は?
……
もちろん俺の地元の翹英荘だ! 村の景色がサイコーってだけじゃないぞ。いっぱいいるんだ、可愛い小動物がな。午後に行くのがおすすめだ!
……
(線で消されている。)
……
宝玦のロ!宝玦のロに行ったことのない人は人生損してるよ。特にあの宝珠…朝見に行くと、沈みきってない月のようなんだ。
……
(線で消されている。)
……
あんまり有名じゃないけど、老茶樹王のそばにある蓮池は、夜に行くと静謐な美しさが感じられるの。周りにいる魔物には気をつけたほうがいいけどね。
……
(線で消されている。)
……
僕に言わせれば…懸練山かな? こういう変わった山は、よそではめったに見られないね。タ焼けがすごくきれいなんだ。
……
(ガイドには他の箇所も書かれていたようだが、既に線で消されている。)
「沈玉の谷」記念アルバム
本文を読む

雲海沈玉
婉静

茶飲み仙人
赤井

懸練、山の如し
(旅人)

静水宝玦
(旅人)

月明りの蓮地
(旅人)

翹英の嘉客
(旅人)

埠上の遺瓏
匿名

老茶樹王
クテシフォン
赤璋の地図
本文を読む
「…上命に従い予定通りに兵を引きあげる…必要に備え、残りの軍資や機械はすべて石垣内に保存しておく…場所はこの図に記す…」

荒瀧派の招待状
本文を読む
ガーハッハッハッ! 誰からの招待状だと思う?
――ダチ公、その通りだ! 稲妻でひたすらお前を案じてる俺様だ! ガーハッハッハッ!
最近、フォンテーヌ人のダチができてな。その地元には「イリデッセンスツアー」っちゅう音楽の祭りがあるらしい。で、俺様はすぐにこの前の豪鼓祭を思い出した。甘金島で一緒に太鼓を叩いたり、歌ったり、焼きスミレウリを食べたりして、すげー楽しかったよな! ダチ公、お前も覚えてるだろ?(だが、天領奉行が間違えて俺様を逮捕した件は可能な限り忘れろ。)
そこで今度はその新しいダチと壮大でぶっ飛んだ音楽祭を開くことにした。その名も荒瀧・生命のロックイリデッセンスビッグツアーだ! 名前を聞いただけで、魂がメラメラと燃えてくるだろ?
ってことで善は急げだ! さっそく海祇島で落ち合おう。お前に話したいことがまだ山ほどあるんだ。
絶対来るんだぞ!
お前がいないとダメだからな!
あと言っとくが、忍に代筆なんか頼んでないぞ。
(実際は頼まれて書いた)
『最強オニカブトムシに転生して世界をひっくり返してやった』
本文を読む
羽を 射たれたカラス
タヌキの化ける 松明も消え去る
なけなし イタチさんの遺産
父さん母さん 財産――
分与は二対三
将軍ガニ
欠けてく足
陸ウナギ
ボロ屋に眠り
だから 転生! オニカブトムシ
穢れた世界に
ツノで咲かせたい
赤い花を
いつの間にか撮られていた集合写真
(※旅人が空と蛍で写真が異なる。上:空が旅人、下:蛍が旅人)
本文を読む


「兄妹で、どうか仲良く」
『ファントムハンター:審判の時』キャラクター記念アルバム
(※1~6ページまであり、それぞれのページに1人のキャラクターの紹介がある。)
(※5ページ目は旅人が空か蛍で写真が異なる。また、クロリンデの伝説任務 レイピアの章・第一幕の選択肢によって写真と内容が異なる。)
本文を読む

名前:クロリンデ
肩書き:テープルトークシアター「ゲームマスター」
(1/6)

キャラクター:「ナヴィア」
肩書き:ファントムハンター
設定:
楽観的で親切なファントムハンター。賢く頭の回転が速い商人でもある。冴え渡る頭脳と弁舌の才能を併せ持つ。
スキル:「説得」「捜査」「召喚」
(2/6)

キャラクター:「フリーナ」
肩書き:ファントムハンター
設定:
美しい声を持つファントムハンター。芸術に造詣が深く、パフォーマンスで人の心を打つのが得意。心の中では、もっと平和な時代で表現者になりたいと強く願っているようだ。
スキル:「芸術」「演技」「召喚」
(3/6)

キャラ:「リネ」
肩書き:ファントムハンター
設定:
ファントムハンターの養子として育てられた。かつて街を放浪していた経験から、熟練のサバイバルテクニックを得た。
スキル:「潜入」「器用」「召喚」
(4/6)
(※5ページ目:TRPGで技能に「調理」を選択、「医学」も同時に選択したときは更に自己紹介で「料理人」を選んだ場合)


キャラクター:「(旅人)」
肩書き:ファントムハンター
設定:
善良で正直なファントムハンター。仲間にはこう自己紹介する――「小さな頃から料理の道を究めてきた。日々の生活の中で、美味しい食べ物を通じて人の心を癒したい」。
スキル:「医学」「調理」「召喚」(※技能で「医学」「調理」を選んだ場合)
スキル:「調理」「洞察」「召喚」(※技能で「調理」「洞察」を選んだ場合)
(5/6)
(※5ページ目:TRPGで技能に「医学」を選択、「調理」も同時に選択したときは更に自己紹介で「医者」を選んだ場合)


キャラクター:「(旅人)」
肩書き:ファントムハンター
設定:
善良で正直なファントムハンター。仲間にはこう自己紹介する――「小さな頃から医術を学んできた。魔物退治だけじゃなく、学んだことを生かして人々の傷や痛みを癒したい」。
スキル:「医学」「調理」「召喚」(※技能で「医学」「調理」を選んだ場合)
スキル:「医学」「洞察」「召喚」(※技能で「医学」「洞察」を選んだ場合)
(5/6)

キャラクター:「パイモン」
肩書き:ファントムハンターの最高の仲間
設定:
(旅人)のそばにいる素敵な仲間。ファントムハンター(旅人)の最高の仲間兼ガイド。
(6/6)
犯罪者の供述
本文を読む
ポトン:
ポトンって誰だ? 俺はオノレーだぞ! 今日は外出して医者に行くって申請をしてたのに、目が覚めたら他の牢屋にいたんだ。とんでもない濡れ衣だ。
ガスドン:
俺はガスドンじゃない、ウイユだ! 刑期は今日までで、やっと出所できるはすだったのに…一体何が起きてるんだ!?
エンリ:
俺はエリックだ! なんでまたこんなに厄介なことに巻き込まれてしまったんだ…これじゃ今日の出所手続きはできないな…
ラザール:俺はオディロン、看守だ! 誰かが襲われたそうだが…俺じゃない!
……
「悪龍」の絵本
本文を読む






女神の手稿・1
本文を読む
……
勇敢なフランソアは藁の山をよじ登って、フォークを藁のてっぺんに逆さに刺した。背後には、大きく丸い月が光っていた。
彼は大きな声で村人全員の名前を叫んだ。最初に呼ばれた村長は大層驚いて藁の山に登り、フランソアのロを塞いだ。
「死にたいのか!そんな大声を出したら…悪龍が来るぞ!」
「このでくの坊!みんなで苦労して造った風車の製粉所が悪龍に壊されたってのに…まだ悪龍が来ることに怯えてるのかよ!」
フランソアは太っちょ村長を蹴り落とそうかと思ったが、村人たちを案じる心は同じだと思い直し、ぐっとこらえた。
彼は村の人々がほぼ全員集まったのを見てコホンと咳ばらいした。「なあ、みんなはこれでもまだ耐え続けるつもりなのか?」「もうまっぴらだ!でも…悪龍をどうにかするなんて無理だ。」と、雑貨屋の主人。
「そんなことないさ!さっき風車の羽からやつの首に飛び移ってえいと踏んづけたら転がるように逃げていったぞ。」
皆で苦労して造った製粉所を壊された――それが人々の怒りに火■つ■たのだろう。皆次々に手を挙げ、■龍■■うと決めた!しかしフランソアは両々を制した。「今日は、ひとまず帰ってくれ。みんなの決死の覚悟の源は勇気じゃなくて怒りだ。冷静になっても困難に抗いたいと思えたらきっとそれこそが真の『勇気』なんだ。」村人たちは帰っていった。しかし翌日――大勢の若者が、悪龍に抗う意思を示した。
……
思いがけず、勇者たちは女神の加護である『光の憲章』を得た。真の「勇者」を前に火吹きや爪を封じられてしまったた*3悪龍は相手側の休憩や交代を見逃す他なかった。そうして人々が幾日も奮闘し続けた結果、ついに悪龍は投降したのだった。
……
A.A.
女神の手稿・2
本文を読む
……
聡明なアントニオが丹念に読んでいるのは崩れかけた家の地下室で見つけた古書だ。彼のランプは地上で家の残骸が崩れるのに合わせて、絶えず揺らめいた。
悪龍は見せしめに村を壊そうとしている。それで今夜留守だった彼の家に目をつけたのだが、彼は気にも留めず、橋を渡る時に貰った本を読みたいとばかり考えていた。今日老婆がくれ■本■名は『光の憲章』。シムランカの■べ■■命が守るべき法則が創生当初の言語■■■れている本だった。優れた英知を持つアントニオでなければ、太古の言語など読み解けなかっただろう。そこにはオルビットの現状を打開する策も壊れてしまった自分の家を修理する呪文も記されてはいないが――彼は知恵こそが、最大の武器であることを知っていた。
朝の光がアントニオ家の残骸を照らした。鍛冶屋と太っちょ村長は、やっとのことで地下室のドアを塞いでいた瓦礫をどけた。隈の酷い顔でアントニオは村長に言った。「龍を討伐してきます。すぐ戻ります。」「大丈夫なのか?寝ていないんだろう?」「ランプのすすでそう見えるだけです。」
……
悪龍は巨大な宝の山に腰を据えて、小さなアントニオがやって来るのを見た。すると肺に蓄えた炎で彼の足元すれすれを燃やし無鉄砲な小人を追い返そうとした。
「待て!僕は二級のマイスター資格を持つ者だ。『光の憲章』によれば、僕が決闘を拒否すれば君は武力を使えないはずだ。」その通りだったので悪龍は烈火を呑んだ。明日はきっとトイレの住人だ。いっぽう、アントニオは驚いた。何気なく取ったサビ取り資格が役立つ日が来るなんて。
「それから二級の資格を持つ僕は君に問答決闘を挑む権利がある。拒否権はない!」シムランカには実際そんなルールがある。スフィンクスや老賢者、人を困らせるのが好きな姫のために作られたものだ。悪龍は今まで自分には関係ないと思っていた。
「僕からだ。一昨日僕は自宅を八千モラで売ったが、まだ値が上がると考えて、九千モラで買い戻した。一万モラで売るつもりでな。さて、最終的な損益はいくらだ?」悪龍は嘲笑した――「簡単だ。一万モラになる瞬間を待てばよかったものを。支出が九千、収入が一万と八千。利益は九千だ。儲かったはずの千モラを儲け損なったな!*4「不正解。僕の家は昨日君に燃やされた。売却が間に合わず、大損したところだ。」「わ、悪かったよ。どうしても家を燃やす必要があったんだ。お前は留守だったから命を奪うよりマシかと思ってさ。」
「問答決闘は僕の勝ちだ。僕は君の命から一モラ引いた価値の戦利品を要求できる。勿論、燃やされた家の賠償請求もできる。家の価値は一モラってことにしておこう。悪龍、自分の始末は自分でつけてくれ。」「た、頼む。命だけは助けてくれ。何でもくれてやるから。」
「その言葉に嘘はないな。」アントニオは事前に準備しておいた契約書を出した。
……
こうしてアントニオは知恵を頼りに悪龍の全財産を奪った。大打撃を受けた悪龍は、二度と彼の住む街を襲わなかった――
何年も経ったある日、子供がアントニオに尋ねた。「八千で売って九千で買い戻したなら…千モラしか損してないよね?」
A.A.
女神の手稿・3
本文を読む
……
ガリレオとアルベルトは今日もまた数えきれないほどの善行を積んだ。橋でお婆さんを手伝ってリンゴ酒の樽を運ふのは本当に大変だったが、報酬に二人は小さな樽の酒を一つすつもらった。
薄雲ににじむ月の光が実に美しい夜だった。親友同士の二人は悪龍から街を守る為に造られた高い壁に登った。じゃんけんに負けたアルベルトは、わきに小さな木製の酒樽を挟んだまま、梯子を登らなければならなかった。
「見ろよ。我らが太っちょ村長ご自慢の豪邸もここから見るとちっぽけなもんだな。」アルベルトが下に見えるとある家を指差して言った。
「違うよ、あれは俺の家だ。」ガリレオがそう答えた。
「村長の家はあっち。」
アルベルトは夜目が利かない。月光がいくら明るくてもやはり昼間とは段違いなのだ。目を細めても一向に光は見えない。必死で目をこらしたが、それでも彼には何も見えなかった。「まあ、どっちにしろ小さいけどな。」ガリレオは言った。「お前の言葉は間違ってないよ。」ガリレオとアルベルトはどちらも空気を読むのが上手いお人好しだ。ガリレオの返事は、目の弱いアルベルトの気まずさを紛らわせてくれた。実はアルベルトの方も、じゃんけんに負けて荷物持ちをしたのはわざとだった。ガリレオの肋骨下の歯車に傷があると知っていたのだ。「乾杯。」アルベルトが酒樽の栓を閉めるのを待って、仲良しの二人はグラスを掲げた。
その次の日のことだ。そんな大親友の二人は、村の皆を広場に集めた。
彼らはまず防龍壁を破壊してしまったことを謝り、皆に二人で悪龍とじっくり話し合ってくると、そう告げた。「確かに、あの壁の建設にはとても苦労したが…みんなさほど気にしてはいないよ。」太っちょ村長は言った。「しかし…君たちが壁を壊したというのは本当かね?」もちろん村長が言いたかったのはそんなことではない。お人好しの彼は続けてこう言った。「何にせよ、悪龍に会いに行くというのは危険すぎる。」
「ご心配には及びません。」
村長にそう告げると、世界一仲良しの二人は出発した。
その後――悪龍は二人に挟まれてガタガタ震えていた。理由は分からないが、老婦人の酒には飲んだ者を巨大化させる効果があるようだ。それで昨晩酒を飲んだ二人は腰かけていた壁を押し潰してしまったというわけだ。
巨大な体で地上を見下ろした時、二人は悪龍の気持ちが分かったような気がした。あれだけ大きい体躯なのだ。歩いただけで村を壊してしまうのも無理はない。悪龍が注意してくれれば、きっと互いに分かり合えるだろう。そこで、二人は残りの魔法酒を飲み干して、悪龍よりもひと回り大きいサイズになった。そして――
酒の臭いをぷんぷんさせながら、悪龍を挟んで座ると、呂律の回らない口で説いた。■龍■、すっかり怯えた。威厳も邪気も失って、痛ま■く■■るほどの姿だった。アルベルトが龍の背中の汚れ■■■てやろうとすると、鱗ごと取れてしまった。逃げようとした悪龍だったが、誤解を解かねば禍根を残すと考えたガリレオにしっぽをつかまれ、引き戻されてしまった。
「俺たちは、ずっとお前の足元で暮らしてきた。でも、俺たちが小さすぎて、お前には見えなかったのかもな。でも今は大きくなヒック…った。これでお前も、足元に俺たちがいるかもって、分かったよな。」しゃっくりをしながら彼が言うと、悪龍はコクコクと頷いた。
こうして二人と一匹は一夜を語り明かした。やっと龍と分かり合えたと納得した二人は家路についたのだった。
A.A.
『旧都夢夜奇譚』
本文を読む
「リシア」という名の女性が、黒龍に故郷を破壊された後、一人で旅に出る物語が描かれている。
……
旅の途中、彼女は放浪生活を送るかつての王国衛兵と出会った。彼女は衛兵に剣術の指南を仰いだが、失意の底にあった彼は、もはや剣を握る意思も剣を振るう勇気も持ち合わせてはいないのだった。
「私には『希望』を瓶詰めして贈ることはできません。」リシアは言った。
「でも、幼い頃聞いた歌のことは今でも覚えています。それは…流星のように儚く去ってしまう春が、今なお私たちの足元に咲き誇る花々の大切さを教えてくれるという歌でした。」
「君が高度な剣術を学ぶ必要はない。」王国の衛兵は答えた。
「君の瞳には、それ以上の力強さが宿っているのだから。」
……
再び旅に出たリシアは長老の案内で密林に足を踏み入れ、夢の国の鍵を司る賢者フクロウの前までやって来た。
フクロウの笑い声は、謎の霧のように辺りを覆い尽くし、助けを求める者を包み込んだ。
「君は勇気ある撤退という言葉を知っているかね?」
「この両足が動く限り、私は前に進み続けます。」
「君は死を恐れてはいないのかね?」
「私は死に抗い続けます。最後の瞬間が訪れるその時まで。」
「では最後の質問だ。君は復讐に執念を燃やすと誓えるかね?」
「私は――」
……
鍵を手に入れたリシアは、夢の国の大きな門を開き、星々の河を渡り、墨色の梯子を登り…数々の困難をくぐり抜けた。そしてついに夢の女神に乞い願って、一房の金髪と引き換えに人々を夢に誘い込む魔法を習得した。そして、黒龍への復讐を宣言した。
白と黒しか知らぬ黒龍は、魔法の導きで夢の世界に入り、千と一の様々な世界を夢に見た。そのどれもが、戦火や硝煙とはかけ離れた鮮やかな色彩に満ちていた。
「あなたがそういう世界を気に入ったのなら。」リシアは言った。
「星夜の指針を回し、全ての星を逆回転させて、あなたが私の故郷に来る前にすべてを戻してあげましょう。」
……
物語も終盤に差し掛かりリシアは一夜の夢から目覚めた。窓の外には見慣れた故郷の景色が広がり、うららかな春の気配が漂っている。
木でできた家の小さな扉を、軽くノックする音がした。
リシアが扉を開けると、そこには見知らぬ黒髪の男が立っていた。
「俺には君の髪の色は分からない。」男は言った。
「でも、きっと金色だろう。夢で見たような星の色だ。」
……
本の終わりに添えられたメモ
あなたって、龍の物語を書くのが本当に好きなんだね!
初代族長が残した地図
本文を読む

ムアラニとの記念写真
(※旅人が空と蛍で写真が異なる。上:空が旅人、下:蛍が旅人)
本文を読む


緑の模様があしらわれた紙
本文を読む
フレイムグレネードの木の根っこ通行証
(触るとシャリシャリと音を立てる、つややかな線色の模様で縁どられた紙にこう書かれている…)
本品はフレイムグレネードの樹の根本の通行のみを目的とする品。必す大切に保管せよ。
紛失による再発行は受け付けない。偶然、本通行証を拾った者は速やかにフレイムグレネードの樹の根本の入口にいる守衛まで届け出よ。
届け出た者には、「懸木の民」部族より必す謝礼がある。

「カラフルノロマ」の手記
本文を読む
カラフルノロマの手記
長いこと準備してきたこの手記が、ついに役立つ時が来た!
最初は手取り足取り新人にラクガキを教えようと思っていたんだ…この手記はいつか現れる天才のために残しておこう。独りでも学べるようにね。
おめでとう、君は私が認めたラクガキの天才だ!
まだスプレー缶を持ったことも、ラクガキを描いたこともないかもしれないが…君は、いつか誰もが敬うラクガキマスターになる可能性を秘めている!
手記の内容はそれほど複雑なものではない。天才にはヒントさえ与えれば、インスピレーションが泉のように湧き続けるのだからね。
でもまあ、これだけは言っておこう。手記の内容は、ナタのラクガキマスターたちの考えを代表したものではなくて、「前衛的」なラクガキに対する私流の見解だ。
ラクガキユニオンには様々なスタイルを持つマスターが大勢いる。芸術は幅広いものだからね!他のスタイルを学びたいというのなら、それも構わない、ゆっくりやればいい。
さて、本題に戻ろうか。
璃月やフォンテーヌのような国では、芸術を教育するシステムがきちんと整っている。彼らにとって、絵画はれっきとした学問だからだ。
一方、ナタのラクガキはそんな固いものではない!タッチが基準を満たしてないだとか、スプレーで描いた形が整ってないなどといったことで、批判されることはないんだ。
誰にも迷惑をかけなければ、身分も経歴も関係ない。誰もがスプレー缶を手に取って、見つけた適当な平面に、いつだってラクガキを描けるのさ。
……
ラクガキの起源――「燃素銘刻紋」が力のトーテムで、戦いと守護を象徴する模様だというのなら、
ラクガキは気持ちを表現する絵画であり、心の内面を反映したものだ。
だから、まずは「感情」の形と色を見つけることがラクガキの第一歩になる。
初心者には自分の目でナタの風景と文化を見て、ナタ本来の様々な形と色を理解してもらいたいと思う理由はここにある。
理解して初めて、より深みのある作品や、考えを表現したインパクトのあるラクガキができるんだ。
例えば、アビスと戦う戦士を励ますとして、ただ「頑張れ」と繰り返すだけでは、物足りないだろう?
だから、私たちはよく戦士に強い酒を贈って、一緒に飲んで、歌って踊って、アビスの魔物を罵倒して憂さ晴らしするんだ。そうしたら、戦士たちももっとのびのび戦えるようになる。
戦士たちとアビスの戦いをテーマにしたラクガキを描く時は、故郷を極彩色に仕上げて、戦士たちに太陽のような燃素の光を描き加えるんだ。
もしナタの彩度を1 だとすると、故郷と戦士の彩度は最も派手な絵の具で50にしなければならない。
そしてアビスの敵は暗い青、黒に近い紫、灰色のような…さまさまな暗い色で構成されている。
もしアビス本来の彩度が10だとしたら、ラクガキでの彩度は2か3くらいに留めたほうがいいだろう。
影を描くなら、明暗なんか考えすに、そのまま真っ黒にすればいい。
そうすると、強烈な色彩の対比で、ラクガキはより人の目を惹きつけるから、シンプルに感情を伝え、考えを表現できるようになるんだ!
なぜなら、ほとんどの人は一枚の絵を見るのに三十秒もかけないからね。ましてや道端に描かれるラクガキなんてなおさらさ。
伝統的な技法で、色彩や複雑な明暗の再現にこだわる絵画は確かに美しいが、ラクガキはそれとはちょっとスタイルが違うんだ。
……
よし、完全に理解しただろう?じゃあ、さっそく練習として、百人規模の「夜巡者の戦争」のラクガキを描いてみようか…
冗談だよ。
鮮やかな色だけじや足りない。見た時の分かりやすさは保ちながら、デフォルメされた輪郭やカ強い線を描かなくてはいけない。
直線に近いものは、直線にすればいい。
角のあるものなら、人に恐怖を感じさせるぐらい、鋭い刃物のように描くんだ。
ダイナミックな動きのもの、例えば、力をためて今にも武器を振り下ろそうとしているキャラクターだったら、弧を描く弓のように柔らかくしなるように描く…
君は様々な相手と戦い、限界に近いやり取りのなかで、数えきれないほど剣を振ってきただろう。
相手の不可解な動きを見て、その腰や首が心配になったことはないか?その動きの限界を考えたことは?
とにかく、私のスタイルでは、激しい動き、あるいは「ダイナミックなもの」であればあるほど、試してみる価値がある。
何しろみんなは写実とか、優美な絵画に慣れているからね。そっちの芸術スタイルはとっくに成熟してて、みんなも見慣れてる。
「前衛」や「流行」の要素の一つは、先人がまだ試したことのない表現方法を模索することだ。
忘れないでくれ、極度にデフォルメされた輪郭には、とにかくインパクトがあるということを!
……
大きなポイントは形と色、この二つくらいだ。
細かいところ、例えば人物の顔立ちが整っているかどうか、対象の描写が正確かどうかとか…こういうところは初心者のうちは気にせず、ゆっくり練習していけばいいさ!
まずは「前衛的」な表現から始めて、全体の構図を描けるようになってから、練習を重ねて自分に合った道を見つけるんだ!
今回はここまでにしよう。次の段階のポイントについては、また今度詳しく説明するよ。
もし実践中に解決できない問題に直面したら、「謎煙の主」にある「ラクガキユニオン」の総本部に来てくれ!
廻焔の道
本文を読む

廻焔の夜の儀式の説明図。ルートを示す線は懸木の民のトーテムに似ている。
テイワットの思い出のアルバム
閲覧
オイラたちの旅の始まりはモンドだったな。最初に出会った西風騎士のアンバーが囁きの森からモンド城まで案内してくれたんだ。風に導かれて西風騎士団から風龍廃墟まで、いろんな場所を歩いたぜ。

大きな木の上にある望舒旅館を通って、帰離原の浅瀬を渡って、オイラたちは璃月港に着いた。万民堂の料理人、香菱は璃月の友達だ。すっごく仲良くなったよな!どんだけ遠くに行ったって海灯祭の季節は絶対に璃月に戻って、万民堂の料理を食べて、みんなで楽しむんだ!

雷電の国――稲妻は海の向こうにあるから、船で行くしかなかった。船隊にいた万葉は稲妻出身で、オイラたちと同じようにテイワット中を旅してたよな。稲妻の話で盛り上がったのがいい思い出だぜ!鳴神大社のおみくじが信者たちに大人気だって聞いて、オイラたちもたまに運試しに引きに行ったな。

雨林と砂漠、スメールには二つの地形があった。雨林の中心部にあるスメールシティに行く途中、レンジャーのコレイに助けてもらったな。雨林を離れた後は果てしなく広がる砂漠に飛び込んだんだ。キングデシェレトの霊廟はとっても壮大で今でもよく覚えてるぞ!

滝の上にある港を通って、ようやく水の国ーーフォンテーヌに入ったんだよな。魔術師の助手のリネットは、エピクレシス歌劇場ですっごいショーを披露して、オイラたちの友達になってくれた。フォンテーヌ廷の街のロマンチックな海の香りは忘れられないぜ!

旅をすればするほど、世界が広くてきれいだってことに気付くんだ。旅はまだまだ続いてる。きっと、見たこともないたくさんの場所がオイラたちを待ってるぜ!

没収した写真
閲覧

やや古びた『勇敢なテクィ』
閲覧

これは荒んだ遠い昔の物語。あの頃の山々は、人や獣に牙を剥き、愚鈍な人――あるいは人ならざる者――の魂を求めていた。
人々は知っていた――山の神は彼らを嫌っている、だから距離を置かなければならない、と。しかし、人々は荒野の嵐に追われ、岩窟に守りを乞わなければならなかった…終わりのない長い夜を乗り越えるために。岩窟も山々と同じように、この流浪の者たちに見返りを求めた。多くの部族が荒野で怯え過ごし、家族や友人を失った。
勇敢なテクィと優しい弟リマークは、そのうちのとある部族で生まれた。
彼らが生まれた時、洞窟は中も外も、不安と長い夜に満ちていた。部族は焚火を囲んでいたが、輝きゆらめく炎が誰かの心の慰めになることはなかった。
人々はこう思っていた――
「この炎はいつかは消える。消えた時に私たちも終わってしまう…!」
「夜はあとどれだけ続くんだ?寒い…腹が減った…」
「早く!早く私を夜に入れてくれ!その方が今よりマシだ…」
「かわいそうな子よ…」
テクィとリマークは他の子供たちのように、生まれた時に悲しみの涙を流したりしなかった。
テクィは目を見開いて、洞窟の奧を見つめた。洞窟の怪物たちは爪や牙、様々な手段で彼を怖がらせようとしたが、テクィの視線は岩山の稜線のように鋭く彼らを見つめるばかり。
「なんと、我らの爪やこの長い牙を見て恐れもしないとは!」
凶悪な怪物たちは不安そうに囁きあい、自らその毒牙と鋭い爪をしまった。
一方、リマークは両手を振り、声を立てて笑っていた。その笑い声は、川の小石がぶつかり合うようで、不安に駆られていた一族の人々は思わず彼の笑顔に目を向けた。その時、人々はようやく気づいた――焚火は揺らいではいるが、絶えす燃え続けていると。リマークは再び手を振り、そばにある薪を叩いた。
「薪を足せ!もっと燃やすんだ!」
老いた族長はこの新たな命によって目を覚まされたのだ。族長は部族全員を呑み込もうとする恐怖を大声で振り払った。
人々は次々に立ち上がって、火に薪を焚べ、黒曜石の剣を抜いた。そしてテクィと同じように、洞窟の奧を見つめた。
怪物たちは怒り、また憎しみに駆られていたが、人々が手にした剣を離すことはなく、その目を閉じることもないと分かっていた。こうして恐怖は追い払われ、死もその場を離れざるを得なくなった。
朝日が昇って、兄弟はようやく目を閉じ、母親の腕の中ですやすやと眠りについた。
部族の人々は洞窟を離れた。また一日を生き伸びたのだ。こうして恐怖を退けたこの人々は、これから数え切れないほどの日々を生きていくだろう。
しかし、凶悪な怪物たちの敗北は、彼らの主であるコアトリクエの注意を引くこととなった。
コアトリクエという魔王は、自分こそがこの地の母であり、無数の岩窟の主だと誇らしげに言う。洞窟にある鍾乳石は彼女の牙であり、吹き抜ける冷たい風は彼女の舌。彼女は目覚めるたびに、一万の生きた魂を呑み込まなければ気が済まない。誰一人彼女の爪から逃れられた者はいなかった。テクィとリマークが誕生するまでは。
彼女は恥をかかされたと思い、手を振り上げ、縮こまった手下たちを石で殴りつけた。
「早く!早く行け!汝らの恥ずべき失態を償え!あの愚鈍な凡人どもをひっ捕らえ、我が胃袋を満たすのだ!」
しかし、恐怖が打ち破られるのを見た人々は、勝つための戦い方をしっかりと覚えていた。
人々は山の麓に住み、削って尖らせた木で柵を作り、火を起こした。最も優れた戦士には最も鋭い剣を持たせて、柵の後ろを守らせることにした。彼らは輝く炎の向こうにある荒野をじっと見つめ、一瞬たりとも目を離さなかった。
刃と炎を前にして、コアトリクエの手下たちは敗北を重ねた。しまいには闇に隠れ、火に近づくことさえ恐れるようになっていた。
人々の心は燃え上がり、勝利や光、毒蛇コアトリクエの末路について語り始めた――彼らはあの兄弟を信じていた。テクィとリマークなら、きっと光と炎を存続させることができる、と。
テクィとリマークも同じように考え、長矛と剣を磨き、あの悪辣な魔王を破滅へ追い込むために備えていた。
しかし、この部族を恨んでいる地母がこれを快く思うはずがなかった。
彼女は洞窟の一番奧にある汚泥をこね、自らの分身として蛇を作った。そしてその目として抉り取った自分の目をはめ込んだ。
「あの子供が手下たちに炎の光を見せた。ならば、我はあの子供の目を飲み込んでやろう。」
ある日の夕方のことだった。日が沈み、夜がゆっくりと空を覆っていく。星と月はまだ輝き始めていなかった。蛇は集落の近くでウサギを一羽噛み殺し、その皮に潜り込んで地面に横たわった。
薬草を採って帰ってきたリマークは、この怪我をしたウサギに気がついた。優しいリマークは、なんのためらいもなく松明を下ろし、薬草を歯ですり潰して塗ってやろうとした。次の瞬間、地母の分身である蛇が傷口から飛び出し、ニヤニヤしながらこう言った――
「ハハハッ、無知で愚かな人間よ!この卑しいウサギ一匹のために、汝の命が犠牲となってしまったな!」
リマークは松明を手に取る間もなく、蛇に首を噛まれてしまった。蛇はリマークの体に潜り込み、心と魂をぎゅっと掴んだ。
彼の次に無防備な守衛たちも犠牲になった。彼らはいつものように、薬草を採って帰ってきたリマークに挨拶しようした。その時に凶悪な蛇に心臓を貫かれたのだ。部族の炎は全て消え、静かな夜に死と恐怖が再び訪れた。
地母は蛇を吐き出し、毒牙のあるロで叫んだ。
「ざまあ見ろ!傲慢な愚か者どもめ!汝らはみな土に還るのがお似合いだ!」
しかし、石と石がぶつかり合う音が彼女の言葉を遮った。武器を磨いていたテクィは、手にした黒曜石の剣から出た火花でテントに火をつけた。
テクィは剣を振り上げて猛然と走り出し、蛇に斬りかかった。灼熱の刃は泥でできた蛇をやすやすと切り裂いた。テクィはさらに斬り続けようとしたが、自分の弟の目と、その手についた血が目に入った。
火傷を負った毒蛇は、その一瞬の隙をついて逃走した。蛇は火に焼かれ、地母の目も灰になりかけた。
この部族は既に滅ぶ一歩手前だ、これ以上は逆らってこないはず。
自分をそう慰めながら、地母はすばやく闇夜へ消えていった。
テクィは弟の名前を叫ぼうとしたが、灼熱の灰塵に咳き込み、リマークが夜に消えていくのをただ見ていることしかできなかった。
夜がやっと明けた頃、廃墟に立っていたテクィはここに留まってはいけないと悟った。テクィは苦悩や痛みを心の奧にしまい込み、部族の生存者を連れて再び旅に出た。
山を越え、谷を越え、猛獣や毒虫を避けながら進んだ。テクィはその道中で、目を閉じることも、剣と松明を手放すこともできなかった。
ついに、静かな火山のそばに自分たちを受け入れてくれる部族を見つけた。
年老いたシャーマンの手配により、部族の最後の一人が安らかな眠りについたのを見て、やっと安堵したテクィは、そのまま地面に倒れ込んだ。
テクィが目を覚ますと、そこは灼熱の岩窟の中だった。周囲のマグマは上下に揺れ動き、まるで山々がゆっくりと呼吸しているようだ。彼が立ち上がると、マグマも沸き上がり、辺りから虫の羽音のような、唸るような音が聞こえてきた。
「あなたの兄弟を探そうとするのはもうやめなさい。彼はもう、あの狡猾な毒蛇に目を食われてしまった。」
「それでも救わなければならないんだ!あの毒蛇も討ち取ってみせる!」
テクィの言葉は岩窟に響き渡ったが、山と炎の女神は沈黙したままだった。テクイは山と炎の女神に祈った。
「この心と血を引き換えに、弟の名を伝承させてほしい。」
岩窟に大きな音が轟いた。女神が祈りに応じたのだ。
すると女神は
「あなたの祈りは届いたわ。けれど、あなたの弟はもう血縁者ではなくなり、その名も既に奧深くまで落ちてしまった。」と答えた。
テクィは顔を上げ、女神に願いを述べた。
「我の血を炎に変え、我が心で奧底まで照らそう。この血尽きる前に、弟を連れ戻してみせる。」
「我の血を炎に変え、我が魂で毒蛇を燃やし尽くそう。この血尽きる前に、毒蛇の首を切り落としてみせる。」
テクィが再び目を覚ました時、部族の年老いたシャーマンが彼に新しい剣を渡し、食糧と水を与えてくれた。
最後に彼はテクィの肩を抱き、祝福の言葉を贈った。
「お前の炎で毒蛇の毒を燃やし尽くせますように。」
テクィは再び旅に出た。今や彼の力は尽きることなく、疲れを知らず、血は溶岩のように熱い。草原や雪山、深い谷から高い山々までをも越えていった。山と炎の女神が、転がった岩や崖の隙間で道を示してくれたおかげで、テクィが道に迷うことは無かった。
リマークと再会した時、その体と声はいまだに地母に利用され、テクィを嘲笑っていた。彼女の爪がテクィの胸を貫いたが、彼が動じることはなかった。むしろ地母の骨が熱い血で溶かされた。
テクィは悪辣な魔王をにらみつけ、声を張り上げた。
「僕の弟は優しい人だ。きっとこの大地をより良くする人だっただろう。」
「それなのに、貴様は毒で彼を侮辱した。彼の優しさに付け込んで、彼に信頼を寄せる無辜の者たちの命を奪った!」
「死ね!この卑怯な毒虫め!今ここで死ぬがいい!」
テクィは大音声を上げた。黒曜石の剣に返り血がかかる。その瞬間、剣が真っ赤に燃え上がった。地母は自分の硬い鱗や骨、魂が切り裂かれるのを見て、呼び出せる手下をすべて呼び出し、テクィの肉を引き裂いてやろうと考えた。
しかし、声が出なくなっていた。炎の光の中で、その身体の持ち主、リマークの魂が沈黙から蘇ったのだ。その魂は兄に叫んだ。
「その血を焼き尽くしたくはない。しかし、君の心を見た。この名を刻み付けてくれ、兄さん。僕を覚えている限り、離れることはない。」
灼熱の炎が冷たい岩窟の隅々まで舐め尽くして、毒虫は一匹残らず殺され、すべての陰謀や卑劣な悪行も灰と化した。
テクィの血の最後の一滴が燃え尽きようとした時、洞窟の天井が揺れ始め、巨大な裂け目ができた。そして、そこから一つの宝石が落ちてくると彼の傷をふさいだ。
山と炎の女神の声が再び岩壁に響き渡った。
「あなたにはまだ血が一滴残っている。部族に戻りなさい。これはあなたの兄弟の願い。彼の願いを叶えてあげなさい。」
ある夜、部族にテクィが帰ってきた。集落の外で待ち続けていた年老いたシャーマンが立ち上がり、帰ってきた彼を迎えた。
テクィは水や食糧、歓声を拒み、ただこう言った。
「毒蛇は死に、僕は勝った。だが僕はこれから弟と共に去る。」
そう言って彼は胸の傷をふさぐ宝石を外し、松明の上に置いた。そして、沈黙する火山のそばまで歩いていった。
「僕の血は、あと一滴しか残っていない。けれど、この血を僕のために残しておくつもりはない。公平と正義のため、善者と勇者のために存在するものだ。」
「その石を使って火を起こしてくれ。その炎は永遠に消えない炎となるだろう。」
そう言い残して、勇敢なテクィは静かな火山に飛び込んだ。大地は彼の心と血に震え、火山の心臓は再び鼓動し、灼熱の溶岩が流れ始めた。
火山は生き返った。まるで、それぞれの部族が勇気を取り戻したかのように。
新品同様の『勇敢なテクィ』
閲覧
これは荒んだ遠い昔の物語。あの頃の山々は、人や獣に牙を剥き、愚鈍な人――あるいは人ならざる者――の魂を求めていた。
人々は知っていた――山の神は彼らを嫌っている、だから距離を置かなければならない、と。しかし、人々は荒野の嵐に追われ、岩窟に守りを乞わなければならなかった…終わりのない長い夜を乗り越えるために。岩窟も山々と同じように、この流浪の者たちに見返りを求めた。多くの部族が荒野で怯え過ごし、家族や友人を失った。
勇敢なテクィと優しい弟リマークは、そのうちのとある部族で生まれた。
彼らが生まれた時、洞窟は中も外も、不安と長い夜に満ちていた。部族は焚火を囲んでいたが、輝きゆらめく炎が誰かの心の慰めになることはなかった。
人々はこう思っていた――
「この炎はいつかは消える。消えた時に私たちも終わってしまう…!」
「夜はあとどれだけ続くんだ?寒い…腹が減った…」
「早く!早く私を夜に入れてくれ!その方が今よりマシだ…」
「かわいそうな子よ…」
テクィとリマークは他の子供たちのように、生まれた時に悲しみの涙を流したりしなかった。
テクィは目を見開いて、洞窟の奧を見つめた。洞窟の怪物たちは爪や牙、様々な手段で彼を怖がらせようとしたが、テクィの視線は岩山の稜線のように鋭く彼らを見つめるばかり。
「なんと、我らの爪やこの長い牙を見て恐れもしないとは!」
凶悪な怪物たちは不安そうに囁きあい、自らその毒牙と鋭い爪をしまった。
一方、リマークは両手を振り、声を立てて笑っていた。その笑い声は、川の小石がぶつかり合うようで、不安に駆られていた一族の人々は思わず彼の笑顔に目を向けた。その時、人々はようやく気づいた――焚火は揺らいではいるが、絶えす燃え続けていると。リマークは再び手を振り、そばにある薪を叩いた。
「薪を足せ!もっと燃やすんだ!」
老いた族長はこの新たな命によって目を覚まされたのだ。族長は部族全員を呑み込もうとする恐怖を大声で振り払った。
人々は次々に立ち上がって、火に薪を焚べ、黒曜石の剣を抜いた。そしてテクィと同じように、洞窟の奧を見つめた。
怪物たちは怒り、また憎しみに駆られていたが、人々が手にした剣を離すことはなく、その目を閉じることもないと分かっていた。こうして恐怖は追い払われ、死もその場を離れざるを得なくなった。
朝日が昇って、兄弟はようやく目を閉じ、母親の腕の中ですやすやと眠りについた。
部族の人々は洞窟を離れた。また一日を生き伸びたのだ。こうして恐怖を退けたこの人々は、これから数え切れないほどの日々を生きていくだろう。
しかし、凶悪な怪物たちの敗北は、彼らの主であるコアトリクエの注意を引くこととなった。
コアトリクエという魔王は、自分こそがこの地の母であり、無数の岩窟の主だと誇らしげに言う。洞窟にある鍾乳石は彼女の牙であり、吹き抜ける冷たい風は彼女の舌。彼女は目覚めるたびに、一万の生きた魂を呑み込まなければ気が済まない。誰一人彼女の爪から逃れられた者はいなかった。テクィとリマークが誕生するまでは。
彼女は恥をかかされたと思い、手を振り上げ、縮こまった手下たちを石で殴りつけた。
「早く!早く行け!汝らの恥ずべき失態を償え!あの愚鈍な凡人どもをひっ捕らえ、我が胃袋を満たすのだ!」
しかし、恐怖が打ち破られるのを見た人々は、勝つための戦い方をしっかりと覚えていた。
人々は山の麓に住み、削って尖らせた木で柵を作り、火を起こした。最も優れた戦士には最も鋭い剣を持たせて、柵の後ろを守らせることにした。彼らは輝く炎の向こうにある荒野をじっと見つめ、一瞬たりとも目を離さなかった。
刃と炎を前にして、コアトリクエの手下たちは敗北を重ねた。しまいには闇に隠れ、火に近づくことさえ恐れるようになっていた。
人々の心は燃え上がり、勝利や光、毒蛇コアトリクエの末路について語り始めた――彼らはあの兄弟を信じていた。テクィとリマークなら、きっと光と炎を存続させることができる、と。
テクィとリマークも同じように考え、長矛と剣を磨き、あの悪辣な魔王を破滅へ追い込むために備えていた。
しかし、この部族を恨んでいる地母がこれを快く思うはずがなかった。
彼女は洞窟の一番奧にある汚泥をこね、自らの分身として蛇を作った。そしてその目として抉り取った自分の目をはめ込んだ。
「あの子供が手下たちに炎の光を見せた。ならば、我はあの子供の目を飲み込んでやろう。」
ある日の夕方のことだった。日が沈み、夜がゆっくりと空を覆っていく。星と月はまだ輝き始めていなかった。蛇は集落の近くでウサギを一羽噛み殺し、その皮に潜り込んで地面に横たわった。
薬草を採って帰ってきたリマークは、この怪我をしたウサギに気がついた。優しいリマークは、なんのためらいもなく松明を下ろし、薬草を歯ですり潰して塗ってやろうとした。次の瞬間、地母の分身である蛇が傷口から飛び出し、ニヤニヤしながらこう言った――
「ハハハッ、無知で愚かな人間よ!この卑しいウサギ一匹のために、汝の命が犠牲となってしまったな!」
リマークは松明を手に取る間もなく、蛇に首を噛まれてしまった。蛇はリマークの体に潜り込み、心と魂をぎゅっと掴んだ。
彼の次に無防備な守衛たちも犠牲になった。彼らはいつものように、薬草を採って帰ってきたリマークに挨拶しようした。その時に凶悪な蛇に心臓を貫かれたのだ。部族の炎は全て消え、静かな夜に死と恐怖が再び訪れた。
地母は蛇を吐き出し、毒牙のあるロで叫んだ。
「ざまあ見ろ!傲慢な愚か者どもめ!汝らはみな土に還るのがお似合いだ!」
しかし、石と石がぶつかり合う音が彼女の言葉を遮った。武器を磨いていたテクィは、手にした黒曜石の剣から出た火花でテントに火をつけた。
テクィは剣を振り上げて猛然と走り出し、蛇に斬りかかった。灼熱の刃は泥でできた蛇をやすやすと切り裂いた。テクィはさらに斬り続けようとしたが、自分の弟の目と、その手についた血が目に入った。
火傷を負った毒蛇は、その一瞬の隙をついて逃走した。蛇は火に焼かれ、地母の目も灰になりかけた。
この部族は既に滅ぶ一歩手前だ、これ以上は逆らってこないはず。
自分をそう慰めながら、地母はすばやく闇夜へ消えていった。
テクィは弟の名前を叫ぼうとしたが、灼熱の灰塵に咳き込み、リマークが夜に消えていくのをただ見ていることしかできなかった。
夜がやっと明けた頃、廃墟に立っていたテクィはここに留まってはいけないと悟った。テクィは苦悩や痛みを心の奧にしまい込み、部族の生存者を連れて再び旅に出た。
山を越え、谷を越え、猛獣や毒虫を避けながら進んだ。テクィはその道中で、目を閉じることも、剣と松明を手放すこともできなかった。
ついに、静かな火山のそばに自分たちを受け入れてくれる部族を見つけた。
年老いたシャーマンの手配により、部族の最後の一人が安らかな眠りについたのを見て、やっと安堵したテクィは、そのまま地面に倒れ込んだ。
テクィが目を覚ますと、そこは灼熱の岩窟の中だった。周囲のマグマは上下に揺れ動き、まるで山々がゆっくりと呼吸しているようだ。彼が立ち上がると、マグマも沸き上がり、辺りから虫の羽音のような、唸るような音が聞こえてきた。
「あなたの兄弟を探そうとするのはもうやめなさい。彼はもう、あの狡猾な毒蛇に目を食われてしまった。」
「それでも救わなければならないんだ!あの毒蛇も討ち取ってみせる!」
テクィの言葉は岩窟に響き渡ったが、山と炎の女神は沈黙したままだった。テクイは山と炎の女神に祈った。
「この心と血を引き換えに、弟の名を伝承させてほしい。」
岩窟に大きな音が轟いた。女神が祈りに応じたのだ。
すると女神は
「あなたの祈りは届いたわ。けれど、あなたの弟はもう血縁者ではなくなり、その名も既に奧深くまで落ちてしまった。」と答えた。
テクィは顔を上げ、女神に願いを述べた。
「我の血を炎に変え、我が心で奧底まで照らそう。この血尽きる前に、弟を連れ戻してみせる。」
「我の血を炎に変え、我が魂で毒蛇を燃やし尽くそう。この血尽きる前に、毒蛇の首を切り落としてみせる。」
テクィが再び目を覚ました時、部族の年老いたシャーマンが彼に新しい剣を渡し、食糧と水を与えてくれた。
最後に彼はテクィの肩を抱き、祝福の言葉を贈った。
「お前の炎で毒蛇の毒を燃やし尽くせますように。」
テクィは再び旅に出た。今や彼の力は尽きることなく、疲れを知らず、血は溶岩のように熱い。草原や雪山、深い谷から高い山々までをも越えていった。山と炎の女神が、転がった岩や崖の隙間で道を示してくれたおかげで、テクィが道に迷うことは無かった。
リマークと再会した時、その体と声はいまだに地母に利用され、テクィを嘲笑っていた。彼女の爪がテクィの胸を貫いたが、彼が動じることはなかった。むしろ地母の骨が熱い血で溶かされた。
テクィは悪辣な魔王をにらみつけ、声を張り上げた。
「僕の弟は優しい人だ。きっとこの大地をより良くする人だっただろう。」
「それなのに、貴様は毒で彼を侮辱した。彼の優しさに付け込んで、彼に信頼を寄せる無辜の者たちの命を奪った!」
「死ね!この卑怯な毒虫め!今ここで死ぬがいい!」
テクィは大音声を上げた。黒曜石の剣に返り血がかかる。その瞬間、剣が真っ赤に燃え上がった。地母は自分の硬い鱗や骨、魂が切り裂かれるのを見て、呼び出せる手下をすべて呼び出し、テクィの肉を引き裂いてやろうと考えた。
しかし、声が出なくなっていた。炎の光の中で山と炎の女神が一つの目を開き、沈黙するリマークの魂を元の体に戻して、蛇の首を絞めたのだ。
女神が高らかに叫ぶ。
「毒蛇、貴様は邪悪な影だ。光に照らされ、滅びる運命にある!」
灼熱の炎が冷たい岩窟の隅々まで舐め尽くして、毒虫は一匹残らず殺され、すべての陰謀や卑劣な悪行も灰と化した。
テクィの血の最後の一滴が燃え尽きようとした時、洞窟の天井が揺れ始め、巨大な裂け目ができた。そして、そこから一つの宝石が落ちてくると彼の傷をふさいだ。また転がってきた岩石が集まって、かつて毒蛇に噛まれた魂の身体を形作った。
山と炎の女神の声が再び岩壁に響き渡った。
「あなたの心と血を見たわ。私も自分のものを捧げましょう。兄弟と一緒に部族に戻りなさい。」
「しかし、その心と血はあなたたちのために残したものではない。公平と正義のため、善者と勇者のために存在するものよ。」
ある夜、弟のリマークを連れたテクィが部族に帰ってきた。集落の外で待ち続けていた年老いたシャーマンが立ち上がり、彼らを迎えた。
彼らは水と食糧を受け取って、こう言った。
「あの毒蛇は死に、僕たちは勝った。」
「でも、僕たちの心と血は僕自身のためのものではない。公平と正義のため、善者と勇者のためにあるんだ。」
「火を灯そう。僕たちはあなたたちと共に、その炎を永遠に守ろう。」
テパルの破れた手記
閲覧

……
記録No.97:
…実験は失敗した。やはり「灰燼の都」オシカ・ナタの技術はそうやすやすと復元できるものではないようだ。
「遺物」による支えを失った浮遊装置はすぐに墜落してしまった。パワーが不足していたのか、それとも重すぎたのだろうか?
現段階では、灰燼の都から手に入れた部品に頼るしかなさそうだ。
……
記録No.120:
凡人ごときが私の理想を疑うだと!?
たった少し工房を墜落させてしまっただけだろう!この程度のリスクも負わずに、先人を超えられるわけがないじゃないか!
フン…まあいい。「遺物」はまだ手元にある。研究さえ続けていれば、いつか必ず進展があるはすだ…
……
記録No.133:
親父、それにプマーまで私を応援してくれなくなった…きっと部族の凡人どもがいろいろ吹き込んだに違いない!
フンッ、地上のやつらが誰も私を支持しなくなったからってなんだ。私には進むべき「道」がある…
そろそろ潮時かもしれない。ここを離れよう。私の夢はこの大空なのだから。
……
無名冒険者のノート
「無名冒険者のノート」は3ページまであり、対応するページを入手する度に新しいページが記載された同名の任務アイテムを入手します。
閲覧
X月X日、霧…
…オシカ・ナタ――やっぱりここに辿り着いた。残忍な悪龍が棲みついた古都で、■■がその屍を埋めた地…
…リリムおばさんに知られたら、きっと怒られちゃうな。でも仕方ないよね。先人の無念を背負わないようにってお説教されても、あたしはやり遂げたいんだから…
…アビスの脅威はあたしが生まれた時ほど恐ろしいものじゃなくなったけど、無数の冒険者が追い求める「返還の玉」のためにも、■■の最後の謎を解くためにも、あそこに行かなくちゃ…
…大丈夫よ、そんなに緊張しないの。冒険なんてもういっぱいしてきたでしょ?あたしはもう立派な冒険者なんだから、きっと大丈夫。それに、もう何年も経ってるんだし、あの悪龍だってとっくの昔に消えちゃてるかもしれない…
…とにかく、あたしの冒険をここから始めるの!…
(1/1)
X月X日、雨…
…まさかあの悪龍に絡まれちゃうなんて。まあ、そのおかげでここまで来られたわけだけど…
…統律の心、かつてこの都市の心臓部だったのね…部族の人は、古代の聖なる主は自分を龍の都市の心に変えたんだって言ってた。まさか文字通りの意味だったなんて思わなかったけど…
…前に別の場所で遭遇したものと違ってここの秘源機兵は人の言葉が分かるみたい。聖なる主が自分を守るために彼らを作ったのかしら?とりあえず、しばらくは外の魔物に追い付かれる心配はなさそうね…
…ほんとに効くなんて!炎燐石を使って機械の心の中で眠っていた龍霊を呼び覚ました…でも、この子、本当に龍霊なのかな?小さくてコロコロしてるし、ターコイズみたいで、なんかかわいい…ん~…コロコロターコイズ…ココイズ…ココウィクなんて名前はどうかな?
…源火の祭壇への道だ…リリムおばさんが残した印がある。やっぱり■■もここを歩いたんだ…
…でも、炎燐石があと一個しか残ってない。天蛇の船に行く前に使うわけにいかないんだけど…
(2/2)
某月某日、ここじゃ、もう天気が分からない…
…想像とは全然違ってた。天蛇の船がこんなに荒れ果てた場所だったなんて。最期を迎える時の蛇王の気持ちが見えるような気がする…
…でも、ここは炎燐石だらけね。冒険者たちが持ってる炎燐石もここのなのかしら?でも、だとしたら、ここから取って冒険者に渡したのって誰なんだろう…
…そうだったのね。ココウィクのおかげで、「返還の玉」の正体が分かった…
…ナタを救えたのに、私たちのことは救えなかった。多くの英雄も犠牲にして…どうしてあたしをここに導いたのか、分かったよ…君はそれに触れられないのね。だから、あたしたちやココウィクの助けが必要なんだ…
…たとえ、それが偽物の聖杯でも…■■も、リリウおばさんも、旅に出た人はみんな本物の英雄よ!…
…これは大地に残された最後の炎燐石。ここに持ってこさせたのも君の計画かな?それでもいっか。これで君に騙される人はもういなくなる…
…君には渡さない。あたしたちはここで、君の計画を終わらせるんだから!
(3/3)
「努力の証」
「努力の証」は、旅人が空と蛍で絵の内容が異なる。上が空、下が蛍。
閲覧


どれほど環境が変わろうと、闘志は心に燃え続け、武を磨く歩みが止まることはない。「ナナツカヤン」の「バレカ」シロネン、「ウィッツトラン」の「マリポ」キィニチ、「トラロカン」の「ヴーカ」チャスカの三人を筆頭に、三つの部族の強者が己を磨く道を示してくれた。この挑戦は尊敬すべき、あの「トゥマイニ」のお墨付きだ!
戦士たちよ!彼らのように勇気を出し、この世の新記録を塗り替え続けよう!
ヘルカのノート
閲覧
巨大な機械の怪物
全体的に白っぽい灰色で、素早く変形する機械。動くときは光ってて、攻撃のパターンも色々ある。正式名称は「秘源機兵・機巧デバイス」だ。今のナタ人が作ったものじゃなくて、古代遺跡と一緒に今まで残ったものらしい。
でも、外側の模様に見覚えがある。ナド・クライでも似たような遺跡を見たことあるんだ。もしかしたら、僕たちが暮らしている島は大きな船みたいなもので、昔はナタとつながっていたのかも。その後は、深海巨獣のヒレとかツメ、触手かもしれないけど、そういうので北まで引っ張られていったんじゃないかな。だから似たものがちょっとあるんじゃないかな。
(このことはカーリャには内緒だ!僕が帰って、メイジーの具合も良くなったら、一緒に「霜月の子」の島へ行こう。写真の巨大な機械とそこの遺跡の機械が似てるか比べるんだ。いい感じの言い訳を見つけて、カーリャをごまかさないとね!)
巨大なケンタウロスの石像
石でできたケンタウロスの像で「魔像レガトゥス」という名前らしい。左手に盾、右手に剣を持ってて、胸を張って頭をグッと持ち上げてる。ついさっきまで、古城にうち捨てられた芸術品みたいだったのに、次の瞬間には命が吹き込まれたようだったよ。彼(「それ」かな?)が台座を踏みつけると周りに瓦礫と埃がもうもうと舞い上がった。なのに、攻撃を仕掛けてくるのはその埃が落ち着いた後だったんだ。騎士と呼ふにふさわしかったよ。技だって普通のマシナリーとは大違いさ。軍隊を指揮する将軍みたいに突撃の号令を放ったり、何かの曲を演奏したり…でも、音楽についてはさっぱりだから、何の曲かまでは分からなかった。
海の底の、さらに奧深くに、滅びたレムリアの遺跡があるって聞いた。今回はそこを訪れる機会に恵まれなかったけど、現地でレムリアに関わる伝説とか書籍をたくさん集めたんだ!そのうちキャラバンに頼んで、君に送るつもりさ。たしか、古代王国の話が好きだったよね。楽しんでくれると嬉しいな。
巨大な水塊
「水形タルパ」は水が凝縮して人型になった怪物だ。カーリャが読んでくれた本に出てくる純水の怪物とはかなり違う姿だったよ。こいつには魚のしっぽも二本の足もないんだけど、上半身と頭は人間にそっくりだ。しかも関節とか頭に当たる部分には青白い甲冑みたいな殻がある。そして、戦う時には自分を小さくしたみたいな水塊を仲間として召喚するんだ。その小さいのを飲み込んでパワーアップすることもある。
聞いた話だと、フォンテーヌの水はすごく特殊らしい。言葉を話せる純粋精霊が生まれるのもそのせいなんだって。でも、水形タルパは喋れないみたいだ。いや、もしかして単に喋りたくないだけ?それとも僕たちが彼らの言葉を理解できてないだけなのかな?
巨大なカニ
「鉄甲熔炎帝王」って名前の巨大ガニだ。カッコいい名前だよね。重甲ヤドカニは大きくなるたびに、甲冑を作るにふさわしい巻き貝とか貝殻を集め続けるんだって。邪魔するやつがいなかったら、どこまでも大きくなって、そのうちパレ・メルモニア(フォンテーヌにある荘厳な建物だよ。すごく大きいんだ!)も自分の殻にしちゃうかもしれない。
でも、いま成長は止まってるんだ。バザル・エルトンって人に倒されたのが原因らしい。まあ、今でも十分大きいけどね。深海巨獣とどっちが大きいかな?僕は深海巨獣だと思うね。だって島を引っ張って移動できちゃうんだから!(島が漂流するっていう仮説が正しければだけどね)
パイモンからもらった「祝灯状」
閲覧

テイワット最高の仲間、(旅人)へ
今年もオイラたち、色んなところを走り回ったよな!いろんな人を助けて、面白いこともあったけど、大変なこともたくさんあったぜ…
お疲れさまだぞ!!もちろんオイラもすごく頑張ったけどな♪
来年はもっと面白いところに行って、美味しいもんをいっぱい食べに行こうな!
(旅人)、いちばんさいっっこーな仲間へ、海灯祭を祝して!
秋沙銭湯特別招待券
閲覧
秋沙銭湯特別招待券

神子からの手紙
閲覧
八重宮司からの手紙
童、最近とんと顔を見せぬではないか。手紙もよこさぬし…まさか、どこか他所の祭司や巫女と戯れて、八重神子様を忘れてしまったわけではなかろうな?
よよ…妾は心が張り裂けそうじゃ。ふふっ、優しい汝のことじゃ…悲しむ妾を見てはおられまい?
きっと…天守閣に来てくれるじやろうな。門番の奧詰衆にはすでに話を通してある。おっと、拒否権はないぞ。
安心するがよい、悪くはしない。間違いなく楽しいことじゃ。ふふふっ…
「一葉の良き夢」
旅人が空と蛍で一部画像が異なる。上が空、下が蛍。
閲覧


芳しき 蘭の香りに 満ち足りて みなぎる色は 桃盛りなり


めぐり逢いて 思ひかけぬも 束の間に 交わす言の葉 茶葉足りぬべし


温湯に 疲れた夢を 溶き癒やし 広がる景色に 思ふ人

三山の 花の盛りは 過ぎぬれど 華の秋沙に 笑ひ栄えて


七聖や 凝らす心に 練る心 良き共と会ふ 惜しき時
旅の仲間との記念写真
(※旅人が空と蛍で写真が異なる。上:空が旅人、下:蛍が旅人)
閲覧


『ウルトラフュージョン・DJによる厳選リミックス』
閲覧

ウチが見る限り、最先端の音楽スタイルは、「融合」を好む傾向にあるっぽい。編曲とか楽器とか音色に、パワフルな新要素を取り入れることで、枷を外して、新しい方向に進化してる。伝統的な音楽スタイルには元々明確な境界がないけど、今はそれがもっと曖昧になって来てる…
一つの音楽を極めて、その技術を最大限発展させるのも確かにすごいけど、「巨匠」と名乗れるほどじゃないクリエイターと普通の聴衆が音楽の鑑賞力とか創造力を高めたいなら、一つのスタイルに固執するのはよくないかもね。
技術にも聴覚にも限界があるし、理論のてっぺんを追求するために複雑でニッチなコーラスを研究したり、機械みたいに正確な演奏技術を磨いたりしたって、最終的には誰も理解できないかもしれないっしょ?そうなっちゃったらガッカリ以外のなにものでもないし。
創作側に行くつもりがなくても、いろんな音楽を聴いて、これは今までになかったかも、ってメロディーを見つけてみるのがオススメ。ってことで、このレコードの曲、気に入ってくれるといいんだけど。
謎多き地図
閲覧

シュヴァルマラン映影ランドの記念マップ
フリーナとの会話の選択肢(白いヒゲと赤いヒゲ)と、旅人が空か蛍かによって一部画像が異なる。上が空、下が蛍。
閲覧




アイテムとして取得する前(ヒゲなし)

夢魂の残影
閲覧

空の向こう、その先の宇宙には、いったいどんな景色が広がっているんだろう?

炎に巣を焼かれ、雛は飛び立てなかった。人も物も、すべてが灰爆に帰す――

腕の折れた躯、鈍く光る星々。感情はすり減っていった…

生え揃わぬ翼、蜘蛛の糸。新たな旅路に疼く古傷。

道に迷う者と、異郷からの客は、同じ孤独を抱えているのだろうか?
のびのびリゾート招待状
閲覧

""カラフルな招待状""
英雄(旅人)さん、暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか!のびのびリゾートのスタッフを代表して、あなたとその仲間たちにご挨拶申し上げます。
さて、のびのびリゾートはちょうど盛夏を迎えるこのタイミングで、プレオープンを迎えました。長い間、ナタのために尽力してくれたあなたには、せひ仲間たちと共にテノチズトクでバカンスを満喫してもらいたいと考えています。
プレオープン期間中、飲食施設や娯楽施設はご自由にお楽しみいただけます。また、食事、宿泊、娯楽にかかる費用は全てこちらで負担いたします。こちらの招待状をお見せいただければ、景色の良いホリデーハウスに無料で宿泊可能です。それでは、ご来訪をお待ちしております!
のびのびアルバム
(※旅人が空と蛍で写真が異なる。上:空が旅人、下:蛍が旅人)
閲覧


「バトルに夢中になりすぎて、熱気球からのびのびリゾートを眺めるのを忘れてた…」
「ベネットが全力を遊び尽くした証拠だな!」
「あたしの全力の叫び声、誰かに届いたかな?」
「耳が壊れるかと思ったぞ…」


「今日の謎!チャスカはどうやって弾を込めなおしてるんだろう?」
「本当に一瞬だったからな…全く見えなかった。もしかしてマジックなのか?」
「内緒だ。」
「秘密にしたいのはわかったけど、なんで内緒の一言にまるまる一行使うんだよ!」


「おおー!巨大なコホラ竜の建物、すっごく立派だね!」
「オイラも誰かに巨大パイモンを造ってほしいぞ!そしたら、友達みんな呼んでオイラの前で記念撮影するんだ!」
「いいね!じゃあ、あたしがお金を出すから、パイモンはあたしのざぶざぶサメくんに乗って宣伝してね。」
「…またウォーターパークか?」


「吟遊野郎に対して、ちょっと態度が悪かったのは認めるぞ。あの蜜酒、甘くて本当においしかったぜ!」
「ちょっとどころじゃないでしょ。ボクの心が広くなかったら…」
「蜜酒をノートにつけた恨みは忘れてないからな!」
「仲がいいな。」


「みんな来てくれるなんて思わなかったから、ビックリしたぞ!」
「ベネットの登場ポーズ、すっごくかっこよかったね!この後『こだまの子』にも行ってみない?きっとみんな歓迎してくれるよ。」
「予定を詰め込み過ぎじゃないか…?」


のびのびリゾートでの短い旅は無事に幕を下ろした。みんなすぐに、それぞれの道を歩み始めることになる。それでも、友人たちと過ごした時間は、夏の波が運んできたお宝のように、太陽の光に照らされて、永遠に輝き続けるだろう。
のびのびリゾートマップ
閲覧

『ピピルパン・アイドルコンテスト』
閲覧
パインの花の咲き誇る奇跡の瞬間、その笑顔に聖なる火を灯す!
テノチズトクの名のもとに、歓迎のダンスを――輝け!アイドルピピルパン!
キミは、強者への道を歩み続けているか?
キミは、いつだって何かを求め続けているか?
キミは、胸の中で叫び続けているか?
夢見たアイドルピピルパンになれるまであと一歩。チャンスはすく目の前――それが「ピピルパン・アイドルコンテスト」!
参加方法:
審査員三名に認められた方は、決勝へと駒を進め、のびのびリゾートのスターたちと競い合います。唯一無二、アイドルピピルパンの座をつかみ取れ!
ルール
1.予選:
三名の審査員による審査を通過すると、決勝戦へ進む資格が与えられます。
2.決勝戦:
採点方式によるステージバトルで、真のアイドルピピルパンを決定します!
審査員:
「カンパ」:熱血ダンストレーナー。筋肉のカでアイドルを鍛え上げるプロコーチ!
オフディーヤ:「流泉の衆」の売上チャンピオン。マーケティングとサービスに精通した人心掌握のプロ!
ヨナ:フォンテーヌファッション界の特別批評家。ピピルパン・アイドルコンテストのゲストコメンテーター!
若き役者たちよ、バトルに参加して審査員の心をつかめ!夢の階段を上り、自分自身を超えてゆけ!輝くアイドルピピルパンとなり、キミの光でのびのびリゾート全体を照らすのだ!
カピバラキングから貰った写真
閲覧

「カクーシャ」から貰った写真
閲覧

調査報告――バクナワ
閲覧
五百年前にアビスの大軍と共にナタ西部に現れた巨大な魔獣。山のごとき体躯で、テノチズトクの部族を丸呑みにした。
「黄金」が手掛けた創造物だが、暴走の末に「黄金」を襲い、その体を食らった。知性はなく、捕食本能のままに行動する。永遠の命を持ち、無限に成長するとされる。
だが「黄金」が生み出した他の創造物と異なり、この魔獣の不死性は「生命力」ではなく、それを超越したアビスの力に由来する。教団の理解すら超えた領域だ。
調査報告――燼寂海
閲覧
燼寂海消失の原因を示す情報は一切ない。まるで関連するもの全てが、この海と共に消え去ったかのようだ。
だが唯一の手がかりと呼べるものが、古代の伝説に残されている――
「千年前に、大地を流浪した楽団があった。
相手が観客でも敵でも、彼らは剣や弓を笛や琴として使っていた。
悠々と砂漠を歩いたり、燻っている残り火の海に足を踏み入れていた。」
だが、燼寂海は今から五百年前に誕生したというのが定説だ。
この古代の楽団が活動していた時期に誤りがないとすれば、燼寂海一帯に時間の歪みが生じていた可能性がある。
時間…時間…時間…
あの超越的なアビスの力は、時間にさえ影響を与えたというのか?
調査報告――秘密の洞窟
閲覧

誰かのボロボロなノート・1
閲覧
十四回目の休憩。昼夜の判別不能。無風。
危うく死ぬところだった。左手と腰の後ろを魔物に食いちぎられ、薬もどこかで失くしてしまった。ろくに傷口の手当てもできない…
だが今日はツイていたのかもしれない。こんな場所で人と出会ったんだから。ノチティと名乗るその男は、灰燼の中に咲く花で俺を止血して、魔物には近づくな、あいつらは共食いすらするのだと教えてくれた。
……
どこから来たのかと尋ねると、彼はテノチズトクという場所から来たと答えた…
だがそこは彼の故郷ではなく、故郷を探してる最中なのだという。おかしな話だ。
自分の故郷を忘れるなんてありえるか…?
……
ノチティは休むこともなく去っていった。あまり時間がないんだそうだ。
彼は手遅れになる前に引き返すよう勧めてくれた。だがこの体では、帰ったところであまり意味はないだろう。
覚悟はできてる。これが最後の冒険だ。偉大なる冒険者スタンレーとして、最後の一滴まで血を絞ってでも、この地の秘密を暴いてみせる。
……
ハンス、お前が無事モンドに帰還できれば、俺の努力も無駄にはならないだろう。いつかお前か、協会の誰かが再びここを訪れた時、俺の残した記録を読んでくれることを願おう。
星と深淵を目指せ。
誰かのボロボロなノート・2
閲覧
二十四回目の休憩。昼夜の判別不能。無風。
今日はさらに多くの魔物を目撃した。ほとんどが同じ種族のようだ。以前、俺たちを食べようとした魔物と似てるが、大きさはまちまちだ。一番大きな個体は、小山ほどの体躯をしてた。
……
あんなに邪悪な生き物は初めて見た。だが、やつらが放つ気配には覚えがあった…ドラゴンスパインで感じた気配に似てる。
……
最近、俺の中である疑念が湧き始めた…魔物の行動範囲から考えて、俺たちが以前到達した場所は、燼寂海の中心ではなかったんじゃないか…ひたすらその周縁を回ってただけで、核心部にはたどり着けてなかったんじゃないか…
……
今日はもうひとつ、記録すべき奇妙な出来事があった。以前、傷口の手当てをしてくれた女性がいたような気がするが、その人の顔を思い出そうとすると、脳内が灰に覆われたようになって記憶がぼやけてしまう…
かろうじて覚えてるのは…その人がたしか「ナナス」という名だったってことだ。いや、本当にそんな名だったか?傷口と頭が痛みだして、何も思い出せない…
腐蝕したボロボロのノート・3
閲覧
三十三回目の休憩。昼夜の判別不能。無風。
我らが神、バルバトスよ…俺がこの一文を書いてるまさに今、すぐそばの平原で少し大きな魔物が小さな同類を捕食してる。このきわめて珍しい瞬間を記録に残そうと思う。
そいつは同類を驚異的な速さで消化してる…体が…徐々に膨れ上がってく
…まずい!あいつがこっちを向いた。まさか俺が隠れてることに気づいたのか?今はとにかく――
(…腐食の痕跡が残っている…)
夜蘭との記念写真
(※旅人が空と蛍で写真が異なる。上:空が旅人、下:蛍が旅人)
閲覧


「次にナド・クライで会った時も、今回みたいに君と仕事ができることを願っているわ。」
テイワットの記念アルバム
閲覧

龍の国ナタで、一風変わったコンビ――
キィニチとアハウに出会った。彼らはいつだって口喧嘩をしているが、それでも互いを大切な相棒と思っている。

内向的な潜水士のフレミネは、フォンテーヌで最初にできた友達の一人だ。内気で、物静かで、とても誠実な人柄をしている。

長いこと旅をしてきたけど、動植物の知識においては、スメールのレンジャー、ティナリに遠く及ばない。自然に関して何か知りたいことがある時は、彼に相談するのが一番だ。

パイモンの言葉を借りるなら、「宵宮の情熱はまるで火山噴火みたいだな!」でも本人にそう伝えたら、きっと困惑するだろう。稲妻生まれの彼女は、火山に詳しくないからだ。今度、火山の写真を送ってあげよう。

魈は今も古の誓いを守り、璃月のために妖魔を退治し続けている。時折、彼は思い出の品を持って、かつての友を訪ねているようだ。

雪国への旅立ちを目前に控えたある日、古くからの友人ガイアと再会した。冒険はまだ続いている。新たな驚きと未知に満ちた広大な世界がそこには待っている。
『ナシャタウンにようこそ!』
閲覧

【ミーミル書店の投資プロジェクト】
この書店では、知識だけでなく、希望すらも売っている。投資にリスクはあるが、過去に投資で大きな利益を得た投資家は、港での苦労した生活に別れを告げ、世界を巡る旅路へ踏み出したと言われている。みんなでこの旅人を祝福しよう!その旅路に幸多からんことを。
投資プロジェクトに興味があるなら、せひお見逃しなく!
【「スペランザ」の運勢ルーレット】
「スペランサ」といえば熱々のホットドッグ――そう思っているなら、それは大きな間違いだ。ショップの脇には、地元の人なら誰もが一度は挑むという運勢ルーレットが鎮座している。見たところ、あの有名店「フラッグシップ」のルーレットカクテルを改造したもののようだが…細かいことは気にしないでおこう。
なんにせよ、ルーレットを回し、針が止まったその瞬間、「ホットドッグ」があなたの今日の運勢を占ってくれる。
【目にも舌にも嬉しい飴細工】
ウナーヤタは、その器用な指先で蜂蜜入りのシロップを摩訶不思議な形に変えていく。鮮やかな色合いの飴細工は、間違いなくナシャタウンの暮らしに一握りの彩りを添えている。たったの一口で、ウナーヤタの素敵な笑顔が霞むほどの甘さに包まれると約束しよう。
ずっと見ていたくなる美しさだが、作り立てが一番おいしい。なるべく早くいただこう!
【熱心な研究員】
なぜかナシャタウンに滞在しているフォンテーヌ科学院の研究員。リューバはどうやら、きわめて抽象的なテーマに取り組んでいるらしい…その奇妙な実験に手を貸せば、思いがけない収穫があるかもしれない。
「ワイルドハント」現象の位置図
閲覧

「テツクジラ大将」との写真
閲覧

知識を求める者の面影
閲覧
ナシャタウンに伝わる物語によると、大盗賊はかって素顔をさらして世を渡り歩いていた。
宮廷の心なき処刑台でさえ、彼の命を奪うことはできなかったが、
それ以来、彼は白銀の仮面を被り、過去の秀麗な容貌を葬り去った。
ところが、漆黒の災厄が辺境の地を襲った後、彼は再び仮面を外し、己を隠すことをやめた。
大盗賊がなぜこのような行動を取ったのか、ここ数百年で数え切れないほどの説が唱えられてきた――
仮面は冬国による熾烈な捜査から逃れるため、一時的に被っていただけだと言う者もいれば、
仮面は傷跡を隠すためのもので、処刑人につけられた烙印が消えるまで待っていたと言う者もいる。
また中には、単に人々から向けられる愛や憎しみに嫌気がさしたからだ。
危機から幸い逃げおおせたものの、そのせいで寡黙になり、仮面を被るようになったと言う説もある。
真相はどうあれ、銀の仮面は大盗賊の象徴となった。
数え切れぬほどの宝を盗み、辺境の総督を恐れさせた偉大な事件と共に、
この仮面はいくつもの美しい夢に刻み込まれている。
まるで、彼が貧しき者たちのために降らせた、黄金の雨のように。
「お前たちはかつて神に祈り、主に祈りを捧げた。しかし、お前たちの泣き声に応える者は誰一人いなかった」
「神々も人と同じく無力で、月下の俗世に囚われているからだ」
「恐怖の中で泣き叫ぼうと、誰にも聞こえはしない。神々は一人として救えないの、兄弟たちよ」
「彼らは自分のことでさえ救えやしない、皆と何ら変わりない。俺たちにできるのは、互いを労ることだけだ」
銀の仮面を被った恐れ知らず大盗賊は、神々を嘲笑し、貴族たちが馴れ合い求める虚りの名声を軽蔑した。
極冬のツァーリや霜月の女主人に対しても、寡黙な盗賊は等しく軽蔑と静寂をもって応えた。
溢れんばかりの月光が高塔から流れ出し、白銀と彼女の瞳に映る堅い意志が、共に燃え尽きるまで…
知識を刻む者の黒羽
閲覧
漆黒の濁流がまだ荒れ果てた凍てつく野を襲っていなかった頃、貧しき者もフェイの庇護の下で眠ることができた。
夢のない忙しい生涯は苦難とは言えない。労働に身を捧げる者であれば皆、暖を取る程度の僅かな報酬を得られた。
スネージナヤのツァーリは広大な水海のごとき寛容さを持ち、短命な小さき者たちにも施しを与えた。
しかし、高責なる責族たちは古の言葉を深く理解し、限りのない贅沢はいずれ凡人の脆い魂を汚すと考えた。
そのため、彼らだけは飢えと寒さの瀬戸際でもがかず、自らの民のために腹を満たす罪を背負うことを選んだ。
なんと慈悲深い知恵、なんと高貴な規範であろうか。無数の責族や平民が君主の聖なる血統を讃えた。
フェイたちを讃える主は、厳格な父のように、苦労に耐え忍ぶ衆生のために階級による統制を定めた。
純白の光も暗闇の影を映すことがあるように、貴族の心遣いも愚者に理解されることはなかった。
宝物を封じるために高い壁を建てる者もいれば、その富を狙う悪党もいる。
生命を呑み込む漆黒の濁流が襲い来る前の時代、楽園と鴉の主は歴史の舞台に乱入した。
それこそが後世、諸国に名を轟かせることとなる大盗賊レッド・ミラー――
彼の出自は誰にも分からない。大盗賊が紡く数多くの虚言から、真意を図りかねるのと同じように。
聖なる純白を嘲笑うためか、あるいは街角の声なき飢えと憎しみを煽るためか、
男は鴉の紋章をもって、恵みを得られずにいた賤民を集め、最初の宝盗団にこれは由々しきことであると説いた。
「貧しき者、寒さに苦しむ者、欺瞞に耐え忍ぶ者、飢える者、ここまで流浪してきた兄弟姉妹たちよ」
「この不公平な運命に苦しみ、隣人の痛みに寄り添って夜中に涙したことがあるならば」
「恐怖から身を守る場所を求め、誰もが涙を流さずに済む世界を夢見るのならば」
「お前も共に、そしてお前の兄弟姉妹たちも共に、奴隷の鎖を断ち切り、我らの列に加われ」
「死者は死者に葬らせよ。そして立ち上がれ。傲慢な者どもの富で、飢える者の楽園を築こう」
知識を紡ぐ者の傾倒
閲覧
伝説によれば、大盗賊の酒盃には、かつて世界で最も芳醇な酒が入っていたという。また、ダウンタウンの最も苦く汚い酒や涙も注がれたことがあるそうだ。
あれは漆黒の血雨が恐るべき伝説となり、ライトブリンガーが冬国の新たな主に辺境の地の恩赦を願った時代のこと。
女皇の恩恵に報いるためか、大盗賊は貴族の富を求めなくなった。
その代わり、いくつもの身分や偽名を使い分け、歌と美酒で人々の心の傷を癒した。
銀の仮面を外した大盗賊は、雪国のフェイのように秀麗な容貌をしていたという。
完璧な作法で貴族の舞踏会に出入りし、自由な姿で民の酒場で酔い潰れた。
そして、凡庸で空虚な二種類の人間たちに通じる、悪夢のような伝説を紡いだ。
「この楽しい酒宴に歌を捧げよう、親愛なるフェイよ」
「いずれ朽ちる冠と、不滅なる盗賊の名に敬意を表して」
「この世の悲しき涙を盗み、神には嘲笑と口づけを」
「享楽のためでも、権力のためでもなく、ただ愛する者の笑顔のために」
恋人の枕元で囁かれる会話から酔いどれの叫びまで、歌で語られる八面六臂の英雄に人々は心酔した。
歌う者と謳われる主人公はひとつの謎となり、退屈な夜に、無数の詩人によって語り継がれていった…
マイテのノート
閲覧
カニ皇帝は、霜月の子とかいう変わり者の集落のすく隣に住んでいる。もう何百年も生きているらしい(でなきゃ、あんなにデカくならない)。アタシが見たことのあるカニよりもずっと大きくて、その「家」も普通の殻じゃなくて、ちょっとした山のように大きい(アタシたちが旗に描いた殻よりも大きい!)。まるで小さな要塞みたい。もっと不思議なのは、中にはクーヴァキの苔が生えていて、洞窟の暗闇の中で星みたいにキラキラしてること。もしかしたら、それがカニ皇帝の王冠なのかもしれない。
そうなると、周りにいるカニたちは、カニ皇帝の臣民だよね。はあ、かわいそうなカニさん、いつもあくせく働いて見つけた食べ物(ホワイトベリー、魚、それから名前が分からないものも)を洞窟の奧に持って行っても、その場で食べられないんだから。カニさんたちがキラキラ光る石や月落銀を持って帰るのを二回見たことがある。もしかしたら、それがカニ皇帝に納める「税金」?そういえば、大盗賊レッド・ミラーの時代も、スネージナヤの総督がナシャタウンの人たちから「税金」を徴収してたみたい。その「税金」も、きっとこういうものだったはず。
でもカニ皇帝が欲しいのは、食べきれないほどのホワイトべリーや魚ではないのかも。昨日の午後、洞窟からカニ皇帝が出てくるのを見かけたの。のろのろした動きで、重たい山を背負っているかのように進んでた。一歩一歩が、地面の小石を震わせていてね。とても小さなカニさんが、とても小さなお魚をカニ皇帝の足元に持っていったんだけど、カニ皇帝は頭を下げてちょっと見ただけで、その巨大なハサミを振ったんだ。すると、小さなカニさんは怯えて魚を捨てて、一目散に砂の中に逃げていったの。
カニ皇帝はそのお魚を食べなかった。ただ、小さなハサミでお魚をよけて、そのまま動かなくなった。カニ皇帝は、遠くの海を見ているみたいだったよ。王様って、きっと孤独なんだね。カニ皇帝を恐れるカニはいっぱいいるい。要塞や王冠を持ってるけど、花房クラゲのように触手で触れ合える友達はいない(セミヨンは、クラゲが触手で交流するって言ってたけど、カニさんでいうとハサミになるのかな?)。
あの大きな殻はどこで見つけたんだろう?皇帝が住みつく前は、もっと大きな王様が住んでいたのかな?カニ皇帝も、もっと大きくなったら、今より豪華な宮殿に引っ越すのかな?次は熟れたホワイトべリーをカニ皇帝に持っていって、殻を調べさせてもらおう…いや、やっぱりやめとこ。大盗賊は貴族にあまり近づくもんじゃないし、不幸になるだけだから。
アウニのノート
閲覧
モレーおじいさんの一家は、モレー谷の奧にある洞穴で暮らしている。そこはしっとり湿っていて、老木の根のにおいがする。あのうるさくて大きいやつらが鉄の板を引きずって来るまで、そこの暮らしはとても静かで心地よかった。夜になって大きいやつらがいなくなると、モレー一家は洞穴を出てモレー谷に食べ物を探しに行ったり、月蛍と遊んだりした。
モレー家の娘はホワイトべリーや月蛍よりも、月が好きだ。モレー谷から見る月は大きくて丸い真っ白なお皿みたいだ。(ユルヴァお兄ちゃんによると、クンクンモグラは実は目が悪いのだそうだ。でも鼻と耳はいいから、モレー家の娘は遠く離れていても月のにおいがわかるのかもしれない。ホワイトべリーみたいに甘くていい香りなのかも。)月がとりわけ明るい夜には、影のないモグラの姿が見える。彼らは月明りの下を風に吹かれた煙のようにふらふらと歩く。みんなで話をしているのに、モレー家の娘が口を挟むのを嫌がって、彼女をいないものとして扱う。きっとモレー家の娘がまだ影を捨てていないからだろう。謎の組織(地隠会みたいな)にはミステリアスな掟があるという。だから影のないモグラの紹介が必要なのかもしれないし、謎の儀式をすませないといけないのかもしれない。そうでなければ黙って横で聞いているしかないのだ。
たとえ聞いているだけでも、楽しかった。中には遠くから来たというクンクンモグラもいた。自分の家がないのか、どこへ行ってもそこがわが家になるという。雪山や砂漠、高い山、深い海の底まで行ったらしい。「そういうところにも新鮮なホワイトべリーはあるの?」きっと地元のモグラが尋ねたのだろう。「僕の知る限りではないな。でも代わりになるものがいくらでもある。」その答えを聞いて地元のモグラは口元をゆがめた。彼はきっとホワイトベリーが大好物なのだ。
モレー家の娘もホワイトべリーは好きだ。だけど食べたこともない代替品を自分も好きになれるか、試してみたいと思った。前に一度モレー谷を離れて冒険したことがある。土の中をひたすら掘り進めて、大きなやつらが大勢いる場所に着いた。夜なのにどこもかしこも明るく騒がしくて、月がどこにあるかわからなくなりそうだった。彼女はそこでいろんなにおいをかいだが、そのほとんどが好きになれなかった。結局かぎ慣れたホワイトべリーのにおいをたどって、果実が山のように積んである場所に出た。そこには見たこともない果実がたくさんあって、おいしそうな匂いがした。少しだけ、そんなにたくさんじゃなくて何個かでいいから分けてほしいと思った。でもその日はそんな幸運には恵まれなかった。たまにはそんな日もある。
モレー谷に戻ると、みんなが心配していた。彼女がひとりで遠くへ行ったと聞いて、みんなはとても驚いた。モレー谷の暮らしは快適ではないのか?なぜ他の場所に行く必要がある?そこでモレー家の娘は前に影のないモグラから聞いた話をした。「影のないモグラなんているはずないだろう?夢でも見たんじゃないか。」彼女の兄はそれを信じなかったし、彼女がモレー谷を離れるのをよしとはしなかった。他の家族も同じようなもので、他のどんな果実よりも新鮮なホワイトペリーが好きだった。
次の月が特別明るい夜に影のないモグラに出会えなければ、全部夢だったと思うことにしよう。モレー家の娘はそう考えた。元々モレー谷の暮らしが嫌なわけでもない。けれど月が昇り、月明りがさすと、やはり影のないモグラが現れてまたあの話を繰り返した。これが夢でないのなら、きっと月の導きだ。モレー家の娘はとてもうれしかった。その月の明るい夜、彼女はまたひとりでモレー谷を出た。でも今度はいつ帰るかわからない。雪山や砂漠、まだ見ぬ場所で、新鮮なホワイトべリーよりもっとおいしい果実が見つからないとも限らないのだから。
セミヨンのノート
閲覧
花房クラゲ
ナド・クライにのみ生息すると伝えられる種で、淡い桃色の傘と、しなやかに伸びる触手を持つ。その多くは、クリムゾン・ソルトマーシュの浅瀬近くに生息している。そこには潮の満ち引きがあり、プランクトンを捕食する絶好の場所だ。干潮の時も、彼らは陸上を泳ぐように移動できる。おそらく体内に特別な水嚢を備えていて湿り気を保っているか、あるいは特殊な粘液を分泌する腺を持ち、水分の蒸発を抑えているのだろう。触手は一般的なクラゲよりもはるかに強靭で、何らかの特別な力を秘めているようだ。ただし、それは捕食対象にしか作用しないのかもしれない。試しに小枝でそっと触れてみたが、特に反応もなく、攻撃されることもなかった。(断言できるが、ホラガイ団の中でここまでの度胸を見せる者は私くらいだ)彼らは触手同士を絡めて「コミュニケーション」を取る。それは人間が握手やハイタッチをするのとよく似ている。群れが集まったときの、踊るような動きもまた、きっと彼らだけの「言葉」なのだろう。脳こそ持たないが、完全に知能がないとは思えない。
残念なことに、ファデュイの施設は花房クラゲの住処をほぼ完全に破壊してしまった。何が目的なのかは分からないが、持ち込まれた機械装置は昼夜を問わず轟音を立て、その一帯からは明らかに活気が失われていた。食糧不足か、騒音のせいか、あるいはその両方か…僕は、地面に力なく横たわる花房クラゲをいくつも目にした。救おうと試みたが、もう手遅れだった。
ホラガイノート
ホラガイノートは4ページまであり、ホラガイ印の4つのノートの内容をそのまま繋げたもの。
1.ヘルカのノート、2.アウニのノート、3.マイテのノート、4.セミヨンのノート
閲覧
巨大な機械の怪物
全体的に白っぽい灰色で、素早く変形する機械。動くときは光ってて、攻撃のパターンも色々ある。正式名称は「秘源機兵・機巧デバイス」だ。今のナタ人が作ったものじゃなくて、古代遺跡と一緒に今まで残ったものらしい。
でも、外側の模様に見覚えがある。ナド・クライでも似たような遺跡を見たことあるんだ。もしかしたら、僕たちが暮らしている島は大きな船みたいなもので、昔はナタとつながっていたのかも。その後は、深海巨獣のヒレとかツメ、触手かもしれないけど、そういうので北まで引っ張られていったんじゃないかな。だから似たものがちょっとあるんじゃないかな。
(このことはカーリャには内緒だ!僕が帰って、メイジーの具合も良くなったら、一緒に「霜月の子」の島へ行こう。写真の巨大な機械とそこの遺跡の機械が似てるか比べるんだ。いい感じの言い訳を見つけて、カーリャをごまかさないとね!)
巨大なケンタウロスの石像
石でできたケンタウロスの像で「魔像レガトゥス」という名前らしい。左手に盾、右手に剣を持ってて、胸を張って頭をグッと持ち上げてる。ついさっきまで、古城にうち捨てられた芸術品みたいだったのに、次の瞬間には命が吹き込まれたようだったよ。彼(「それ」かな?)が台座を踏みつけると周りに瓦礫と埃がもうもうと舞い上がった。なのに、攻撃を仕掛けてくるのはその埃が落ち着いた後だったんだ。騎士と呼ふにふさわしかったよ。技だって普通のマシナリーとは大違いさ。軍隊を指揮する将軍みたいに突撃の号令を放ったり、何かの曲を演奏したり…でも、音楽についてはさっぱりだから、何の曲かまでは分からなかった。
海の底の、さらに奧深くに、滅びたレムリアの遺跡があるって聞いた。今回はそこを訪れる機会に恵まれなかったけど、現地でレムリアに関わる伝説とか書籍をたくさん集めたんだ!そのうちキャラバンに頼んで、君に送るつもりさ。たしか、古代王国の話が好きだったよね。楽しんでくれると嬉しいな。
巨大な水塊
「水形タルパ」は水が凝縮して人型になった怪物だ。カーリャが読んでくれた本に出てくる純水の怪物とはかなり違う姿だったよ。こいつには魚のしっぽも二本の足もないんだけど、上半身と頭は人間にそっくりだ。しかも関節とか頭に当たる部分には青白い甲冑みたいな殻がある。そして、戦う時には自分を小さくしたみたいな水塊を仲間として召喚するんだ。その小さいのを飲み込んでパワーアップすることもある。
聞いた話だと、フォンテーヌの水はすごく特殊らしい。言葉を話せる純粋精霊が生まれるのもそのせいなんだって。でも、水形タルパは喋れないみたいだ。いや、もしかして単に喋りたくないだけ?それとも僕たちが彼らの言葉を理解できてないだけなのかな?
巨大なカニ
「鉄甲熔炎帝王」って名前の巨大ガニだ。カッコいい名前だよね。重甲ヤドカニは大きくなるたびに、甲冑を作るにふさわしい巻き貝とか貝殻を集め続けるんだって。邪魔するやつがいなかったら、どこまでも大きくなって、そのうちパレ・メルモニア(フォンテーヌにある荘厳な建物だよ。すごく大きいんだ!)も自分の殻にしちゃうかもしれない。
でも、いま成長は止まってるんだ。バザル・エルトンって人に倒されたのが原因らしい。まあ、今でも十分大きいけどね。深海巨獣とどっちが大きいかな?僕は深海巨獣だと思うね。だって島を引っ張って移動できちゃうんだから!(島が漂流するっていう仮説が正しければだけどね)
(1/4)
モレーおじいさんの一家は、モレー谷の奧にある洞穴で暮らしている。そこはしっとり湿っていて、老木の根のにおいがする。あのうるさくて大きいやつらが鉄の板を引きずって来るまで、そこの暮らしはとても静かで心地よかった。夜になって大きいやつらがいなくなると、モレー一家は洞穴を出てモレー谷に食べ物を探しに行ったり、月蛍と遊んだりした。
モレー家の娘はホワイトべリーや月蛍よりも、月が好きだ。モレー谷から見る月は大きくて丸い真っ白なお皿みたいだ。(ユルヴァお兄ちゃんによると、クンクンモグラは実は目が悪いのだそうだ。でも鼻と耳はいいから、モレー家の娘は遠く離れていても月のにおいがわかるのかもしれない。ホワイトべリーみたいに甘くていい香りなのかも。)月がとりわけ明るい夜には、影のないモグラの姿が見える。彼らは月明りの下を風に吹かれた煙のようにふらふらと歩く。みんなで話をしているのに、モレー家の娘が口を挟むのを嫌がって、彼女をいないものとして扱う。きっとモレー家の娘がまだ影を捨てていないからだろう。謎の組織(地隠会みたいな)にはミステリアスな掟があるという。だから影のないモグラの紹介が必要なのかもしれないし、謎の儀式をすませないといけないのかもしれない。そうでなければ黙って横で聞いているしかないのだ。
たとえ聞いているだけでも、楽しかった。中には遠くから来たというクンクンモグラもいた。自分の家がないのか、どこへ行ってもそこがわが家になるという。雪山や砂漠、高い山、深い海の底まで行ったらしい。「そういうところにも新鮮なホワイトべリーはあるの?」きっと地元のモグラが尋ねたのだろう。「僕の知る限りではないな。でも代わりになるものがいくらでもある。」その答えを聞いて地元のモグラは口元をゆがめた。彼はきっとホワイトベリーが大好物なのだ。
モレー家の娘もホワイトべリーは好きだ。だけど食べたこともない代替品を自分も好きになれるか、試してみたいと思った。前に一度モレー谷を離れて冒険したことがある。土の中をひたすら掘り進めて、大きなやつらが大勢いる場所に着いた。夜なのにどこもかしこも明るく騒がしくて、月がどこにあるかわからなくなりそうだった。彼女はそこでいろんなにおいをかいだが、そのほとんどが好きになれなかった。結局かぎ慣れたホワイトべリーのにおいをたどって、果実が山のように積んである場所に出た。そこには見たこともない果実がたくさんあって、おいしそうな匂いがした。少しだけ、そんなにたくさんじゃなくて何個かでいいから分けてほしいと思った。でもその日はそんな幸運には恵まれなかった。たまにはそんな日もある。
モレー谷に戻ると、みんなが心配していた。彼女がひとりで遠くへ行ったと聞いて、みんなはとても驚いた。モレー谷の暮らしは快適ではないのか?なぜ他の場所に行く必要がある?そこでモレー家の娘は前に影のないモグラから聞いた話をした。「影のないモグラなんているはずないだろう?夢でも見たんじゃないか。」彼女の兄はそれを信じなかったし、彼女がモレー谷を離れるのをよしとはしなかった。他の家族も同じようなもので、他のどんな果実よりも新鮮なホワイトペリーが好きだった。
次の月が特別明るい夜に影のないモグラに出会えなければ、全部夢だったと思うことにしよう。モレー家の娘はそう考えた。元々モレー谷の暮らしが嫌なわけでもない。けれど月が昇り、月明りがさすと、やはり影のないモグラが現れてまたあの話を繰り返した。これが夢でないのなら、きっと月の導きだ。モレー家の娘はとてもうれしかった。その月の明るい夜、彼女はまたひとりでモレー谷を出た。でも今度はいつ帰るかわからない。雪山や砂漠、まだ見ぬ場所で、新鮮なホワイトべリーよりもっとおいしい果実が見つからないとも限らないのだから。
(2/4)
カニ皇帝は、霜月の子とかいう変わり者の集落のすく隣に住んでいる。もう何百年も生きているらしい(でなきゃ、あんなにデカくならない)。アタシが見たことのあるカニよりもずっと大きくて、その「家」も普通の殻じゃなくて、ちょっとした山のように大きい(アタシたちが旗に描いた殻よりも大きい!)。まるで小さな要塞みたい。もっと不思議なのは、中にはクーヴァキの苔が生えていて、洞窟の暗闇の中で星みたいにキラキラしてること。もしかしたら、それがカニ皇帝の王冠なのかもしれない。
そうなると、周りにいるカニたちは、カニ皇帝の臣民だよね。はあ、かわいそうなカニさん、いつもあくせく働いて見つけた食べ物(ホワイトベリー、魚、それから名前が分からないものも)を洞窟の奧に持って行っても、その場で食べられないんだから。カニさんたちがキラキラ光る石や月落銀を持って帰るのを二回見たことがある。もしかしたら、それがカニ皇帝に納める「税金」?そういえば、大盗賊レッド・ミラーの時代も、スネージナヤの総督がナシャタウンの人たちから「税金」を徴収してたみたい。その「税金」も、きっとこういうものだったはず。
でもカニ皇帝が欲しいのは、食べきれないほどのホワイトべリーや魚ではないのかも。昨日の午後、洞窟からカニ皇帝が出てくるのを見かけたの。のろのろした動きで、重たい山を背負っているかのように進んでた。一歩一歩が、地面の小石を震わせていてね。とても小さなカニさんが、とても小さなお魚をカニ皇帝の足元に持っていったんだけど、カニ皇帝は頭を下げてちょっと見ただけで、その巨大なハサミを振ったんだ。すると、小さなカニさんは怯えて魚を捨てて、一目散に砂の中に逃げていったの。
カニ皇帝はそのお魚を食べなかった。ただ、小さなハサミでお魚をよけて、そのまま動かなくなった。カニ皇帝は、遠くの海を見ているみたいだったよ。王様って、きっと孤独なんだね。カニ皇帝を恐れるカニはいっぱいいるい。要塞や王冠を持ってるけど、花房クラゲのように触手で触れ合える友達はいない(セミヨンは、クラゲが触手で交流するって言ってたけど、カニさんでいうとハサミになるのかな?)。
あの大きな殻はどこで見つけたんだろう?皇帝が住みつく前は、もっと大きな王様が住んでいたのかな?カニ皇帝も、もっと大きくなったら、今より豪華な宮殿に引っ越すのかな?次は熟れたホワイトべリーをカニ皇帝に持っていって、殻を調べさせてもらおう…いや、やっぱりやめとこ。大盗賊は貴族にあまり近づくもんじゃないし、不幸になるだけだから。
(3/4)
花房クラゲ
ナド・クライにのみ生息すると伝えられる種で、淡い桃色の傘と、しなやかに伸びる触手を持つ。その多くは、クリムゾン・ソルトマーシュの浅瀬近くに生息している。そこには潮の満ち引きがあり、プランクトンを捕食する絶好の場所だ。干潮の時も、彼らは陸上を泳ぐように移動できる。おそらく体内に特別な水嚢を備えていて湿り気を保っているか、あるいは特殊な粘液を分泌する腺を持ち、水分の蒸発を抑えているのだろう。触手は一般的なクラゲよりもはるかに強靭で、何らかの特別な力を秘めているようだ。ただし、それは捕食対象にしか作用しないのかもしれない。試しに小枝でそっと触れてみたが、特に反応もなく、攻撃されることもなかった。(断言できるが、ホラガイ団の中でここまでの度胸を見せる者は私くらいだ)彼らは触手同士を絡めて「コミュニケーション」を取る。それは人間が握手やハイタッチをするのとよく似ている。群れが集まったときの、踊るような動きもまた、きっと彼らだけの「言葉」なのだろう。脳こそ持たないが、完全に知能がないとは思えない。
残念なことに、ファデュイの施設は花房クラゲの住処をほぼ完全に破壊してしまった。何が目的なのかは分からないが、持ち込まれた機械装置は昼夜を問わず轟音を立て、その一帯からは明らかに活気が失われていた。食糧不足か、騒音のせいか、あるいはその両方か…僕は、地面に力なく横たわる花房クラゲをいくつも目にした。救おうと試みたが、もう手遅れだった。
(4/4)
ラバになった人
閲覧
かつて、スメールシティには誰もが知る間抜けがいた。彼の名はオットーバ。商人と踊り子の息子で、数を数えられず、教令院の授業にもついていけなかった。授業以外でも、彼は商人が取引の時に秤をごまかして得する方法を理解できず、いつも荒唐無稽な話に騙されてばかりいた。道端で障害があるふりをして物乞いをする拙劣な詐欺師でさえ、同じ嘘で何度も彼からモラと同情の涙をたんまりと騙し取ることができた。粗暴な砂漠の民でさえ、彼よりはずっと賢かった。
オットーバがどうしてこんなに愚かなのかは誰も知らず、人々は彼を「こいつは馬鹿だ。金も稼げず名誉も手にできないなんて、終わったな!」と馬鹿にして笑っていた。
しかし、オットーバの両親と彼のことをよく知る友達は周囲の意見など気にせず、いつも「彼は心の底から優しい。それは何ものにも勝る英知だ」と言っていた。
時間は風に舞う砂のようにあっという間に流れ、オットーバは友人の助けのもと、ロバ引きの仕事に就いた。安月給できつい仕事なので他の人たちは数日ももたずに辞めていくが、オットーバはこの仕事をとても気に入っていた。なぜなら、耳に傷跡があるこのロバはバザールの人たちよりも真面目だし、誠実だったからだ。腹が減ると鳴き声を上げて、頭で軽く彼の腰をつつく。満腹になると目を閉じ、頭をオットーバの懐にもたげて小さくうなる。嘘もつかないし、文句も言わない。
しかしある日、とある詐欺師がオットーバとロバに目をつけた。その男は恥知らずで、自分の名前を捨てた卑劣な悪党だった。ペテンと嘘で金を騙し取り、そのお金で他人に苦しみと怒りを与えるような男だ。サソリでさえ彼に近づこうとは思わなかった。
ある日オットーバがロバを連れて砂漠から荷物を運んでいると、チャンスだと思った詐欺師は密かに長い距離を尾行し、オットーバが荷物を届け終わるのをひたすら待った。
オットーバは街に戻る前、オアシスで休憩を取ることにした。
詐欺師はオットーバが果物を採りにいった隙を見計らってこっそりロバの縄を解き、仲間に頼んで売り飛ばした。さらに、手綱の輪っかを自分の頭にかけ、その場にしゃがみ込んでオットーバが戻るのを待った。
「うわっ!君は誰だ?」果物でいっぱいのカゴを抱えて戻ったオットーバは、詐欺師を見て叫んだ。目の前でうつ伏せになっているこの男が、彼のロバの友達ではないことは明白だった。
「俺は詐欺師だ!」詐欺師の男はわざとらしく泣きながら言った。「俺はもともと詐欺師で、卑劣な悪者で、道徳すら持ち合わせていなかった。」
「金を稼ぐために数え切れないほどの嘘をついて、たくさんの人を傷つけてきた。あげくの果てには自分の母親まで騙してしまった。」
「母親は俺を罰するために砂漠に行って、涙を流してアフマルにお願いをしたんだ。俺に人としての道理を教えてやってくれと。」
「するとアフマルは俺をロバに変え、口をきけなくして、行動で罪を償うようにさせた。人としての行いを理解した時、俺は人に戻れるんだ。」
オットーバは地面に座り、詐欺師のでたらめな作り話を最後まで聞いた。詐欺師が嘘の涙を無理やり流した時、オットーバは感動の涙を流した。
「そうか!じゃあ今の君は、善良な人に戻ったってことだね!」
オットーバは嬉しそうに飛び上がり、詐欺師の両手をぎゅっと握りしめ、懐にある果物を全部詐欺師に持たせてやった。
「君は僕の友達だ。もとは僕の懐にもたれて水を飲んで、一緒に寝たりもした。僕は君を愛しているし、君がいい人に戻ってくれたことが嬉しいよ。」
「早く帰ってお母さんに会ったほうがいい。お母さんもきっと君を愛しているし、涙を流してくれるさ。さあ帰るんだ、果物を持って帰ればきっとお母さんも喜ぶよ!」
果物を抱えた詐欺師は、今まで無数の嘘をつき、無数の汚い言葉を吐き出してきた喉が、砂で詰まったように感じた。彼はうなずき、心の中で自分を慰めた。
「馬鹿め、馬鹿め!まんまと騙されやがったな。」
詐欺師がその場を去った後、オットーバも縄を拾い上げ嬉しそうに街へと戻った。そしてロバとの出来事を、友達に話した。
とある傭兵の友達が彼の話を聞いて、瞬く間に顔を真っ赤にした。彼の胸には正義の怒りが燃え上がっている。その勇ましい男は自分の刀を握り、椅子から勢いよく跳び上がって大声で叫んだ。
「なんて卑劣な!そいつはお前を騙したんだ。金のためにお前の親切心を踏みにじったんだぞ!」
「教えてくれ、そいつの名前はなんていうんだ?その薄汚いやつの舌を切り落として、二度とそんなマネができないようにしてやる!」
オットーバは変わらぬ様子で笑いながら、刀を握る友達の手をコップへと持っていき、密酒を注いでやった。
「僕のために本気で怒ってくれてありがとう。でも、僕からすればこれはいいことなんだ…」
「もし彼が言ったことが本当なら、苦しみながら罪滅ぼしをする悪人が一人減って、罪を悔い改めることを知り、道徳を取り戻した善人が一人増えたことになる。」
「もし彼が言ったことが嘘なら、この世から自分の母親にまで嘘をつく毒蛇が一匹減り、涙を流しながら自分の子を呪わなければならない母親が一人減ったことになる。」
すると、読書家で教令院の中でも名を馳せているもう一人の友達が、やるせなさそうに首を振ってこう言った。
「オットーバ、君の善良な心を尊敬するよ。それは人々に最も欠けているもので、最も軽視されている知恵だ。」
「とはいえ、悪人は罰を受けるべきだよ。でないと、君が持つような善良な心は、踏みにじられ続けてしまうからね…」
「まずはその詐欺師を裁いてやりたいけど…ああ、許せない。そいつは僕の友達を侮辱したんだ。鞭打ちの刑に処すべきだよ!」
友人たちのやるせない気持ちを感じたオットーバは、この話題を止めると酒壺を持ち、友達のコップに酒をなみなみと注いだ。しかし、彼を愛する友人たちは黙り込んだままで、その眉間に寄った皺は、砂塵を巻き込む暴風が生み出したように深いものだった。
その時、酒場の扉がもう一人の友達によって開かれた。彼は大声で叫んだ。
「耳に傷跡のあるロバを見たぞ、バザールの中だ!」
傭兵は密酒を一気に飲み干し、叫んだ。
「よし、よし!例の詐欺師の足跡に違いない。これを辿ればきっとやつを捕まえられるぞ!」
友人たちはオットーバを連れてバザールへと駆け込んだ。そのロバは、本当にバザールのど真ん中に立っていた。オットーバは驚いた様子でロバのもとに駆け寄り、ロバと話をしようとした。
傭兵の友達は一歩踏み出し、周囲にいる人々に誰がこのロバを売っているのか、そして売り主はどこに行ったのかを尋ねた。オットーバの性格をよく知る学者の友達は、メガネを上げながらオットーバの袖をさりげなく掴み、バザールでロバと会話するような常識外れな行為はなるべく避けるように言った。
しかしオットーバはポンと優しく友達の手を叩くと、その場にしゃがみ込み、ひそひそとロバの耳に向かって言った。
「どうしてロバの姿に戻ってるんだい?まさか、またお母さんに嘘をついて、君を愛する人を傷つけてしまったのか?」
「はぁ…君のことを買い戻すよ。もし別の人の手に渡ったら、きっと辛い思いをすることになるから。」
「今は絶対に言葉を話しちゃだめだ。でないと、君のことを買い戻せなくなるかもしれない。」
オットーバがポケットの中のモラを数えていた時、褐色の肌と金色の瞳を持つ男が彼の肩に手を起き、目を細めて優しい口調で言った。
「私はこのロバの持ち主だ。そのロバを買いたいのか?」
「はい、彼を買いたいです。彼は僕の友達で、彼は…」オットーバは目を伏せ、オアシスでの出来事を口にしないようにした——きっと友人は、自分の過ちを他人に知られたくないだろうと思ったからだ。
「今は、これを君に売ることはできないんだよ。それに…」
男は背後からもう一本の縄を引っ張り出し、オットーバの手に持たせた。
「これこそが君の誠実な友達だよ。オットーバ、この子を連れて帰りなさい。」
オットーバは、新たに現れた耳に傷跡があるロバをぽかんと見た。ロバの方もオットーバを自分の仲間だと認識して、彼の腰元を軽く小突いた。オットーバはその子のたてがみを撫でた、しかし…
「このロバ、僕の友達と瓜二つだ。」オットーバは驚いて言った。しかし、一人の人間が二頭のロバになるなんてあり得るのか?もしそうなら、いったいどれほどの罪を犯したのだろう?
「そうだ。こっちの彼も、君の友達だ。」褐色の肌の男は笑いながら言った。「でも彼は罪を犯したから、罰として間抜けなロバに変えた。もう二度と口をきくことはできない。」
オットーバは瞬きをし、この縄を握っている人が誰なのかを咄嗟に理解した。しかし彼の心は、かつて彼に救われ、今再び道に迷ってしまった友達のことしか考えられなかった。
「彼はどんな過ちを犯したんだい?まさか、また自分の母親を騙したのか?」オットーバは悲しそうに質問した。
「いいや。彼の犯した罪はそれより百倍、千倍も重いものだ。」男は答えた。「彼はめったに得られない、またとない善意を裏切ってしまったんだ。だから今生において、彼はもう二度と善意に救われることはない。」
オットーバは問いただそうとしたが、突然舞い上げられた砂埃に視界が遮られた。目の前で、男の姿は消えた。その後、砂埃に行く手を遮られていた友人たちが彼のそばに駆け寄り、詐欺師は今どこにいるのかと焦って尋ねた。
「彼はまた罪を犯して、ロバに変えられてしまったんだ。」オットーバは悲しそうに言った。「今度こそ、彼が心を入れ替えるチャンスがあるといいんだけどね。」
オットーバはロバを引き、友人たちと共に帰路についた。帰り道、彼は心の中でこう思っていた。
「ふぅ…もっとお金を稼がなきゃ。今度あの人に会ったとき、彼を買い戻すのに一体いくら払えばいいのか分からないよ。」
}}}