【ドラゴンクエストIII そして伝説へ…】

Last-modified: 2025-12-30 (火) 00:03:52

・DQ本編シリーズ

DQ1DQ2DQ3DQ4DQ5DQ6DQ7DQ8DQ9DQ10DQ11

DQ1・2DQ1・2・3BSDQ1DQ10オフライン

DQ3関連一覧
キャラクター - 職業 - 地名 - 呪文 - 特技 - 装備(武器/よろい/たて/かぶと/装飾品) - 道具 - モンスター - 性格 - 音楽 - 台詞 - 裏技

HD-2D版
呪文 - 特技 - 装備(武器/たて/かぶと/よろい/アクセサリー) - 道具(だいじなもの) - モンスター(はぐれ)

作品データ

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』
オリジナル版
発売日1988/2/10
対応環境ファミリーコンピュータ
媒体ROMカセット(2Mbit)
型番EFC-D3
価格(当時)5,900円
移植・リメイク
対応環境発売日
スーパーファミコン1996/12/6
ゲームボーイカラー2000/12/8
携帯電話docomo 2009/11/19
au 2010/4/22
Wii2011/9/15
iOS,Android2014/9/25
PlayStation 42017/8/24
ニンテンドー3DS
Nintendo Switch
(2019)
2019/9/27
海外版
対応環境発売日
Nintendo
Entertainment
System
北米 1992/3/12
ゲームボーイカラー北米 2001/7/7
iOS,Android2014/12/4
Nintendo Switch
(2019)
2019/9/27
HD-2D版(全世界同時発売)
対応環境発売日
Nintendo Switch2024/11/14
PlayStation 5
Xbox Series X|S
Windows (Microsoft Store)
Windows (Steam)2024/11/15

※SFC版の正式タイトルは『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』
※GBC版の正式タイトルは『ゲームボーイ ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』
※Wii版は【ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III】としてオリジナル版とSFC版を収録
※本頁では2019年にダウンロード限定で配信されたNintendo Switch版を2024年発売のHD-2D版と区別するため「Switch版(2019)」と記載する。
 
海外版タイトル
<NES版・GBC版>
(英語)DRAGON WARRIOR III
<スマホ版・Switch版(2019)>
(英語)DRAGON QUEST III The Seeds of Salvation
<HD-2D版>
(英語)DRAGON QUEST III HD-2D Remake
 
(NES版の発売日は『ドラゴンクエスト パーフェクトコレクション1992』より)

公式サイト

作品紹介
FC版作品紹介(DQ25周年特設サイト)
SFC版作品紹介(DQ25周年特設サイト)
GBC版作品紹介(DQ25周年特設サイト)
スマホ版公式サイト
PS4・3DS版DQ1・2・3公式サイト
HD-2D版公式サイト

概要

【ドラゴンクエストシリーズ】第3作。対応機種はファミリーコンピュータ、開発は【チュンソフト】
1987年(昭和62年)8月に発表され、翌1988年(昭和63年)2月10日に発売された。移植を除けば昭和最後のDQ。
 
ROM容量はDQ1の2倍であった前作DQ2のさらに倍の2メガビット(256KB)で、バッテリーバックアップ搭載によって従来のパスワード方式が廃止されRAMによる【セーブ方式】に切り替わった。
DQ1では1人旅でのRPG入門編、DQ2では3人パーティプレイや船の導入、と段階的にシステムを発展させてきたが、本作ではその仕上げとして、職業と性別を自由に選べるキャラクターメイキング導入し最初から4人パーティを組めるようになり、転職システムも導入されてパーティの自由度が向上。呪文も大量増加したことで戦術の幅も広がった。
昼夜の概念も登場し、さらに複数のワールドマップが登場したことで台詞数のボリュームも大きく増大。
ストーリー面では【ロト】にまつわる一連の物語の完結編でもあり、最後までゲームを解き進めることによってDQ1との繋がりが明らかになる。DQ1・DQ2・DQ3の3作品は後に【ロトシリーズ】と呼ばれるようになる。
 
マスコミを騒がせるほどの社会現象を巻き起こしたことで有名な作品。1970年代生まれの所謂ファミコン世代の日本人は「ドラクエ」といえばこの作品が真っ先に浮かぶ人も多いだろう。
本作によって「ドラクエ」の知名度はFCの主なユーザーである当時の子供たちのみならず大人の間にも広まり、国民的ゲームと呼ばれるようになった。
本作の発売後からは、エニックス自身(当初は関連会社)の手によるDQシリーズの書籍や人形・ぬいぐるみ・文具などといったグッズ展開、マンガ・アニメなどのメディアミックス展開も盛んに行われるようになる。
 
"DRAGON WARRIOR III" として北米圏への展開も行われた。
1996年にはスーパーファミコンでリメイク版が発売され、以降同機版をベースとして様々なゲーム機・端末向けに移植が行われている。そして2024年には2度目のフルリメイクと言えるHD-2D版が発売された。
当辞典では、SFC版とそれをベースにしたGBC版・ガラケー版・スマホ版・PS4版・3DS版・Switch版(2019)をまとめて「リメイク版」と表記し、HD-2D版と区別している。Wii版についてはFC版・SFC版の復刻版であるため、特記が無い限りはモードに応じて移植元の記述を参照していただきたい。

開発

製作開始は前作が発売された1987年1月下旬。
2月までに本作のストーリー構想が完成し、3月には取材を兼ねて【堀井雄二】らスタッフはエジプトへ赴き、4月から本格的な開発がスタート。
2ヶ月でマップ作成、7月頃から台詞の設定、9月には【鳥山明】のモンスターデザインが完成しモンスターのデータ作成、という具合に開発が進んでいった。
マップの原稿はフィールドマップ以外でA4の5ミリ方眼紙12cmの厚さにおよび、フィールドマップデータはフロッピーディスク1枚分であった。
 
前作で起きたゲームバランス面での重大な問題を反省し、本作はバランスの改善を考えて開発。ダンジョンは最初の案から実に7割を再検討して作り直している。
シナリオは、1日あたり2~3時間ほどプレイすることを想定して、その時間内で完結できるショートストーリーが連続するような構造とされた。つまり1つの謎解きを何日も引きずるようなことが極力無いように作っている。
また、前作までは1人の人物に会うことで謎が解けるということが多かったのに対し、今作は町一つをまるごと巻き込んだようなイベントも多く採り入れた。
これらの手法は以降の作品にも受け継がれている。
全イベントを必須にするとギチギチになって辛くなるという理由から、クリア必須ではない脇道的なイベントも入れている。中には【ノアニール】のように容量の関係で脇道化したり、逆に【○○○○バーク】のように脇道から必須イベントに変更したものもある。
 
ROM容量の倍増で長いストーリーを描けるようになった本作だが、従来のシリーズものの続編が「前作の未来」の話になることが多かった中、本作はDQ2の未来ではなく「実はDQ1よりも過去の話である」という意外性を持たせた。その結果ラストをDQ1へと上手く繋げ、ストーリーを完結させることに成功している。
ただし【ドラゴンクエストIII マスターズクラブ】での発言によれば、DQ1に繋げる構想自体は前作の制作開始時に既に浮かんでいたらしい。
また従来の2作では薄かった「家族」を前面に出し、主人公の父親【オルテガ】に関するエピソードが随所に登場している。
 
しかし容量の問題からボツになるシーンが今回も多数あった。ROM容量2メガビットに対して、原稿は4メガビット相当の量だったのである。
特に【タイトル画面】は当初アニメーションを取り入れるつもりが容量不足により断念。仮にもし採用されていれば、タイトルに町3つ分ものデータ量が使われることになっていたようである。
結果的にタイトル画面は無音で「DRAGON QUEST III」と表示される仕様になった。
 
第一報は1987年8月7日、エニックスにアンケートハガキを送付していたユーザーへの暑中見舞い(ダイレクトメール)にて行われた。一般メディアでの初掲載は8月11日発売の【週刊少年ジャンプ】37号で、職業と主なゲームシステムが公開。その後10月13日発売の46号で画面が初公開された。
当初、DQ3は1987年12月中旬発売予定だったが、11月には半導体の生産量不足の関係による2ヶ月の延期が発表されている。これは前作で初動出荷本数を40万本に限定したことによる品薄状態が起きたため、今作ではそれを避けて一度に大量に出荷できるようにするための措置であった。
 
価格は前作、前々作の5,500円から若干上がり5,900円となった(当時は消費税未導入)。
当初大幅な値上がりが予想されたが6,000円を超えたくはないという意向により、わずか400円の値上がりにとどまった。
 
(参考:『ファミコン通信』1987年24号、1988年5号・13号、『週刊少年ジャンプ』1987年52号、『ドラゴンクエストIII マスターズクラブ』、『ファミ通.com』2018年12月8日付CEDEC+KYUSHUレポート)

作品の特徴(オリジナル版)

前作で移動中・戦闘中のシステムの基礎が築かれたが、本作ではそれをさらに発展させ、隊列や呪文系統・時間の流れなどの概念が確立。
セーブファイルの採用で多くの【フラグ】が保存可能になり、それに伴う変更点も多い。
 
シリーズのナンバリングタイトルで唯一、冒険開始時から4人パーティを組める作品であり、どんなパーティを組むか、あるいは仲間を加えずに進めるかは自由。
転職システムやステータス増強アイテムの登場でキャラ育成の幅も広がり、ラスボスを倒すという本来の目的を達成する以外にもオールマイティキャラ作成などのやり込みという遊び方も可能になった。
 
なお、ファミコンでは前作までのブームを受けて本作までの間に他社からもさまざまなRPGが登場している。キャラクターメイキングや4人パーティをはじめ、地名指定のテレポートやお金を預ける施設、空飛ぶ乗り物などは既にそれらのRPGが先行導入しており、DQ3が家庭用RPG初というわけではない。

演出面

グラフィックは前作のものをベースとしつつパターンがさらに増加。丸太の壁や絨毯の引かれた床、花畑なども表現されるようになり、井戸やベッド・墓・柱・石像などオブジェの種類も増加。前作までブロック状だった壁の表現は本作では境目なく綺麗に繋がって描かれるようになった。
キャラクターも立ち姿だけでなく仰向けに横臥した姿も描かれるようになったことで、生活感がより濃く表されるようになった。
場所によっては、町のマップの中にさらに城のシンボルがあり、そこから城内に入るというケースも登場した。
一方、前作では上に乗れた町中の樹木が今作からは障害物化するなど、リアル指向になっている面も見られる。
前作では平面的だったダンジョン内の描写も今作では立体的になり、リアルさが増している。ダンジョンのマップチップパターンも増加したことで、バラエティに富んだマップの描写が可能になった。
旅の扉や火山の噴火などの特殊演出も強化された。
 
ステータスウィンドウは以降のシリーズで長く受け継がれるフォーマットが確立。各種選択リストウィンドウではページの概念が登場し、複数ページにまたがる表示も可能になった。
 
戦闘画面は前作同様黒い背景だが、メッセージウィンドウの幅が18文字分から22文字分に拡大。ダメージや呪文発動のメッセージがやや簡略化され、従来2行に跨って表示していたものを1行で表すようになった。
それ以外はモンスター出現時のフェードイン表示や呪文のフラッシュ速度などの軽微な変更に留まる。
 
町村やダンジョンのバリエーションが増えたことでBGMの曲数もさらに増加。フィールドマップと町・ダンジョンとの出入りの際や宿屋・教会のMEが流れる前には、BGMがフェードアウトするようになった。
1991年発売の「ドラゴンクエストIV マスターズクラブ」における、【すぎやまこういち】へのインタビューでは、DQ3はDQ1よりもっと昔の世界ということで、DQ2のときとは逆に、徹底的にクラシック調で作曲したことが語られている。
音楽の一覧はこちらを参照。

主なシステム

冒険の書

【復活の呪文】(パスワード)に代わって、本作ではバッテリーバックアップによってROMカセット内部に【セーブ】ができるようになった。セーブファイルは【冒険の書】と呼ばれる。
ゲームを新たに始める際にはまず【ぼうけんのしょをつくる】でこれを作成することから始め、冒険を途中でやめる際には前作の復活の呪文と同じく、城にいる王様などに話しかけてセーブを行う。
復活の呪文に比べると保存できるデータ量が大幅に増え、何人分ものHP・MPの現在値や各種ステータス、宝箱の取得状況といった細かい情報も保存されるようになり、結果としてゲーム制作側の自由度も大きく上昇した。
3つまで作成可能でコピーも可能だが、本作ではデータの破損も起こりやすく、不気味な音楽とともにデータが消える悪夢も。

パーティ・プレイヤーキャラクター

今作は【キャラクターメイキング】が導入され、最大4人までの【パーティ】を自由に組める。
ただし、プレイヤーの分身である【勇者】【主人公(DQ3)】)はメンバーに必須であり、基本的にパーティから外すことはできない。勇者は前作までと同様にスタート時に【名前】を決めるほか、【性別】(おとこ/おんな)も選択する。
仲間キャラの作成とパーティの組成はゲーム内の【ルイーダの酒場】で行う。「冒険者の登録所」でキャラの名前と【職業】・性別を決めて作成し、【ルイーダ】のところでパーティメンバーの加入や離脱を行う(予め登録されているキャラも使用可能)。これはスタート直後からゲーム中いつでも、何度でもできる。
なおパーティの入れ替えをしたりキャラクターメイキングをする際にはセーブが強制される。
パーティを組めば【つよさ】コマンドで【隊列】の並び替えも可能で、基本的に前列ほど攻撃を受けやすい。
 
●職業・転職
仲間キャラの職業は次の6つの中から選ぶことができ、職業によって外見と能力値の上がり方、装備できるアイテム、覚える呪文、特殊能力が異なってくる。FC版では性別による能力差は無いが、一部おんな限定の装備品がある。

仲間キャラはレベル20以上になると、【ダーマの神殿】【転職】、すなわち職業の変更ができる(遊び人への転職は不可)。
転職後は新たな職業のレベル1から再スタートとなるが、転職前の能力値の半分が残され、以前覚えた呪文が転職後も使えるという点が最大のメリットである。
僧侶と魔法使いの全呪文を覚えられる【賢者】へは転職でしかなれず、遊び人以外からは【さとりのしょ】が必要。
 
●能力値
前作までの【さいだいHP】【さいだいMP】【ちから】【すばやさ】に加え、以下の3つの能力値が初登場した。

今作はレベルアップ時の能力値上昇幅がランダムとなり、同じ職業でも成長に差が現れてくることもある。
また、任意に能力値を上昇させる「たね」「きのみ」系の道具も初登場。非売品であり基本的にはモンスターのドロップなどで手に入る。

呪文系統の確立

【呪文】の種類が前作より大幅に増加。多くの呪文は系統別に整理されて階級の概念が現れ、以降のシリーズに長く引き継がれる呪文体系が出来上がった。
攻撃呪文は前作の呪文を発展させる形で【ギラ系】【イオ系】【バギ系】【ザキ系】と系統化され、それに伴いギラ・ベギラマは有効範囲が変更された。さらに新しい系統として【メラ系】【ヒャド系】【デイン系】が登場した。しかし攻撃呪文の階級数は系統によって4段階から2段階までマチマチとなっている。
回復呪文や補助呪文にもホイミ系・ザオ系・ルカニ系などといった系統が作られた。
今作では魔法使いの呪文・僧侶の呪文・勇者専用の呪文に大きく分けられ、仲間キャラのじゅもんコマンドでは魔法使い・僧侶の呪文が分けて表示される(勇者は魔法使い・僧侶の呪文の一部も覚える)。
呪文の習得レベルは一定ではなくなり、かしこさの値によっては遅くなることもある。

移動手段

後のシリーズで定番となる移動手段が本作で出揃った。
 
●空を飛ぶ乗り物
前作では【船】【旅の扉】が新登場したが、本作ではそれらに加え、空を飛んで【岩山】を含めたあらゆる地形を超えることのできる乗り物が【不死鳥ラーミア】として初登場した。
飛行中は着陸しない限り自動で進行方向へ進み、エンカウントは発生しない。船と同じく降りるとその場に留まり、ルーラを使うと着地点近くに呼び寄せられる。
 
●ルーラの行き先指定
【ルーラ】の呪文や【キメラのつばさ】は、行き先を今まで行った町(城・村含む)の中から選択できるようになり、使い勝手が向上した。
これによってフィールドマップ上を移動する時間が前作までに比して減少し、プレイ時間の短縮にも繋がっている。
セーブのできない町にも飛んで行けるが、一部行けない町や村もある。

昼と夜

前作までは常に世界は昼間の状態であったが、本作では【昼と夜】の概念が導入され、フィールドマップを移動していると昼間→夜→昼間と変わっていく。
夜は昼間と比べると町の人の配置や会話内容が変わるほか、多くの店が閉まったり、城に入れなくなったりなどの変化がある。夜にしか立ち入れない場所や、昼間か夜どちらかでないとイベントを進められない場面もある。
フィールドマップ上の出現モンスターも昼間と夜とで変化し、基本的に昼間よりも夜の方が敵パーティが手強くなる。
【宿屋】やルーラを使うと朝になるほか、アイテム【やみのランプ】や呪文【ラナルータ】で昼夜を逆転させることもできる。

新施設

前述したルイーダの店の他にも、「預かり所」と「格闘場」が新たに登場した。
 
●預かり所
【預かり所】は、パーティの【ゴールド】【アイテム】を預けることのできる施設。【アリアハン】にのみ存在する。
前作まではアイテムを持ちきれないと重要度の低いものを売るか捨てるしかなかったが、今作ではここに預けることもできるようになった。ただし引き取りには手数料がかかる。
今作からは重要アイテムのほとんどが売却不可となり、それらが不要になったら基本的にここに預けることになる。
ゴールドは1000単位で預けられる(こちらは手数料不要)。【全滅】すると所持金は半分に減らされるが、ここに預けたゴールドは減らずに済む。
 
●格闘場
前作の【福引き】に代わるミニゲームとして、モンスター同士の戦いで勝つモンスターを予想する【格闘場】が登場。先頭キャラのレベルに比例したゴールドを賭け、当たれば倍率に応じた額のゴールドが得られる。
モンスターはレベルに応じてランダムに選ばれる。

その他の変更点

全般

  • 【表示速度】は戦闘時のみ適用される。開始時とスタートメニューの「ひょうじそくどをかえる」で設定でき、8段階に細かく設定できるようになった。
  • ステータスウィンドウは、各個人単位で名前・【HP】【MP】【レベル】が縦に並び、人数が増えるにつれて横長になっていくスタイルとなった。
  • 【エンディング】終了時、自動的にフラグのセーブが行われる。その冒険の書で再開すると進行状況は前回のセーブ時から変わらないが、クリア後限定の特典として主人公の職業欄が変化し、パーティから外せるようになる。

キャラ育成関連

  • 【最大レベル】がシリーズで初めて99に統一された。しかし、大体35~50程度でゲームクリアできるという点が以降DQ9までの定番となった。
  • 【さいだいHP】【さいだいMP】は255を超えて成長するようになった。他の能力値は255まで。
  • 状態変化に【麻痺】が初登場、全員麻痺で全滅となる。また前作では【パルプンテ】の効果として敵側が陥るのみだった【混乱】も本作では本格導入され、味方も混乱するようになった。
    各種状態変化は「しに」「どく」「まひ」「ねる」「らん」という形でレベル欄に上書きされる。

アイテム・ゴールド関連

移動中

  • メインコマンドは前作と同じだが、【つよさ】に隊列を変更する「ならびかた」、全員のHP・MPの最大値と現在値を一覧表示する「じょうたい」のサブコマンドが登場。
  • 【宝箱】は一度開けたら以降開きっぱなしになり、前作までのように何度も取れなくなった。宝箱に化けた【トラップモンスター】も初登場。
  • 【押す】ことのできるオブジェ(【岩】)が初登場。
  • 障害物に向かって進もうとすると鳴る衝突音が復活。ただしDQ1とは異なり、鳴るのは壁や岩山などに限られ、水辺やNPCにぶつけた場合は鳴らないので、より自然になった。

施設関連

戦闘関連

  • フィールドシンボル上ではエンカウントが発生しなくなった。ただしマップ切り替え直後に判定が行われる仕様は健在なので、一般地形マスやダンジョンでは切り替え直後のエンカウントの可能性がある。
  • 各個人のコマンドは「たたかう/じゅもん/ぼうぎょ/どうぐ」の4つを基本とし、呪文が使えないキャラは「じゅもん」コマンド無し。先頭キャラには【にげる】が追加され、そのキャラが呪文が使える場合は代わりに【ぼうぎょ】が削られる。
    • 戦闘中に【どうぐ】で武器を選ぶと「つかう」で道具として使うほかに、「そうび」で持ち換えて攻撃することも可能に。
  • 自分より明らかに弱い敵からは確実に逃げられる仕様になった。
  • 「ぼうぎょ」が打撃だけでなくブレスや呪文のダメージに対しても有効になった。
  • 【パーティアタック】で味方への攻撃や敵にホイミといったことが可能に。眠りや混乱を治療する際に有効。
  • ターン内の行動順に【すばやさ】の影響が明確に現れるようになった(前作でも一応影響はあったがランダム性が強く、高レベルでも序盤の敵に先制されることが多かった)。
  • 敵側にもMPが設定され、MP不足で効果が発動しない現象も見られるようになった。MP無限のモンスターもいる。
  • 前作の特殊攻撃【2回攻撃】の発展型として、【複数回行動】の概念が登場。呪文や特殊攻撃も含めたあらゆる行動が連続行動の対象で、標的も同じとは限らない。回数も最大3回に増加。
  • 前作まではランダムであった敵の【行動パターン】に、今作から「ローテーション」するパターンが登場した。
  • ボスなど一部のモンスターに【自動回復】の能力が備わり、HPの数値の制約の中でタフさを演出するようになった。
  • 【経験値分配システム】を採用。パーティ人数が少ないほど1人あたりの経験値の取り分が多くなる。

設定

舞台・人物

本作で当初冒険する世界は、前作とは別の世界である。後述する理由から【上の世界】とも呼ばれる。
現実の地球の世界地図をモチーフとしたマップになっており、地名や住民も実在のものを元ネタとしたものが多い。スタート地点である【アリアハン】のみが現実の地球に存在しない大陸だが、これに関しては伝説の【ムー大陸】がモデルとなっている。
このほか、一部地域では【エルフ】【ホビット】(当初は【ドワーフ】の予定だった)といった【人間】とは異なる種族も暮らしているが、人間との関係は良好ではない。
世界の広さは前作と変わらないが、城・町・ほこら・ダンジョンの総数は前作から大幅に増え、密度が濃くなっている。【ピラミッド】【幽霊船】といった今作独自のダンジョンも登場。
またシンボルの無い場所でも、森に囲まれた1マスの草原など怪しげな場所に隠された施設もある。
 
【船】で海上を移動できるほか、前作同様に【旅の扉】も多く存在し、アリアハンの大陸から出る際に通るほか、【サマンオサ】へもこれを使わないと行けない。
初登場の飛行手段である【不死鳥ラーミア】を手に入れれば、岩山や水路に囲まれた場所へも自力で行けるようになる。
 
本作では初めて複数のフィールドマップが登場。
DQ1から登場している【アレフガルド】がアリアハンのある「上の世界」より下の層に存在し、【ギアガの大穴】から落ちることで行ける。
本作終盤の舞台となるアレフガルドは、大魔王の支配する闇の世界であるため一日中暗い。大きさはDQ1と同程度だが、一部地形が異なっており、船でないと行けない場所もある。
 
アレフガルドの人々の台詞やエンディングの内容などから、本作はDQ1よりも過去の物語であることがわかるが、どれだけ昔かは劇中では語られていない。
DQ1の【公式ガイドブック】では【沼地の洞窟】の解説に「400年も前につくられた」とあるため、本作でその洞窟が建設中であることを考えると当時の公式設定では400年程度前ということになる。
本作の【ラルス1世】がDQ1では【ラルス16世】に代替わりしており、1世代25年とするとちょうど400年で計算が合う。
 
主人公の親に名前が設定されてストーリー上で重要な意味を持つようになったのも本作が初。
他にも少数ではあるが固有の名前を持つキャラクターが敵味方問わず増加し、それらの人物にも焦点が当てられるようになった。中でも序盤から終盤まで登場する【カンダタ】は、後の作品にもたびたび登場している。
また前作に引き続いて【精霊ルビス】が登場する。
 
冒険途中の【ボス級モンスター】はまだ多くはないが、今作では上述のカンダタや【やまたのおろち】など専用個体によるボスモンスターが増えた。
 
地名一覧はこちら、人物一覧はこちらを参照。

ストーリー

プロローグ

かつて世界中を治めていた【アリアハン】であるが、戦争によって分裂し今では小国の一つとなった。その戦いの後に、同国の戦士【オルテガ】火山の火口に落ちて亡くなったと伝えられる。
 
時は流れ、16歳になったオルテガの子である【主人公】はアリアハン王に謁見し、勇者としての自分の使命を知る。それは闇の国より現れた魔王【バラモス】の討伐であった。
こうして主人公はバラモスを討伐するため、酒場で出会った仲間とともにアリアハンを旅立つのである。
 
【取扱説明書】より。なおオルテガの旅の目的については明示されていない)

シナリオ

旅の扉でアリアハンの大陸を旅立った勇者は、父オルテガの軌跡を追いながら魔王バラモスの手がかりを探っていく。その最中、大盗賊カンダタとの戦いなどを経て、やがて船を譲り受ける。
その後は「6つ集めると船が要らなくなる」と言われる【オーブ】を各地で集めていく。勇者【サイモン】の遺志を継いで【ネクロゴンド】への道を開き、オーブを全て集めた勇者は不死鳥ラーミアを蘇らせ、バラモスを討伐する。
帰還後、さらなる敵である大魔王【ゾーマ】の存在が判明し、舞台はアレフガルドに移る。【魔の島】に渡るために必要な品と勇者専用武具を揃え、そして魔の島への橋を架けた勇者は志半ばで倒れた父の志を継ぎ、ゾーマとの決戦に挑む。
 
前作と比べると行かなくても良い場所が増え(ノアニール・ムオル・スー・メルキドなど)、若干自由度は高くなった。
したがってアリアハン大陸脱出後に城や町を無視して、いきなりピラミッドで鍵を取ったりすることも理論上は可能だが、その場合は当然敵が強すぎて全滅する危険性が高くなるため、できるだけ町の人などの助言に従ってその順番でレベルを上げつつ攻略するセオリーは崩れていない。
前作同様に船入手後は一気に行ける範囲が広がるが、オーブは一部を除いて【さいごのかぎ】が必要となるので、まずは鍵を探すことが船入手後の主目的となる。鍵さえあれば【イエローオーブ】を除いてどの順番でも入手できるが、敵の強さと手順の複雑さを考えれば大抵【シルバーオーブ】が最後になるだろう。
アレフガルドもDQ1同様に自由度が高く、上陸直後から魔の島以外のすべての場所へ行ける。魔の島へ行くのにはDQ1と同じく3つのアイテムが必要で、順不同で集められる点も同様だが、それ以外のアイテムのうちDQ1では必須ではなかった【ようせいのふえ】が今作では必須アイテムとなり、逆に【ぎんのたてごと】が必須ではなくなった。

反響

前々作と前作がブームを巻き起こしたことで、本作が発表された際には各ゲーム誌ともこぞって特集記事を組むようになり、開発中の画面を見せながら色々と予想するような文章が見られた。
特に『ファミリーコンピュータMagazine』は1つ1つの画面や戦闘システムを細かく分析したりしていたほか、【NHK交響楽団】による【ロトのテーマ】【冒険の旅】のオーケストラ版をゲーム発売前にテレフォンサービスで流すことまで行っていた。
 
そして発売時は前日の深夜から量販店での大行列ができ、児童生徒が学校をサボって買いに行ったため全国で計392人が補導され、さらに窃盗や恐喝で購入者からソフトを奪い取る【ドラクエ狩り】が日本中各地で9件発生。これを受けて警察庁が当時の文部省や販売業者に通達を出す事態にもなった。
さらには【週刊少年ジャンプ】やゲーム雑誌のみならず子供向け雑誌や一般向けの週刊誌でも本作が取り上げられ、週刊誌が無断でエンディング画面を掲載して騒動になったり、DQのゲーム偏差値を説明したりゲーム誌会社がゲームをプレイして攻略情報を調べている様子などが取材されるなど社会現象にまで発展し、正に伝説となった。
出荷本数は約380万本で、FC・SFCまでのDQシリーズの中では最高を記録した。これは日本国内のFC・SFC全ソフトの中でも任天堂の『スーパーマリオブラザーズ』『スーパーマリオブラザーズ3』に次ぐ3位にあたる。しかもマリオ3に抜かれたのは1993年のことで、発売から6年近くは2位に付けていた。
 
『ファミコン通信』(現『週刊ファミ通』)で行われていた年間の「ベストヒットゲーム大賞」は1986年(DQ1)・1987年(DQ2)・1988年(DQ3)とDQシリーズの3連覇となった。
また『ファミリーコンピュータMagazine』による'88年度ファミマガゲーム大賞でもグランプリを受賞。前作に続いて2年連続グランプリとなった。
部門別では「音楽」「お買い得度」「熱中度」3部門で1位となった。
注目すべきは「お買い得度」で、あれほど濃密な内容ながらも6,000円以内に抑えたことがリーズナブルな印象を強め、歴代最安値ソフト『帰ってきたマリオブラザーズ』(ディスクカード書換専用:400円)を抑えて1位に輝いた。FC全体では前作に次ぐ2位。
また「音楽」「熱中度」もFC全体でも前作に次ぐ2位の記録となっている。
総合得点は30点満点中27.30点と前作(28.02点)には及ばなかったが、それでもFCの中では第2位の記録であり、FCソフトで27点を超えたのは本作と前作のみである。また同誌で扱われたSFCやGBを含めても第4位。
全体的には前作より評価は劣ったもののソフト売上げ本数では圧倒的だったこともあって、評価には関係ないが「回答率」は95.3%と歴代最高の記録を叩き出している。
なお、この企画での評価が前作より劣ってしまった原因は、この年度は当時最大のライバルだったマリオシリーズの本編作品であるマリオ3とまともにぶつかり合ってしまった不運によるところが大きい。
 
今なお、本作はDQシリーズの中では評価の高い作品でもある。
2003~2004年開催の「レベルX テレビゲームの展覧会」のサイトで行われた「ファミコンソフト人気投票」でも1位を獲得した。
『週刊ファミ通』2012年8月9日号のDQ10発売直前企画での「いちばん好きな(DQの)作品は?」のアンケートでは、本作はDQ5(23.5%)に次いで23.2%で2位となっている。その差はわずか0.3%であり、ほぼ同率1位と言ってもいいだろう。
また同企画の「初めて遊んだDQ作品は?」の設問では、DQ1の14.2%、DQ2の10.2%を上回り17.3%でシリーズ中1位となっている(ただしこの設問では、オリジナルとリメイクの区別はしていない)。
 
同誌の記念読者投票企画でも以下のように毎回上位に登場しており、いずれもDQシリーズ中1位である。

  • 500号記念 心のベストゲーム(1998年) :1位
  • 読者が選ぶファミコンソフトベスト100(2003年) :1位
  • 900号記念 心のベストゲーム(2006年) :3位
  • 1000号記念 未来に伝えたいゲーム(2008年):3位
    • SFC版も57位にランクインしている。
  • ベストオブRPG TOP10(2009年):2位
  • 30周年記念 機種別 思い出のゲーム FC部門(2016年):2位
  • 1500号記念 RPG総選挙・ゲーム総選挙(2017年):いずれも2位

 
2021年12月27日のテレビ朝日『テレビゲーム総選挙』では6位(シリーズ中2位)だった。

海外版・リメイク・移植

北米版(NES)

1992年3月12日に北米地域でNintendo Entertainment System向け翻訳版が発売された。
言語の変更や宗教連想描写の排除のほか、サウンド面や【オルテガ】関連を中心に変更点がある。
 
変更点は以下。

  • タイトル画面が新たに作られた。BGMは【ロトのテーマ】ではなく海外版オリジナルのもの
  • 冒険の書選択画面では、日本ではDQ4から登場した【間奏曲】が流れる。
  • 移動中のアイテムの選択の際にはDQ4と同様、キャラ名にカーソルをポイントするだけで持ち物が表示され、道具欄の大きさも固定となった。ただし呪文ウィンドウについては変化なし。
  • 勇者・仲間とも【初期装備】が変更された。一方、【アリアハン王】から貰えるのはお金のみになった。
  • 【遊び人】の遊びの種類が8種から34種に大幅増。最大レベル付近に覚えるものもある。
  • 【格闘場】の対戦カードがパターン化され、賭け金と倍率も増加した。
  • オルテガの姿がモンスターと同じ姿から、剣を持った人間の姿に変更された。
    • オルテガが火山で戦う【プロローグ】が新規に作られ、前述のタイトル画面に続いて流れる。これは後述のSFC・GBC版にもアレンジのうえ反映されている。
    • ゾーマの城でのイベント戦闘でもオルテガのグラフィックが変更され、その戦闘後に【戦闘のテーマ】のスローアレンジが流れるようになった。
  • 海外スタッフのクレジットが追加された分、エンディング曲【そして伝説へ】が長くなり、音源も若干異なっている。

 
その他、他作品と共通するNES版の特徴についてはこちらを参照。

スーパーファミコン版

FC版から約8年半後の1996年12月6日、【ドラゴンクエストI・II】に続いて2例目のリメイク作品として発売。正式タイトルは『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』
開発は【ハートビート】【アルテピアッツァ】。容量は前年のDQ6と同じく32メガビット(4MB)。
【タイトルロゴ】は別のデザインに変更され、色も青から赤に変わった。
出荷本数は約140万本で、SFC最後のミリオンヒット作品となった。海外展開は行われていない。
 
バランス調整が主だった『DQ1・2』と比べると大幅な仕様変更となっており、キャラ成長を左右する性格システムや新職業、新たなミニゲーム、クリア後のダンジョンとボスの追加などが行われた。
システムはDQ6をベースとして作られ、さまざまな要素を同作から継承。さらに従来からのUIに対してユーザの意見を基に改良が施され、後のシリーズの礎ともなった。
アイテムについては性格を変える装飾品や本などを筆頭に約100種もの大量追加となっている。
 
ボス敵のステータスが強化される調整が入ったが、雑魚敵に関してはそれほど変動が無いままである。そんな中でこちら側は、すごろくやちいさなメダル景品などでFC版よりも早期に強い装備が手に入るようになり、複数攻撃武器も多く登場。
これによるゲームバランス破壊に加え、おんな専用装備が大量に追加され、おんなキャラが圧倒的に優遇されているなどの問題点も指摘されている。

演出面

グラフィック・サウンドも大きくグレードアップ。
テキストフォントはDQ6準拠で、メッセージウィンドウではサイズが大型化し漢字も使用されるようになった。
 
グラフィックには大容量が割かれてDQ6からさらに高品質になっており、担当した眞島真太郎自身が「FC版からの進化というより、DQ6からの進化と考えてもらって構わない」と言うほどの自信作となっている。
プロローグのオルテガと魔物との戦いのデモは、時代に合った演出を取り入れようということで(当時のゲーム業界はPlayStation等3DCG対応の次世代機への移行期だった)、ポリゴンこそ無いものの、2Dのグラフィック上で3Dを意識したアクションゲーム風のデモとなった。
(参考:『週刊ファミ通』1996/10/11号)
移動画面ではDQ6同様にキャラのサイズが縦横比2:1に、壁はキャラよりも高く厚さは半マス単位で描かれた。一部のNPCのグラフィックがDQ6から流用されるなどしているが、マップは全体的に同作よりも色使いがさらに細かくなっており、流用をほとんど感じさせない出来になっている。
 
戦闘時もDQ6に倣ってフルスクリーンで風景画・呪文エフェクト・モンスターアニメーションが表示され、DQ6ではラスボスのみであったアニメーション時の効果音も今作ではすべてのモンスターに採用された。
モンスターの公式イラストはFC版からリニューアルされ、それに合わせてゲーム中でも新イラストにあわせて色が変更されているモンスターが多い。
 
音楽はシリーズで初めて、昼夜で城や町のBGMが変化するようになった。他にも魔王のダンジョンの専用曲、ボス曲やイベント曲など数曲が追加され、アレフガルドの城・町・村・洞窟ではDQ1の曲を導入。
DQ6と共通の曲や効果音の一部は同作からそのまま流用されている。

主要な追加要素

●性格システム
各キャラに【性格】が設定され、それによってレベルが上がっていく過程でのステータスの伸びの違いが発生する。
主人公はゲーム開始直後の【性格診断】、仲間キャラは登録所での作成時に各種たねを与えた結果によって初期性格が決まる。
途中で【装飾品】【本】によって性格を変えることも可能。前者は装備中のみ、後者は恒久的に変わる。
性格の一覧はこちらを参照。
 
●新職業と新呪文・特技
新たに9番目の職業として【盗賊】が追加。戦闘中にアイテムを盗む特殊能力を持ち、DQ6から逆輸入された探索系の呪文・特技(呪文扱い)を覚える。
また商人・遊び人もDQ6で登場した移動中の特技を覚えるようになったほか、会話記憶機能が採用され、勇者は【おもいだす】系特技を覚える。
FC版では性別による変化が無かった勇者のドット絵も、おとこ/おんなで別のものが用意された。
 
●すごろく
先頭キャラ1人で参加し、サイコロを振ってコースを進む【すごろく場】が初登場。
ゴールすると賞品がもらえるほかコース途中にも宝箱などが多数あったり、店でアイテムを買えたりする一方、戦闘やゴールド・ステータスの増減などの様々なイベントが発生するため、ハイリスクハイリターンなミニゲームである。

シナリオの変更点

●オルテガ関連
主人公の父である【オルテガ】に関連するイベントが強化された。
プロローグはNES版のものがさらに拡大され、主人公の誕生からオルテガの冒険、失踪の知らせが届いた後の幼年主人公の様子までが描かれる(タイトル画面前に流れる)。
【ムオル】では【オルテガのかぶと】を貰うイベントが追加され、ゾーマの城での戦闘イベントも通常戦闘とは異なる演出となっている。
なお【取扱説明書】ではオルテガの旅の目的がバラモス討伐であったことが明記された。
 
●隠しダンジョン
クリア後の【隠しダンジョン】として【謎の洞窟】【謎の塔】が新たに登場。それに合わせてモンスターも新たに追加された。
【裏ボス】【しんりゅう】戦は条件を満たして勝利するごとに報酬を選択でき、その度に条件が厳しくなっていくという方式が初導入された。
 
●その他
本編中でも各イベントが多数追加・変更された。以下はその一例。

インタフェースの変更点

最新作(DQ6)から継承された要素

  • 【便利ボタン】(話す・調べるボタン)と、【地図】を表示させるボタンの導入。ボタンがDQ6と一部入れ替わり、便利ボタンはX・Lボタン、会話記憶はYボタン、地図表示はRボタン。
  • 移動速度が2倍にアップ。【扉】は触れるだけで開けられ、鍵の不要な扉も登場。
  • すべての【壷】【樽】【タンス】【壁の袋】【本棚】が調べる対象に。【井戸】にも入れる。
    壁に掛けられた剣や盾のオブジェクトを調べると専用のメッセージが表示。
  • コマンドがDQ6に準じたものに変更。
  • ヘルプ表示の導入(呪文の効果・消費MP)。
  • 所持可能なゴールドが6桁までに拡大。
  • 1人が所持できるアイテムが8枠から12枠に。
  • 【ふくろ】導入。預かり所は【ゴールド銀行】に変更。
  • 武器と防具の店での売却、装備品購入時の即装備が可能に。

 
今作で従来シリーズから改良された点
以下の点はDQ7以降の作品にも採用されている。

  • 【名前】にはひらがな・カタカナに加え、空白や記号(!?.…)・あ行の小文字にも対応となった。
  • 移動中のコマンド使用時はYボタンでウィンドウを全部一度に閉じられるようになった。回復呪文などを使ったときはウィンドウが閉じることなく、そのまま連続で使用できるようになった。(詳しくは【やめる】を参照)
  • アイテムにカーソルを合わせた際に、アイテムの分類と、消耗品であるか否かなどといった簡単な情報が表示されるようになった。
  • 装備したアイテムは各キャラクターのアイテム欄の一番上から武器、よろい、盾、かぶと、装飾品の順にEマークが付くようになった。
  • 【わたす】で渡す位置を指定してアイテムの相互交換・位置変更が可能になった。また渡した際にすぐに装備することも可能に。
  • 商人以外のアイテムに【みせる】コマンドが追加され、渡すことなく鑑定可能になった。
  • ふくろの中のアイテムに対しても、個人所有物と同じく「つかう/わたす/みせる/すてる」を実行可能になった。アイテムは格納順に最後尾に追加され、新登場の「ふくろせいり」で種別順・文字順のソートができる。
  • 道具屋でのアイテム購入の際、【まとめ買い】ができるようになった。
  • 従来の放棄不可アイテムのフラグに加えてレアアイテムのフラグが登場し、このフラグのあるアイテムを手放そうとしたときに警告メッセージが表示されるようになった。

その他の変更点

キャラ・呪文特技関連

アイテム・ゴールド関連

  • アイテムを発見すると毎回、SEとともにアイコンが飛び出すようになった。ただしSEや飛び出すタイミングはDQ7以降と異なる。
  • 武器・防具・装飾品が大量増加し、【複数攻撃武器】も多く登場。既存作品からの逆輸入のほか全く新しいものも多い。
    装飾品(FC版から道具として登場していたものも含む)はDQ6と同様に1人1つのみ装備可能となり、装備中のみ性格の変わるものが多い。
  • 水着系アイテム(あぶないみずぎ・まほうのビキニ・しんぴのビキニ)の装着姿が職業ごとに違うものとなった。
  • オートマッピング機能を搭載した【ふしぎなちず】【ようせいのちず】が追加。
  • 【ちいさなメダル】収集システムが追加。累計制。(FC版では同名のアイテムが内部データにのみ存在したが、関連性は無い)

施設関連

  • ルイーダの店での強制セーブが無くなり、代わりにセーブを行うシスターが配置された。
    ここ以外ではFC版と同じく城(玉座の間)やダーマの神殿入口でセーブを行うが、FC版ではできなかった【ポルトガ】でもセーブが可能になった。
  • 【格闘場】はNES版の仕様を継承。賭け金は先頭キャラではなく勇者のレベルに応じる。

戦闘・モンスター関連

マップ関連

  • 「町の中にある城」の表現が変更。FC版でシンボル表示だったものがDQ4以降のような立体的な城になったり、道を進むと城のマップに切り替わる方式などに変更された。
  • 【ピラミッド】の石の扉を開けるためのボタンを押す手順が増加。また、隠し階段の場所、【おうごんのつめ】入手後のエンカウント率上昇の条件が変更。
  • なお、構造そのものが別物に変化したような町やダンジョンは本リメイクでは存在しない。

 
この他、モンスターの行動パターンやパラメータ・報酬、装備品の上昇値変更など細かい変更が多く行われている。

ゲームボーイカラー版

2000年12月8日に発売。正式タイトルは『ゲームボーイ ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。開発は【トーセ】
こちらも『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』に続く携帯機リメイク第二弾。カラー専用のためモノクロGBでは遊べない。出荷本数は約61万本。
発売日は奇しくもワンダースワンカラー本体と同時発売のリメイク版『ファイナルファンタジー』の前日となったが、当時のエニックス曰く、特に同作を意識した決定ではないとのこと。
なお20世紀最後のDQ作品でもある。
海外では北米地域で発売された(詳細はこちらを参照)。
 
ゲーム内容は基本的にSFC版をベースとし、【中断】機能や通信ケーブルによるデータ交換など携帯機ならではのオリジナル要素を追加している。中断の書は一度ロードすると消去される。
ハード性能の関係でGB版『DQ1・2』同様にメニューを開くと背景が真っ白になったりするなどの制約はあるものの、マップグラフィックは少ない色数ながらSFC版と比べても遜色無いほどの質を維持している。
メッセージウィンドウのフォントはGB版『DQ1・2』と比べて大きくなり、同年に発売されたDQ7における小型フォントと似たものになっている。
戦闘では風景画が無くなっているが、モンスターアニメーションは健在。
BGMは一部除いてFC版がベースで、GB版『DQ1・2』同様にDQM1から流用しているMEもある。
 
パラメータの成長の振れ幅がSFC版より大きくなっており、0~1成長の後にリセットすると今度は5~7成長するということがザラにある。
各職業でレベル帯による成長期・停滞期があるため、成長期のパラメータで運悪く連続で低い乱数をひくと目に見えて弱くなってしまう。
最大HPと最大MPの上がる法則はSFC版と変わらないが、こちらも振れ幅が大きく±10程度は平気でズレる。
 
その他の変更点は以下。ここに挙げた変更点はラーミアのスピード調整を除いて、後述のガラケー版~Switch版(2019)には引き継がれていない。

また以下のようなバグがある。

  • 主に洞窟などの特定のエリアでリレミトの呪文を唱えると、別の場所に移動してしまう。この現象でED中で本来行けないはずの上の世界に帰れてしまう。詳細はこちらを参照。

 
なお本作は当初、将来のDQ4のGB移植(実現せず)も視野に入れて開発されており、データ内に残るDQ4のモンスターのメダルがその名残りとなっている。

携帯電話(ガラケー)版

2009年11月19日からdocomoのiアプリ版、2010年4月22日からauのEZアプリ版が配信。DQ1・DQ2から4年間のブランクを経て配信された。
iアプリ版は2000年代(’00年代)最後のDQである。なおSoftBank版は配信されなかった。
前編と後編に分かれていて、前編は【ネクロゴンドの洞窟】に入るまで、後編はそれ以降。冒険の書のクラウドセーブにも対応していた。
プレイするにはガラケーの【ドラゴンクエスト モバイル】に会員登録している必要があったが、2018年3月31日をもって同サービスが終了したため、現在はDLおよびプレイはできない。
 
SFC版をベースとした移植で、グラフィックなどはSFC版からほぼそのままに、いくつかの点が追加・変更されたが、当時の携帯アプリの宿命か削除された要素も多い。
 
追加・変更点

  • 【取扱説明書】の代わりとしてヘルプ機能【たびのこころえ】の追加。
  • 戦闘は携帯版DQ2と同様に、ウィンドウが開いてその中にモンスターが表示される形式に。
  • AI戦闘導入。【作戦】リメイク版DQ4と同じで勇者以外のキャラ別に指定でき、勇者の性別により語尾が変わる。勇者は従来どおりマニュアル操作。
    • これに伴い戦闘では全体コマンド(たたかう/さくせん/にげる)が出るようになり、個別コマンドの「にげる」が削除された。
  • MP無限のモンスターがMP有限に変更された。その結果、長期戦になった際の【バラモス】【ゾーマ】(弱体化前後とも)が強化された。
  • ピラミッド4階の罠宝箱では、【ミイラおとこ】に加えて【マミー】が混じるようになり、同時出現数が増加。
  • 【ラーミア】入手時にゲームデータのダウンロードが行われ、この時にセーブが可能。
  • エンディング後のセーブは任意で行う形に変更され、ED時のアイテムや経験値なども記録されるようになった。

削除された要素

  • オープニングデモ
  • モンスターアニメーション
  • 【ふかく心にきざみこむ】
    これを活かすことを前提として手順が増えていた【ピラミッド】のボタンの押し順は、FC版のものに戻された。
    なお【ポルトガの灯台】での台詞記憶を促すアドバイスには、変更は無い。
  • 【すごろく場】
    すごろく限定のアイテムは入手場所が変更され、一部は【ちいさなメダル】の景品に追加された。これにより一品物と化したアイテムも多い。すごろく場のコース上や場内にあったちいさなメダルも他の場所に移された。
    【すごろくけん】を落とす敵のドロップアイテムは、FC版のものに戻されている。
  • 【精霊の泉】
  • 一部のキャラクターグラフィック
    職業ごとの水着姿(「ポニーテールに水着」に固定に)、【スー】の民族衣装、ロマリア王/女王になった勇者、町づくり中の商人の固有グラフィックなど。
  • SFC版で追加された楽曲の一部(使用状況は電話の機種によって異なる)
    【まどろみの中で】【ほこら(曲名)】に置き換え、その他はFC版の曲に戻されている。

 
後述するスマホ版やPS4/3DS版、Switch版(2019)もこのガラケー版の流れを汲んだ移植であるため、ここで挙げた変更点はこれらの機種でも同様となっており、すごろく場やモンスターアニメーションなどの要素は登場しない。

Wii版

2011年9月15日にWiiで発売された『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』に、FC版とSFC版がほぼそのまま収録された。
こちらの記事、およびFC版SFC版の記述を参照。

スマートフォン版

DQシリーズ8作品のスマホ展開の一環として、DQ2に次いで5作目として2014年9月25日にリリースされた。開発は【マトリックス】
【ドラゴンクエスト ポータルアプリ】(iOS/Android)内のコンテンツとして配信され、同アプリの起動ボタンからゲームを起動する。
また2016年11月からはAmazonアプリストアでAndroid/Fire版が単独配信されている。
海外ではポータルアプリは無く、単独配信のみとなっている。
 
タイトルロゴはSFC版ベースだが文字色が青に戻り、青赤迭立の伝統がスマホ版リリース作品では復活した。
 
内容はシステム・シナリオ・グラフィックともほぼガラケー版のベタ移植。
UIはスマホ版DQ1DQ2と共通のエンジンを使用しており、タッチパッドの位置・大きさのカスタマイズが可能。
DQ1やDQ2と違って地形が1/2マス単位で構成されている本作では移動単位も1/2マスのまま変更は無く、画面ドラッグによるキャラ移動にも対応している。
音楽はバトルロードシリーズなどと共通のシンセサイザー音源で、オケ版に基づいた前奏つきバージョン。SFC版での新曲は【ブギウギ】【ねむりの村】【戦いのとき】と夜の各曲のみ採用されている。
 
【冒険の書】3枠と【中断】(セーブ後もゲーム続行可能、ロードしても消えない)、それと【オートセーブ】機能を搭載。ポータルアプリ版では2017年3月のアップデートから、スクエニIDでログインしているとアプリ終了時にセーブデータがサーバにバックアップされるようになった。
 
主な変更点は以下。DQ2と共通である点についてはDQ2の頁を参照。

  • 【ルーラ】の消費MPが1に変更。
  • 【ふしぎなちず】【ようせいのちず】に拡大表示機能が追加。なおスマホ版本編リメイクの中で唯一、最初から地図機能が備えられておらず、アイテムとして入手する必要がある。
  • 【ラーミア】入手時のデータダウンロードとセーブは行われなくなった。
  • 【ちいさなメダル】景品の必要枚数が一部変更。
  • 個人の戦闘コマンド「そうび」が「どうぐ」に再統合され、「こうげき/じゅもん/ぼうぎょ/どうぐ」の4択に統一。「にげる」はメインコマンドに移っているので、先頭キャラが「ぼうぎょ」できないという事態は起こらない。
  • 【パーティアタック】が削除。しかし、【ギアガの大穴】での混乱治療に言及する台詞は変更されていない。
    • これに関連してか、ザオリクなどで蘇生された敵からの報酬が別途得られるようになった。

PS4版・3DS版・Switch版(2019)

スマホ版を最適化してベタ移植したバージョン。
DQ11に関連して、同作と同じPlayStation 4とニンテンドー3DS()の2機種でロトシリーズ3作が配信されることとなり、DQ3は他2作より遅れて2017年8月24日から、両機種ともにダウンロード専用で配信。開発は【ビー・トライブ】。配信は日本語版のみ。
なおこれによって3DSではDQ11までの全ナンバリングタイトルを1台で遊べるようになったが、当時から業界はNintendo Switchへの移行期を迎えており、3DSでのDQはこれが最後となった。
PS4版は【トロフィー】機能に対応している。
2019年9月27日には、Nintendo Switchで本作を含めたロト三部作がDQ11Sと同時に全世界で発売された。日本語版と欧米版はダウンロード版のみだが、アジア版はロト三部作を1つのゲームカードに収めたパッケージ版(日本語FC版3作品を縦にならべたパッケージイラスト)もある。
 
PS4版とレイアウトを共通化させるためか3DS版では上画面のみをゲームに使用し、下画面は地図となる。
キャラクター、モンスター、戦闘中の一部エフェクトや背景などは、SFC版のドットから書き起こした解像度の高いイラストに変更された。
 
セーブデータはスマホ版と同じく冒険の書3枠、中断、オートセーブを搭載している。
その他以下の点が変更された。

  • 移動中のステータスウィンドウはFC版準拠のフォーマットにキャラのドット絵を加えたものとなった(戦闘中はスマホ版のものを継承)。
  • 【性格診断】の謎の声からの問いかけの場面が枠に囲まれて表示されるようになった。
  • 【ギアガの大穴】での混乱関連の台詞が修正された。
  • 【眠り】および【混乱】状態が、敵味方共通で直接攻撃を受けると高確率で解除されるようになった。

HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』

【スクウェア・エニックス】が独自に開発したゲーム表現技法「HD-2D」を使用して制作された、28年ぶりのフルリメイク版。
開発は【アートディンク】?(過去にスマホ版ビルダーズ1を担当)。プロデューサーは【早坂将昭】?
2021年5月27日の「『ドラゴンクエスト』35周年記念番組」で制作開始が発表され、2024年(令和6年)11月14日に全世界同時発売された。FC版を「昭和のDQ3」、SFC版を「平成のDQ3」とするならば今回は「令和のDQ3」と言える存在になった。
対応環境はNintendo Switch、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Windows(Steam、Microsoft Store)。Steam版のみ11月15日の発売となっている。
日本でのレーティングはナンバリングタイトルで初めてCERO:Bとなった。
【タイトルロゴ】はスマホ版のものをベースにナンバーの位置を変えたものになったほか、「DRAGON QUEST」の文字デザインにも若干手が加えられた。
発売から約1ヶ月足らずで、世界累計売上が200万本を突破。2025年3月にはSwitch版パッケージの日本での売上が100万本を突破した(ファミ通調べ)。
2025年3月25日、デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’24/第30回AMDアワード優秀賞を受賞した。
 
グラフィックはSFC版をベースによりリアリティの高い描画にリニューアル。最新機種でのリメイクを行うにあたっては3Dグラフィックにする案もあったが、そうするとゲーム性が変わってしまうこともあり、FC版のような2Dの味が残るHD-2Dを採用することになった。
システム面では特技の大量追加や各種ガイド機能、難易度設定など時代に合わせた設計が採り入れている。【格闘場】に代わる新要素とそれに付随した新職業も追加された。
ボイスの導入とともにイベントシーンも大幅に追加され、従来のロト三部作では比較的シンプルであったストーリー面のテコ入れもなされており、後述するようにシリーズ作品との繋がりもより濃く示唆されるなど、いわば「完全版」と言っても良い作品に仕上がっている。
演出面等にはDQ11SやDQ10オフラインなどといった直近の作品から逆輸入された要素も見られる。
 
【冒険の書】は一アカウントにつき9つ。【オートセーブ】【中断】機能も引き続き採用されたが、中断データはGBC版と同じく一度ロードすると消去される。
2025年5月23日にアップデートパッチが配信され、いくつかの仕様変更が行われているが、ここではまず発売当時の状況について記し、アップデートによる変更点は後述する。
また2025年7月31日のアップデートからはNintendo Switch 2へのアップグレードも可能になった。ただしSwitch2版としてのパッケージは発売されていない。

演出面

HD-2Dとは、3Dで描かれた背景に、クラシックな2Dのドット絵のキャラクターやモンスターを組み合わせて描画するスクエニ独自の表現手法であり、過去には『オクトパストラベラー』シリーズで実績がある。ドラゴンクエストの過去作で例えるならばDQ7やDS天空シリーズなどで使われている手法に近いが、ムービー内では視点が変わることもあるものの、移動中は任意での視点の変更ができず、地形に応じてカメラの高度が自動で変化する。
 
移動画面では遠くにあるものやカメラに近いオブジェクトが霞んで見える演出になっている。各種什器や瓦礫などのオブジェクトが細かく描かれており、花の上に舞う蝶、飛び交う鳥や虫、地下を這い回るネズミなどプレイヤーが気づきにくいような演出もされている。
マップの縮尺が従来版と比べて広大化し、平坦であったフィールドや村のマップには高低差が付けられた。
キャラクターは自在に動かせるが、ドット絵はパーティ、NPCともSFC同様の4方向のみ。イベントシーンではフキダシや汗マークなどの演出があるほか、主人公や主要人物には専用のモーションもある。
マップの端へ行くとスクロールが停止しキャラが画面の端に移動するが、マップが3Dであるため左右の端にいるとプレイヤーの入力と画面上のキャラの動きでズレが生じる。
夜間やダンジョン内など暗い場所ではパーティの先頭キャラが【ランタン】を持ち、それで照らされた部分が周囲より明るく見える演出となっている。
 
戦闘画面はコマンド入力中のみ味方側の後ろ姿が手前側に表示され、この時には装備している武器も反映される。敵側は前後にバラけて表示されることもある。
ターン進行中は味方が表示されず、敵モンスターのみが横一列に表示される。モンスターの描写はドット絵であるが、フル3D作品同様に行動時のほか待機時や倒された時にもアニメーションを行う。
メッセージはフル3D作品に倣って画面下部中央に表示され、HPなどのステータスは右下部にゲージを伴って表示される。
 
フォントは、メッセージ等にDQソードなどと同系列の「ロダンNTLG」、パラメータやダメージの数値部分に「ハミングB」が使われている。
 
【キャラクターボイス】が採用され、ナンバリングタイトルではDQ8・DQ11・DQ10に次いで4作目の採用。先んじてライバルズなどで演じられていたキャラクターはそれと同じ声優が担当している。ボイスはイベント時の登場キャラクターと、戦闘時の味方の掛け声で使用される。
音楽はSFC版で使われた曲がすごろくの曲以外全て引き継がれ、音源のあるものは【東京都交響楽団】演奏のものを使用。DQ10オフラインと同じく、【勝利】を除いたMEにも同楽団版が使用されている。
 
なお、2021年の発表時に公開された動画では製品版と仕様が異なっており、フィールドはSFC版をそのまま立体化したようなイメージで、戦闘のコマンド入力時は味方パーティが画面右寄りに表示されていた。

HD-2D版の共通仕様

ここでは後に発売された【ドラゴンクエストI&II】との共通点を記述する。
 
全般

キャラ・アイテム関連

施設・マップ関連

  • DQ4以降と同じく冒険の書への【セーブ】【教会】のメニューの【おいのりをする】で行う(王などはセーブを行わない)。また男の【神父】に限って【おつげをきく】も可能。
    これに合わせて従来版で教会の無かった町などにも同等の機能を持つ神父やシスターが配置された。
  • 各場所に入った時には地名が表示される。また、初めての町では最初に町を俯瞰するムービーが流れる。
  • 3DS版DQ7同様、町や塔などは出入りした方角と内部の出入口が対応している。海沿いにある町には船で直接出入りできる。
  • フィールド上に【ひみつの場所】【キラキラ】が追加。キラキラは他の作品と違い、取得できるのは一度のみだが、有用な装備品や多額のゴールドが拾えることもある。

移動中

  • 【ダッシュ】を搭載。ボタンを押している間だけダッシュする仕様か、ボタンにより歩きとダッシュを切り替える仕様かを選択可能。
  • 話す、調べるなどの決定ボタンによるアクションを起こせる場所に行くと、ガイドが表示される。
  • メインコマンドは「どうぐ/じゅもん/そうび/とくぎ/おもいで/さくせん」。移動中では【とくぎ】コマンドが搭載され【じゅもん】と分離。一方、【つよさ】【さくせん】のサブに降格。
    メニューを開いているときにメニューボタン長押しで【ほぼまんたん】を実行できる。
    • 【どうぐ】コマンドはアイテム選択後に「ふくろ」というサブコマンドが追加され、ワンタッチでふくろに入れられる。
    • 「じゅもん」「とくぎ」ではFC版DQ1と同じく戦闘中の呪文・特技も確認できる。
    • 「そうび」は変更したい部位を選んで装備したいものを選ぶ。他のキャラの持ち物やそうびぶくろにあるものも選択可能。「自動そうび」機能も搭載。
    • SFC版DQ3の【おもいだす】に相当する【おもいで】コマンドを搭載。会話中や会話後に記憶ボタンを押すと、メッセージだけでなくその場面のスクリーンショットも記録できる。
    • 「さくせん」を選ぶとパーティ全員の主要ステータスと次のレベルまでの必要経験値が表示される(従来の「つよさ>ぜんいん」の機能)。
  • ステータスウィンドウは画面左下に表示され、スマホ版に似たフォーマットにライフゲージを加えた形になった。
  • 冒険の次の目的を表示するガイド機能を搭載。DQ10のように地図上にマーカーを表示させることもできる。
  • 画面右上にミニマップが常時表示される(町やダンジョン、ほこらにも対応しているがひみつの場所では非対応)。地図画面では拡大縮小が可能なほか、ZR/R2などのボタンで【ルーラ】ができる。
  • ルーラ・【キメラのつばさ】ではほぼ全ての町・ダンジョン・ほこらに飛べる。また、PS4版DQ11と同じくダンジョン内からでも使用可能。
    デフォルトでは内部の入口付近に着地するが、メニューボタン長押しで周辺のフィールドへの着地もできる。

戦闘関連
戦闘システム自体は従来版と同じく非シンボルエンカウントでターン制コマンドバトル(ターン開始時の全員一括指示)だが、ダメージ計算の仕様が変更されるなどの刷新が行われた。

  • 戦闘速度をDQ11Sと同じく「ふつう/はやい/超はやい」から選択できる。
  • 主人公を含めた各キャラに【作戦】を与えて【AI戦闘】を使用できる。
  • 全体コマンドはガラケー版以降のDQ3と同じ「たたかう/さくせん/にげる」の3択。メニューボタン長押しにより【にげる】を実行できる。
    個別コマンドはDQ6などと同じ「こうげき/じゅもん/どうぐ/とくぎ/ぼうぎょ/そうび」。戦闘中の「そうび」コマンドでは自分の持ち物からのみ装備品を選択できる。
  • HPの現在値による文字色の変化の基準がDQ10以降に合わせられ50%・25%で変化する。敵側のHPが減るとモンスター名の色も変化する。
  • 【状態変化】【状態異常】はキャラのアニメーションや、ゲージ横のアイコンで表示される。
  • 敵の【自動回復】が可視化された。
  • 物理ダメージの計算式が変更され、従来よりも複雑な計算式になった。合わせて、【ルカニ】など一部の呪文の効果が変更。
  • 相手の弱点をついた場合はダメージが増え、耐性がある場合はダメージが減る。通常攻撃や多くの物理系特技に【物理系】という属性が設定され、これに対しても耐性が存在する。
    ダメージが増加した場合は赤い数字、減少した場合は青い数字で表示される。
  • 【会心の一撃】【複数攻撃武器】や物理系特技でも発生する。また、会心のダメージが相手の守備力の影響を受けるようになった。会心のダメージが黄色い数字になる。一方、DQ3では【魔力暴走】は発生しない。
  • ステータス強化/弱体化や一部の状態変化は一定ターンで消える。敵によっては持続ターンが非常に短い場合もある。
  • レベルアップしたキャラはその場でHP・MPが全回復する。レベルアップ時には全パラメータの変化前・変化後の数値、習得した呪文・特技がウィンドウで一覧表示される。

DQ3における変更点

各種用語・呼称の変更

各方面への配慮か、いくつもの表現が従来版から変更されている。

主要な追加要素

●キャラクターの外見・声
今作では仲間キャラの【キャラクターメイキング】の際にルックスを選択後、外見、髪色、戦闘時に発する声のパターンを用意された中から選択できる。
【ダーマ神殿】にいる【ホミちょ】に頼むと、有料で外見と声を変更できる。
一方、勇者の外見と声は固定だが、クリア後に一定条件を満たすと髪色の変更のみ可能となる。
なお【ぬいぐるみ】や水着による外見変更は健在だが、後者はSFC版のようなアレンジはなく職業ごとに水着の色が異なるのみとなった。
 
●おたすけ機能
【ルイーダの酒場】では、同一アカウントで作成した他の冒険の書に仲間キャラを貸し出す【おたすけ機能】が利用できる。貸した側でそのキャラが使えなくなることはない。
貸せるキャラ、借りられるキャラはともに一人だけで、借りたキャラは貸したときのパラメータや装備・呪文・特技を持つ。アイテムは持たせられるが、装備や外見・職業の変更はできず、成長もしない。
 
●新職業と新呪文・特技
本作10番目の職業として【まもの使い】が導入された。モンスターが使用する特技を覚えるほか、はぐれモンスターを無条件で保護できる能力を持っている。
また、戦闘特技が大量に登場し、勇者と戦闘呪文を覚えない職業がそれらを覚えるようになった。多くはDQ5~DQ11からの逆輸入となっている。ほとんどの特技がMPを消費するため、全職業でMPが成長するようになった。
呪文も【デイン】【マジックバリア】【ザオ】【ベホイム】【マホリー】が追加されたが、【フローミ】【タカのめ】は削除された。
 
●はぐれモンスターとモンスター・バトルロード
レーティングの関係により、従来版の【格闘場】に代わって、DQ8で登場した【モンスター・バトルロード】が導入された。
今作では各地に散らばっている【はぐれモンスター】を集めて参加させる。同種のモンスターは複数体集めるとパラメータが上がる代わり、試合に出せるのは一体のみ。
4連戦(または3連戦)を勝ち抜けばランクに応じた賞品と賞金が得られ、次のランクに挑める。挑めるランクは【バトルロード場】ごとに決まっている。
また、はぐれモンスターの保護数はまもの使いの特技習得や【まものよび】の威力、【モンスターじいさん】からの報酬やエンドコンテンツにも関わってくる。
 
なお、SFC・GBC版に存在していたすごろく場は、開発期間の関係で導入されなかった。

シナリオの変更点

●オルテガ関連など
【オルテガ】に関連するイベントがSFC版よりもさらに強化された。
SFC版のプロローグで描かれていたシーンはストーリー内で回想として断片的に挿入される形となり、新たに【サイモン】と共闘する様子も描かれた。
【オルテガのかぶと】【ひかりのかぶと】に強化するイベントも追加され、これを装備していると【ゾーマの城】で再会時に選択肢が追加され、それによってオルテガの台詞が変化する。
勇者の母の会話シーンも大幅に増加したほか、ただのパーティ編成役だった【ルイーダ】にも台詞が追加されている。
 
●ボス級モンスターの追加
従来版ではイベント戦闘なしだった以下の場面に【ボス級モンスター】が追加された。

新たなボスはDQ1、DQ2、DQ6のモンスターの色違いになっているものもおり、特に【レヴナント】はSFC版のデモに登場していた無名の魔物がボスとなった形である。
 
●各地のイベントの変更
上記以外にも、本編中でも各イベントが多数追加・変更された。

 
●シリーズ作品との繋がり
勇者の実家の本棚とオープニングの母親の行動、ダーマ神殿の成り立ち、【竜の女王】の台詞、前述のガイアのハンマーなど、本作よりも過去とされるDQ11との繋がりを匂わせる演出・台詞が追加されている。
また、【エンディング】の最後には【竜の女王の城】の神官長が登場し、卵がDQ1へ、神官長がDQ2への繋がりを持つことを示唆する台詞が追加された。
 
●隠しダンジョン
第2の隠しダンジョンとして【試練の神殿】が新たに登場。
出現モンスターはGBC版の【氷の洞窟】のものを引き継ぎ、ボスも同じく【グランドラゴーン】だが、各種ノルマを達成しないとボスとは戦えない。それに含まれる2つのダンジョンは、特定の装備をしていないと大幅に弱体化してしまう仕様である。

その他の変更点

ゲームバランスについて

戦闘面では各種パラメータが敵味方とも全体的にインフレしている。
ほとんどの敵モンスターが新たな行動を使うようになったほか、複数回行動を行うモンスターが大幅に増え、最序盤から登場する。そのうえ16:9に拡大した画面を活かすかのように、同時出現数も増加した。さらに発売当時は【制限行動】が廃止され、同一ターンに制限なく強力な行動を何度でもしてくるようになっていた。
一方こちらにも特技が多数追加されたうえ、拾えるアイテムも追加。たね・きのみも多く手に入り、【キラキラ】などで強力な武器が早期入手できる場面も増加。お金は敵から得られる額が抑えられた代わりに、各所で拾える額が大きめになっている。これらをフルに有効活用してようやく対等に戦えるようなバランスとなっていると言える。
 
このような調整により、レベルが十分でないうちは1ターンでも多大なダメージや状態異常を受けることになり、雑魚戦は終始「やられる前にやれ」戦法が重要となる。
単体攻撃よりも範囲攻撃を中心に使って一気に攻めることが求められ、弱点をついた攻撃呪文が主力となるほか、SFC版で批判のあった【複数攻撃武器】が必須といえるバランスである。
そんな中、従来版ならば主力メンバーとなり得た【戦士】【武闘家】は中盤あたりまで範囲攻撃特技や複数攻撃武器も扱えず、物理ダメージの仕様変更もあって使いづらくなっている。一方で新職業【まもの使い】が覚える【まものよび】は守備力などの影響を受けないので非常に重宝されることとなった。

アップデート

発売から約半年後の2025年5月23日に更新データが配信され、ゲームバランス改善や操作性の向上、バグ修正などが行われた。コンシューマ版はVersion1.1.0.0、Steam版とWin版はVersion1.2.0.0。
主な修正点は以下。詳細は各項目を参照。

特に敵の守備力はあまりにも理不尽なほど高すぎたということか大幅に低下しており、クリア後の敵などは物理攻撃がまともなダメージにならなかったが、他作品と比べても遜色ないダメージを与えられるようになった。

関連作品

  • 【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】シリーズ
    本作の後日譚にあたるマンガ作品シリーズ。
  • 【ドラゴンクエスト 蒼天のソウラ】
    この作品世界内では「鳥紋勇者伝第三集」が伝承・物語としてのDQ3を指す作品のように描かれており、登場人物のソウラはFC版、ユルールはSFC版をベースにした書物を読んで育ったとされている。
  • 『オクトパストラベラー 大陸の覇者』(スマホアプリ)
    2025年2月13日からHD-2D版DQ3とコラボ。「異界と交わりし闘技場 特別な闘技大会」が開催され、DQ3のアイテムやモンスターが登場したほか、コラボExジョブキャラクターがDQ3の職業風コスチュームになったり、一部の呪文や特技を使用できる。