目次
はじめに
スマブラの初心者は往々にして、行動がワンパターンになりがちである。
特にガケのぼりや起きのぼりなど行動の選択肢が絞られる場面では1~2種類の起き方しか使わない(最悪、それ以外の起き方を知らない)ということもある。
それはつまり攻める側にとって予想通りの動きで殴られに来てくれるというオイシイ状況であり、ここで初心者は差をつけられてしまう。
このページでは、「ガケをつかんでも、すぐ攻撃を受けてステージ外に飛ばされてしまう」とお悩みの方向けにガケのぼりの方法5種類+1種類を解説する。
自分がやっていない・知らない起きのぼり方があった場合は、ワンパターンにならないよう取り入れていきたい。
① その場のぼり
操作方法:ガケにつかまった状態で、左スティックをステージ側に入力
利点
- 非常に無敵時間が長く、無防備な時間が1Fしかない。攻撃判定を完全に重ねられない限り、最速でガードを張ればつかみ以外の攻撃を防げる。
欠点
- 当然だがのぼった後はガケ際に立った状態、つまり「ラインが詰められている」(=逃げ場がない、バーストラインが近い)不利な状態であり、ここから状況をどう好転させるかを考えていく必要がある。
- 後隙は短いが動作自体は若干長く、慣れた相手には見てから攻撃・つかみを重ねられやすい。オンラインでは若干軽減される他、ファイターのモーションによっては見切られづらいこともある。
解説
非常にスキが少ないため、相手がスマッシュホールドしていたりガケっぷちに置き道具を設置しているような状況でなければとりあえず選択して間違いのないのぼり方。
ガケを上がった時にラインがないのは不利ではあるが、ゼルダやネスの様に後ろ投げが強いキャラはあえてその場のぼりからつかみを繰り出すのも選択肢になる。
特に、ガケ攻めで放った相手のスマッシュをその場のぼりの無敵時間で回避できた時は狙い目。
一方、短所の項目にあるように目の前に相手が待ち構えている状況でその場のぼりに成功しても基本的に状況は好転しない。
相変わらずガケに追い詰められた状況が続いてしまうため、ケンやテリー、クロムやルキナなど接近戦に強い相手に対してその場のぼりを通しても攻めを捌ききれず再びガケの外…あるいは最悪そのまま撃墜ということが起こりやすい。
「その場のぼりのあとに何をするか」までプランを考えて選択しよう。
また、フレーム面での性能差は非常に小さいが(ほぼ全ファイターが共通、ごく一部のファイターのみ全体Fが1~3F短い)、見た目の問題で狩られづらい・狩られやすいという違いが出てくる。
例えばネスやリュカのようなデフォルメファイターは早い段階で頭をガケ上に出してくるため、非常にわかりやすい。
その他、ミュウツーはのぼり回避とその場のぼりの見分けがつきやすすぎるため、こちらのその場のぼりも見てから狩られやすい部類。
狩られにくい例はのぼり回避とその場のぼりの区別が付きづらいファイター。見てから対応できる猶予が短いor無いため、より読みを入れないといけなくなる。
極端な例としてはスティーブで、こちらはその場のぼり入力後10F程度は目立ったモーションを一切起こさないため、特にオンラインでは見てから対応はほぼ不可能となってしまっている。
(スティーブのその場のぼりは全体34Fだが10F分モーションの関係で視認不可な分相手視点では実質全体24F、人間の反応速度は早くておおよそ11~12F、Switchの内部遅延で+6F、更にオンラインの最低遅延が+4Fで合計21~22F、つかみの最速発生が6Fなので見てからつかみを完全に合わせるのは理論上不可能な数値と言える)
どんな時に有効?
- 相手がやや遠めに立って様子見している時
- 相手がガケの近くに立っていて、後ろ投げで逆転を狙いたい時
② のぼり回避
操作方法:ガケにつかまった状態で、シールドボタン
利点
- 成功すれば、ラインを回復することができる。特にガケ際まで攻めてきた相手の背後に回り込むことができれば一転して攻勢に転じることができる。
- 相手の背後に回り込むことができた場合、読み負けて下スマッシュなどを食らっても死なないことが多い。つまり、相手がガケ際に立っているなら攻撃を食らうのを承知で強引にステージ側に戻ることができる。
欠点
- モーションが非常に長くスキも大きい。読まれてしまうとスマッシュの恰好の餌食であり、特に上スマッシュの範囲や持続が広いキャラや極めて発生の速い撃墜ワザ、設置するタイプのワザを持ったキャラ相手の場合は危険。
- そのモーションの長さからそもそものぼり回避を読んでいなくても確認できただけで狩れてしまうケースも珍しくない。読み合いにすらならない場面や組み合わせも多い。
解説
リスクは大きいがリターンも大きい、というのぼり方。無敵状態のままガケの遠くまで移動できる唯一ののぼり方。
主に相手がガケっぷちまで攻め込んできた状況で、相手の背後に回り込むように使うのが基本になる。
ただし、ガノンドロフ等上スマッシュが前後に攻撃できるタイプのキャラが相手の時は要注意。相手の背後に回り込んでも手痛い攻撃を食らってしまう。
逆に、利点の項目で書いたように上スマッシュの範囲や性能が悪く受けるとしたら下スマッシュや横スマッシュ、という相手の場合は「攻撃を食らっても死ななければOK」という考え方で無理やりのぼり回避で回り込む選択を取ることができる。
特に自分の蓄積ダメージが100%近くで「ガケ際で食らうと撃墜されるが、ステージ中央なら耐えられる」という状況では優先的に使って行ける。
範囲の広いワザを持っていなくても、設置ワザでガケのぼりを制限してくるファイター(例:しずえのハニワ)や極めて出の早い撃墜ワザを持ったファイター(例:プリンのねむる)の場合は基本的に通らないと考えて問題ない。
どちらも転がったのを確認してからワザをブチ込めるので、選択する意味が無いというケースが非常に多い。これに関しては読み合いすら起きていないという事に注意しよう。
もちろん、プレイヤーがのぼり回避を確認することが苦手だったりすれば通る可能性はあるが、それはお願いでしかない。どうしようもないと思ったら選ぶのもないではないが、あくまで分の悪い賭けであることは重々承知するように。
相手が遠くにいる時に、距離を詰める目的で選択するのは厳禁。DAなどで簡単にガケ外へ押し戻されてしまう。素早く上がって距離を詰めたいならその場のぼりを選択しよう。
のぼり攻撃ほどではないが、ファイターによって差の大きいのぼり方でもある。のぼり回避の距離は覚えておきたい。
また、その場のぼりとのぼり回避を見てから判別出来るモーションをしているファイターは特にお願いでも通りにくいので注意しよう。
どんな時に有効?
- 相手がかなりガケの近くに寄っていて裏に回り込めそうな時
③ のぼりジャンプ
操作方法:ガケにつかまった状態で、ジャンプボタンもしくは上入力(はじきジャンプOFFでも可)
利点
- 無防備な時間は4Fと、比較的ローリスク。
- 全体モーションが非常に短く、のぼりジャンプを読み切って予め攻撃を繰り出していない限り攻撃を当てるのが困難。
- 成功時に取れる行動の幅が広い。発生の早い攻撃を繰り出す、移動回避で攻撃を回避しながら背後に回り込む、空中ジャンプで上からステージに戻る、などが代表例。
欠点
- モーションが短いぶん、無敵も短い。「相手の攻撃を無敵でやり過ごしながら上がる」という使い方には向かない。
- ジャンプの高さを変えることはできない。直接潰されなくても、その後に着地狩りを狙われやすい。
- 移動空中回避や必殺ワザなどで上昇をキャンセルすることは可能だが、この場合も読まれると脆い。
解説
対戦であまり使用していないのであれば、積極的に取り入れるべき優秀なガケのぼり。
特に、相手が攻撃を繰り出していない(ガケをどういう方法で上がるのか様子を見ている)場合に有効。
自分がガケを離れてわずか4Fの隙をやり過ごせばもう自由に行動がとれるので、ほぼ普段の立ち回りに戻ることができる。
逆に、相手がガケ際で攻撃を振り回している時には封印すべき選択肢。
一般にはのぼりジャンプの対策としては攻撃の持続が長い空Nなどが使われるが、意外なことにジャブ系の弱攻撃を連打されるだけでものぼりジャンプは簡単に潰されてしまう。
ガケに捕まりっぱなしで無敵時間が切れそうなタイミングでスマッシュを叩き込もうとしている相手にも要注意。
欠点の項目に書いた通り無敵が短いため、「のぼりジャンプの無敵でスマッシュを回避する」のは極めて難しい。
どんな時に有効?
- 相手が攻撃を振っていない時
④ のぼり攻撃
ガケにつかまった状態で、AまたはBボタン
利点
- 攻撃の瞬間まで無敵が持続する。つまり相手がどんなに完璧なタイミングで攻撃を繰り出していても打ち勝つことができる(スーパーアーマーで耐えられることはある)。
- 決まれば相手をある程度ふっとばし、ラインが回復するうえに攻勢に転じることができる。
- 無敵が長いため、相手の攻撃を回避しながら使うことができる。
欠点
- スキが非常に大きい。ガードされてしまうと、つかみや強攻撃はもちろん、相手キャラによってはスマッシュによる反撃まで確定してしまう。もちろん回避された(届かなかった)場合も何かしらの反撃を受ける可能性が高い。
- のぼり位置はガケ際になる。仮に相手からの反撃を受けなかったとしても、ガケのぼり攻撃を当てない限りライン回復に繋がらずガケ際を背負った状態となる。
- 2回目以降のガケつかまり状態から行った場合、無敵が攻撃の瞬間まで持続しなくなるため、信頼度が大幅に下がる。
解説
初心者が往々にして取りがちなガケのぼりだが、それなりに癖が強いので使いどころを考えるべき選択肢。
一言で言えば当たればオイシイが、当たらなければ最悪というガケのぼりになる。
つまりのぼり攻撃を選択するべき場面は「のぼり攻撃が当たりそうな状況」ということになる。
逆に言えば、のぼり攻撃が当たらない場面で意味もなく空振りしながらのぼり攻撃を選ぶ必要はない。
最も分かりやすい「のぼり攻撃を選択すべき場面」とは、相手がガケ際でスマッシュをホールドし始めた場面である。
のぼりガケは攻撃の瞬間まで無敵なので、相手のスマッシュがどんなタイミングで来ようが絶対にガケのぼり攻撃が勝つようになっている。
ただし「ガケのぼり攻撃が当たる距離かどうか」は十分注意すること。リヒターの横スマッシュ先端が当たる距離でのぼり攻撃が届くキャラはいない。
ガケのぼり攻撃のリーチや性能はファイターにより異なるため、それを把握しておくことも必要になる。
ガケのぼり攻撃が届かない距離でスマッシュをホールドされた場合は別ののぼり方を取ることになる(お互いのキャラによって最適解は異なるがジャンプ上がりが有効になりやすい)。
ガケのぼり攻撃のリーチが長いファイターは比較的ローリスクにガケのぼり攻撃を選択できるともいえる。
数あるガケのぼりの中で通れば最もハイリターンなのがこののぼり攻撃であるが、それゆえに上級者であればあるほどのぼり攻撃を最優先で警戒してくるため、簡単には通らなくなっていく(ガケ攻めの基礎参照)。
初心者どうしの対戦ならいざ知らず、VIPを目指すならのぼり攻撃は「当たったらいいな」ではなく「今なら当たる」という正確な判断のもとで選択したい。
また、2回目以降のガケつかまり時はガケのぼり行動の無敵時間が減らされるが、この仕様の影響が特に大きいのがこのガケのぼり攻撃である。
攻撃の瞬間まで無敵であることが最大の利点なのに、そこがなくなってしまうため非常に痛い。
たとえばネスのヨーヨーといった持続の長いワザを潰しながらガケをのぼる方法は、2回目以降のガケつかまり時には成立しないので注意しよう。
どんな時に有効?
- 相手がガケの近くで攻撃を振ったりスマッシュを構えている時
⑤ ガケ離し
操作方法:ガケにつかまった状態で、左スティックをステージ外側または下に入力
利点
- どのガケのぼりよりも最速で(というか入力した瞬間に)自由行動がとれるようになる。
- この行動を取った瞬間から自由に動けるようになるため、実質的に後隙というものが存在しない。
欠点
- 入力したその瞬間から無敵が切れる。
- この後の展開作りはキャラ性能に完全に依存するため、良くも悪くもキャラ性能次第(解説にて後述)。
- 多くの場合、ガケの上にのぼるためには空中ジャンプが必要になる(解説にて後述)。
解説
初心者が往々にして忘れがちだったり存在を知らない選択肢その1。
ガケを離して落下するというのは一見自分をただ不利な状況に追い込んでいるだけに見えるかもしれないが、「ガケを離した瞬間から自由に動ける」というのは非常に大きな魅力であり、キャラによってはガケのぼり攻撃よりも素早く強力な反撃を繰り出すことができる。
他にも、空中ジャンプからワープ系のワザを使って素早く相手の後ろに回り込んだり、ガケを離して低めに落下したあと空中ジャンプから空上を繰り出して相手の足元を攻撃したり、高性能な必殺ワザを持つキャラは素早く無敵ワザを繰り出せたり、とキャラによって様々な展開を作り出せる。
あまり有効ではない(⑥の解説にて後述する)が、ガケ離しからもう一度ガケをつかむ、といった行動も取ることができる。
しかし完全に自由であるがゆえに、その後の展開はキャラ性能に依存する。つまり空中で使える高性能なワザを持っているかどうか、によってこの選択肢の優劣は大きく異なる。
有名なのはサムスの「ガケ離し空前」、パルテナの「ガケ離し空N」など。こういった強力なワザを持つキャラは優先して使っていくことができる。
逆に、リトル・マック等ろくな空中戦ができないキャラで選択してもあまり旨味がないということになる。
また、欠点の項目で述べた「ガケの上に戻るためには空中ジャンプが必要になる」という性質は無視できない欠点となる。
なぜかというと、この状態で攻撃を受けてしまうと「空中ジャンプができない状態で、しかもガケ際で攻撃を食らってしまった」という最悪の状況に陥るからである。
初心者はまず取らない選択肢であるが、少しスマブラに慣れてくると簡単に扱うことができ、いかにも上級者っぽいことをしている気分になれる妙な中毒性があるためついこればかり使ってしまう人もしばしば見られる。特にサムスやパルテナなど、この選択肢が強力なキャラでは顕著である。
しかしどんなに強力であっても、繰り返し使えばワンパターン化し、読まれればハイリスクな選択肢になってしまう。
ガケのぼりの方法を選択する際は「強い選択肢だから」で選ぶのではなく「この場面で最も有効な選択肢だから」で選ぶようにしたい。
どんな時に有効?
- ガケ際で相手が棒立ちしていたり何らかの攻撃を空振りしてスキを見せた時
⑥ ガケにつかまったまま何もしない
操作方法:ガケにつかまった状態で、どのボタンもスティックも入力しない
利点
- 相手が取っている行動を確認することで、最適なガケのぼり方法を選択できる。
- 5種類のガケののぼり方に「それらを選択するタイミング」という時間差の概念が加わり、ガケ攻めの難易度が大幅に増す。
- 一度落ち着くことで、守勢に回り慌てていた気持ちをリセットして冷静になることができる
- ガケにつかまった瞬間の2Fを除き、しばらく無敵が持続し安全な状態をキープできる。
- 無敵が切れたあとも、ガケつかまりの姿勢にもよるが多くの場合、攻撃のほとんどが当たらない安全な姿勢をキープできる。
欠点
- 相手にガケ攻めを準備する時間を与えてしまう。特に設置飛び道具を置いて複数のガケのぼりに対応できるタイプのファイターが相手だと、どんどんのぼりにくい状況になっていくことも。
- ガケにつかまっていても一部の攻撃はヒットしてしまう。特に振り下ろすタイプのスマッシュや、横スマッシュをシフト入力できる相手は危険。キャラによっては攻撃を食らいやすい姿勢のこともある。
- 上級者には「ガケ奪い」される可能性がある。通されると咄嗟の判断を強いられる。
- 対戦相手にも冷静になる猶予を与えてしまう。
解説
初心者が往々にして忘れがちな選択肢その2。
5種類のガケのぼりに時間の概念を加える、第6の選択肢である。
こちらも、不利な姿勢をただ長時間晒しているだけに思えるので「早くのぼらないと」と考えてしまいがちになるがそれは大きな誤解である。
「最速でガケからのぼる」ということは「常に同じタイミングでガケからのぼる」ということでもあり、ガケ攻めをする側にとっては非常に読みやすい・狩りやすいのぼり方である。
1秒ほど毎回タイミングをずらされるだけで、ガケ攻めの難易度は劇的に増加するので、この利点は非常に大きい。
相手ファイターによってはガケつかまりっぱなしの状態に差し込めるワザがかなり乏しい事もあるため、それを誘わせつつ普通のガケのぼりを通すといった考え方もできる。
また、最大の利点が赤文字で書いた部分、「相手の行動を見てからリアクションを取れる」ということである。
これまで「相手が近距離でスマッシュホールドをしていたらのぼり攻撃で潰す」「相手が積極的に攻撃を繰り出している時はのぼりジャンプをしない」「相手が至近距離まで攻め込んできたらのぼり回避で裏を取る」といった様々な選択肢の用例を紹介してきたが、これらは全て「相手がどういう状況なのかを見ることができていて初めて成立する」ことを忘れてはならない。
最速のぼりの全てが悪いわけではない。
例えばガケにつかまった時点で相手がはるか遠くにいてガケ攻めを受けない状況ならガケにつかまったままでいる必要性はなく、相手に攻められる前にさっさと上がるべきである。
また、ガケ奪いを狙っている相手には先行入力で最速のぼりをしていないと奪われて空後等が確定、バーストまでされることも。
しかし「今ガケをのぼると危険だ」という状況では、数あるガケのぼりの中から少しでも有利な可能性の高いものを選択することになる。
ガケにつかまったままでいることは、有効なガケのぼりを考える時間、そのヒントとなる相手の行動確認、ガケ攻めのタイミングを惑わせるフェイント、と様々な利点を持つ裏の選択肢なので、必ず覚えておきたい。
なお、ガケにつかまった際に発生する無敵時間は状況によって異なり、大雑把に言って
- 自分の蓄積ダメージが高いほど短い
- 空中にいた時間が長いほど長い
- ステージにのぼる、または攻撃を食らうことなく再びガケをつかんだ場合の無敵時間は一切なし
といったルールに基づく。
どんな時に有効?
- 相手がガケ狩りを狙っているほぼ全ての場面