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はじめに
ビデオゲームのみならず、多くの対人戦でも同じことが言えるが、スマブラでは読み合いが勝敗に大きく関わってくる。
しかし読み合いについて解説してくれる人やサイトというのは意外と少ない。
スマブラ上級者に聞いてもほとんどの人が「説明が難しい」「対戦数を重ねるしかない」と言われ、教えてくれない!と憤慨した経験がある人も少なくはないだろう。
実際に読み合いというものは論理立てて説明することはとても難しく、かつ相手が人間である以上絶対的な解答が存在しない奥の深いものとなっている。
ある人には通用した「読み」も、対戦相手が変わればまるで通用しないということは日常茶飯事なのだ。
このwikiでも全てを語ることは出来ないと思われるが、少しでも来訪者の攻略の助けになれれば幸いである。
読み合いとは
定義
相手ができる行動の選択肢(択)の内、どれを相手が選択するのかを予測して(読んで)、それに合わせた行動を自分が取ることである。
例を挙げると、
1Pのダッシュ攻撃を読んで2Pはシールドを張る 2Pのシールドを読んで1Pはダッシュつかみを通す 1Pのダッシュつかみを読んで2Pは……
双方がお互いの行動を予測して(読んで)行動している この状態を『読み合いが成立している』とする。
疑問と本質
しかしこの定義を聞いて誰しも一度は思うことがある。
「それって結局は運ゲーじゃないの?」「結局じゃんけんでしょ?」
それも全くの間違いではない。
実際、上級者同士での戦いになると極めて高度な読み合いの応酬の果てに、運ゲーに収束することも多いらしい。
だが、もしも本当に一から十まで運のみで勝負が決まるのならば、上級者や初級者といった定義は生まれないはず。
実際に上級者と初級者が対戦すると、上級者は初級者が次に取る行動をことごとく看破して勝利できてしまう。
一体どこで差がつくのだろうか?読み合いとじゃんけんは何が違うのか?
その差の原因として確実に一つ言えることがある。
それはズバリ読み合いが成立しているかしていないかである。
定義の項で挙げた例をもう一度考えてみよう。
1Pのダッシュ攻撃を読んで2Pはシールドを張る 2Pのシールドを読んで1Pはダッシュつかみを通す 1Pのダッシュつかみを読んで2Pは……
この時もしも2Pが何も考えずにとりあえずシールドを張っているのであれば
2Pはとりあえずシールドを張る 2Pのシールドを読んで1Pはダッシュつかみを通す
……と、1Pによる一方的な展開になるだろう。
読み合いになる場面なのに相手の行動を読まずに一定の行動を続けてしまう、
この状態こそ『読み合いが成立していない』場面である。
要するに初級者は読み合いがどこで発生するか分かっていないまま、一定の行動を続けてしまうから上級者に勝てないのである。
じゃんけんで例えるなら、「片方がグー・チョキ・パーの手札を持っているにもかかわらず、もう片方がグーしか持っていない」ようなものだと言って良い。
これでは、手札を揃えている側はパーを出し続けていれば一方的に勝ててしまう。
2Pがこの一方的にやられる状態を脱するにはどうすれば良いだろうか。
ズバリ、ダッシュつかみに対応する方法を知れば解決するだろう。
このページの方針
読み合いを制するには読み合いになっている場面を知らないといけない。ということで、
このページでは
- どの場面で
- どんな択が発生しているか
- その択にはどういった対応ができるか
- その対応に対してどういった対応ができるか
といったことを記していく。
ガケのぼり狩り
ガケをつかんでいる側が不利、
ガケの上で待機している側が有利な状況。
不利側の択
- その場のぼり
ガケの真上にじわりとよじのぼるガケのぼり。
後隙が僅か1Fしかなく、それ以外の間は常に完全無敵となるため比較的ローリスクなガケのぼり。設置物などでガケを固められている時にも有効な事がある。
が、全体動作が長めなため確認されやすく、持続の長いワザを置かれると対処されてしまう。反応の良い人が相手なら見てから潰されてしまう事も。
また、ラインが不利な状態から立ち回りに戻るため、通ってもその後の展開が良くなる事は少ない。
- のぼり回避
無敵になりながらガケから少し離れた場所まで移動できるガケのぼり。
相手の位置によってはラインを交換できる(自分が陸側に回り、相手にガケを背負わせた状態になる)ので、通った時の状況が非常に良い。
反面後隙が大きく、読まれたり見られたりしてしまうとかなり余裕をもって反撃される。
また相手のファイター次第では他の択とまとめて潰されたり、読みに関係なく潰されたりするなど、リスクの方が遥かに大きい。
後隙の大きさゆえに、見てからダッシュつかみ→後ろ投げや一点読みのスマッシュ攻撃も通りやすい。
特にこのガケのぼりの弱点となるところは「確認の猶予が長い」点。
のぼり回避にワザを重ねられている時はのぼり回避を「読まれている」のではなく「見られている」場合が多い。
このガケのぼりを選択してプリンのねむる等を合わせられて撃墜された経験はないだろうか?
こういったワザを当てられた時は「読んで」出されているのではなく、「のぼり回避が出たのを見て」出されているケースがほとんどである。
「読みに関係なく潰される」とはこの事で、そもそも後出しじゃんけんでワザを合わせている為ワザを当てる段階では読みもクソも無い。
こうなると、最早相手のミスをお願いする形でしか選択の余地はないということになる。
ファイター毎に距離はまちまちであるため狩る際は知識として知っておく必要がある。
- のぼりジャンプ
ガケから飛び跳ねるようにして上がるガケのぼり。
全体動作が非常に短く、後隙も僅か4Fしかない。見てから潰す事はほぼ不可能。
また、上がった後も空中ジャンプと空中回避が残った状態で自由に動ける空中状態になるため、その後に取れる選択肢も豊富。相手の位置によってはラインを交換できることも多い。
が、全体動作が短いぶん無敵時間も短く、スキの少ないワザでガケ付近を固められるとあっさり潰される。
見てから狩る事ができないぶん警戒もされやすいガケのぼり。
- のぼり攻撃
ガケをよじのぼりながら一発攻撃する。威力は10%程度と標準的な強攻撃程度。
1回目のガケつかまりから出した場合は攻撃が発生するまで完全無敵(2回目以降は発生前に無敵が切れる)ので、ガケ付近にいる相手に反撃しながらのぼる事ができる。
その性質上、ガケ付近で大振りなワザを置いてくる相手に有効。
基本的に後隙が大きいため、シールドや回避をされると反撃されてしまう。
また、攻撃判定が高い位置まで届かないため、小ジャンプなどで避けながら反撃を差し込まれることも。
攻撃部分にもファイター毎にかなり差があるのも特徴。
発生が早いものほど後隙が大きく、逆も然りで発生が遅いものほど後隙が小さい(全体動作は全ファイター一律)よう作ってある。
リーチもかなり異なる。
- ガケ離し空中ジャンプ攻撃(あるいは攻撃系の必殺ワザ)
発生が早く、相手の不意をつきやすい行動。
攻撃を当てることができればラインを回復しつつ陸に上がれるのでリターン面も優秀。
お互いのファイターの性能差により、有用性がほぼ無料から封印安定まで大幅に変わるのも特徴。
昇りながら放つ上、着地の選択肢がないので、有用性が高い場合を除きシールドなどで防がれてからやり返されるというリスクに注意。
また、空中ジャンプを利用して戻る性質上、相手の攻撃で潰されてしまうと空中ジャンプを失った状態で復帰しなければならなくなってしまう。
- ガケ離し空中ジャンプ→移動回避
- ガケ離し空中ジャンプ→移動系・突進系の必殺ワザ
- ガケ離し空中ジャンプ→通常空中回避
- 様子見
ガケにつかまった状態を維持する。
ガケつかまり中の無敵が切れるギリギリ手前まで待つも良し、無敵が切れてからも待つも良し。
特に初心者には軽視されがちだが、実はかなり強い選択肢。
単純にガケのぼりのタイミングをずらせて狩りにくくさせられるだけでなく、無敵が切れる瞬間まで待つかそうでないかで「相手にガケつかまり中の相手に刺さるワザを出す」という選択肢を出す・出さないといった読み合いを強要させることができる。
有利側の択
- 360°に攻撃できるタイプの空N
その場のぼり、のぼり回避、のぼりジャンプなど、様々な択をこれ一つで狩れる。
- (両側に攻撃が出る)下スマ
その場のぼりとのぼり回避を同時に狩れる。
ファイターによっては上スマでも両方を狩れる。
ガケつかまり状態にも当たる技も多いので使用キャラでガケつかまりにあたるワザがあるかどうかは把握しよう。
- 持続の長いワザ
その場のぼりとのぼりジャンプを同時に狩れる。
ファイターの組み合わせによってはガケ様子見にも対応。
読まれてのぼり回避を選択されてしまうと状況が苦しくなる。
いわゆる設置ワザもこれに該当する。
- シールド様子見
主にのぼり攻撃、その場のぼりを狩る行動。
ファイターによってはタイミングさえ合えば全てのガケのぼり行動に対応出来ることも出来る。
スキの少ない空中攻撃を持っているファイターにはリスクをつけづらい。
- 引き横スマ等
のぼり攻撃を狩れる。ファイターによってはのぼり回避読みでも使う事が出来る。
- 相手の動きを見てからつかみ
その場のぼりとのぼり回避を狩れる。
ガケ離し空中攻撃などで不意を突かれてしまうことも。
- 一点読み上スマ、空中攻撃
のぼりジャンプを狩れる。
のぼりジャンプは比較的多用されやすいので使いどころを見極めればわりかし通る。
- のぼり回避に回り込まれない位置をキープする
のぼり回避に回り込まれない位置をキープし、後出しじゃんけんを徹底するライン維持重視のガケ攻め。
大きなリターンを取りづらいが、ターン継続をするには有効。相手のガケ様子見対策にもなりやすい。
機動力が高いファイターもしくは相手の動きを制限出来る飛び道具ファイター向き。
- ガケ奪い
ガケ様子見にリスクを付ける択。
ガケ奪いを防ぐには先行入力でガケのぼりを入力する必要がある為、見せておくだけでも効果がある。
先行入力はクセの出やすい部分であり、ガケ奪いからのリターンを取ることとガケ奪いを嫌ったガケのぼりを狩る動きの両方ができていると効果的。
ただし失敗すると一転して不利になる点は注意。ファイターによって難易度が大きく異なるのも特徴。
ダウンからの起き上がり狩り
相手の起き上がりを狩る側が有利、
ダウンから起き上がる側が不利な状況。
狩る側の理想としてはダウン連に移行、もしくはダウン状態に直接追撃するのがリターン面で確実だが、
実戦ではファイターの機動力や相手の蓄積の問題などで追撃が間に合わない場合が多い。
もう間に合わないと判断したら相手の起き上がりに対して読み合いを掛けよう。
不利側の択
ダウンしてしまうと焦ってステージ中央に戻る様に起き上がりを選択してしまいがち。相手からすれば読んで大技を当てるチャンスになってしまう為、単調にならないよう気をつけよう。
相手側を向いてダウンしている時を想定。逆向きの場合は内と外の解説が反対になる。
また、各種起き上がりの操作は押しっぱなしでもOK。
- その場起き上がり
その場でぬるりと立ち上がる。相手の位置どり次第では内回避起き上がり読みのスマッシュをラインを下げずに避けられる。また、無敵が切れてからの硬直が1番少ないため、無敵で攻撃をかわしてからの反撃もしやすい。
ダウンした場所でそのまま立ち上がる上、動作も早くはない為、ダウンへの追撃の持続、外回避起き上がり読みの追撃、攻撃起き上がり読みの様子見からの攻撃等、引っかかってしまう攻撃が多め。
地味な見た目や、リスクリターンの影響か意外に操作方法が知られてなかったりもする。ダウン中に上入力でこの起き上がりができる。
- 内回避起き上がり
相手の方へ転がりながら起き上がる。相手の追撃の後ろ側に回り込み、ラインの交換をしながら反撃に転じることができる為、特にガケ寄りでダウンしてしまった時に通ったときのリターンは高め。
しかし、相手の方へ転がるということは、相手は余裕を持って起き上がりへの攻撃を重ねることができるということ。読まれていたら大技をもらってしまう。
- 外回避起き上がり
相手の反対側に転がりながら起き上がる。ダウン時の相手との距離や相手の機動力等によっては、追撃が間に合わない場所に逃げながら起き上がれる。また、相手から離れるので、追撃が確定する技も限られるため、比較的リスクが低い起き上がり方。
難点はラインを大きく下げること。読まれて追撃をもらってしまった場合、さらに苦しい展開になる。起き上がりに飛び道具を重ねてきている場合も当たってしまいやすい。
- 攻撃起き上がり
周囲を攻撃しながら起き上がる。性能はキャラによってまちまち。追撃しようと近づいてきた相手を追い払いながら起き上がれる。
無敵が切れるのが早く後隙も大きい為、シールドされたり、攻撃が届かなかった場合に大きな反撃をもらってしまいやすい。
- ダウンしながら様子見
そのまま何もせず、相手の出方をうかがう。相手がどう追撃をかけてくるのか見ながら適切な起き上がりを選択できる。起き上がるタイミングをずらし、起き上がりの無敵を相手の追撃に重ねる、内回避読みのスマッシュホールドを見てから外回避で起き上がる、外回避読みの深追いを見てから内回避起き上がりや攻撃起き上がりを通す等。また、ダウン中は相手のつかみは当たらない、当たり判定が低い位置になっている等の特徴がある。
ただし、ダウンにはガケつかまりと違い無敵がなく、その後に取れる行動も少ないことやダウン連を通されるリスクがある等、あまり強い選択肢ではない。
有利側の択
- ダッシュつかみ・ダッシュアタック
相手の外回避起き上がりを狩れる。相手を少し押すくらいめりこんでから出すと通しやすい。ラインを詰められる為、ガケ外へ相手を飛ばし、さらに有利な展開を作れる。
- ホールド横スマ
相手の内回避起き上がりを読んで狩る。相手がガケ寄りでダウンしている時は内回避を選択しがちなので狙い目。横スマッシュのリーチが長いファイターは内回避、攻撃、その場、様子見を一気に狩れることも。
- 近づいてシールド様子見
攻撃起き上がり、その場起き上がりを見てから攻撃を通せる。内回避で回り込まれてもガーキャンから空N・空後が通せる。
- 前後に判定のある上スマ、下スマ
その場と様子見、内回避を同時に狩れる。攻撃範囲が前後広いスマッシュを持つファイターで選択すると有効。
- 飛び道具
相手の起き上がり行動に重ねるように出せばその場、様子見、攻撃、外回避を全て狩れる。早めに出して内回避を狩ることも可能。相手の起き上がりからの反撃ももらいにくいため、優秀な飛び道具をもつキャラクターにとってはローリスクハイリターンな択。
着地狩り
相手の下にいる、つまり地面に近いほうが有利、
相手の上にいる、つまり空中に浮かされている方が不利な状況。
ただし、相手が自らジャンプ等で上をとっている場合は地面側が完全有利というわけではない。
狩る側は、着地狩りを通すことでそのままガケ外に追いやり復帰阻止、あるいは再び浮かせてもう一度着地狩り等に繋げていくのが理想。
それに対して、不利側としては一刻も早く着地などをしてニュートラル状態(お互いに行動が自由な状態)に持っていきたい所。
不利側の択
- 相手の攻撃が届かない場所に着地する
相手との機動力の差がある場合はこの択が一番無難と言えるだろう。
相手が着地狩りの強いファイターである時もそうだが、相手がいない方向、つまり地面のスペースがある場所に着地する意識は大切だ。
- 急降下N回避
本作スマブラSPにおいてトップクラスに強力な着地狩り拒否行動。
やり方は急降下入力をした直後、もしくは急降下中にN回避を入力。
相手の攻撃を無敵でやりすごせるのはもちろん、前動作を挟まずに高速で落下するので見てからスキを狩ることもできない。
着地狩り拒否は基本的にこの行動を多用して大丈夫だが、多用されるということは相手がそれだけ警戒しやすい択でもある。
読んで着地隙をしっかり狩ってくる相手と対する場合は、他の択も織り交ぜて狩られないようにすべし。
2段ジャンプを復活させるために狩られてもいいから無理矢理着地する、ガケ外に無理矢理降りてガケのぼりでやり過ごすといった用途でも使える。
欠点としては、ジャンプをしない着地狩りや回転率の高い着地狩りには無力であることが多い。
- 空中攻撃、暴れ
有利側の択の項目でも後述するが、急降下N回避を相手が狩るには着地する瞬間を棒立ちで待たなくてはならない。
なので、急降下N回避を読んでいる相手には空中攻撃が当たるというワケだ。
着地隙の少ないワザなら、シールドされても有利な読み合いに持ち込むことができる。
ただし読まれるとジャストシールドで手痛い反撃をもらったり対空上スマなどを振られてそのままバーストもありうるので注意。
- 空中ジャンプ
多少リスキーな択。
着地のタイミングをずらすことができるが、ずらした所でもう一度着地狩りのターンになってしまう場合がほとんど。そして空中ジャンプを消費した状態で着地狩りを受けガケ外に出されてしまうと、その後の復帰は非常に厳しいものになってしまう。
かと言って使いどころが無いワケではなく、例えば相手が落下地点を予測して待機しているなら、空中ジャンプで軌道をずらすことで相手が待機していない場所に降りることができる。
また地上に近づいて相手の対空スマッシュを誘った所で空中ジャンプを使用することで、ワザを空振りさせてから相手の後隙を狩ることもできる。
多用しすぎないよう注意すれば、裏択としてキッチリ機能するだろう。
- 落下速度ずらし
一部のワザは空中で使用すると一瞬滞空することができる。マリオのマント、ネスのサイマグ、ルカリオの空下などが代表的だろう。そういったワザを使用することで着地のタイミングをずらすことができる。
ただし相手に読まれると空中まで追ってきて攻撃されてしまうので注意。
急降下入力をせずに高空で空中攻撃を使う→相手が上昇してきたら急降下を入力するといった動きもある意味落下速度ずらしである。
- 自由落下
回避をしたり急降下のために体勢を整えたりせず、左右移動以外何もせずにやられふっとびの姿勢のまま降りてガケにつかまったり受け身やオート着地キャンセルで着地する択。
着地して即暴れたりシールドをしたりなどをすれば防御行動が間に合いやすく、相手の行動を見てから後出しで着地狩りをしようとする相手に有効。
さまざまな行動に「何もしない」を混ぜることで、着地は通りやすくなる。
- ガケ外に逃げてガケをつかむ
ガケをつかめば着地隙を狩られる心配も無いほか、ガケ外まで逃げることで相手としても追いづらくなり、極めて堅実に着地狩りを逃れられる。
ただしガケつかまりはガケつかまりなので、着地狩りを受ける時同様に不利な状況が続いていることに変わりはない。
相手の着地狩りの圧が強すぎてどうしようもない時などに使うべし。着地狩りの展開は最終的にはこの流れになるケースが多いため、慣れたプレイヤーは「とりあえずガケに逃げる」ことを勧めることが多い。
しかし「最初から択を考えずガケに逃げる」のと「様々な選択肢を考慮した結果ガケに逃げる動きばかりになる」のとでは大違いである。
本当にこれ以外の着地の択が無いのかどうかを試合中に正確に判断出来れば自身の防御力は格段に上がるはずだ。
有利側の択
- 着地地点に待機して着地隙を狩る
急降下N回避での着地を使うプレイヤーに対する回答。
相手が着地した瞬間を下スマなど発生の早いワザで狩る。
空中回避の着地隙は少なからずあるので、タイミングを見極めれば狩ることができる。
- 対空ワザで迎撃
対空に使える優秀な上スマや上強などを持ってるファイターなら主力になる択。
ただしそれがスキの大きいワザの場合、相手に空振りを誘われて後隙に反撃を受ける場合もある。
またむやみやたらに対空ワザを振り回していると、相手に自分から離れたところへ降りられた時に着地狩りが間に合わなくなる。
- ダッシュ攻撃などの突進ワザ
相手が自分から離れたところに降りようとしている時に有効。
タイミングが遅れるとシールドで反撃を受けやすいので、できれば早出しを意識したい。
もちろんリーチの長いワザや飛び道具でもよい。
- ジャンプして空中にいる相手へ直接攻撃
暴れに対して発生前を挫きにいくイメージ。また手癖で体勢を立て直すプレイヤーや滞空するワザなどでやたらタイミングを遅らせてくる相手などにも有効。
ただしこれを読まれるとジャンプに対して入れ違いになるようにして急降下空Nをされてしまい、上下関係が逆転して自分が着地狩りを受ける番になってしまう可能性もある。
- シールドを張りつつ待ってシールドキャンセル
着地隙の長い暴れワザをブンブン振ってくるような相手に有効。
着地隙の短い空中攻撃には反撃を取りづらいので注意。
- ダッシュジャストシールド
スマブラキックなどの下り空中攻撃で無理矢理着地をしようとする相手に有効。
多段系やタイミングをずらすタイプの着地に弱い。
ジャストシールド後の行動はスキの少ない行動ならある程度は入れ込みでもよい。
スキの少ないワザをシールドさせた/した時
シールドさせた方が有利、
シールドした方が不利な状況。
スマブラのゲームシステムではガードに解除時の硬直が発生するため、シールドをした時の確反ではガーキャン行動に頼らざるを得ない(=限られた行動しか取れない)場面が多い。
そのため、相手の攻撃をシールドしてもその後の展開が不利な読み合いになってしまう事が実は多々ある。
着地隙の少ない空中攻撃による飛び込みはその顕著な例だろう。
有利側の択
- 弱攻撃
後隙を誤魔化す暴れ。
発生の遅いガーキャン行動はこれで潰せる。
- その場回避
ほとんどのガーキャン行動はこれで回避できる。
読みきられてしまうとホールドつきスマッシュを喰らってしまうかも。
- シールド
相手が持続の長い攻撃を選択してきた場合、その場回避では避けきれない事がある。
それらに対抗できる択。
不利側の択
- 各種ガーキャン行動
基本の反撃。優秀なガーキャン手段を持っているファイターならこれだけで事足りてしまう事もある。
しかし実際は発生やリーチの問題で反撃出来ない事の方が多いだろう。
- シールドを張り続ける
相手が弱攻撃など発生の早いワザで暴れてくるようならこれで良い。
もちろんつかみには弱い。
- ディレイをかけた各種ガーキャン行動
その場回避を選択してくる相手に刺さる。
差し合い
一番の基本となる読み合いではあるものの、択の数が多く、一番難しい読み合い。
ただし前述のどちらかが有利、不利な読み合いに持っていくためにはここでの戦いを制する必要がある。
攻め側、差し込む側の択
- ダッシュ攻撃
素早く差し込むための択。
主に相手の着地などのとっさのスキにねじ込んだり、相手が引きステップで逃げるのを読んで使ったりする。
他にも、相手が後述のダッシュガードを読んでダッシュつかみを狙ってくる場合にそのつかみを潰す択としても。
相手にシールドを張られると反撃されやすい。
- ダッシュつかみ
相手のシールドを崩すための択。
相手がこちらの攻撃を恐れてシールドを張ったまま動かないようならこれをねじ込む。
- ダッシュガード
上記のダッシュ攻撃やダッシュつかみは、相手に適切な間合いでリーチの長いワザを振られると通らないことが多い。
そんな時に相手の懐に潜り込む択となるのがダッシュガード。
じわりじわりとラインを上げていくことが可能となる。
他にも、相手の飛び道具をいなしながら近く手段としても優秀。
もちろん相手のつかみには弱い。
相手がこちらのダッシュガードを読んでダッシュつかみをしてくるようであれば、
今度はこちらがリーチの長いワザで相手を退かす立場になる。
- 着地隙の少ない空中ワザでの飛び込み
スキが少ないのだから攻め込む手段として便利なのはある意味当たり前。
特に相手のシールドに対してのリスクが低いのが優秀。
野良では「相手の攻撃はガーキャンつかみで反撃」としか考えてない人も多く、そういった相手にはこれをガードさせて着地後その場回避することでガーキャンつかみの後隙を延々狩り続けられる。典型的な初狩り。
ただし乱用すると先読みで対空されることも多い。
守り側、差し返す側の択
- シールド
スキの大きいワザに対して反撃が取れる。
しかし実際のところは反確が取れないワザも多く、むしろガードした時の状況が良くないワザもある。
特に着地隙の少ない空中ワザに対してはできるだけシールドを使用せずに他の択で対処したい。
- 横強や飛び道具などリーチのあるワザによる牽制
相手の接近拒否として優秀。これで相手のDAとダッシュつかみは封じられる。
ダッシュガードで懐に潜り込まれることもあるので注意。近距離でシールドされるとガーキャンつかみされやすい。
- ダッシュつかみ
ダッシュガードで相手が切り込んでくるようであればそこをつかんでやると良い。
相手に読まれるとダッシュ攻撃で潰される。
- 発生の早い空前などによる対空
相手が空中ワザで飛び込んでくるようなら発生の早い空中ワザで先出し対空すると良い。
俗に言う空対空である。
優秀な地上ワザがあるのなら地対空でもOK。
- 引きステップ
DA、ダッシュつかみ、空中ワザでの飛び込みなど、相手の差し込み手段のほとんどをかわすことが可能。
ただし自分のラインを下げる行動なので、多用するとガケに追い詰められてしまう。
ラインを回復するには自分から攻めるべし。
- その場回避
後隙を攻撃でキャンセルできることから得られるリターンがシールドよりも大きい、今作でも屈指の強行動。
基本的に近距離はガンガン使っていって良い。
ただし多用すると相手に読まれて持続の長いワザを置かれたり、発生の遅い横スマなどでディレイをかけられたりするので注意。
相手のつかみをこれで回避して反撃するのは基本。
おわりに
なぜ初級者は読み合いで勝てないのか?
以上のように、スマブラは様々な場面で攻める側、守る側が相手の行動を予測しあって対戦するものだということが分かった。
また、どのような選択肢が存在しているかということも分かった。
それでも多くの人は思うだろう。
「なぜ自分の行動は読まれ、相手の行動は読めないのか」と。
その理由は一言でいえば冒頭にある通り「読み合いが成立していないから。その結果として一定の行動しかとらないから」なのだが、ここからはさらに「なぜ読み合いが成立しないのか、一定の行動しかとれないのか」を掘り下げる。
ここからは読み合いを単純化するためにグリコゲームを例に挙げながら話を進める。
- グリコゲーム
じゃんけんをして、グーで勝てたら3歩、チョキかパーで勝てたら6歩進み、先にゴールした方が勝ちとなるゲーム。
単純な運ゲーであるじゃんけんとは異なり「チョキかパーで勝てれば有利だが、チョキとパーだけ出していても勝てない」という読み合いが発生する。
出せる手を全て把握していない
上でも同じことを書いているが、「相手はチョキという存在を知らず、グーかパーしか出さない」と分かってしまったら、負ける人はいない。
これ以上ないくらいわかりやすく「読み合いが成立していない」状態と言える。
スマブラにおいては「その瞬間にできる行動をどれだけ知っているか」つまり知識の差ということになる。
本ページにも読み合いの基礎は書いてあるが、これはあくまで基礎に過ぎない。
ファイターによっては別の対抗策があったり、それぞれの行動の強さ/弱さも変化する。
知識不足を克服するために手っ取り早いのは、やはり攻略サイトや解説動画といった情報収集である。
ややハードルの高い行為ではあるがトレーニングモードで自ら研究しても良いし、対戦動画または対戦相手から学ぶこともできる。
特に同キャラ対戦(ミラーマッチ)で負けてしまった時はリプレイを保存し、相手の動きをよく観察してみよう。
もちろん、把握すべきは自分が使っているファイターの性能だけではない。
そもそも相手がどんなワザを持っているかも知らなければ、「読む」ことができるハズもないのである。
「相手はここでどんな行動を取ってくるか」を知るのも、「読み」を働かせるための事前準備として必要なのである(いわゆるキャラ対策)。
逆に「相手が知らない手をこちらが出せる」ようになれば、相手は未知の行動の対策に悩むことになり、状況は大きく有利になるだろう。
手の強さを把握していない
「チョキかパーで勝てば、グーの2倍のアドバンテージを取れるということを知らない」でグーチョキパーを適当に出していると大局的には負けてしまう。
スマブラにおいては「どの行動が強い(リスクが小さくリターンが大きい)のかを把握できているか」ということになる。
より厳密に言うなら、スマブラの技は全てに利点と欠点があり、いついかなる時も最強の技というのは存在しない。
威力が高いからといってスマッシュだけ出していても勝てないし、当てやすいからといって弱攻撃ばかり使っていても勝てない。
それは少し考えれば初級者でもわかることだが、いざ対戦となると120%、130%とダメージを稼いでも空Nなどの軽い技ばかり使っていていつまでたってもバーストできないというのはよく見る光景である。
守りも然りで、「相手のどの技に当たってはいけないのか」を考えず、どんな相手でもどんな蓄積ダメージでも常に同じ動きしかしない、というのも初級者あるあるといえる。
自分のダメージが100%近くになってくると「スマッシュを食らったら負ける」というのは冷静に考えればわかることだが、初級者は往々にして「スマッシュに当たらないような動き=撃墜拒否」ができず、最初から最後まで同じような動きしかできていないことが少なくない。
スマブラでは撃墜・撃墜拒否において色濃くこの読み合いが発生するが、この読み合いは撃墜絡みに限定されない。
相手のキャラの何が強くて何が弱いのか、を把握していれば最終的に「今この状況では、あの技を出してきそうだ」という予測が導けるはずである。
そして自分のキャラの何が強くて何が弱いのか、を把握していれば「ならば、この行動で対処できそうだ」という回答も導けるだろう。
手癖がついている
「この相手はパーであいこになったあと、必ずグーを出す」と読まれているパターン。
スマブラにおいては挙げるとキリがないほど、この「手癖」が潜んでいる。
着地狩りされそうになると移動回避をしてしまう。ダウンしたあと必ず内転がりで起き上がる。ガケに追いつめられると焦ってのぼり攻撃を出してしまう。下り空前がガードされたらその場回避をこする。接近されたらとにかく空N暴れ…等々…
これを解消するにはとにかく「意識する」しかないのだが、これが簡単なことではない。
自分の動きに癖がついてしまっているかどうかに関わらず、「相手の攻撃をなぜ食らってしまったのか」「自分の攻撃はどのようにして回避されたのか」をこまめに分析しよう。
特にガケのぼりや復帰など同じ場面で攻撃を食らってしまうのであればなおさらである。
「普段は問題ないのだが、自分の蓄積ダメージが増えるなどして余裕がなくなると特定のパターン行動を取ってしまう」ということもある。
撃墜拒否を取った結果そうなってしまうこともあり必ずしも間違いではないのだが「相手はスマッシュを出してこない」と読み切って危険行動を取ってみることも裏の選択肢として忘れないようにしておきたい。
いくら撃墜されないためとはいえ、それで行動を読み切られてしまうのでは本末転倒である。
あえて安定して勝てるレベルのCPU戦をしばらくやってみるというのも手である。
余裕がないからこそ慌てて癖で操作してしまうのであって、少し余裕をもって考えながらプレーできれば悪癖を意識して矯正していけるかもしれない。
復帰阻止などに関しても「こういう方法はどうだろう」と試す余裕があればバリエーションを増やすことができる。
頭が回っていない
スマブラSPはゲームスピードが早く、場面ごとに取れる選択肢も多い。
また蓄積ダメージによってコンボや最適な行動が変わるという都合上、読み合い以前に立ち回りの面でもスペックを要求してくるため、
「基本の立ち回りをする事だけに精一杯で、読み合いまで頭が追いつかない」という人もいるかもしれない。
無理だとは言わないが、そういった対戦ゲーム初心者が読み合いを学ぶに当たって本作から始めるのは少々ハードルが高いかもしれない。
なので、少々遠回りな道のりでも良いという人は、まずはスマブラよりも読み合いがシンプルで、システムも簡単な対戦ゲームから読み合いを学びはじめるのも良いかもしれない。
そこである程度対戦ゲームに慣れてからスマブラに戻ってくると、頭の回転率、反射的な直感、読み合いの考え方などが変わっていることに気づけるハズだ。
※他にもオススメのゲームがあれば追加してください
- ARMS
任天堂作品らしく操作がシンプルで特別なテクニックも少ないほか、
攻撃にはガード→ガードにはつかみ→つかみには攻撃といったシンプルな三すくみや
「相手が移動する先に攻撃を置いておく」など、読み合いの内容や発生する選択肢も非常に分かりやすい。
また機動力や攻撃の速度が全体的に控えめなので操作が遅れるような事態になりづらいのも初心者に優しい。
疲れている
スマブラSPは非常に展開が早く、情報量も多く、最善の行動をするためには精密な操作が要求される事も多いゲームである。
そのため、長時間、場合によっては例え短時間であってもプレイしていると疲労が溜まってくるのは避けられない。
目が疲れると正確にファイターの動きや状況を見極める力が衰え、指や肩が疲れると操作がおぼつかなくなり、脳が疲れると記憶力や思考力が低下していき、精神的に弱ってくると甘え・お願いといった行動に走りやすくなったり勝負所で攻め込めなくなったりしてしまう。こうなってしまっては、もはや読み合いどころではない。
もちろん、常に自身のコンディションに気を配らなければならないのは誰であっても同じことだが、上達を志す者ほど「単に自分が下手だから」「やり込みが足りない」と錯覚し、疲労したままゲームを続行して泥沼にはまるケースが多い。
上手くいかないなと感じた時は潔く切り上げて、休むか別のことをして気分を入れ替えた方が良いだろう。
総括
グリコゲームで勝つには「チョキかパーで勝った方がリターンが大きいと把握したうえで、ワンパターンにならないように時折グーも出す」ことが必要になる。
自分があと3歩でゴールできるならわざわざチョキやパーで勝つ必要はなくグーのリターンが大きくなるし、相手があと6歩でクリアできる場面ではグーを出してくる可能性は通常より低くなるだろう。
これは単純なルールで出せる手も3種類と少ないゆえ分かりやすいが、ことスマブラに置き換えてみれば「全く使ってない手がある」「どの手が強いのかわかってない」「同じ手しか出してない」といったことがいわば「読み合いの弱さ=スマブラ力の低さ」に繋がっているということになる。
読み合いに勝てないと思うのであれば、キャラ性能だなんだと言い訳する前に具体的になぜ勝てないのか、改めて見直してみよう。
キャラ性能を言い訳にするのはあらゆる状況で取れる選択肢を可能な限り熟知し、それらのリスクリターンを適切に判断し、偏りなく選択して、相手と対等にじゃんけんができるようになってからである。