スマブラの仕様やルール

Last-modified: 2024-03-29 (金) 06:58:21

スマブラという作品そのものの特徴や面白さ、購入前に知っておくと役立つ情報などをまとめるページです。
作品そのものの良い点・悪い点を客観的な視点から書き、それを参考にしてもらうことがこのページの目的です。

スマブラってどんなゲーム?

大乱闘スマッシュブラザーズ、通称スマブラはいわゆる対戦アクションに分類されるゲーム。
キャラクターが向かい合って戦い、対戦相手を打ち倒す…というゲームなのだが、最大の特徴はキャラクターが画面の外へ吹き飛ばされたりステージの下へ落下してしまうことで決着がつくということ*1
ここが、「体力を失ったら負け」となる一般的な対戦アクションゲームとは最も大きく異なる点。
ssbu_rule1.png
▲攻撃で相手を大きくふっとばす爽快感がウリ

 

ふっとばすのは難しそうと思う人も大丈夫。
スマブラ特有のシステム「蓄積ダメージ」のおかげで、攻撃を当てれば当てるほど相手はふっとびやすくなっていく。
例えば下の画像。これは全て同じワザを同じ場所から当てている。
ssbu_rule3_4.jpg ssbu_rule3_5.jpg ssbu_rule3_6.jpg
▲画面下の大きな数字が「蓄積ダメージ」 

蓄積ダメージが少ない時は軽く浮き上がるだけだった相手がやがて空高くふっとぶようになり、さらに蓄積ダメージが上がると画面の外まで一直線にふっとんでいる。
つまり、蓄積ダメージが多ければ多いほど吹き飛びやすくなり、撃墜しやすくなる。

 

その一方、大きく吹き飛ばされなくとも下の画像のようにステージから落下してしまっても負けとなる。
ssbu_rule2.png
▲ステージ端では、お互いの落下を賭けた攻防が熱い

蓄積ダメージが100%・200%と溜められても大きく吹き飛ばされることさえなければ負けではない。逆に、
蓄積ダメージが10%しかなかったとしてもちょっとした油断でステージから落下してしまうと負けとなる。
更に、蓄積ダメージの少ない相手がふっとびにくい事を利用したコンボ・連携や、
自分の蓄積ダメージが多い状態になると相手をふっとばしやすくなる「ほかほか補正」など、逆転要素が豊富な所も特徴。

 

とはいえ、蓄積ダメージが多いほどやられやすい事には変わりはないため
「序盤は小技で蓄積ダメージを細かく稼ぎ、100%を超えたあたりから大ワザでふっとばして撃墜を狙う」
というのがスマブラにおける戦いの基本となる。

 

……と、事細かに書いてはいるが、ざっくり言えば「ゆかいなパーティゲーム」であり、eスポーツの一角でもある。
ラフに遊んでもよし、ガチってもよし。
そのどちらでもこのWikiは役立つことだろう。

 

このように、友達どうしで集まってワイワイ楽しむライトユーザーからじっくり腰を据えて高みを目指すコアユーザーまで幅広く楽しめる懐の深さがスマブラの最大の魅力と言える。

当Wikiでは主に「対戦ゲームとしてのスマブラ」に焦点を当てた解説をしているが、1人用モード「灯火の星」や「これから上達を目指す人に向けた読み物」など、様々なユーザー向けにページを取り扱っている。

 

その他の特徴・良い所

この他にも、スマブラには一般的な対戦アクションゲームにはあまりない特徴がまだまだある。
その中でも特によく言われるのが次の7つ。

対戦人数

スマブラの対戦は1対1に限らない。
最大8人が入り乱れるバトルロイヤルや、2人~4人の数組が入り交じる(変則含む)チーム戦など、多彩な対戦形式を組むことができる。
これがスマブラが「大乱闘」と言われる所以(ゆえん)。

アイテム

スマブラでは、ルールによってアイテムが出現する。
リーチの長いソードや遠くの相手を撃ち倒せる銃、キャラクターが巨大化したり高速化したりする強化アイテム、一定時間一緒に戦ってくれるポケモンやアシストフィギュアなど様々。
基本的にランダムに出現するこれらのアイテムによって対戦に不確定要素が加わり、予想外の逆転が起きることも少なくない。

ステージ

スマブラの対戦は平坦で障害物のないところで向き合い…というだけでは無い。
飛び乗れる台座があったり、壁を破壊できたり、逆に新たな壁や足場が出現したり、ステージ固有の罠や仕掛けが作動したり…など、
キャラクターどうしの戦いだけでなく地の利を活かすことでさらに駆け引きは奥深いものになる。

単純化された操作

いわゆる「格闘ゲーム」では特に技コマンドを入力しないと重要な必殺技が出せないということがほとんどだが、
スマブラでは「スティックを上下左右のいずれかに入力して(あるいはしないで)AかBボタン」という素直かつ直感的な操作で一部(格闘ゲーム出身キャラなど)を除いた全キャラクターの技が統一されている*2
そのため初心者でも比較的簡単にキャラクターを動かすことができる。
ssbu_rule4.png ssbu_rule5.png
▲まさに大乱闘

魅力的な参戦ファイター達

スマブラはいわゆる「キャラゲー」としての一面も持っている。

一作目に「ニンテンドウオールスター!」と付いていたように、スマブラは作品の垣根を超えてキャラクターが集うオールスターゲームでもある。
今や任天堂の枠に留まらず数多の有名ゲームの代表キャラクター達が勢揃いし、その数はDLC*3も含めるとなんと82体にもなる。

マリオやピカチュウのように誰もが知る国民的キャラクターは勿論、屈強なゴリラ、ハンサム&ビューティーな剣士、美しき女神と魔女、ファンシーなマスコットキャラ、本気出すとめっちゃ強いお姫様、原作で暴虐の限りを尽くした極悪人、プロのレーサー、伝説の傭兵、竜になれる王子or王女、おサルの軽業師、顔面凶器の格闘家、戦う教師、戦闘機パイロット、怪盗、惑星間運送業者、超能力を持つ少年、二つの姿を持つ亜種生命体、果てには人喰い花、ロボット、平面キャラ、全身箱形キャラ、イカとヒトのハーフなど、もはやどうやって闘っているのかが分からないキャラクターまでおり、それらはいずれも個性的かつ魅力的なキャラクターばかり。

それらのキャラクター達から自分の気に入ったキャラを探し出し、さながら自分の分身ともいえるファイターを「自由自在に動かして戦う」というシチュエーションは、その操作性の良さや爽快な試合内容もあってプレイヤーを熱中させてしまうこと間違いなし。

原作では共闘するはずもない組み合わせや、思い入れのある作品同士のキャラクターが並ぶ姿も、この、スマブラがなせる魅力だろう。
 
また、スマブラがいわゆる「夢の共演」の舞台であることを活かし、ファイター達のアツいバトルシーンや、逆に珍妙な瞬間を写真や動画に収めて投稿・共有するといったTwitterなどでよく見るフィギュアのオモ写的な遊び方をするユーザーも一定数存在する。
更にはそのようなユーザーへ配慮した形か、ポーズ機能でゲームの進行を止めている間にスクリーンショットを撮影する、対戦後にリプレイを動画として残し、そして写真や動画を編集する機能が、対戦ゲームとしてはずば抜けて充実しているのも特徴の一つである。

 

しかし、キャラクター目当てに購入するのなら少し待った。
今作『スマブラSP』に参戦しているプレイアブルキャラ、つまりファイターの数は80を超えている
これらすべてが初めから使えるわけではないことは注意しておこう。

もちろん、ここが攻略Wikiである事もお忘れなく。好きなファイターを手早く解放する手助けになるはずだ。

ガチ対戦にも適したゲーム性

ここまでの情報を総合すると、スマブラはとりわけ対戦アクションゲームの経験が浅い人にもとっつきやすい、パーティゲームに近い特徴を持ったゲームということが言える。
 
が、スマブラはそれだけには留まらないゲームとなっており、アイテムやステージギミックを排して1対1で対戦することを突き詰めると絶妙なバランスの取れた対戦ゲームにも変貌する奥深さも兼ね備える。

各ファイターのバリエーションに富んだワザやアクション、「撃墜レース」を中心に繰り広げられる攻略と駆け引きの奥深さ、ワンパターン相殺を始め安直な戦術に制限をかける緻密なシステムといった、対戦アクションとしての完成度の高さはコアユーザーからも高い評価を博しており、いわゆる「e-sports」の競技種目としての支持も非常に厚い。
その競技性たるや、世界中で多くのプロゲーマーやそれに匹敵する実力を持つ猛者達が数百人~数千人規模の大会に参加しているほどである。
 
気になる人は、是非「スマブラSP 大会」や「SSBU Ultimate Tournament」などで検索してみて欲しい。
魂を込めて本作に打ち込むプレイヤー達の雄姿は、貴方に必ずや刺激と感動を与えてくれるはずである。

幅広いプレイスタイル

このWikiでは必然的に対人戦を重視した記述が多くなりがちだが、スマブラは対人戦だけが全てではない

弱め~それなりのLvのCPを相手に圧勝して気分をスカッとさせても良し、
収録されている超膨大なアレンジ楽曲を堪能しても良し、
ステージファイターの作り込みをカメラモードVRモードでじっくり眺めてみるも良し、
別売りのamiiboのFPを育て、連勝を目指し育成していくのも良し。
その楽しみ方はまさしく十人十色である。

上記の通りファイター全てが最初から使えるわけではないが、通常の大乱闘勝ちあがり乱闘アドベンチャーと、おおよそオフラインで触れるであろう主なゲームモードを遊んでいればファイターを解放するチャンスがやってくる。
ちょっと苦手だな、と思うモードは避けてもあまり困らないだろう。

 
 
 

よく挙がる不満点など

本作はスマブラシリーズの集大成に相応しい完成度を誇り、世界的に絶大な支持を獲得しているゲームである。
が、初心者や過去作プレイヤーの中にもいくつか不満等を感じる人々は存在する。
ここではそんな不満点やマイナス点など、初心者や過去作プレイヤーの中で多く話題となっているものを紹介していく。
 
注意点として、本作を過度に貶めること・プレイヤーや製作者を批判すること・その他ネガティブキャンペーン等を目的とする項目では断じてない。
ただ、手放しで賞賛された声をそのまま受け取って本作を手に取った結果、理想と現実のギャップに戸惑ってしまうユーザーも少なくない実情がある。
ここは本作においてよくある不満点を共有し、「騙された」「こんなはずじゃなかった」などといったショックに苛まれてしまう人を減らす事を目的とする項目である。

コンピューターがやたら強い

過去作のスマブラのCPはLv.9と言えど工夫さえすれば勝てなくは無い程度の強さだったが、今作ではCPが結構強くなっており、初心者や過去作のライトプレイヤーには少々手ごわく、慣れないまま勝つのは至難の業になるかもしれない。
過去作の場合、簡単な飛び道具の連発でも楽に倒せたりしたが、今作では反射や緊急回避等をまるで人間のように的確に使ってくる。
復帰を阻止しようにも受け身を取ったり、追撃しにくい動き方で戻ってきたり、ジャストガードやガーキャンつかみ等のテクニックを使いこなしてきたりと体感できるほどに強くなっているため、気楽なお遊びと言うよりは(レベルの高い)対人戦の練習と考えた方が良いほどの強さとなっている。
 
特に始めは無理に高レベルのCPUに勝とうとせず、高く見積もってもLv.5くらいに安定して勝てる事を目標にした方が良いだろう。

好きなキャラで勝つのが難しい(確かなキャラ差がある)

本作『スマブラSP』は過去作に比べれば全体的なファイターのパワーバランスはかなり整っており、それは大会などの競技シーンにおいても多様なファイターが活躍している様子からも見て取れる。
が、それでも個性豊かなキャラクターを使用できる対戦ゲームの宿命として「キャラ差がある」という問題は『スマブラSP』においても確かに存在するのである。
 
特に「やり込んだ際のポテンシャルが高い」「使いやすい」「勝ちやすい」ファイターは多くのプレイヤーに愛用され、環境を支配する傾向にある。 
例えばDLC勢のジョーカーカズヤセフィロスホムラ/ヒカリスティーブといったファイターはポテンシャルの高さもさることながら使用人口も多い。対人戦で勝つことを目指してスマブラSPをプレイする場合、これらのDLCファイターへの対策は避けては通れない。
DLCでなくとも、サムス(ダークサムス)ロボットヨッシースネーククラウド
といったファイターもDLC勢同様に使用人口が多め。
 
逆に、キングクルールリトル・マックガオガエンガノンドロフカービィ等の初心者向けファイターは、弱点が大きく対策がされてしまいやすい傾向にあり、上記した人気キャラとの相性も良好とは言えない。
こちらは上記の中でもホムラ/ヒカリ以上に初心者にとって馴染みやすく撃墜を奪いやすい性能だが、こういったファイターで上を目指すのは(不可能までは言わないが)相当に苦しいものがあると言えるだろう。

Q.初心者向けのキャラが人気キャラとの相性が良くないのはどうして?

Q.初心者向けのキャラが人気キャラとの相性が良くないのはどうして?

A.初心者のために設計された要素が中~上級者との対戦においては足かせになる場合があるから。
例えばカービィのふわふわしたジャンプから上必殺ワザでガケにつかまったり、キングクルールの上必殺ワザで長距離を飛行する復帰方法。
これらはゆったりとした動きで長距離を復帰するため、初心者でも落ち着いてステージに復帰しやすい設計となっている。

また、復帰の操作の自由度があえて下げられており、操作ミスからの落下に繋がる要素を排除されている。
自由度の高い復帰……例えばパルテナのテレポートといった方向指定系の復帰は慣れた人にとってはルートを絞られにくい強力な復帰方法だが、操作に慣れない初心者にとっては復帰が難しく落下しやすい復帰方法である。
一方でカービィやキングクルールの上Bは操作の余地が少ない代わりに、どのような操作をしても直接的には落下につながりにくい。
つまり、製作者のイジワルで自由度を下げられているのではなく、自由度が高いとその自由度の高さに振り回されてしまう初心者プレイヤーに配慮された設計……ということである。
(この他、Miiファイターのデフォルトの上必殺ワザも「3つのワザの中では自由度が低いが復帰距離自体は長い」という設計になっている。)

しかし、ゆったりとした動きかつ自由度が低いということは、それだけ相手側も対処しやすいということである。
もともとの操作の自由度が低いゆえに工夫をこらすのは非常に困難。慣れたプレイヤー同士の対戦ではむしろ厄介な部分に変貌してしまうのだ。
これが「初心者向けに設計された要素が足かせになる」という一例である。

つまるところ、初心者向け「なのに」人気キャラとの相性が良くないのではなく、初心者向け「だからこそ」人気キャラとの相性が良くないのである。

 
対戦格闘ゲームというジャンルは基本的に「不公平な条件下で対戦して遊ぶ」ゲームである。
各プレイヤーが性能の異なるファイターを使う限り公平性は最初からないも同然であり、強いて公平性が担保されている理由があるとすれば「同じ性能のキャラ同士で対戦(ミラーマッチ)ができる」「全プレイヤーに全てのファイターを使う権利がある」「参加者同士で必ず同じ画面を共有する(画面に映る情報が同じ)」の3点に尽きる。
だからこそ「自分の強みをどう活かし、弱みを隠すか」「逆に相手の強みを封じ、弱みを突くか」といった戦略が求められ、そのために強キャラを選んだり、キャラ対策を考えたり、相性補完のためサブキャラを育成したり、といった様々な戦略が今日も練られている。
 
その中で「好きなキャラだけを使う」という事は「自ら不利側に回って戦う」「敢えて負けやすい環境に自ら身を置いている」も同然の行為であり、その上で「勝ちたい」という欲求まで付け足せば、それは茨の道になると言って差し支えない実状がある。
 
もちろん好きなファイターで勝ったときの喜びはひとしおだが、そこまで上達するにはかなりの知識・技術・そして精神力を要する事は必然である。
「好きなキャラで勝つ」とは、そういった難しさや苦労がある遊び方なのだと理解してほしい。

対策必須なキャラクターが多すぎる

キャラクター数の多さは、エンジョイ勢の立場に回るとほぼ100%利点にしかなりえないポイントである。しかし、ひとたび「勝ちたい!」という精神に芽生えてしまうとさあ大変。
スマブラはカジュアルなゲーム性だが、さすがに80以上ものキャラがいると分からない要素が多すぎて最初のうちは全く勝てない期間が続く(それこそ一般的に「最強クラス」「お手軽」と目されるキャラを使ったとしても)。
 
スマブラ未経験の格ゲーのプロゲーマーですら、いわゆる「スマブラガチ勢」のスタートラインとされる「VIPボーダー」に達するにはそれなりの苦労を経ている様子が見られる。
原因の一つとして、「対策必須のキャラ数が多すぎてわからん殺しをされる回数が多すぎる」という点が考えられる。
もちろん格闘ゲームとの操作体系の違いというのもあるが、「対戦そのもののノウハウ」を熟知しているプロゲーマーですら苦労するのだから一からの初心者が非常に苦労するのは言うまでもない。
 
これは「過去作と比較してキャラバランスの差が整っている」「単純なキャラ数が非常に多い」という2要素が合体して起きてしまった悲劇といえる。
例えば前作の『スマブラfor』は『スマブラSP』の約半分強のファイター数だが、
Miiファイターがオンラインの野良戦やガチ対戦では使用出来なかった*4
「最強クラスとされるキャラクター(最終Verのベヨネッタクラウド)が明らかに突出しすぎていた」
「明らかに強みが不足しすぎているキャラが複数いた」
……ということもあり、『スマブラSP』と、『スマブラfor』以前における「対戦環境で日常的に対峙するキャラクターの数」の差は2倍では済まされないレベルである。
 
前作であればいわゆるキャラランク1位と2位とされていたベヨネッタとクラウドさえある程度対策しておけばある程度は対戦環境に適応出来たのだが、
今作は「他のキャラはわからなくてもホムラ/ヒカリとスティーブ(要するに多くのプレイヤーに強いと評価されるキャラ)さえある程度対策すればVIPに到達出来る!」なんてことはまずありえない。
バランスが良くなり使用キャラが過去作以上にバラけているのは健全といえば健全な環境ではあるのだが、新規参入のハードルが高いという欠点にもつながっているといえる。
 
このことにより、「分からん殺し」だけで負ける機会が少なくなるまでの期間は過去作の比ではないほど長くなってしまう。
攻略しがいがあると受け取るか、ハードルが高すぎると判断するかは人それぞれだが……

目が疲れやすい

今作は最新機種と言うこともあってステージやファイターなど色彩が豊かになっており、じっくり長時間見ていると過去作に比べて目が疲れやすくなっている。
特に動きも細かく調整されている辺り画質が良いと言うメリットにもなるのだが……。
特に8人入り乱れての大乱闘や明るいステージにカラフルなファイターではちゃめちゃな攻撃をしたりしていると目が辛いこともあるだろう。

もし気になる場合は目を休めることを意識したり目薬などの用意をしたりすると良いだろう。

アドベンチャーの要領が悪い

今作では『X』のアドベンチャーモードになぞらえてか『灯火の星』と言う要素が用意されているのだが、これは長く遊ぶことを想定して作られたイベント戦モードとなっており、悪く言えばテンポが悪い。

まず、難易度が「とてもかんたん」以外ではそれなりに手ごわくなっており、序盤で詰むプレイヤーも多数存在する。
100%クリアを目指す場合はもちろんだが、最短ルートでラスボスに行くためだけでもかなりの時間を要する。
おまけに『X』の時は横スクロール型ステージを大量に用意してストーリー性もあり、長いプレイをダレさせにくくしていたが、今回はほぼ全編がお題バトルばかりで、ムービーも数えられる程度。

「とてもかんたん」~「やさしい」でも最初のうちは難易度が高いのだが、終盤になって強いスピリットが揃ってくると大体の相手がワンパンできるほど強くなってしまい、ほぼ作業ゲーと化す。
「何この無双ゲー、めちゃくちゃ面白いじゃん!」と考えるか、「全然楽しくないどころか、むしろ苦痛なんだけど…。」と考えるかは人それぞれである。
物足りなくなってきたら、スピリットを縛ってみたり、難易度を上げてみたりと遊び方に工夫を加えた方が良いかもしれない。

キャラ解放の要領が悪い

今作で隠し要素として参戦するファイターは大体60近くおり、全て解放するには途方もない時間がかかる。
まず、アドベンチャーで解放しようにも上述の通りかなりテンポが悪く、解放するなら普通に大乱闘をプレイするか勝ち上がり乱闘プレイしたほうが早いようになっている。

それでも合計60近いファイターを全部解放するにはやはり時間がかかるし、いざ登場しても挑戦者の間と言う要素が設けられており、これも1番最初に説明した通りかなり手強くなっている。
1から全てのファイターを解放するためにひたすら戦い続けてそして現れたらまた戦い、負けたら振り出しに戻されて再び戦って勝たないといけないと言う繰り返し。
一応早い段階のアップデートで挑戦者の間の敵が強すぎたと言うことでコンピューターに下方修正がかかったが、それでも手強いことに変わりは無いので腰をじっくりと据えて挑む必要がある。

勝ちあがり乱闘の要領が悪い

今作では過去作のシンプルに代わる要素として勝ちあがり乱闘と言う要素が用意されているのだが、これが従来のシンプルに比べてかなり要領が悪いとされている。

まず、バトルの内容がキャラごとにバラバラであり、キングクルールウルフなど、登場する相手がほぼ単体でしかもキャラの特徴とマッチしているバトルなどであれば簡単に9.9が達成できるのに対し、ドクターマリオプリンなど、生半可なプレイではまず9.9は狙えないほど難易度が高いものも存在する。
内容がバラバラなら難易度もバラバラであり、相手の数が多い集団戦などではほぼアイテムアシストフィギュアに頼らざるを得ない運ゲーと化す。

従来のシンプルではどのキャラを選ぼうと難易度次第で道中の相手や最終的に戦うボス等はほぼ統一されていたが、こちらも対人戦と同様、好きなキャラで9.9を目指す事は難しい場合もある。
オール9.9を狙う場合はそれぞれしっかりと対策や作戦を立て、思考をフルに回転させる必要があるだろう。

どちらかと言うと対戦ゲームと言うよりはキャラごとに用意されたミニゲーム、おまけゲームと考えておいた方がいいかもしれない。

要素が多すぎる

今までは単純な戦いに加えておまけ程度の遊びがいくつか存在した程度だが、今回はスピリッツやそのポイント、スピリッツバトルにサウンドテストなど、さすがに少し要素を膨らませすぎた感がある。

手慣れたプレイヤーならあまり感じないかもしれないが、初心者やなれないプレイヤーのうちは把握せねばならない要素が多く、一気に全部覚えようとすると訳が分からなくなって冷遇を招くことになってしまうかもしれない。
すべてを遊び尽くしたいと言うプレイスタイルじゃない場合はそこまで気にしなくてもいいが、遊び尽くしたいけどちょっと慣れないかも…、と言う場合は少々忙しくなるかもしれない。
慣れてしまえばどうと言う事は無いのだが。

オンライン対戦とオフライン対戦が別ゲー

「オンとオフの違いが分からない」といった感想を述べる者も存在するが、インターネット回線を介して対戦するオンライン対戦と現地で対戦モードを使って対戦するオフライン対戦は「別物」「別ゲー」という見解が大多数派である。
 
その理由として、

  • オンライン対戦は遅延が大きい上に接続状況によって遅延のかかり具合も変化するが、基本的に自宅や通い慣れたゲーミングスペースで対戦できるため、自分好みの環境で対戦しやすい。
  • オフライン対戦は遅延こそ少ないが、モニターの明るさや画面位置、椅子、照明、その他参加者の空気感などが会場によって大きく変化し、かつそれらに適応する事が求められる。
    といったものがある。

特に入力遅延に無視できない違いがあるのは、普段どちらかに偏っている人ほど致命的になる。
 
完全に住み分けができていれば良いのだが、実際はオンライン・オフラインどちらも『スマブラSP』には違いないという見方ができるため、オンライン・もしくはオフラインのどちらかで結果を出したからといって簡単に一人前とは認めない(どちらでも強い人が真の強者)とする風潮が確かに存在するのである。
特に強豪プレイヤーとして名を売りたい、といった野望に燃える人ほど幅広い環境で活躍する事が求められるため、後述の問題にも通じる過酷さと向き合う事は避けては通れないだろう。
 
なお、オンオフの差があるとは言ってもオンラインだからといって初心者の人がオフラインの強豪プレイヤーに勝てるということはまずないし、逆もしかりである。 
回線さえ整えていれば『スマブラX』のおきらく乱闘のようにさながら水中戦のような重度のラグになるということもほぼなくなっており、別ゲー度で言うなら昔ほど酷くはない。
『X』時代のような「オンラインで残した結果は評価に値しない」といったレベルの風潮は無い(『SP』の比ではないくらいラグが酷かったので仕方のないことではあるのだが)のでその点は安心していただきたい。

オンライン対戦の仕様が前世代的

レーティングシステムのあるゲームにおいて通信切断が発生すると敗北扱いになりレートが変動するのが現代のオンラインゲームの主流である。
しかしスマブラSPはあろうことか通信切断が発生した場合の試合は勝ってもレートが上がらないというあまりに時代遅れな仕様となっている。(ただし切断したプレイヤーのレートは下がる)
レーティングシステムがこのような仕様になっているゲームは任天堂のゲームであっても少なく、2010年発売の『ポケットモンスターブラック』『ポケットモンスターホワイト』など古いゲームくらいしかない。
この仕様のせいか、ファイターや戦法によっては切断されて試合を無かったことにされることが日常茶飯事となってしまうことも。

これに関しては対処法は無い。
平成末期に発売されたゲームのレーティングシステムとしてはあまりにも杜撰なものだが、どうしようもない。

一応、有志が作成した非公式のレーティングシステムで対戦出来る交流サイトが存在するためまともなレーティングシステムで対戦する場が無いわけではない……のだが、
そこのプレイヤー層の平均レベルはすさまじく高く*5、未経験者にとっては参入のハードルは高いものとなっている。

難しすぎて・勝てなさすぎて心が折れる

ディレクターの桜井政博氏が「ゆかいなパーティゲーム」と紹介するように、スマブラと言えばみんなでワイワイ気楽に遊ぶゲームといった印象を持つ人は多いだろう。
が、そのような印象とは裏腹に本作『スマブラSP』はいわゆるeスポーツ・競技シーンを意識して作られている部分も少なからず存在する。
特に対人戦、いわゆる競技シーンで勝つことを意識し始めると底なしのやり込みが求められるゲームへと変貌し、強攻撃とスマッシュ攻撃の使い分け・反転・小ジャンプと急降下・ガケと復帰の攻防、などスマブラ独自の技術が求められる部分も多い。
いまひとつ融通の利かないキーコンフィグやクセの強い先行入力の仕様といった、若干操作性が不親切な部分も否めない。
トレーニングモードの機能が(過去作より充実しているとはいえ)非常に簡素な作りで、質の良い練習に工夫を要するのも上達の難しさに拍車をかける。
 
大会などで圧倒的なパフォーマンスを披露し観客を魅了するプロプレイヤー達に憧れ、本作の競技シーンに参戦する事を夢見る人は数多いことだろう。
しかしながら、競技シーンはゲームといえども勝負事の世界であり、それ故に「上手い人が勝ち、ヘタな人は負ける」を体現したこれ以上なくシビアで残酷な世界である。
そのような世界で勝ち抜くための綿密な練習・研究を求められ続けると、心が折れてしまうのは無理もないことなのだ。
 
幸いなことに多くの人にとってスマブラはただのゲームであり、勝てないからといって生活を脅かされたり将来を奪われたりする心配は一切ない。
修行僧のように苦しい想いをしながら取り組むのも良いが、基本的に強い人ほど「練習することが楽しい」「強い人と対戦することが楽しい」と思っているケースが大半である。
時には「自分が今やっていることは本当に楽しいのか」と自分に問うことも大切である。

電子取扱説明書が分かりづらい場所に用意されている、チュートリアルも昨今のゲームにしては不親切

これは『スマブラSP』というよりSwitchソフト全体の傾向としてある欠点なのだが、3DS中期あたりから紙の取扱説明書が撤廃され、現在のゲームソフトの取扱説明書はほぼほぼ電子取扱説明書に切り替わっている。
ここまではいいのだが、3DSソフトではメニュー画面から取説を見ることが出来たのに対し、Switchソフトはゲーム内メニューで探す必要がある

『スマブラSP』の取扱説明書は右メニュー(ZRパレット)の中に格納されており、ゲーム慣れをしていないユーザーからは「説明書がない!」「操作方法が説明されない!」といった不満点を持たれる原因となっている。
さらにゲーム内チュートリアルもムービー1本だけで、それもメニュー画面で放置するかムービーから閲覧するかの2つしか見る手段がなく、あまり親切とは言えない。
スマブラXのアドベンチャーなど、ある程度実践チュートリアルのような要素を盛り込んでいた過去作と比べても、本作は平成末期に出来たゲームとしてはかなり不親切な仕様と言えるだろう。
 
もっとも、このサイトを読みながら遊べるあなた達ならばそれほど問題にはならないだろう。
基本操作さらなるテクニック、各種ファイター攻略ページなどを読み込み、スマブラの操作やテクニックなどの練習に励んでいただければ幸いである。

コントローラへの負担が大きい

アクションゲームなのである程度はしょうがないことなのだが、スマブラはそのアクションゲームの中でもコントローラにかかる負担が大きい部類のゲームである。
はじき入力やレバガチャをつい力を込めてやり続けるとコントローラに負担がかかることは言わずもがな。
レベルの高い試合では必須級のテクニックであるヒットストップずらしもスティックやコントローラーの寿命を削る動きである。
 
Switch付属のJoy-Conで長期間やろうものならまず1年も持たずにスティックやらボタンやら接続部分やらがヘタれてしまう。
他のSwitchソフトもやる予定があるのであれば、別売りのコントローラの購入がほぼ必須と言えるのはネックであろう。
 
純正コントローラー(Joy-ConとProコントローラー)は多機能故に、スマブラで使用出来るコントローラの中で最も高価なコントローラである。(Joy-Conが約8300円,Proコンが約7700円)
スマブラを長くやる予定なら、せめてJoy-Con以外の別コントローラの購入をお勧めしたい。
IRカメラなどに対応していないコントローラもあるが、それらを使うようなゲームはスマブラ以外でもかなり少ない。そのため早々にJoy-Conを買い直すよりは多少安く済むケースがほとんどである。
 
とは言え、Joy-Con自体も継続的な改良が行われているようで、Switch発売直後と比べると耐久性も少しずつ向上しているのも確か、ということも併記しておく。
 
他には、プレイヤー自身ができる工夫として「出来る限り脱力した操作を心掛ける」というのがある。
スマブラの「はじき入力」はあくまでスティックを倒した角度と速さを読み取っているに過ぎず、倒す強さ・エネルギーは一切関係がない。ボタン入力も同様に、ボタンを「押した」「離した」の2種類のコマンドを読み取っているに過ぎない。つまり、過度な力を込めて操作する必要はないという事である。
むやみに力を込めてスティックをバキバキ倒したりボタンをバチバチ押した所でファイターやワザの強さが変わったりすることはなく、それどころか操作ミスが増えたり手が疲れやすかったりとデメリットが多い。
また、力んだ方が操作が速くなるかと言われれば意外とそうでもなく、正確かつ無駄のない入力に徹した方が総合的に見て速くなりやすいものである。
 
即ち、脱力した操作を身に着ける事はコントローラを長持ちさせるためのコツというのみに留まらず、上を目指して上達したい人・スマブラの基礎的な技術を身に着けたい人にとっても有用な習慣になり得る。
長くスマブラで遊び続けるつもりの人こそ、是非トレーニングモードなどで力まず操作する練習をしてみてほしい。
レッツ省エネプレイ!

終わりに

ここまで散々書いたが、総括してもやはり今作は素晴らしい出来のゲームと言えるだろう。
これらは基本的に1人プレイ&オンライン対戦を前提とした不満点だが、友達や家族と集まってワイワイ楽しむ程度ならキャラランクも気にすることなく楽しく遊べることだろうし、過去作との共通点としてパーティーゲームとしては最高峰と言えるだろう。

どんなに良いゲームでもプレイヤーの趣味嗜好により不満点が生まれるのは必然である。スマブラも例外ではない。
もし「スマブラを詳しく知らないが楽しませてもらえるはずだ」と考えているのなら、少なくとも
自分の趣味趣向や楽しみ方が対戦アクションゲーム/対人戦を遊ぶのに向いているのか?ということに向き合うのがよいだろう。

購入を検討している人々の参考になれば幸いだ。


*1 HPがなくなったら負けというルールも無いことは無いが、スマブラの中ではマイナーな方で、あくまで画面外にふっとばすのが基本的なルール。
*2 その他の追加入力が必要なキャラクターもいるが、ボタンを押し続けたり連打したり、スティックで向きを変えたりといった直感的なものがほとんど
*3 ダウンロードコンテンツの略称
*4 前作では「だれかと」では完全に使用不可。ガチ対戦環境では完全に禁止されてはいなかったが、初期の段階で「技構成が完全固定」「当時実装されていた体格システムが完全固定」というルールが敷かれており、Miiファイターの強みが大きく削がれてしまい使用者がほぼいない状態だった
*5 当該サイトでのレーティング対戦は初期レートとして1500が与えられ、最低レートが1000というシステムなのだが、「だれかと」で「VIPマッチ」を解禁出来るようになる所謂ボーダー付近の実力だとおよそレート1100程度に落ち着く