サウンドテスト/ファイアーエムブレム シリーズ/失意の果て

Last-modified: 2022-07-31 (日) 18:33:15

●出典:ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

作曲者/編曲者

作曲:辻横 由佳
編曲担当:辻横 由佳

入手方法

(デフォルトでサウンドテストに存在)

概要

『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』のシグルド編のエンディングのBGM。

このタイトルだけを見ても分かる通り、このシグルド編のエンディングはハッピーなものでは断じて無い。
シグルド編ラストとなる第5章クリア後、通称「バーハラの悲劇」といわれる事件が発生。
そのあまりにも悲劇的な結末、最後のモノローグ、そして流れるこのBGMとが相まって、プレイヤーにトラウマを植え付けるものとなった。

「バーハラの悲劇」とは

グラン暦760年、シグルドは父バイロン共々主君たるグランベル王国のクルト王子を暗殺した反逆者の汚名を着せられて、グランベル王国から追われる身となってしまう。
ラーナ王妃の好意でシレジアに逃れるも追っ手はシレジアにまで迫っており、シグルドは自分を匿ってくれたシレジアをこれ以上巻き込むわけにはいくまいと、自分たちの潔白を証明するために王都バーハラへの進軍を決意する。
その道中父と再会するも、瀕死の重傷を負っており聖剣ティルフィングを託して息を引き取る。更には自分たちの挙兵を知り再び駆けつけようとしてくれた親友キュアンとその妻である妹エスリンも、トラキアの奇襲によって殺されてしまった。
シグルドは身内を立て続けに失い深い悲しみを抱きながらも、自分と父を陥れたランゴバルトとレプトールとの激戦を制する。
そしてアルヴィスの右腕であるアイーダと会い、父と自身の無実を証明できる事、共に戦ってきた仲間に報いることができる事を喜び王都バーハラへと凱旋に向かった。

しかし…

病の床にある国王に代わってグランベルの全権を掌握していたアルヴィスから、突如「お前には反逆者として死んでもらう」とその場で殺害を宣告される。
混乱するシグルドたちを他所にアルヴィスが自分の妻として紹介したのは、記憶を失った自分の妻であるディアドラだった。
ここでようやく一連の事件が全てアルヴィスが裏で糸を引いていた*1ことを悟るが、時すでに遅し。

反逆者シグルドとその一党を捕らえよ。
生かしておく必要はない、その場で処刑するのだ!!

その瞬間、周りの兵が緑(友好)から赤(敵対)に一瞬で変わり、為す術もなく一斉に集中攻撃を受けてしまう。
シグルドは傷ついた体でなおも剣を振ったが、アルヴィスの持つ神器ファラフレイムの前に燃え尽きてしまった。

祖国のためと信じて戦ってきたシグルドの行き着いた先は、父も妹も親友たちも失い、反逆者という汚名を晴らすことも叶わず、
苦楽を共にした仲間たちに報いることもできないまま、妻を寝取った男に殺されるという、失意と絶望に満ちた壮絶な最期であった。

ちなみに、バーハラの悲劇にはシグルド軍で生存しているユニットはすべて参加することになるが、全員があの場で死亡してしまったかというと実はそうではない。
女性ユニットに恋人がいれば子供も生まれるため、第2部でそれ以後のエピソードを聞くことができる場合が多い。実際、シャナンのように生きて登場する人物もいる。

『スマブラSP』では作曲した辻横氏自身によるセルフアレンジが登場する。
『聖戦の系譜』から単独出典となるBGMはこの曲のみであり、「よりにもよってこの曲がアレンジされるとは」との声も見られた。
原曲は1分程の長さだがこちらは3分近くと比較的長くなっており、スマブラ寄りのアレンジではあるものの悲劇的な曲調は変わっていない。


*1 実際にはアルヴィス自身の意志だけでなく、マンフロイ率いるロプト教団の暗躍もあったが。