太古の昔の儀式*1に使われていたとされる骨董品を、競技用ブキに改造した新型モデル。
ジャンプすると射程と爆破範囲が変化する、特殊機構が内蔵されている。
これは「S-BLAST92」。エスブラストナインティツー、と読む。
2つのモードをスイッチできる、新しいブラスターだ。
爆発の範囲が狭いかわりに遠くまで精密に発射できるモードと、遠くまで届かないかわりに爆発の範囲が広いモードを、うまく使い分けよう。
ちなみに、乾電池を入れなくても動作するぞ。
▲画像は公式Twitter(@SplatoonJP)の2023年5月17日のツイートより。
概要
ブキ紹介
ブキチ |
メインの S-BLAST92は、インクの射出機構を 2つ内蔵することで、性能を切り替えて 使えるようにした ブラスターでし! | |
ふつうに撃つと、遠くまで素早く届くインクを 発射するでし! ブレが小さく ねらった場所に 当てやすいでしが、爆発も小さめでし | |
ジャンプ中に撃つと、近くで爆発するインクを 発射するでし! 射程が短い代わりに 爆発が大きくなってるでし! | |
連射は、おそいので注意でし サブのスプリンクラーとスペシャルのサメライドを うまく使って、スキをカバーするでし | |
できることが多くて かわいがりにくいでしが、 うまく使いこなせたら カッコいいでしよ~ ぜひ 試して欲しいでし! |
ジャンプ時に性能が変化するブラスターの新モデル。
通常時は直撃に特化した長射程モード、ジャンプ中は大きく爆発する短射程モードの二つを持つ。
ブラスター種にもとうとう現れた性能スイッチ型のブキ。
サブが塗り性能を補強できるスプリンクラーを備えており
スペシャルはダメ押しに有効なサメライドを搭載した万能性重視の構成。
メイン性能
ver.8.1.0現在
直撃射程 | 長 3.0 短 1.7 | 爆風射程 | 長 2.6~3.4 短 0.8~2.4 |
---|---|---|---|
塗り射程 | 長 3.2 短 2.2 | ||
拡散 | 0.0° | ジャンプ中拡散 | 8.0° |
ダメージ(直撃) | 125.0 | 確定数 (直撃・爆風) | 1~2 |
ダメージ(爆風) | 70.0~50.0 | ||
ダメージ (着弾爆風) | 35.0~25.0 | 爆風半径 | 長 0.40 短 0.80 (着弾爆風 ×0.5) |
連射フレーム | 55F(0.935秒) | 秒間発射数 | 1.09発/秒 |
キルタイム(直撃) | 0.200秒/kill | DPS(直撃) | 136.36/秒 |
キルタイム(確2) | 1.117秒/kill | ||
射撃継続時間 | 10.083秒 | 射撃後隙 | 23F(0.383秒) |
射撃前隙(イカ) | 15F(0.25秒) | 射撃前隙(ヒト) | 10F(0.166秒) |
インク消費量 (装弾数) | 8.5% (11発) | 射撃時ヒト速 | 0.40 |
インク回復不能時間 | 60F(1.000秒) | 非射撃時ヒト速 | 0.96 |
単発塗りポイント | 長 11.6p 短 13.6p | イカ速 | 1.92 |
SR補正 | ダメージ(直撃) 300.0 ダメージ(爆風) 150.0 インク消費量(装弾数) 4.8%(20発) | ||
備考 | ジャンプ撃ちで射程が短く、爆風の範囲が広い短射程モードに切り替え |
初速 | 長 17.0 短 9.2 | 爆発フレーム | 11F(0.183秒) |
---|---|---|---|
ジャンプ撃ち補正 | 4.0° | 足元塗り間隔 | 1発毎 (55F毎) |
最大中間塗り数 | 9個 | 中間塗り間隔 | 0.38本毎 |
対象 | ダメージ補正 | |
---|---|---|
パラシェルター | 2.2倍 | |
キャンピングシェルター | 1.6倍 | |
スパイガジェット | ||
スプリンクラー | 2.4倍 | 24倍 |
ジャンプビーコン | ||
スプラッシュシールド | 2倍 | 3倍 |
トーピード | 1倍 | 1.3倍 |
グレートバリアの本体 | 2.1倍 | 2.31倍 |
グレートバリアの弱点 | ||
ナイスダマのアーマー | 1倍 | 1.1倍 |
ホップソナー | 2倍 | 2.5倍 |
カニタンク | 1倍 | 1.3倍 |
デコイチラシ | 1倍 | 2倍 |
ウルトラチャクチ | 1倍 | 1.1倍 |
ガチホコバリア | 2.1倍 | 2.31倍 |
- 有効数値は単位によって異なるが、基本的に有効数値以下の値は四捨五入している。
- Fはフレーム。1秒=60F。
- 例えば30Fなら、0.5秒となる。
- 公式の表記では、30/60秒という表記を用いている。
- 射程・距離関係の単位は試し撃ちラインの本数。
- ヒト速やイカ速、弾速などの速度単位はDU/F。試し撃ちラインの幅を50としたときの、1Fに移動できる距離という定義。
感覚的に理解しやすい速度単位、試し撃ちラインn本分/秒(1秒間に試し撃ちライン何本分移動できるか)に変換する場合、これを1.2倍すると変換できる。- ちなみに中量級ブキの歩行速度は0.96 DU/F。
- スプラトゥーン3での内部パラメーター定義にはm/Fを使用している。
50 DU = 5m = 試し撃ちライン1本分。- 例えば、中量級ブキの歩行速度の内部パラメーターは0.096 m/F。
すべてのDU/F表記をm/Fに変更する作業は大変なので、現状距離単位にはDUを使用する表記に変換している。
- 例えば、中量級ブキの歩行速度の内部パラメーターは0.096 m/F。
- 有効射程とは、ある程度以上のキル性能を発揮できる距離のこと。
- ダメージの減衰によって確定数が増えたとしても、元のキルタイムから著しく遅くならなければ、それも有効射程と見なされる。
- 少し上を向いて撃つと、正面を向いて撃つよりも少し射程が伸びるが、それについてもある程度のキル性能が発揮できるのであれば、有効射程と見なされる。
- 著しくキルタイムが遅くなってしまう場合*¹は、カス当たり射程と見なされる(有効射程にはならない)。
- カス当たり射程とは、ジャンプせずにそのブキが届く最大距離のこと。有効射程よりもキル性能は低い。
- 確n射程とは、主に距離によってダメージが大きく変動するブキにおいて、n回攻撃を当てればキルが取れるギリギリの距離のこと。
- 初速とは、発射直後の弾の速度のこと。
ローラーなど、飛沫によって初速が変わる場合は最も早い飛沫の初速を記述している。 - 直進フレームとは、発射した弾が初速のスピードを保ったまま飛び続ける時間のこと。直進フレーム経過後は弾速がだんだん低下する。
ブラスター・ワイパーでは代わりに射程限界で爆発/消滅するまでの時間を記述している。(なお、ブラスターは射程限界付近で少し弾が落下する。)
弾速についての詳しい仕様はシステム詳細仕様#弾の仕様についてを参照。 - 塗り射程とは、カニ歩き撃ちで塗れる平均的な距離のこと。
- キルタイムは、1発目が当たった瞬間を1F目とし、そこからキルまでにかかる時間のこと(シューターの場合)。
- 厳密に言えば、キルタイムとはブキを振りかぶるモーションにかかる時間(前隙)や、1発目の弾が発射されてから相手に到達するまでの時間(相手との距離や弾速)も含めるべきだが、これらは状況によって大きく変動する*²ので不確定要素が多すぎるし、また前隙や弾速などは解析を待たなければ分からない。
- DPSは「ダメージ×60÷連射フレーム」で算出。
- 射撃後隙とは、射撃後にイカ/タコになることや、サブウェポンを使うことができるようになるまでの時間のこと。
- 射撃継続時間とは、連射フレーム×装弾数の値を秒に換算した時間。前後隙は含まない。
- 単発塗りポイントは、地面と並行に1発ずつ射撃して得られた塗りポイントの平均を、ナワバリバトルの塗りポイントカウンターを用いて算出している。
- ~増加/秒は、1秒間で増加する~の量。計算式は基本的に「~の増加量×60/(最大チャージF-最小チャージF)」。
ストリンガーの拡散は「拡散減少/秒」で表す。
スピナー、ストリンガーでは、
「~増加/秒(1周目)」「~増加/秒(2周目)」「~増加/秒(全体)」はそれぞれ
「~の増加量×60/(1周目チャージF-最小チャージF)」
「~の増加量×60/(最大チャージF-1周目チャージF)」
「~の増加量×60/(最大チャージF-最小チャージF)」
の式の値を表す。
「射撃継続時間増加/秒」は「(弾数増加/秒)×連射F/60」で算出。記載用に桁数を省略した/していない弾数増加/秒の値を用いた2つの場合では計算結果が僅かに変わる。前者を推奨。前者を計算式に起こすと、
「増加した弾数×60÷(最大チャージF-最小チャージF)×連射F÷60」だから、
「増加した弾数×連射F÷(最大チャージF-最小チャージF)」でも算出可能。最小チャージ時間が9F、フルチャージ時間が10Fのスピナーがあったとする。最大弾数は101発である。
このとき、上の計算式を用いると「100×60/(10-9)」なので弾数増加/秒は6000と算出される。
しかし体感としてそうは感じられないはずである。恐らくそのときあなたは無意識的に「ZRを押してから(チャージ開始1F目から)フルチャージが完了するまでの時間」を分母にして計算しているからである。これを分母にして計算するとこのスピナーの弾数増加/秒は600となる。道理で感覚と実際の値の間に齟齬が生じるわけである。
この現象はフルチャージ時間があまりにも短かったために起こった現象である。反比例のグラフを参照すれば分かるように、分母が小さければ、つまりフルチャージ時間が短ければ短いほどこの感覚の齟齬は顕著に生じるのである。チャージ時間の短い14式竹筒銃やスプラスピナー、LACT-450の値を参照する際にはこのことに留意されたい。また弾数の多いイグザミナーやハイドラントでも、短めの半チャージで射撃する際には分母が小さくなるため齟齬が生じやすい。ずっと弾数について語っていたので弾数のイメージが固着してしまったかもしれないが、このことは弾数に限らず射程やダメージでも起こる。
- インク効率(ダメージ)は「単発ダメージ×装弾数と装弾数÷確定数」。
インク効率(塗り)は「単発塗りポイント×装弾数」。「装弾数=(100%÷単発インク消費量)」は切り捨てせずに算出。
- 塗り半径は発生させた弾の勢いに応じて伸びというパラメータによって前方に飛び散るように変形する。
詳細はシステム詳細仕様#弾の勢いによる塗り範囲の変化を確認。 - 弾の大きさはイカタコやオブジェクトへの当たり判定と地形への当たり判定の2種類が存在し、ブキ種によっては時間経過で大きくなるものもある。
塗り半径などと違い、数値が小さいことを踏まえて単位は直径を採用している。
- その他ブキ種固有の性能についての詳細は各ブキ種ページにも記述されている。不明な点があればそちらも参照。
メイン解説
地上撃ちとジャンプ撃ちで射程が変化する、特殊な長射程ブラスター。
早い話、「爆風がちっちゃいロングブラスター」と「連射がおそいノヴァブラスター」を切り替えられるブキと考えて良い。
「射程+弾速モード」と「広範囲モード」が切り分けられる唯一無二のブラスターなのである。
要するにヴァリアブルローラーやクーゲルシュライバーなどと同じ可変ブキのカテゴリなのだが、
よりによって「射程と爆風が強みのロング」から爆風を、「爆風の大きさと連射力が強みのノヴァ」から連射を抜き取って組み合わせた結果、
長距離も短距離も得意とは言い切れない性能になってしまっている。詳しくは後述。
遠くの敵を速やかに仕留めたいときには地上撃ちの直撃を狙い、近距離で激しく動き回る敵を安定して仕留めたいときにはジャンプ撃ち、と状況に応じて対応することができる。
長射程ブラスターは爆風発生距離のコントロールをしにくい難しさを持つ中、本ブキはジャンプ撃ちによる近距離で大きな爆風を出せるという他のブラスターには無い器用さを強みとする。
しかし、地上撃ちとジャンプ撃ちでの射程変化は決して良いことばかりではない。
ジャンプしてから着地するまでの間は地上撃ちの優秀な射程を活かせない上に、近距離で戦う時は自身が目立ちやすいジャンプ撃ちを強要させられる、とも捉えられるため、良くも悪くも癖の強いスペックと言えるだろう。
その性質や地上撃ちの独自性により、他のブラスターで培ってきた経験があまりアテにできないのも難点である。S-BLASTは他のブラスターとは使い勝手が全く違う異色のブラスターとして認識する必要があるだろう。
同じ可変ブキであるヴァリアブルローラー同様、各モード単品の性能はそれぞれの類似ブキに劣る点も多い。
一方のモード依存だと別のブキを扱った方が強いという結果になりかねないため、両モードの使い分けが肝心となる。
ちなみに両モードともインク消費量自体は同じであり、装弾数は必ず11発(8.5%)となる。
地上撃ち 長射程モード
射程の長さと弾速を強みとする。
直撃射程は試し撃ちライン3.0本分でラピッドブラスターより少し短い程度。弾速はRブラスターエリートを越えて全ブラスター中で最も速い。
そのため、瞬間的なエイムで直撃を狙うことが可能。
直撃射程を把握できていれば『チャージの無いチャージャー』のような立ち回りが可能であり、射線が出ないので奇襲性能が高いのがチャージャーに無い強み。
射撃硬直はホットブラスターと同等。ロングブラスターはおろかノヴァブラスターよりやや軽快。
類似ブキであるロングブラスターと比べて、弾速・インク消費量・硬直の短さ・連射力で勝る。
一方でロングブラスターに大きく劣る点は爆風範囲が非常に狭いこと。
優秀な射程と弾速を両立している代わりに、爆風範囲の半径はライン0.4本分で全ブラスター中最低。さらに驚くべきことに、この爆風半径はトライストリンガーやフルイドVの爆裂弾の爆風半径に同じである。なんなら横に弾が2つ並ぶ分あちらの方が横の攻撃範囲は広い。この爆風の狭さから相手を爆風で削る運用は全く向かない。
確一ブラスターらしからぬ速い弾速を持ち合わせ、代わりに爆風範囲を犠牲にしている以上、直撃を狙うことが非常に重要となってくる。
直撃一点狙いの性能であるため、しっかり相手にエイムを合わせてから撃つ必要があり、生半可なエイムではこのモードの強みを発揮できない。
ちなみに、発射→ジャンプの手順を踏むことでジャンプしながら長射程弾を撃つことも可能。
しかも相変わらずブレ無しの直進弾なので、ロングブラスターと異なりアクション強化の必要もなく狙い撃つことができる。
回避しながらの即キルも可能だが、爆風が極小なため外してしまった場合のケアはほぼ期待できない。
A.「爆風が小さい」+「連射速度が55F」+「ジャンプ撃ちだと特殊な操作をしないと遠距離モードが保てない」+「遠距離モード先端の塗り力が貧相」の4つが芸術的なまでに重なりあったため。
- まず、インクリングたちのダメージが回復するのは攻撃を受けてから60Fである。つまりこのブキの連射間隔とほぼ同じなので、理論上はそのまま撃ち続けていれば敵を倒せる。が、それはすなわち奇襲にものすごく弱いSブラが悠長に姿をさらし続けているということであり、実戦でそんなことが出来るシチュエーションがまず無い。大体はイカ移動を挟んでから撃ち直すことになる。
- …ということは、相手の回復がもう既に開始している状態での追撃となるわけである。しかも爆風が小さいので相手にそもそも大きなダメージが入っているとは考えにくく、かつロンブラと違って先端の塗りが貧弱であるので滅茶苦茶取り逃がしやすい。
- 相手の移動先に合わせて攻撃を置く場合にも、足元が不安定なときはいちいち射撃→ジャンプの入力をしないといけないので、緊急時の対応がどうしても遅れる。加えて、ジャンプ→射撃が不可能になっているので足元の敵インクを飛び越えた直後は遠距離の敵に対応できないということでもある。そのため、偶発的に爆風を引っかけたときや、足元が不安定なときに強引に飛び込んで爆風を頼りに飛び込むということはかなり無謀になっている。
- 以上より、コイツの遠距離爆風が活用できる状況というのは、
「相手が滅茶苦茶油断しているか、後隙の多い行動を取って満足に動けないとき」
…に限定されるということである。そんな状況なら直撃を当てろというのはナイショ。
- 以上より、コイツの遠距離爆風が活用できる状況というのは、
ジャンプ撃ち 短射程モード
近距離に大きな爆風を発生させるモード。
ジャンプ時にブキから「ピピッ」という独特なSEが鳴り、短射程モードに移行する。
モード切り替えにはあくまでジャンプ入力が必要という点には留意されたし。ジャンプせずに高所から飛び降りた時の射撃は短射程モードにならないが、イカロールやイカノボリからの射撃やジャンプ入力をして壁を登った後の射撃は短射程モードとなる。
以下の状況では、イカが空中にいても長射程モードのまま射撃する。
- イカスポーン中
- スーパージャンプからの着地際
- (ジャンプボタンを押さない)自由落下
- (ジャンプボタンを押さずに)壁を登り切った瞬間の空中にいるとき
- インクレールから(ジャンプボタンを押さずに)降りたり出たりしたとき
類似しているローラーの縦振りは、ある程度の落下速度があればジャンプ操作をしていなくても縦振りになる。条件が少し違う点に留意。
また、射撃前後の硬直中はモードが変化しない。
- 例1:地上で射撃ボタンを押した直後にジャンプした場合、長射程モードのままジャンプ撃ちになるが、そのジャンプで高所から落下した場合、長射程モードの射撃硬直が終わってもまだ着地していなければその時点で短射程モードに切り替わる。
- 例2:ジャンプして着地際に射撃ボタンを押すと、短射程モードでの射撃前に着地することになるが、既に射撃動作は始まっているのでそのまま短射程モードで射撃される。その射撃硬直が終わってから長射程モードに切り替わる。
直撃射程は試し撃ちライン1.7本分でノヴァブラスターより少し長い程度。爆風のダメージ範囲はクラッシュブラスターと全く同じであり、非常に広い。
密着に近い距離だと爆風が当たらないのはノヴァブラスターと同様。
加えてノヴァブラスターと比べて、射程・爆風範囲で勝る反面、連射力・インク消費量で大きく劣る。
ジャンプ撃ち時のブレはノヴァブラスターも同じであるが、こちらの短射程モードは後述の方法を用いて地面に足をつけて撃ったとしても必ずブレてしまうので、ノヴァブラスターの地上撃ちのようにブレない状態で敵を狙うことが出来ない。
なお、短射程モードという通称のせいで「接近戦で安定して戦いたいときはこのモードを使うことになる」と勘違いされることが多いが、これは近距離用のモードではない。*2
爆風を含めた場合の最大射程は試し撃ちライン2.4本だが、この射程帯はキルタイムに優れた短射程ブキの独壇場であり、対してこちらは2発目が出るまでに約0.9秒とかなりの時間がかかる。
他の短射程ブラスターと同じく、他のブキとまともにカチ合えばキルタイムの大幅な差で撃ち負けてしまう。
つまり、このモードは正確には「遮蔽&段差モード」と呼ぶべきシロモノであり、遮蔽物や起伏(特に低所→高所)を活かして敵の攻撃をやり過ごしつつ一方的に爆風を当てる立ち回りが重要となる。
入り組んだ地形に入り込んだときや、敵の足元に潜り込んで段差下から狙えるときなどに使用するということだ。
じゃあ平地での近距離戦闘はどうするのかと言われると、ブレまくるこちらのモードではなく長射程モードで直撃一点狙いをせざるを得ないということになる。
この短射程モードは単騎だとだとどうしても非力なので、味方と協力して戦える状況で使うと活用しやすい。
大きい爆発範囲を持ちながらダメージは50以上と高いため味方のカバーが得意である。近場で戦っている味方に援護を送るとすぐにアシストマークがつくだろう。
更に、多対多の乱戦状態では、気まぐれに撃っただけで2~3のアシストがつくことは珍しくない。
ちなみに、
・ジャンプ後着地寸前に射撃
・ジャンプ長射程射撃後、一旦トリガーを押しなおしながら着地
いずれかの操作をすることで、短射程モードを地面に足を付けた状態で撃てる。残念ながら精度は変わらず、ブレがある。
実用性はないが、上下のエイム合わせがない分平面に居る相手に対して直撃の命中率が上がるかもしれない。
塗り性能
これらが重なり合った結果、全ブキ中最下位レベルの塗り性能になっている。
ここまで極端に塗れないとなると敵を撃破して塗らせない時間をガンガン増やしていかないと必ずジリ貧で負けるということでもある。
取れるキルは確実に取るように意識していこう。
このゲームには「ジャンプ直後は射撃の拡散が大きくなり、時間経過でだんだん拡散が小さくなっていく」仕様があるが、このブキはジャンプ中の拡散が固定されている?
(ジャンプで拡散が変化するブキの場合、レティクルの大きさがリアルタイムに変化するが、このブキのレティクルは短射程モード時に大きさが一定)
サブ・スペシャル
スプリンクラー
ブラスターには珍しい塗り支援型のサブ(ブラスターにスプリンクラーがつくのはスプラトゥーン史上初)
本ブキは塗りが最低クラスのロングブラスター未満の塗り性能*3な上に、爆発音で若干目立ちやすいので安全な整地や塗り荒らしによるスペシャルポイント稼ぎに使える。一つの設置で40pt程度。
咄嗟の足元塗りとしても使えるため、急に足元をとられたときにも有効。
また、他ブキの項目でもある通り囮としても使えるので、メインの得意な奇襲をしたい時には一役買ってくれるだろう。
インク消費量が60%と多く、メインは1発8.5%も消費する関係上、スプリンクラーを投げた後は最大4発しか撃てなくなる点には注意。
サメライド
サメ型フロートに乗り込んで全身無敵になりながら突撃する。
メインの対物DPSは難があるので、スプラッシュシールドやグレートバリアなどを構えてしぶとく生き残っている相手をゴリ押し撃破したいときに発動する。
自爆後は大きく隙を晒してしまうが、本ブキは直撃による一撃必殺があるため、他のサメライド搭載ブキと比べた時に、サメライドでのキルが上手く行かなかった場合のカバーを行いやすいという長所がある。
ただし、直撃を決められず射撃の後隙を晒してしまった場合は、高確率でやられてしまうだろう。
両モードの連射力の低さから、爆風だけで反撃を乗り越えるのは非常に厳しい。
やはり複数人が固まっているところに突っ込むのはなるべく控えたいところ。
運用
長射程と短射程を使い分けるという特徴から、本ブキは立ち回りが難しいブラスター種ながら、距離を問わないのが特徴といえるブキ……ではない。
むしろ全ブラスター中、距離については最もシビアなブキである。
確かに有無を言わせない射程と弾速を併せ持った一撃火力と、壁向こうや段差上に良く届く大きな爆風を一つのブキで扱えるのだが、どちらも爆風の威力減衰が酷すぎて直撃以外ではかなり弱い。
硬直時間などの都合も含むと短射程モードは近距離戦闘では役に立たず、短射程モードが活かせるのは味方の援護が期待できる場面か、近くにある遮蔽物を利用できる場合のどちらかであり、遠距離モードの内側での近距離戦闘を極端に苦手とする。
近距離まで潜り込まれたからと行って短射程モードに切り替えると、まず間違いなく爆風1回当てるのが精一杯でそのまま敵に仕留められてしまう。
これにより、このブキは適切に両モードを使いこなせれば強いのではなく、たとえ完璧に使い分けしても近距離かつ平地という状況に大穴が空いたままになっているのが難点のブラスターなのである。特に射程距離2.5ライン付近は遠近両方の爆風が届かないゾーンになっており、この位置に取り付かれると直撃を当てるしかなくなる。*4
基本的には遠距離モードでひたすら直撃を狙い続け、タイミングをみて段差や障害物まで接近して一方的に爆風で削り倒して前線をあげ、また遠距離直撃を狙い続ける…というのがこのブキになる。*5
ただ、直撃のみを狙い続けるのであれば、それはこのブキを使う必要性がないことは覚えておこう。
直撃で確定1発は確かに強みではあるが、射撃前の隙が長すぎて結局キルタイムはプライムシューターやボトルガイザーと同レベルである。
特にボトルガイザーは空中でも弾がブレないので、ただ単に狙った敵を撃破したいだけであれば、
射撃硬直もせず小回りも利く上に、いざとなれば一応塗りにも回れるボトルガイザーを使った方が良くなってしまう。
一般的なブラスターはそういったキル特化シューターの最短キルとの差別化をするために爆風を渡されており、
爆風と直撃の両立をすることで独自の強みとしている。
だがコイツはよりによってその爆風がとても小さいので長射程シューターと役割が被ってしまい、
「長射程モードだけで立ち回るのであればロングブラスターどころかプライムシューターやボトルガイザーでいい」…となってしまうのである。
なので、シューターにはなくてブラスターにはある「味方を弾丸が貫通する」という仕様と、
入り組んだ地形でなら効果を発揮する短射程モードの存在の両方を、
他のブキとの差別化のためにも是非活かしていきたい。
これに更に塗り性能やガチホコバリア割り効率などに注目すると、ブラスター種らしく低い点が露見する。
射程の切り替えを持ってしても塗り効率やオブジェクト破壊などに関しても器用ではなく、ブラスター種共通の欠点はまだいくつか残っている。
また、対面でも連射力の低さ故1確を当てるか、障害物を使った戦いをできなければ大きく不利になってしまう。
射程の切り替えはあくまでも手札のための機能であり、他の可変ブキたちのような高火力なモードや塗り性能の高いモードは備えていない。
本ブキを使うならこの点は意識しておきたい。
塗りと対物に関しては補うかのように塗り専用のサブや対物破壊力に優れたスペシャルを持っているので、必要になるときが来たら迷わず使っていこう。
ギアパワー考察
人の好みは千差万別、ギアパワーも人の数だけ組み合わせがある。
イカはほんの一例、ぜひ自分なりのギアパワーを見つけてほしい。
相性の良いギアパワー
- インク効率アップ(メイン)
メインのインク効率が悪いため、このギアパワーが有効だろう。
インク回復でも良いが、連続で発射し続けた際のインク切れを防いだりインクロックの影響を考えるならこちらのギアの方が優先度は上。最低限GP3でも発射回数が1回増えるのでお得。
- インク回復力アップ
メインは反撃を許さず仕留めることを得意とするが、連射が効かず撃ち合うのは苦手。
そこで1射ごとにイカ移動を挟むことが多く、その間に少しでも回復できるようになる。
インクロックが気になるので立ち回りによってはあまり恩恵がない。自分のプレイングからメイン効率とのバランスをとろう。
- イカダッシュ速度アップ
他のブラスター種同様立ち位置の調整は重要。生きる場面は様々。
敵を素早く射程内に捉えて長射程モードによる一撃を狙う、短射程モードの爆風をイカせるポジションに素早くつく、ピンチの時の逃げ足を早くして生存率を上げる、至近距離の戦いでの悪あがき、などに役立つだろう。
- スペシャル性能アップ
サメライドの爆発を強化することにより、爆風を避けられた場合でも確定的な反撃を受ける可能性を減らすことができる。
メインとのコンボも戦法に組み込める。
それに加えて重要なのが塗り範囲の強化。メインの貧弱な塗りを補える。特にガチエリアで重宝する。
- 相手インク影響軽減
連射力が低く、足元の状態には気を付けたい本ブキにとっては重要。
GP9以上積んでいると明らかに違いが出てくる。
特に逃走時、多くのイカ速と合わせて搭載していると多少の妨害なら無理矢理突破して生還できる。
- アクション強化
近接戦でジャンプ撃ちを多用する場合や、ジャンプ撃ち時に直撃を狙いたい時に役立つ。
ただ、直撃狙いなら長射程ジャンプ撃ちでいいこと、爆風が大きいので多少ぶれても引っかかりはすることから他のブラスターほど優先度は高くない。
壁際のより正確な撃ち込みや暴発時の保険など使いどころを考える必要がある。少量でも効果が乗りやすい。
- イカニンジャ (フク専用)
遠距離モードの直撃一確による暗殺を主とするこの武器とのシナジーは高い。スプリンクラーも活用しつつ有用なポジションをこっそり奪取してやろう。
ただし単体での採用ではブラスターに必須の射程管理に必要な機動力が失われるため、多めのイカ速と併用したい。
ギアパワーによる効果
インク効率アップ(メイン)
軽減量最大45%。
ギアパワー | GP0 | GP3 | GP6 | GP10 | GP20 | GP30 | GP57 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
インク消費量 | 8.50% | 8.13% | 7.78% | 7.34% | 6.39% | 5.64% | 4.68% |
射撃可能回数 | 11 | 12 | 12 | 13 | 15 | 17 | 21 |
ヒト移動速度アップ
射撃中の移動速度上昇率最大25%。
ギアパワー | GP0 | GP3 | GP6 | GP10 | GP20 | GP29 | GP30 | GP57 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
非射撃時 (DU/f) | 0.960 | 1.01 | 1.05 | 1.11 | 1.23 | 1.31 | 1.32 | 1.44 |
射撃時 (DU/f) | 0.400 | 0.410 | 0.419 | 0.430 | 0.455 | 0.473 | 0.475 | 0.500 |
アクション強化
地上拡散0°、ジャンプ中拡散8.0°。
他のブラスター(ノヴァブラスターを除く)と違い少量での効果量が高い。
ギアパワー | GP0 | GP3 | GP6 | GP10 | GP20 | GP30 | GP57 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ジャンプ中拡散 | 8.00° | 6.36° | 5.42° | 4.44° | 2.65° | 1.44° | 0.00° |
敵に使われる場合の対策
地上では長射程、ジャンプで短射程に切り替えてくる新ブラスター。
こちらとの間合いに応じて使い分けて応戦してくるため、中途半端な射程のブキではなかなか特攻しにくい。
弾速が速い直撃狙いの長射程、範囲が広い近距離向けの短射程……とかなり隙が少ない。
しかし塗り性能や連射力はブラスターらしく低い。持ちブキの機動力やキルタイムの速さ、射程の長さなど長所を一方的に押し付けよう。
ブキセットごとの対策
塗り性能の低さはスプリンクラー、対物破壊効率の悪さはサメライドで補えるため、射程や機動力などによって攻撃性能が高いブキで応戦しないと追い詰められやすい。
懐に潜り込もうとしてもサメライドの反撃が来る可能性があるので要注意。
サーモンランでの運用
「オオモノ処理に向く長射程モード」と「ザコ処理に向く短射程モード」の使い分けを意識していこう。
直撃で300ダメージを出せるため、遠距離からバクダンを一撃でカチ割れるのはとても強力。
「貫通はしないが、チャージ不要のチャージャー」としてイメージするといい。
近距離モードでザコシャケをいなすこともできるが扱いにクセがある上、小回りがききづらいのでキョリをとりつつ無理なくたたかおう!
詳しくはサーモンラン/ブキ別立ち回り#S-BLAST92を参照。
アップデート履歴
トリビア
- N-ZAP85、LACT-450、R-PEN/5Hに続く、英数字のみで構成された名前のブキ。
- ブラスターの中では後ろに突き出た独特のスタイルと、筒そのものといった無骨なフォルムもあって何かとロケットランチャーのような外見のブラスターの中でも特にらしい外見をしている。
- 使用時の構え方もきちんとランチャーらしく肩に担いでいる。
- 本体横に印字されているSUPER SCOPEは、イカ文字ではなく人類の文字そのものである。末広がりの強いデフォルメがかかった外観をしている為、競技用に新造された物ではある筈だが…。
- 射撃時に発射口から赤外線らしきものが出る。
- 本ブキの元ネタはスーパーファミコンの周辺機器であるスーパースコープ。数字の92は海外のリリース年である1992年の下2桁からとられているのだろう。
- 「乾電池を入れなくても動作する」というアオリ文は、スーパースコープが電池を入れて動作させることに由来する。因みに実物は燃費が非常に悪い。単3電池6本をものすごい勢いでドカ食いするので長時間遊ぶことが出来ないシロモノであった。イベントシーンや射撃の必要のないシーンでは可能な限りパワーをオフにしたり、必要に迫られない限りはターボモードを使わずに単発モードで電池の消費を押さえつつ進行したりといった形でどうにか電池を節約していた家庭も多かった。
- 同じく任天堂のゲームである、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズにもアイテムの一つとして登場している。
- そちらでは溜め無しの連射弾と溜めて放つ高威力弾を使い分けることができる。本ブキが可変ブキである点はこれに基づいているのだろう。
ちなみに、「電池式」という設定を反映してSplatoonとは違い使い切り。
- そちらでは溜め無しの連射弾と溜めて放つ高威力弾を使い分けることができる。本ブキが可変ブキである点はこれに基づいているのだろう。
- 実物とは細かい部分で変わっており、本物のランチャーのように発射口が巨大、左側に付いていた照準器が右側に移動されている。こいつのチャー版の登場が待たれる
- 長射程モードの爆風半径はトライストリンガーやフルイドVの爆裂弾の爆風半径と同じである。なんなら複数の弾が並ぶ分それらの方が横の攻撃範囲は広い。いくらなんでも小さすぎる。